僕には遠距離恋愛中の彼女がいる。
沢渡ほのか。北海道出身の女の子だ。動物が好きで、将来は獣医を目指している。
初めて会ったのは5年生のとき。交換日記をしたり、二人で小樽や富良野まで遊びに行ったりもしたけど、僕の転校で二人の関係は途絶えてしまった。
その数年後、ほのかから手紙をもらって再会した。懐かしい友達としての気持ちがいつしか恋愛感情に変わり、付き合いだしたのは高3が終わる直前。ほのかから告白された。あれから2年と少し経つ。
高校卒業を機に、ほのかは東京の大学に進学した。北大にはほのかのお父さんが教授を勤めている獣医学部があるから、てっきりそこに進むんだと僕は思っていた。ところがほのかは僕のいる東京を選んだ。そして合格。4月から東京に住むことになったんだ。
それとは逆に、僕はほのかのいる北海道で受験した。二人が離れ離れになったことを知ったのは、ほのかに告白されたときだった。
以来、僕たちは遠距離恋愛を続けている。すれ違った想いで始まった交際ではあったけど、僕たちは順調に愛を育んでいる。
だけど東京と北海道は遠い。
最初のうちは時間や生活に余裕があって、お互いが住む物理的な距離も問題にならないほど会う回数は多かったと思う。心理的には同じ町で暮らしている恋人と変わらないつもりだった。
やがて授業が進み、高度で専門的なことを学ぶようになると、次第にそうした時間は取れなくなっていった。
……僕たちが付き合い始めて、すでに2年以上。実際に会える機会は前に比べて少なくなったのは事実だけど、僕のほのかに対する気持ちは少しも揺らいではいない。ほのかもそうだと、僕は信じている。
今日はほぼ3ヶ月ぶりのデート。東京の実家に帰省するのは正月以来だ。2月にほのかが北海道に戻ってきたけど、年度替わりはお互いの予定が合わず、ゴールデンウィークが過ぎてようやくの再会だった。ほのかの誕生日が近いというのも、会うための時間を捻出した大きな理由の一つだ。
ほのかにすぐに会いたくて、僕は空港からほのかのマンションに直行した。
「おかえり! 待ってたよ」
エレベーターが開くと、満面の笑みのほのかが僕を出迎えた。
「うわぁ、ビックリした! ほのか、ずっとここで待ってたの?」
「ううん、あなたが歩いてくるのがベランダから見えたから。玄関に入るのまで見てて、それからここにいたの」
「僕を探してたんだ」
からかうように言った僕の言葉に
「ち、違うよ! 風が気持ちよかったから外にいただけ!」
ややうろたえ、それでも頬をふくらませてほのかが抗議する。
「そうなんだ。残念……」
僕のガッカリした様子を見たほのかは、
「うそ。ホントは探してたの。だって、少しでも早く会いたかったんだもん」
あわてて打ち消すと、そのまま僕の胸に飛び込んできた。
そしてほのかが僕を見上げる。僕もほのかを見つめる。
「ほのか、ただいま」
「うん、おかえり…」
時が止まった……。
「ね、ねぇ…部屋、入ろう?」
わずかに頬を染めたほのかが上目遣いで僕に言う。
「うん」
いつまでもエレベーターホールで抱き合っているのも気恥ずかしい。誰かに見られたら気まずいし。
僕たちは手をつなぎ、ほのかの部屋に向かった。
「さ、入って」
「おじゃまします」
「あんまり変わってないでしょ?」
旅行バッグを下ろし、懐かしげに部屋を見回す僕にほのかが笑顔でそう告げる。
僕はそこに帰ってきたことが嬉しく、なおも部屋の中を見回した。と、寝室の扉が少しだけ開いているのが目に留まった。あわてて部屋を出た際、閉め忘れたのかな?
「そっちはいいの!」
それに気付いたほのかは視界をさえぎるように僕の前に立つと、はにかんだ声で引き戸を閉めた。
1DKのマンションのダイニングは一人暮らしのほのかにはちょうどいい広さかもしれないけど、さすがに二人ではやや狭い。それでも寝室に行くわけにはいかないので、僕たちはテーブルに並んで腰を下ろした。
「ねぇ、見て見て。今年から世話してる子だよ」
そう言ってほのかは戸棚からフォトアルバムを取り出すと
「ピュアアイもいい子だけど、この子も素直なんだぁ」
そう言ってページを開いて僕に差し出した。
「なかなか精悍な面構えだね。でも優しそうな目」
笑顔のほのかと一緒に写真に収まっている「その子」は、もうすっかり懐いているようだ。柔和な眼差しがほのかへの信頼を物語っているようにも感じる。
「あーあ、ピュアアイにも会いたいなー。どうしてるかなぁ」
遠くを見るような目でほのかが言う。
「会いに戻っておいでよ。ピュアアイもほのかに会いたがってるよ」
「私もそうしたいよ。でもこの子の世話とか学校の課題とか、こっちでやらなくちゃいけない用事もいろいろ多いんだもん」
少し悲しそうな声でほのかが答えた。
「こっちでの用事って、まさか他に仲のいい男が出来たなんてないよね?」
あせった感じが声に出たのが自分でも分かった。
「あるわけないじゃない! 私はあなただけ。……あっ、そういうあなたは他の子と仲良くなんかしてないよね?」
即答したほのかが逆に問いかけてきた。
気色ばんで否定したほのかに安堵する。
「あいにく僕を好きって言ってくれた女の子は、これまでの人生でほのかだけなんだよね」
安心した僕に、ついイタズラ心が芽生えた。言いながら肩を抱いて引き寄せる。そのまま手を下に滑らし、お尻をなでる。
「あっ、それセクハラだよ」
それに構わず、もう片方の手を使いほのかをこちらに向かせた。
「ほのか」
「………」
答えがない。それどころか、なんだか不安そうな目が僕を見る。
「ほのか」
もう一度名前を呼ぶと、ほのかは
「私のこと…好き?」
そう言って僕を正面から見つめてきた。
当たり前のことをなぜ聞くんだ?
そう思った僕はそれに答えなかった。
言うまでもない。人間としても、一人の女性としても、僕はほのかが大好きだ。その気持ちはほのかと男と女の関係になってから、より強まったと思う。
処女を捧げてくれたほのかのこれからの人生について、ある種の責任を自覚したのは本当だ。でもそれがなかったとしても僕はほのかと一緒に生きて行きたいとも思っている。僕たちはもう成人した大学生だ。具体性に欠ける子供の夢物語では決してない。
「このまままた離れたら……もう待つ自信ないかも」
「えっ?」
思いがけないほのかの言葉。
「だって、私が『好き』って言ってもあなたは『好き』って言ってくれないじゃない」
「………」
何か答えなければ。そう思うのに、混乱して言葉が出てこない。
「会えるのはうれしい。それはホントだよ。でもあなたがなに考えてるか全然わかんないんだもん。これじゃまるで私だけが好きみたいじゃない」
「あ…」
軽率さを気付かされる。
僕自身、わざわざ言わなくても気持ちは態度で伝わると思っていた。男は軽々しくそういうことを口にするものではないとも思っていた。それは間違いだった。今になって思い知らされた。
「言葉にしなきゃ分かんないんだよ、女の子は」
目にいっぱい涙を溜めたほのかが言葉を継いだ。
僕は急いで旅行バッグの置き場所に向かった。
そして中から小さな包みを取り出す。
「ほのか、これ」
渡す。
「なにこれ」
涙声。心が痛い。ほのかを泣かせた自分が許せない。
「ちょっと早いけど誕生日プレゼント。開けてみて」
困惑を浮かべて僕を見たほのかは、包装を丁寧にはがしていく。そして中身を取り出した。
「……ネックレス?」
「うん」
バイトして貯めたお金で買った、女の子に人気のブランドのネックレス。シンプルなデザインで、値段も驚くほど高額というわけではない。でもほのかの好みを悩みに悩み、そして選んだ自信の品だ。
「二つある……二つって…そういうこと?」
「うん。たとえ離れて暮らしてても一緒のものを身に着けていればお互いを身近に感じられるって思ったんだ。本当はペアの指輪にしたかったんだけど、ほのかのサイズがよく分からなかったから」
「………」
今度はほのかの言葉がなくなった。
「好きだよ、ほのか。今までちゃんと言葉にしなくてごめんね。大好き。誕生日おめでとう」
大きく見開かれた瞳から涙が一筋こぼれた。それが嗚咽に変わる。
「ほのかがイヤじゃなかったらさ、明日二人で指輪も買いに行かない?」
「もう! キライっ!」
そのままほのかが僕の胸に飛び込んできた。
僕は自分の気持ちをぶつけるように、力いっぱいほのかを抱きしめた。
「僕は好きだよ。ほのかっ、愛してるっ!」
「く、苦しいよ…そんなにしたら痛いよ」
泣き濡れた、でも幸せそうな顔で僕を見上げるほのか。……そのまま僕たちの唇が重なった。
唇が離れる。
「私を縛り付けておかないと…どっか行っちゃうからね?」
涙の跡の残る頬をほんのりと染めたほのかが小声で告げる。
「絶対に離さない。それに、これからは会えないときは毎日電話で『好き』って言う。ほのかを困らせない程度に束縛もする。好きだよ、ほのか」
言い終わったと同時にキスした。さっきは唇を合わせただけだったけど、もうそれでは抑えられないほど僕の想いは高ぶっていた。
数ヶ月ぶりの再会。今までこんなに長く離れたことはなかった。会えないとき、北海道で僕はほのかを思っていつもオナニーしていた。肉体的な快楽を得るたび、心の中で大きくなるほのかへの愛情と欲望。実際にほのかを抱きしめたら僕はどうなってしまうんだろう……。そんなことを何度も思った。そのほのかが今、現実に僕の腕の中にいる。
舌先でほのかの唇をこじ開ける。ほのかもそれに応え、僕たちの舌先が触れ合う。それはやがて大きく絡んでいった。
キスしたまま、僕はほのかを抱いていた腕を前に回した。
「ん!」
手探りでブラウスのボタンに手をかけたとき、ほのかが小さく鼻を鳴らして身を固くした。絡み合っていた舌の動きも一瞬止まったけど、そっちはすぐに再び動き出した。
、口付けを交わしたままボタンを上から一つずつ外していく。
目を閉じていることに加えて、自分の服を脱ぐときとは違う手の向きや、そこから来るもどかしさ。気がはやる。ともすれば舌の動きがおろそかになる。たしかにほのかとセックスを経験しているとはいえ、脱がしたことはほとんどない。僕もほのかも、自分で脱ぐことのほうが多かったからだ。
手間取りながら、ようやく一番下までボタンが外れた。
続いてスカートに手を伸ばす。やはり手探りでホックを外し、ファスナーを下ろすと、それは自然に足元に落ちた。
「待って…」
半裸になったほのかが僕の腕からスルリと抜け出した。
ブラウスを胸の前で合わせ、僕の視線から逃げる。そのままほのかが寝室に逃げ込んだ。中に入ったほのかが扉を閉めてしまう。
「ほのか?」
戸惑いが声に出た。
「……恥ずかしいよ」
小さな声。
「入ってもいい?」
「………」
返事がない。
「ほのか、入るよ」
そう声をかけてから引き戸を開けた。
ほのかはベッドにもぐりこみ、毛布から目だけを出していた。
「ほのか…」
名前を呼びながら近づく。
そしてベッドの端に腰を下ろし、横たわるほのかの髪をなでる。
「うん…」
気持ちよさそうにほのかが目を細めた。
「ほのかの顔、よく見せて」
「…うん」
毛布が少しずつ下げられ、ほのかの顔が出てくる。
「大好きだよ、ほのか。愛してる」
言葉が返ってくる前に、僕はほのかの前髪を上げて額にキスをした。
ほのかの匂いのするベッド。それが僕を安らいだ気持ちにさせ、悦ばせ、興奮させる。
「ほのか…」
毛布をめくった。
ブラジャーとショーツ、それと靴下だけを身に着けたほのかの姿があらわになった。
愛おしい。誰よりも大切な人。僕のすべて。ほのかを抱きたい。……僕のものにしたい!
ベッドに上がり、ほのかの横に寝る体勢で抱きしめた。
「ほのか」
背中に腕を回して言った僕の言葉の意味を理解したのか、ほのかが少し肩を浮かせてくれる。
指先がブラジャーのホックにたどり着く。ほのか以外の女の子を知らない僕は、ブラジャーの構造を熟知しているわけではない。闇雲に片手を動かしていると、どうにか留め金が外れた。
今度は両手を使い、肩ひもを腕から抜く。
もう両の乳房の上に布が乗っているだけだ。
さらにはそれも取ってしまう。
「っ!」
とっさに身を守るかのように、ほのかの両腕が胸の前で組まれた。
「ほのか」
「あ、うん…」
ほのかの腕が動き、僕の前に控えめな双球が姿を現した。
「ほのか、好きだよ…」
名前を呼びながら胸に手を伸ばした。
ふくらみを下から持ち上げるように静かに指を動かす。それに合わせ、乳房が形を変える。力を弱めると元に戻る。
そんな当たり前のことにいたく感動する。ほのかを自分の望むままに扱えることが嬉しくてたまらない。
「くふぅ…」
小さな吐息をこぼすほのか。
胸に加えられる圧が心地よさとして伝わっているようだ。
自信を深めた僕は、緩やかなラインの先端で小さく自己主張する蕾に唇を寄せた。
舌の先だけを使い、乳首を二、三度転がした。それから唇に挟み、こすりながら吸う。歯を立て、かすかな力で甘噛みする。再び舌を使い、乳首を強く押してみる。
そうしながら上目でほのかを見た。
緊張気味にも感じられたほのかの表情から強張りが取れ、和らいだものになっていた。目を閉じたまま僕にすべてを委ねるほのか。わずかに開いた口からは切なげな吐息が聞こえる。それだけじゃなく、僕の口の中で乳首が尖りはじめるにしたがって、ほのかの頬が紅潮していく。うっすらと額も汗ばみ始めている……。
「ん…」
大きく、そして固くなった先端は、小さめのほのかの胸に比べてややアンバランスに見えるほどに成長していた。むしろ不自然に感じられるほど肥大したそれを、僕は執拗に舌と唇、さらには歯も使って愛撫した。同時に手も使って乳房全体を優しく揉む。
「ん…はぁ、んっ!」
快感を得ているのか、ほのかは小さなあえぎ声を立てはじめた。
左手と口はそのままに、僕は右手をゆっくりと下に滑らせた。
みぞおちを経て、おへそ、下腹部へ。そして僕の指がショーツに達する。
ショーツの上から恥毛のあたりを指でまさぐる。閉じられていた太ももをこじ開けるようにして手を入れる。ひざを押して足を割らせる。それから内ももを指先で愛撫する。
でもそれだけ。ショーツの中に入れることも、クロッチに触れることもなく、わざとじらすように指を遊ばせる。
「くふぅん…」
それ以上の行為を望むのか、ほのかが吐息とともに身をよじらせた。のりの効いたシーツが乱れ、衣擦れのような音を立てる。
内ももをくすぐるように指先を動かす。手のひら全体を押し当てて恥丘に圧を加える。ショーツと太ももの境を指でなぞってみる……。
「あん…あっ、んんっ!」
今でははっきり聞こえるようになったほのかのよがり声。その声が高まるたび、シーツにしわが増えていく。
最初はほのかをじらすつもりだったけど、嬌声を聞いたことで僕自身押さえが利かなってきた。ほのかの『女』の場所に触りたい、『女』の部分を感じたい!
オナニーで処理する際に幾度も夢想したほのかの痴態が今僕の眼前にある。欲望に駆り立てられた僕はクロッチの上から割れ目をなぞった。すでに布地は水分を含み、僕の指に合わせてクチュクチュと濡れた音を立てる。
「ほのか!」
乳首から唇を離し、ほのかにキスをした。
「ん!」
すぐにほのかから舌が伸び、絡み合った。
すかさず僕はショーツをずり下げる。
「っっ!」
突然のことにほのかがのどの奥で声を立てた。
それに構わず、僕は外気に触れたほのかの秘められた部分に意識を集中した。
熱くほとびった淫溝をこすりあげ、その合わせ目で存在を主張するクリトリスを転がし、ヌルヌルの膣穴に指を入れてかき回した。膣壁のコリコリした部分を攻め立てると、ほのかの舌の動きが止まり、体を硬直させた。
中途半端に下ろしたショーツのせいで、手の動きが制限される。それがもどかしい。僕はほのかのショーツを脱がせた。足から抜く際、靴下も脱がせる。もうほのかは髪を飾るリボンの他は何も身に着けていない。
「ね、ねぇ、あなたも脱いでよ」
自分だけ裸にされたことが恥ずかしいのか、ほのかが耳まで真っ赤にして告げた。
「あ、うん。そうだね」
促されるまま、僕も脱いでいく。ほのかの目を意識する。見られながら脱ぐのが、こんなに恥ずかしいなんて思ってもみなかった。
不恰好に前が突き上がったトランクス1枚の裸になる。ほのかの視線がそこに集中する。
気のせいか凝視されているように感じる。その状態でトランクスを下ろすと、中からはお腹にくっつきそうなほど屹立したモノが飛び出した。
トランクスを足先から抜き、僕も全裸になった。
ビクンッ、ビクンッと脈を打ちながら天を指す男性器をほのかの潤んだ瞳が見ている。
「ぁ…」
そうしてほのかの口から小さな吐息が洩れた……。
「ほのか…」
先ほどまでの続きをするためにほのかの下半身に手を伸ばす。その手をほのかが押さえた。そして
「待って、今度は私がしてあげる」
続けて
「そこに寝て」
そう言ってほのかはベッドの端に寄った。
もっとほのかが乱れるさまを見ていたかったけど、僕は言われるまま横になり、枕に頭を乗せた。
ほのかは僕の足を大きく開かせると、その間に正座をするようにちょこんと座る。そして剛直を両手で捧げ持つようにして顔を近づけ、ため息をついた。
「久しぶりのあなたの匂い…」
僕の陰毛に鼻先をうずめたほのかの声は、どこかうっとりしたものに聞こえた気がした……。
ちゅっ…
亀頭に唇が当てられた。
ちゅっ、ちゅっ…
続けて茎のあちこちにほのかが唇を触れさせる。先端から根元まで、そして時には袋まで唇でついばんでくれるほのか。
悦楽と興奮とが僕のモノを最大限に怒張させ、鈴口からは先走りの液体がタラタラとあふれだす。気持ちよさと同時に、幸福感に満たされた。
「あぁ、ほのかぁ…」
ほのかみたいな美少女が男の醜悪なモノを口で愛撫すること、そしてその相手が僕であることに、実際にされていながら今一つ現実感がない。だけど僕の目の前で起きていることはまぎれもない事実だった。それを意識すると優越感が強く心に湧き起こる。ほのかを征服した気にもなった。
その一方で、僕はもどかしさも感じていた。ほのかはただ唇を触れさせるだけで、より激しい行為を求める僕には物足りなさが残った。
「ほのか…もっと気持ちよくしてくれる?」
「うん」
鼻を鳴らすような返事のあと、ほのかが僕を咥えた。
温かさに包まれる。それと同時に裏すじが揺らされる。舌の先をわずかに震わせているみたいだ。
それをしばらく続けたあと、ほのかの唇が僕を飲み込んでいく。根元まで深く口に収めたほのかは、入れたときと同じぐらいゆっくりと元に戻る。
それが何度かくり返される。その間、ほのかの唇はしっかりと肉茎を締め付けていた。ほのかの唇が剛直の固さで柔らかく歪む。
ちゅぷ…ちゅる…
卑猥な水音を立てる、ねっとりとしたフェラチオが続く。
「ほのか…気持ちいい…すごく上手だよほのか」
髪をなでながらほのかの口技を堪能する。
「ん…」
僕が快感を得ていることに自信を付けたのか、ほのかの動きが一途になった。
先端だけを口に入れた状態で舌が縦横に動き回る。そうしながら、きゅうっとすぼめられた唇がカリ首を締め付ける。
「あぁっ、ほのかっ!」
思わず快楽の呻きがこぼれる。
それに後押しされたのか、ほのかが頭を大きく上下に動かした。
じゅぶっ…ちゅっ、じゅぶっ…ちゅっ!
ペニスを深く咥え込み、直後にカリ首まで一気に引き戻す動作が加わる。その合い間に先端の割れ目をこじ開けるように舌先が差し入れられる。左手は勃起の根元を固定し、右手はパンパンに張った睾丸を引っかくようにして僕を追い立てていく……。
「ほ、ほのかぁ……うぁっ!」
爆発の予兆が腰の奥で生まれた。そしてそれはどんどん大きくなっていく。このままでは射精してしまう!
「ほのか待って、ダメだって…」
あわててほのかの両肩をつかんで引き剥がした。
「どうして? 出したっていいんだよ?」
とろんとした目で大きく息をつきながらほのかが僕を見る。
「ダメだよ。このまま終わりたくない。ほのかと一つになりたい。ほのかとセックスしてイキたい」
「うん、私も抱いてほしい……あなたに求められるのがうれしい。応えたいの」
ほのかが頬を染めて言った。
もう一度ベッドで抱き合う。
「ねぇ、後ろからはイヤだよ?」
「じゃあピュアアイに乗るみたいに僕の上になってみる?」
軽い気持ちで提案した僕の言葉を、ほのかは
「それもイヤっ」
即座に否定した。
ほのかはバックも騎乗位も好まなかった。僕たちが交わるときは、いつも正面から抱き合う形だった。流れで時々はベッドに二人とも座った形になることもあったが、僕が別の体位に移行しようと上体を倒すと、ほのかは拒み、決まって立ち上がって結合を解いた。
僕も無理強いしてまでほのかとセックスしたいとは思わなかった。本来は子供を作るための行為かもしれないけど、それだけが目的ではなく、僕はほのかと愛し合いたかった。だからほのかの気分を害してまで自分の意見を通す気もなかった。
ほのかを仰向けにする。
自ら足を開き、ほのかは僕を迎え入れる体勢を作った。充血してぼってりと厚みを増した小陰唇に目が釘付けになる。
足の間ににじり寄った。
男性器は先ほどまでのフェラチオと先走りの液体とでヌラヌラと濡れ、光を反射している。恥裂の間でそれを上下させると、そこから染み出る液体が僕をさらに濡らしていく。もう愛撫の必要もないほど潤ったほのかの膣口は、僕を待ち焦がれてヒクヒクといやらしくうごめく。
「いくね」
「うん。来て」
位置を合わせ、ゆっくり腰を突き出した。
じゅぷ……
「んはぁっ!」
挿入の瞬間、ほのかが感極まった声を上げた。
なんの抵抗もなく、ペニスがほのかの中に潜っていく。ほどなく僕は根元までほのかにうずまった。先端が子宮口に当たったのも分かった。
「んあぅっ」
奥を突かれた衝撃にほのかがのどを反らしてうめく。
「感じるの?」
「うん…うん」
あごを上向けたままほのかが鳴いた。それと同時にほのかの中が収縮し、僕をきつく締め上げた。
(うぁっ!)
気を抜くと果ててしまいそうな愉悦。入れたばっかりで、こんなに早くは終わりたくない。僕はほのかに腰を密着させて、波が引くのを待った。
「ねぇ、動いてぇ」
入れたまま動きを止めた僕に、ほのかが懇願するような顔を向ける。さらに
「いじわるしないで…」
扇情的な表情が僕を見た。
「ごめん、ほのかのオマンコ気持ちよすぎて…動けない……」
「っ!」
一瞬でほのかは耳まで真っ赤になった。思わず出た僕の卑語がほのかの羞恥心を煽ったらしい。
僕に組み敷かれて逃げ場のないほのかが顔を横に向けた。少しでも僕の視線を避けようというのだろう。そんな姿に嗜虐心が芽生えた。
くりっ、くりっ…
秘裂を割り、二人がつながっている場所のすぐ上にある小さな突起に指を伸ばす。
「あっ…、そ、そこはだめぇ」
切なそうに腰をよじるほのかだけど、僕が上で組み伏せているから逃げることは出来ない。
むき出しになったクリトリスを撫で、つまみ、軽く爪を立ててほのかを追い詰める。
「ぅくう…」
カチカチに勃起して、僕の指の中でさらに大きさを増した陰核がほのかの状態を物語っていた。
「いやぁ…」
外陰部に与えられる快感にほのかが抗う。
「あなたので…おちんちんでイカせてぇ!」
喜悦を隠そうともせず、ほのかがはしたない言葉を口にした。その言葉に僕の中で何かがはじけた。
「ほのかっ!」
快楽の炎に炙られた僕は強く腰を振った。上体を反らせ加減にしてほのかを突く。下向きに角度が付けられたペニスが膣の上側をこすりたてる。
「はあぁんっ!」
いきなりの動きにほのかがあられもない声を立てた。シーツをつかみ、髪を振り乱し、汗を飛び散らせる。
じゅぶ…じゅぷ…ぐぢゅ…
淫らな水音が僕たちのつながっている場所から聞こえる。
「あっ、はぅっ、くはぁっ!」
下肢を打ち振るわせ、僕の抽送に合わせてほのかも腰をくねらせる。僕の先端が子宮口を叩く。カリの出っ張りが膣襞をこそぐように前後する。ほのかのヴァギナが僕を締め付ける。
「ほのかっ! 好きだ、愛してる! 離さない…絶対に誰にも渡さない!」
目くるめく愉悦の中、僕は無意識にほのかへの気持ちを叫んでいた。ほのかも僕の名前を呼びながらしがみつく。
「う…くっ」
だけど僕はもう我慢が限界に来ていた。さっきのフェラチオで射精寸前まで追いこまれていたこと、それに今日ほのかと会うことでオナニーを控えていたことが悪い方向に作用した。
「ほのかごめん、イキそうっ……」
「はあっ、あぁーっ…あっ、あっ、イッちゃう…うあっ! イクっ! イクぅ…」
大きな喘ぎ声を立てるほのかも絶頂が近いのを感じさせる。
「あ、イッちゃうっ! イクーー!」
と、ほのかが絶叫しながらガクガクと痙攣し、同時に膣壁が僕を絞り上げた。
ダメだ、出るっ!
「っっ!」
ギリギリでほのかから引き抜いた。直後、僕は射精した。
びゅるっ! びゅっ! どびゅっ! びゅくっ!………
射ち出された精液はほのかの肌を彩って降り注ぐ。下腹部はもちろん、お腹から胸、果ては首の辺りまで飛んでほのかを僕の色に染めていく……。
「ほのかっ! んっ! うっ!」
大好きな女の子を自分のものにした。僕はそんな至福の感情に浸りながら、うめき声を上げてほのかに精をおびただしくぶちまけた。
「はぁ、はぁ、はぁ…大好きだよ、ほのか……」
射精を終えて急速に冷静を取り戻しつつある僕は、もう一度ほのかへの気持ちをしっかりと言葉にした。
「ん…は…ぁ」
ほのかは自分を汚す白濁も気にならないのか、精液を体に付けたままぐったりと身を投げ出していた。
ティッシュを何枚か抜き、ほのかに飛び散った精液を拭き取る。とても一度では始末しきれない量が放たれていた。
「ありがと…」
弛緩しきった声でほのかが礼を述べる。イッた直後で力が入らないようだ。
別に抜いたティッシュで自分の性器も拭うと、僕はほのかの隣で横になった。
そして大きく息をつく。
僕の腕を枕にするようにしてほのかが身を寄せた。
「ほのか、すごくよかった。ありがとう」
「ううん、私も気持ちよかったよ。……大好き」
「僕もだよ。愛してる」
「……うん。うれしい」
本当に幸せそうにほのかが笑顔を見せた。
「ほのか。ずっと一緒だよ」
「……こんな素敵な誕生日プレゼント…初めて」
ほのかが小さく鼻を鳴らした。
と、ほのかが寝返りを打つように僕に向き直った。そして僕の股間に手を伸ばす。
「また大きくならないかなぁ」
力を失ったペニスを撫でながら、ほのかがいたずらっぽい笑顔で僕を見上げる。
「ほのか、えっちになったよね」
ひじを立てて少しだけ上体を起こし、僕も微笑み返す。
「あなたが私をエッチな子にしたんだよ」
ほのかが小さくにらんだ。
「それはごめん。でもえっちなほのか、大好きだよ。そういうほのかがもっと見たい。もっとえっちになるほのか、僕にだけ見せて」
「もぅっ! ……あ、ピクッてなったよ。…固くなってきた? もっと出したいの?」
際どい会話や、敏感な部分を刺激するほのかの手技に反応し、少しずつ肉茎に血液が流れ込み、急速に形と大きさを変えていく。
やがて完全に勃起した。
「もう一回できそうだよ。する? 今度は僕にもほのかのアソコ、舐めさせてよ」
「……ねぇ、今度は私がしてあげるね。もっとエッチな私…あなただけに見せてあげる」
恥ずかしそうにそう答えると、初めてほのかは僕の股間にまたがった。そうして勃起を逆手で握ると、秘唇を指で開き、ゆっくり腰を落としてきた……。