静希百合という少女は、とても男好きのする身体をしている。
だから、いくら小学四年生の子供が相手ではあっても、それが『男』である以上、こうなってしまうのは必然だったのだろう。
だが、自分の魅力に自覚のない百合には、どうにも健太の行動が理解できずにいた。
(な、なんで? 一緒にお風呂入ってあげるって言ったのに、健太くん、どうして離れてくれないの?)
二人の体勢は、百合の自室に入ったときと変わらず立ったまま。
いや、抱き合うように向かい合っているのが変化といえば変化だろうか。
そして現在、百合の胸の谷間には、白いブラウス越しとはいえ健太の頭が擦りつけられており。
「ね、ねえ。健太くん? お風呂ならちゃんと一緒に入ってあげるから……ほら、ね?」
そう言って、離れるよう遠回しに促すも、健太は一向に身体を離そうとはしなかった。
それどころか、グリグリと頭を動かして、
「うん! ありがとう、百合ちゃん! 嬉しいよぉ~! それに、なんか柔らかくていい気持ち~」
などと二つの胸の膨らみの感触を楽しみながら、感想まで言ってくる始末。
だが、いやらしい響きは微塵も感じられなかった。おそらくは、親愛の表現として抱きついてきているだけなのだろう。
しかし、だからといって百合がこの体勢をずっと許容していられるはずもない。
まして、
「ねえねえ、百合ちゃんのここって、なんでこんなに柔らかいの? この中、一体なにが入ってるの?」
などとブラウスの中にあるものに興味を持たれ、そう尋ねられてしまえば、なおのこと。
無邪気かつ無知であるがゆえの質問に、百合は軽く
だが、黙っているわけにもいかなかった。無言でいれば、この無邪気な少年は『ブラウスの中を見せて』などと言いだしかねない。
いくら『一緒にお風呂に入る』のを受け入れたとはいえ、いまこの場で乙女の柔肌を見せるのには、多少どころではない抵抗があった。
そもそも百合は、中学時代に使っていた紺色のスクール水着を着用して入ろうと思っていたのだ。それが見つからないか、あるいは着られないようなら、最悪、大きめのバスタオルで隠しながら、と。
こんなことなら水泳の授業がない高校をわざわざ探して受験するのではなかった、と思いもしたが、それはもう後の祭りもいいところ。
そして、そんなことよりも遥かに問題なのは、いまである。
『なぜ自分の胸は柔らかいのか』など、説明するのが難しいにもほどがあるが、それでも自分に教えられる範囲で、かつ健太が自分の胸から興味を失ってくれるように誘導しつつ答えてあげなければ。
だが、子供の好奇心というものは、えてして気まぐれなものである。
ゆえに健太は、百合の答えを聞くことなく、背中に回していた両手を動かして。
「――ひゃんっ!?」
それに敏感に反応し、少しばかり色っぽい声を出してしまった百合の背中へと、その興味の対象を移らせた。
「……んっ、け、健太くっ……ふっ、んっ……」
まるで、彼女を
いくらいやらしい意図がなく、また、ブラウス越しであるとはいえ、『まさぐる』としか表現のしようのない触られ方をすれば、どうしても百合はくすぐったさ以上の刺激を感じてしまう。
それでもなんとか声を押し殺し、彼女は健太を制止しようとした。
「んっ……ね、健太くん、そんな……ひゃ、んんっ……ほ、ほら……そこは、ね?」
もちろん、『そこは、ね?』などと控えめに促したところで、その行為をやめさせることなどできはしない。
なおも健太の両手は敏感な少女の背に這わされ続け、
「ひうっ、ううんっ……ひゃ、うっ、んんっ……」
「――あれっ?」
「……ふう、はあ、あ……。な、なに? 健太くん」
相手が子供であっても、『男』の部分を刺激するような
それを自覚なく漏らしつつ、百合は健太に問いかける。
「百合ちゃん百合ちゃん。百合ちゃんの背中に、なんか固いのがあるよ? これはシャツ、じゃないよね?
「ひ、紐? ブラ紐のこと?」
「ぶらひも? なにそれなにそれ!」
その瞬間、百合は自らの失言に気がついた。
だが、胸のことを訊かれたときに比べれば、いくらか状況はマシである。
なんでもないことのように答えれば、早々に興味を失ってくれるはず。
「大きくなると、女の子は上のほうにも下着をつけなきゃいけなくなるの。それを固定してるのが、ブラ紐」
「上にも? うわあ、面倒くさそう……。なんで、そんなのつけなきゃいけないの?」
やはり、健太は続けてそう訊いてきた。
ここで『服に擦れて痛いから』だの『形が崩れちゃうから』だの『揺れちゃって恥ずかしいから』だのと正直かつ微妙にぼかして答えれば、健太は、どこが服に擦れるのか、どうして痛いのか、なんの形が崩れるのか、なにが揺れて恥ずかしいのか、と幼い好奇心からくる質問を次々と浴びせてくることだろう。
そして、そんな問いかけを現実にされれば、百合には顔をさらに赤くして口ごもる以外に選択肢はない。
だからそれだけは避けるべく、彼女は少年にこう答えた。
「そうしなきゃいけませんって、決められてるから。わたしも健太くんも、お休みの日以外は毎日学校に行かなきゃいけないでしょ? それと同じことなの」
この回答なら、これ以上踏み込んだことを訊いてこられはしないだろう。
果たして、健太は百合の狙いどおり、あっさりと納得の表情を浮かべてくれた。
「そっか、学校行くのと同じなんだ。ぼくはいま学校休みだけど、それは転校の準備とかがあるからだもんね。そっかそっか」
そして、背中をまさぐられたせいで見せてしまった百合の反応も興味の対象外となったのか、少年の両手もようやく百合の背中のひとっところに落ちついた。
だが、それに百合が安堵するやいなや、今度は胸元に再度顔を押し付けてくる。
しかも、なにを思ったのかスンスンと鼻を鳴らし始めもしてきた。
「え、あっ、ちょっ……!?」
「――なんか、いい匂い……」
どこかうっとりとした声でそう言われ、またしても百合の頬が熱くなる。
「そ、そう……?」
「うん。この匂い、すごくホッとするよ……」
深い安らぎに満ちた、健太の声。
それを聞いた百合は、彼を無理やり引き剥がすことができなくなってしまう。
そうでなくとも、ついさっき『怒ってる』と誤解されてしまったのだ。
いま――いや、いまに至るまでの一連の行為の最中に引き剥がしてしまっては、また『怒ってる』と思われかねない。
それは百合にとって、あまりにも不本意なことだった。
だから彼女は、しばし健太のしたいように自身の匂いを嗅がせることにした。
相手は子供なのだからと、しょせんは子供のすることだからと、自分にそう言い聞かせながら。
「ねえねえ、百合ちゃん。なんで百合ちゃんからはこんなにいい匂いがするの?」
「えっ? な、なんでだろうね。わたしにも、それはわからないかな……」
「百合ちゃんにもわからないことってあるんだ。なんか意外……」
「わたしは健太くんより六つ年上なだけだからね。わからないこともたくさんあるよ」
「じゃあ、こうしてるとなんで落ちつくのかも、わからないの?」
「う、うん……」
もっとも、百合自身は『落ちつく』とは対極の状態にあるわけだが。
そして、それからどれくらいの時間が経っただろうか。
百合の胸元から顔を離し、少しだけ表情を固くして、健太が小さな声で告げてきた。
「ちょっと、脚が痛くなってきちゃった……」
「そう? じゃあ、もう座ろうか?」
そう返し、健太に身体を離させる百合。
それはとても自然な仕草で、実は百合が狙っていたことでもあった。
こうすれば、健太を傷つけることなく、抱き合っているようなこの体勢から逃れることができるだろう、と。
だが、百合の読みは甘かった。
白いカーペットの床に座ると同時、今度は後ろから抱きつかれる。
「け、健太くん……」
不快だ、
昨日の夜は手を繋いだだけで、ここまでベタベタはしてこなかったはずだ。
(もちろん、それだけ懐かれてるってことなんだろうけど……)
あるいは、『この人なら自分を怒らない。甘えさせてくれる。ちょっとのことなら許してくれる』と思っているのかもしれない。
要約するならば、『信頼されている』といったところだろうか。
それに、
「えへへ~っ」
などと無邪気な声ではしゃがれては、そうそう悪感情も抱けない。
少年の微笑ましさに少しだけ頬を緩めた百合は、しかし次の瞬間、「……っ!?」と身体を硬直させた。
無理もない。突然、前のほうに健太の両手が伸ばされてきたのだから。
「えっ!? け、健太くんっ……!?」
焦りの声と共に、背後を振り返る。
そこにあったのは、邪悪に歪んだ少年の顔――などではなく、どこまでも無邪気でいやらしさを感じさせない健太の笑顔。
それを見て、百合は理解した。
少年からしてみれば、やっていることは先ほどと大して変わらないのだ、と。
ただ単に、少女の身体を挟んだ向こう側に手を回そうとしているにすぎないのだ、と。
だがそれは、いささか好意的にすぎる解釈である。
「だぁ~って、ここ柔らかくて気持ちよかったんだも~ん。もっと触りたぁ~い!」
間違いなく、健太は調子に乗っていた。
楽しそうに弾んでいる声の調子が、それを百合に正しく認識させた。
しかし、それでも彼は無邪気にはしゃいでいるだけのようだった。いやらしい意図など、これっぽっちも感じられない。
(で、でも、だからって……。あ、けど、ここで無理に振りほどいちゃったら、それこそ『怒ってる』って思われちゃうんじゃ……)
その思考が、身をよじろうとした百合の動きを反射的に停止させる。
怖がらせたくない。傷つけたくない。そんな思いが、いまは健太の行為を大目にみてあげるべきなのでは、と考えさせる。
(こ、子供の……子供の、することだから……)
それに、振りほどこうと思えば振りほどけた。
少年の手には、その程度の力しか込められていない。
まだ十歳とはいえ、健太は男である。
六歳年上ではあるものの、非力な女子高生である百合では、本気の腕力勝負になれば分が悪い。
つまるところ、健太は単にじゃれついてきているだけなのだ。
そこには、いやらしい気持ちも、力任せに乱暴する意思も感じられない。
ともすれば、振りほどかれることも覚悟しているのでは、とも思えてしまう。
だから百合は、顔を真っ赤にしながらも動かずにいた。
(わ、わたしは『お姉さん』だから……だから、包容力豊かに、接しないと……!)
『たしなめる』という行動は、忘却の彼方。
そんなことは、この状況に対する焦りが忘れさせていた。
それに仮に覚えていたとしても、『胸を触ってはいけない』と優しくたしなめることなど、恥ずかしさが勝っている百合には、きっとできなかったに違いない。
だからこれは、ある意味において、無意識のうちに行われた逃避だともいえた。
健太の行為を『許し、受け入れる』ことで、『たしなめる』機会を潰してしまおう、と。
自分の口から言葉にするのは恥ずかしいそれを、できることなら言わずに済ませてしまいたい、と。
そして健太の手が、百合のたわわに実った両の膨らみに触れてきた。――否、掴んできた。
「――んっ……!」
「ど、どうしたの!? 百合ちゃん!」
百合が痛みを覚えたと思ったのだろうか。健太が無邪気な笑みを消して心配そうな声を出す。
「あ、えっと、その、あの、ね……」
どうとも説明できず、百合はただ曖昧にそれだけを口にした。
彼女とて十六歳の女子高生である。『性の快感』の存在自体は知っているし、
というより、ネットサーフィンと読書を趣味にしていれば、嫌でもそういった知識は入ってきてしまうのだ。
だが百合に、自慰の経験はない。
知識はあっても、実際にやってみたことはない。
だから彼女は、『自分は人一倍敏感な体質をしているのだ』と、いまに至るまで気づかずにいた。
それに百合は、仮にも『触られる』と覚悟し、半ば自分の意思で『触らせた』のだ。
羞恥心に身を焦がされながらではあっても、それを健太に許し、受け入れたのだ。
(なのに、なんでこんなに……? ちょっとだけだけど、心の準備はしてた、はずなのに……)
心の準備をし、受け入れようと努めていたからこそ感じてしまったというのが真相なのだが、もちろん、そんなことは百合にわかるはずもない。
そんな彼女に、健太がおずおずと問いかけてきた。
「あ、あの、百合ちゃん……? もしかして、痛かったの?」
「あ、ううん。痛かったわけじゃ……」
そう正直に答えてから、百合は『失敗した』と心の中で頭を抱える。
嘘でも『痛かった』と言えばよかったのだ。
そう口にしていれば、この心優しい少年は、きっと大人しく胸から手を離してくれたはず。
「で、でも、痛くはないけど……こういうことは、ほら、ね?」
だが、もう手遅れ。
痛かったわけではないと答えたからか、健太の両手が楽しげに動かされる。
それも、吐く息を少しだけ興奮に荒くしながら。
「は、ぅっ……ん、んんっ……」
「柔らかい……。すごく柔らかいよ、百合ちゃん……!」
「は、ぅっ……そ、そう? じゃあ、もう、これで……ん、んんっ……」
百合の果実が、ブラウス越しに柔らかく揉まれて形を変える。
少女はその手に自分の手を重ねて、いまさらながらにやめさせようとするが、
「もうちょっとだけ。もうちょっとだけ、いいでしょっ?」
「もうちょっと、だけって……んふっ、でも、こんなことっ……」
「だって、気持ちいいんだもん! すっごくすっごく気持ちいいんだもん!」
そう言いながらも、痛くはないだろうかと心配してもいるのだろう。
その健太の気遣いが程よい力加減に繋がり、同時に百合の心をも少しずつほぐしていく。
「うぅんっ……そんなに、そんなに気持ちいいの? だったら……うう、でもおっ……あ、ああっ……」
「ね? いいでしょ? いいでしょ?」
健太の無邪気なおねだりに、少年の手の動きを抑えようと重ねていた百合の手が床に落ちる。
自分から離したのか、ただ単に力が抜けてしまったのか、それは彼女自身にもよくわからなかったけれど。
(いやらしい気持ちは……ないはず、だから……)
そして百合は、少しとろけた瞳で了承の言葉を口にした。
「う、うん。わかった。わかった、から……。わたしの胸、ちょっとの間だけ、健太くんのしたいようにして、いいよ……」
「本当!? ありがとう、百合ちゃん!」
「ど、どういたしま――んっ! んんぅっ……ん、くっ……は、ああっ……」
百合の許可を得たからといって、健太の揉み込みが激しくなることはなかった。
だが、『自分の部屋で、小学生男子に自分の胸を触らせている』という現実が、『ブラウス越しに、後ろから胸を揉むのを許している』という自覚が、少女の感度を高めていく。
「あっ、あっ、あっ……け、健太くぅん……そんな、優しくぅ……」
それでも、身を焦がす羞恥心はなくならない。
それを少年に悟られまいと、百合はなんとか声を我慢しようとするが、
「んっ、ふっ、んんっ……あふっ、くぅんっ……ひゃ、ふっ……ふあ、ふああっ……」
健太の優しくもどこか臆病な揉み込みに、たちまち
(なんでわたし、こんな声を……? 変になってるぅっ。わたしの身体、変に、なっちゃってるぅっ……)
「ふあっ……ん、んん……はううっ……」
自室に響く、一度も聞いたことのない自分の声。
少年の両手によって引き出されている、艶かしくもいやらしい『女』の声。
喘ぎ声や
「ふぅんっ、はぁうっ……ね、健太くん。もう、このくらいで……」
「え~っ、もうちょっと! もうちょっとだけ!」
「ええっ……もう、しかたな――ぁんっ……ふあっ、んふっ……」
(でも、この感じは、なに? わたし、もしかして感じちゃってるの? 健太くんに胸を揉まれて、感じちゃってるの……? どうしよう、このまま健太くんに触らせてたら、どんどん……どんどん、いけない気持ちに、なって……)
「ね、ねえ……。もう、やめよう? もう、健太くんも……んんっ……満足、したでしょ? ……は、ううっ……ね? 満足、したよね……?」
「…………」
少年からの返事はない。
「あ、え……け、健太くん? ふぅんっ……ね、健太くんってば……あ、あん……」
ふと、百合は背中に硬いものを感じた。
続いて気がついたのは、健太の荒い息遣い。
それに少女は少しだけ身の危険を感じ、けれど、と思いなおす。
(だ、だめ。振りほどこうとしちゃ、だめ……。嫌がっちゃだめ、怖がっちゃだめ。
だって、子供のすることなんだから。健太くんは、子供なんだから……。いやらしい気持ちで触ってるわけじゃ、ないんだから……)
なにより、ここで振りほどいてしまえば、健太はまた『怒ってる』と思ってしまうに違いない。
それだけは、なんとしても避けたかった。
「ひゃぅっ……ううんっ、は、ふ……健太くっ……も、いいでしょ……ふあっ……」
「…………」
「ねえ、もう……ふ、うう……は、んっ……お願いだから、もう……ふあ、んああっ……」
「…………」
「あ、ああ……。健太くんってばあっ……ふ、んんっ……ひゃううっ……」
「ゆ、百合ちゃんの声、なんか、すごい……」
「や、ああっ……! 言わなっ、言わないでぇっ……!」
「だって、すごいものはすごいんだもん……。なんか、すごく気持ちよさそうで……」
熱に浮かされたようにつぶやいた健太の手が、ようやく止まる。
だが、それに気づける心の余裕など、いまの百合にはあるはずもなく。
「き、気持ちよくなんてっ……!」
恥ずかしさから、らしくもなく強い声で否定して、百合は『あっ!』と口に手を当てた。
(怒っちゃだめ、怒っちゃだめ……。『お姉さん』は、包容力豊かに……)
幸い、健太に気にした様子は見られなかった。
それどころか、止めていた手の動きを再開させようとさえしてくる。
「あ、それは、もう……」
「も、もうちょっとだけ……」
「えっ……う、うん……」
『包容力豊かに』と心の中で繰り返しながら、うなずく百合。
「健太くんのしたいようにしていいって、わたし……言った、もんね?」
「そ、そう。約束は守らなきゃ、だよ。……じゃ、触るね?」
「い、いいよ……。あ、でも、いまだけ……だからね? 健太くんのしたいようにさせてあげるのは、いまだけ……。
お、お風呂でこういうふうに触るのは……ああんっ! ちょっと強いよっ、健太くぅんっ!」
「ご、ごめんなさいっ……!」
「あ、ううん。謝らなくて、いいから……」
つぶやきながら、百合は真っ赤な顔をうつむける。
(強くされても、気持ち、よかった……。でも、わたしの身体、なんでこんなふうに……?)
そして、再開された健太による乳揉みは、
『百合~、健太く~ん、ご飯よ~。降りてらっしゃ~い』
と階下から百合の母に呼ばれるまで、一時間ほどに渡って続けられた。
「あっ、百合ちゃんのお母さんが呼んでる……」
「あふ、ふぅん……あ、え……? ――じゃ、じゃあほら、行こう? 健太くん」
「あ、そ、そうだね……!」
どもりながらそう言って、どちらからともなく身体を離す百合と健太。
それから、曖昧な表情を浮かべながら立ちあがる。
百合は乱れたブラウスを整えながら。健太は、なぜか前屈みになりながら。
そして百合は、味のよくわからない夕食を三人で食べ。
とうとう、健太と一緒に入ると約束した、入浴の時間がやってきた――。
いかがでしたでしょうか?
初回から少々飛ばしすぎな気がしないでもないですが、基本、これからもこんな感じで進めていくつもりでいます。