それで今回のロマロはあくまで脇役です。
ファンキル学生寮のカドケウスの部屋で、いつもの三人がお菓子を食べながらお喋りをしていた。
「あ、これ美味しいわね。トマト味のポッキー」とケーリュケイオンが眉を上げて、新発見をしたかのように言い出した。
「でしょう?でもこれね、人気がないのかあんまり売店で売ってないの」とロンギヌスが面白くなさそうに口を尖らせながらそれに答えた。
「そりゃそうよ。これってかなりマイナーだからねぇ」
カドケウスがそう言いながらも、何本も一気に手に取って、それをポリポリと美味しそうにかじって言った。
ロンギヌスはその彼女が手に持つ五本位のポッキーを、眉を寄せて何か言いたそうな顔で眺めている。
このロンギヌスとケーリュケイオンとカドケウスの三人は、あの神獣ローパーの子供のロマロの事で、あれからマスター抜きで、何度も報告会を開いていたのであった。
今日はカドケウスの部屋で、お茶会がてらの報告会である。
雑談が一区切りついたところで、ケーリュケイオンがロンギヌスに訊ねた。
「それで、ロマロの調子のほうはどう?」
ケーリュケイオンは、ロンギヌスの胸の膨らみに挟まるようにして、その胸元から顔を出しているロマロに手を伸ばした。
ロマロはその手に触手を軽く合わせてくる。たぶんこれがロマロの挨拶の仕方なのだろう。
ロンギヌスがそのロマロを見ながら答えた。
「うん。特に問題はないみたい。でもロマロの変化と言うなら、ロマロの体の表面がだいぶ固くなってきて、少し重くなった感じがするのよね」
「ふむ」
ケーリュケイオンはそのままロマロの体を指で少し触ってみた。
確かに少し前までは脆いゼリーのような感じだったのが、今はこんにゃくのようなしっかりとした弾力を感じさせている。それに体表の色合いのほうも、だいぶしっかりとしてきているようだ。
ロマロが嬉しそうに身をくねらせてくる。
ロンギヌスには到底及ばないが、自分にもだいぶ心を許してきているように感じられた。
ケーリュケイオンはもう既に、ロマロの命に対する危機は去ったと思っていたが、一応まだロマロに対する注意とその対応策は、ロンギヌスに継続させておいた。
それは、気になる事がまだ色々とあったからだ。
その中でも、一番気になっていたのは、ロマロが愛を活力源とする点において、どこまでの範囲でそれが適応されるのかどうかである。
どうやら、マスターのロンギヌスに対する愛は、体内に取り込んだらしいと、ロンギヌスの拙い説明から推測は出来た。
(ロンギヌスが照れまくりで、ほとんど話にならないので推測止まりとなっている)
母親役であるロンギヌス以外の愛も取り込むのなら、それはいったいどこまで有効なのであろう。
例えばマスターの時は、マスターが父親役だからあり得た事なのだろうか。
全くの他人の愛は問題外として、例えば、同性間の友情の延長上にあるような愛とかではどうなのだろう。
そう言った事が、ケーリュケイオンには気になって仕方がなかった。
ケーリュケイオンが少し身を引いて、様々な可能性を考えていると、目の前のロンギヌスとカドケウスの二人のじゃれあいがちょうど目に入った。
ロンギヌスがカドケウスの手を抑えて、ポッキーを取り戻そうと頑張っている。
カドケウスが欲張ってたくさんの(今回は十本も持っていた)ポッキーを手にしているのが、ついにロンギヌスは我慢出来なくなったらしかった。
「もうっ。カドちゃん、一気に取りすぎ!!」
「いいじゃない♪ケチケチしないの」
「ケチで言ってるんじゃないの!ちゃんと一本ずつ取って食べなさいっ!」
「どうせ全部食べるんだから一緒でしょ」
「だーめ!」
二人はきゃっきゃっと笑いながらふざけあっている。
端から見ると、とても微笑ましい光景だ。
ロマロも何か楽しそうに見える。
ケーリュケイオンはしばらくそれを見つめて、密かにニヤリと微笑んだ。
今回はカドケウスが負けたらしく、大人しく一本だけを手に持って、ポリポリと食べるようになっていた。
カドケウスはしょうがないなぁと言った感じであり、ロンギヌスは満足そうに微笑んでいる。
二人が落ち着いた頃を見計らって、ケーリュケイオンが言い出した。
「さて、ロマロの件だけど、一応確かめておいたほうが良いだろうと思うことがあるの。それはね、マスターが不在な時でもロマロに愛の栄養補給が出来るかどうかと言う事」
「え?それってどういう意味?」とロンギヌス。
ケーリュケイオンは説明を始めた。
「マスターと接する事でロンギヌスから愛の波動が出て、それがロマロの活力になるのはもう分かっているわ。あとそれに、マスターからも同様ね。でもそれは貴女とマスターに限っての事なのかどうかが知りたいのよ。例えば、友達同士のいちゃつきによって発生する愛でも良いのか、とかね」
カドケウスが何度もまばたきして訊ねた。
「ほえ?友達同士?」
カドケウスとロンギヌスの目が合う。
「そう。貴女達みたいな親友同士ならどうなのかしら」
ケーリュケイオンは興味津々な顔を見せた。
「「ええ~っ!?」」
「カドちゃんと私が?」
「私とロンギヌスが?」
二人とも同じように驚いてはいるが、別に嫌だと言っている訳ではなさそうだ。
ケーリュケイオンはまずロンギヌスを説得するように言い出した。
「これはロマロの為にも必要な事よ。もし今までみたいにマスターにばかり頼っていて、マスターの助力を仰げない時がきたとしたら大変だわ。もしもの事を考えて色々試しておくべきよ」
「う……それは分かるけど」
ロンギヌスはロマロを見てモジモジしている。
「嫌なの?」とケーリュケイオンはズバリと訊ねてみた。
「え?ううん!そんな事ない」
ロンギヌスは慌てて答えた。
「なら決まりね」
「……はう……」
ケーリュケイオンは今度はカドケウスを見た。
「あなたは?」
「やる!!」とカドケウスは即答してくる。
カドケウスはとても愉しそうな笑顔を見せた。
「ロンギヌスとイチャイチャするんでしょ?全然オッケー♪だって私ロンギヌス好きだし。」
「カドちゃん……」
ロンギヌスは驚いたように見つめた。
カドケウスはロンギヌスを見つめ返して言った。
「好きじゃなきゃ、あんなにちょっかいかけないよ。気付いてなかったの、ロンギヌス?」
「……ううん。好かれている感じはしてた……」
カドケウスはニッコリ笑った。
「良かった。ロンギヌスは私の事好き?」
「……」
「ん?」
「うん。私も……好きよ」
カドケウスはそれを聞くなり、自分のパジャマに手をかけ脱ぎ出した。
「じゃ、やろ♪」
「……え?」
「善は急げよ」
「ちょ、ちょっと待ってカドちゃん……」
「いーから脱ぐのー」
「はわわわ」
ケーリュケイオンはそんな二人を見て笑いながら、そっと部屋を出ていった。
「ロンギヌス……やっぱりあなたの胸、少し大きくなってきてるわよ。マスター効果?」
ロンギヌスの真正面に座っているカドケウスが、彼女の胸を優しく揉みながら言った。
二人ともすでに全裸になり、ベッドの上で向かい合わせに女座りの姿勢で座っていたのだった。
「そ、そうかな……?あんっ……」
ロンギヌスはカドケウスのその巧みな触り方が気持ち良くて、つい喘ぎ声をあげてしまった。
マスターとはまるで違う、柔らかい滑らかな手のひらの感触と絶妙な力加減がとても新鮮だったのだ。
慌てて口を閉じたが、目の前のカドケウスがニヤリと笑って、その手を止めずにからかうように言う。
「それに感度のほうもなかなかのようね♪」
「……はわ……」
カドケウスは真下にいるロマロに目を向けて訊ねてみた。
「ねえ、ロマロ。ロンギヌスはいつもどんな感じでマスターに攻められているの?」
「ちょ……カドちゃん!?」
ロマロはしばらくロンギヌスの太ももの上でウネウネ身をくねらせていたが、その内に細い触手をスルスルと伸ばしていった。
「あ、あ、待って待って……ねぇ、ロマロ……」
ロンギヌスはロマロを制しようとしたが、その前にカドケウスにその手を抑えられてしまった。
ロマロの触手がロンギヌスのわき腹をさする。
「あ、やっ」
「ふむふむ。やっぱりわき腹か」
カドケウスがロマロの教えられた通りに、その場所に手を触れさせていく。
「ひゃわんっ」
次にロマロの触手は胸の膨らみに伸びる。
「きゃ」
「なるほど。そうしてからの胸への愛撫ね」
「……あんっ」
そしてロマロの触手は次にロンギヌスの唇を触り出した。
ロンギヌスは恥ずかしさで知らない振りをしている。
カドケウスは微笑み、舌を出すと自分の唇をペロリと舐めて湿らせた。その唇が艶やかに光った。
カドケウスがからかうように言い出した。
「あっれれ~?おっかしいぞ~?私の右手はあなたのわき腹、そして左手はあなたの右胸をすでに触っているのに、ロマロはもう一本の触手で、あなたの唇を触っているなんて~?これは~、いったいどうすればいいのかな~?」
ロンギヌスは耳まで真っ赤にして黙ったままだ。
カドケウスはロンギヌスにスッと顔を寄せて呟いた。
「こうかな?」
カドケウスはロンギヌスの唇に唇を重ねた。
ロンギヌスは驚いたような表情を見せたが、彼女はいつものクセでその唇を開いてしまっていた。
そう、彼女がマスターとキスをする時は、マスターの舌がいつも彼女の口の中に入ってくるので、その舌を味わおうとするクセがついていたのだ。
カドケウス自身もロンギヌスが唇を開いてきた事に少し戸惑ったが、思いきって自分の舌をロンギヌスの中に差し入れてみた。
すぐにロンギヌスがその舌を口の中に向かい入れて、自分の舌をネットリと絡めてくる。
舌と舌がロンギヌスの口の中で踊りあい、お互いの唾液が混ざり合う。
この舌で触れあう口の粘膜の感触がとても気持ち良くて、二人は呼吸を荒くしてしばらくお互いの口の中を探りあっていた。
「……うんっ、んんっ……」
「……んっう……」
カドケウスがロンギヌスにのし掛かり、更に彼女の唇をむさぼり始めた。
「……あっ、んうっ、ま、待って……カドちゃん……息が……」
だが、カドケウスはまるでやめる気配を見せない。
それどころか、カドケウスの手がロンギヌスのさらに弱い所を探すように、肌の上をさ迷い優しくさすっていく。
ロンギヌスは、カドケウスの女の子らしい柔らかいタッチングの気持ち良さに、全身を震わせていた。
カドケウスのほうは、もう何か愉しくて仕方がなかった。
それはもちろん、ロンギヌスの反応がとても素晴らしかったからだ。
彼女の肌の敏感そうな箇所をほんの少し触るだけで、彼女は気持ち良さそうに身をよじり、喘ぎ声をあげる。
それが演技である訳がなく、本気で感じてくれていると分かるので、自然とこちらも熱が入ってしまう。
そして、相手をもっと気持ち良くさせてあげたい、もっと感じさせてあげたい、そしてその乱れる姿を見たい、可愛い喘ぎ声を聞きたいと強く願うようになってしまうのだ。
ロンギヌスはカドケウスの匠な手の動きですぐに絶頂に導かれてしまった。
ロンギヌスはお返しに体の位置を変えて、舐めることでカドケウスに愛撫を返していく。
マスターには恥ずかしくて出来ないような事でも、親友のカドケウスには色々試すことが出来た。
カドケウスも持ち前のイタズラ心を遺憾なく発揮し、お互いが気持ち良いことを見つけていく。
特にロマロに手伝って貰う特殊なプレイは、二人の身体を更に熱くさせて、絡み合って一つに溶けてしまうかの如くの快感を感じさせた。
だが、そのプレイの内容は恥ずかしすぎて、絶対に誰にも話せない程だったので、もうこれは二人だけの秘密にしようと、お互いに誓いあったのだった。
二人が愛し合っている途中で、ロマロはカドケウスの愛のこもった液体も自身の体に取り込んでいた。
とりあえず、この試みは大成功といった所だろう。
お互いが何度も絶頂を向かえて、心地よい倦怠感に包まれた二人は、寄り添いながらベッドに寝そべっていた。
カドケウスはそのままスヤスヤと眠ってしまったようだ。
ロンギヌスはその可愛い寝顔を見ながら思った。
(これからカドちゃんの事、すごい意識しちゃうのかな……私。……分かんないや。だけど、カドちゃんは大丈夫なんだろな。この子の事だから、ちゃんとみんなの前ではいつも通りに普通に接してくれそう。……あ、でもでも、私と二人っきりになったらどうかな?いきなり、何て事も……はわわ)
ロンギヌスはその時の光景を夢想して慌てていた。
寝ながらカドケウスが更にロンギヌスにすり寄ってきた。
カドケウスはロンギヌスの顔を自分の胸に押し付けるようにして抱き締めてくる。
ロンギヌスはカドケウスに抱かれながら、彼女の匂いを感じていた。
彼女の何となく甘い体臭が鼻孔をくすぐる。
ロンギヌスは、頬にカドケウスの柔らかい胸の感触を感じ、彼女の優しい香りに包まれて、幸せな気持ちで次第にまどろんでいった。
……何かが顔の前を漂っていた気がする。
唇に何かとても柔らかい感触があった気もした。
ロンギヌスは眠気でまだ重たいまぶたをうっすらと開けた。
すると、そこにはカドケウスのいつものイタズラっぽい笑顔が、こちらを覗き込んでいた。
彼女はもう学園の制服に着替えている。
「おはよう、ロンギヌス」
「あ、おはよう……。カドちゃん」
「こぉら!私の事はカドケウス様って言わなきゃダメって言ってるでしょ?」
起き抜けなロンギヌスは頭がまるで回ってなくて、慌てて謝った。
「はわ……そ、そうだった!ご、ごめんなさい、カドケウス様ぁ……」
そんなロンギヌスをカドケウスはいとおしげに見て笑った。
「うふふ。冗談よ♪ロ~ンちゃん」
「……ふえ?あ、ひど~い!カドちゃん!!」
「あはは。ゴメンゴメン。ロンはホントに可愛いわね。でもそろそろ起きなきゃならない時間よ。その全裸の姿もいいけど、やっぱりもう着替えなきゃね」
「え、あ!きゃっ!」
ロンギヌスは急いで毛布を胸元に引き上げた。
カドケウスはロンギヌスの着替え一式を差し出してきた。
どうやら部屋まで行って用意してくれたようだ。
制服の上に下着が綺麗に畳まれて乗っている。
ロンギヌスはお礼を言って着替え始めたが、カドケウスがずっとじーっと見ているのが、気になって仕方がなかった。
何とか下着の上下を付け終えてカドケウスのほうを見ると、カドケウスはカメラを構える仕草をしていた。
「もうっ」
ロンギヌスは枕を投げつけてやった。
「あはは」
カドケウスは逃げずにその枕に当たってあげている。
ロンギヌスは手早く制服を身に付けた。
それを見届けたカドケウスが手を差し出しながら、扉を開けた。
「さあ行こっ、ロンギヌス♪」
ロンギヌスはその手を無意識に取ろうとして、ふと立ち止まり思い悩んだ。
果たしてこれは、いつもの友達同士の触れあいなのだろうか?
それともこの夜の営みを経ての、愛し合った者同士の触れあいなのだろうか?
だが、その戸惑いも一瞬の事で、ロンギヌスは元気良く返事を返してその手を取った。
「うんっ!行こっ、カドちゃん」
どちらにしても、今のロンギヌスにとって、カドケウスが差し出したその手を取らないという選択肢はなかったのだ。
二人は仲良く手を繋いで、お互いに笑顔を浮かべながら、並んで寮の廊下を歩き出したのであった。
そう、それはまるで愛し合う恋人同士のように。
{終わり}
推し姫二人のイチャイチャ……。
とても良いですっっ!!
でも、どんなプレイを二人はしていたのか?
それに、ロマロが手伝う特殊なプレイとは??
それはたぶん、皆さんの思っている通りのかなりいやらしい事をしていたのでしょうね(笑)。
ああ、とてもオイラにゃ書けなかったよ……。
残念残念。
さてオマケを続けるか、本編を飛躍させるか、新作を作りあげるか、迷いどころですね。
ご感想あればもしかして……?
ではでは、またその内に。
(^-^)v