燃えるような赤と輝くような白、情熱と清純を表すような二色で彩られているバレー部のユニフォーム。上半身は白の割合が多いのに対し、短パンはほとんどが赤であり、ふくらはぎを覆う靴下はすべてが赤である。
ノースリーブで脚もほとんどを露出したその服は、どれだけ激しくプレーをしても動きの妨げをしない。大きく膨らんだ胸の部分には「3」という背番号が赤字で書かれていた。
ケガの予防に手を抜かない彼女は、両肘、両膝すべてにサポーターを装着している。バレー部の部員はみんな違った数のサポーターをつけるから、この4つという数が彼女、近藤妙子のメルクマールになる。
また、それ以上に彼女を特徴づけるのが赤いハチマキである。長いハチマキは大きなリボンのようにも見え、身体の成熟した彼女に少女らしい要素を付加する可愛らしいトレードマークだ。
そのコスチュームに今、彼女は着替えていた。
大洗女子学園のバレー部に入部して以来、この格好をしなかった日は一日としてない。このユニフォームこそが自分の正装であり、愛するバレー部の一員というアイデンティティを常に示すことが妙子にとっては誇らしいことなのだった。
それは他のバレー部の仲間も同じらしく、(体操服が標準装備のキャプテンはともかく)戦車道の練習中もアヒルチームはみんなタンクジャケットを上に羽織るのみである。
まだ入学してから1年を経ていないが、極寒の地で戦車道の試合に臨んだときでさえこのスタイルは変えなかったのだから、きっと彼女らが校外以外でユニフォームを脱ぐことは卒業するまでないのだろう。
要するに、この露出の多いユニフォームはあまりに着慣れたものであったから、妙子にとっては何ら意識することのない空気のようなコスチュームだったのである。
しかし、他人にとってもそれが通用するとは限らない。いくらバレー部愛が大きかろうと、授業中は学校の制服を着て、戦車道の試合中はそれ用の格好をするのが普通の考え方だ。
それは妙子自身も分かっているけれど、みんなが黙認しているのだから問題はないだろう。着るべき服ではなく別の服を着ている、そういう“正しさからのマイナス”に関しては、周囲が甘えさせてくれればそれでいいのである。
だが、その格好に別の感覚を抱く者もいるということ、すなわちバレー部のユニフォームに余計な印象を付加してしまう人間がいるということを妙子は知った。目の前にいる二人の男によってそれを教えられたのだ。
「き、着替えました……」
いつもの着替えのルーティーン、その最後にくる左膝にサポーターをとりつけて、妙子はそう宣言した。
「やっぱりこのユニフォーム最高だな。露出が多いし、身体のラインもよく出てるしさ」
「まったくだな。妙子ちゃんのいい身体が強調されてよりエロく見えるよ」
いやらしく細められた目、ニタニタと歪んだ口、だらしなく伸びた鼻の下。低俗を絵に描いたような表情を浮かべる男たちに、頭のてっぺんから足の先までを舐めるように眺められて、妙子はゾクリと悪寒を覚えた。
彼らとこういう関係になってからしばらくが経ち、それまで知らなかった色々なことにはだいぶ慣れてきたけれど、いまだにこの目だけからは気味の悪さを拭い去れないでいる。
胸や腰周りや太ももといった肉づきのよいところを視線がうろついて、妙子は思わずモジモジと手足をこすりあわせた。
(やめてよ、そんな目で見ないでよ……。これはバレーをするためのユニフォームで、男の人を興奮させるための格好じゃないんだから……)
本当は手で覆い隠したいのに、そうすると彼らは怒るから隠せない。女を感じさせるところに見えない何かをドロドロと塗りつけられているような気分だ。
彼らに出会うまで、爽やかにスポーツをするための格好をこんなふうにいやらしく見ている人がいるとは思っていなかった。
一度そういうことを知ってしまえば、人間はどうしても意識せずにはいられない。通っている学校は女子高だからいいものの、「これは男の人からすればエッチな格好なんだ」というのが頭から離れない。
自然と男性の目の前でこの姿をさらすことも気恥ずかしくなってきて、戦車道の練習試合でも観客の目が無性に気になってしまうのだった。
戦車の中にいる間はいいけれど、試合前の様子を中継されているときなどはカメラが気になって仕方なく、早く試合が始まればいいのにと思うようにもなってきた。
他にも、一躍有名になった戦車道優勝校の今後を担う1年生ということで取材が来るときなどもそうである。本当は普通の格好でいきたいのだが、他のバレー部の1年生がユニフォームのまま取材を受けるから、自分だけ他の格好になるわけにもいかない。取材の様子を写真に撮られるときなんて、これが雑誌に載って全国の戦車道好きの男たちに見られてしまうかもしれないと思うと、妙子は羞恥心を覚えずにはいられなかった。
普段着というか自然体というか、自分にとって当たり前だった格好が、どうしても気がかりになってしまう。自分の日常生活にまで影響を及ぼしてしまっていることを思うと、いかに彼ら二人が自分にとって(悪い意味で)大きな存在なのか、妙子は思い悩まずにはいられなかった。
本当は彼らと綺麗さっぱり決別して、こんな煩わしい思いをしなければならない原因を取り除いてしまいたい。
確かに、仮に彼らがいなくったとしてとも、今しばらくは男の目を気にせずにはいられないかもしれない。
だが、こうして「男は自分のユニフォーム姿をエッチな目で見ているのだ」という思いを改めて意識させる刺激源がいなければ、やがて感覚も麻痺し、また以前のように男を気にせずに振る舞う自分に戻ることができるだろう。
そういう良くも悪くもおおらかな一面が妙子には魅力として備わっていたし、妙子自身もその性格については自覚をしているところだった。
(でも……)
彼らと縁が切れたあとを想像し、できればそうなってほしいと願うのではあったが、彼女は心のなかで虚しいため息をひとつついた。
(でも、この人たちからは離れられない……。わたしが逆らうようなマネをしちゃうと、あの映像が世間に出回っちゃう……)
妙子は彼らに弱みを握られていたのだった。
「いやぁ、初めはバレたらどうしようって心配してたけど、やっぱり盗撮カメラを仕掛けて正解だったぜ」
「そのおかげで、こうして妙子ちゃんを好きなようにできるんだからな」
男たちは楽しそうに笑った。
あるとき、彼らが突然妙子の前に現れて差しだしたスマートフォンには、はっきりとバレー部の4人が着替えをしている映像が映しだされていた。
男たちの要求が至極単純だ。この映像をネットで公開されたくなければ、これから自分たちの言うことには逆らうな。ゲスな男が言いそうな、よくある脅迫文句だった。
だが、それが現実に起こってしまうと事態は切迫する。妙子に与えられている選択肢は3つである。
彼女が最初に考えたことは、警察に相談しようということだった。これはれっきとした犯罪なのだ。この場はなんとか
しかし、その方策はすでに芽を摘まれてしまっていた。彼らが言うには、すでにこの映像をネットにアップする準備はできていて、彼らが予約を取り消さない限り、自動的にそれが実行されるようなプログラムが組まれているとのことだった。
つまり、警察に彼らが逮捕されてしまうことは、そのまま映像が世に出回ることを意味しているのである。
次の選択肢は、無視だった。脅しには屈しない、ネットにアップしたければ好きにしろ、そう言ってこの場から逃げるという手段である。
だが、そんなことはできるはずもない。ネットにあれが出回ってしまえば、一生恥をさらしたまま生きていかなくてはならないのだ。
おまけに、映像には他のバレー部部員も全員映りこんでいる。顔も身体もバッチリだ。自分一人が被害を受けるだけならまだしも、彼女らにそんな恥辱を味わわせることは断じて許されない。大切な友達と先輩だけは傷つけたくなかった。
むしろ、体育館の更衣室にカメラが仕掛けられた結果、着替え映像を撮られたのがバレー部だけで済んだのはマシなのかもしれない。万が一、戦車道の他の仲間たちまでが盗撮をされていたことを想像すると、妙子は心底ゾッとせずにはいられなかった。
そして、残された選択肢――。
彼女は、男たちの要求を受け入れるしかないのであった。
「わ、わたしのことは好きにしてもいいですから……絶対に、約束は守ってくださいね」
内心では悲嘆を消すことなどできないけれど、妙子は心を強く、凛とした顔を作って彼らにそう言った。
「分かってるって。妙子ちゃんがいい子にしてる限り、他の子たちには手を出さないよ」
この男たちのことは根本的に信用していないから、もう何度目か分からないけれど、こうして念押しを怠ることはしなかった。
彼らは彼らで、しつこいほどの念押しをぞんざいにあしらうことはしなかった。その念押しは、裏を返すと「他の部員に手を出さない限り、自分はあなたたちの言うことをちゃんと聞く」と宣言しているに他ならないからである。
妙子は軽く下唇を噛んだ。
今日もまた、自分は彼らに弄ばれてしまうのだ。嫌なこと、恥ずかしいこと、苦しいことをたくさんされて、おもちゃのように使われてしまうのだ。そう思うと、やっぱり悔しくて仕方がない。
だが、自分一人が犠牲になれば仲間を救うことはできるのだ。きっと、ともにバレーで汗を流し、八九式中戦車で昂然と野を駆ったキャプテンやあけびや忍らも、自らがこの状況になれば同じ選択肢をとるに違いない。
何としてでも彼女らだけは守りぬかなければならないと、妙子は決意を眉宇に漂わせた。
* * *
ここはラブホテルの一室である。
学生のために作られた学園艦にそんないかがわしいものがあっていいのかと、初めてここを訪れたときに妙子は思った。だが、この全国でも最小規模の学園艦でさえ3万の人口があるのだ。大人も多く住んでいると思えば1、2軒程度の需要があってもおかしくない。
ただ、やはり建前上は堂々と標榜することができないため、表向きはただの小さなスポーツジムということになっている。ただし、オーナーと個人的な知己でないと入店はできないし、そもそもここがラブホテルだと知ることができないという仕組みなのである。
スポーツジムという仮面は妙子を招き入れるのに便利な口実となった。
途中で知り合いに会っても筋トレをしに行くと言えば怪しまれないし、外見がラブホテルではないから入店しているのを見られても問題ない。また、彼女が実際にジムに通っていそうなスポーツ少女であるということも体裁を取り繕うのには一役買った。
あんまり目立つわけにはいかないから、このラブホテルはあまり部屋数が多くない。だが、そのぶん質やサービスに重点を置いていて、例えば部屋のライトはいくつかの色に変えることができる。
彼らはやや青みがかった薄明かりをよく好んで選ぶ。青という色は興奮を抑え、気持ちを落ち着かせる効果のある色である。どうにも性行為をするのには向かないように聞こえるかもしれないが、実際に青色のライトを使ってみると意外に雰囲気があるものだ。
落ち着いてはいるがどこか妖しさがあり、何か得体の知れないものに憑りつかれそうな印象を覚える。だが、それはきっと憑りつくのではなく人間の内部に潜んでいるのであり、落ち着きながら静かに頭をもたげてくるのだ。その正体こそは獣欲である。
妙子はこの青い光が好きではなかった。この色に照らされていると、いつの間にか静かな情欲に浸されてしまうからである。
知らず知らずに心身が昂揚しているのに、それが静かだからなかなか気がつかない。気がついたときには完全に“できあがった状態”にさせられていて、そのまま淫らな肉欲にのみこまれてしまうのだ。
そうなると、彼らのことは卑劣で奸悪なやつらだと思っているのに、ついのめりこむように淫行に耽ってしまう。理性が麻痺してしまい、冷徹さが完全に消え失せてしまう。魔が差したという言葉があるが、魔が差し続けているような状態が長時間、持続してしまうのだった。
そんな日は、なぜ自分はあんなふうに乱れてしまったのかと、妙子はあとになって恥ずかしくなる。自分の愚かさに呆れ、後悔する。あれほど軽蔑している男たちに対して、どうしてあんな態度や姿を見せてしまうのか……。
単純に腹立たしいし、どうにもバレー部の仲間を裏切っているような気持ちになって物悲しい。
それだけならまだしも、自分のなかに淫らな獣が棲んでいるのかということを思うとゾッとせずにはいられない。
もしもあれが元から棲んでいる自分の一面なら、自分はなんて醜悪な生き物なのだと言いたくなる。また仮に、男たちと何度も身体を重ね、調教まがいのことをくり返されているうちにあの怪物が棲みついてしまったのだとしたら、いつか自分はそれに喰われてしまうのではないかと恐ろしくなる。
嫌だ、嫌だ――。
自分はあんな醜い獣ではない、あれは何かの間違いだ――。
それを証明してみせようと、いつも青い光を見るたび妙子は気を引き締めていた。しかし、まるで青い光には魔力でも備わっているかのように、この光線の下ではいつも愚かになってしまう自分がいた。
いつしか、それは自分が醜い獣であることを示す証明になってしまっていることに気がつき、それから妙子は気を引き締めるのをやめた。代わりに、今日はあんなことにならなければいいと祈るような気持ちが胸を占め、物憂げに目を伏せることが多くなっていた。
ぎゅむううううぅぅ――――――!
「あうっ……!」
青色の光の中からにゅうっと4本の腕が伸びてきて、ゴツゴツとした大きな手はそれぞれが妙子の女らしい膨らみをとらえた。指の股が開ききったままわしづかみにされたから、まるで触手の集まりにからみつかれたかのように感じた。
むにゅむにゅと柔らかさを確かめるように指が動き、手のひらはたぷたぷとそれらを震わせて肉の量感を楽しんだ。片方の乳房、両方の尻肉、片足の太ももが食い物にされていた。
「妙子ちゃんのおっぱい、たまらないな。何回揉んでも飽きないわ」
胸を揉んでいる男が言った。彼は須藤と名乗っていて、妙子もそう呼んでいた。
「太ももも最高だぜ。やっぱり、この肌のスベスベ感はやめられないよ。ムチムチだしな」
太ももを触っているほうは、名を照島と呼ばせていた。
須藤も照島も本名なのかは分からない。この学園艦内に住んでいるのは確かだが、二人の住所や職業も妙子は知らなかった。せいぜい分かるのは、二人とも20歳台の前半くらいだろうかということ、それからそれなりにお金をもっているらしいということだけである。
「でも、やっぱり妙子ちゃんはこのデカケツだよなぁ」
二人は声をあわせてそう言った。
妙子は思わず頬を赤らめた。かすかに唇を結ぶのが力み、よく観察していれば羞恥と屈辱に耐える顔になっていることに気がつくだろう。
彼女は尻の大きいことを気にしていて、いわゆるコンプレックスなのである。彼らはそのことを知っていて、わざと劣等感を刺激するように「デカケツ」という言い方で妙子を傷つける。おまけに、彼らはそのデカさを褒めたたえることしかしないため、コンプレックスなのに賞賛されるという状態に彼女は複雑な気持ちになり、こうして沈黙して恥ずかしがることしかできなくなるのだった。
10本の指が強く尻肉に食いこむ。胸なんかは優しく触られることも多いけれど、尻はたいていこうして力いっぱいに握りつぶされるのだ。まるで、この尻はどれだけ痛くしてもいいと思われているかのようで、それもまた彼女の心を悩ませた。
「俺たちが妙子ちゃんをモノにしたいと思ったのも、戦車道のテレビ中継でこの尻を見たからなんだよね、実は」
「そうそう、決勝戦のときだな。見た瞬間にムラムラして、絶対この尻をわしづかみにしてやるぜって思ったんだよ」
それだけ性的な魅力があると言いたいのだろうが、もちろん彼女は嬉しいわけがなかった。むしろ、この尻のせいで自分は手籠めにされているのだと思うと、こんな大きな尻は消えてしまえばいいのにと思わずにいられない。
しかし、食いこむ指の鮮明な感触は、これはまさしくお前の尻なのだと強く訴えかけてきているかのようだった。
「おいおい、黙ってるとつまらないじゃん。どうせ話さないなら、せめてキスでもしてもらおうかな」
須藤は胸を揉んだまま、尻から手を離して顎をつかんだ。その手が顔の向きを変えさせ、妙子は無理矢理唇を奪われた。
「んううっ、んむっ、んんっ……!」
「ほら、ディープキスするんだよ。ちゃんと舌をからめろ」
須藤に言われて、妙子はしぶしぶ舌を動かした。
こんなことはしたくないけれど、抵抗してもダメだということは嫌というほど分かっていた。運が良くて無理矢理されるか、盗撮動画をばらまくぞと脅迫をされる。運が悪ければ、彼の機嫌を損ねてしまってお仕置きをされてしまうのだ。
「んっ、ちゅう、んれぇべろべろぉ、んれろぉ~~……」
癪ではあるが、舌は熱心に動かした。これまで散々やり方を仕込まれていたから、今さら下手なキスをすると怒られそうだった。
「ベロベロォ、んちゅうぅ……。妙子ちゃんの舌は柔らかいしおいしいから最高だ。ほら、ご褒美に俺のよだれでも飲ませてあげるよ」
「んんうっ……!」
須藤は上から覆いかぶさるように口を塞いだ。口どうしが密着して逃げ場がなくなると、そこに大量の唾液が送りこまれてくる。
(きっ、気持ち悪い気持ち悪いっ……! うええぇ……イヤだよ、他人の唾液なんて飲みたくないぃ……)
心でどれだけ嫌がっても、唾液は次から次へと流しこまれてくる。頬の内側や舌がそれに浸されて、自分のものではない唾液の味が広がった。
「んっ、んぐっ、んぐっ……んんっ、ごくんっ……」
飲むまで許してくれないことは明白だから、これ以上量を増やされないように、妙子は口のなかの唾液を飲み下した。飲んでいるぞとアピールをするかのように、わざと喉を大きく鳴らして嚥下する。
「へへへ……いい子だね、妙子ちゃん」
須藤は満足そうに笑うと、チュッと軽く唇にキスをした。
「じゃあ、俺は妙子ちゃんの太ももとキスでもしようかな」
そう言うと、照島は膝の近くから太もものつけ根あたりまで、ザラッとした舌を肌に這わせて大きく舐めあげた。
「ぅああぁあぁ……ッ!」
ゾクゾクと背筋が震えた。これも何度も味わった感覚だけど、今でも脚を舐めあげられるのは何とも不気味で気持ちが悪かった。
でも、それも感覚には違いない。どんな感覚があろうと、刺激があれば反応してしまうのが人体だ。そして、人体の反応なんて意外とバリエーションには乏しいものである。どんな感情が挟みこまれようと、人体の刺激と反応の質にそれは無関係だ。
感じているとは決して言えないが、どこかこそばさを伴うその感触は、確かに妙子の下半身に快楽の萌芽程度の刺激を与えたのだった。
「ベロベロベロ、ベロォオオォ~~……ベロンッ」
「ああっ、うぁああぁ……ッ! やっ、やめてくださいっ……! それっ、ゾクゾクして気持ち悪いんですっ……!」
顔を引きつらせながら言った。
だが、照島はやめるどころかさらに大きく太ももを舐めていく。
「妙子ちゃん、ずいぶん皮膚が敏感になってきたよねぇ。ベロベロォ……このまま全身性感帯になってくれないかなぁ」
「そ、そんなのになるわけありませんっ……んひぃっ!」
舌の感触が太ももを余すところなく這いまわっていく。もともと白くて輝くような肌が、唾液に濡れていやらしい光沢を帯び始めた。前面も裏ももも、外も内もまんべんなく濡らされていって、やがて露出した肌はすべて唾液を塗られてしまった。
舐められているあいだ、彼女はずっとゾクゾク震えながら嫌がる声を出していた。
だが、それと同時に身体の血が迸りだすのも否定できなかった。軽く鳥肌が立つような気味の悪さなのに、なぜか身体が熱くなる。ポッと頬が上気する。
「あれ、妙子ちゃん。もしかして、太もも舐められて興奮しちゃってる?」
ずっと表情を見ていた須藤がそう言ってくるほど、その変化は身体の表面にまで表れているようだった。
「妙子ちゃんは単純だなぁ。最初の頃はずっと嫌がってばっかりだったのに、今じゃこんな簡単に身体が反応し始める。そういうところが可愛いんだよなぁ」
「まぁこんなエロい身体をしてるんじゃ仕方ないよね。淫乱になるのが運命づけられているような身体、エッチなことをするために生まれてきたかのような身体だもん」
二人は好き放題に言う。
「そっ、そんなっ……わたし、エロい身体なんかじゃ……あんっ!」
言いかけた言葉も、
「こんなスケベな身体、そうそういないっての」
と言いながら胸をむぎゅっと揉み潰す須藤によって遮られてしまった。
(ああ、ダメだ……いつもこうやって流されていっちゃうんだ……。こうやってなし崩しに……気を取り直す間もなく、ゾクゾクと興奮させられていって……気がついたらエッチな気分になっちゃうんだ)
妙子は馴染みのできてしまった感覚に怯えながら思った。
(なんで、どうして反応しちゃうのぉ……! 気持ち悪いだけなのにっ、ゾクゾクって背筋が震える感じなのにっ、なんでほてってきちゃうのぉ……!)
このままではいつもの二の舞になってしまう。まだ冷静さが残っていて、ワケの分からない雰囲気にのみこまれてしまうことに抵抗している。
今のうちに気を引き締め直して、心をしっかり保たないと、またいつものように醜悪な姿をさらしてしまうに違いない。妙子はそう思って、何とかこの押され気味の状態を脱出しようと企図した。
しかしその瞬間、妙子は自分の手に熱いものが触れるのを感じた。
「えっ……いやぁっ、なんでおちんちん出してるんですかぁっ!」
手に手を取って触れさせられていたものは、いつの間にか須藤がズボンを脱いで露出した大きな男性器だった。
「だって、妙子ちゃんがエロい感じになってきたからさ、ここはノッていかなくちゃって思って」
「いっ、イヤですっ……! こんなのしまってくださいっ……!」
顔を背けるようにして言った。手も引き離そうとしたけれど、それは須藤が手首をがっしりつかんで許さない。しかも、恥垢がついているのかベトッとした感触もつきまとい、妙子は手のひらに熱い脈動を感じながらイヤイヤと首を振った。
「可愛いなぁ、もう。今まで何回もセックスとかしてきたのに、まだそんなウブな反応しちゃうんだぁ」
須藤のもう一方の手が、そっと妙子の空いているもう一方の手を握った。そして、それもグッと引っ張り寄せて、両手でそっと肉棒を握らせる。
「そんな可愛い反応されたら、もうガマンできなくなってきちゃったよ。じゃあ、今日はまず手コキから始めてもらおうかなぁ」
妙子は、今度はその言葉によってゾクッと背筋を震えさせた。
チラリと見た彼の目は、あの獣のいやらしい目である。いつもユニフォームをエッチなコスチュームとしか見ようとしない、その目である。
濁っているけれどどこまでも終わりがない底なし沼のようなその黒い瞳に、妙子はのみこまれてしまうような深い感覚を覚えた。
* * *
部屋には大きなベッドが置かれていて、その
秘部を弄りたいなら短パンを脱がせばいいのに、このユニフォームを着たままエッチなことをするのが重要なことらしい。そんなにサイズに余裕のある短パンを穿いているわけじゃないから、うまく
(おまんこ、見られてる……。やっぱり恥ずかしいよ……)
もう嫌というほど彼らには見られたところだが、彼女はまだ女の子らしい成獣な恥じらいを忘れてはいなかった。どう気を紛らわそうとも、人に見られてはいけない場所をまじまじと見つめられているという意識が頭をちらついてしまう。
しかし、そっちも気になって仕方がないのであるが、もっと気にしないといけないものが妙子の目の前には突きつけられていた。
須藤がベッドのうえに上って、妙子のすぐそばで仁王立ちになっている。自然と目線のあたりに肉棒があって、妙子はそれを手で握らされていた。
「相変わらずスベスベな肌してるな。色も真っ白で綺麗だし、なんで手で触ってるだけなのにこんなに気持ちいいんだろうな」
須藤が言った。
「あ、ああ……大きい、よぉ……。太いし硬いし、手の中でピクピク脈打ってるのが分かる……」
「妙子ちゃんってチンポ大好きだよなぁ。そんなにまじまじと見つめちゃってさぁ」
「えっ、そんな……好きじゃないです、おちんちんなんか」
実際にじっと見つめてしまっていただけに慌てて反論した。好きだから見つめていたのではなく、ただ何となく見ていただけなのだと。
「おまんこ、既にちょっと濡れちゃってるんだけど。やっぱり興奮してたんじゃん」
指でくぱっと秘部を開きながら照島が言う。
さらけだされた膣の中は綺麗な桃色をしている。もうそれなりに犯された経験もあるのに、破瓜のときとなお変わらない鮮やかな色に染まっていた。もちろん、妙子の処女を奪い去ったのは彼らである。
そのときは痛みが先行して苦しんでばかりだったが、回数を重ねるごとに痛みが消えて性感だけが残り、今では立派に膣で感じる身体に開発されていた。
そこで分かったことだが、彼女は濡れやすく感じやすい。これがまた、お前はいやらしい身体なのだと言いきかされているようで妙子は恥ずかしかった。
照島の指がちゅぷっと膣に挿しこまれると、それだけで何とも言えない感覚が全身に伝播する。まさしく自分の弱点であるところに、他人の指が粗雑に挿しこまれている。本能的に心臓がドキドキした。
「恥ずかしがり屋の包茎クリトリスも、ちゃんと皮を剥いて裸んぼにしてイジメてあげるからねぇ」
言った通りに彼は陰核の包皮を剥く。
妙子は彼らに出会う前から、そこそこの頻度でクリトリスを使ったオナニーをする習慣があった。しかし、そのときも皮をかぶせたままでやっていたから、初めて剥き出しにされたときは刺激が強すぎた。だが、それにもだんだん慣れてきて、今ではむしろ剥き出しにしないと物足りない感じが残ってしまう。
彼女の身体は着実に開発されているのだった。
「ほらっ、ぼさっとしてないでチンポをシゴけよ。妙子ちゃんは俺たちの性処理奴隷なんだからな」
握られているだけではもどかしいばかりで、須藤がそう急かした。
性処理奴隷という言葉がズキッと胸に刺さった。そんなものになった覚えはないけれど、自分の現状を鑑みるとそれは的確な表現だ。
(わたし……このまま、奴隷になっちゃうのかな……)
不安を胸に抱えながら、妙子はシュッシュッと手を前後に動かしはじめた。
「あー、気持ちいい。もうちょっと強く握っていいよ」
「は、はい……」
太い肉竿を手のひらで包むと、血の熱がじんじんと伝わってきて燃えるようだ。人間の身体にこんな熱くなるところがあるなんて妙子はずっと知らなかった。初めてこれを握ったときは、まるで手が溶けて肉棒とくっついてしまうんじゃないかと思ったほどだった。
スベスベとした肌が実に心地よく、柔らかい手の握力がほどよい締めつけを与えてたまらない。細くて白い、たおやかな指が巻きついているのは見た目の上でもエロティックだ。こんな綺麗な手に汚いモノを触らせているという背徳感が須藤を興奮させた。
「あー……ふぅ、はぁ……」
須藤が小さく吐息を漏らす。
(本当に気持ちよさそうな顔してる……。手でゴシゴシしてるだけなのになぁ……。私に手って、そんなに気持ちいいのかな……)
目の高さのところで大きく充血して傘のようになった亀頭が震えている。ここだけ異様なほどに鮮やかなピンク色で、ゴムを薄く引き伸ばしたようなつるつるとした触感があった。その根もとの張ったところ、いわゆるカリというところに指が引っかかるたび、須藤の肉棒がピクピクするのだった。
何度見ても、やっぱり男性器というのは奇妙な形だと思う。何というか、本当にエッチなことのためだけに作られたという印象をもってしまう。
凶悪にも見えるし、可愛らしくも見える。気持ち悪くも思えるし、まるで芸術品のように巧緻な作りだとも思える。ただ、これが女の子の穴を悶えさせるのに最も特化されたものだという印象だけは常に抱かざるを得なかった。
そして、この淫靡の粋を尽くしたような肉棒をじっと見つめていると、自然と動悸が激しくなってしまうのだ。ドキドキ、ドキドキと、鼓動の音が身体の内から聞こえてくるかのようだった。
少し部屋が暑い。気がつかないくらいにわずかな汗が頬を伝ったような気がした。
(左手も、使ってみようかな……)
手持ち無沙汰だった左手がそっと陰嚢を握った。ちょうど手の中に納まるサイズの睾丸がゴロゴロとしている。妙子はふにふにとそれを軽く揉みながら手コキをし続けた。
「おー、いいねぇサービス。妙子ちゃんは手つきも優しいから好きだわ」
「コキコキするだけっていうのも、アレですから……。あぁ、オチンポ気持ちよさそう……。先っぽっからガマン汁出てきちゃってますよ……?」
「こんな可愛い女の子に手コキ奉仕させてるんだから、そりゃ興奮だってするよ」
彼はナデナデと頭を撫でながら言った。
「妙子ちゃんも頑張ってるし、俺も頑張っちゃおうかな」
指1本をぬぷぬぷと抜き差ししているだけだった照島が、中指と薬指をまとめて2本同時に膣内に挿しこんだ。さっきよりも深く、ずぷずぷと沈みこませるように侵入させる。
「ひゃうんっ……!♥」
「ははっ、可愛い声だなぁ。おまんこも指なのにギュウギュウ締めつけちゃってさぁ。ま、そういうふうに
指の腹が膣壁をこする。恥骨の裏側あたりの少しザラついたところを執拗にゴシゴシとされ、単調にならないように適当なタイミングでそこをトントン叩かれる。
「あうっ、ああぁ……!」
「やっぱり単純だなぁ。ここを触るとすぐに喘ぎ声が出てくるんだもん」
「だってぇ、照島さんがそこばっかり弄って開発するからぁ……あひゅうぅっ!♥」
事実、そこは彼女の弱点の一つだった。いわゆるGスポットと呼ばれるところだ。
丹念に開発されたこのポイントは的確なやり方で刺激されるとすぐに反応してしまう。簡単によがり声をあげてしまうから、二人はそこを「発情スイッチ」なんて揶揄して妙子を辱めた。
(やだぁ、発情スイッチ押されてるぅ……。そこ、ホントに気持ちよくなっちゃうのにぃ……)
責められるのはそこばかりではない。
気がつくと充血してぷっくり膨らんでいるクリトリス。そこにも妖しく指がまとわりついてくるのだ。
「妙子ちゃん、クリトリスもちょっと大きくなってきたんじゃない? 背も高いし、おっぱいも大きいし、デカケツにムチムチの太もも。これにクリトリスまで大きくなっちゃったら、もう全身恥ずかしい女の子になっちゃうね」
「やぁ……そんなっ、やだぁ……! やめてっ、クリトリス大きくしないでくださいぃ……!」
背の高いのはバレーに有利だからいい。でも、コンプレックスの尻をはじめ、全身的に肉づきがいいのは妙子の羞恥心の種だった。
決して太ってはいないし、それどころか抜群のスタイルといえる身体つきなのは明白なのに、本人はなかなかそれを実感できないものだ。女の子というのは「肉」や「大きい」という言葉に敏感である。
この年頃の女子の例に漏れず、妙子も自分の身体が好きではない。どれだけスポーツやダイエットをしても胸や尻や脚だけは一向に痩せることがなく、腰周りだけがスマートになって、逆に尻の大きさが強調されてしまうあり様なのだった。
そこに加えて、さらにまた「大きい」という形容詞が増えてしまうかもしれない。しかも、それはどう頑張ってもエッチな発想を逃れることのないクリトリスという部分なのである。
(大きいクリトリスなんて絶対にイヤだよぉ……! そんなの、恥ずかしすぎる……!)
しかし、「デカパイ」や「デカケツ」に加えて「デカクリ」なんて言ってからかわれることを想像すると、胸がズキッと苦しくなるのと同時に、なぜかドキドキ、ゾクゾクと興奮が昂ってしまうのだった。
妙子が手コキをするように、照島は指先でシュッシュッと勃起したクリトリスをシゴきあげる。大きいとはいえ、指に比べれば小さなクリトリスを上手に指先でつまみながらこすっている。
剥き出しになったところを直に触られるのは刺激が強く、否が応にも身体がビクビクしてしまい、ときどきツンツンとつつかれたり、ピンピンと弾かれたりすると、「ぃやんっ……!♥」、「あぅんっ……!♥」と悩ましい声が漏れてしまうのだ。
そんな声を出すと、そのたびに必ず照島はギュッと強くクリトリスをつまんでくる。力を入れて潰すようにされ、妙子は苦しそうに顔をしかめるのだ。
まるで「エッチな声を出すお仕置きだ」というようなタイミングばかりなので、妙子はなんとか喘ぎ声をださないようにとガマンするのだが、やっぱりクリトリスを嬲られると簡単に声が漏れてしまうのだった。
妙子の身体が発情してきているかどうかを計るのは簡単だ。
まず、彼女は欲情するとどんどん顔が赤くなってくる。頬がポッと燃えるようになり、軽く汗ばんだようなしっとり加減も現れる。スポーツをしているだけあって血のめぐりがいいのか、身体が熱くなりやすいのだった。
また、息が荒くなってくるのでも見てとれる。酸素を求めて息を荒げているというよりは、「ハァハァ」という声が口をついて出てくるのだ。身体というよりも、心が興奮してしまっている証拠なのかもしれない。
一番発情具合が分かりやすいのはやっぱり秘部そのものの反応だ。膣に指を
そして、今の妙子は顔が紅潮し、息が荒くなり、チュクチュクと膣の濡れた音を立ててしまっているのだった。
「あぁ、ああぁ……いやっ、あんっ……! ハァ、ハァ、あぁ……」
その物差しの正しさを示すように、妙子の手もつい動きが激しくなってくる。自分の膣やクリトリスが激しくされるにつれて、肉棒をこする手もゴシゴシと強くなっていく。
下の刺激がそのまま上の運動に伝わっているようで、やっぱりどこか単純な女だと二人の男たちは内心で嘲笑した。
「すっげぇエロい顔になってきてるよ、妙子ちゃん。そろそろ、もっと違うところでもチンポに触りたくなってきたんじゃない?」
須藤がいやらしい笑みを浮かべて言う。
「例えば、その可愛い口とか、ぬるぬるのエロい舌とか、ギュッと締めつけてくる喉とかでさ……」
ゴクリと生唾を飲む音がして、これが自分の喉から出たのだということに音がしてから妙子は気がついた。
部屋を照らす青の光は薄暗いが、その中でも唇の桜色は輝くように見える。それがゆっくりと開かれると、ライトの薄暗さとは比較にならないような暗い穴がぽっかりと生じ、その闇の中からにゅうっと紅い舌が伸びだしてきた。
「ん、ハァ……ハァ……」
口を開くと、砂漠で喉の渇きに苦しむ人のような吐息がそこから溢れだす。
(な、なんでわたし、こんなハァハァ言っちゃってるんだろう……。これじゃ、まるでわたしが欲しがってるみたいじゃない……)
事実、紅い舌をデロンと垂らしながらハァハァ呼吸する彼女の姿は、エサを目の前でお預けにされている犬の様子を彷彿とさせる。
ニヤニヤと笑っている須藤は肉棒をゆらゆらと揺らした。そうすると、妙子が無意識のうちに鼻をヒクヒクとさせるのが面白いのだ。
トロォ~……っとカウパー汁が漏れだしてきて、須藤は「舐めていいよ」とつぶやいた。
「べ、べぇ~~……れろんっ、ベロォ……」
肉厚の舌がつけ根から肉竿を舐めあげた。
少しざらついているのに、唾液でぬるぬるになっている。とてつもなく柔らかいのに、押し返すような力強さがある。
妙子は舐め方が大きく、しっかりと舌を押しつけてくるので気持ちいい。当初は恥ずかしがってチロチロとしか舐められていなかったのが、念入りな教育の結果、こういう優秀なフェラチオ女に成長したのである。
(唾液をいっぱいまぶして……こうやって、舌をからみつけるようにしてぇ……)
「れぇろれろぉ、ベロン、べろべろえろぉ~~……」
「いいよ、上手上手。チンカスもちゃんと舐めとってごっくんしようね」
「ふぁい……んれれれ、れろっ、れろんっ……」
(チンカスってまずいけど、最近ちょっと慣れてきたかも……)
舌先が皮膚についた恥垢を丁寧にこそぎ落としていき、不快なにおいと味に顔を歪めながらも、彼女はそれを口に入れて飲みこんだ。初めは嫌でしかたなかったのに、今ではさほど抵抗もなく飲みこめるようになっていた。
肉棒全体を何度もベロベロ舐めまわし、唾液がねっとりとまぶされて淫靡にてかりを放っている。
両手を恭しく添え、優しく丁寧にそれを舐める姿は見ていてとても気分がいい。こんな身体も顔も優れた女の子に奉仕をさせていれば当然だろう。
それでいて、見た目だけでなく事実として気持ちいいのだ。
根性論が先に出ることが多くて「脳筋」などとからかわれることも多い彼女ではあるが、それが通用するということは、無意識のうちに頭が回転しているということなのだ。それに見合った身体の賢さもある。つまり、分かりやすく表出されることがないだけで、彼女は頭のいい女の子に違いないのである。
そして、それはこんなところにまで表れる。的確に須藤が悦ぶポイントや舐め方をつかみとり、それをフィードバックさせてさらに気持ちよくさせる。鍛えれば鍛えるほど床上手になる典型的なタイプだった。
「ねっとりフェラ、最高だよ。妙子ちゃんの『チンポ好き好き~』ってのが伝わってくるな」
「す、好きなんかじゃ……べろべろ、ないれす……。れろんっ……」
「好きじゃない女はそんなふうにいやらしくベロベロできないんだって。今まで色んな女にフェラさせてきたけど、その中でもトップクラスにエロい舐め方だよ」
「嘘れす、そんなの……れるれる、んれぇ……。そうやって、わたしを恥ずかしくさせるつもりに決まってます……べろぉ」
須藤は手で肉棒をもち、ペシペシと妙子の頬を叩いた。
「まぁ別に認めなくてもいいよ。それより、そろそろ口でくわえてしゃぶってくれない? 口まんこでセックスして、精液便所として使ってやるよ」
ゾクゾク――――ッ、と背筋が震えた。
反応したのは「口まんこ」、「精液便所」などという彼女の尊厳を
(あ、ぅ……わたしって、やっぱりマゾなのかなぁ……。こんなヒドいこと言われたのに、ちっとも嫌な気持ちになってないし……それどころか、ドキッってしちゃった……)
ここ最近で、彼女にはそういう自覚が芽生えはじめていた。辱められたりバカにされたり、あるいは多少の苦しいことや痛いことに対して、どこか興奮している自分がいることに気がついたのである。
そこから思い返してみれば、以前からそういうところがあったことにも色々と思い当たり、知らなかった自分の性癖に出会いつつあるのであった。
(口まんこ……精液便所……)
心のなかで彼女はくり返す。
(お口をおまんこにして、オチンポとセックス……。しかも、赤ちゃんを生むためじゃなくて、トイレにおしっこを出すのと一緒で、汚い精液を排泄するために……)
妙子はくぱっと開いた。また、ハァハァという熱い吐息が漏れ始める。
(このオチンポをくわえちゃったら、わたし、お便所……須藤さんを悦ばせて、ザーメンを排泄してもらうための汚い便器……。そんなのヤダ、イヤだよ……でも、でも……)
気がつくと、妙子は口いっぱいに肉棒をずっぽちくわえこんでしまっていた。
「うおっ、急にじゅわって濡れてきたぞ。妙子ちゃん、チンポくわえるだけでどれだけ興奮したんだよ」
ずっと膣を弄っている照島が笑った。
肉棒をくわえて膣を濡らすなんて、自分はとんだ変態女だと妙子は恥ずかしくなった。だが、その自虐がまた興奮の材料となってしまい、マゾヒスティックな連鎖が生まれてしまう。
その羞恥心をかき消すように、妙子はわざと激しめに口淫奉仕に打ちこんだ。
「じゅるっ、ずじゅるるるるっ、んじゅぷうううぅ~~~~……!」
わざと大きな音を立てるように、そして舌も頬も全部使って、口全体で肉棒をシゴきあげるようにする。彼らに何度も教えこまれたフェラチオの作法だった。
「きたきた、妙子ちゃんのエッロいフェラ顔。ほらっ、もっと口をすぼめて鼻の下も伸ばしてみろよ。みっともないチンポ顔になってみろ」
目に困惑の色を浮かべて須藤の顔を見上げた。うるうるした瞳で上目遣いをし、「そんな恥ずかしいことはさせないで」と訴えるのだが、獣じみた須藤の目はギラギラと輝いている。
仕方なく、言われた通りに口を動かす。恥ずかしくてどうしようもないけれど言われたことには逆らえない。自分がどんな顔になっているかを想像するとここから逃げだしたくなってしまうので、なんとか無心で取り組もうと妙子は思った。
ドバドバと溢れてくる唾液を舌で塗りたくり、それごと肉棒を強く吸いあげる。頬がこけるほど強く吸うのは本当に恥ずかしいけれど、それをしないと彼らは怒るのだ。
「じゅりゅっ、ぶちゅううぅるりゅりゅっ……! ずちゅっ、んぐぐっ、ぐぷぷぷぷっ……!」
口腔内はいっぱいに占められてしまっているから、「ンフンフ」と情けない音を立てて鼻息を荒げて呼吸する。フェラチオをするときは、とにかく口の動きに専念しなければいけないのだ。苦しくても気持ち悪くても、今は道具のようにしゃぶり続けなければならない。
それは確かに大きな負担になるのだが、口のなかで肉棒がビクビクと震えると何とも言えない満足感があった。自分の口は本当に気持ちいいのだというのがどこか嬉しい。彼女は決してフェラチオが嫌いではなかったのだった。
「ようし、だいぶ気持ちよくなってきたな。ラストスパートだ、いくぞ」
須藤の腹筋や脚の筋肉は強張っていて、グッと力んで快感に耐えている。もうそろそろ射精をしたくなってくる頃だといのはそれを見ればよく分かった。
彼は乱暴に妙子の頭をつかんだ。茶色がかったサラサラの髪をわしっとつかみ、がっしりと手のひらで側頭部を固定した。
(ああっ、イラマチオっ……! これっ、イラマチオよねっ……!)
前はともかく、後ろに頭を動かせなくなって妙子は思った。肉棒をくわえこんだまま抜きだせない状態になり、逃げられなくなったことで心臓がドキドキと怯えていた。
これからされることを予期し、妙子は喉奥を出来る限り大きく開いて待ち構えた。そうしないと苦しくて仕方ないことをこれまでの経験で学んでいたのだ。
ずぶっと勢いよく、肉棒が喉の奥まで強く突きたてられた。
「んぶぐううぅっ――――! んぐっ、んごぐぐっ、ごぼぼぼっ――――!」
突然の激しいピストン。パンパンに腫れあがった亀頭が容赦なく喉奥を突きまわし、ただひたすら嘔吐感に苦悶する時間が始まった。
「ぐふっ、ぐぷぷぷっ、んぶふぅっ! ごぐごっ、ぐごごごごんぐぷぅっ!」
胃がゴキュゴキュと蠕動し、反射的に中のものを吐き出そうとする。胃液が食道のあたりまでこみあげて、ひどく気持ち悪い。それを何とか押しとどめて、妙子はがっぽりと口を開けて喉を突かれるのに耐え続けた。
(うああああぁぁっ……! これっ、セックスだよぉ……! ずんずんオチンポで喉奥突きまくって、ホントにセックスするみたいにされちゃってるよぉ……!)
涙と鼻水が反射的にこみあげてくる。
頭をがっちり固定した須藤は好き放題に腰を打ちつけた。下腹部が何度も顔面にぶちあたり、本当にセックスをしているようなパンパンという肉の叩きあう音まで響いていた。その音の大きさが、いかに深くまで肉棒を押しこんでいるかをよく表している。
(苦しい苦しいっ、苦しいよぉっ……! ああっ、ああああぁっ……! イジメられてるぅっ……苦しいことされてっ、イジメられちゃってるよぉ……! わたしっ、みんなの知らないところで、こんなふうにイジメられちゃってるんだよぉ……!)
頭にはバレー部の仲間を含め、ともに戦車道で全国に名を馳せた友人や先輩たちが浮かんでいた。
(助けてっ、助けてぇ……! みんなぁ……わたしっ、イジメられてるのぉっ……!)
しかし、それが本心のSOSでないことは彼女自身も分かっていた。あえて心で助けてと叫び、それでも誰も助けてくれるはずがないという絶望を楽しむための狂言だ。
彼女は“イジメられている自分”という構図に、実に甘美な味わいを感じ取っていたのである。
須藤はビクッと一つ大きく震えると、手に力を入れて妙子の頭を下腹部に押しつけた。無理矢理に喉奥まで肉棒を押しこまれ、これ以上は無理だというところまでずっぽりとそれが進入した。
「出るぞっ、全部飲むんだぞっ!」
股間に顔面を押しつけられているから、口も鼻も塞がれて呼吸ができなくなってしまう。なんとか腕で須藤を押し戻そうとするが、そうすると彼はもっと身体を押しつけてくるのだった。それに、仮に空気を吸いこめたとしても、太い肉棒が空気の通り道を完全に占めてしまって酸素の供給路は断たれてしまっている。
妙子は錯乱したように喉を鳴らして苦しんだ。
――――どびゅ、どびゅるるるるるっ、どぷびゅるるるっ!
肉棒が跳ねあがりながら精液を吐きだした。出される場所がもう喉の奥底であるから飲み下す他はない。一旦口のなかに戻して、なんて悠長なことをしていては窒息してしまいそうだった。
「んっ、んぐふっ! ごっ、ぐごぽっ……ごぼぼぼぶっ! ごぎゅ、ごぎゅんっ!」
部屋中に響きそうなほどの嚥下音が鳴る。どれほど濃い塊が喉を通ったのかと思うような音で、それとともに喉が大きなうねりをあげて
精液は全部飲みこんだはずなのに、須藤は少しの間そのまま動こうとしなかった。余韻を楽しんでいるのか、あるいは妙子を苦しめて遊んでいるのか。
息ができずに頭がふわっとしてきて、もう限界だと彼女思ったところで、ようやく喉奥から大きな肉棒は抜きだされていった。
「――――――――ごぼっ! ごほっ、ごほっごほっ、ごほっ! うっ、おえええぇぇぇっ……ごほっ、ごほごほっ! ハァ、ハァハァ、ハァ……!」
何度も咳きこみながら酸素を吸いこむ妙子。彼女の顔は茹でダコのように真っ赤になっていた。
「直出しごっくんも完全にマスターできたね。やっぱり妙子ちゃんは優秀な肉奴隷だよ」
ペットを褒めるかのように、須藤の手がわしゃわしゃと頭を撫でまわした。
「あ、あうぅ……」
涙で潤んだ瞳を上げて彼の顔を見ると、須藤は本当に愛おしそうな微笑みを浮かべていた。憎らしくて仕方ないはずなのに、妙子はその顔を見て心がちょっとときめくのを否定できなかった。
「いいねぇ、さっすが」
下から照島が言う。
「よーし、じゃあ俺がご褒美をあげるとするかな。妙子ちゃんにも射精させてあげよう」
「しゃ、射精……?」
わたしは女だから射精なんてしませんよ、と言おうとしたとき、
「んおおぉおぉッ……!♥」
という腹の底から噴きだしてきたような声が飛びだした。
妙子の弱点であるGスポットがぎゅうっと指で圧迫され、指と恥骨に挟まれてぶちゅっと潰されているかのようだ。そのままズリズリとこすられるだけでなく、おまけにぶるぶると手を振動させられている。これが激しい快感を生みだしていた。
「ははっ、すっげぇ声。このままイカせて、射精させてあげるからね」
じゅわぁ……っと愛液が
照島はさらに手の振動を激しくした。腕の筋肉が盛りあがり、すさまじい勢いで腕全体がぶるぶると震える。自分はバレーに明け暮れて筋肉は鍛えられているほうだと思うけれど、やっぱり男の生まれもった筋肉は力強さが違うと妙子は思い知った。
「んおっ、おおおぉおオオッ……!♥ ォあッ、んひぃいいぃッ……!♥ はっ、激しいっ……! 照島さんっ、これ、激しすぎるよぉっ……!」
溢れ出る声が止められない。膣を押す指が、まるで内臓全体を下から底上げして押してくるような衝撃に感じられた。
それだけではなく、たった2本の指に押されたところからビリビリと電気が走ったように全身が打ち震えた。まるで性感を激増するツボでも押されているかのようだ。
脊髄や脳で火花がバチバチと弾け、身体から力が抜け落ちていってしまう。いや、そういう脱力感が確かにあるのに、実際は下半身がグッと強張って力みきっている。腹筋も脚の筋肉もギュッと縮こまっていて、押し寄せる性の感覚に耐えようとしている。感覚と実際の肉体がうまく噛みあっていないようだった。
「へへっ、今までこんなに激しい手マンはしてこなかったけど、このままアクメまで持っていけそうだな。まぁ、チンポで中イキできるようになってるんだから当然か」
照島は軽くそんなことを言ったが、あんまりそういう用語に馴染みのない妙子は少し意味が分からず混乱した。
ぐるぐると頭を回転させて、手マンは今されていること、アクメというのは確か絶頂のことだったと思いだし、中イキというのはたぶん膣内の快感で絶頂することだろうと推測した。
それでもどうにも釈然としない。セックスでイッたときとはどうにも感覚が違うのだ。今やられているのは集中的に急所を猛攻されているような感じで、肉棒で膣全体を絶頂まで導いていくのとは違う。過程が違えば結果が違うように、この弄られ方は何かいつもとは別の絶頂に連れられているかのように感じたのだった。
気がつけば下半身がガクガクと震えている。座っているから脱力して体重に悩まされているのではなく、逆に筋肉が緊張しすぎてガタがきているように思えた。
「なにこれっ、なにこれぇっ……! いつもと違うっ、いつものイキ方と違うよこれぇっ……! えっ、なになになにっ、んひいぃいいぃッ……!♥」
弱点に向けられた一点集中の攻撃は明らかにいつもの絶頂にはない何かを伴っていた。強張っているのに緩んでしまう、踏ん張っているのに溢れてしまう、そんな結末を妙子は直感的に想い描いた。
「おオっ、ぅおおぉオおぉオオオッ……!♥ いくっ、イクイクイクッ、これすぐイッちゃいますっ! うううぅうぅぅぅ……!」
彼らと出会ってから幾度となく味わってきた絶頂。それに到達する前のビクビクと身体が震え、下腹部の中がジンジンと痺れて痙攣しそうになる予兆が彼女に訪れていた。
「ようし、イケイケっ! 初めての指マンアクメをキメていっぱい射精してしまえっ!」
照島がここぞとばかりに腕を震わせ、一気呵成にGスポットに襲いかかった。彼もかなり目一杯になっているようで、手を動かすのもさすがにしんどそうになっていた。
だが、そのぶんの刺激は確実に妙子を責めたてていて、ぐんぐんと凄まじい勢いで彼女はアクメに接近した。
視界がバチバチと白く点滅して、妙子は何かが弾けるような感覚を味わった。
「イクッ、イクッ、イクぅううぅ……ッ! ぁああぁアアあぁアぁあ~~~~……ッ!!♥♥」
獣の咆哮のような声が溢れだして、全身がビクンビクンを大きく波打った。そして、それと同時に下半身から一気に力が抜け落ちて、どこかで
「えっ、ええっ……! なにこれっ、わたし、おしっこ出しちゃってるぅっ……!」
今なお動き続けている照島の手に弾け飛ばされ、噴き出した汁はビシャビシャとあたりに飛び散っている。この歳でおもらしなんてしたくないと思っても、その汁は勝手に股間から飛び出して止めようにも止められなかった。
「ぁ、ああぁ……だ、出しちゃった……。ハァ、ハァ……」
指が膣から抜けると同時に、最後の一滴がピシャッと床に噴きだした。
床や照島の手は夥しい液体でびっしょりと濡れきっていた。
「いっぱい出したなぁ。どう? 射精するのは気持ちよかった?」
「しゃ、射精……これ、射精なんですか……? おしっこが出たんじゃ……ハァ、ハァ……」
「これは潮だよ。妙子ちゃんがしたのは潮吹きっていって、まぁ女の子の射精みたいなもんだよ」
「潮、吹き……」
潮なんていうものが自分の身体に眠っていたなんて知らなかった。自分が知らない自分のことを、この人たちは全部知っているのだろうか。こんなふうにはしたなく潮という汁を吹き散らす女だということを、自分は彼らに見抜かれていたのだろうか。
あまりに衝撃的だった潮吹きという現象に、妙子はそんなことを思って恥ずかしくなった。
* * *
チンポに触ればおまんこを弄ばれ、射精もされれば潮吹きだってしてしまい、おまけに一度アクメまでキメられてしまった今、これで冷静さを失うなという方がおかしな話だった。
胃の中からは精液のこもるような異臭がにおってきて、弄られ倒した秘部はまだジンジンと絶頂の余韻が響いている。
気づけば顔は真っ赤に茹であがっていて、全身もほてって熱くなっている。部屋の温度が高いのもあるのだろうが、既に身体じゅうの皮膚がしっとりと汗ばんで湿っていた。
きっと妙子は、あとで今の状況を思い返して恥ずかしくなるのだろう。このふわふわと全身が浮いているような感覚に酔っているうちに、彼女はすっかりできあがってしまうのだ。ここでしっかり気を取り直していればあんな痴態をさらすことはなかったのにと、きっと後悔をするのである。
しかし、その渦中にあってはなかなか気がつかない。自己の現状とは得てして自覚しがたいものである。
無意識のうちに精神が昂揚しきって、すっかり発情状態になって狂ってしまう。脳まで茹であがってしまったんじゃないかと思うように理性が朦朧とし、代わりに心の奥で眠りこけていた獣欲がムクムクと頭をもたげて大きくなる。
頭のなかは「もっと気持ちよくなりたい」、「もっとイキたい」、「もっとイジメられたい」、「もっと辱められたい」、「もっと射精されたい」という思いでいっぱいになってしまっているのに、それがおかしな状態だと指摘する理性がどこにも残っていない。完全にのまれきってしまっているのだった。
須藤と照島はそれをすっかり見抜いてしまっている。経験値が桁違いの彼らからすれば、妙子のような小娘の中身を見通すことなどお手の物である。
彼女を犯すようになって数日目で、この女はマゾだなと彼らは既に確信していた。回数を重ねるごとにその確信は強まっていき、これはうまく調教すればかなりのドMになるだろうということまで看破してしまっていた。
だから、彼らは妙子を辱め、苦しめることに躊躇を覚えない。それで引き出されるのが本当の彼女の魅力だと信じきっているし、彼ら自身も生粋のサディストなのであるから当然だ。胸に渦巻く嗜虐欲をぶつけられる相手というのは少ないもので、妙子のようにそれを受け入れることができそうな女をいたぶれるのは実に稀である。そんな機会を得られたならば、もう思う存分に振る舞わないわけにはいかなかった。
そして、現に妙子自身もそれを受け入れているのだ。どうしようもない心の昂りを覚えながら、彼女は羞恥や苦痛を実に刺激的に堪能するのだった。
「う、ううぅ……恥ずかしいです、この格好……」
須藤と照島に見下ろされながらつぶやいた。
「いいじゃん、これー! 最高だわ」
「だろ? 妙子ちゃんにはこういうのが似合うってずっと思ってたんだよ」
彼女の恥じらいなどはすっかり無視されている。彼らの手にはスマートフォンが握られていて、無機質なカメラのレンズがじっとこちらに向けられている。カシャカシャと撮影音が鳴るたび、妙子は羞恥心で押し潰されてしまうそうになった。
「この落書きがいい味だしてるなぁ、お前ってやっぱ天才だわ」
「そんなに褒めるなよぉ、照れるじゃんか」
ハハハという笑いあう二人に、妙子は自分が蚊帳の外にいる疎外感を覚えた。いや、あえてそうしているのかもしれない。まるで存在を無視されているかのように感じると、自分が物言わぬ芸術作品か何かで、彼らはそれを品評して楽しんでいるように見えてくるのだ。
モノ化されることへのマゾヒスティックな興奮を、彼女はしっかりつかみとっていた。
「よし、これを“服従のポーズ”って名づけようぜ。これから“服従のポーズ”って言ったら、すぐにその格好になるんだぞ。分かった?」
「え、あ……はい」
突然存在を認知されはしたが、それで変わるのは、せいぜい“モノ”から“奴隷”への変化という程度のことだった。
“服従のポーズ”と命名されたその格好。
仰向けに寝そべって脚をもち、それをそのままグッと身体に引き寄せればこの格好になる。いわゆる、“まんぐり返し”などと呼ばれるポーズである。バレーのために毎日お風呂おあがりに柔軟体操を心がけているのもあって、妙子は身体が軟らかいから、かなり大きく股を開いたままでいることも困難ではなかった。
自ら股間を差し出すようなその体勢はこの上ない男への媚び方である。這って逃げることさえ不可能で、手は脚を抱えているから使えない。胸を揉まれようと恥部を弄られようと、もっと言えば殺されそうになったとしても、この格好では身動き一つとることはできなかった。
裏を返せば、どんなことをされても受け入れますということを無言のうちに宣誓しており、“服従”と呼ぶには実にふさわしい状態なのだった。
脚を抱えていれば必然的に突きだされるのがその大きな尻である。短パンがずれてしまい、尻がほとんど露出してしまっている。また、そこから伸びる綺麗な脚があり、そのムッチリとふんだんに肉を蓄えた太ももはこうして見るとかなり迫力がある。太ももという名前なのが得心できるような、幅があって太い肉の幹のようだった。
ふくらはぎは赤い靴下で覆われているから、この太ももがユニフォームを着たときに最も地肌の露出される部位である。それを前面に押しだして強調するようなこの格好では、妙子の白皙の肌に息をのまずにはいられないことだろう。
バレーが屋内競技であることは言わずもがな、戦車道でも彼女は通信手でありずっと車内に閉じこもっている。おかげで肌は雪を溶かしたような生来の白のまま保たれており、傷一つない美しい絹肌が光るようにさえ見えるのだった。それがまた、耳の先まで真っ赤になった顔と非常に綺麗なコントラストを形作っている。
それはとりもなおさず、その太ももが男をひどく欲情させるものだということに他ならない。女として成熟した肉体であることを物語る肉づきも、美貌の中核を担っている肌の白さも、男にとっては犯したくなるための要因にしかならないのである。
そして、サディスティックな欲望に燃える彼らからすれば、その美しい肌は汚すべきものであった。貶めるべきものであり、辱めるべきものであった。
その欲望が水性ペンをキュッキュッと走らせて、妙子の白くて広い太ももには、左脚に「中出し専用生オナホール♥」、右脚に「淫乱マゾ豚近藤妙子♥」という字がくっきりと記されてしまったのだった。
この扱いは彼女をひどく辱め、それでいてひどく興奮させることになった。
どうしてこんな格好をしなければならないのかと思っても、「これは命令だから仕方ない」だとか「逆らうと盗撮動画をばらまかれるから仕方ない」だとか、すぐに理屈ができあがって従容してしまう。だが、本心にはこんな手酷い扱いをされることに対する喜悦が確かに根強く生着していた。
ポーズもさることながら、その太ももに書かれた落書きがゾクゾクする。その字は膝側から尻側に向けて書かれていて、つまり、わざわざこのポーズになって腿裏をさらけださないと上下が逆になってしまうようになっている。そうなると、まるで妙子自身がわざわざこの文言を見せつけるために“服従のポーズ”をとっているようである。
ただ脚を抱えて寝転んでいるだけなのに、何重もの汚辱が実に巧緻に織りこまれていた。
「妙子ちゃん、こんなデカケツ突きだして恥ずかしくないの? コンプレックスなんでしょ、これ」
須藤がむぎゅっと尻肉をわしづかみにした。
「おまけに、太ももにこんなエッチなことまで書いちゃってさ。こんなの、めちゃくちゃに犯してくださいお願いしてるようなもんだよ?」
「こ、これはあなたたちが勝手に……」
「俺たちは客観的な事実を書いてあげただけだよ。実際、書かれてある通りでしょ? 妙子ちゃんは中出し専用の生オナホだし、淫乱なマゾ豚じゃん?」
改めて口にされると何ともみっともなくて興奮する言葉だった。
「ひ、ひどい……わたし、そんなんじゃないのに……」
ゾクゾクと震える心を隠しながら、妙子は小さくそうつぶやいた。しかし、その声はハッキリと彼らに届いていたようで、
「は? 何だよ、何が違うっていうんだよ」
と少し荒々しい声が代わりに返ってきた。ややドスのきいた低温に身がすくむ思いがし、つい謝ってしまいそうになる。が、妙子が何か言葉を返そうとする前に、
「お前は痛いこととか恥ずかしいこととかをされて悦ぶマゾ女だろうが! オラッ!」
バシッ――――!
「あひぃぃぃッ!♥」
一発の平手打ちがおまけに連れ立ってきた。須藤の大きな手が鋭く尻肉に振り下ろされ、張った柔肉が強く弾けてぷるっと震える。
「へへっ、甘ったるい声が出てるじゃんかよ。やっぱりお前はマゾ豚だ。思い知らせてやるぜ、そらっ!」
バシィィィン――――!
「んひぃいいぃッ!♥ いっ、痛いっ、痛いですっ! やめてっ、お尻叩かないでぇっ!」
「うるせぇ、こんなデカケツは叩かれて当然だろうが! このっ、このっ!」
何度も何度も手が鋭く打ちおろされた。パシンパシンと大きな破裂音を立てて弾ける尻はだんだんと赤く染まっていき、やがて真っ白だった皮膚に赤の紅葉形がいくつも重ねられたような色あいになった。
叩かれるたびに分泌腺の栓が馬鹿になったように開き、じゅわぁっ、じゅわぁっ、と愛液が膣に溢れだした。何度目か分からないスパンキングをされたときには、もう短パンの股の部分がひときわ濃い赤になって染みを作っていた。
彼らは叩くだけに飽き足らず、今度は立ちあがって妙子を足で踏みつけはじめた。肉の柔らかさ、肌のハリを確かめるように足で踏みにじると、少しずつ体重をかけてむぎゅむぎゅと肉を押して足蹴にした。
太もも、尻、胸、ときには顔までもが惨めに踏みにじられた。そして最後には、須藤が股間を、照島が腹部を足で踏みつけてニタニタと意地悪な笑みを浮かべていた。
こんな情けないポーズをとらされて、尻をバシバシと叩かれたかと思えば今度は全身を足で踏みにじられる。どうしてこんな目にあわないといけないのかという思いに妙子は沸々と怒りを覚えたが、その怒りが興奮と快感に転換されてしまうまでには、およそ瞬間的ともいえるほど、ほとんど時間を要さないのだった。
「ケツ叩きでこんなに濡らしやがってよぉ。白い肌が赤くなって、白豚が赤豚になっちまったぜ」
須藤の脚が秘部を踏みつけると、短パンの下でじゅくじゅくに溢れた汁が淫靡な音を立てるかのようだった。
「こんなマゾ豚はお腹を踏まれても悦ぶんだろうな」
意地悪な声で照島が言い、彼はグッと足に力をこめて腹を踏んだ。
「うううぅっ……! あぐっ、うぐううぅ……!」
強い圧迫感に思わずうめき声が漏れる。しかし、なおも照島は体重をかけて柔らかい腹を強く踏みつけてきた。バレーで鍛えた腹筋にグッと力を入れてみても、大人の男の体重をかけられてしまえばそれは何の抵抗にもならなかった。
「く、苦しい……お腹、踏まないでぇ……。許して、ねぇ、踏まないでぇ……」
脂汗が身体じゅうに滲んできた。
「じゃあ認めるか? お前は尻を叩かれたり踏みつけられたりして悦ぶ、淫乱でスケベなマゾ豚女だってな」
否定することは許さないとばかりに、二人はまたググッと足に力を入れる。
「ふ、ふぐううぅっ……! み、認めますっ……わたしはっ、妙子はっ、酷いことをされて悦ぶマゾ豚ですぅ……!」
苦悶の表情を浮かべながら媚びるような声でそうつぶやいた。
「じゃあ、マゾ豚らしくいやらしいおねだりもできるな? 今までいっぱいおねだりの仕方も教えてきたはずだし、ちゃんと俺がセックスしたくなるようにできるよな?」
「はいぃ、できますぅ……! おねだり、できますからぁ……だから、踏むの許してくださいぃ……!」
ようやく足を離してもらえた瞬間、ぶわっと全身から熱い汗が噴き出してユニフォームを湿らせた。興奮と発情で身体がひどく熱くなっているのもあって、汗を吸収しても発散しやすいはずのユニフォームがしっとりとしてしまうほどだった。
照島はカチャカチャとベルトを外してズボンを脱ぎ捨てた。パンツも脱ぎ下ろすとギンギンに勃起した赤黒い肉棒が姿を現し、その圧倒するような力強い剛直の前に、思わず妙子は息をのんだ。
まじまじと見つめると、軽く手でシゴかれているその肉棒は稲妻状に血管を走らせていて、そこだけ皮膚がやや青みがかって浮き彫りにされている。それが生命力の象徴のようであり、竿がパンパンに腫れて張りつめているのは筋力の象徴のように思われた。
屹立する肉棒を大きな瞳でとらえると、妙子の頭にはこれまでのそれに関する記憶がフラッシュバックする。何度も自分の膣を突きまわし、凄まじい勢いで精液を吐き出してきたその肉棒……その硬さや太さがありありと想起されるとともに、その肉棒がこれまで与えてくれた膨大な快楽までもが鮮明に蘇った。
(あ、あぁ……すっごい、大きい……。あれ、凄いのよね……わたしのおまんこをズボズボ突いて、すっごく気持ちよくしちゃうのよね……)
妙子の頬に一滴の汗がたらりと伝い落ちた。
(おねだり、しないと……)
それが「命令されたからしないといけない」のか、はたまた「自分が求めているからしないといけない」のか、それはどちらとも判別がつかなかった。
ただ、やることは同じである。
さっき一度射精をした須藤はスマホを手にして待ち構えている。きっと、今から妙子が述べるはしたないおねだりを動画に収めるつもりなのだろう。
彼女は今まで散々教えこまれてきた淫語やいやらしい物言い、あるいは男を悦ばせるような声色や表情や視線などをすべて思い返し、おずおずと物乞いの言葉を口にするのだった。
「そ、そのオチンポ……ビンビンに勃起して、ザーメンをたっぷり蓄えたデカチンポぉ……妙子の、はしたなくびしょ濡れになったおまんこに挿れてください……。じゅぷじゅぷ濡れてて絶対に気持ちいいです……いっぱいギュウギュウ締めつけて気持ちよくしますからぁ……。だから、だから……お願いします、そのたくましいオチンポ様を、妙子の孕みたがってるエロ穴にぶちこんでくださいぃ……」
短パンとパンツをずらされる。いとも簡単に露出させられた秘部はもうトロトロになっていて、むわっと湯気が溢れてきそうな熱気があった。
大事な穴を秘する左右の大陰唇にも肉はたっぷりついている。その体積はユニフォームの上からでももっこりとした膨らみで確認できるが、そんな柔らかい肉だけでは、硬直しきった肉棒などは到底凌ぐことができない。
亀頭がその陰裂に
しかし、肉棒はそこからなかなか動こうとしない。妙子はじっと身動きをとらずに待っているつもりだったが、なかなか入ってこようとしない肉棒のもどかしさに、無意識のうちに尻をわずかに押しあげようとしていた。
肉棒を押しこんでいないのに、ほんの少しだけ穴がそれをくわえこもうとしたのを見て、照島は力を得た。
ずぷずぷずぷっ、ずぷずぷぅ――――――――ッ!!
「んぉおオオぉおぉ~~~~ッ……!!♥」
それまでのじれったさの反動のように、膣の奥壁に亀頭がぶち当たるまでは一息だった。一瞬のうちに膣穴がみっちりと充満し、中にわずかな隙間すら残る余地はなかった。肉棒の大きさに膣壁は慌てて緊張しようとし、伸縮性を活かしてゴムのように伸びながらも、ギュウギュウと力をこめて収縮して肉棒を締めつけた。
「ぉ、お……ぉ……」
みちみちと膣壁を押し広げる肉棒に、思わず言葉を失った。それだけでなく、これが中に入ると本当に一瞬身動きがとれなくなってしまう。冷えきった鉄のように硬いのに、熱せられてドロドロに溶解した鉄のように熱く、金属が入れこまれているかのような重さが感じられた。
あまりの存在感に衝撃をうけた全神経がそこに集中し、パニックに陥ったかのように身体は硬直してしまう。下腹部だけに収まっているはずなのに、まるでとても長大な肉棒が股間から挿しこまれて、それが胸まで達してがっしりと心臓をつかまれてしまったかのようだった。
ようやく全身の強い緊張がほどけるのは、肉棒がゆっくりとそこから抜けていくときだった。ずりずりと襞に引っかかりながら退いていく肉棒が、物を引きずって砂浜に跡を残すみたいにして、通過した場所にジンジンと快感を刻みこんだ。
心臓にナイフを突き立てたとき、ナイフが刺さっている間は出血しないものである。ナイフが抜かれた途端に奔流のように血潮が噴出し、全身から力が抜け落ちていくのだ。それと同じように、挿しこまれたばかりの肉棒が抜けていくのは大量の愛液を膣内に滴らせた。
そして、亀頭だけを残すところまで後退した肉棒が再び奥に進入してくると、もうどんな動きをされようとも膣全体が蕩けるような快感を全身に行き渡らせるようになっていた。
照島は上に着ていた服も脱ぎ捨て、すっかり全裸になってしまった。そして、妙子の着ているユニフォームの上をまくりあげて胸までを丸出しにさせると、上半身を倒して身体を覆いかぶらせた。そのまま腕を回して柔らかな妙子の身体を抱きしめる。
妙子もそれに誘発されるように手を伸ばし、抱えている脚が邪魔にはなるものの、なんとか彼の身体に腕を回す。妙子の両脚を間に挟みこんで抱きあっているような姿になった。
腕に力が入ると、その抱擁に負けないくらい、妙子の膣が肉棒を強く抱きしめる。彼女の膣は何重にも締めつけの生まれるポイントがあり、竿の根もとから先端まで、全体をまんべんなく締めつける。それが吸いこまれるような吸引力を生みだしており、締めつけを好む男からすれば、彼女はまさに名器と呼ぶべき穴の持ち主といえるに違いない。
「妙子ちゃん、全身が汗ばんでてすっごくエロいよ。まぁ、俺もちょっと汗をかいてるけどさ。そんなに汗だくセックスしたかった?」
「だって、身体がすっごく熱いんです……。全身が、もわもわ~って湯気だってるみたいになって……」
「こんなに汗だくのまま抱きあってたら、俺の身体にいっぱい汗がついちゃうじゃん」
「ご、ごめんなさい……わたしの汗、妙子の汚い汗で、照島さんのこと汚しちゃって……」
「ふふっ、お返しに俺ももっと汗だくになって、妙子ちゃんの身体にいっぱい汗を塗りたくってあげるから大丈夫だよ。いっぱい、イチャイチャセックスしようね」
「あ、汗だく……イチャ、イチャ……。ぁ、あぁ…………♥」
二人の腕は同時に力をこめた。互いの肌を強く自分に押しつけるようにして、お互いに汗を塗りつけようとするかのようだった。
「あぁー、妙子ちゃんの身体ってマジで柔らかいな。おっぱいもお腹も太もももデカケツも、全部ムチムチのふわふわだし、肌がみずみずしくて吸いついてくるみたいだよ」
そのすべてが地肌で照島に触れていて、女の柔らかさがどこからも伝わってくる。一方で、妙子は触れる照島の肌から、女とはどうしても決定的に異なる男の硬さというものを感じていた。いくらスポーツで鍛えようと、この荒々しいまでの剛毅には敵うことはないだろう。
「家に持って帰って、毎日抱き枕にして使いたいくらいだわ」
照島が冗談ぽく言った。すると後ろから須藤が反応し、「いやいや、そうしたら俺が使えないじゃん」と言って笑った。彼は部屋の隅でタバコをくゆらして休憩していたが、二人の様子だけはずっと眺めているようだった。
だが、当の妙子はその会話が耳に入らず、彼の冗談がきっかけでつい空想の世界に入りこんでしまっていた。そこでは彼女に潜むマゾヒズムの本能、モノ化されたいという被虐的な欲求が夢想の形をまとって渦巻いていた。
もしも彼の抱き枕になったら……こんな恥ずかしい格好のまま、魔法にでもかけられたように、本当にただの抱き枕になってしまったとしたら……。
もちろん身動きはとれない。言葉を話すこともなければ、モノだから呼吸も必要ない。今の興奮しきって赤くなった顔のまま、全身ががっちりと固められてしまうのだ。抱き枕なのだから用途はエッチなことではない。ただ本当に就寝時に抱きつかれるだけの役目であり、毎晩そうして彼の吐息や汗やよだれをかけられるのだ。そして、ときには洗濯機に入れられ、ベランダに干され、何年も使われればやがてゴミ袋に入れて捨てられる。
本当に奇妙な空想だし、まるで性的な行為がそこに出てくることもなかったけれど、なぜか妙子はその妄想にうっとりと酔いしれた。行為には顕れない被虐のエロティシズムというものがあり、それは何か自分が“モノ”になること、ただの物質や物体として使われることに繋がっていることを彼女は無自覚に知っていた。
「んおッ……!♥ ゥあっ、ああぁあっ……!♥」
突然の刺激を受け、妙子は急激に妄想の世界から引き戻された。彼女の意識をそんな妄想が占めているとはつゆ知らず、照島がズンズンと腰を打ちおろして膣を突きまわしはじめたのだ。
だが、そうやって引き戻された現実のなかでも、彼女は抱き枕のように抱擁され、おまけに生きるオナホールのようにして恥部を犯されていた。そして、完全な“モノ”ではなく、“モノ”のように扱われるというだけのモノ化であったとしても、彼女は十分にそれで狂熱することが可能だった。
「どう? 服従のポーズでこうやってセックスされるの、楽しいでしょ?」
照島が訊いた。
否定しようか曖昧にぼかそうか、羞恥心はその二択を彼女に突きつけた。しかし、どう答えようか迷って、長いまつ毛をパチパチとまたたかせているうちに、その羞恥心をのみこんでしまうのが獣欲というものだった。
(も、もういいよね……? もう、こんなポーズになったり、恥ずかしいおねだりしたり、今さら取り繕ったって意味ないよね……?)
心臓がドキドキと脈打つ音がする。
(もういっか……全部言っちゃお。思ったことを言って、したいことをして、全部さらけ出しちゃお……。だって……楽しいんだもん……)
「た、楽しい……楽しいですぅ……。動けない状態でガンガンおまんこ突かれると、犯されてるって感じがして、すっごくゾクゾクしますぅ……」
また愛液が滲みだすのと肉棒がムクリとさらに大きくなるのが同時に起こった。
「へへっ、妙子ちゃんはマゾだもんねぇ。おまけにエッチなところだけたっぷり太ったエロ豚だから、あわせてマゾ豚。そうだよね?」
「そう、です……マゾ豚です、わたし……」
「じゃあ、ブヒブヒ言いながら謝ろうか? 俺はこんなマゾ豚とセックスさせられて困ってるんだよねぇ」
「え……あ、ぁ……♥」
思わず喜悦の声が漏れた。この男はどこまで自分を辱めれば気が済むのか。どこまで自分に惨めなことをさせるつもりなのか。
妙子はマゾであることの幸福に恍惚とした。
「ぶ、ぶひ……ブヒブヒぃ……♥ ごめんなさい、ぶひ……♥ エッチに太った、豚みたいな身体でごめんなさいブヒ……♥ でも、わたし……妙子は、エロ豚だからぁ……セックスしたくなっちゃうんです、ぶひぃ……♥ だから、お願いします……もっと突いて、犯してくださいブヒ……♥ ぶひぶひ、ブヒぃ……♥」
全身が鳥肌立ってゾクゾクした。
こんな人間性を放棄するようなマネをするなんて、あまりにも楽しすぎる。こんなことをしていいはずがない、こんなふうになっていいはずがない、そういうタブーを破る楽しさはあまりにも淫靡で愉快で幸福で……。
脳ミソを悪い虫にでも喰われているような……あるいは、頭蓋骨の中に淫らな瘴気でも充満しているような……何か、自分の脳そのものがじゅくじゅくと溶かされ、破壊され、蝕まれているような気がした。
きっと脳内でドバドバとホルモンが溢れまくっているのだ。興奮し、昂揚し、幸福を感じさせるようなキツいホルモンが。自分はそのトリガーがひどく歪んでいて、人間をやめようとするような動きによって引き金が引かれるようになっているのだ。
つまり、これは病気のようなものだ。不治の病だ。
だったら……だったら仕方ないじゃないか。どうしようもないのだから、どうやっても治せないのだから、開き直ってもいいじゃないか。幸せを求めるのは当然の欲求で、自分はその幸せが被虐や自虐によって生まれるような病人なのだから、病人らしく狂っていてもいいじゃないか。
豚のマネをする
「はーい、よくできましたー。偉いねー」
頭を優しく撫でられる。
「だいぶ、こういうプレイも板についてきたね。妙子ちゃんって、バレーとか戦車道なんかやめちゃって、こういうマゾプレイばっかりやってる風俗嬢にでもなったほうがいいんじゃない?」
「そ、それは……ダメです。両方とも、わたしの大事なものだから……」
「そっかぁ、残念だなぁ。妙子ちゃんなら大人気風俗嬢になれること間違いなしなのに。でも、俺たちがいればバレーも戦車道もやりながら、オマケに大好きなマゾエッチもできちゃうから大丈夫だよ」
妙子はもう頭があまり働かなくなっている。冷静であれば簡単に見抜けるような誘導的な物言いも、今は「そういうものか」という程度の認識しかもてなくなっている。
これまでも、何度も何度もこういう洗脳じみた言葉をかけられて、いつの間にか妙子は彼ら好みの女に変えられてきたのだった。清純だった身体は汚れきり、健全だった性欲も大きく成長させられ、隠されていた性癖も露わにさらけだされ、歪んだ情事に没頭する抵抗を少しずつ拭いとられていたのだった。
しかし、それに本人は気づかない。冷静に戻った頃には、既に精神の奥底に彼らの洗脳がこびりついてしまっている。まるで手の届かないところに生えたカビのように、べっとりと……。
それを掃除するには心の奥底をまた引き出さないといけないのだが、それを引き出す術を心得ているのは身近に彼らしかいないのだった。だから、彼らはその奥底に自由に行き来して、そのたびにドロドロと彼女の心を汚すことだけができたのであり、それを綺麗に洗うことのできる人間は妙子本人を含め、周囲には見当たらないのであった。
「じゃあ、上手にできたご褒美におっぱいもイジメながらセックスしてあげるからね。いっぱい締めつけて、俺のチンポを気持ちよくするんだよ?」
「は、はい……分かりました……♥」
「おぉっ……! へへっ、よく締まるな……さすが、いいおまんこだ」
根が真面目な妙子である。彼女は下半身に力を入れ、自由にできる限りで膣を締めようと努力した。
彼女は膣までもが肉厚感を感じられるようなところがあり、これが挿れたときの包まれるような感覚を醸しだしている。イメージをするならば、ボリューム感のある双臀が膣ごと肉棒を挟んでいるような、そういう重みのある圧迫感があった。
そのどこからも健康、健全というのが伝わってくる。フレッシュな肉体、安産型の骨盤、しっかりした下半身、どこをとってみても文句がない。これ以上に子どもを孕ませるのに適した女はいない、というくらいの健康体だ。必然的に、男はそれを瞬時に察知し、この肉体を自分の子種のためだけの苗床にしてやるのだという本能の命令に操られるのだった。
「ほーら、おっぱいむにゅむにゅ~……ってしてやるぞ。ユニフォームの上からでもいいけど、やっぱり直接揉むのもたまんねぇ。今度から、
照島は腰を振りながら胸を揉みまわした。力加減なんて気にせずに、好きなように揉みまくる。ぽよぽよと跳ねさせるような触り方もすれば、むぎゅっと力いっぱい揉み潰すようなこともする。
だが、どんな触り方であろうと、発情して全身の肌が敏感になっている妙子はすべて気持ちよく感じるのだった。
「おっぱい、揉みくちゃにされてるぅ……優しくされるのも、乱暴に揉まれるのも気持ちいいよぉ……♥ もっとぉ、もっとしてくださいぃ……♥」
胸を弄るのは手だけに留まらず、照島はぷくっと膨れた桃色の乳首を口に含んだ。じゅうじゅうと音を立て、痕がついてしまいそうなくらいに強く吸う。強い吸引力を感じ、このまま胸を喰われてしまうのではないかと妙子は思った。
「この勃起乳首、ツンって膨らんでてエロいんだよなぁー。こんな生意気な乳首は、こうしてやるっ……!」
「いっ、ああぁ……ッ!♥ いたっ、痛いっ……! 乳首噛まれてるっ、ああぁっ……!」
だが、そんな痛みさえも一抹の快感を孕んでいる。心がマゾヒストなら身体までマゾになってしまうようだった。
長いピストンによって膣はもう蕩けきっていた。太く長い肉棒が何度もかき回すから膣もかなりほぐされて、締めつけがあるのに柔らかいという不思議な感覚が味わえた。これで気持ちいいのも、ひとえにその肉厚さによるものかもしれなかった。
愛液の分泌量が多い妙子はその膣をじゅぷじゅぷに濡らしきっていて、肉棒が抽送されるたびに少しずつ愛液が溢れ出ていた。それが結合部から弾け、すぐ真下のシーツに染みを作っている。あとで見ても、確実にここでセックスがあったのが分かるだろう。
しっかりと奥壁を小突かれている感覚はあるものの、妙子は下半身が愛液と肉棒だけになっているかのように思った。熱く蕩けた膣はトロトロの液状になり、そこを剛直な肉棒が撹拌しているかのようだ。
そして、その愛欲の海にぷかぷかとたゆたうものがあり、その揺蕩の正体こそは子宮だった。妙子は自分自身の本質はこの子宮に他ならないと直観した。
「ようし、出そうだぞっ! キンタマがせりあがってきやがった! このぷりぷりのエロまんこにザーメン排泄してやるからなぁっ!」
肉棒の硬度は最高潮に達していた。この状態で射精をすれば、最も勢いよく精液を噴出できるだろうという硬さだ。ちょうどそこにあわせて射精感が照島を襲い、彼はピストンのスピードを限界まであげた。
「ああっ、あああぁッ……!♥ 出してっ、出してくださいぃ……!♥ わたしもイクっ、イキそうになってますからぁっ……!♥」
妙子はギュッと彼を抱きしめ直した。彼の上半身の体重はすべて妙子に覆いかぶさり、彼女はそのまま押しつぶされそうな圧迫感に苦しめられた。だが、それが何とも心地よく、このまま膣ごと身体を潰されたいと思ってしまうほどだった。
二人は全身がぐっしょりと汗ばんでいる。普通ならばひどく気持ち悪いような状態なのに、どうにも汗どうしが混ざりあっている今の抱擁は心地よさしか感じなかった。
「最後はキスしながら出してやるっ! ほら、舌を出せ!」
「はっ、はいぃ……! べろ、べぇろ~……ちゅぱっ!♥ ちゅっ、んちゅうぅ、チュウぅ~~……!♥」
最後のピースがはまって、これですべてが混ざりあった実感があった。
舌を舐める舌は脳を舐めあげているようで、妙子はその刺激にビリビリと身体が震えるのを感じた。
どくどくどくっ、どくっ――――!
迸る精液の音が聞こえてきそうな射精が起こり、膣奥がそれで強く殴られているような錯覚を覚えた。
「んうっ、んうぅうううぅぅ~~~~……ッ!!♥」
キスをしながら妙子も叫んだ。脳がバチバチと火花を散らし、全身もビクビクと跳ねて痙攣した。勝手に筋肉が強張って、折り曲げた脚はつま先までまっすぐピーンと伸びきった。傍から見ても、これが過剰なまでの絶頂の姿であることが分かっただろう。一本に伸びきった彼女の脚は言葉にならないくらいに美しく、いやらしかった。
アクメの衝動に気圧されたように子宮口がごくごくと精液を飲んでいく。妙子は膣の奥、さらに深い内部にまで熱い奔流が流れこんでいるのをハッキリと感じた。
それでも膣内がいっぱいになるくらい、彼は思う存分に精液を排泄した。夥しい量のザーメンに性器を満たされるのは、自分が他人のモノにされたという実感を覚えるのに見合った仕打ちである。妙子は得も言われぬ幸福感に酔いしれていた。
ずるりと肉棒が抜け落ちる。愛液と精液にまみれてドロドロだ。射精をしきった肉棒は萎えて、少しその大きさを和らげていた。
それが抜けると、妙子の膣からぶぴゅっと精液が噴き出てきた。中に納まりきらない精液を追い出すようであり、裏を返せば、膣の中はもう余地がないくらいにいっぱいに満たされているのだろうと思われた。
「ふぅ、気持ちよかった。妙子ちゃんはどう?」
「は、はひ……気持ち、よかったれす……♥」
アクメの衝撃がそうとうすさまじかったようで、彼女は朦朧とした顔つきでそう返事した。まだその余韻に浸っていて、ときおり身体がビクッと震えるときがある。今は肉体をもっている感覚すらなくなっているのではないかと思うくらいの酔いしれ方だった。
「あ、終わった? ……って、うわぁ、すっげぇ汗だくじゃん。ずいぶんアツアツのセックスしたんだなぁ、はははっ」
それを見た須藤はケラケラと笑った。彼の言う通り、妙子は全身が汗にまみれて、太ももに書かれていた卑猥な文字もこすれて滲んでいた。
「今日はまだまだ俺の相手もしてもらうんだからさ、妙子ちゃん。汗だくが気持ちいいのかもしれないけど、さっさとシャワーを浴びて汗を流してセックスしようぜ。休ませてなんかやらねぇからな」
彼のその言葉も、どこまで聞こえていたかは分からない。ただ、まだまだ気持ちよくなれるということだけはハッキリと理解できたのか、妙子はほんの少しだけ口角をあげてそっと目を閉じた。
読んでいただいてありがとうございました。劇場版のブルーレイが発売されたことに触発されて書きました。妙子ちゃんを見ているとムラムラします。