※Pixivとのマルチ投稿です。
今回はもうダメかもしれない。暁美ほむらは早くも諦観していた。
彼女は、この一ヶ月間を数えきれないほど繰り返してきている。だが、ここまで酷かったことはない。何もかもが上手くいかなかった。
ほむらは今回の失敗を振り返る。先ずは巴マミ。彼女はいつの間に後輩二名を引き入れたのだろうか。その挙句に、自分の知らないところで彼女らを庇って逝ってしまったというのだから報われない。今後、巴マミの動向には細心の注意を払う必要があるだろう。
さらに、そこからの対応も良くなかった。美樹さやかと佐倉杏子に和解を促してみるも、確執は解消されることなく共倒れ。為す術もないままに、まどかとふたりきりになってしまった。
こうなっては、日常的な魔女退治すら苦戦を強いられてしまう。もはや、ワルプルギスの夜どころではない。それでも、ヤツが現れればまどかは立ち向かってゆくのだろう。例え、勝ち目がなかったとしても。
そんな彼女に与えられた選択肢はふたつ。生物としての死か、魔法少女としての死か。どちらにしても、ほむらの心を黒く染め上げることだろう。そこから逃れることはできない。だが、目を背けることだけならできる。真っ暗な夜空に向き合いながら、彼女はそれを待っていた。
灯りの消えた部屋の窓に、薄っすらと白い扉が開いてゆくのが映る。それが、ほむらの心をも叩いた。
「ほむらちゃん、また眠れないの?」
後ろから声を掛けられて、ほむらの胸はトクトクと鳴り始める。これで……一週間。まるで時間遡行を繰り返すように、このやり取りは続いてきた。ゆえに、ほむらからの答えも決まっている。
「ごめんなさい。ちょっと悩み事があって」
まどかには、ほむらが打ち明けてくれないことは判っていた。だからこそ、ほむらにもこの後のまどかが何を言い出すか判っている。
「なら……今夜も、一緒に寝る?」
ほむらはまどかの方を振り向かずに、頬の赤みを隠すようにコクンと顔を傾けた。
「……うん」
夢の様な誘いの果てに、毎朝同じように夢から醒める。そんなことを繰り返してきたけど……それももう、終わりにしよう。まどかには、魔法少女ではない自分の全てを見せたい。そして、魔法少女ではないまどかの全てもまた、見せて欲しい。
日常に似た、非日常。それを享受しているうちに……ほむらはどこまでも我儘になっていた。
***
私がお泊りに行こうか? 彼女がそんなことを言い出したのは、美樹さやかを失った晩――いまから半月ほど遡った夜のことだった。
美樹さやかはともかく、佐倉杏子を失っては、ワルプルギスの夜には勝てない。ゆえに、この時点で今回も惨劇が決定されてしまった。絶望に沈むほむらを慰めるため、まどかは同棲生活を買って出たのである。
しかし、これは自分への慰めでもあった。
魔法少女の死は誰に看取られることもない。何の痕跡も残さずに全てが結界に飲み込まれてしまう。美樹家から捜索願いは出されているが、普通の人間たちが彼女に行き着くことはないだろう。
まどかには、それが悲しかった。しかし、両親や教師に打ち明けることなどできない。この感情を分かち合えるのは、彼女と同じ魔法少女だけ。いまとなっては暁美ほむら唯一人なのである。
仲間を気遣う体裁ではあったが、実のところはまどか自身が寂しかっただけ――それは、ほむらにも解っていた。しかし、それを指摘して突き放すようなことはできない。悲しむ友を放ってはおけない……というのは儚い方便。ほむらもまた、友を受け入れる体裁で、自らが望むままに流されていた。
もっと傍に、もっと近くに。間近で見せるまどかの仕草一つひとつが、ほむらの胸をときめかせてゆく。
朝、目を覚ますと、隣に見えるのはまどかの横顔。揺り起こす前に声なき唇を交わしていることを、きっと彼女は知らないだろう。
食事を済ませた後はふたりきりの登校。志筑仁美は上条恭介が引き取ってくれたので、遠慮なくまどかを独占することができる。
授業中のまどかは様々な表情を見せてくれて面白い。興味深く頷き、悩み、時々目蓋を重そうに伏せたと思えば、何かに気づいたように頭を上げる。授業内容自体は飽きるほど聞かされてきたものだが、まどかの顔に同じものはひとつもない。
そして放課後の帰り道は、暗くなるまで商店街を巡りゆく。夕方の小腹を満たすおやつはひとつだけ。それをふたりで分け合った。行儀悪く食べ歩いていると、ふいにまどかがショーウィンドウにピタリと張り付く。どうやら、また何か見つけたらしい。
「わぁい、見て見てほむらちゃん! アレ、すっごく可愛いよ!」
――魔女の気配を感じる。暢気な歓声を上げているまどかの隣で、ほむらは気配を研ぎ澄ませていた。……が、キュゥべえが言い寄ってくる様子すらない。もはや、我々に魔法少女としての働きは期待できない、ということなのだろう。
ゆえに、ほむらもまた、魔女について考えることをやめた。
「ふふ、いいわね。ピンクのコと黒いコ、揃えて枕元に置きたいわ」
「うんうん、ほむらちゃんって結構ぬいぐるみとか可愛がるタイプだもんねー♪」
今回はもうダメだろう。暁美ほむらは完全に諦観していた。
しかし、この一ヶ月間を数えきれないほど繰り返してきたものの……ここまで幸せだったのも初めてである。何もかもが、上手くいっていないというのに。
***
ふたりの余命は一週間。ワルプルギスの夜の到来が、彼女たちの時の最期となる。この状況を覆すことは不可能だ。奇跡なんて、期待できない。
それを思うと、ほむらの胸はズキズキと痛む。それなのに、彼女の頭に魔女のことなど一片もない。いまの、まどかとの幸福な生活が終わってしまう……。それだけが、彼女を苦しめていた。
まどかの死を看取るのは、今回に始まったことではない。この先何度でも繰り返していくことを、ほむらはとうに覚悟している。
しかし……こうやってまどかと一つ屋根の下で暮らす機会など、次いつ訪れるか判らない。そして、こうして同じ布団で添い寝する機会が……明日も来るとは限らない。
「ほむらちゃんの心配事、教えて……は、くれないんだよね」
「……ごめんなさい」
見滝原に迫っている大災害について、話しても理解してもらえないだろう。……というのは魔法少女としての建前だ。本当の悩みは、もっと理解してもらえそうにない。誰にも見せたことのない貴女を、私だけに見せて欲しい……なんてことは。
「ん、いいよ。いつか話したくなったら、話してくれれば」
まどかは近い未来に思いを馳せる。そんな日は決して来ないというのに。彼女のいう『いつか』が来たときには手遅れなのである。いや、手遅れという意味ではもう既にどうにもならない。
確定している結果。不確定な今。遠く変わらない終末よりも、ほむらには目の前にある現実の方が遥かに大切だった。
まどかは……ここにいる。いままで決して届くことのなかったまどかが。かつてないほど近くに。そう、こうして手を伸ばせば、すぐのところに――
「……ほむらちゃん、もしかして……怖いの?」
彼女が勇気を振り絞って握った手を、まどかは優しく握り返す。
「怖い……のかも、しれない」
自分が傷つくのは怖くない。だけど、まどかが傷つくのは、怖い。それも、よりにもよって、自らの手でまどかを傷つけてしまうかもしれない。ほむらには、それが怖かった。
なのに、彼女にはまどかの手が放せない。この温もりが嬉しくて、もっと寄り添わせて欲しくなる。
このくらいなら……いいよね? 握りしめた手はそのままに、ほむらは身体を傾ける。そして、ぎゅっと彼女の左腕に抱きついた。自分の重さを預けるように。
それが、まどかの心を少しだけ強くする。私、ほむらちゃんに頼りきりだった。だけど、ほむらちゃんは今も独りで悩んでる。私には何もできないけれど……少しでも支えになりたいな。
まどかもほむらと同じように身を捩る。そして、空いていた右腕をそっとほむらの背に回した。
「大丈夫だよ、ほむらちゃん。私たち、ずっと一緒だから」
それは、自分自身への呼びかけでもあった。もう、誰も失いたくない。ほむらちゃんだけは、ずっと傍にいて欲しい。そんな想いを込めて、大切な友人を温かく包み込んだ。
それが、ほむらの鼓動をさらに加速させていく。魔法なんて使っていないのに、まるで魔法にかかったみたい! まどかの熱が、まどかの安らぎが、私の全てを温めてくれる……!
ぼんやりとした頭で、ほむらはまどかを感じていた。まどか……まどか……私の……まどか……! その強い思いは、無自覚なまま形となってゆく。誰も触れたことのない場所に、私だけが触れてみたい。私だけが……私だけのまどかに……。
その指先に、まどかは少しだけ身を固くする。が、拒むことはない。どうしてこんなことをするのかな、と戸惑うだけだ。そんなとき、思い出すのは家族の顔。
「ほむらちゃん、おっぱいが気になるの?」
「ふぇっ!?」
唐突に切り出されて、ほむらも流石に我へと返った。そこで、ようやく自分のしでかしていたことに気づく。いくら女同士だからって、こんな露骨に……胸を……!?
嫌われたかも……! ほむらは今更ながら己の暴挙に恐れ慄く。手はまどかに当てたまま、指一本動かすことができない。何も言えず、ただただ彼女の許しを待っていた。
まどかはそれを断罪したりはしない。むしろ――照れているのかな? と微笑ましさを感じていた。
「ふふ、たっくんと一緒だね」
まどかは敷布団を少し蹴り、シーツの上を軽やかに這う。そしてそのまま、ほむらの頭部へと飛びついた。
「ふたりきりのときくらい、私に甘えてもいいんだよ?」
もはや手の平どころではない。顔全体に、まどかの匂いが広がっている。まどかの柔らかさが押し付けられて、もう息も止まってしまいそう!
「まどか、まどか……まどかぁ……っ」
掛け布団を肌蹴させ、ほむらはまどかに乗り掛かった。そんな必死な友達を、まどかは優しく受け止める。
柔らかい……まどか……気持ちいいよ……。パジャマの上からでも、コリコリとした蕾が判る。もはや、手だけでは気持ちが収まりきらない。私の、もっと敏感なところで触れさせて!
寝巻きをついばまれる感触に、まどかはつい笑みをこぼしてしまう。本当に、たっくんみたい。抱っこしてたら、ママじゃないのに欲しがられた時期もあったっけ。
いいコいいコと撫でられて、ほむらのタガが少しずつ外れていく。いいのかな、こんなことをしていて。もっと求めてしまっても……いいのかな……?
引かれる覚悟で――ほむらはまどかの第二ボタンに手をかける。これにはさすがのまどかも少し驚いた。でも……これも優等生の意外な一面なのかも。ほむらちゃんもずっと気を張り続けてきたみたいだし。
背伸びしてきた分、子供に戻りたいこともあるんだね。だったら、いまだけ私がママになってあげる。何だって受け入れてあげるから、日頃のわだかまりを全部私にぶつけちゃって!
少し開いた隙間からほむらはスッと手を入れて、一揉み。二揉み、そして、小さなさくらんぼをきゅっと摘む。
「んっ」
少しだけ呻いたものの、まどかはほむらの手を嫌がらない。それでもう、ほむらは自分を抑えきれなくなってしまった。ひとつ上、ひとつ下、その下、そのもうひとつ下――次々とボタンは外されていく。今度はまどかも驚かない。幼い同級生が求めているものは、なんとなく解っていたから。それは、たっくんと同じもの――
全てが開かれたとき、ほむらはおもむろに顔を伏す。暗がりの中で燃えるような、一輪の赤い花を目指して。その雌しべにも似た膨らみに吸い付いて、舌先でチロチロと感触を味わっている。急くように貪るほむらを、まどかはついからかってみたくなってしまった。
「ほむらちゃんてば、ホントに赤ちゃんみたい」
それを聞いて、ほむらにもようやく合点がいった。まどかの優しさがどこから来ていたのか。何故、ここまで自分の好きにさせてくれていたのか。
もう、ほむらは迷わない。自分が乳飲み子でいる限り、まどかは私に甘えさせてくれる。それなら、どこまでも……ゆけるところまで……!
「まどか……その……いまだけ、まどかのこと、ママ、って呼んで……いい?」
仮初の母親は、偽りの娘を受け入れて頷く。
「ん。今夜は思いっきり、私に甘えていいよ!」
そんな言葉を、他でもないまどか本人から告げられては……もう、ほむらは止まらない。幼子として似つかわしくない舌使いで、彼女はまどかの女性性をなぶってゆく。
「んっ、んん……」
くすぐったいような、むず痒いような……。まどかにとって、これは初めての感覚だった。が、嫌――ではない。これでほむらちゃんが喜んでくれるのなら、好きなだけしゃぶらせてあげよう。
しかし、そんな献身的な想いの陰で、まどかの中に別の感情も膨らみ始めていた。それが、知らず知らずのうちに彼女の瞳を蕩けさせてゆく。この変化に気づいているのは、ほむらだけ。舌先を押し返す確かな弾力を楽しみながら、彼女はまどかを味わい続けていた。
自分の舌で、自分の指先で、大好きな女のコが微笑んでくれている。それが、ほむらには堪らなく嬉しい。その顔があまりに可愛くて、ついまどかを見つめてしまう。いつしか唇は胸から離れ、愛しい彼女へと吸い寄せられていく。貴女の吐息を感じたい。貴女の温もりを、この唇に――
「もしかして……チューしたいの?」
鼻と鼻が触れ合いそうなところで、まどかの言葉がほむらを遮る。これには思わず絶句させられるが、それを見上げるまどかの視線はとても優しい。ひとり驚き戸惑っているほむらに、まどかはおかしくて噴き出してしまう。ほむらにとっては衝撃的な指摘でも、まどかにとっては見慣れた友人の顔のひとつだったのだから。
「ほむらちゃん、朝、時々寝惚けて私にしてたんだよ?」
毎日欠かさずしていれば、まどかとて気づかないはずはない。ただ、彼女はほむらが密かにぬいぐるみとキスをしていたことも知っている。それで、相手を間違えて自分に……と受け流していた。可愛いところもあるんだな、と寝ているフリをしながら。
だが彼女は、その奥にドロドロと流れるほむらの欲望には気づいていなかった。本当はまどかと唇を合わせたい。だけど、彼女が眠っていなければ求められない。ぬいぐるみは、その代償行為に過ぎなかったのである。
まどか本人からこんな告白を突きつけられるなんて……! 目覚めのキスに気づいていながら、まどかは私に変わらず接してくれていた。そして、いまもこうして自分に付き合ってくれている。なら、もう……いいのよね。私が、私のしたいことを、全部しても。
まどかからの冗談のような問いかけの答えは、真剣な眼差しだった。そして、それが目蓋によって伏せられると、言葉もなく影だけが濃くなってくる。
これまで独りで戦ってきて、辛かったんだろうな、とまどかは思った。足りなかった愛情は、私が埋め合わせてあげよう、とも。
だが、それは彼女が思いもよらない手段で求められた。
「――っ!?」
し……舌……!? 舌で舌を舐めるの……!? え、え……えぇぇぇぇ!?
これには、まどかも落ち着いてはいられない。ほむらの常軌を逸した所業に、思わず顔を背けそうになってしまう。が、ほむらはそれを許さない。頭を両腕でしっかりと抱え込み、まどかの
まどかの髪……まどかの頬……。ほむらの心は愛しい彼女で溢れ返っていた。自分の口元で悶えているのも、中で逃げまわっているのも、私に感じてくれているから――そんな都合の良い解釈で。
しかし、それは半分間違っており――そして、もう半分は正しかった。
「ん、ん……ん……❤」
そういえば、今日のソフトクリームもほむらちゃんと半分コしたっけ。ほむらちゃんの唇で、ほむらちゃんの舌で舐め取られたのを、私、舐めてたよね。そして、私の食べかけを、ほむらちゃんも舐めてた。その交換が……直接……になっただけなのかも……?
もう彼女は抗わない。ほむらの手が顔から放れても、望まれるままに身を委ねてしまっている。パジャマを擦り付けてくるような腰のうねりも気にならない。私の口の中、美味しいのかな……? そんなことだけをぼんやりと考えていた。
ほむらの指先がスルスルと下りていくのを、まどかは感じる。また、おっぱい? そこは、軽く触れただけでさらりと通過。もしかして、おなか? ここもおヘソの縁をなぞってそのまま下へ。
もしかして……太腿かな? とまどかは構えていたが、そこに辿り着くことはなかった。
「――んっ! んんっ!?」
パジャマズボンの……じゃなくて、パンツの中!? ほむらちゃんの手の平が私の毛を撫でまわしてる……!!
ここに来て、まどかはようやく気がついた。私、もしかしてすごくエッチなことしてるんじゃ……!? それも、女のコのお友達と……!!
しかし、それはあまりに遅すぎた。上半身は丸々と肌蹴て、舌と舌は絡め合っている。いまさら止めたところで……一体何を守れるというのだろうか。何を取り戻せるというのだろうか。
それに、口の中は温かいし、乳首はくすぐったいし、割れ目に潜り込んできた指先は……気持ちよくってピクピクしてしまう。こんなの、私には分からない。ほむらちゃんが何を考えていて、これから私に何をしてくれるのか。
だけど……私はほむらちゃんを信じている。ほむらちゃんなら、決して酷いことはしない。ほむらちゃんは、私の大切な友達だから……。
その想いを裏切るように、ほむらの欲望は肥大化していく。まどか……まどか……私の……私だけの、まどか……! 大切な場所を、大切なモノを、私が奪ってしまいたい。私が……まどかの初めてになりたい……!
ごめんなさい……まどかが望むなら私のも差し出すから……先ずは貴女を、私のモノに……!
「……んっ!?」
グチュグチュと掻き回していたほむらの指先が、つッ……とその向きを変える。鈎のような爪の先が、まどかの隔たりを捕らえた。が、そこは通過点にすぎない。さらに奥――まどか自身も触れたことのない、女の未知の領域へ……!
「あっ、はぁっ!」
私の中が……抉られてる……! ほむらちゃんの指で、私の汚いところが……! なのに、それが何だか……もっと欲しくなってしまう……!
ほむらはもう唇を合わせていない。よがるまどかが可愛くて、うっとりと彼女を眺めていた。
「あ……はぁ……いいわぁ……素敵よ……まどか……!」
滴り落ちそうな己に耐えながら、ほむらは懸命に大好きな
だが、ほむらを癒やすものは何もない。
「は、あ、あ、あ……!?」
どうしよう。これ以上気持ちよくなったら……耐えられない……! 両足がそのままポロリともげてしまいそう。なのに、やめて、って言えない。例え
「ほ……ほむ……ほむら……ちゃ……ぁ……は……あ……❤」
必死に呼びかけようとしている恋人に、ほむらは精一杯の笑顔で応える。
「大好きよ。まどか……!」
そしてついに、彼女の限界は突き崩された。
「っ……あ、あぁ……は……あぁぁぁぁぁぁぁ❤❤❤」
ビクンっ、ビクンっ! ビクっ、ビクっ……。
虚ろな視線、跳ねる腰、そして締め付けてくる指周りで、ほむらはその役割を終えたことを察した。
ズルリ、とまどかから指を引き抜き、打って変わって穏やかに彼女を抱きしめる。
「ごめんなさい……大丈夫? ……
成すべきことを終えて、ほむらは子供の顔で取り繕った。それで、まどかも思い出す。これが、彼女との
「うん……何だか私も楽しかった、かも?」
抱きしめ返されてほむらの中の罪悪感がみるみる薄れていく。死ぬ前の、最期の戯れだったつもりなのに、これでは物足りなくなってしまう。だって、まだこの身体はあるのだから。残り少ないまどかとの時間を一秒たりとも無駄にしたくない。
「ねぇ……まどか……」
穏やかな膨らみに頬を預けながら、ほむらはそっと恥知らずな欲望を口にする。
「これからも、ふたりきりのときは、ママ、って呼んでいい……?」
トクン……トクントクン……トクトクトク……。まどかの鼓動が速まっていくのが、ほむらの耳にもしっかりと届いている。だから、声に出すまでもなく、その返事は受け取っていた。
「ん……いいよ。また、こうして、甘えて欲しいな」
ほむらの腕に、力が篭もる。それは、子供としてではなく、女として。だが、この想いをまどかが知ることはないだろう。ほむら自身すら不安になるほどの、愛する
それでも、私がこどもである限り、まどかは私に女の顔を見せてくれる。ならば、私はいつまでもこどもでいたい。
戦いの日々の合間に現れた偶然の過ち――それは、際限なく続いてゆく悲劇の輪廻に立ち向かうための糧となるだろう。だから、この胸に、彼女の胸に刻んでおきたい。最後の最期まで、希望を失わないために。