SS製作は初めてだったので評価してくれたら嬉しいです。
「ふぁ~……はぅ。」
私の名前は紅美鈴(ホン・メイリン)、ここ紅魔館(こうまかん)で門番の仕事をしています。
今の時間は深夜の3時をちょっと過ぎた頃、ここは私の寝室、簡単な化粧台やクローゼット、来客用の机とソファー、そして特注の大きめベッド。そのベッドの上でボタン式の薄緑色のパジャマを着て目を擦ってるのが私です。
朝起きたらまずは顔を洗いに行きます。お気に入りの緑のタオルと歯ブラシを持って部屋の外へ、うう、もう秋も終わりで冬だ。寒い。 私の寝所がある二階から降りてすぐ、メイド達が使う広い洗面所、奥から2番目の蛇口をひねる。冷たーい。
「おはようございます、美鈴さん。」
「おはようございます、今上がるところ?」
「はい、お先に失礼します。」
「お疲れさま、またね」
今洗面所の入り口から声をかけてきた小さい子はこの館で働く妖精メイドさん、こんな時間までお疲れ様です。
館の主であるレミリア・スカーレットお嬢様は吸血鬼なので夜行性だ。今頃寝室で優雅に紅茶でも飲んでのんびりされているんじゃなかろうか?
お嬢様が休んでいるあいだ、つまり日中この館を守るのが私の仕事です。
歯磨きをしながら鏡を見る、今日の寝癖は一段と酷いことに気がついた、自慢の真っ赤な長髪が縦横無尽に跳ね回ってる、これじゃまるで変人じゃないか。そういえばさっきのメイドさんは笑いを堪えていたかもしれない。
口をゆすいで顔をバッシャバシャ洗い、タオルで拭きながら部屋へ戻る、うー気持ちいい。
部屋に入って化粧台に座る。化粧台といっても簡単なもので鏡と最低限の道具しか置いていない。庭仕事や見張りが主な仕事なのでお洒落をする必要もないからだ。
昔、人里で買ってきた小さな漆塗りの櫛で髪の毛をとかす。紅魔館に仕える者が奇抜過ぎる髪型ではメイド長に怒られてしまう。丁寧にとかしたらクローゼットに向かい、お気に入りの服を取り出す。
ボタン式のパジャマを脱いだ下着姿が化粧台の鏡に映り、ふと手を止める。自分で言うのもあれだがそんなにスタイルが悪いとは思わない。が、普段力仕事と日々の鍛練で鍛えられているせいか若干筋肉質である。若干……いや、年頃の女性にしては鍛えすぎかな?細身なので見た目からして筋骨隆々!とはならないが、触ってみればすぐわかる、乙女の柔肌とは言い難いかもしれない。
気がつくと眉間にシワをよせながら自分の手で全身をなで回していた。どうしたんだろう急に、変態かなにかか私は。早く着替えよう。
お気に入りのブラウスを着て、お気に入りのスリット入りのロングスカートを着る。洋風な館だが私の格好は中華風、一応これでも、これが私のアイデンティティーだと自負してます。
着替えが終わったら化粧台の前できっちりと整えて、髪を結います。両耳の横でみつあみにするのが私のアイデンティティー、と言いたいところですがうちのメイド長を務めていらっしゃる十六夜咲夜(いざよいさくや)さんも似たようなみつあみなんですよね。ふふ。
さて、準備が終わったら朝食を取りに一階の従業員用食堂へ向かいます。おっと、帽子を忘れない用に。ドアを開けるとシーンとした廊下と冷たい空気が頬を撫でます。お嬢様はもうお休みでしょうか?ドアを締める前に綺麗に整えたベッドへ目をやります。今日の寝るときが楽しみです。心の中で行ってきますと呟き、静かにドアを締めます。頑張ろっと。
食堂に着くと暖炉で暖まりながら何人かの妖精メイドさんがおしゃべりしてました。今日の早朝食担当ですね、お疲れ様です。
「おはようございまーす。」
「おはようございます美鈴さん。」
今日の朝食はパンと牛乳とスクランブルエッグ。いつも通りの朝食です。あ、今日はリンゴもあるじゃない。前言撤回。
朝食を手短にすませたら作業員用の厚手のコートを羽織り、裏口から外へ、正門に向かいます。
「お疲れ様でーす。」
「お疲れ様でーす。美鈴さん。」
夜の警備担当の妖精門番さんたちです。報告はいつも通り、異常なし。良かった良かった。
報告を聞いたら門番用の事務室へ向かいます。敷地内ですが景観を損ねない用に端の方にちょこんと建っていて、中は狭いですが仮眠が取れたり休憩するくらいのスペースはあります。
外の釜戸に火を入れてお湯を沸かす間、日課の太極拳を行います。これをしないと1日の調子が悪かったり。
太極拳が終わる頃には妖精門番さんもぞろぞろと集まってきます。そろそろお仕事の時間です。みんなで暖かいお茶を飲んだら今日の仕事を確認して解散します。
さぁ、今日も1日よろしくお願いします!
………………
1日仕事終わり、夕食を食べ、お風呂に入る。
しかし、従業員用の浴場で1人シャワーを浴びながら私は後悔の念に捕らわれていた。
(うぅ……なんで咄嗟にあんなことを……)
時刻はお昼過ぎにまで遡る。単刀直入に言うと、里の男性に告白された。改めて考えると驚愕の事実です。
彼は里の青年。年は20代前半といったところだろうか。少し前から私の事が気になっていたらしい。
わざわざ紅魔館にまで足を運んで頂いて……しかも私なんかの為に。
私は妖怪だから。あなたとお付き合いすることは出来ません。ごめんなさい。 そう言ってはっきりと断った。その瞬間、彼の視線は落ち、彼は言葉を詰まらせてしまった。
これで良かったのに、私は彼の表情を見て、余計な一言を言ってしまった。
「折角ここまでいらっしゃったのなら、良かったら泊まっていきませんか?」
……事情を説明したときの咲夜さんの顔が忘れられない。
「折角だから、美鈴の部屋でいいわよね?あと明日の仕事は私がやっておくから安心していいからね」
そんな苛めなくたっていいじゃないですか咲夜さん……。
でも、こんな仕事ばかりの私を可愛いとか、好きだとか言ってくれて、正直嬉しかった。ふふ。
いや、浮かれるんじゃない紅美鈴。彼の本心なんてわからないのだから。
着替えて、彼が待っている食堂へと向かった。
あ、咲夜さんが彼と何か話してる。
「あ、来た。じゃあ美鈴をよろしくね。」
そう言って咲夜さんは消えてしまった。よろしくってなんですか!よろしくって……
彼が私の方へ目をやるや否や視線を反らしてしまった。そっか。普段の格好とは違うもんね。
暫し沈黙が続いたあと、私から口を開いた。
「私の部屋、こっちだから……」
私の部屋に、殿方がいらっしゃる。その事実に頭がぐるぐるする。二人でベッドに並んで座っている。こんな事になるとは朝は思ってもみなかった。
「……私なんかでいいんですか?」
沈黙に耐えかねて私は彼に聞いた。そしたらなんて言ったと思う?私じゃなきゃ駄目だって。
ただ嬉しかった。今夜だけでも、この嬉しさに、素直に
甘えてみようと決心した。
私は彼の目を見つめて、そして、キスをした。
「私は妖怪だから、あなたと暮らす事は出来ない。あなたには人間の女性と幸せになってほしい。だけど、今夜だけ、今夜だけはあなたと一緒に居させて……」
今度は彼からキスされた。それはお互いに、全てを理解した証だった。
私はベッドに横に寝かされて、下着を脱がされた。体が熱い、部屋のストーブがついているせいだけではなかった。彼が露になった私の乳房を愛でる。くすぐったいような。気持ちいいような。
私は彼の頬にキスをして、彼の服を脱がした。
はだかになった彼は私の陰部に口づけをする。
「そこは……あっ……」
彼の舌使いが私の理性を狂わす。こんな気持ちは久しぶり……幸せ。
「私……あなたに好きって言われて嬉かった……んっ……だから……一つになりたい……」
彼の愛撫が止まる、彼は私を一度ぎゅうっと抱き締めて、ゆっくりと腰を沈めた。
「あっ……んっ……」
今すごく恥ずかしい顔をしてると思ったけど、彼は追い討ちをかけるように可愛いって言ってくれた。本当に恥ずかしい。
「ばか……」
彼が動く度に私の唇から甘い声が漏れてしまう。誰かに聴かれていませんように……
正常位でゆっくりと奥まで、彼を感じる。だけど折角だから、お願いした。
「私は大丈夫だから……その、もっと……激しくして……」
覆い被さる彼に上目遣いでお願いした。こんな表情できたんだって自分でもびっくりする。
「あっ……ああっ……!」
ベッドが軋む音と甘い声がが部屋に響く、うるさくしてごめんなさい。でも、気持ちよくて……
彼が私の腰を抱き抱えるようにして体を起こす。私は彼に抱きつきながら腰を降った。気づけば二人とも汗だくで、髪も乱れていた。
「はぁっ……んっ……はぁっ……」
自己嫌悪が溶かされていくような優しい時間。呼吸が乱れて手先が痺れてくる。でも彼と舌を絡めるのを辞めたくない。こんなに乱れているのは久しぶり……。溜まってたのかなぁ……
「好き……私も好きだから……あなたにめちゃくちゃにされたいの……!」
狂ったように色んな体位で体を重ねた。彼と、何度も……そして最後は……
「あっあんっ……ぅあっ……あっ……!」
「だめっ……あっ……イっちゃぅ……あぁ!」
「……あっ!ぁぁっ!」
絶頂を迎える。
まさか里の青年にイかされるなんて
痙攣するように体がひきつる。声が出なくなる。
こんなに気持ちが良いのは、初めてかもしれない。
「はぁ……はぁ……」
気持ち良かった。優しい彼は外に出した。妖怪だから別に大丈夫なのに、ふふ。
「私と寝てくれてありがとう。楽しかった。」
私はおでこにキスをしてそう言った。どんな女の顔をしていたのだろう……恥ずかしい。
彼は体を拭いてくれたあとに、私を抱き締めて寝息をたてた。可愛いんだから……。
私も彼をぎゅっと抱き締めて眠った。彼の体は男らしく、安心感があった。
…………
「じゃあお気をつけて!」
彼は頷いた。どこか寂しそうだったので近づいて囁いた。
「また、寂しくなったら会いに来なよ。その時は
ね、」
元気が出たのか、彼は威勢良く返事して紅魔館をあとにした。大変だろうけど頑張れ青年!
「昨日はずいぶんお楽しみでしたね」
……そりゃないですよ咲夜さん
「さっ、今日もお仕事頑張りましょう、ね、」
「美鈴もやっぱり女の子なのね」
「お仕事!!!」
おしまい