※この作品はR-18です。

Escape! 猫の世界巡り   作:ウルハーツ

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発情

 翌日、私は普段通りに呆けて居る。最初鍛冶場でリズに鍛冶を教わる事になったのだけれど、リズの話だとスキルの力が90%で後は自力だから難しい内容は無いらしく、それでやって見ようと言う話になった。だけど考えても見れば私にスキルと言う概念は存在して居ないからリズみたいに簡単に鉱石から剣には変化してくれるはずも無い。物を運ぶ力仕事は根本的に力が無いから無理で、接客となるとばれたら最後、お店どころでは無い騒ぎになってしまうから無理。結局リズは考えた結果……私に普段通り椅子に座って呆けて居る様に命令した。

 

 昨日の発覚から私はリズと会話をし、先程から言って居るみたいに愛称で呼ぶようになった。ずっと「リズベット」と呼んでいたら「リズで良いわよ」とごく自然に言われたから。人間であったころの記憶と総合しても誰かの事を愛称で呼んだ記憶は一切無い。友達が居なかった訳では無いけれど、愛称を呼ぶ様な相手が居なかったから。そう言う意味では少しだけアスナとリズの関係は憧れに近い物があったかもしれない。そしてそれに近い関係になれたことは純粋に少し嬉しかった。

 

 リズが大きく手を上げて伸びをする。何でも毎日毎日作って居るけれど、売れなければ費用にもならず、またいくらあってもメニュー内の武器のリスト内で邪魔になってしまう事もあるためにこれから少し作るのは控えるらしい。攻略組が帰ってきたらまた忙しくなる可能性は高いから、そしたらまた作るのを再開するとの事。リズは「客が来るまで待機よ」と言うと座ったまま私を見て来る。何かあるのか、私は首を傾げた。

 

「! あんた、狙ってる訳?」

 

「……狙う?」

 

「自覚が無いなら良いわ。……気のせいに決まってる。私は女であいつも女、私は女であいつも女」

 

 顔を赤くしながら聞いて来た言葉に返せば明確な回答をせずに何かをブツブツと呟き始める。凄い小さく行っているみたいだから良く聞こえないけれど、体調が悪いのかも知れない。? そう言えばこの世界はゲームで風邪とかあるのだろうか? アスナが掛かって居る姿を見た事は無いけれど、少し心配。

 

「あ、そう言えば昨日考えたんだけどハク。一応何か装備して置いた方が良いわよ」

 

「……装備」

 

「何かあった時の護身用って奴。って事でとりあえずこんなの作ったから持ってなさい」

 

 リズはそう言って目の前にメニューを出した後、その手に1本の剣を出現させる。そして立ち上がると私の元に歩いてきてそれを差し出した。私は受け取り、その剣を見て見る。柄は白く、鞘は銀色。徐にその鞘から抜き放てば【真っ赤な】刃が姿を現した。

 

「紅蓮の刃。能力共にそこそこの剣。装備って概念は無いかも知れないけれど、服は着て居られるんだからどうにかなるでしょ」

 

「……ありがとう」

 

 私はお礼を言って持ったまま猫の姿になる。と、剣は姿を消してしまった。その後もう1度人間の姿になった時、私の手に剣は無くなったまま。リズが「消してどうするのよ!」と怒るけれど、私はさっきの剣をイメージする。と、消えた筈の剣が私の手に姿を現した。その光景にリズは驚いた後、「そういう事ね」と納得した様に頷く。何に納得したのか分からず、私は首を傾げた。

 

「服も剣も、装備って概念は無くても持ったまま一度姿を変えると同時に取り込まれる。で、出したい時に出せるようになるって事。言わば所持してからの変化はハクの身体に装備を登録している様な物って訳」

 

「……じゃあ一杯持てる?」

 

「可能だとは思うけど、持ったところで使えなきゃ意味ないからお勧めしないわね? ちょっと剣貸してみて?」

 

 私は言われた通りに出した剣をリズに渡す。そして私が手を離した時、リズの手から剣は一瞬にして消えてしまった。これには私もリズも驚いてしまう。もしやと思い、さっき同様に剣を想像すれば私の手には剣が。リズは興味深そうに剣を私が持ったまま調べ始める。

 

 リズの話では既に剣の所有者はリズから移って居るらしい。持ち主はバグが起きて居て判別出来ない状態に。つまり私が一度取り込んだ装備はもう完全に私の物となってしまうらしい。リズは私が別の倉庫か何かの役割が出来るのではと少し思って居たらしく、これが発覚した時点でそれは無理だと言う事が分かって少しばかり残念そうな表情をして居る。

 

「ま、とりあえずこれならいつでも武器は持てるみたいだから護身用には最適ね。扱い方はアスナに……って内緒だった」

 

「……大丈夫」

 

 私はリズの言葉に頷いて返す。剣を振るったことなんて一度も無いけれど、教えてもらう相手が居ない以上、自分で練習するしかない。自分のための武器を扱うんだから自分で練習するのは当然。私はリズを見ながらその意思を伝える。と、溜息をついて私を見て来た。

 

「別に良いけどさ、アスナに何時まで黙ってるつもり? ずっと隠しておく訳?」

 

「……出来れば」

 

「無理ね。断言しても良い、いずればれるわよ」

 

 リズはそう言った後、お店の方へと出て行ってしまう。人が来なくても待って居るのはお店として当然の行動なんだとか。お店を経営した事が無い私には良く分からないけれど、でもリズが出て行ってしまうと私はここで1人になってしまう。だから私は猫の姿になってリズについて行くことにした。この後、余りに誰も来なくてまた『人払い猫』と言われてしまう事に。私は悪く無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜。リズが寝て居る部屋で私はリズが眠るベッドの上に座って居た。昨日の夜寝る際、リズは1人の住んでいる事から当然ながらベッドが1つしか無かった。そこで私は猫の姿になってリズと共に一緒のベッドに眠った訳なんだけれど、人間の姿になれる事を知ったリズは私と一緒に寝る事に抵抗があるんだとか。私はよくわからなかったけれど、リズは「寝付きにくいのよ」と疲れた様子で私に言った。そして今、私はベッドの上に人の姿で座ったままリズを待って居る。対策をして来るらしい。

 

 しばらく待って居るとリズが現れる。何時もと違って寝る様に服装を変えて居て、その目は何かを決めて居るみたいな目。私はリズが何を決めてどんな対策をして居るのかが少し気になった。寝付きにくいならやっぱり私は別の場所に寝る、とかだろうか?

 

「さぁ、寝るよ!」

 

「……寝るのに元気良いね」

 

 目の前で拳を握ってガッツポーズを取って寝ると宣言するリズに私は思ったことを言うと、若干怖い顔で「余計な事言わない」と怒られた。どう考えてもそんな気合いを入れてしまったら眠るどころか冴えてしまう気がするけれど、リズが良いなら特には何も言わない事にする。

 

「……」

 

『……』

 

 猫の姿になってリズと共に布団に入った私は目を瞑る。それからしばらくの静寂が続く中、薄れかけた意識の中でふとリズを見上げると……その目は開いて居た。私を見降ろす様にして。

 

 寝る体勢はリズの胸の前辺りで私が寝て居る体制なのだが、リズは私の身体の下にどうしても手を入れて居る為に結果向かい合う形になる。何かを我慢している雰囲気で、リズの額からは汗が流れて居た。私はこれ以上ここに居るとリズの身体に触ると思い、布団から出ようとする。だけどその前に私は私の下にあった手に絡めとられる様に抱きしめられて捕まった。

 

「何であんたこんな良い匂いするの。何で昨日からあんたを見てると身体が疼くの。あんたが人だって分かったら何で……欲しくなるの。……我慢するつもりだったのに、寝るつもりだったのに」

 

 私は暖かいこの場で何か怖い物を感じる。だけど逃げる事が出来ない現状で、何かに取り付かれたみたいに目を開きながら私の目の前にメニューを表示させたリズ。何となく分かった、今のリズは何時ものリズじゃないと。何があったかは分からないけれど、今のリズは普通じゃない。必死にもがく私を拘束したまま、リズは昨日の様に私を変化させた。身体が光出して強制的に人間の姿になる中で、私は強制的にベッドに横にされる。目の前には息の荒いリズの姿。これはまるで……【発情】。そう理解した私にリズの手はゆっくりと迫って来た。




次回、いよいよ初めての性的描写を書きます。……ちゃんと書けるよう、全力で挑みますので暖かい目で読んでくだされば幸いです。因みに明日は投降出来ません。
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