唯一R-18となる内容の為短編として投稿しています。
「提督の秘密って、それだけかなぁ」
夜の鎮守府。
密かに鍵をかけた、二人きりの執務室。
私の真下、机の上に組み伏せられた彼女の顔が引き攣る。
確信で以って問いかけた言葉。
少し、意地悪かなと思いながらも今回は逃がすつもりはない。
「何の、こと、ですか……?」
あはは。
まだ、逃げられると思ってるのかな。
既に退路は封じられ、巻き上げ締め付け、丸呑みされるだけだというのに。
「提督さぁ」
押し倒された彼女の両腕を片手で拘束、空いた片手でその白い制服の前を開く。
シャツを盛り上げる胸部。
乱暴にそのシャツの中央を右から左へ開く。
ボタンが飛び散り、その素肌と胸を隠すブラが露になる。黒か。いいねぇ。
「ひぅっ」
「もう、隠し切れないんだよ」
ブラを剥ぎ取る。
二つのパッドが零れるように机の上に落ちる。露になる平たい、胸。
女性として貧しいといっても平たすぎる。薄い桃色の頂点は実に美しいと思えるが。
彼女は耐えるように目を瞑り顔を背ける。
暴かれる『彼女』の秘密。
「やっ……!」
逸る指先で、ベルトを外す。
するり、と呆気なく落ちるズボン。
女性用のショーツの下、押し込められた『彼』の膨らみ。
確かめるように、下から上へ指を撫で上げさせる。
その接触は、『彼女』への死刑宣告。
「……あ、ぁ」
『彼』の表情が絶望に染まる。
加虐心を刺激するその表情に私の悪い部分が刺激される。
昂ぶる。愛おしい彼への情動が加速し続ける。
守りたい、壊したい、守りたい。
矛盾する衝動に揺れる。
最後の一線で以って問いかける。
「ね。好きだって、もう伝えたよね。提督も大好きだって、言ってくれたよね」
それは以前、大浴場で交わした言葉。
それがあったから、私は彼の一番になりたくて。
今日この時まで戦ってこれた。誰よりも強くなれた。
「私は、貴方が秘密にしたいなら海の底までこの秘密を持っていくよ。けど、だから私には」
貴方の秘密を頂戴。
我ながら、少し必死過ぎてずるい言い方だと思う。
だけど、何をしてでも彼が欲しい。顔と顔とが触れ合うほどの距離で囁く。
彼は。
恥ずかしそうに、乙女のように。
静かに頷いた。
受け入れて、くれた。
私の最後の一線は崩れ落ちた。
◇
呑み込まれる。
未だ感じたことのない快楽の氾濫に脳が焼き切れそうだ。
「んっ……ぷは、ぁ、ちゅ……っ」
僕の唇を貪る彼女の唇、蹂躙する柔らかな、しなやかな舌。
彼女の熱が、唾液の甘さが頭を溶けさせる。
身体を這い回る彼女の両手、指の先が邪魔な衣服を次々と落としていく。
滑々としたその肌の感触が身体の緊張を解し、脱力させていく。
「あ、はぁ……」
唇を離し、唾液の糸を引きながら彼女の表情が歓喜に満ちる。
その愉悦の表情、求められている悦びにぞくり、と身体が昂ぶる。
同じ求められることだというのに、『あの時』とは全く違う。
ただ貪られることとは違い、求め求められることの悦びの真とはこうなのか。
捧げたくなる、捧げられたくなる。
身体が、熱い。
「ひゃっ……」
女性用のショーツに包まれた自身の先端に触れられる。
既に限界まで膨れ上がり、面積の小さなショーツからはみ出す。
危うく達しそうになる。
彼女の右手が、その先端に絡みつくように五指を這わせる。
はしたなく漏らした露が絡み、先端に広げられる。
粘りが柔らかな指先の感触との距離を零以上に近づけて、激しい快楽を巻き起こす。
「硬い、ね……?」
その硬さに満足したように、彼女は五指を筒状にして僕自身を握り上下に粘りを伸ばす。
重い粘着音が無音の執務室に響く。
恥ずかしさに頬が熱を上げていく。
上下される度に、その感触に腰が跳ねる。
「あは、先、ぱんぱん……」
机の上に寝そべった僕、押し倒した北上さんは身を起こして完全に先端を天井に向けた男性器を見詰めている。
もう痛い程に膨らみ、爆ぜてしまいそうな先端。
それを前に舌なめずりする淫靡な表情。
目撃した僕はそれだけで根元が縮むような息苦しさを覚える。
まだ、まだ。
「ん、ちゅ……っ」
まだ――しかし、予想だにしなかった感触に暴発しかける。
口付けられた。
「っ、だめ、です!汚い、か、らぁ……っ」
「じゅるっ……ん、んぅ……」
聞いてくれない。
北上さんは口付けるとすぐに先端を口に含んでしまう。
大量の唾液を含んだ口内に、呑み込まれる。
熱い。唾液は僕の零した先走りとすぐに混ざり合い、粘度と熱さに包まれる。
舌が忙しなく動き回り根元から先端まで僕の味を確認される。
一頻り舐め尽くした後、先端の縁、皮の内側へ舌が捻じ込まれる。
もどかしそうに、しかし僕の痛みに配慮するようにゆっくりと抉じ開けられる。
先端を包む皮がずり下げられる。
「――ぁッ」
零れてしまった。
漏らすような射精。
無防備な先端にざらついた舌が這わされた瞬間、呆気なく限界を超えた。
腰ががくがくと跳ね、臍の下、そのタガが外れる。
頭の中が白に染まり情けなさとそれを受け入れてくれる彼女への愛情が溢れ返る。
どくどくと怖いくらいに長く溢れ続ける精。
彼女は僕自身を咥えたまま口内に溜め込み続ける。
「ぅ、ぁ……っ」
最後に腰を小さく震えさせ、ようやく止まる。
北上さんは頬が軽く膨らむほどに溜め込みながら、ちゅる、と先端を吸い上げ尿道に残った一滴すらその口内に溜め込みやっと口を離してくれた。
「あっ、あの……」
どうしていいか混乱しながら両手の上を器のようにして差し出す。
早く、そんな汚いものは。
だが彼女はその手を煩わしそうに、しかし優しく退けながら僕の耳元に顔を寄せ。
ごくり。
聞かせるように嚥下の音を響かせた。
「――ッ、ぅ、ぁ……」
死にたい。あまりもの羞恥に今すぐ死にたくなる。
なのに彼女は目を白黒する僕を見詰めながら、ご満悦な様子。
思わず顔を隠そうと両手を挙げるが、片手を取られる。
「ね。触って?」
ぐちゅり。
僕の右手がぬかるんだ、柔肉に触れる。
指先に触れる熱と粘り気。どこまでも柔らかい、北上さんのスカートの下。
彼女の、女性の部分。
下着越しに初めて触れるその感触。自分のひた隠しにしてきた雄の部分が熱を増す。
その熱に、理性が焼き切れた。
「――ひゃっ」
押し倒されていた状態から逆襲する。
頭を打たせないよう、背に腕を回しながら共に床へ身を降ろす。
今度は僕が上、彼女が下。
呼吸が苦しい。あれだけ精を吐き出した股間は、意地汚くその硬度を取り戻している。
ダメだ。このまま、この衝動に身を任せれば。
あの日の、あの人と同じだ。
そんな最後の理性が僕の身体を硬直させる。
「……いいんだよ。大好きだから」
「――ッ」
僕の乱暴を許す、受け入れる彼女の言葉。
返答は、口付けで返した。
今度は僕が彼女を貪るように口付けする。
どうすればいいかなんて分からない。
とにかく深く彼女と繋がりたくて、好きだと伝えたくて口付け、舌を捻じ込む。
腰が本能のまま前後して、彼女の腰に押し付けてしまう。
早く、早く。
先端で彼女の下腹を何度も撫でているのを見かねてか、手を添えて導いてくれる。
情けなさを覚えながらも彼女の手引きに身を任せる。
にちゃ。
先端が、彼女の入り口に触れた。
「ゆっくり、ね?」
こくこくと頷きながら、腰を前へ進める。
熱い。
ずぶり、ずぶり、と僕の先端が彼女の中を割り、押し広げながら進んでいく。
噛み千切られそうだ。不安を覚えて結合部に視線を向ける。
繋がっている。僕と彼女が繋がっている。
感動的な事実に心の奥底が暖まる。
繋がることがこんなに心地いいことだったなんて。
愛おしい。人をこんなにも愛おしいと思えるなんて。
お兄様へ感じるそれとは違う、この感情。
どうしても、口にしたくなった。
「……大好きです、北上さん」
それから。
何度腰を彼女に打ち付けたか。
何度精を彼女に吐き出したか。
ただ、覚えているのは彼女への愛おしさだけ。
目が覚めた時、自室のベッドの上、傍らで微笑む彼女。
ああ、『私』は『僕』だと。
これ以上ないくらいに露見したのだと自覚した。
後悔は、欠片もなかった。