黒森峰が決勝戦でプラウダに負けた際、川に転落したⅢ号に乗っていたのはエリカ、という設定に基づいてます。
グロテスク描写のためのグロテスク、ダークサイドのためのダークサイドです。
気分の良い作品では無いと思います。
自分が本当の意味でのダークサイドを書けないことを証明するための作品でもあります。
16/03/25(金)16:12:43 作成開始
16/03/25(金)17:42:35 執筆完了
タブレットにて作成。
・R-18描写あり
・残酷な描写あり(エリカ)
・大変に露悪的な作品です
・グロテスク描写のためのグロテスク
・ダークサイドのテストのためのダークサイドです
プラウダとの決勝戦の雨の中、川沿いの一本道。
キューポラの中で突如車体が傾き、一瞬自分の身体が浮き上がるのを感じた逸見エリカ。
気がついたときは手遅れ。
III号戦車は崩れた路肩から水かさの増した川に転落していた。
渡河処理は、してはいなかった……。というより、車体全体が水没してしまっては、手の施しようがなかった。
パニックになりハッチを押し上げようとする操縦手……水圧が高いのかうまくいかないようだ
真空管の無線機のスイッチに触れ、感電して濁った声を悲鳴をあげる無線手、
砲塔内で頭を打ち意識の混濁したまま水に浸かる装填手。
砲手とエリカは必死でキューポラのハッチを押し上げようとするが……。
やはり川底に完全に沈んだ戦車のハッチは開かない。
「操縦手、エンジン再始動!エンジン再始動!……がばぁっ!」
水を飲んだ。
操縦手の泣き叫ぶ声が静かになった…みんなここで終わりか……。
戦車戦車ばかりで、詰まらない人生だったなぁ……。
車体をゴツゴツとたたく音、ハッチをこじあけようとする音。
死神か。
少女5人の缶詰めの魂のお値段はいくらだろう。
エリカが意識を失いかけ、そんな事を考えてるうちに……ハッチが開いた。
完全に浸水した戦車の中に現れた死神は……西住みほ、副隊長、だっ……た……。
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次に目を覚ましたのは救護テントの中。
水没したIII号の5人、全員命に別状はない。
まだちょっと眩暈と疲れが酷い。
ようやっとベッドから身を起こし、助かったことを素直に喜んでいたところ……、
一番端のベッドで、西住みほ副隊長が真っ青な顔で震えていた。
「副隊長!あなたのおかげで死なずにすみました、ありがとうございます!」
「あのままだとみんな死んでたのに……助けてくれるなんて……!」
「ありがとうございます! ありがとう…うぇ、うぇぇぇ…!」
「あの、そう言えば…試合は…」
「…………」
エリカがお礼を言う前に、無線手がおずおずと尋ねた。
試合中の事故、西住みほはフラッグ車の車長。
車長が川に飛び込む前、誰かに指揮をまかせ飛び込んだはずだ。
ルール上隊員の乗り換えも可能、恐らく広い場所に出て、車長は西住まほ隊長と乗り換えて……。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
みほは青ざめた顔、光を失った瞳で、ガタガタ震えながら同じ言葉を繰り返していた。
黒森峰女学園は、突如車長がいなくなり、混乱に陥ったフラッグ車をプラウダのカチューシャ車に容赦なく砲撃され……負けた。
車長、西住みほが指揮を放棄し、水没車を助けるために川に飛び込んで……負けた。
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5人の命と優勝旗。
両者は天秤にかけられ、みほは命を取った。
だが、10連覇を奪われ、優勝旗はプラウダに渡ったのも事実。
試合停止の宣言はしたが、審判団に受理されたのは白旗が上がった直後
黒森峰とプラウダの戦車が一本道にひしめいていて、救護車両は辿り着けない。
ヘリも救助船も、悪天候でどこまで近づけたか……。
プラウダの非人道的行為に抗議すべき、との声も上がったが、西住しほ師範代と西住まほ隊長が頑として首を縦にふらなかった。
「もし我々がプラウダの立場であれば、同じ事をする。西住みほの失策だ」
隊長は……そう、言い切った。
つまり、私──エリカたちが死ねば良かったのだ。
或いは、救出が遅れて意識不明なり、半身不随なり……戦車を水没させた報いを受けるべきだったのだ!
黒森峰戦車道は鉄の掟、鋼の心。いじめなどはない。
反省会にて一通りの証言を済ませ、
「救出に飛び込んだ西住みほが悪い」
もしくは
「崖から転落したエリカ車が悪い」
以上のいずれを原因とするかで紛糾し、根本解明は棚上げとなった。
再発防止策策として、車長の前方注視の徹底と緊急時の乗員交代・引継方法の事前確認、
という対策のみが提案され、解散となった。
黒森峰女学園は鉄の掟、鋼の心、いじめなどはない!
……でも、制裁は、いじめではない……。
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みな心得ている。
顔を殴る者はだれもいない。
みぞおちに一発、
股間に蹴り、
誰かがエリカの太股にタバコを押し付けた。悲鳴を上げる。
悪意、悪意、悪意、容赦なく注がれる制裁。
向こうでは操縦手が絶叫を上げ、息を詰まらせる。
何をされてるかなんて考えてる暇はない、すぐ次の痛みが襲ってくる。
ホイスト? クレーン?何だろうあれは。
密閉された格納庫の天井から、縄がくくられたクレーンが降りてくる。
水の入ったドラム缶が運ばれてきた。
「水没しても死なない訓練しようね、逸見」
エリカの悲鳴は、みぞおちにまた一発……強烈な蹴りを喰らい、沈黙した。
逆さ吊り。
頭に血がのぼる。意識が遠くなる
全体重がかかる足首が痛い、千切れそう。
ガラガラとホイストクレーンが下がる音、ドラム缶が近付く……。
臭い、中身が……水じゃない!!
「水だよ。下水だけど」
「ああああああああ!!こばごぼっ!!」
臭い臭い臭い臭い臭いよ!!苦い、酸っぱい、しょっぱい!!
エリカはその液体が何であるか予想はついてたが……思い浮かべたら、狂う。
なので、背をエビのように曲げ、どうにかして水面から逃れようとした……が……。
無駄だった。
棒でたたかれ、水面に顔を押し込まれた。
自慢のアイボリー色のミドルヘアも、すこしきつい目つきの端正な顔も汚水まみれになり、
口と鼻から汚水と吐瀉物とが吹き出す。
……先輩や同級生たちの哄笑が聞こえる中、エリカはドラム缶の脇に放り出され、戦車の履帯を拭う油汚れにまみれたタオル1枚だけ投げつけられて、放置された。
5人全員が、制裁を受け、気を失い、正気を失い……。
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エリカが目を覚ます。臭い、たまらなく臭い。
何度もえづき、汚物を吐き出してから、身を起こす。
3人の乗員が這い寄り、身を寄せ合って泣いていた
みんな裸にされ、制服で隠される……身体の腹や背中に、ひどいあざや傷が出来ていた。
のこり1人……エリカ並みに気が強く、言動が高飛車と陰口を叩かれていた操縦手は……格納庫の隅で……気を失っていた。
汚物まみれの自分の状態では、3人の慰め合いの輪には入れまい。
倒れてる操縦手の近くに寄る……べきではなかった。
いや、まさか……そんなっ!
全裸にされていた彼女の股間には、
III号のレバーが深々と突き刺さり、
破瓜の血を床一面に広げていた
首からは「私はプラウダの雌犬です」と、
プラカードを掛けられ、手を後ろに縛られ
腹には「↓***」「初めては***」「**50ルーブル」などと、
……人間の尊厳を踏みにじる言葉が、マジックでいくつも書かれていた。
きれいな顔は台無し…白目を剥いて泡を吹き、鼻水と涙まみれで、ひく、ひくと痙攣していて……。
エリカは吐いた、汚物のみならず胃の中身すべてをぶちまけた。
コンクリの床に拳を何度も叩きつけ、血痕が、鼠色の床に、いつくも、いつくも広がっていった。
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制裁は表沙汰になることは有り得なかった。
ただ…処女を奪われ写真まで撮られた操縦手は発狂した。
翌日の全体ミーティングの最中に、いきなり制服を脱ぎ、机によじ登り、
血の垂れた性器や太股、マジックの落書きを、卑猥な言葉を叫びながら機甲科全員に見せつけた。
彼女は精神錯乱と判断され即時休養を命じられたが……この狂乱行為により「制裁」の内容は露見した。
情報統制は完璧。
誰もが口を閉ざし、外部には漏れない。
操縦手は「戦車を水没させた自責の念にかられ発狂し」た。悲しい事件だった。
ただ……制裁と言うにはあまりにも幼稚で苛烈、残虐かつ無意味な行為をした3年生8人と2年生7人は、船舶科、燃料科への転籍を命じられた
……以降の彼女たちの行方は知らない。
以降、プラウダ戦の敗北については緊急対策マニュアルに数行が追記されだだけで、誰も語ることは無くなった。
腫れ物を触るような扱いを受けたエリカたち4人は……ひとり、またひとりと転校していった。
エリカだけは、時々見る悪夢のフラッシュバックに苦しみながら、独り黒森峰に残った、
19名の減員を招いた黒森峰機甲科が再編成された後は、ふたたび車長に返り咲いた。
だが、もう一方の戦犯、西住みほは……。
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彼女は5人の少女の命を救った。これは事実。
しかし、勝つことを尊ぶ西住流として、フラッグ車を放棄するなど言語道断。
隊員からではなく、姉と母より、容赦ない叱責を浴びせられ続けていた。
「では、5人は水死しても良かったんですか!」
耐えきれなくなったみほは、思わずそう叫んだらしい。
「当然。柔道、剣道、合気道、死人の出ない武芸は無い。不可抗力の事故による死者の責は戦車道連盟が取る」
「5人が死んでも、黒森峰には何の咎もない事すら知らなかったのですか、貴女は」
彼女は、エリカの布団の中で涙ながらに語った。
心がズタズタに引き裂かれたみほ。
悪趣味な縫いぐるみが増え、それらの一つを抱きしめ、朝まで「ボコは何度でも負けられる、でも立ち上がってくるあなたが大好きだよ」とヘラヘラ話しかけ続け、
門限を過ぎても帰ってこないので、エリカが探しに行くと……コンビニで商品の賞味期限とバーコードをメモ帳にびっしり書き込んでいるところを店員に見とがめられ、
夕方、制服と革靴のままで学園艦を20キロランニングして足をパンパンに腫らし、スキップしかがら部屋に帰ってきた。
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……エリカは、苦渋の選択をした。西住まほ隊長に面会を求めた……。
「隊長。西住みほ副隊長には、西住の名を継ぐ資格はありません。
完全に発狂しており、副隊長を続けるに当たり、今後支障をきたす可能性があります」
「何を言う、犯罪さえ起こさねば、戦車の上で正しい指揮ができれば黒森峰、西住の名は汚れる事はない。
現に彼女は戦車では正しい指揮と判断をしており、実家でも折り目正しく完璧に振る舞っている」
エリカは怒りに震える手で、数枚の写真を取り出した。
深夜、パジャマとサンダル姿でコンビニ棚の商品を懸命に並べ替えるみほ。
ボコられぐまのボコに満面の笑みでナイフを突き立てるみほ。
爪が剥がれ、足首が見えなくなるくらいまで腫れ上がった足を見せつけるみほ。
……エリカの乳首に吸い付き、狂った瞳をカメラに向けるみほ。
狂ったみほ、笑うみほ、夜の校庭で空薬莢に放尿するみほ、それを飲むみほ……。
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鉄仮面のまほの表情が痙攣する。
みほを救うには、ひとつしか残されていなかった。
転校処分。
戦車から遠ざけるしか、みほを正気に戻す手だてはない。
……エリカは、同室のみほと大喧嘩した。
このキチガイ、二度と顔も見たくない、あんたの世話なんかするもんか、もう辞めてしまえ、と……。
西住みほは黒森峰唯一の心の拠り所、逸見エリカを失い、母に転校届の署名と捺印をもらって旅立った。
戦車道のない高校を探す旅に……。
エリカはひとりだけ残された部屋で、三日三晩泣き続けた。
みほが人間でいられるには、もうこの方法しかなかったと言い聞かせた。
彼女が、戦車に乗らずに、普通の高校生でいられるよう、悲しみのどん底で祈り続けた。