オリジナルヒロインと鶏の神使、軍司野オリジナルストーリー。
社の外へ出たことのない神使を連れ出した人間の女性。
軍司は何を感じたのか。
エロ有りです,ヒロインは狐とできていますが、寝取られとかではありません。
九百年以上も外には出た事はないと聞いたとき、女は驚いた後、突然笑い出した。
何がおかしいのか、神使である軍司にはわからなかったが、何故か、女の顔を見ていると自分も笑ってしまった。
正直、何故なのか、自身にも軍司にもわからなかった。
街に、外に出てみないと女我突然言い出したのは驚きだった。
人間の願いを聞く神様の使いなら、今の時代に生きる人間の事を知っておくのも悪い事ではないでしょうと、そういわれた時、軍司はすぐには事ができなかった。
だが、言われてみれば確かにそうかもしれない。
今まで、外に出てみようなどと、そんな気持ちにはならなかった。
亘里と共に長い時が流れてゆくのを不満も疑問もなく、ただ生きてきた。
宮司である久龍照正が、自分達の姿を見ることが出来るようになったのは最近
のことだ。
初めて、神使である自分の姿を見たときの照正の顔は今でも覚えていた。
初めて見たと、まるで幽霊か、化け物でも見るような顔だったが。
それなのに、この女は。
神社の階段を一歩踏み出し、振り返る。
笑いながら女が手招きと同時に声をかける。
神眼を持たない人間の女が、ただの女が,自分を誘っている。
外の世界を見るということに迷いがない、不安がないといえば嘘になる。
初めてだった、社の外に出たのは。
見るもの全てが自分を驚かせることに恐れを感じる。
生きている者なら、当たり前に感じる感情かもしれない。
社の外の世界は想像していたよりも大きく、騒がしく、全てが目まぐるしく動
いていた。
ここで人は生きているのだ。
生きる力に溢れている、それは自分にはないものだ。
羨ましい、ふとそんな事を思った軍司に女が声をかけた。
「軍司様、お腹、減ってません、何か食べましょうか」
公園の屋台、物売りで焼きそばというものを買い、地面に座って食べる。
翼では箸を持つのも大変だろうと、女の手が嘴のそばまで運んでくれる。
まるで、卵から羽化したばかりの雛鳥になってような気分だった。
だが、不快ではない、悪くはない。
神使の自分は、こうして甘えた事があっただろうか。
自分を、この世界に産みだしたものの記憶はないが。
「わあっ」
突然、聞こえてきた子供の声に軍司も女も驚いた。
目の前を通り過ぎようとした子供が、こちらを見ている、そう、見ていることは別に不思議はない、だが、その視線は。
軍司は、わずかに首を振った、すると子供の目も表情も動く。
まさか、いや、子供が見ているのは。
「大きなコケコッコーだ」
その声に、透りかかった大人も足を止める。
軍司は驚いた。
自分の姿が人に見えている。
神眼を持たない普通の人間に見えているということに驚いた軍司と女は慌てて神社に帰った、途中で、すれ違う人に好奇と驚きの目で見られたのはいうまでもない。
神使である軍司の姿が人に見えたということに、もう一人の神使、亘里も少な
からず驚いた。
どうしてなのか、理由がわからない、もしかして神使としての命が尽きようとしているのだろうか。
「そんな事はございませんっ」
亘里は否定するように大きな声で叫んだ。
そばで話を聞いていた久龍照正も驚いた。
ならば確かめてみようと社の外に出てみた、丁度、参拝客がいたのを幸いに二人の神使は静かに目の前を横切る。
だが、異変はない。
自分達の姿は見えていないのだ。
では、何故社の外に出た時には見えたのだろう、わけがわからない。
「軍司様、外に街に出掛けられたのですか」
久龍正照は驚いた。
「ああ、どんなものかと思ったが、人の世界はなかなかに興味深く、おもしろ
かったぞ、照正」
「そ、そうですかっ」
緊張と驚きで声が、わずかに上ずったものになる。
この鶏の神使の姿を見て人々はどう思ったのか、老人は考えるだけで冷や汗が出る。
だが、そんな正照の心情など気づきもせず、軍司は会話を続ける。
「焼きそばというものを食べた、初めてだが、あれはなかなかうまかった」
「や、焼きそばですか」
この時、宮司の正照は気づいた、軍司は一人で外に出たわけではないのだということに。
「アイスクリームもな、甘くて冷たく、不思議な食べ物だ」
「ほう、それは私めも食べてみたいものですな」
亘里が興味をそそられたような顔と口を開く。
「ぐ、軍司様っ」
「亘里、お主も食べてみるか、儂が気に入ったと言ったら、買ってくると言っ
ておったぞ、あの、女」
「軍司様、女というのは、人間の女性でございますか」
「そうだ、正照、どうした、そのようなかおをして」
「は、いえ、その」
自分でも、何が言いたいのか、最後にはわけがわからず、照正は額の汗を拭きながら言葉を濁した。
以前と違い、自分は変わっているような気がする。
日差しも空気も風の心地よさも変わらないのに、自分の心が、気持ちが変わったせいだろうか。
「軍司さん、はい」
嘴を開けると氷のような冷たい感触が喉を通る。
「水蜜桃か」
「当たり、缶詰の桃をピューレにしてミルクと合わせてシャーベット風にしてみたの」
夜の風は少し冷たいが、気にする程ではない。
食べ終わり、社の中を歩きながら一番大きな木の蕎麦に来ると女は顔を上げて空を見た。
数日前の出来事を思い出し、自分の姿が見えたことに驚いたと話す軍司に女が、また街へ行きましょうと話しかけた。
「新しいものを、世界を見るって、いいでしょう」
嫌だとは言えなかった。
「そうだな、ところで、気になっていたのだか」
神眼を持たない女が自分の姿を見ることができると言うことに疑問を抱いても答えは出ない。
気になるのは匂いだ、その言葉に女が不思議そうな顔をしたのは無理もない。
「最初はわからなかった、香でも焚きしめているのかと思ったが」
「香水はつけてないけど」
すると軍司はくびを振った。
「獣の、狐の匂いだ」
風に揺らぐ木々の葉や枝はざわめいていた。
まるで、自分のしてる行為を諫めるような声だ。
だが、そうだとしても、軍司には止める事はできなかった。
女の全身を抱きすくめると、自分の体を重なるように擦りつける。
神使は巫女を、汚れない乙女を欲する儀式は古くからある。
だが、この女は違う、若くて汚れなき乙女ではない。
男を知り、神使と契り、欲望を満たしている女だ。
最初のうちこそは拒む女だった。
だが、抱きすくめたままでいると最後には小さな溜息をついた。
しょうがないといわんばかりに自分の体に細い手が回される、すると軍司は自分が卵の殻に包まれているような気分になった。
白い衣の下に隠していたもの、全てをさらけ出した。
神使の顔の下に隠れていたのは、人のような、獣のような熱と欲望だった。
翼の先で女の顔を、肌を撫でて、欲望を、煽り立てている軍司は、いつもとは
変わらない顔だった。
だが。
「怖い、顔」
と女の呟きに、思わず困惑した。
「そうか、怖いか」
「でも」
白い指先が嘴に触れ、目元を撫でる。
柔らかな仕草に思わず目を閉じた。
狐はどんな風に、この女を。
時折、女が目を閉じて、うっとりとした表情になるとき、思い出しているのだろうか。
「濡れてきた、挿入して、いれて」
声に促され、衣の下をかき分けるように手を伸ばす、女もズボンを下ろし、もどかしいといわんがりに脱ぐと抱きついてきた。
熱く大きくなった獣棒を身を屈めながら、女の、そこへと押し当てる。
根元まで飲み込んでいくのを感じながら、軍司は女の尻を抱え込むようにし
て、その体を抱き上げた。
今、この瞬間、女は狐のものではない。
自分のものだ、そう思うと軍司は何かに突き動かされるように腰を振った。
女の体、すべてを満たす、頭すら足のつま先まで全てを自分で一杯にして。
自分の名前を呼ぶ女の声は狐ではない、自分を呼んでいる。
今、この瞬間、軍司を満たしているもの、それは神使にはあるまじきものだった。