※pixivからの転載 (正&)良←利前提の♂モブ利(DC) 結界師最終回後未来パラレル。スマホを使って年上の男性と「お付き合い」している中学生利守の話(小学生の頃から致してる描写有)。
▼遂に手を出してしまった♂モブ×♂キャラもの……どちらかというと自分が利守みたいなかわいい子(二次元)をどうこうしたいと思っているがゆえの産物です。黒髪ショタかわいいよhshsあっお巡りさん違うんです
▼真面目に話すと、役目がなくなって、もう普通の道を歩んでもいいという番人の家の中で身の置き所がなさそうだなぁと利守は 昔でいったら部屋住み的立場だったでしょうし 兄達に抱いているのは恋愛感情ではなく真の意味での「コンプレックス」 
お題は「恋愛に関するいくつかのお題」より。

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白い内股

 気がついたら上の兄は家を出ており、下の兄とは接する機会が多かった。実質上、2人兄弟といっても過言ではない。それでも、良守にとっては、やはり正守も兄弟だったのだ。それに気がついたのは比較的早く、それでも現状を打開する術など知らなかった。ある事すら気付かなかった。

 小学生の時だっただろうか。下の兄と共に風呂に入る機会はよくあった。夜の烏森を守る任についていた兄の傷は、日を経る毎に増えていったのを何とはなしに数えていた。湯船に浸かる兄が、傷に顔を顰めるのも見た。それを見て、まだずっと幼かった自身は尋ねた。

「そんなに痛いなら、やめればいいのに。もしくは、だれかにてつだってもらったら」

 けれど返ってきたのは、苦笑だった。

 

 丁度、今日の「お付き合い」の男性と、あの日の良守の顔は似ている。当たりを引いた。そう思いながら、腰を掴まれる。成長途上の腹はまだ薄く、この体格の大きな青年の両手に易々と覆われた。

「動くよ」

「ん」

 薄暗い照明、逢い引き宿の安いスプリングが軋む。呼応した利守の、声と息が次第に上がっていく。サイドボードにマットレスがぶつかると、自身がこのホテルに入る際に性別と年齢を偽る為に使った長い黒髪のウィッグがこぼれた。

 さすがに出会い系の御用達の逢い引き宿といえど、どう見ても未成年の少年が入るのを無視は出来ないのを承知の上での「約束」だった。30才は越えていないだろう、まだ若い男性は愉しげに利守の腰を揺さぶる。利守の心は乾いていたが、下からもたらされる熱が俄に潤わせ、変声を経たばかりの小さな喘ぎ声を漏らさせた。中々にどうして、今日の「相手」は自身を悦ばせる。

 利守は半裸のカッターシャツ、普段学校に通っている時に着ているものだ。相手がそれを強請ってきたのだ。中学生の少年と寝るという背徳感をより高めたかったらしい。いつもなら無視する相手の要望も、どこか次兄に似た笑顔が利守を絆した。汗で湿ったシャツは背中や腕に張り付き、薄い筋肉のついた男性の腹にその裾が掠める。もうこの相手の逸物が利守の後腔を穿って長い。ゆるゆると利守の中を探っていたそれは、利守が自分自身を彼の腹にこすりつけて膨張させる毎に奥を打った。相手の体から手がずれ落ちる。ベッドのシーツにしがみつく。相手の腹が肉薄した。体液の混ざったにおいが、する。

 去来するのは、想い出。

 それを塗りつぶし、今、吐き出すように喘ぐ。次第に強く揺さぶられ、熱が上がった。

「……はっ、あ、そこ」

「ここかな」

「あ、そこ、もっと強くっ……」

 低く囁かれ、質量を以て穿たれた点で一瞬、意識が飛ぶ。そこが、間違いなく自分の「気持ちの良い」ところだ。ここで絶頂出来る程にはまだ敏感ではないが、既に何度も経ていた「体験」で、それはわかっていた。情欲で見下ろしてくる利守に、相手も興が乗ったらしい。半身を起こし、利守を抱え直した。

 キスできる程の近さ。

 我を取り戻しそうになった利守に、青年は強く穿ち直した。いつの間にかひどく膨らんでいた青年の男根は、利守の開発されていた後腔を深く突き立てる。体勢が崩れて利守が俯せになる。そのままベッドに引き倒され、足を抱えられた。体位が変わり目も回る。何度も「良い」ところを突かれ、腹筋同士で自身を擦られ、利守は常の冷静さをかなぐり捨てて喘いでいた。このホテルに来るまでに自身の態度を見ていた青年も、余裕を失った少年に食らいつく。利守は青年の背中に手を回す。大きな体は、利守の手はまだ回りきらなかった。汗で湿った黒髪をシーツに乱し、首筋を舐められ囓られる度に爪を立てる。暴れる足はしっかりと抱え込まれて動かせない。今日はどうしたのだろう、と利守は自分でも内心で驚く。いつもよりもずっと満足のいく相手だ。今後も「お付き合い」を続けようか。どこか頭の別のところで冷静になりながら、不意にやって来た絶頂に声を上げそうになる。

「や、――っ」

 後腔を締め付けると、体内で逸物が震えた。腹の間で吐き出される自身の精。荒い息を上げながら、ふと、緩められた足の拘束に目をやる。

 そして、急に心が冷めるのを感じた。

 

「色が白いの、コンプレックスなのかな」

 帰り際。夕暮れ時の町中、ウィッグを鞄の中にしまった利守は、相手の青年にいわれて顔を上げる。「次」の約束は既に取り付けてある。遊び相手としても好感の持てる相手だった。自身が愛情に欠けて育てられたとは思っていない。それでも同年代よりも、年上と遊ぶ方が楽しく感じられる。相手がそんな事を言い出したのは、そんな事を考えていた時だった。夕暮れに、日焼けしていない利守の顔が浮かぶ。黒い円らな目を瞬く利守に、相手は笑った。嫌味のない苦笑だった。声を低める。

「……さっき、足に、つけたら赤くなったところを睨んでたし。もうすぐ夏なのに長袖だから、日焼けでもしやすい質なのかなって」

「あまり暑さを感じにくい質みたいで」

 それは嘘だ。昔から夏になれば直ぐに半袖のTシャツを引っ張り出した。ボーダーのそれは今でも気に入っている。ただ、こうして「遊ぶ」時は、意識して長袖を着ていた。その心理の裏面を知っているからこそ、利守は用意しておいた答えをいう。

 それに、彼の言葉は的外れだった。少しばかり媚びた微笑を乗せていう。

「貴男の『しるし』が、気になっちゃって」

 正確には、キスマークがひどく目立つ自身の白い太股。改めて自分の体を見て、自分と兄の違いを絶望していたのだ。

 白い内股。嘗て次兄と風呂に入った時、彼のそこにまで傷が至っていた。「危うく持ってかれるところだった」と彼にしては珍しい下ネタを含めていっていたその傷は、妖と戦って出来た傷だ。

 歴代の責務を負い、決意を背負い、その為に負った傷だ。

『痛くても、俺自身が決めた事なんだよ』

 多分、あの時の良守は、自身の言葉の意味を自身でも正確には理解していなかっただろう。しかし、それは確かに、利守にその重みを伝えた。

 あれから数年後、次兄はその責務を果たした。けれど決して、その重みから生涯抜け出しきる事はないだろう。それを受け継ぐ事の出来なかった長兄もそうだ。

 そして、何の責任も持っていなかった自身は、白い手のままだった。内股にまでその責務の跡を残した彼に対し、自分は、何の欠片も遺されず――

「じゃあ、また今度。機会があったら」

 少しだけ手を触れて、それから手を振る。機嫌が良さそうに手を振り返してくる彼に、既に掌中におさめたと確信する。

 母が永遠に帰ってこない。それを知ってから数ヶ月後の事だっただろうか。寒かった記憶はある。偶々ひとりで遠出をしていた時、知らない男性に声を掛けられた。丁度、兄ぐらいの年頃だろうか、と思った。その眼の奥にあるものに気付きながらも、その手を取り、連れ込まれた部屋で「男が男に喰われる」やり方を教わった。どうやらその後彼は捕まったらしい、とローカルニュースで知った。自身は被害を名乗り出ていない。被害だとは思っていなかった。

 長兄は益々実家を空け、次兄は隣家の少女と親しくなり、祖父は隣の老婦人と茶を飲むようになった。父は仕事に打ち込むようになった。元より友人と遊ぶ自身が、買い与えられたスマートフォンを利用して、家の空白を男で埋めるようになったなど、家族は誰も知る由はない。

 誰も、知る由はないのだ。一晩で消える情交の傷をつける末息子の事など。

(こんな事ばかり、うまくなってもな)

 本音はそれだった。しかし、傷のない内股につけられた赤い跡が、自身の埋めがたい空白を埋めてくれる事は、今夜は確実だった。

 

 

白い内股

(傷も何も、なにもない)

 

 

 

 

End.


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