(不覚……まあ、リーシャには彼がいるから大丈夫だろう。犯されるのが先か、脱水症状が先か……)
アマルティア島、秩序の騎空団本部、第二倉庫内。
木の荷物箱を背にして地面に座っているのは、汗ばんだ姿の金髪ツンテールの剣士、モニカ・ヴァイスヴィント。多少衣服が乱れているが外傷はない。
それでも発汗は多く、目は時々焦点が合わず唇は半開き、口端からは何筋もの涎が垂れ下がっている。
(まさか極秘捜査が仇になるとは……)
搬入された荷物箱の大きさに対し、リストの内容量が少なすぎる。捜査する中で組織的かつ計画的な身内による犯行の可能性が出てきたため、モニカとリーシャは少数による極秘捜査を行っていた。
夜中、第二倉庫内。モニカは単独で捜査する中、件の荷物の内部の壁に隠し戸を発見していた。
(中は、噴霧器か? 中には液体……危険物処理班を呼ぶとして……)
カチッ。
「なにっ!? くっ」
モニカが近づいた衝撃で自動発火した噴霧器、モニカはまともに顔に浴びてしまい、慌てて隠し戸を閉めて顔をぬぐったが、
「くっ……かはっ……!?」
モニカは大量に発汗して膝をついた。しかしそれでも歯を食いしばって立ち上がり、壁に備え付けられている第二倉庫の緊急スイッチを押した。倉庫が封鎖され、けたたましい警報が鳴り響く。
荷物箱を背に座り、モニカは冷静に自身の状況を分析していく。
(体温の上昇、呼吸が早い。力が入らないが、痛みはどこにもない。むしろ心地よさすらある。性的快感の上昇、これは……禁止薬物『プライズ』か……迂闊……!)
プライズ、人心惑わし発情させる魅了催淫薬。当初は恋人同士の気分を高める薬としてシェロカルテからも流通していた嗜好品だったが、調合度合いを変更することで危険性が悪化、類似品・粗悪品が蔓延し、また人によっては副作用があることが判明したため、禁止薬物として摘発対象になっている。
適量なら命の危険はないはずだったが、モニカは過剰摂取により自身の命が危機に陥っていると判断した。
モニカは衣服の胸元を開き、少しでも体温を逃がそうとする。しかし徐々にまともな思考ができなくなり、思いだされるのは事件と関係ない映像ばかりになっていた。
「だからぁ、モニカさんと私でぇ、一緒にグランさんのぉ、お嫁さんになればいいんですよぉー」
「な、なにいっ!?」
夜も更けた大衆酒場の席とはいえ、聞き返さずにはいられなかった。
「えへへぇ、グランさんすごいんれすよぉ。抱きしめられるだけで私ぃ、心がきゅうぅってなってえ♡ ああ、またたくさん愛してもらえるって、期待でもう、火照っちゃってぇ♡」
「ま、待て待てリーシャ……いくらなんでも酔っぱらい過ぎだぞ。すみません、お水を一つください」
アマルティア島、不夜の飲み屋通りに繰り出したモニカとリーシャだったが、酒が進んできたところで、リーシャは聞き捨てならないことを言い始めていた。
「……リーシャ。彼に抱きしめてもらうとは、それはその、想像の話で、いいのだな?」
しかしリーシャは空のジョッキを机に置くと、大きく口を開け、
「想像なんて、ひどいですよモニカさぁん! ちゃんと私、グランサイファーにいたときはぁ、それはもう毎晩毎晩彼と……えへへへへへへへ…………♡」
「なっ……!? そ、そうだったのか!? 彼と、そういう関係という事か!?」
リーシャはグランの騎空団への出向を終えて久しく、先日正式に碧の騎士を受け継いだばかり。
グランとはセフィラ島探索など大きな依頼をよく共にするため、リーシャとモニカはグランサイファーと併行することが多かったが、ここ数日の二人は、アマルティア島に戻って事務処理に追われていた。
プライベートとはいえ、ここまで酔っぱらったリーシャの姿は、船団長兼碧の騎士としてふさわしい姿とは言えない。だが元来真面目で心労を溜めやすいリーシャを思いやり、モニカは小言を言うことなく、毎日のようにリーシャのストレス発散に付き合っていた。
酒が進み様々な話題が流れていく中で、日に日にリーシャの酔いがひどくなっていく原因の一端に、モニカは気づいた。
「会いたいぃ……会いたいなぁ……グランさんってぇ、たくさん彼女がいるでしょう。あれ? モニカさんも確か、グランさんの彼女でしたよねぇ……?」
「はっ!? そんな覚えはないぞっ。彼にたくさん彼女がいる? どういうことだ?」
「モニカさんと一緒にぃ、グランさんにたくさん愛されてぇ、幸せな家族を……えへへへぇ……今夜は寝かせませんよ~」
しだれかかってくるリーシャ。モニカの肩、腹にリーシャの手が這いまわり、生暖かい吐息が耳にふりかかる。
「なにかいつもと別の意味に聞こえるぞ!? おい質問に、わひゃ!? リ、リーシャ!? まっ、そこはっ!?」
「可愛いです……モニカさぁん……」
と、いったところで目をまわしたリーシャがガクンと首を落とし、ため息をついたモニカがリーシャを彼女の寝所まで運んだ。
結局翌朝リーシャに謝られたものの、リーシャは会話の内容をすっかり忘れてしまっていた。
(リーシャと彼が? 二人が恋人関係に見えたことは今までなかったが……リーシャが酔って言ったことを聞き直すのもなあ……。事実だったとして、リーシャが素面の時に言っていない以上、プライベートに踏み込むべきではない。しかし……私も、とは……?)
モニカとグラン、二人きりで過ごした時間は、他の女性と比べて少ない方だろう。だが、大切な時間として、モニカは鮮明に思いだすことができる。二人きりでテーブルを囲み、渡されたのはグランの手作りクッキー。甘味の味に肥えたモニカからすれば、一級店の味には劣るものだったが、
「この心が温かくなるような味は、どんな一流パティシエにも作れまい。砂糖の甘さと心を蕩かす甘さ……このクッキーは、二重の身で甘いのだな。グラン。良かったら、また作ってくれないか? 何度でも……この甘さに浸りたいんだ」
(……あのクッキーは、彼にとっても、特別なものだったのだろうか……)
誕生日を祝ったり、バレンタイン、ホワイトデーにおいて贈り物を送り合ったり、休暇ではリーシャ、グラン、モニカ3人で過ごしたりと、モニカのプライベートにおいてもっとも近い異性であることは間違いない。
そしてグランは明らかに、日に日に成熟していた。人間的にも、肉体的にも。そんな彼の変化を感じて、モニカが嬉しく思ったことは一度や二度ではなかった。
(……いや、私もいい年だ。一回りも年下の少年の性生活を気にしてどうするというんだ。考えても仕方がない)
『モニカさんと私でぇ、一緒にグランさんのぉ、お嫁さんになればいいんですよぉー』
(くっ……リーシャはなんであんなことを? リーシャの言っていることが事実と仮定するなら、彼は、私の事を好いて……? いやいや……それにしたって、リーシャも含めて本当にグランが複数の女性と関係をもっているのか? くっ……ああもう気になる……!)
ぼやけた思考の中、モニカは倉庫で倒れている現実に戻される。誰かが、自分の腕を握っていた。モニカの袖がまくられ、注射針が見える。
(敵……か?)
焦点をもどすと、グランの顔が見えた。幼さが残りながらも真剣で、男性的な鋭さを持つ顔立ち。
(……幻だろうか。彼が、こんなところにいるわけが……ああ……そうか、私も、こんな夢想を抱いていたのだな……)
モニカの体に、不思議な力が宿る。右手を伸ばし、グランに近づいていく。グランは慌てて注射針をモニカから離す。その隙に、
「ちゅ……んん……ちゅる……はぁ……貴公……私を貴公の……恋人にしてくれるだろうか……? ちゅうぅ……」
甘い口づけが交わされる。
グランは目を見開き、返答はせず、モニカを安心させるように何度も背中を撫でた。唇が離れ、モニカが何度もグランに唇を伸ばすが、グランは応えず再度注射針を構える。
モニカは涙目になっていた。声が震えている。
「頼む……貴公でなければ、私は……。リーシャと共に、私の事を、愛してはくれないだろうか……?」
グランは驚きつつも、集中しなおし、モニカの呼吸が静まったタイミングで注射した。
秩序の騎空団内に裏切り者がいる。そのためグランの騎空団内で外から調査して欲しいとリーシャから極秘かつ緊急の依頼があってアマルティア島を訪れ、夜陰に秩序の騎空団本部内で賊の襲撃を察知、団の皆と手分けして賊を制圧したのが数分前。
プライズが第二倉庫内に搬入されたと賊から聞き出し、倉庫で警報が鳴らされたことで、薬に耐性がありかつ第二倉庫内に近かったグランが突入、倒れているモニカを見つけていた。
モニカは今、正常な判断ができていない。グランへの甘い言葉もキスも、あくまで薬による影響だ。
グランはそう自分に言い聞かせ、アルケミスト、ドクターのジョブを活かして精製したクリアハーブの濃縮液をモニカへ注射していく。
『リーシャと共に、私の事を、愛してはくれないだろうか……?』
リーシャと自分が恋人関係であることをモニカが知っていた。リーシャと共にということは、リーシャは複数関係のことまで、モニカに話していたのだろうか。
グランは雑念を振り払い、モニカの病状把握に専念する。最初の一回目で効き目が見られたため、新しい注射を取り出し量を抑え二回目を打ったが、今度はとんと効果が表れない。とはいえ、これ以上は薬の用法用量を犯すことになる。
ちなみにモニカはすっかりグランに抱き着き、何度もグランに体をすりつけ、
「はぁ、んちゅ……はぁ……ちゅ、貴公は……どうして手を出してくれないんだ……! 頼む……ちゅっ……」
グランの頬、首に、何度もキスしていく。グランも顔を真赤にしており、振り払う事はない。このままリーシャと合流し、事情を話してモニカを隔離してもらうしかないか……そう思いモニカを抱え上げようとしたことで、モニカがもたらすキスへの反応が遅れた。
再度グランの唇がモニカに奪われ、ねっとりとしたモニカの舌が入り込んでくる。モニカの舌が情熱的に這いまわり、こくこくと唾液がモニカに飲み込まれていく。
グランがモニカをお姫様抱っこし、モニカがグランの首に手を回して口づけている状態。
モニカ、秩序の騎空団内でリーシャと人気を二分する二大美女。グランと何度も戦場を共にし、共に遊び安らぎ笑いあった、心から信頼できる美女からの、甘く激しい口づけ。
グランもごくりと唾を飲み込んでしまったが、冷静な判断はできていた。今はモニカを落ち着かせる方が大事だ。耐性のある自分なら、二次感染はないはず。
粘着するように激しくグランを吸っていたモニカの唇が、柔らかい力具合になり、舌も徐々に動きが抑えられていく。ちゅぷっ、と音を立てて、モニカから唇を離した。モニカは陶酔したようにグランを眺めていたが、モニカの瞳には冷静な光が徐々に宿り始める。反面、その頬は発情していた時よりも、さらに紅潮していた。モニカは目を伏せ、恥じらう少女のように声を絞り出す。
「す、すまない……貴公に迷惑をかけたな……幾分、冷静になれた……」
よかった、とグランは純粋に喜んだ。かつて薬師シャオに言われたグランの体質について。ヘルエスを救った時はある程度慣らしが必要だったが、今回はグランの体液の血清的効能が早く、モニカの病状が晴れてきているのかもしれない。
じゃあセックスしよう、とグランの思考はならなかった。ヘルエスの時は病状解消のための手段として明確に薬師に示されていたし、アン・グレアの時は遺跡内での緊急対応だった。
付近の賊は鎮圧したし、秩序の騎空団では医療設備が整っていて、『プライズ』についても医療対策が進んでいる。確かにここでグランがモニカを抱けば解消は早いかもしれないが、モニカの気持ちを無視して自身の性欲を優先するような行動など、選択肢にはない。
このまま医務室へと運ぶ。そうグランは告げたが、モニカは、
「ま、待て。ふぅ……私が感染した薬は、後ろの荷物箱内の噴霧器によるものだ。貴公の状態から見ると、空気感染は抑えられたようだな……危険物処理班を呼んでもらってくれ」
グランの表情が厳しくなった。警報が鳴っていた倉庫に突入する際、グランは扉を開けてしまっていた。グランが無事なのは、もともと薬に耐性があるからだと、モニカに告げる。モニカは少し思案したのち、頬を紅くして、
「す、すまない……考えが、まとまらない……また、キス、してくれるか……?」
グランもまた、途端に顔を真赤にした。腕の中のモニカは見た目こそ美少女だが、イルザやシルヴァとそう年が変わらない年上の女性。そんなモニカが上目遣いでキスをねだり、今、恐る恐る目を閉じながら、グランへその淡い桃色の唇を突き出している。先ほどの口づけで、モニカの唇はてらてらと光っている。
グランは唾を飲み込んだあと、モニカの望む通りにした。
「んん……ちゅうぅ……ちゅぱっ……ちゅるる、れろちゅるちゅうぅ……」
二人の唇を上下左右にこすれあわせながら、舌をねっとりと絡み合わせる。モニカはモジモジと何度も太ももをこすれあわせ、グランの首に回した腕の力を強め、グランの口内から吸い舐めとった唾液をまた飲み干していく。
「ちゅううぅぅっ、ぷはっ……ふううぅ……ふううぅ……ふう……」
(……やはり、そうだ。グランとこうする度に、頭が冷静になっていくのがわかる……ああもう、私は、なんてことを……! い、いや、今は……それよりも解決しなければならない問題を……!)
吐息をグランの唇にふりかけながら、モニカは目線を伏せ、努めて平静な口調で告げた。
「倉庫外に流出した可能性ありか。だがすぐ密閉したし、私の状況と噴霧量を考えれば、軽度の症状で済むはずだ。再度倉庫を封鎖し、リーシャたちの元へ向かおう。貴公は何も気に病むことはない。貴公が来てくれなかったら、私はどうなっていたかわからない。礼を言う。そしてその、すまなかったな。こんな私と……」
まさか、とグランはモニカの言葉を止めさせた。モニカのためならどんなことだって厭わないし、それに……モニカはとんでもなく可愛い女性だ。嬉しく思う事こそあっても、不快に思うなんてありえない。と、グランは言葉を尽くした。モニカが気に病むことがないようにと。モニカは頬をますます紅潮させ、グランにお姫様抱っこされているなかで体を縮こませる。
「あ、ありがとう。ただそ、そういう言葉は、もっと貴公が好いている女性に言ってやれ。リーシャなどに……私に、言われても……嬉しくは、あるが……」
(ああっ、まだ思考が茹っているかのようだっ。彼は私を気遣っているだけだというのに……)
恋人同士でも中々しないような濃厚な口づけの記憶が、モニカの脳内で何度も再生されている。リーシャのお嫁さん発言、薬による発症、グランの救出、そしてモニカからの告白とキス。
グランとキスを繰り返すことで無理やりに高められた性欲はどんどん消えていったものの、逆に濃厚な記憶として刻み込まれ、まるで初恋にうかれる少女のようにモニカの心の温度を上げていく。
グランの紳士的な態度もまた、モニカの心を撫でた。グランは体の芯を全くぶれさせないまま、モニカをお姫様抱っこして走っている。
敵の状況や他の仲間の事を聞かなければならなかったが、逆に今のモニカは緊張感がどこまでもなくなっていくような感覚で、急激に眠気に襲われていた。
それを悟ったグランが声をかける。リーシャ他、皆が来て対応しているし、モニカは負傷者だ。眠った方がいい。モニカが目を覚ました時には、全部片付いている。
そう告げられたモニカは、グランを信じるしかなかった。諦観等では一切なく、経験に裏打ちされたグランの自信が見え、今までモニカと共に死線を乗り越えてきた絶対の信頼関係があった。
モニカは心から安心したように微笑んで目をつむり、グランの胸板に頭をあずける。
「そうか……そうだな……貴公とリーシャなら、大丈夫だ……すぅ……すぅ……」
数時間後、秩序の騎空団内、執務室。グランはリーシャといる。
「ご対応、本当にありがとうございました。襲撃してきた賊と裏切り者は掃討完了、第二倉庫の安全も確保されました。負傷者もモニカさんのみで、負傷といっても外傷はなく、後遺症等の心配もないとの報告がありました。モニカさんはすぐに戦線復帰したいと言っていましたが、大事をとって1日休息をとってもらう予定です。グランさん……あなたがいなければ、この本部とモニカさんがどうなっていたか……後日、正式に謝礼をご用意いたします」
気にしないで、と言葉が出かかったグランは飲み込み、ありがとうと返した。こちらの戦力が圧倒的に上だったとはいえ、仲間たちが命をかけてくれた代価は受け取らなければならない。でなければオイゲンなどには白い目で見られるだろう。
リーシャは見慣れた秩序の騎空団での服装、碧の鎧は来ていない。あと数時間もすれば日が上がってきそうな夜更けだが、事後処理のためリーシャはまだまだ寝られないだろう。
そう考えると、グランはリーシャをまだまだ手伝いたい。できることがあればなんでもと言うと、リーシャは少し目を伏せ、グランにかろうじて聞こえる声量でささやく。
「それでは……五分だけ、休憩につきあっていただけますか?」
グランはこくりと頷く。すぐにリーシャがグランの胸の中に飛び込んできて、グランの首に手を回し、激しく口づけた。
「はむっ!」
と、グランの上唇をリーシャの唇で挟むと、その唇の間から舌先を出してグランの唇を舐めまわす。グランもすぐに口を開け、舌先で触れ合い、徐々に唇を張り合わせていった。
リーシャは体をくねらせ、悩まし気な水音と声を響かせた。リーシャの頬は紅潮し、唇が潤い、てらてらと光っている。
「んむちゅ……ちゅるぅん……はぁあ……、依頼をしたのは、公私混同ではありませんよ、でも……」
構わない、リーシャと会えて嬉しい、と返しながら、リーシャを抱きしめその亜麻色の長髪を優しく撫でる。リーシャは「んぅ……」と心地よさそうに目を細め、すぼめた唇でグランの唇の表面を撫でまわした。
「んちゅうぅ……今回の件で、モニカさんも、グランさんと恋人になったのでしょうか?」
グランは驚いたあと、否定した。グランが今まで新しい女性を迎えてきた経緯を、リーシャは知っている。リーシャ自身もあの薬によってグランとの関係が形成されたし、先ほどまでのモニカの状況も報告を受けている。
そう総合すると、グランはリーシャの質問も理解できた。モニカはそうではないと返答すると、リーシャは驚いていた。
「え!? そうなのですか? ……私てっきり、モニカさんもこれから一緒に……なんて思っていましたけど。いえ、状況は理解できます。その必要がなければ、あなたはしませんよね。でも、こんな風に……んちゅうぅぅ……情熱的なキスはされたのでしょう? でしたらモニカさん、とんでもないおあずけをされて、今頃困ってしまっているのではないでしょうか?」
リーシャの唇で唇を撫でまわされながら、グランはリーシャの会話の帰結を悟り、驚いていた。モニカが1日休息になった理由は、まさか。
「グランさん……アンさんとグレアさんを迎えてなお、全員まとめてあなたと愛し合っても、最後は私達全員が気絶してしまって、後処理も全部あなたに任せてしまっています。あなたがいない時、どうしたらあなたを満足させられるか、ルリアさん達と意見を出しあったりするんですよ? いえ、あなたが不満に思っていないことも、私達に全力で愛を注いでくださっているのもわかっています。ちょっと、本題と外れてしまいましたね……私が言いたいのは」
リーシャの表情に、淫蕩な色から少しだけ真剣な色が混じる。
「もしグランさんとモニカさんにその気がおありでしたら……私は、むしろ喜ばしく受け入れたいと思います。おかしいとは自分でも思います。愛する男性が、また違う女性を迎えるのを好ましく思うなんて。ですがもしモニカさんが私と一緒に、グランさんと一緒になれたら……そんな光景を想像すると、どこかしっくりとおさまりが良くなるような、そんな気持ちを抱いてしまっていたんです。カタリナさんとヴィーラさん、ゼタさんとベアトリクスさんや、シルヴァさんやソーンさんなどの影響かもしれません。それに、みなさんと話していると、次にグランさんに迎えられるのは誰なのか、そんな話題にもなったりしますから。あなたは、決して手当たり次第に女性に手をつける方ではないと思っています。相応の理由があり、誠実に、責任と愛情を持って接する方。そして……際限のない魅力がある方。もし秩序の騎空団の私ではなく、私個人に手を貸していただけるなら、この島のモニカさんのご自宅に行って……モニカさんと気持ちを、確かめ合ってきてはいただけませんか? もしモニカさんがグランさんを選ぶなら、私は……あ、んむちゅぅう」
グランから了承の口づけを交わし、リーシャの口内を包むように舐めまわす。リーシャの体が一気に震えだし、快楽の涙が目尻に浮かんだ。キスの合間にリーシャの喘ぎ声が漏れ始める。
「あふっんちゅうはぁんっ! らめれすぅっ! ふくっよごれちゃっ」
そう言いつつもリーシャは抵抗するような様子は一切なく、グランの舌に積極的に絡みにいく。グランからキスを離すと、リーシャは唇と舌を伸ばして追いかけ、まだまだ足りないと全身で表現していた。
だがグランはリーシャをかわして膝をつくとリーシャのスカートの中に入り込み、即座に彼女のタイツごとショーツを降ろし、トロトロと涎を垂らすその場所を素早く口で覆った。勃起したクリトリスを唇でくすぐり、膣内に舌を挿入してグリグリとリーシャを膣壁から高めていく。
驚いたリーシャだったが、グランを邪魔することなく反射行動ですぐに自身の両手で口を覆った。子宮まで届くのではないかと思う程のグランの長い舌が、上下左右にうねうねと内部を抉り、スポットへ的確に圧力を加える。
「んむぅううううううううっっ!!」
リーシャは目を見開き、背中を反らせて全身をビクビクと痙攣させる。甘く深い衝撃でリーシャの視界と思考が白く弾け、陰部から噴射された透明色の液体がグランに飲み干されていく。
リーシャの膝がガクガクと笑い、グランの支えが無ければ立っていられない。それほどの衝撃だったが、波が引いていくにつれて、不思議とリーシャは体がほぐれ、眼が冴えて思考がクリアになっていくような心地だった。しばらくグランに会えず鬱屈していた思いが、やっと氷解していくのを自覚していた。
そんな絶頂にリーシャが浸っている間に、グランはリーシャの太ももから股間部をよく拭いて、風と水と火の属性力の併用で、性の痕跡を消していく。それを認識したリーシャは慌てて、
「あっ!? あの、せめて私もお口でっ」
とお返しを誘ったが、グランはちょうど五分、と囁いた。リーシャは一気に赤面して、立ち上がったグランの胸板をポスポスと弱く叩く。
グランは後で必ず時間を作るからと、休憩終わりの抱擁をする。リーシャも叩くのをやめて全身をあずけ、目を閉じて触覚と嗅覚の全てをグランに集中させた。
「すぅぅー……私も全てを滞りなく終えて時間が出来たら……グランさんのもとに伺います。期待、してますからね」
グランは頷き、リーシャの頬にキスをする。
リーシャもグランの頬にキスし、ついでグランの唇へ「ちゅううっ」と数秒キス音を響かせながら吸いつき、「ちゅぽんっ」と音をたてて体ごと離れた。その時には秩序の騎空団、リーシャの顔に戻っている。
「それでは職務に戻ります。お休みなさい、グランさん」
芝居がかった敬礼を互いに交わし、リーシャとくすりと笑い合ってからグランは退室した。
本部を出てから、あっ、とグランは声を出した。モニカが知っていたリーシャとグランの関係について、リーシャに聞きそびれてしまった。
翌日、人々の生活が活気になっている昼過ぎにて。
乱れた下着姿のモニカは、自宅のベッドで仰向けになり体を休ませていた。
とはいっても、負傷があるわけではない。むしろ睡眠はしっかりとれていて体の調子は良い。
多少の疲労はあるが、その理由は湿った指、そして丸まったティッシュが物語っていた。
その頬はほんのりと紅く、口は「うぅー……!」と渋いものを食べたような形になっている。
(ま、また……! グランに私は、なんてことをぉぉ……!)
薬の影響と理性で理解はしているものの、羞恥と記憶と性欲はどうにもならない。1日休息と言われた時は大事にされすぎていると思いもしたが、今はグランと顔を合わさずにすんでいることにリーシャに感謝していた。
モニカの愛の告白、グランのお姫様抱っこ、繰り返された濃厚な口づけ。
モニカにとって恐ろしいのは、羞恥と同等以上の甘美な記憶であることだった。何度も脳内でリピートされ、胸が張り、乳頭が隆起し、あらゆる場所に湿り気が帯びていく。
何度か慰めては見たものの、脳内を占め続ける映像はグランのたくましいお姫様抱っこ、優しい声、抱擁とキス。
「はぁ……はぁ…………」
(まったく! 本当に完治しているのだろうなっ)
また股間部に指を這わそうとしたが、首を振って何とか自制する。
気を紛らわそうと立ち上がり、菓子箱を開けると、クッキーを見てまたグランのことを思いだしてしまった。
(……私としたことが、モナカを切らしてしまっていた……紅茶を淹れるか)
呼び鈴が鳴るとビクンとモニカは体を震わせ、「はーい」と返しながら慌てて衣服を身に着けていく。その最中、外からグランの声が聞こえて来た。モニカは目を見開き唇を一文字にして固まってしまう。
「なっ、なっ、なぜ貴公がっ!?」
リーシャに家の場所を聞き、見舞いに来たとグランが告げる。
「……ちょっと、待っててくれ。いや、ちょっとじゃないかもしれんっ待っててくれっ!」
グランは見舞いに来たと言っただけなのだが、モニカは部屋を急いで整頓しなおし窓を開け、アロマを焚き、ベッドのシーツを直し、鏡の前で身支度を終える。
玄関の扉の前で深呼吸し、気を張り直して笑みを作る。
「や、やあっ! わざわざすまないなっ」
大分ぎこちない表情という自覚はあったが、グランが気にした様子はなかった。
モニカの姿は、黒いホルターネックのインナーの上にオフショルダーのアイボリーシャツ、黒いショートパンツで太もも以下を大胆にさらしている、可愛らしく涼し気なコーディネートだった。
青いパーカーのいつものグランはモニカの様子を聞きながら、見舞い品のモナカを手渡す。どこか出かける予定があったのだろうか、とも聞いた。
「そういうわけではないが……このモナカは!? ナル・グランデにある老舗の一品ではないか!? こんな高級品を……!」
瘴流域がなくなったので、この地域でも大分お求め安くなった、とグランは告げる。
「それにしたって……いや、ありがとう。大事にいただくとしよう。その昨日は、色々あったが、そのことにも礼を言おう。また、貴公に救われたな」
グランも少し頬を染めて一瞬だけ目を反らしてから、すぐに向き直って笑顔で、どういたしましてと返す。
だがグランの所作を見たモニカは、今グランがモニカとの情熱的なシーンを思いだしているのだと悟ってしまった。モニカは顔を真赤にして目を伏せ、咳払いする。
「モニカさんと私でぇ、一緒にグランさんのぉ、お嫁さんになればいいんですよぉー」
(……幻だろうか。旅をしている彼が、こんなところに……ああ……そうか、私も、こんな夢想を抱いていたのだな……)
「リーシャと共に、私の事を、愛してはくれないだろうか……?」
モニカの自宅の玄関で、このまま別れることもできる。
「な、なあ、貴公は、このあと忙しいだろうか?」
グランは首を振った。昨夜の戦闘を終えた後リーシャの計らいで、まるまる時間ができていた。
「では、少し、上がっていくか……? せっかくの高級モナカだ、共に食べようではないか。紅茶を淹れよう」
グランも快く了承した。リーシャの昨日の言葉がちらつきはしたが、別に今日急いでモニカの気持ちを聞き出す気はない。単純にモニカの無事な姿を確認できたこと、誘われたことが嬉しかった。
中に案内されると、モニカの性格をあらわすように整頓された家具と行き届いた掃除、そしてかわいらしい暖色のカーテンやお菓子を象ったクッションが目に入った。
グランの船の自室が女性達のたまり場にされて久しいが、グラン自身が女性の自宅に入る機会はそう多くない。どこかそわそわしているグランの様子が、モニカは見ていておかしかった。カップを持ってきながら苦笑する。
「初々しい反応だな。そんなに女性の部屋を見回すものではないぞ」
グランは見まわしていた顔をやめ、落ち着いて余裕のある姿をつくろう。その変わりようにまたモニカは笑みをこぼしてしまった。
(こう見ると年相応だな。……本当に、リーシャや別の女性複数と付き合っているのだろうか?)
「さあ紅茶だ。お互いせっかく休暇が重なったんだ、のんびりとしようじゃないか。では、モナカをいただこう……うむ、ああ……! 美味しい……!!」
グランとモニカ同じタイミングで頬張り、一気に口に広がる甘味に目を煌めかせる。
会話は尽きなかった。グランの様々な冒険と、仲間たちと行った甘味処や食べた菓子。モニカが話し出せば、自然とリーシャの事へと話題が移っていく。
「ふふ、こちらも外周をしているときは、グランサイファーが近くにいると聞くたびに、リーシャは鼻歌をうたいながらスキップしていたぞ。彼氏と会えるとなれば、それも当然か。……あっ」
グランとモニカ、同時に固まった。グランは昨夜にモニカから聞いていたものの、平時の時に言われればやはり多少の戸惑いは残った。リーシャから? とモニカに問う。
「……実は、酒に酔ったリーシャが、口を滑らせてな。リーシャ自身は言ったことを覚えていなかったが……。その時にその、貴公が複数の女性と付き合っているとも聞いた。本当なのか?」
グランは数秒かかってから頷いた。せっかくの楽しい時間だが、これはモニカから糾弾されても仕方がない。
だが、モニカは全く別のことを考えていた。
(事実か……。ということは、リーシャが私も彼のお嫁さんになればいいという言葉も、酒に酔った末に出た本音だったのか?)
命の危機を救ってくれた少年は、リーシャ含め数多の女性を満足させているのだろうか。複数の恋人という矛盾を超えて。
お姫様抱っことキス、そして彼が訪れる前に慰めていた自身の姿を顧みて、モニカは底が見えるカップで顔を隠した。
(…………どうかしているぞ、モニカ・ヴァイスヴィント。酒酔いリーシャの言葉と昨夜の薬に、今も惑わされるなど……)
「そうか。いや貴公のことだ。特段トラブルなどはないのだろう。油断していると、貴公もリーシャもどんどん変わっていってしまうな。はは……」
モニカは少し目を反らして苦笑していたが、ふと自身に沸き起こった"予感"によって、体を強張らせた。
(ま、待て。グランはまさか……)
モニカの想像の中で、昨日の続きが描かれ始める。モニカの告白、キス、お姫様抱っこ。その対象であるグランは複数の彼女がいて、今モニカの自宅にあがりこんでいる。二人決して暇な身ではないのに、貴重なプライベートを共にしている。
モニカはグランが来訪する前の自慰行為と自宅に上げたのはモニカ自身ということを棚に上げ、頬を赤らめながらグランをジト目で見た。
(私を……恋人にするためにきたのか? リーシャたちと、同じように……!?)
グランはきょとんとしている。
(い、いや、想像が飛躍しすぎたな。彼が誠実なのは昨夜の対応でも明らかだし、そもそも家に招いたのは私だ。なにより……彼とこうして過ごす時間は、私にとっても、貴重だしな……)
モニカはちらりとベッドを見た。グランの性的関係について興味はある。それを聞いて嫉妬か軽蔑が沸いたら、モニカが抱き始めているこの熱は、冷めるかもしれない。モニカは口を開く。
「その……ちなみに貴公の恋人は、私が知っている女性か? リーシャの他の女性の名前を教えてもらっても……」
グランは少し迷ったが、正直に言おうと決意した。隠しとおせるはずもないし、恋人たちと、その先の未来も歩みたいと本気で考えている。
「ルリア、まあそうか。カタリナ殿……! ヴィーラ殿も!? ゼタ殿にベアトリクス殿もか、意外だな。シルヴァ殿、ソーン殿、ヘルエス殿もか……!? マナリアの生徒にまで……!」
(イルザ殿はいないのか……)
「王族に騎空団外の女性にまで……なるほど、やけに貴公が昨夜冷静だったわけだ……」
モニカは静かに現実を受け止めているようだった。
「リーシャを入れて11人か……私が言ったのをひるがえして難だが、トラブルは起きないのか?」
そう言われてグランが思いだしたのは、新しい恋人を全員に紹介する度に、グランは女性たちによって強制的に自室のキングサイズベッドに連行され、全身をくまなく女体に包まれて散々に搾り取られるのが恒例になっているが、さすがにこれはモニカには言えない。グランサイファーの自室の拡張工事にさらなる巨大ベッドの発注、水回りの増設、コップや食器等生活用品はずらりと女性たちのものが増え続け、収納と生活スペースの確保に四苦八苦しているが、トラブルとは少し違うだろう。
少し待ってから、トラブルは起きていないとモニカに伝えた。
「ふぅ……人たらしとは思っていたが、女性の方もとはな。英雄色を好むというが、体現している人には初めて会ったよ。しかもその年でとは、感心すらある。また次に会った時には新しい女性が増えていそうだが、刺されないようにな。追加の紅茶を淹れてくるよ」
一度席を立って台所に行くモニカ。窓から見える陽が少し傾いていた。グランのリラックスしている様子から、まだまだ一緒にいられそうだ。
モニカは無意識にだが、伸ばした人差し指と中指の先で、自らの半開きの唇を撫でる。目を細め、頬をほんのりと染めた表情で吐息したところで、足音が聞こえた。
グランが近づいてきている。モニカは「ん?」と振り返ったが、とある想像がよぎる。
モニカさん……と、囁やかれながら抱きしめられ、そのまま唇を……。
(ま!? そ、そんなまさかっ!?)
そんなことはなく、グランは紅茶の淹れ方には一家言あると言い、自分が淹れるからモニカに味わってほしいと言ってきた。
「なっ、あっ、そ、そうなのか。様々なジョブをマスターしている貴公なら、紅茶もということかな。では、任せるとしよう」
モニカはそっと胸をなでおろす。グランの背中を見ながら、「うぅー……」とくぐもった声を出しながら頬を赤らめていた。
(思春期の少女か私は! まったく……こんな調子で、もし本当にグランが迫ってきたら、拒否できるのか……?)
「……? ……っ!!」
モニカは自分の悲鳴を飲み込んだ。紅茶を淹れているグランの背中へ、無意識に抱き着こうとしている自分に気づいた。
「んっ!? い、いや、なんでもないぞ。確かに、慣れているようだな。期待できそうだ」
(わ、私は何をしようとしているんだっ!? くっ……落ち着け……)
何事もなくグランは紅茶を淹れ終わり、モニカは口をつけてさっそく「美味いな……」と、桃色の妄想を彼方において堪能していた。
菓子を食べ、紅茶を飲み、二人っきりで会話が流れていく。しかしモニカにはまだ妄想がよぎることがあり、このまま近づいてグランとキスしたり、食器を洗い終わったらそのまま抱かれてベッドインするなど、際限がなかった。
グランが来なかったら自宅でモニカは何度も自慰にふけっていただろう。そんな状況で、グランと自宅部屋デートをしている。
(……うう……いい年をして、こういう経験をこなしてこなかった自分を恥じるべきなのか……? どうすればグランを……。!? 違う違う、そうじゃない。リーシャよ……本当に、なんで私にあんなことを言った……!)
「はっ……そうだ、夕食はどうする? 食べていってもいいぞ。なに? 貴公も一緒に作るのか? そうか、なら買い出しにむかおうっ」
それでも楽しい時間はあっという間に過ぎた。夕餉を共にし食器を片付ける。グランが少し、暗くなった窓の外を気にした。
「ルリアやビィが寂しがっているのではないか? なんなら、貴公の宿まで送っていこう」
グランは一瞬迷って、頷いた。
モニカと玄関までくる。この扉を開ければ外、グランがドアノブを握った時、モニカの思考が早まる。
(グランが、行ってしまう)
このまま行かせていいのか。心の隅で自問している別のモニカがいる。この機会を逃したら、次はいつグランと二人っきりになれるだろうか。
もし、昨夜の言葉を今言ったらどうなるだろうか。
(馬鹿な。私は今の生活に満足している。結婚願望も今はない。秩序の騎空団所属としてリーシャたちを支えるこの生活が充実している)
もし、手を伸ばし彼が自分を抱いてくれたら、モニカの生活は変わるのだろうか。
(別に、変化を嫌っても恐れてもいない。ヴァルフリート団長もリーシャも変わった。グランも変わり続けている。……ならば私にも、好ましいと思える変化が、あるのだろうか?)
ここで何もしなければ、昨夜の事も今日の事も思い出に変わる。モニカの明日からの日常は、昨日までのものと何も変わらないだろう。
それで、いいのだろうか。成長し続けるリーシャと、リーシャのあの言葉が脳内で反響する。グランに抱かれた喜び、甘い感触が鮮明に思いだされる。
「……貴公」
休暇、自宅に呼びこんだ男と二人。モニカは玄関先で、控えめにグランの袖をつまんだ。
(そうだ、何も重く考える必要はない。……新しい甘味処に行くように、冒険を求めてもいいのかもしれない。リーシャが貴公と関わることで成長したように、私もまた、貴公と関わったら……どうなるのだろうか。少し……踏み込んでみようか……)
モニカもグランと関わったことで、変化していた。冒険心、成長、異性への関心。
昨夜の記憶、止まらぬ妄想。その妄想を現実にできるかのサイコロを、モニカは振った。
モニカが伏し目がちに頬を染めながら、グランにギリギリ聞こえる声量で告げる。
「昨夜の告白は、やはり薬の影響によるものだ。忘れてくれ」
グランも承知している。だが、他人の機微を悟ることに長けているグランは、モニカを見て衝撃を受けた。彼女の瞳、雰囲気が非常なものだと悟った。決して薬ではない。これは――。
モニカが顔を上げ、グランを見つめる。その唇から放たれる矢は、
「私を貴公の……恋人にしてくれるだろうか……?」
グランの心を、射抜いてしまっていた。
数秒、沈黙が支配する。それでもグランに迷いがあった。ここでモニカの気持ちに応えたら――何をいまさらという思いもあるが、モニカの薬の件は昨夜で明確に解決した状況である。
「い、いや! 今のは忘れてくれ! どうやらまだ昨日の薬が残っていたようだ! どうかしていたな、あははは……」
グランは猛省した。迷うことでモニカの目尻を湿らせてしまった。モニカを抱きしめ、後先も何もなく、思考を中継しない正直な言葉をぶつける。
その言葉は、モニカが求めてやまないものだった。
「……! ふ、ふふ……言ってみるものだ……ん……」
モニカがグランを抱き返し、グランの胸板に顔を埋めた。グランの衣服に水跡が残る。
数秒、数分と玄関で互いの体温を感じ合った後、モニカが顔を上げた。見つめ合うとモニカが目を閉じ、閉じた唇を気持ち突き出す。グランはすぐに応えた。
ゆっくりと、触れ合うだけの口づけを行う。
「んん……ん…………ふふ……これが、貴公と私の、本当の最初のキスだな……」
モニカがはにかむように笑った。モニカの喜びようがグランはあまりにも嬉しくて、すぐに二回目のキスが始まる。もう止まれない。二人は同時に唇を開け、舌先で触れ合う。徐々に触る面積を増やしていき、水音を奏で始める。
「んもっ、んちゅ、ちゅる、んん。はぁ、あ、甘くて、とろけそうだ……。ああ、すまない。呼吸がっ」
モニカがグランに吐息を吹きかけないよう顔を反らしたが、グランは気にせず呼吸していいと告げた。
「そういうものか? ではもう一度……んちゅ、ちゅううぅ」
3度目の深いキスでなお、モニカはどこかおずおずと慎重なところがあった。モニカの舌はねっとりとグランの唇を舐め、グランの舌と絡み合いつつも、グランの口内に深く入り込もうとはしない。自然、二人の唇と唇の間の宙で舌が交わり、唾液があふれるのが早い。水音も響きやすく、モニカの声も多く漏れていた。
「れろちゅる、ぁあんっ、ちゅぱっ、ちゅるんあぁっ」
モニカは愛欲と性欲に身を浸けながらも、キスの水音と自身の喘ぎが耳に入り、羞恥も大きくなっている。そんなモニカの様子を認め、グランはクールダウンするように舌を絡めるのを止めて、唇でモニカの唇を包むようにキスをした。
(こ、こうか?)
モニカもグランにリードされるように、唇をつけあうだけにとどめる。グランがモニカの背中を撫でるたびに、モニカの羞恥が消えていき、暖かい愛情があふれてくる。
「んちゅぅぅ……」
(やはり……貴公も男だな。しっかりとした腕と体だ。それもそうか。昨夜私を抱えても、まったくぶれていなかったのだから)
モニカからキスを終える。唇を伸ばせばすぐに触れる距離で、二人薄く目を開き見つめ合う。
モニカは一呼吸置き、情欲にまみれた瞳に決意の色を覗かせる。
「……まだ、一緒にいてくれるか?」
朝まで帰る気はないと、迷いのない返答があった。モニカは目を見開きながら、ビクリと体を震わせる。だがモニカはそんな自分がおかしかったのか、すぐに自嘲した。
「期待はしていたが、いざはっきり言われると、覚悟がいるものだな」
微笑むモニカがそう言っている間に、グランはモニカをお姫様抱っこする。モニカは抵抗せず、グランの肩に手を添えて体をあずけた。
モニカの瞳がまた一段とうるみ、モニカの尖った唇がまたグランの唇につけられる。少し強めに吸い合うなか、グランの足は確実にモニカのベッドへと進んでいた。
グランがそのままベッドに腰かけると、モニカも降りてグランの左隣に座る。互い相手の方を向いて見つめ合う。グランがモニカの頬に右手を添えた。モニカはグランに身を任せ、もう一度唇をつけあう。
モニカは自身の胸元に左こぶしを作りながらも、右手はグランの左手に重ね、互いの手の感触を確かめあいながらしっかりと繋いだ。
「んんっちゅるれろっ」
モニカが目をつむりながら、口内に入り込んできたグランの舌の感触にピクンと震える。飴をなめるようにねっとりと舐めあったあと、唾液の音を響かせながら断続的に吸引する。
グランの右手が、モニカの頬から胸元へ向かう。
(あっ、く、くるかっ!?)
薄目を開けてそれを確認したモニカは改めて覚悟を決めたが、グランの右手はモニカの左手を握っていた。モニカはグランの手の温もりに安心しつつも、焦らされた思いが芽生え始める。
また唇が離れる。手は握り合ったまま見つめ合った。モニカはなにもかもを覚悟し期待していたが、だからこそハッとして言葉を出した。
「シャワーは、どうする?」
グランもモニカも、別に互いの香りに嫌な気は一切ない。でなければこんなに密着していなかった。あまり賢い選択ではないと理解しつつも、グランとモニカの想いは一緒だった。グランが言葉にする。
「わ、わかった……それじゃあ……」
両手の繋ぎが離れ、モニカは真っ赤な顔のまま目を伏せ、少しグランとは逆の方へ顔と体を向けた。グランもモニカと同様にして、脱衣を始める。
布ずれの音が聞こえる。モニカの「ふぅー……」と長い吐息のあと、「もう、いいぞ……」と続いた。全裸となったグランがモニカの方へ向く。
グランは冷静さを欠こうとしていた。玉のように輝くモニカの素肌、乳房の頂点は腕を組まれて隠されていたが、その大きな二つの双丘を隠せるはずもなく、腕によって押されてできた起伏の丸みが、その柔らかさを強烈に表現している。
モニカとの初対面時、彼女が帽子を被っていたので一瞬ドラフ女性かと勘違いしたことをグランは思いだしていた。モニカ自身は未だに少女と間違われることもあるというが、大人びた雰囲気に幼い顔立ち、そして大きすぎる色気。モニカ特有の魅力に対して、グランはすっかり理性の抵抗を失ってしまっていた。
「じっと見ないでくれ……流石に恥ずかしい」
恥ずかしそうに顔を背けるモニカ。彼女の顔と胸ばかりにグランは目が行ってしまっていたが、その下も素晴らしい。健康的な腰のくびれから丸く形の良いヒップ、太ももから足も女性的な色気とスポーティな肉感、柔らかな丸みが見事に融合している。
信じられないほど可愛らしく綺麗だと、グランは息のように言葉を漏らしていた。モニカは恥ずかしさと嬉しさで、唇が妙な形に曲がってしまう。
「あ、ありがとう……貴公もその、よく鍛え上げられているな……さわっても、いいか?」
モニカは世辞を返したのではなく、本当にグランの肉体に感嘆していた。グランの胸板、割れた腹筋を触りながら「おお……」と息を漏らし、その下を見ると恥ずかしそうに眼を反らす。
グランがまたモニカの頬に手を添えると、モニカは数秒目を右往左往させてから、グランへ唇を向けて目を閉じた。グランは優しいキスをしながらモニカを抱きしめていく。モニカはグランの背中に、ゆっくりと手を這わせた。
裸になった二人がそのまま、ベッドへ倒れ込んでいく。とはいえモニカに衝撃はなく、グランも体重をかけすぎないよう、ベッドに手と膝をついていた。その下にモニカがいる。
グランのものはとっくに臨戦態勢で、何度かモニカの下腹をこすっていた。キスを止めたグランは、ついにモニカの双丘へと手を伸ばす。
「ん……優しくな……んっ、んぅぅ、あっ……!」
仰向けでも丸い形が崩れないモニカの乳房。グランは指を沈み込ませ、マシュマロのよりも少し強い弾力に夢中になった。少し広めの薄紅乳輪の中心で、ちょこんと隆起している乳首を親指と人差し指で挟んでくすぐりながら、ゆっくりマッサージするように両手で堪能していく。
「はぁっ、あっぁぁ……くっ、そんなに、夢中になるものか……? ふふ、貴公も可愛いじゃないか……んっ」
モニカは少し余裕のあるような大人びた微笑みで、おっぱいに釘付けになっているグランを眺めている。
それだけじゃなく、モニカもグランの背中、太ももに指を這わせて撫で、先ほどから太ももから下腹にかけて感じる男根の先を、体をよじって撫でた。グランがピクリと震えるのを見てモニカは気をよくし、グランの耳、頬を柔らかく吸っていく。
「ん、むちゅ、ふふ、貴公もやはり、ここは鍛えようがないか……♪」
モニカの甘い微笑みの誘いに、グランも飛び込んでいく。掴んだ母性の象徴へ視線を落とし、ぷっくりと隆起したモニカの乳首を優しく唇で啄ばんだ。
「くっあっ、そんなに吸っても、なにも出ないぞっ、くすぐったっ、んんぅあっ!」
乳首を吸われながら舌先でくすぐられ、甲高い声が漏れる。グランの頭を抱き、何度も身をよじって太ももをすり合わせる。その過程で無意識だったが、グランの亀頭部分を太ももの下部で浅く挟んで、クリクリと撫でまわしていた。しかも垂れたモニカの愛液が亀頭を濡らして潤滑油となり、グランの意識が白く弾け始めていく。
「はあっあっ! ぐ、グランっ、も、もうっ! あっ……」
グランが愛撫を止める。モニカの呼吸で乳房が上下に揺れる。グランはモニカの下半身に移動し、太ももに指を這わせた。モニカはうっとりとした視線を向けながら、足を開いていく。
現れるピットリと閉じたIラインの入り口。涎のように幾筋もの液跡を残すそこへ、グランは手を伸ばし、触らない。ちょんちょんとモニカの柔らかい太ももの内側を撫でながら、鼠径部、クリトリスの上部にキスをおとしていく。
「あっあぁぅっ、あっ、は、はやっくっ! うぅっ!」
モニカはグランの愛撫を邪魔しないよう、体を強張らせるが、限界はあった。手足の指がベッドシーツを掴んでしわを深くし、トロトロ垂れ続けた愛液がベッドに染みを作っていく。
グランはやっとその段階でモニカの入り口に、小指の先を添えた。入り口を何度も上下に往復し、浅く徐々に入れて内部圧力を確かめていく。
(な、中の具合を、確かめられているのかっ。小指、薬指、中指、どんどん、太くっ……!)
「おっ!? んんっあっ」
モニカの背中が何度も浮き、ぴゅっぴゅと透明色の液体が噴出する。グランが人差し指を少し深く入れたところで、モニカは意志を伝えた。
「はぁ、はぁっ! そろそろ、かまわない……」
グランはビチョビチョになった右手を膣から解放し、正常位の態勢でモニカの入り口に亀頭をあてがった。そのまま体を倒してモニカとバードキスを繰り返し、徐々に腰を押し進めていく。
ズッ……ズチュ……ヌチュ……ズズっ……!
「ちゅ、んちゅ、はぁっああっ! くうぅぅ……っ! 痛みは、ない……そのまま……」
全身が密着して体温が溶け合うほどに温め合うなか、モニカの最奥までグランは達した。モニカの呼吸がかなり早まっていたので、グランは止まる。
(太くて、長い……! ま、まずい位置を、常に押し上げられているっ。すぐに、気をやらないように、しなければっ。せ、性器では分が悪いか……ここはっ)
モニカはグランの首に腕をまわし、微笑みを作った。もはや吐息が常にグランにふりかかっているが、それすらもモニカは武器にした。誘いの言葉の中でキスを挟む。
「貴公のを全て、納めきれたようだ……んむちゅうっ。貴公は若いんだ、もっと、素直に欲求をぶつけるといい、れろんちゅるん。ここまできて、我慢は不用だ。私ももう、我慢、しないぞ♡」
モニカがキュっと丹田の奥に力を込めてグランの亀頭を締め上げ、グランの顔を快楽で歪ませた。その隙にモニカがグランを抱き込んで深いキスを敢行する。
「んむちゅるるっ」
グランの唇を唇で包みながら吸い、舌先でグランの唇の隙間で入り込んで、グランの舌の周りを舐めまわす。グランの胸板で形を変えている巨乳は、勃起した乳首で支点を作りながらムニュムニュと円を描いてグランを愛撫していく。
グランの最後の理性がプツンと切れた。徐々に力強く、抽送のストロークが始まる。
ズチュ……ヌチュチュ……ズプンッ……ズチュッグチュヌチュズチュ!
「あっあふぁっ! いいっあっ! はぁっ、いい、ぞっ。そのままっれろれろちゅるっ」
(奥がっえぐられっ……! ああっ、これが、ずっと夢想していた、貴公とのっ交わいっ)
舌を噛まないよう唇が離れたが、唇の外で二人の舌はペロペロと交わり続ける。その行為を邪魔しない速度と圧力でグランは腰を前後する。モニカの膣内はペニス全体をしっかりと締め上げながら、上部が少しザラザラと亀頭をこすりマッサージする数の子の名器。グランはペニスがこすれる度に、速射しないよう下腹に力をこめる。
モニカの足がグランの腰を抱いた。薄く目を見開いて見つめ合い、互いの喘ぎ声、水音、愛の言葉が応酬する。
「はぁっ、んああっ! れろちゅぱっ。すごいっ、すぐに、気をやって、しまいそうだ。もに、モニカと、呼んでくれっ」
モニカ。
「ああっグランっ♡ 好きだっ、貴公の、全てがっ。れるちゅるるっ、熱いものをすべて、私にぃっ♡」
グランももうモニカしか見えていない。液にまみれた舌を絡ませ体をすり合わせ、性器結合の本能に身を任せて、最大の高みに昇っていく。
「愛してるグランっ、れろちゅぱんもっ。このままっ貴公のっ全部をっ、んちゅぱっ、むちゅううううぅぅ♡」
モニカが深いキスを求めてグランの舌を限界まで吸い上げ、その過程で唇もまたピッタリと張り付き、呼吸する隙間もなくなる。グランはガツガツと一気にストロークを速め、モニカの膣内のじゅぶじゅぶとした熱い抱擁と、最奥の降りて来た子宮口に吸いつかれるような甘い刺激で快楽神経が弾け、全てを解き放った。
ドビュウウウウ!! ブビュルルルンッ!! ボビュビュビュビュウウウウゥーッ!!!
「んぢゅはぅあああああっっっ!! んぢゅるるるうううぅぅ♡♡」
ビクンビクンビクンプシュウウウウゥゥー……!! プシュ、プシャアァァー……チョロロ……。
グランと深く口づけながら揺れるモニカの視界。子宮から脊髄を通って脳に電流を流し続けるように絶頂が止まらず、じょばじょばとひどい水音を立てながら、グランの下腹に反射した潮がベッドに染みを広げていく。
「んぶぉっ……んちゅううぅぅ……ぁっあぅ……んちゅうううぅぅ……♡」
(全身が……痺れて……気持ちよすぎて……う、動けん……ああ、甘く、暖かい……♡)
絶頂の衝撃から甘い余韻に徐々に移っていき、思考の余裕ができていく。
(ずいぶんと……気を使われてしまったな……撫でられ、痛みがないよう推し量られて……こんなことを毎日されたら……ふふ……)
「貴公からはもう、離れられんな……」
モニカは薄目でグランと見つめ合って伝えた。グランの喜びと驚きが混じった顔を見届けたモニカは気を良くし、「むちゅう……♡」とすぐにモニカからすぼめた唇でキスを再開する。その間も、繋がったままの性器接合部からはドプドプと二人の混合液が漏れ続けている。
その間もモニカは息苦しくなることはなく、グランの絶妙な体の圧力とキスに夢心地だった。だが、
(いかん。私だけ寝ころんで彼ばかりに任せてはな。年上の威厳を見せねば)
「ん、んちゅるっ」
モニカのキスの圧力だけで、グランは彼女が起きあがりたいのを悟った。しかしモニカの足はグランの腰を抱いたまま接合の続行を望んでいたので、モニカの背中に手を入れて抱き上げ、対面座位の形に移行する。
唇が離れ、グランはあらためてモニカを見た。金髪のウェーブツインテールは水気を帯びてますます輝き、一部は彼女の肩、胸元に張り付いてた。ダークブラウンの瞳はグランを捕らえて離さず、涎を幾重にも垂らしている唇は、今もなおキスを求めるようにグランの方を向いている。
「本当に朝まで、いいのだな」
グランは即答した。
「よし。では次は任せるといい。気を使う必要はないぞ。貴公も好きにしたいのだろう、ここを……♡」
モニカはゆっくりと、おっぱいでグランの胸板を拭くようにすりつける。唾を飲み込んだグランの目が血走り、背中を丸め前傾姿勢となってモニカの乳首にむしゃぶりついた。
「あぁんっ! ふふ、存分に甘えるといい♡ このまま貴公を、搾りとるとしよう……♡」
女性上位を感じさせる甘く包容力のあるモニカの雰囲気に、グランは飲まれた。入れっぱなしだったグランのペニスはすぐにモニカの内部で硬度を取り戻し、「んおぉっ♡」とモニカは内部から体を圧迫されて妙な声を漏れ出してしまう。
すぐにモニカは表情を微笑みにもどして、自身の乳房に赤ん坊のように吸いつくグランの頭を抱きながら、腰のグラインドを開始する。
完全に抽送はモニカのペース、グランはモニカの包容力にすっかり溶かされたように、乳房を何度も揉みしだき、乳輪から乳首を舐めまわし、亀頭でコツコツと甘えるようにモニカのポルチオを刺激する。
パチュン、パチュン……パチュッパチュッ♡
「くぅあっ! まったく、これで、どれほどの女を、泣かせてきたのか、ちゅ、んちゅ」
モニカはグランの額にキスをしながら、時に螺旋を描くように腰を動かし、ただの腰の前後では刺激されることが無い角度でグランの男根をじゅぶじゅぶと愛撫していく。
モニカの豊満なおっぱいに顔を包まれ、ペニスも彼女の腰つきに支配され、グランは完全に思考停止していた。亀頭が彼女のポルチオに包まれて激しく痙攣し、竿部分は柔らかなヒダに愛撫されて溶けてしまいそうなほどに温かい。
「なにも、遠慮する必要はない。今は、貴公と私だけだ。私が貴公を包み、慰めよう♡ 躊躇せず、出したい時に、出すといいっ。んちゅ、ちゅ♡」
モニカの乳房の柔らかさと甘い芳香に包まれ、頭頂部や額、側頭部に何度も口づけされ、ペニスは彼女の愛液たっぷりの暖かくしっかりとした締めつけの肉穴にしごかれ続ける。
とどめはモニカの愛の言葉と、彼女の絶頂痙攣による、肉の脈動だった。
「くぅぅっ!? 私もイくっ、んちゅ。貴公も我慢せずっ、私のっ一番深い所でっ、出してっああぁっ! グランっ好きだっんむちゅっ、んんっああ! くぅああっあああぁぁーーっ♡」
ビクビクビクンビクン! プシャアアアーッ……!! キュウウウウゥゥ!
ブビュウウウウウゥー!! ドプドプドプドプ!! ビュルルルッ!
モニカの膣内は絶頂と共に一気にペニスを奥に引き込みながら痙攣し、射精中でもポンプで引き込むように、竿から亀頭まで何度も膣壁とポルチオが連動して収縮を繰り返し、射精の勢いを強制的に維持させる。
モニカの絶頂もまた深く、グランを抱きしめ支配しているような感覚と、内部から全身を侵食されているような快楽が止まらず、白濁液を子宮で受け止め続けながら、尿道からはグランのペニスに押し出されるように透明色の飛沫を出し続けている。
「あああっああぁっーー……はぁっ、ああっ……んちゅうう……ちゅぷはぁっ、ああ……♡」
モニカに頭をキスされながら、グランもガクガクと痙攣して射精を継続させ、モニカの乳首が伸びてしまうかもしれないと思う程に吸い込んでいた。モニカ主導の愛撫と包容にどっぷりと浸り、いつまでも射精してこのまま溶けてしまいたいと思えるほどに気持ちいい。
少しずつ現実にもどってくる二人。対面座位はそのまま、グランがおっぱいから顔を離すと、モニカは自身の乳輪の横に、グランが無意識につけたであろう赤いマークを見つけて、苦笑した。
「貴公にマーキングされてしまったな。これでは水着が着れないではないか」
夏にはまだしばらく遠い季節だから実際支障はないだろうが、グランは謝るしかない。モニカは「ちゅっちゅ」とグランの唇にキスしながら、
「ん、んちゅ構わんさ。アウギュステにプライベートビーチを持っていると聞いたぞ。招待を期待している、ちゅ、ちゅ」
グランはもちろんと返しながら、何度も会話の中でモニカとキスを繰り返す。
グランはまだまだ勃起が収まらないが、モニカには休憩が必要だろうとグランは察していた。ペニスを引き抜き、おっぱいからも手を離してモニカを抱え、抱っこする体制へと変える。
引き抜いたあと、ドポドポと愛液と精液が混じった濃い白濁液が、モニカの膣口から噴き出していく。
「おぉっ♡ 凄まじい量だ。だが複数の女性を抱える貴公ならばこの程度の射精、物の数ではないか。では引き続き、搾り取るとしよう。よし」
モニカがグランのペニスの裏筋を指先で撫で上げ、グランはあまりの心地よさに背筋が震えた。モニカが新しい動きを見せたので、グランは抱擁を解く。
座るグランの股間へ、モニカは寝そべって乳房と顔を近づけた。「ちゅっ♡」と突き出した唇で鈴口にキスをし、グランにビュルリと出し残しを射精させる。
ペニスは萎えてる場合ではなかった。グランの鼠径部とペニスをずっしりと覆うモニカの双丘。あっとういまに竿は彼女の谷間に吸い込まれて見えなくなり、亀頭部分はモニカの唇でフニフニと揉まれながら、鈴口には彼女の舌先がチロチロと這っている。
「れろちゅるるっ、ん、す、すごいな。いや、他の者のは見たことはないが、あらためて大きさを実感する……。どうだ、気持ちいいか?」
そう言いながらモニカは両手で乳房を挟み押して乳圧を高め、縦に伸びた乳輪と乳首を見せつけながら、むにゅむにゅと上下に擦った。グランは心地よすぎて一瞬意識が飛んだ。あのモニカが丹念におっぱいの形を変えながら男根を愛撫する姿が強烈過ぎて、我慢汁がとめどなくあふれていく。
モニカが口内で貯めた唾液を垂らし、我慢汁と混ざって潤滑油となって、モニカの丁寧な双丘愛撫に水音を加えていく。
モニカは「ほっ、ほっ」とリズムよく左右のおっぱいを上下に交差させてしごきながら、鈴口へのキスをアトランダムに行い、規則と不規則の愛撫を織り交ぜる。
「ほっ、んむちゅ、ちゅうぅ、ふふ。貴公の弱いところも、だんだんわかってきたぞ。裏の方はどうかな、れろぉん、ちゅるる」
グランはガクンと痙攣し、我慢汁を噴き出しながら、あふれる呼吸で口端から唾を飛ばしてしまった。
モニカの唇が鈴口へキスし、淡紅色の舌が裏筋を舐め上げ、その間も彼女の両手は乳房を両側から掴み、勃起した乳首とぐにゅぐにゅと形を変える乳輪を見せつけながら、豊かな双丘でタプタプと音をたてて竿とカリ首をしごき続けている。
「おおっ、一層震えてきたな。限界が近づくとこうも膨らむものか、んむちゅうぅ」
ペニスがビクビクと痙攣するにつれ、モニカは双丘の上下運動による竿への愛撫を、速度とテンポ重視へ変えていく。タプタプタプタプと激しい肉の音を響かせながら、亀頭全体を唇で包み込み、鈴口を舌先でほじくっていく。
「んちゅるるうぅ、むりゅるちゅぷっれろちゅうぅぅぅ! んんっいいだろう、果てるといい。貴公の全てを、飲み込んでっあむっ、んちゅううううぅぅぅ♡」
ボビュウウウウウッッ!! ドビュウルルルルッビュルルッビュウウウーッッ!!
「あふっあっ!? なんて量だっ飲み切れっ、あふっ、んむちゅううぅぅ!! ぷはっあう、熱……♡ ふぅ、ちゅううぅぅぅ……♡」
モニカの唇、頬、金髪ツインテールを白く染めながら、モニカは一呼吸おいて再度亀頭を唇で包んで、精液を吸いだしていく。乳房もムニュムニュと刺激を止めず、玉袋に貯められた精液がポンプのように上へと押し上げられ、可愛らしいモニカの吸引唇に飲み込まれていく。モニカは薄目を開けてグランの顔を見つめ、想い人の絶頂顔を堪能しているかのようだった。
「んちゅううぅーー……ちゅうううぅぅ……んちゅううぅぅ♡」
ビュウウゥー……!! ビュルルルッ……!
グランの絶頂痙攣は長く、魂までモニカに吸い取られているかのように脱力感が強い。モニカの可愛らしさとエロティックさが融合した姿だけでも魅了されるほどなのに、その豊かな乳房と愛くるしい唇による愛撫がいつまでも続く。
「ちゅぽんっ……♡ ふふっああ、まだ、出るのか。若いな……ふうぅ、んちゅううううぅぅー……♡」
モニカは微笑みながら、ペニスをおっぱいと唇と舌であやすような愛撫にシフトし、出し終わるまでよしよしと舌で亀頭を撫でて、射精を促していく。
ドピュっと最後にモニカの舌先に射出して、ようやく終わった。グランは頭がくらくらしていたが、その視線は淫靡なモニカの姿に捕らわれている。モニカは淫蕩にカリ首から亀頭を舌で舐めましてお掃除を完了したが、竿は乳房で包んだまま、亀頭に唇をつけたまま、今度は言葉と微笑みの表情でグランをくすぐる。
「貴公のそのような顔を見せられると、こちらも癖になりそうだ……むちゅ、ちゅうぅ♡」
亀頭に口づけながら誘うモニカの姿は、男に精力を一気に取り戻させる麻薬に等しい。グランの硬度が一気に戻り始めると、モニカは一瞬目を見開いて、そしてすぐに期待するような微笑みの表情に変わった。
モニカがグランの前で立ち上がると、グランの視線の前にはモニカの膣。健康的なサーモンピンクのその口から、グランが注ぎ込んだ白濁液がいまだに漏れ出しており、さらにはモニカの新たな愛の涎をダラダラと垂らし始めている。
モニカはグランの肩に手を乗せながら、可愛らしく首を傾げる。
「さあ、まだまだ貴公の魅力を堪能させてくれ。次は、どう愛してくれるんだ? それとも……私のリードがご所望かな♡」
グランが立ち上がってモニカを抱きしめ、貪るように唇を合わせながら、グリグリと亀頭で膣口をこじ開けていく。
「んむちゅうううぅぅぅ♡」
ビクビク! プシュウウ……チョロロ……。
(……明日、遅刻しないようにしなければな……♡)
絶え間ない嬌声と肉同士がぶつかる水の混じった音、あふれ続ける粘液。モニカはベロベロとグランを味わいながら、深い所を何度も侵食されながら、不可逆の桃色の変化にどっぷりとハマって抜け出せなくなっていった。
陽ざしが差し込みつつ、まだ路上に人は少ない。
「忘れ物はないか?」
秩序の騎空団への出勤時間が迫っている。グランも朝から秩序の騎空団で打ち合わせの予定だったので、二人は朝食をともにし、身支度も整え終わっている。
「ベッドの始末をどうするかすっかり失念していたが、貴公は手馴れているな。一度や二度ではないだろう」
モニカが肘でグランの脇腹をつつく。換気はまだ必要だろうが、グランの属性魔法も手伝ってモニカの部屋は平常時にほぼ戻っており、モニカが早朝起きて洗濯に追われることはなかった。
「昨日はリーシャに任せてしまったからな。休暇明けで心機一転、秩序への奉仕に努めよう。貴公のことも頼りにしているぞ」
ちなみに後日リーシャ曰く、業務後モニカ宅に行こうと思えば行けたが、二人の初夜と思い直し自重したらしい。モニカとリーシャの連携に愛される日は間もなく訪れるが、これは別の話にて。
モニカが玄関扉のドアノブを掴む。ここはアマルティア島、一歩外を出れば秩序の騎空団モニカとして振舞う。別に悲壮な思いもなにもないが、今後ろにはグランがいる。
(……これぐらいは許してくれ、リーシャ)
モニカがグランの方を向き、目をつぶって、気持ち唇を上へ向ける。
不意打ちに面食らったグランだが、すぐにモニカの肩に手を添える。モニカの体がビクンと一度震えた。グランから唇を重ね合わせる。
「んん……ちゅ……んっ……んんちゅ……♡」
が、モニカは終わってから頬をさらに赤くしてうつむき、羞恥に歪む表情をグランから隠した。
(い、いい年をしてなにをやっているんだ私は!? いくら夜を過ごしたからといって、まるで付き合いたての少女ではないか! ……彼と同年代ならばまだしも……!)
が、モニカの葛藤とは裏腹にグランには効果てきめんだった。普段の雰囲気と所作は年相応のモニカが、突然のキスおねだりのギャップ。グランは心臓がバクバクして興奮を治めるのに難儀している。
またグランはモニカと通じ合ったことで、心境の変化が明確にあった。関係の秘密を共有する楽しみもあったのかもしれないが、それよりも日の当たるところで、共に過ごしたい。
いきなり全開とはもちろんいかないが、早朝の今ならば。その想いから、グランは手を差し出した。
「……つないで行きたいのか?」
モニカの表情に落ち着きと大人の余裕が戻る。
「貴公……しょうがないな。五分だけだぞ」
五分とは? とグランが聞き返すと、
「五分ほどで秩序の騎空団本部が見えてくるだろう。だから、それまではな。ふ、貴公も初心なところがあるのだな」
お互い様。
「う、うるさい。あまり大人をからかうな。つながんぞ」
つーんと唇を尖らせたモニカに、慌てるグラン。微笑みを見せて許したモニカが、グランと手を重ね指を交差させて握り合い、扉を開く。
まだ目が覚め切っていない街へ、二人の足音と会話が良く通る。
「こんな日が来るとはな……頬が赤い? 貴公の方もたいがいだぞ。次の休暇はいつだ? そうか。それなら合わせるのは容易だ。アマルティア島もいい所がたくさんあるんだ。たとえば、あそこのお店は茶菓子が評判でな。この前もリーシャと――」