鳳凰学園の生徒会長である鳳凰院カナトは、同じく生徒会に属している副会長の荊姫シヅカ、彼女の魂獣である花媛香具耶の二名を完全催眠によって掌中に収める。
彼女達が齎す淫靡にして狂気の心酔を利用し、彼は着実に復讐の準備を整えていた……
何卒ご容赦ください。
※本作品は縦読み推奨です。横読みだと読み難いかもしれません。
鳳凰学園の生徒会は、学園都市である耶馬都にまで達する程の強力な権限を有している。それは有能な因使と多大な篤信を受けているだけが理由ではない。
世の中は綺麗事だけでは罷り通らない。学園都市の有力な権力者は、何も学園の理事会に全員属している訳ではない。何の見返りもなく、十代の小僧小娘に言い様に使われる事など、大概の権力者は好まない。ならば、何故好む筈もない事を受け入れているのか。
それは、実に単純な事。俗世的な理由。自らの矜持を上回る見返りがあるからに他ならない。
「んちゅっ、ちゅぱっ……えろぉ、ちゅぅ……」
こうして豪奢なホテルの一室で、艶めかしく響く水音が全ての答えである。
ベッドの脇に腰を下ろして尊大に股を開く恰幅の良い初老の男に跪く様に傅いて、その股間から屹立するグロテスクな肉棒にピンク色の小さな舌を這わせる少女の姿。
光を反射する美しい翡翠色の長い髪と白く煌めく二輪の薔薇が舌を這わせる動きに合わせて揺れる。幼さが残る愛らしい顔立ちを薄らと桜色に恥ずかしげに染めて、両手は肉棒を包み込むように支えていた。
緑色のワンピースは、普段なら首下に広がる草葉は消えて、露わになった鎖骨には珠の様な汗が浮かんでおり、くの字に居られて小さな尻肉を床に着けさせて座りながら仰ぎ見る様に肉棒を見詰める瞳は悦楽に潤んでいる。
少なくとも、はしたなく涎を垂らしながら舌を伸ばして男根を舐める顔に嫌悪の色は微塵と感じられない。少女の童女染みた顔立ちと相反する艶美な仕種が醸し出す独特の雰囲気は扇情的だ。
「ちゅぷ、んっ……ろぉ、れふか? んりゅ、ちゅっ。気持ちいい、れふかぁ?」
「ああ、最高だ。やっぱり香具耶ちゃんは男を悦ばせるのが上手だ」
恍惚とした野太い声で紡がれた男の言葉に、香具耶と呼ばれた少女は嬉々として目元を緩めた。
花媛香具耶。鳳凰学園の生徒会。その副会長である荊姫こと冴樹志津華の魂獣である少女。
彼女は今、こうして学園に対して多大な出資を行い、また生徒会が有する権力の基盤を支える富豪の一人に対して、日頃の『お礼』を行っていた。
「んふっ、ちゅぱぁ。褒めても、普段と同じ事しかさせませんよぉ?」
「それで良いのさ。香具耶ちゃんの普段は、中出しも含まれているんだから」
黒光りする亀頭のカリ首に瑞々しい唇を密着させ、ちゅるちゅると大きな水音を立てながら、香具耶は男の言葉に笑う。
「シヅカちゃんは中々許可をくれないからなぁ。結構貴重だよ、自分から中出しせがむ女の子は」
「ちゅぷっ、んぇぉ♥ シヅカは、まだ素直じゃないですからですよ。んれろ、んんぅ♥ ぷあっ。でも、シヅカってば挿れちゃえば素直になりますよね? 時々、二人がしてるの壁越しにでも聞こえますもん。はぁむ♥ んんぅぅ、ぢゅるっ、ちゅるるっ」
愛おしそうに肉傘の周りを舌先で舐めしゃぶり、香具耶は涎の糸を引かせながら大きく口を開いて亀頭を口内に咥え込んだ。
口の中の粘膜が瞬く間に絡み付き、一気に頭の奥底まで突き抜ける濃厚な牡の味を鼻息荒く吸い込み、溢れ出した涎ごと香具耶は大きく亀頭を啜り上げる。
「んみゅっ、ぢゅりゅっ♥ あぷぅっ、ぢゅぶっ、んりゅえっ、はぷっ、濃い、ひんぽの味ぃ、おくひの中に広がっへ、お腹の奥が、キュンキュンしますぅ♥ んぢゅりゅりゅぅっ!」
「おふっ、亀頭バキュームは強烈だねぇっ。シヅカちゃんに比べると、香具耶ちゃんはあっさりとチンポ好きになったよね。いやらしい台詞もバンバン使うようになったし」
「ぢゅぽぉっ、んぇ♥ らって、こんな頭が真っ白になっちゃうくらい気持ち良い事を教えられたら、んんぅっ♥ チンポ好きにならない方がおかしいですよぉ♥ ぶっといチンポをオマンコやケツマンコに挿れて貰えるなら、どんなエッチな事でも言っちゃいますよぉ♥」
ドロリと亀頭から口を離して、白く泡立つ大量の涎を零した香具耶は、淫蕩に染まった緩くだらしない笑顔を浮かべて、自らの涎に濡れた肉棒に愛おしそうに頬ずりをした。
細く柔らかい香具耶の指に包まれる雄々しく、そして禍々しい剛直の塊の硬さ。強烈な牡のニオイを放つ肉傘から太く逞しく、更にシリコンボールでも入れているのかと見紛うごつごつとした膨らみ。全てが香具耶の身体の奥底で暴れ回る牝の本能を刺激する。
「ははっ。流石は破瓜した当日から処女アナルでイキよがった淫乱な子は言う事が違うなぁ」
「えふぅ♥ それはこのチンポだからですよぉ。短小包茎とかどんなチンポも好きですけど、香具耶のドスケベマンコをイキ狂わせてくれるのは、おじ様のこの極太チンポだけなのぉ♥」
ちゅっ、ちゅっ、と音を立てて軽く啄ばむようにキスの雨を亀頭に降らせる香具耶。唇に触れる肉棒との間に細い涎の糸をねっとりと繋ぎ合わせ、舌腹に竿を乗せ、裏筋から鈴口までゆっくり舐め上げて、上目遣いで肉棒を拝む。
「その口ぶりだと随分と普段から食べちゃっているみたいだけれど、学園の男の子かい?」
「んぇぉぉ♥ この味ぃ、チンポの味が忘れられなくって……初々しくて童貞の子とか、おじ様と違ってご奉仕するんじゃなくて、自分から引っ張るのが新鮮で止められなくって」
「生徒会の魂獣なのに、不純異性交遊の最も悪い部分。風紀を乱しても良いのかい、学園の中で」
笑いながら告げられた男の言葉に、腰を卑猥にくねらせながら肉棒を咥えたまま香具耶は口を動かす。
「じゅぱっ、ぢゅっ♥ らって、オマンコ寂しいんですぅ、チンポ咥えてないとマン汁垂れちゃうし、んぶっ、ぢゅりゅあっ、ぢゅぢゅっ♥ 抑制状態でいると合うサイズのディルドやバイブがない、れぶっ、ひっ、んぉっ♥ おぶっ、んぶぁっ♥ 解放状態になって、からっ、ぶっ、ふぶっ♥ だとっ、挿れる暇なくれっ、パンツ濡れちゃうからぁ♥」
「しゃ、喋りながらしゃぶられると、舌が不規則に動いてヤバいんだけど、香具耶ちゃーん」
情けない声を出す男の様子に、香具耶は上機嫌に声を弾ませながらしゃぶる速度を速めた。
じゅぽっ、じゅぽっ、柔らかい唇にカリ首を引っ掻けて刺激を咥えれば涎が口周りに飛び散り、生温かい口の中では舌腹を使って亀頭の味を堪能する。
香具耶の言葉通りだとするのならば、今の彼女の股奥を包み込んでいる薄布は既に濡れに濡れてしまっているのだろう。それこそ、腰を浮かした瞬間に床との間で秘部との間に濃い愛液の糸が幾筋も出来上がってしまう程に。
「いふイっても、いいれふよぉ。顔や髪にぶっかけても、んぢゅぅっ♥ わらひの、おくひマンコにドピュドピュしてもぉ♥ 濃厚ザーメン浴びれば、香具耶はどこでも悦んじゃいますからぁ♥」
喜色満面とばかりに卑猥な言葉を重ねて、悦楽に歪む眦に淫らな涙を浮かばせる姿は、まるで懇願をしているようだ。既に彼女の頭の中では、自分が白濁に染まっている姿か、或いは喉奥に絡み付く濃厚な牡汁の激臭が再現されている。
「ああ、限界だっ!」
焦りを隠せない男の言葉と亀頭が大きく膨らんだのはほぼ同時だ。口内の粘膜までも熱い奔流が射精菅を駆け昇って来る熱によって温まり、先走って鈴口から溢れ出る牡臭が鼻から頭の中まで突き抜け、蕩け落ちそうな鋭い快感に香具耶は意図せずして大きく跳ね踊る腰を押さえ付ける。
暴れ出す肉棒の根元を唇で挟んだ瞬間、水鉄砲の様に勢い強く吐き出された大量の白濁汁が香具耶の口の中を瞬く間に蹂躙し、喉の奥に絡み付く。
「んぶぅっ、ふぶっ! ぐぶっ♥ ふびゅううっ!」
咽返り、鼻から少なく精液を逆流させながらも涎と一緒に懸命に嚥下する香具耶は、その間も決して口の中から肉棒を放そうとしない。
一瞬だけ腹の奥底から上って来た嘔吐感など、口や鼻に広がった精臭が牝欲を満たす快悦によって直ぐに飲み込まれる。喉から腹へと下る極上の男汁にだらしなく目尻は下がり、興奮と甘美な幸せに酔い痴れる姿は、愛らしい少女に似つかわしくない程に淫猥だ。
「んぢゅっ、じゅぶっ……んぐっ、んんっ、んえう、けぷっ……おい、しぃぃ……♥」
ゆっくりと肉棒を口内から解放すれば、ねっとりと内頬粘膜の糸を引かせて眼前で揺れ動く肉竿。
股下が濡れ、湿り具合がより顕著になっている事を感じ取りながら、香具耶は心から幸せそうに頬を緩ませて呟いた。
「濃いザーメン……私のお口マンコにたぁっぷり中出しされちゃった♥」
まだ口の中に残っていたのだろう。大きく上下に開かれた香具耶の口の中で粘着く白い粘液。男へと見せ付ける様に広がった口の端からは物欲しそうな涎が止め処なく垂れ落ちている。
「んぇぁ……♥ お腹の中からザーメン臭に満たされて、もうチンポ我慢できなくなるぅ」
甘ったるい声で呟いた香具耶は、男の股の間から脱け出て、這う様にしながらベッドへと上り、うつ伏せになって高々と尻を突き上げて男を誘う。
「おじさまぁ、早くぅ♥ 早く香具耶のエッチな涎だらだらのスケベなオマンコにぶっといチンポで栓をしてぇ……♥」
頬をベッドに付かせ、服の裾を捲り上げれば小振りの臀部が露わになる。待ちきれないとばかりに左右に揺れる尻肉には、秘所から溢れ出した愛液で濡れた薄緑色のパンツが貼り付いて、薄らと素肌が透けて見える。太股を伝う滴は止まる事無く、ベッドのシーツに斑点を作り上げている。
「んっ、ふぅ♥ 見えますよねぇ、チンポしゃぶってるだけでトロトロになっちゃう私の牝マンコがぁ♥ おじさまのチンポ欲しい欲しいってしてるのが……」
伸ばされた語尾に含まれる淫らな牝欲。突き上げた尻丘へと向かう香具耶の細い白指がパンツをゆっくりと擦り下げていけば、ヌチャァッと淫靡な水音が鳴って秘裂と
「全く、本当に香具耶ちゃんはスケベだなぁ。こんな本気のマン汁まで垂れ流して。一体何回しゃぶっている間にイっちゃったんだい?」
「四回ぃ……でも、こんなに濡れちゃったのはぁ、最後の喉マンコに中出しされた時ですぅ」
生唾を飲み込む音。ゆっくりと自分に近付いて来るベッドがきしむ音を香具耶は感じ取った。煽る様な男の言葉さえ、今は彼女の興奮を湧き立てるスパイスだ。
香具耶は漏れ出る愛液を指に絡ませながら、興奮でぷっくりと膨れ上がった恥丘に指を乗せて、軽く押さえ付けながら秘裂を左右にくぱぁ、と拡げた。
そうすれば押し止められていた愛液がドロォ、と秘裂から大量にベッドへと零れ落ちた。ヒクヒクと物欲しそうに蠢くサーモンピンクの膣襞が絡み付いている牝穴を見せ付け、淫臭を撒き散らしながら肉矛に貫かれる期待に震える香具耶。
「そうか。それじゃ、しっかりと香具耶ちゃんの要求に答えて上げないとね」
「あんっ♥ チンポ、チンポ、チンポぉ♪」
発情した牝犬と言う呼び方すらも、今の香具耶では足りないだろう。涎を垂らして頬を濡らしながら尾を振る様に尻を振って愛液を撒き散らすその姿を前にすれば。
濡れそぼったクレヴァスに宛がわれる初老とは思えない程屹立する雄々しい肉棒の感触が伝わった瞬間に、背中を震わせ軽い絶頂を迎える香具耶の頭の中は既に、牡肉の事だけ。
(ああっ、クるっ、クるぅっ♥ チンポクるぅっ、極太チンポの子宮ガン突き早くぅっ♥)
「それじゃ、挿れ―」
待ち望んでいた快楽が目の前に、と香具耶の心が淫らな歓喜に包まれようとしたその瞬間に、不躾な電子音が響いた。
「む、か、香具耶ちゃんスマナイ。ちょっとごめんね」
「あ……」
離れていく肉棒の感触に声を漏らす香具耶だったが、そんな彼女を既に意識の外へと追いやったのか、険しい顔付きで男は音の発生場所である自分の鞄の中を漁り、掌サイズの機械を手にした。
幾つかあるボタンを押してその音を止めると、男は耳元へと機械を宛がって喋り出す。
(あれって確か、今おじさまの会社で開発しているって言う、遠隔連絡通話機……えっと、名前確か、携帯電話機だっけ?)
モジモジと股を擦り合わせて慰め程度の快感を得ながら、香具耶は嫌な予感を拭えない。記憶の中の情報と照らし合わせ、男が以前に緊急時に用いる為に携帯していると聞いていた電話機。
「なに? ……わかった、ああ、ああ」
男の声は表情の険しさと比例して硬質化していく。幾度かの相槌の後に、大きな溜息を吐き出し、今なお尻を突き出して待ち侘びている香具耶に向けて跳び上がる様に土下座を敢行した。
電話を相手にしていた時とは違う、険の取れただらしない声で謝罪の言葉が放たれる。
「ごめんね香具耶ちゃん! 会社の方からちょっと連絡が来ちゃって儂が行かないと不味いレベルなんだ! この埋め合わせは今度必ずするから!」
「え、えっ!? おじさま!?」
嫌な予感は大的中。困惑し声を上げる香具耶だったが、既に男は身支度を整え終わって扉の目の前にいた。
(はやっ!?)
起き上がって視線をそちらに向けて驚嘆する香具耶に、ドアノブに手を触れながら一度振り返った男は、シュタッと音がする勢いで手を上げて白い歯を輝かせながら言い放った。
「諸々の事はしておくから、休んで行くのもよし、このまま帰っちゃうのも大丈夫だから! ごめんね!」
余程の事態なのだろうか、挿入直前の猛りなど一瞬で消え去ったのだろう。もはや、セックスをしていたという影など微塵も感じさせない様子で去って行った男が消えた扉を呆然と見続けた香具耶は、ゆっくりと両肩を振るわせ始める。
「なっ、なっ、ナイアぁぁぁぁっ!」
怒鳴り声に近い悲鳴。その声が届いたのかどうかは今の香具耶に判別する余裕などないが、少なくともその声に対する反応はあった。
「やー。そんな声を張り上げなくても聞こえているのだ。というかあのドタバタ、隣の部屋まで聞こえたし」
そう言いながら扉から現れた青肌の魂獣、ナイアーラは苦笑とも取れる曖昧な笑みを浮かべながらベッドに拳を打ち付ける香具耶へと近付く。
「逃げられた! 逃げられた! なに、なんなの!? 私もう準備万端だったんだよ!? この身体のムラムラどこで発散すればいいの!?」
脱ぎ掛けのパンツを穿き直して、乱れ肌蹴たワンピースを整えた香具耶であったが、その怒りは収まる気配はなく、普段の淑やかさなど全く見受けられない。ヒステリの様に見えないのは、その怒り方がどこか子供っぽく感じられるからなのかもしれないが。
「怒るとこそこ? やー、でもケンが速攻で調べた限り会社の存続に関わるレベルの問題が起きたみたいだからあの慌て具合も納得なのだ」
「女の子に恥を恥をかかせてまで?」
頬を膨らませて唇を尖らせる香具耶の八つ当たり染みた怒りを、抑制状態で宙に浮かぶナイアは軽々と往なして受け流す。
「でも潰れちゃったら利用価値なくなるのだ。そうしたらお気に入りのチンポ味わえなくなっちゃうけど香具耶としてはそれでオッケーになるのか?」
「別にあの人のじゃなきゃダメって訳じゃないよ。あの人は煽てれば色んな情報とか勝手に自分から言うからさっきみたいに褒めるだけ。硬さや大きさで言えば、カムイの方が上だし」
先程まで色魔の如く乱れていた少女と同一人物とは思えない酷薄な事を平然と口にした香具耶に、若干ナイアが白い目を向けて引いていた。
「おじさま呼びじゃなくなってるのだ」
「本人が居る前だけに決まってるでしょ」
切り替えの早さ、と言ってしまえばそれだけなのかもしれないが、それを含めても今の香具耶は、学園内で多くの学生や教師に見せている顔のどれとも合致していない。
「はあ。しょうがないかな。一人で済ませちゃうのも虚しいし、取り敢えず学園に戻ろ、ナイア」
「このホテルが比較的学園から近くて助かったのだ。夜に長々と歩きたくないのだ」
「浮いてるでしょ、今のナイア。あ、でも先に少しシャワー浴びて来るからケンと一緒に外で待ってて」
身体の淫靡な火照りは収まっていないが、ナイアと話していて少しは落ち着いたのか、香具耶は自分の身体から漂う汗や汁やらのニオイを落とそうとした。
「あいあいさー」
去っていく小さなナイアの後姿を見届ける事もなく、香具耶はシャワー室へと入って行った。魔力を編み込んで作り出した魂衣を消し、下着を脱衣籠に見もせずに放り投げる姿は手慣れていた。
それはどこに脱衣籠が置かれているか熟知していなければ出来ない事。既に何十回とこのホテルを利用している香具耶にとって、この備え付けのシャワールームはプライベートルームにも等しい。
衣一つ纏わない白磁の肌。汚れなど一部も無く、ブラジャーを脱いでも崩れないお椀型の乳房の頂点で小さく反り勃つ桜色の乳峰。細身ながら決して薄い訳ではない肉付きの身体。
愛らしい清らかな肢体を持つ香具耶が、果たしてあの様に淫靡に牡を求めて乱れる姿と合致するだろうか。
確かに、彼女の身体は男を誘うのに適している。魅力的だ。だがそれがイコールとして色欲の限りを尽くさんとする気質に繋がるかどうかは、また別の問題。
適温のシャワーから降り注ぐ温水を弾く瑞々しい肌。濡れても輝き艶を際立たせる翠色の髪。白い薔薇の花弁も、彼女の肌や髪と同じ様に水を弾いている。
変質。香具耶の性事に関わる振る舞いの変化は劇的。ならば、それは何故か。
簡単な話である。
既に花媛香具耶は、嘗ての純潔な花媛香具耶とは違う。それも内面の根本的な部分で。この変化が彼女自身の内から生まれた変化ではなく、外因的な理由での変化であったのなら、何も問題はなかったのだろう。
◇
夜の帳が落ち、肌寒さがまだまだ残る春先の鳳凰学園。その生徒会室の明かりはまだ消えていない。
室内には四つの職務机向かい合うように並び、最奥の方に大きい机が設置されている。四つと比べて僅かに豪奢な椅子の背凭れに背中を預け、生徒会長である鳳凰院神那人は伝わって来た従者からの念話を受けて温和な微笑を崩さずに、背中から覆い被さるように抱き着いている少女に向けて口を開いた。
「ふむ、どうやら香具耶は失敗をしたようだね」
「珍しい……あの子が損じるなんて。何があったの?」
動揺の色はないが、それでも静かに驚きを滲ませる声は聞き及ぶ者を魅せる美しい琴の音の様だ。
青い髪をカナトへと微かに垂らして、自らの顎をカナトの方に乗せて密着した遠慮のない姿勢で、副会長である冴樹志津華は仔細を訊ねる。
「どうやら彼の会社の機密情報が他社に流れているらしい。あそこは機人を中心に技術開発に熱を注いでいるからね。死活問題だ。目の前の快楽よりも今後の社運を優先したらしい」
「もう、あの子ったら。しっかりと手綱を握るくらい溺れさせないとダメじゃない……」
苦笑するカナトに、シヅカは呆れた様に呟いた。尤も、口にしている内容は生々しいが。
シヅカは香具耶がどの様な行為をしているのかを当然知っており、即ち彼女が言っているのは社運と女を天秤に掛けて、女を選ぶくらい自分に夢中にさせろという事だ。
「はは、そう言ったら可哀そうだよ、シヅカ。彼女だってセックスに関してはまだまだ勉強中だろう? 君の様に、直ぐに交わった男を夢中にさせる適性がある訳じゃないんだから」
「その割には、カナト。アナタ、私に夢中には見えないのだけれど。私はアナタに夢中なのに」
怜悧な眼差しを細めて、小さく頬を膨らませたシヅカは拗ねた様に言う。
そんな彼女の頭を、髪が乱れない程度に優しく撫でながら顔を向けるカナトの瞳は爛然と黒い輝きを宿している。
「一応僕は君の主だよ? まあ隙あらば欲しがる君に応えたいけれど、まずは目的を達してからだ。鳳凰院麗雅の栄光を、この鳳凰学園を破壊したら僕は君に溺れるよ、シヅカ」
優しい声音ではあるが、それはシヅカとはまた違う人を魅了させる声だ。心の中に、頭の中に深く浸透する魔性。言にシヅカは、頭を撫でられ、その声を間近で聞いた事によって頬を薄らと赤く染めて恍惚しそうになっている。
カナトが口にした内容が、彼の立場からは決して考えられないような事であっても、シヅカはそれを当たり前の様に受け入れる。
耶馬都の住民総出によって選出される鳳凰学園の生徒会会長、加えるならば鳳凰学園理事長の息子であるカナトは、よりにもよって自身が守るべき場所を壊すと、平然と口にしたのだ。
「それじゃあ、それまでは私がカナトに溺れてるわ。でも安心して。アナタの望む事、願う事ならなんでも手伝ってあげる。私はアナタの忠実な下僕……カナト、アナタの喜びが私の喜びなのだから」
陶酔し切った嫣然とした微笑み。凡そ十八の少女が醸し出せるとは思えない妖艶な気配で、シヅカはカナトが座る椅子から離れて、前に回り込みその身体にしな垂れる。
甘い女の香りを漂わせて首に腕を回して抱き着けば、制服の上からでも目立つ魅力的で豊満な乳房が柔らかく押し潰れる様に形を変えてカナトの胸板と密着する。
「男心を擽る話術も達者になったね、シヅカ」
「もう、本気なのよ、私は」
「わかっているよ。ただまあ、彼が来ない事は次の計画段階に進むのも難しいのだけれどね」
「学園長の息子……名前は確か」
机の上に置かれた写真付きの書類へと注がれる二人の視線。そこに写っているのは、鋭い眼光に昏い輝きを灯した灰色の髪をした少年。
「カイ。火群の里から、彼の秘宝『絶晶石』を取り戻しに来る筈さ。偽名を使うか、正直に光明寺姓を使うかはわからないけれど、恐らくは彼も僕と同じだ。誘ってみる価値はある。尤も、見極めてからだけれどね」
薄い笑みを浮かべるカナトの言葉に、シヅカはカナトに向けていた甘い猫撫で声から一変して、聞く者の背筋が凍り付く様な冷たい声と酷薄な表情で言い放った。
「利用するだけ利用して捨ててしまえばいいのに。学園長の血を引いているのよ? 根はきっと善性。内側に入れてしまえば危険だと私は思うけれど」
そこに一切の好感情は含まれていない。邪魔をするな、立ち入るなと拒絶の意思を隠さずにシヅカはこの場に居もしない少年に対してあらん限りの悪意と敵意を向ける。
そのある意味では自分を偽らず、隠さない素直な反応にカナトは小さく笑いを落とした。
「昔の君の様にかい?」
からかうように言ったカナトの言葉に、彼の腕の中でシヅカは顔を青褪めて身震いをしてから心底嫌そうに顔を歪める。その拒絶反応は生理的な域に達している様子。
「止めて。昔の私と一緒だなんて、吐き気すらするわ。清く正しく? こんなに、愛している相手と触れ合う事すらも我慢して? そんな抑制の中で振り翳す大衆的な正義に意味なんてないわ。ただ自分が望むまま、求めるがままに振る舞う事の方が余程幸せよ」
捲し立てる様に言い放ったシヅカは鳥肌が立った自身の腕を抱き抱える。自然、カナトの首は彼女の細腕から解放されたのだが、依然とシヅカはカナトの懐から離れる様子は一切ない。
制服の上から胸元に顔を埋めて大きく息を吸い込み、妄信する青年の放つ香りを脳の奥深くまで吸い込んだシヅカは、喉を鳴らし、頬を赤く染めて総身に流れた快美な痺れに小さく身体を震わせた。
「変われば変わるものだね……。君にしろ、香具耶にしろ僕やナイアがした事は切っ掛けに過ぎないのに」
学園内では高嶺の花と謳われるシヅカだが、既にその心はカナトただ一点しか見ていない。信頼ではなく信奉で、敬意ではなく妄信。信頼ではなく依存。愛情ではなく狂愛。
「気付かせて貰ったのよ? カナトに。あの圧倒的な、自分が真っ白に塗り潰される快感。服従する事の悦び。思うが儘に振る舞う事の爽快感。知ってしまえば戻れないし、戻りたくなくなるわ」
齎された一滴は、それまでのシヅカの心の水面を大きく揺らめかせ、根柢の観念すらも激変させた。澄み切った紅玉の瞳は曇りもなく愛しい男を映し、少女の心を倒錯的な悦楽で充たす。
「そんなものなのかい? 僕は演じているから良くわからないけれど」
自ら、学園のみならず耶馬都で老若男女を問わずして人気を博す『太陽王子』としての仮面を纏って人々に爽やかな笑顔を振り撒き、好青年を演じるカナト。
だがそれにシヅカは頭を振って己も同じだと嗤った。被る理由が違う事に気付かず。
「そういうもの。それに演じていたのは私も一緒よ。自分にも相手にも厳しく、風紀と戒律を重んじる『荊姫』。多くの憧憬や畏敬を、カナトと同じ様に集めていたのかもしれないけれど、肝心の私自身が満たされていなかった。私の欲を満たしてくれたのは……カナトよ」
カナトが仮面を被った理由は己の望みの為に。シヅカが仮面を被ったのは他者の望みの為。
己ではなく、他人の為に演じていたシヅカの心に間隙が生まれ、その小さくも無視出来ない穴がカナトの謀略によって埋められたのは、決して偶然ではないだろう。
どこかでシヅカ自身も、望んでいた事は間違いではない。それがこの様に清冽な精神を反転させる程の激変でない事だけは明らかだが、結果としてシヅカはそれを受け入れてしまっている。
現に、カナトと密着するシヅカはそれまで得た事のない幸福と興奮に酔っている。してはならない、邪道悪道を進む背徳的な事実、今までの自分の功績を打ち消す爽快感は刺激的なのだ。
カナトを相手には隠す事のない己の欲望。知的な美貌を妖艶に変えて、悩ましげに腰をくねらせた細い指先が這う様に服の上を滑り、自分の股下で硬く起き上がり始めている肉塊を優しく一撫でした。
「そう言って僕のズボンに手が伸びる素直な行動には感心するよ。でももうちょっと待ってくれないかな。後少しで今日中に処理したい事が終わるから」
既にカナトは、シヅカが自分の懐に入った時点で彼女の望みを看破していたのだが、苦笑してそれを止めようとする。しかし却って来たのは心底不思議そうにキョトンと瞳を丸ませて小首を傾がせて蒼く煌めく神を揺らす少女の疑問すら懐いていない言葉だ。
「あら、していて良いわよ? 私は私で勝手にカナトのオチンポを愛しているから」
「……集中出来なくなるんだけどなぁ」
ますます苦笑の色を強めるカナトだったが、シヅカはそんな事などお構いなしに、地震の指先が感じる硬さと熱さも強くなり、鼻から頭の中に伝播する愛しい男の香りが強くなるのを感じ取る。
下着に包まれたヴァギナは愛しい香りを感じただけで蜜を漏らす。
微笑みを崩さず、麗貌に見惚れてしまう程整った口角を釣り上げ、紅唇を待ちきれないとばかりに桜色の舌で舐め上げて濡らせば、瑞々しく照る。
一挙一動が男の肉欲を誘わせる淫魔の如き仕種だ。淫らな事に対する抵抗や忌避感を通り過ぎたシヅカに取って、カナトを悦ばせる行為や行動を学ぶのは当然。
この様に夜分の人気がない学園で破廉恥な行為に及ぼうとする倫理を軽んじる事実はより、シヅカの身体を熱く昂ぶらせる。
「そう言う割にはもう硬くなって来てるわよ。ほら、ズボンがこんなに大きくテントを張っているわ。それに、熱い……♪ ふふ、大丈夫、邪魔をしたりはしないから」
弾む声は邪気の欠片も無く、鈴の音の様に漉き取った美声。
するすると滑る様にカナトに傅く様に椅子の下へと下り、閉じられていた股を左右に大きく開いたシヅカは迷いなくズボンを膨らませている股間へと顔を近付けた。
「いやらしいお姫様だよ、シヅカは」
「そんな風に調教したご主人様が言う事じゃないわ、カナト♥」
隷属する嗜虐的な快感が齎す淫靡な刺激にシヅカは震える。これからする行為を一瞬でも想像するだけで身体から幸せが溢れ出して尽くす快感に変質し、小さな絶頂が訪れたパンツを濡らす。
「それじゃあ、申し訳ないけど君の相手はこれが終わってからするよ?」
「大丈夫、さっきも言ったけど邪魔はしないわ。私は私でカナトのオチンポ様をしっかりと気持ち良くして上げるから……♪」
慣れた手付きでベルトを緩ませ、ズボンのチャックを下ろしたシヅカはトランクスの隙間から屹立する雄々しい肉棒を取り出し、猥然と瞳を輝かせる。
「あふぅ……カナトのオチンポぉ♥ やっぱり凄い。こうして近付くだけで、私のオマンコが発情しておねだり汁が漏れ出ちゃう♥」
先程よりも何倍も甘ったるい撫で声を上げて、シヅカは心酔し切った様子で肉棒に頬擦りをした。
四つん這いで物欲しそうに腰を振って、スカートに覆われた小振りの尻を揺らと膝上の短く折られたスカート丈の隙間からはフリルの付いた黒いレースのパンツが見え隠れする。。
嘗ての彼女なら汚らしいと一周する行為すらも、今の彼女にとっては幸せを満たす行為。進んでやる事に躊躇いなどない。
思い出す。シヅカは自分をここまで変えるきっかけを与えてくれたあの瞬間を。
それまでの自分の正しい行動が全て馬鹿馬鹿しくなってしまう程の幸せを感じた瞬間を。
恭順、隷属、心酔、妄信。従う悦びが全身を走り抜けて頭の中が蕩けそうな快感。
濁り切った悪心に染め上げられる快楽の素晴らしさを知ったあの日を。
◇
入学試験、入学式、始業式と立て続けに続いた大きな式典行事を終えて生徒会の業務が繁忙期から一応の脱出を迎えてから一週間。シヅカは抑制状態のカグヤを引き連れ、まだ早朝と呼べる自分に鳳凰学園の生徒会室を訪れていた。
それは他でもない。生徒会長であるカナトから前日に普段よりも早く来て欲しいと頼まれていたからである。詳しい事はその時に話すと言われ、不思議に思いながらもシヅカは何も疑わずに赴いたのだ。
それはある種の油断でもあった。生徒会の一員として二年以上傍に居続け、それなりにカナトの為人を知り、そして淡い恋心を懐いているが故の慢心。
カナトが自分に危害を食わる筈がないという信頼。だがそれは直ぐに裏切られる事を、生徒会室の扉を開いたシヅカは気付けない。
「やあ、すまないね二人とも。こんな朝早くから呼び出してしまって」
沢さやかな笑顔に思わず心音が跳ね上るのを自覚し、シヅカはコホンと小さく咳払いをして気を正す。そんな彼女の横では、その内心を知ってかカグヤ小さくクスクスと笑いを零している。
「それは別に構わないけど。何かあったの、カナト? ケンケンに、それにナイアは解放状態になっているし。緊急事態でもあったのなら、マヒルやマイトにも連絡をした方が良いと思うけれど」
入った瞬間から感じ取っていた室内の強張った空気にシヅカの声に緊張感が混じる。
彼女の視線の先に居るカナトの従者である剣剣は普段と変わらず双眸の目蓋を落とし、背中に手を回して屹然と主人であるカナトの傍らに控え、パートナーのナイアーラは抑制状態ではなく解放状態でニヤニヤと常変わらぬ子供染みた笑みを浮かべている。
カムイは神具の中から珍しく出ており、抑制状態でカナトの傍を浮いているが、少し疲れた様子が見て取れる事を、カグヤは何とはなしに感じ取った。
しかし、シヅカとカグヤが感じたのはそれだけだった。普段と変わらない。強いて言えば、ナイアが解放状態であるという事だけ。
鎌首を擡げた一抹の不安を拭い去ったシヅカの紅玉の眼差しを受け、カナトは穏やかな声で語り掛けながらシヅカの前に立つ。
「いやなに。僕の計画も最終段階が近付いて来たから、君にも是非とも協力して貰いたくてね」
いつもよりも一歩、深く踏み込まれているとシヅカが気付いたのは、男性の逞しい香りと一緒に混ざるフレグランスな香りが濃厚になってから。
ゾクゾク、と羞恥心と嬉しさから身体の奥底が熱くなり、思わず神那人の言葉を聞き逃し掛けるが、その剣呑な単語に後ずさりそうになった一歩を踏み止まる。
「計画って……物騒な物言いね」
言葉の端々に滲み出る険を隠せず、それに敏感に反応し声を上げようとしたケンを片手で精するカナトは泰然とした様子を崩さない。その変わらない爽やかな笑顔に、シヅカは寒気を感じた。
「実際、物騒な事をするからね。この鳳凰学園を、鳳凰院麗雅の力の象徴を破壊するのだから」
「……は?」
想い人の口から出て来た言葉を一瞬理解出来ず、呆けて馬鹿みたいに口を開いたまま時間が止ったかの様に硬直するシヅカの姿を想像していたのか、カナトは平然と苦笑して続けた。
己の狂気を、あたかも息をするのと同じ様に。
「いきなりこんな事を言って驚くかもしれないけれど、僕が会長を目指したのもその為さ」
「ちょっ、ちょっと待って! え、どういう……冗談にしては性質が悪過ぎるわよ!」
頭を押さえて、重なり合うカナトの気が触れたとしか思えない、或いは冗談だと思いたい言動を受けて、
シヅカの精神の許容量はあっと言う間に横溢する。自分の中で情報を咀嚼して理解をする暇もなく、カナトは笑顔を消した真剣な表情で混乱するシヅカの両肩に手を置いて視線を自分に向けさせる。
普段ならばトキメク肌の触れ合いも、今のシヅカにとっては得体の知れない不安を助長させるだけ。
「冗談じゃないんだよ、シヅカ。僕やケンケンだけでも計画には支障がないけれど、君や香具耶が協力をしてくれるのなら、計画はより盤石になる。人気の少ないこの時間に君達二人を呼び出した時点で、これが真面目な話だと察して欲しい」
心中で渦巻く不安が掻き消える。
自分でも驚く程に、シヅカは心に秘めていた恋心を仕舞い込み、冴樹志津華ではなく、鳳凰学園の生徒会次席、副会長という己の立場を思い出して思考を切り替えた。
「……真面目な話なら、それこそ話にならないでしょう。アナタが言っている事は、私にとって到底受け入れられない事よ。それに、本気なの? もしこの学園をどうにかするならそれは、四方院家を敵に回す事も同然で、耶馬都にも居られなくなるわ。英雄である学園長に勝算があるとでも?」
鳳凰学園を落とすという夢物語に立ち塞がる多くの壁。
今の鳳凰学園にはカナト自身を除けば、生徒として四方院家に所属する者が三人。当主が教師として二人ほど在籍している。自然と、この耶馬都の四方を守護する家を敵に回すのだ、中央を護る家の次代当主を。
幾らカナトが学園に於ける最高位の因使とは言っても、多勢に無勢。更に彼等を加えて待ち受けるのは、死神の名を持つ教頭の愛染京志郎、英雄の雷名轟く光明寺凱。
結果など火を見るよりも明らかであるのに、どこまでも狂った夢想を語るカナトの眼差しには現実を見据えた理知的な光が灯っている。
「あるよ。その為だけに僕は生きて来た。別にこの耶馬都をどうにかしようという訳じゃないさ。僕はただ、僕の復讐の為に、あの男の夢の結晶である鳳凰学園を跡形もなく消し去りたいのさ。抜かりはない」
迷いなどない。断言をしたその語らい口から感じ取ったシヅカは、小さく嘆息を零した。
朝早くから呼び出されて何事かと心を弾ませていた自分を恥じ入る。
決意は固い。後戻りをする気もない。それなら、それに己の本意を余さず示すのが、せめてもの、カナトに対する答えだとシヅカは袖口から掌へと神具『花蝶扇』を取り出して握り締めた。
「……カナト、アナタが本気なのはわかったわ。わかりたくなかったけれど。でも、私の答えなんてわかりきっているんじゃないかしら?」
「実際に聞いてみない事にはわからないと思うけど?」
その微笑みに心打たれた事がある。年相応の少女の様に心を疼かせた。けれども、今のカナトが浮かべる微笑の先にある破滅を認める事は、シヅカには到底出来ない。
「馬鹿にしないで。目の前で、学園を危険に曝すと言っている人がいて、それを私が見過ごすとでも?」
「君なら、僕に協力をしてくれるさ」
余裕を崩さないカナトはシヅカの両肩から手を退かして一歩だけ後ろに下がった。
それが自分を見縊っているなどと甘い見積もりをするほど、シヅカは彼の事を知らない訳ではない。既に何か手を打たれていると考えるのが当然だ。
シヅカは既に自分が相手の領域に居る事を察している。今から行動に移す事が、どれだけ遅々とした愚策であるのかを。しかし抵抗をしないという選択肢は存在しない。
副会長である誇り。そして、狂気に堕ちている想い人の為に、シヅカは内包する魔力を解放し、その半分以上を隣で宙に浮くカグヤへと流し込み、叫んだ。
「カグヤ! 魂獣解放!」
「うん! 気を付けてシヅカ、ナイアは目を合わせるだけで完全催眠の能力が発動するから!」
輝く純白と翡翠色が斑に混じり合った繭の様な光に包まれた花の妖精は、瞬く間に本来の姿へと帰態する。人形の様に小さな身体から、シヅカよりも僅か程度に低い身長の少女へと。
翡翠に煌めく長い髪を揺らし、頭に咲く白い二輪の薔薇とリボンの様に丸まった荊が横溢する魔力で震える。手に持つ魔杖の先をナイアーラへと剥けて警戒心を露わにして構える。
二人の気持ちは変わらない。凶行を止める。その狂った考えの真意を糾す。
数の上での不利は承知だ。先程までのカナトの言葉を遮りもせず、一切の動揺を見せていないケンやナイアーラ、そしてカムイは疑うまでもなくカナトの側。人気の少ない朝と言う時点で援軍は望むまでもなし。どう切り抜けるべきか。
一瞬の思考の空白は、決定的な意識外から放たれる間隙を埋める。
「――今迄通りね」
直後、指を鳴らしたナイアーラの音を聞いた瞬間、シヅカと香具耶の両脚から力が抜け、ガクンと膝から崩れ落ちた。
「え?」
訳も分からず、当惑の声を漏らすシヅカに対して、香具耶は既に答えを察したのか、苦虫を潰した様な表情で無邪気に嗤うナイアーラを睨め付けた。
「いつのまに」。そう小さく口の中で呟いた香具耶の言葉を聞き逃さなかったナイアーラは甲高い笑い声を上げてくの字に床へと座るしかないシヅカと香具耶に近付く。
「ぬふふふふっ! 香具耶ー、甘い、甘過ぎるのだ。私の完全催眠はそんな条件指定なんて必要ないのだ。私が堕としたいと、力を発動した瞬間に相手はもう私の思うが儘なのだ」
愉悦に混じる嘲弄の言葉には、不思議と悪意は込められていなかった。ナイアーラにとって、こうして旧知の間柄である香具耶を自分の掌中で弄ぶ事自体が、悪戯の延長線上に過ぎない。
自らの行いを悪と断じ、八つ当たりだと自覚して、正道ではないと理解しながらも自身の感情のままに破壊を是とするカナトと、ともすれば純粋とも取れる悪道を自覚しないまま、己の快悦の為に他者を弄ぶナイアーラ。沈黙に徹する黄金の太陽神と従者を余所に、カナトは身を翻して椅子に座り、落胆の吐息を零す。
「出来れば強硬手段には出たくなかったけれど、仕方ないかな。ああ、安心して良いよ、シヅカ、香具耶。……ナイア、済まないけれど、二人に掛けた催眠を解いてくれないか?」
「オッケーなのだ!」
「なに、を言って」
自由の利かない下半身。まだある程度自分の意思で動かせる両腕で懸命に抗おうとするシヅカと香具耶の二人に浴びせられた、何気ないカナトの一言は、思考と身体を硬直させるのに充分だった。
掠れた声で呟くシヅカに、鋭利な刃物の様に冷静なカナトの声が降り掛かる。
「催眠に掛けられるかもしれないから気を付ける。成る程、確かにその警戒は間違っていないけれど、シヅカ、香具耶。それは遅過ぎだよ。どうして君達は、既に彼女の完全催眠に掛かっていないと思えているのかな?」
音の変化がない。平坦な調子で紡がれる言葉に、何を言っているのかシヅカは理解が追い付かない。
これも自分達を混乱させる為の甘言なのか。疑念は自分の心とカナトの言の両方に向けられ、シヅカは上手く言葉を繋ぐ余裕すら奪われる。
「あ……え……?」
「シヅカっ、気を確り持って! きっと私達を動揺させる為に言っているだけだから!」
「そ、そう、よね……」
ぐらり、と視界が揺れる。平衡感覚が奪われたのか、それともカナトの言葉で動揺をした自分が眩暈を起こしているのかさえ、シヅカは判別出来ない。
声高に叫ぶ香具耶の言葉さえ正しく聞き取れず、曖昧に頷き返すだけ。
「それならどうしてシヅカ、君はそんなに動揺をしているんだい? 普段の君なら一笑に付す事態だ。在り得ない、と。なのに言葉を失う程の狼狽をしているのは、心当たりがあるからじゃないのかな?」
その微笑みが恐ろしい。美しい筈の翡翠色の眼差しが、聞き惚れる声が、カナトの全てがシヅカの心に揺らぎを与え、疑問を齎し、己への疑念を昂ぶらせる。
心当たりなどありはしないのに、本当はどこかであったかもしれないと思ってしまう。
逃げ出す様にカナトの瞳から離れたシヅカの視線は虚空を彷徨い、光を徐々に失わせて濁り始める。
そんな彼女の様子を間近で見ていた香具耶は焦った様に身動ぎをしながら声を上げた。
「カナト! これ以上シヅカを惑わせるならアナタでも許さないよ!」
愛らしい小顔を敵意で険しくさせ、必死に立ち上がろうとする香具耶に、ナイアーラの細い蒼い肌の指が伸び、頬を撫で擦る。その表情は実に充実しており、明らかな優位性に酔っている様にも見えた。
一言で言うならば隙だらけである。しかし、香具耶の身体は彼女の意思に従わずに立ち上がろうとする事はない。
「ナイア、まずは香具耶の催眠から解いてあげて欲しい。そうすれば彼女も、いやでも認めるだろう」
「うえっ、流れ的にシヅカからだと思ったのに!? まあいいや、それじゃパチンとな!」
反抗的な様子を見せていた香具耶の必死な態度ですらも、カナトにとっては苦笑で済まされる程度の事だった。
香具耶を嗤いながらも、意識だけは動揺が著しいシヅカに向けていたナイアーラは驚きも一瞬、頬を撫でていた指を離して、香具耶の視線が一瞬だけでも離れていく指に向けられた瞬間、音が鳴る。
尤もそれは、指を鳴らした音ではない。まして、実際に鳴った訳ではない。
しかし、香具耶の頭の中では耳の穴の中から反響する様に脳を揺らす不快な音が鳴り響き、思考を緩ませ、視界が薄い靄に覆われる。
「ふざけ……な、い……で……は、ぇ?」
「香具耶! ナイア、何をしたの……」
茫洋とした眼差しで虚空を見詰める香具耶に、自身も虚ろな状態にも関わらずシヅカはナイアーラに食ってかかった。
光が消え、瞬きすらもせず、呆けた様に口を開いたまま固まる香具耶の口端から一筋の涎が垂れて魂衣を濡らす。自意識があるのかどうかさえ怪しく、激昂からの激変とも言える変化に慌てるのはシヅカだ。傍から見れば何もしていないにも関わらず、香具耶は意識を消失させているかの様に微動だにしない。
微かに震える声は、決して薄靄の掛かった思考の所為だけではない。
だが、そんな不安に駆られているシヅカを尻目に、問われたナイアーラは楽観的なまでに笑いながら告げる。
「いや、催眠を解く時は結構ぼんやりしちゃうだけなのだ。別に身体に悪影響はないよ?」
頭の後ろに腕を回して汲みながら中を漂うその姿は普段と変わらず、自己中心的に見える。実際そうなのだろう。思考が定まらないシヅカから見ても、今のナイアーラは、いつも通りなのだ。
自分のしている事がどういう事なのか、それを深く考えずに思うが儘に振る舞う。
それを羨む事は稀にあっても、シヅカは常に己の中にある自制心と倫理観が彼女の在り方を是とは認めていない。しかし、それをわざわざ口に出して無用な諍いを生む程彼女は子供ではなかった。
だが、此処に来てそれを悔やむシヅカの後悔は如何程なのか。あの時諌めていればこんな結果は産まれなかったかもしれないと過ぎるIFに、朦朧としながらも歯噛みする。
時間にして一分も経たずして、人形の様に硬直していた香具耶の身体が小さく身震いする。
少しずつ、曇った瞳は光を取り戻し始めるが、その纏う雰囲気は催眠の解呪を受ける前と一変している事に、誰よりも早くシヅカが気付いた。
それは何故なのか。
簡単である。与える筈の魔力が、逆に与えられているからだ。
魔力の薄いこの地上界では、魂獣は魔力の消費を抑える為に抑制状態となっており、契約をした因使の力量と魔力に応じて本来の姿である解放状態へと戻る事が出来る。
即ち、因使からの魔力供給と魂獣による魔力の授受と言う関係性は本来ならば不変。しかし、今、シヅカの身体に流れ込んでいるのは紛れもない、香具耶自身から発生している魔力だ。
それも妙に熱く、ねっとりと細胞に絡み付く様な感覚がシヅカに齎されている。どういう事なのかと、隣にいる香具耶の顔を見れば、答えを察してしまっていた。
純朴な小顔は仄かな赤らみが差した恍惚に緩み、悦を隠し切れない眦の垂れさがり。煌めく翡翠色の瞳が嗜虐的な色に染まり、垂れ流していた涎をジュジュルッと音を立てて吸い上げる仕種は幼い顔立ちの残る香具耶がすると、艶やかな背徳感が漏れ出ている。
「あ、わたし……いままで、あ、そっか……そう、だった……あ、はは、ふふふっ」
身体の火照りが起きているのか、極め細やかな素肌を赤らませて放たれる薄い熱気がシヅカにまで伝わっている。瞬く眼が正気の色を強くする度に、歪に歪む口角から漏れ出る笑いは、和やかさから掛け離れており、怖気を齎す冷たさが横溢している。
幼い頃から共に居る、家族も同然の存在の今まで一度も見た事のない姿に、シヅカは得体の知れない恐怖を抱く。
これが催眠を受けた事による結果、洗脳を受けた結果ならまだ理解は出来た。けれども逆なのだ。
カナトは確かに催眠を解けと言い、ナイアーラはそれに従った。
結果として、それまでの雰囲気を粉々にする変化を香具耶に起こした。
催眠が解けた状態の香具耶の姿は、シヅカの記憶の中にある彼女と一切合致していない。
つまり、本来の性質が残らない程にまで根深く刻み込まれた『完全催眠』による変質が既に香具耶には掛けられていた事に他ならない。その上から新たに、催眠に掛かる前の状態を維持する催眠が掛けられていたのだ。
変えられてしまった香具耶に戻った。ただそれだけの事だが、シヅカからすれば既に精神の許容量を超えた事態が連続して巻き起こり、呆然とするしかない。
「か、香具耶……?」
掠れた声で名前を呼ぶシヅカを見向きもせず、それまでの脱力が嘘の様に香具耶はゆっくりと立ち上がった。そうしてナイアーラに目配せをして、流れる様にその視線の矛先をシヅカへと向ける。
「それじゃこの隙にシヅカもパチンとな、なのだ!」
「うあっ!」
グワンと、ナイアーラの合図と共にシヅカの頭の中で響き渡る不快な音。左右から。否、まるで身体の内側から発生している様に全身へと伝播するその奇怪な反響音は思考を撹拌させてシヅカの意識を容赦なく凌辱する。
(なに、これ……頭の中に、何かが流れ込んで……ちがっ、頭の中から、溢れて……!?)
不快な音である筈なのに、脳からは蕩けそうな快楽物質が分泌されている。全身が弛緩し、座り込んだまま倒れそうになった身体を、香具耶が支えながら無理矢理立たせた。
しかし立たされた自覚などシヅカにはなく、漂ってくる香具耶の甘い女の香りに我知らずと頬を緩ませ、身体がビクンビクンと小刻みに震える。腰に回された手の感触が、厚い制服の上からであるというのに直接触られたかの様に鋭敏に感じられ、ゾクゾクと背筋が快悦に身悶える。揺れ泳ぐ瞳の焦点は完全に定まる場所を失い、八方を忙しなく捉え続けている。
だがその様子に戸惑ったのは、他でもないナイアーラだった。
香具耶同様に、強い自己暗示系の催眠の上に掛けられた催眠を解呪したのは良いが、明らかにシヅカの様子は香具耶と異なり、熱っぽく卑しい艶美さが如実に表れている。
「……あり?」
「ナイア、シヅカに掛けた最初の改変規模の完全催眠の内容は何だったかな」
「えーと、香具耶と同じ奴なのだ。じっくりと自意識その物を書き換えるクラスの奴だから、道徳と倫理観に自制心の低下。後は貞操観念の欠如に善悪観念の逆転だけど二年越しに馴染ませたからもうこっちがデフォルトなのだ。それでその後に皆が良く知っている一般的な印象の二人の思考状態に違和感を持たないようにする催眠……の筈だったんだけど……あれれなのだ?」
ナイアーラの口から語れる人格改変の領域に達する完全催眠。本来なら、思考その物の指向性をある程度自在化させて、それに対して違和感を持たせない程度にするのが催眠だが、彼女の能力である完全催眠は、時間さえかければ本質その物を歪めさせる物に変わる。
シヅカと香具耶に施されたのは、正しくそれだ。
品行方正にして清廉潔白、秩序と規則を重んじる冷静沈着。少しばかり心配性のきらいがある生徒会の副会長たるシヅカ。そして純情可憐、天真無垢な草花の精霊にして、その能力と性格によって多くの者を癒す香具耶。
その根本が、逆転とも言える状態に陥ればどうなるのかは想像に容易い。清廉であるならば佞悪に。純粋であるならば悪辣に。反転したその意思、思考が齎す邪淫と邪知の観念に満たされる行くシヅカの表情に苦痛はない。
首を傾ぐナイアーラと、大凡こうなる事は想定をしていたのか泰然自若と構えるカナトを余所に、既に表層の催眠を解呪された香具耶は楚々とした雰囲気で嗤う。
「わかるでしょ、シヅカ。自分の中に何が渦巻いているのか。それに逆らう必要がない事も」
「私、は……あぐっ」
「拒む必要も躊躇う意味もないよ? だって私達はただ……元に戻るだけなんだから」
「もど、る……? あ、そう、私は、ナイアに……うぁ、ぁぁ……」
香具耶に抱き着きながら呻く姿すら艶めかしく、シヅカの心から上塗りされた思想が掻き消えて行く。
不快な音が静まり返り始めると同時に鮮明になる思考。混沌として鏤められていた意識が整然と元に戻って行く爽やかさがシヅカの心を満たし、弛緩した身体が熱く昂ぶり力が取り戻される。
呻きが止み、ゆっくりとではあったが確かな足取りで床を踏み締めるシヅカは、微笑を浮かべてカナトへと向き直る。
「……随分と、酷い事をしてくれたわね、カナト」
「ホントだよ。色んな意味で。回りくどいし」
氷の様に冷え切った眼差しと声音のシヅカに同調する様に、香具耶は頬を膨らませながら不満げにカナトを睨む。尤も、それが本気かどうかは一目瞭然だった。
それをカナトも理解をしているのか、肘を机の上に付いたまま苦笑を返すだけ。
「すまない。僕達の方も色々と準備が必要だったんだ。こうしてケンケンが学園に入学して漸くこの中でも下地を整えられるんだ。それまでの間、特にこの一週間。二人には周りが求めている姿を自然体で振る舞って欲しかった。学園に不慣れな一号生にシヅカや香具耶の在り方をある程度知って貰う為に」
「ふぅん。でもさ、私達のそれを知って貰っても、これから私達がする事を考えたら意味がなくない?」
「だからこそだよ。不純異性交遊など以ての外。そんなイメージが固まれば、君達の行動をもし誰かに見られたとしても、在り得ないと否定が先行する。普通の真面目な人なら疑念を持たれるかもしれないけれど、他でもない副会長と言う立場が、人々の信任の篤さを如実に示しているのだから」
「お笑い種ね。その人徳の篤さを利用するのだから」
冷然としながらも浮かべる微笑に込められた嘲弄を隠そうともせずに、シヅカはこれからの行動で踊る道化の姿を想像する。
それだけで身体の奥底から言い知れぬほどの歓喜が渦巻く。他者の純情を弄び籠絡させて、その無様に掌の上で踊る愚かしさを嘲う甘美な誘惑。
「まあ、まずは手慣らしと言うか、技を磨いて欲しい。手練手管は堅実にね。シヅカの相手は僕が務めようとは思うけれど、香具耶の相手は……誰が良い?」
「私はカムイが良いかな。一応、まあ、その、シた事あるし」
「うえええっ!? マジ!? それ初耳なのだ!?」
「別に吹聴する事じゃないでしょ。特にナイアに言ったらどこから広がるかわからないし。それに昔の話だよ、魂獣大戦の頃の話」
大袈裟にも見える驚嘆に打ち震えるリアクションを素で行った視線は、今まで蚊帳の外とばかりにカナトの傍で漂い続けて沈黙に徹していたカムイに向けられる。
「了解した。その際は少しばかり魔力を貰うぞ、カナト」
「勿論さ。だけど君の解放状態はどちらかと言えば竜寄りだったと思うけど大丈夫なのかい?」
「半人の姿ならば問題ない。以前……とは言っても足掛けで数千年以上前の話だが、その時に香具耶を抱いた時も半人だったのでな」
抑制状態であっても良く通る低く渋い声のカムイの発言に殊更驚くナイアーラを全員が無視し、カナトは机の引き出しに於いてあった資料の束を近付いて来るシヅカと香具耶に手渡す。
「目下の相手とされる人達だ。流石に理事会の人間に手を出すの早いからね、周りから囲い込む」
「良くコンタクトが取れたわね、これだけの企業の重鎮相手に」
資料をぱらぱらと流し見るだけでも耶馬都の中でもライフラインを司る企業を中心とした名立たる面々の情報が記載されており、思わずシヅカは喉を鳴らす。
「使える権力は使わないと損さ。それがどれだけ忌み嫌うものであったとしても」
激情を抑え込んだ声のカナトに対して向けるシヅカの眼差しは、今まで以上の信愛に溢れている。尤も、カナトや、彼女にとっての身内以外に向ける眼差しに込められる感情の差は歴然になっているのだろうが。
「割り切るのね。……なら、その苛立ちを今すぐにでも私にぶつける?」
「それだけだとまるで僕が暴力男みたいだね。というか朝からはしないよ、セックスは」
「え!?」
驚きの声は果たして誰から上がったのか。カナト、シヅカ、ナイアーラ、カムイ、そして目を眇めたケンケン達の視線がただ一人に集中する。
「……あ、あははは。そ、それじゃとりあえず今日の放課後に私カムイとどこかでシちゃうからね! あ、そうだ! 私花壇のお花にお水を上げなくちゃー、話はこれで終わりだよね! それじゃ!」
あからさまに誤魔化し、適当に理由を付けて逃げ出す香具耶を追う者はいない。実際、朝早くにシヅカと香具耶を喚んだ用件は既に終わっているのだ。
これから続々と学生達が登校をし始める中で淫行をしている時間がある筈もないのは事実。少しばかり期待をしていたシヅカは、甘い疼きを訴える下腹部の熱を抑え込んでカナトから身を翻す。
「私も行くわね。今日は校門前で持ち物検査と制服チェックをしないといけないから」
「ああ。それじゃ、放課後に生徒会業務が終わってから僕達はするとしよう。ケンケン、君も今日は検査担当だったよね?」
「はい。直ちに向かいます」
それまで一言も発さずにいたケンケンだったが、カナトの問い掛けには即応する。その忠犬という言葉が褒め言葉に鳴るほどの忠節心に只々感嘆するしかないシヅカ。
「それじゃあ行きましょう、ケンケン」
「わかった。それと私をケンケンと呼んでいいのはカナト様だけだと何回言えばわかる、副会長」
「仲良くねー」
カナトに向ける態度とは百八十度異なる姿勢のケンの言葉に微笑ましさを感じつつあるシヅカは、ケンを連れだって生徒会室から去って行った。
◇
「んっ♥ ふぅぅぅっ♥ おっ♥」
魚の様に口をパクパクと開閉させて下品に喘ぐシヅカは、下腹部に吐き出される熱い白濁の奔流が齎す甘美な絶頂感と脳髄を蕩けさせる快楽に腰を跳ねらせていた。
子宮の中で充たされる熱流。犬の様に四つん這いの姿勢という屈辱的な姿すらも今は心地良い刺激に変わる。いや、この隷属的な姿勢にこそシヅカは興奮するのだ。
「なかっ、だひぃぃ♥ カナトの濃くて熱いザーメンがぁぁ……しきゅ、いっぱいぃぃ……♥」
だらしなく緩んだ口元から垂れる涎がソファにシミを作って濡らして行く。汗ばんでも煌めく蒼い長髪の美しさ、珠の様に肌の上に浮かぶ汗。制服の上着は全開に開けられ、豊満に乳肉の上にはずらされたブラジャーが脱げ掛けている状態。スカートは肌蹴、膝下にまで擦り下げられたパンツには漏れ出た愛液と精液が混じり合った濃厚な粘液がドロドロと垂れ落ちている。
「流石に、がっつき過ぎじゃないかな、シヅカ?」
「んいっ、ふぉっ♥ だっ、てぇっ。まだ、足りないのよぉ♥ オマンコがぁ♥ 子宮がぁ♥ カナトのねっとり精液欲しがってるのぉ♥ あひゅっ♥ チンポで奥ぅっ、掻き混ぜられるぅ♥」
媚びに媚びた甘くねっとりと脳内に絡み付く淫蕩な嬌声が美しくも邪淫に染まったシヅカの麗貌と相俟って、扇情的というよりも蠱惑的な卑猥さが目立っている。
自ら強請る様に肉棒を咥え込んだ膣穴を揺らし、捲れ上がったサーモンピンク色の媚肉を白濁汁で濡らして潤滑を更に高める。大きく響く粘々と体液が絡み合うグチュグチュと言う音が耳元で鳴っている錯覚は、快楽に溺れているシヅカにとって福音にも等しい。
「ふあっ、あっ、おぐぅっ、コツンコツンんんっ♥ 子宮の中でザーメン擦り付けられてるぅっ♥」
「欲張りだね、シヅカは。でもそれじゃあ、こっちは触らなくても良いかな?」
「ひゃいっ、ひぃぃっ♥ ちっ、乳首だめっ、コリコリらめぇっ♥ びひっ、敏感らのぉっ♥」
ブチュンッ、グチュンッと抽挿され肉棒が膣内の奥深く、子宮口にその凶矛を突き立てる度に響く淫猥な水音。だが、そちらにばかり意識を割いていたシヅカは、大きく揺れ動く乳肉の先端で硬く反り勃つ乳峰を抓る様に摘ままれて更にだらしなく表情を快楽に蕩けさせた。
「すっかり敏感になったね、乳首が。乳輪もこんなに膨らんで乳首も大きくなっている。さぞかし、君の相手をして貰っている男にはそそる程淫らな身体付きだ。まあ元からスタイルは素晴らしかったけど」
「それはっ、カナトがぁっ、あひっ♥ 毎日ぃっ♥ 乳首もクリもっ、弄って、開発してくれたからでしょ、くいっ♥ いひぁっ♥ チンポキスしてるぅっ、ザーメンまみれの子宮口にいっぱいぃぃっ♥ だめっ、だめだめぇっ♥ 乳首も一緒に弄られるとイくのとまんないぃぃっ♥♥♥」
弓形に大きく背中を仰け反らせ、覆い被さったカナトを押し上げる勢いでシヅカが強烈な絶頂を迎える。放射線状に噴き出す淫潮がソファを濡らし、全身が激しい痙攣をしている。
肉棒を締め付ける膣内はシヅカの意思を無意識に感じ取ってか、絶頂の只中でも甘美な蠕動を止めない。細かい粒状の肉襞が絶え間なく亀頭から裏筋まで絡み付き、射精直後の牡塊を刺激する。
「ぐっ、もう一回、良いかな?」
「いいっ、いいからああっ、早くぅぅっ♥♥♥」
込み上げて来る射精感を堪えず、絶頂したままその快感の頂から降りられないシヅカのおねだりに従って、カナトは精を解き放つ。
「ひぐぅっ、イクッ、イクイクぅぅっ♥ イグぅぅぅっ♥♥♥♥」
身体の奥底から聞こえてくる生々しい射精音がシヅカの思考を快悦一色に呑み込む。言葉にならない嬌声を喉から搾り出して、上半身をソファの上に預ける姿は満身創痍。
唇の先から垂れ下がった舌から零れる涎に頬が濡れる事すら気にせず、荒い息を吐いているシヅカの膣内から、ゆっくりとカナトは肉棒を抜き放った。
「んひぃんっ♥ も、もうちょっと、ゆっくり抜ひて……♥」
冷たい床に座り込んだシヅカの股座からは愛液と精液が混じり合った濃い激臭が放たれる白濁汁が溢れ出して来ている。汗でびっしょり濡れた長い蒼髪が肌に貼り付き、また連続した絶頂からの疲労感を隠し切れていない姿は淫靡な色香に満ち溢れている。
「はは、ごめんごめん。でもこれで少しは満足したかい? 僕としては一度夕食を摂りたいんだけれど」
「え、えぇ……はふ♥ これなら、たぶん今日は、だいじょぶ、だと思うわ」
息も絶え絶えにこれ以上のセックスは大丈夫だというシヅカの言葉を、素直にカナトは受け取らない。これ以上のセックスをしても満足をしない程に、快楽に対して貪欲になったのが今のシヅカだ。
催眠によって鬱屈していた感情と欲望の箍が外れた結果、彼女は娼婦すら舌を巻く程に淫行を求める様になっていた。カナトが彼女に求める役割の為に、催眠とは別に肉体を快楽漬けにする為の局所の感度開発や性技の指南もシヅカが淫女の如く変貌する一因だ。
「部屋の中、私のオマンコ汁のニオイで、凄い事になっちゃってるわね……♥」
こうして躊躇わずに淫語を口にする事。乱れた服を着直す仕草の全てが妖艶で、男を誘う色香を漂わせる様に仕立てた。以前のシヅカならば、烈火の如く怒り狂うであろう姿だ。
「あう、パンツにカナトのザーメンが垂れるぅ……勿体無いのに」
「またいっぱい注いであげるから気にしなくても良いよ」
「本当に?」
こうして、カナトに対して躊躇なく甘える様にしなだれかかって来る事もなかった。恋慕を懐いても一定の距離感を保っていたシヅカだったが、その抑制はもう存在しない。
制服を着ても目立つ豊満な乳房の中央の僅かな突起も、破けたストッキングに垂れる白い粘液も、今の彼女にとっては何一つ気にならない。寧ろ、当たり前の姿と自認している。
だが、色欲に一辺倒した訳ではないのだ。正義感に富んでいた部分は、どこまで悪辣且つ容赦なく変じている。
「それなら、さっきの学園長の息子、カイ、だったかしら? アレが欲しいなら私が弄んで来るわよ。童貞一人くらい、今なら簡単に操れるし要らなくなったら毒の一つでも盛ればいいでしょ?」
こうして躊躇いなく、先程話題に上がった存在に対して色仕掛けを用いた上で、不要と判断したら秘密裏に処理する事を口にする程度には、倫理観や道徳観が消えている。
これもまた、周囲からの期待を一子に背負わされて自分を殺していた部分があり、その抑圧されていた感情が悪い方向に転じた結果なのだろう。
原因にも拘らず、カナトは他人事の様にシヅカの変化を判断し、それでもなお受け入れている。
今の彼女は自分に心酔をしている。が、同時に何がきっかけで愛想を尽かすかもわからず、同時に簡単に裏切られて手に掛けられる可能性もあるが、それでもと彼女自身を、そして彼女の能力や築き上げてきた信任を欲したのは、他でもないカナト自身だ。
どこまでも冷酷に、残忍に。そうしたシヅカを求めたのだから、ある程度のリスクは受け入れる。
尤も、こうして毎日の様に身体を清める様に精を求められれば、裏切りの可能性など考えもしないが。
「たぶん彼には色仕掛けは通用しないと思うけどなぁ」
「そうかしら? 胸を押し付けて舌を絡めて舐めしゃぶって、チンポを弄れば直ぐに落ちそうだけれど」
ある意味では男心を軽視している発言ではあるが、それを発しているのは魅力的な美貌と身体を持つシヅカだ。少なくとも、こんな美少女にそんな事をされてしまえば大概の男はコロリと落ちてしまう事は想像するのが余りにも簡単だった。尤も、カナトがシヅカに惹かれた部分は、そうした外見ではなく内面に抱えるものだったが。
「火群の里は暗部の一族らしいからね。房中術も修めていないとは限らないさ。彼の協力は別に必須じゃない。全てを詳らかにして協力をして貰わなくても、思い通りに動かす事は出来るさ」
「それなら私はどちらかと言えば、昔の私を演じていた方が良いかもしれないわね。その方が警戒はされそうだわ」
カナトの首に腕を回して密着して来るシヅカ。その矮躯を支えながら、カナトの手はシヅカの下半身に移動していた。
慣れた手付きでスカートの中へと侵入する手を拒まず、パンツの上から尻肉を軽く揉まれると甘い喘ぎが勝手に漏れ出る。そのまま
「流石にグチョグチョに濡れているね」
「んっ、だって中出し直後だもの、あんっ♥ 夕飯にするんじゃ、なかったの、ぉっ?」
身悶えするが、カナトの愛撫をシヅカが拒む事は在り得なかった。カナトの指先は汁気を多く含んだ薄布では吸い切れない大量の愛蜜が滲んでは指でこすりつけられる。
「ちょっとした確認だよ。シヅカがどれだけいやらしい身体をしているのかの。それにほら、続きは流石に出来ないよ?」
余裕のある笑みを浮かべたカナトの視線がシヅカから離れて、生徒会室へと繋がる扉へと向けられる。自然と促される形でシヅカも目を向けた瞬間、その扉が大きく開かれた。
バンッ、と壁面に打ち付けられる勢いに込められた苛立ち。先頭だって姿を現した香具耶は渋面を隠す事無く踏み入れ、視界に入った愛撫を受けるパートナーの姿を見て、心内で渦巻く不満を霧散させた。
「ただいまー、二人ともー、声は大丈夫だけど生徒会室の方凄いニオイだよ? もう入った瞬間にどれだけスゴイえっちしてたのかわかっちゃうくらいに」
指摘された羞恥心、ではなく隣りの部屋で行った前戯にも満たない一方的な即尺に近い強引な肉棒愛撫。それも口内で味わったカナトの味を思い出したからなのか、シヅカは頬の赤みを増させて、意地悪く笑みを浮かべる香具耶の視線から逃れるように顔を逸らした。
「いやははは、シヅカが舐めている間に何回かイったみたいでね。それかもしれない」
「成る程、だから精液のニオイはしなかったんだ」
「寧ろ嗅ぎ分けられる香具耶の方が凄いのだ。私はただ臭いだけだったけど」
平然と精液を嗅ぎ分ける技能を発揮した香具耶に表情菌を引き攣らせるナイアーラ。
帰って来るまでの道中で解放状態になったのか、今の彼女の姿は青い肢体を惜しげもなく披露している。尤も、それを見せたい相手は一顧だにしていないが。
「んぅ、私としては消化不良なだけあってあんなの嗅がされたらオマンコ疼いて仕方ないんだけれど、カムイ、する?」
香具耶は視線を翻し、生徒会室でカナトとシヅカの情事が終わるまで控えていたカムイの方に顔を向けて問い掛ける。色気も何もない、只々性欲を満たす事だけを全面に押し出した誘い口上である事に対する忌避など微塵もない言葉。
対してカムイは、その魂石の上に乗せた小柄な身体から器用に溜息を吐く仕種をして、呆れを隠さずに香具耶に白い目を向ける。
「私はお前の性欲処理係ではないんだが。……だがどうせ断った所で寝込みを襲うのだろう?」
「勿論♪」
「……はぁ。屋上に行くぞ。この時間なら見回りも来ないだろう」
「やた! あー、でも青姦は出来れば昼間とかの方が良いんだけど。ほら、人目を忍んで快楽に従うのとかってスリルがあって良いし、見つかるリスクが高い方が感じちゃうんだけど……」
声を弾ませる香具耶とは対照的に、あからさまに辟易とした様子のカムイ。不穏当な事を平然とのたまう彼女の、期待していますと言わんばかりの視線を一言で断じた。
「却下だ」
「むぅ……いいもん。こうなったら搾り取ってあげるんだから!」
頬を膨らませて不満を露わにするあざとさ。それは計算されてのものであると理解はしているが、整った魅惑の小顔で行われれば大概の男は堕ちるだろう。その言動の浅ましさは思考から除外して。
尤もカムイは、抑制状態の自分の動きを封じる様に胸へと抱え込んで拘束して来た香具耶に対しては、文句しかない。背中に感じる弾力なんて、草葉の感触の前には無いに等しい。
それを口にしたら碌な目に遭わないのは目に見えているので口にする愚挙をカムイは犯さないが。
「おい、抱えるな」
「やー。カムイ、抑制状態じゃないとこうして私優位に進められないもん。カナト、屋上着いたら念話送るからその時にカムイに魔力上げてねー」
抗議の声は当然無視される。わかっていた事だと、内心での諦観を隠さずに再び吐き出される嘆息。そんなパートナーの心境を理解してか、制服のズボンを穿いて服装を整えているカナトは苦笑気味に香具耶の言葉に頷いた。
「はは、わかったよ」
「あれ絶対無自覚なのだ。香具耶あんだけ色狂ってるのに無自覚なのだ。目の前で無自覚イチャイチャ見せ付けられるのは屈辱なのだぁっ!」
「ナイア、少し静かにしろ」
「ケン酷いのだ!?」
頭を掻き毟るように悶えて小声で絶叫するという器用な事をしたナイアーラ。
その不満の原因である香具耶の姿は既に部屋の中にはなく、まだ思考が淫熱冷めやらないシヅカは豊満な乳房を曝したまま首を傾げながら思わずと言った様子で呟く。
「……香具耶、夕飯は要らないのかしら?」
「たぶん夕飯よりも、お預けを食らった欲求不満を解消したいんじゃないのかなぁ。ああ、それじゃシヅカ、換気を頼むね。僕は夕飯の準備をして来るから」
「私としては換気しなくても別に構わないのに。それに夕飯くらい私がやるけれど?」
換気をしなければこの充満する淫臭の中で食事をしなければならず、シヅカの発言がどこまで本気なのかはカナトには判別出来ない。
艶然と頬に手を添えて微笑む姿からは冗談の様子が感じられず、感情の抑制を突き抜けて解き放てばこうも嗜好性が変わるのかとつくづく感心せざるを得ない。
「シヅカ、君この前思いっきり僕の食事に精力剤を混ぜたよね?」
「…………それじゃ換気扇付けるわね」
「おい待て、副会長。カナト様に薬を盛ったのかアナタは」
身を翻し、換気扇のスイッチを付けるシヅカの背中に突き刺さる冷ややかな視線。皺になっていた部分を直してスカートや上着を整える彼女は、ケンの刃物の如く鋭い敵意を意に介さない。
「ケン、どうどう。たぶんあれ失敗してるのだ。精力剤混ぜたは良いけど、調理している最中に効果がなくなった感じなのだ」
「なんでわかるのかしら!?」
が、ナイアーラに図星を突かれて思わず振り返って声を昂ぶらせるシヅカ。
「…………はっ」
そして彼女の視線は一切悪びれた様子もなく嘲笑するケンに移る。
「ケンケン、鼻で笑われるのは腹立たしいのだけれど」
「カナト様に邪な所業を働くからだ。それとケンケンと呼ぶな」
決して険悪ではない。だがだからと言って良好という関係ではないシヅカとケン。以前であったのならばシヅカが途中で折れるなりしていたのだろうが、今の彼女に自制の二文字は存在しない。
口許を引き攣らせて蟀谷に青筋を浮かばせて鼻が触れ合う距離まで詰め寄って空恐ろしい笑顔を貼り付けるシヅカと、見目麗しい美貌が迫っても顔色一つ変えずに厳然と睨み返すケン。
ある意味では自分がこの状況を生み出したにも拘らず、アワアワと慌てているナイアーラを尻目に、聞いているかどうかわからないが、カナトは一言だけ残して隣の簡易キッチンへと向かう。
「それじゃ少し待っててね、作って来るから」
鳳凰院家の従者であるケン、そして一方的に隷従を捧げているシヅカ。その主である筈のカナトが皆の為に料理を行うという時点でおかしいのではあるが、ある意味でどちらがカナトに相応しい従者であるのか張り合っている節のあるシヅカとケンは、カナトの言葉に気付かずに睨み合ったままである。
結果として、二人の膠着状態が解けたのはキッチンの方から聞こえてくる調理の音が届くまでであった。
◇
常夜灯の薄い明かりと空から差し込む月の光という薄暗さの残る校内を歩き通した香具耶と、そんな彼女に抱き抱えられているカムイ。二人が辿り着いたのは生徒会室と宿直室がある棟の屋上。当然、昼間であってもこの場所に一般生徒が訪れる事は出来ない。常に施錠をされてはいるが、各学年主任と生徒会の面々のみ、立ち入る為の鍵を持たされている。
尤も、今回は香具耶が自身の荊を用いて泥棒宜しく鍵穴に荊を挿し込んで器用に開錠したのだが。
星々の光。薄い雲間から差し込む月明かりは、校内と違って遮るものがなく、かなりの明るさが保たれている。白い光は香具耶の翡翠色の長い髪を鮮やかに照らし、薄く赤らんだ頬は愛らしさを際立たせている。
「まだ四月の下旬。些か夜に外でするには肌寒い気もするが、良いのか?」
とは言え、これから服を脱いで行為に入ろうとするには少しばかり寒さを感じるかもしれない、とその程度の事で今更止める様な性格ではない事を承知の上で、カムイは香具耶に問い掛ける。
「大丈夫大丈夫。私の身体今凄い火照ってるから。ほら」
そう言って香具耶は胸元の草葉と魂石を自分の身体に同化させて消して、露わになった胸元にカムイの顔を押し付ける。葉の残り香よりも、香具耶自身の甘い女の芳香が強く放たれる白い肌。
異性を自分の胸元に押し付けて臭いを嗅がせる事に対して、香具耶は忌避感所か疑問すら持たない。
「確かに。まあ行為が終わった後にしっかりと身体を温めれば問題はないか」
「そういうこと! ふふー、それじゃ始めようか、カムイも乗り気になってくれたし」
「どうあってもお前とする未来しかないからあきらめているだけだ。全く、雰囲気も減ったくれもあったものじゃないな。少し待て」
カムイが香具耶から離れると、念話がカナトに繋がったのか彼の身体から魔力の光が溢れ出す。小柄な人形の様な矮躯は徐々に大きくなり、身長は二メートル近く、体躯が僅かな筋肉質で引き締まった偉丈夫に変化する。顔立ちは彫りが深く、一見すれば老けた青年であるが露わになっている肉体美がそれを打ち消す。金色の髪は短く切り揃えられて逆立っており、二対の白い翼と胴長な尾がカムイの本来の姿の残滓。
半人形態。元々が高位であるカムイは場合によって自身の遺伝子情報を操作する事で、この様に非常に人間に近しい姿へと変化する事が出来る。
「……やっぱりカムイの半人形態ってこう、ダンディだよね。うん。クる」
その月の光を後光の様に受けた神々しさに一瞬だけ見惚れた香具耶は、赤みが増した表情で呟く。
但し、その両手はワンピースの上から自身の股間を押さえており、下腹部の甘い疼きを堪える様に若干前屈みになっている。
「股を押さえるな、あからさまに」
微かに角張った顎先を指で擦り、渋みの強い表情を苦笑させたカムイは対面にいる香具耶を抱き寄せて強引にその唇を奪う。驚きは一瞬だけ。直ぐに自分の口内を蹂躙する荒々しい舌責めを受け入れ、瞳を恍惚に潤ませて蕩けさせる。
瑞々しい唇の隙間から涎が垂れるのすら気にせずに、香具耶は責め立てられる口の中で粘膜を泡立たせるカムイの舌の動きに合わせて自分の舌を絡ませる。
舌先が突き合い、舌腹が強く押し込まれて、腰が勝手にビクンと大きく震えた。
直後に、ガクガクと膝が震えて、崩れ落ちそうになるのをカムイが支えた。
「んっ……ちゅっ、んぁ……はふっ、んえぉっ……ぢゅっ、んぱっ♥ へぅ、いきなり激しいぃ。脚から力抜けちゃったぁ……♥」
鼻先が触れ合う距離。幸せそうに、或いはだらしなく表情を緩ませて笑う香具耶の子供っぽさの残る顔立ちに強く押しでる色香。甘い花の香りは紛れもない香具耶が放つ女の香り。火照る身体が更なる刺激を求める様に熱を帯びているのは、薄いワンピース越しにでもカムイは感じ取れた。
「お前の弱点は全て知っているからな。キスをしている最中に腰の辺りを撫でられると弱い事も」
「ふぃぃっ!? くすぐった、ひゃうっ♥」
小さな香具耶の身体を支える様に、腰に回した腕。その先にある手がツーッと彼女の腰から背中を撫でると、ビクビクと肩を震わせて甲高い喘ぎが漏れ出る。
「特に、身体が発情している時は殆ど全身が性感帯。更に言うなら、胸や膣を真っ先に愛撫されるよりも、別の場所を愛撫された方が、後々の快感が高まる事もな」
耳元で囁かれれば、吐息の熱が耳朶を震わせて頭の中が蕩けそうな悦楽で充たされる。淫らに曇った瞳が幸せそうに濡れ、垂れ下がった眉尻は全身の弛緩に繋がる。それでも地面に倒れ込まないのは、香具耶の意地かどうかは定かではない。
だがはにかむ笑顔に隠し切れない淫靡さを滲ませ、香具耶は長い睫毛を震わせて目の前にあるカムイの唇に今度は自分から求める様に舌を伸ばす。
「はうっ♥ えへっ、カムイに、私の全部、見透かされちゃったぁ……♥ んぁむっ、ちゅっ♥」
抱き着いて、身を委ねる様に香具耶は舌を伸ばして涎を貪る様に口内で絡ませ合う。粘膜と粘膜が混ざり合い、泡立ち溢れ出した涎が顎先を伝ってどんどん垂れ滴って行く。
硬い胸板に押し付けた乳丘は決して豊満ではないが、乏しい訳ではない。程良い弾力と柔らかさを持った肉丘を上下させて擦り付けながら、ブラジャーがずれるのすら気にせずに香具耶は激しくカムイの舌責めを求め、淫悦に溺れる。
照れなど始めからありはしない。中途半端に昂ぶり続けていた身体の淫熱は既に抑えようがなく、腹の奥底から溢れ出す牡を求める牝の本能。肉欲は香具耶の催眠によって変質した思考と合致し、淫女の様にカムイの牡を刺激する。
既に薄い布地の下でコリコリに勃起した乳峰を捏ねる様に自ら動いて、ジンジンと胸に溜まって来る熱く甘い疼きに酔い痴れる香具耶の舌は、最初と違って今やカムイにされるがまま。
緩んだ舌の動きは責め立てられるのを受け入れて、グチュグチュと口の中で響く卑猥な音が頭の中にまで届く快感に香具耶は幸せを感じる一方だ。
だが物足りない。身体から牡を求める熱と欲は際限なく香具耶の思考を犯し、下腹部で疼く子宮は濃い牡の塊を欲して涎を溢れさせる。
「はぷっ、ちゅぱ♥ カムイぃ、もっと触ってよぉ……、おっぱいも、オマンコも疼いてるんだからぁ♥ ほらぁ、もぉパンツも、グチュグチュに濡れちゃってるんだよ?」
口を離せば細い幾筋もの透明な粘着く涎の糸が生まれ、一歩ほどカムイから離れた香具耶は、自らワンピースの裾を摘まんで鼠蹊部まで露わになるまで捲り上げた。
花弁の装飾が施された艶めかしい薄い緑色のパンツの
見られているだけで興奮をしているのか、熱く荒い吐息を零す香具耶は、モジモジと腰を揺らし、少しずつ脚を左右に開いて行く。恥丘への食い込みは激しくなり、漏れ出す吐息には確かな喘ぎが混じり始め、夜気を呑み込む濃密な発情した牝の淫臭が溢れ出す。
臍、くびれまで露わになり、脚を小刻みに震わせながらも自らの濡れ湿ったパンツに覆われた秘所を露出する興奮に浸る香具耶は、それだけ快感を増しているのか、ポタポタと粘っこい糸を引いてパンツから透明な愛液が地面へと垂れ落ちる。
「確かに。まるで漏らしたかのようにどんどん溢れて来るな。下品とは思わん。寧ろこうした香具耶は普段とのギャップもあって、いつも新鮮に思う」
「んぁぅぅ♥ そんな事言ってぇ、散々私のオマンコにカムイのぶっといチンポ捻じ込んで専用オナホにしちゃった癖にぃ♥」
開いていた股を閉じて擦り合わせ、子宮から漏れ出る涎を絶えず流しながら、香具耶は誘う様に腰を突き上げて露わになっているパンツをカムイへと見せ付ける。
「人聞きの悪い事を言うな。少なくとも私は、一方的に快楽を貪る為にお前とシた事はないんだが。第一、触って欲しいのはこっちだけじゃないだろう? こんなに胸を張らせて、乳首を勃たせて何を言う」
一歩の距離を詰めたカムイのごつごつとした大きな掌が、一見すると乱暴にワンピース、そしてブラジャーに包まれていながら勃起乳首の突起が目立つ香具耶の乳肉を揉み上げ、形が露わになった乳首を親指と人差し指で摘まみ上げて捏ね引っ張る。
「ひゃうぃっ♥ あっ♥ あぁっ♥♥ あはっ、お、怒っちゃった? んひゃっ、乳首ぃぃ、つねっ、あひっ♥ それだめっ、垂れちゃっ、マン汁もっと垂れちゃうよぉぉ♥♥♥」
甘く蕩けた喜び声。もっと、もっと強く激しくという副音声が聞こえるほど淫蕩な喘ぎ。痛みなど微塵もない。ただあるのは頭を蕩けさせて下半身を濡らす極上の快楽。香具耶の発言通り、太股を伝う愛液の量は明らかに増えた。
「本当は失禁しているんじゃないだろうな? 全く、緩くなり過ぎだ」
「してなひぃっ♥ 漏らしてるのはオマンコ汁だもんんっ、チンポが欲しいって言ってるおねだり汁で、おしっこじゃない、いひぃあっ♥♥ らめっ、カムイぃぃ、直接ぅっ! 脱ぐっ、脱ぐから直接乳首捏ねてよぉっ!」
両脚に力が入らないのか、一瞬だけ蹌踉きながらも香具耶はワンピースの背中にあるチャックを下ろして一気に捲り上げて脱ぎ捨て、ブラジャーを上にずらしピンッと、硬く勃起している桜色の乳首へとカムイの手を導く。
「早業だな。私としてはもう少し焦らしたかったが……流石に限界か。イきたいか? 香具耶」
「イきたいぃっ! 乳首アクメぇっ! 早く早くぅっ! カムイ早く、くひぁぁっ♥♥ それっ♥ それしゅごぉぉぉひぃぃっ♥♥♥ 直乳首コネコネぇっ♥ おっぱい全体に気持ちイイの響いてるのぉ、ほぉっ♥♥ くひっ♥ もっと強くぅっ、腫れちゃうくらいっ、もっと強く捏ねてぇぇっ♥♥♥」
懇願する香具耶の腰に尾を巻き付けて支え、倒れない様にしたカムイは、彼女の要求通りに激しい乳首愛撫を敢行する。乳峰を摘まみ、強く引っ張り上げて膨らんだ乳輪に沿わせる様に左右に捏ね繰り回す。
ダラダラと緩んだ口元からは涎が大量に垂れ落ちて潤滑油になり、僅かな痛みは瞬く間に快楽刺激に変化する。髪を振り乱して唇を噛み締める香具耶は、絶頂間近の己の胸に意識を集中させる。
「きもひぃぃぃっ♥ いいっ、いいのほぉぉぉっ♥♥♥♥ クるぅぅっ、乳首イキするぅぅっ、あっ♥♥ あっ♥♥ んぁぁぁぁぁっ♥♥♥」
一際大きくカムイの指が乳峰を捏ね回した瞬間、胸の奥底から決壊した奔流の様に溢れ出す快感に全身を大きく跳ね上らせて痙攣する香具耶。ブラジャーの肩紐がずれる程に背中を仰け反らせ、絶頂感に浸る彼女の股間からはパンツの薄布に覆われれても勢いが減衰しない淫潮が放射状に飛び散る。その大半が正面に入るカムイを濡らすが、今の香具耶はそちらに意識など割く余裕などない。
「んひっ♥♥ ひっ♥ 乳首アクメしゅごひぃぃ……♥ ジンジンきもちぃぃ♥ こっ、こんなんじゃ、これからブラ擦れるだけでイひっ、そぉぉ……♥」
「それは流石に日常生活に支障が出るぞ」
自分に掛かった香具耶の潮噴きを気にせず、カムイはまだ絶頂の余韻に身体を震わせている香具耶のブラジャーを脱がせ、パンツを結んでいる両端の紐を緩ませて産まれたままの姿にさせる。
月明かりに照らされる白い肌に翡翠色の髪。白い薔薇。愛らしい姿の少女だが、今のだらしない淫蕩な表情はそれらを打ち消して、只々牝としての魅力を引き立たせるだけ。
「はふ……先に、舐める?」
「我慢は出来ないだろう、もうお前は?」
ズボンを押し上げる股間の膨らみを一瞥した香具耶は控えめに問い掛けるが、カムイはそんな香具耶の心境を理解してか、既に愛液で濡れそぼった秘所に膨らみを宛がう。
途端に、溢れ出る愛液がズボンにシミを作り上げ、媚肉の奥から露わになったサーモンピンク色の肉襞が物欲しそうに引くつく。
「んぁぁぁぁ……チンポぉ、押し付けられてるぅ♥ 無理ぃっ、オマンコがチンポ欲しがっちゃってるのぉっ、ずっとお預けされて子宮がもう疼きっ放しで限界ぃぃっ♥」
ズボン越しとはいえ、肉棒を押し付けられた香具耶の理性は簡単に振り切れた。先に濡らしておこう、なんて考えなど頭の中から消し飛び、自らの指で媚肉を左右に押し開いて膣穴を露わにさせる。
ドロリ、と精液の様に粘々とした白く濁った愛液がズボンの上に垂れて行く。
「チンポぉ、早くチンポぉっ! カムイのチンポ欲しいのぉぉぉ……♥ ぐしょ濡れマンコに極太のデカマラ早くぶちこんでぇっ♥」
「じゃあ、そうだな。練習だ。香具耶、今日本当は言うつもりだった事を私に言ってみてくれ」
「んぇっ、カムイ相手に……? うう、そんな事より早く欲しいのに……ひ、引かないでね」
既に普通ならばドン引きしそうな淫語を口にしている自覚などないであろう香具耶は、内側の興奮を更に意図的に高める。足が付かない。気付けばカムイの尾によって僅かに身体が浮かんでいる。大きく股を開いて白濁汁が次々と膣穴から漏れ出ている。
気が狂うようなもどかしさ。カムイがゆっくりとズボンから大きく反り返った巨大な肉棒を取り出した瞬間に、子宮が大きく反応する。あの肉棒に貫かれる事を想像して、それだけで快感が下腹部から全身に横溢する。
「香具耶のマン汁でドロドロののドスケベ淫乱マンコにご主人様のぶっといチンポで奥まで栓をして、ぷりっぷりの特濃ザーメンで子宮いっぱいになっちゃうくらい種付けして下さいぃぃっ♥♥♥♥♥」
妄想が溢れ出す。その宣言を恥も外聞もなく、ただ目の前の肉棒欲しさにぶちまけた瞬間、香具耶は潮噴き絶頂をしながら腰を振ってねだりよがる。
「なるほど、ご主人様呼びか。あの男を相手にするなら確かに悦ぶだろうな。まあ私は別だが」
屹立する肉棒が一歩近付く。「くひぃっ♥」と一際強烈な牡の香りに香具耶が甘美の悲鳴を上げて軽く仰け反った。
「もうこれがお前の子宮を突き刺す事を想像してイったのか? 全く、淫乱な事だ。だがそれは香具耶、お前の求められている役割を考えれば非常に喜ばしい事だ。ほら、これがお前の味だ。男を悦ばせる味は知っておいた方が良い」
そう言って、カムイは二本の指を左右に開かれた膣穴へと潜り込ませて掬い上げる様に指を曲げたまま引き抜く。
一瞬の出来事だったが、挿入されて抜かれた瞬間に膣肉を容赦なく引っ掻いた刺激にすら香具耶は軽い絶頂を与えられ、呆けた様子で、指先に絡み付く粘々した白濁汁を口の中に突っ込まれても、嫌がる様子を見せずに舐めしゃぶり始める。
「んびゅっ♥ んじゅりゅっ♥ んべぉ♥ ぢゅりゅっ♥♥ あひぇ……♥ 私のマン汁ぅ、えっちな味するぅぅ♥ でもチンポぉぉっ、カムイの生チンポはやくぅぅっ!」
綺麗に指先に付いた自らの愛液を嚥下してもなお肉棒を求める欲求は止まらない。むしろ強まるばかりだ。空腹を埋める為に肉を求める飢餓感にも似ている衝動。尾に身体を浮かされている香具耶は自分から挿入する事は出来ない。故にこうして声を上げてカムイにねだるしか出来ないのだ。
「少し待て」
「むりぃっ、焦らさないでぇっ! ひゃうっ、くひっ♥」
冷厳な声で呟くカムイだったが、もはや肉棒目掛けて襲い掛からんとばかりに尾に束縛されている中で身動ぎしてもがき続ける香具耶。そんな彼女の身体を反転させて、背中を見たカムイは気付かれない様に小さく溜息を洩らして、屋上へと来る時とは逆に小柄な香具耶の身体を尾で支えながら抱き抱えた。
流石に香具耶の様子を見てこれ以上の焦らしは暴走に繋がると確信したカムイは、既に濡れそぼって大洪水となっている秘裂へとそそり立つ亀頭を沿える。
「行くぞ香具耶、待ち望んでいたものだ」
前戯など不要である事は、沿えただけで肉棒が愛液にまみれる時点で明らか。香具耶からの返事が返って来るよりも早く、カムイは香具耶の身体を下ろして膣穴を容赦なく肉棒で貫いた。
「ふほぉぉぉぉぉぉぉっ♥♥♥♥♥♥♥♥ ひん、ぽっ、おぉっ♥♥ 二日ぶりのカムイの生チンきひゃあぁぁぁぁぁ…………♥♥♥」
獣の唸り声に近く、だが圧倒的な快感の前に牝である事を隠す事無くひけらかす甘い嬌声が香具耶の喉から搾り出される。顔を仰け反らせて涎を垂らし、歓喜の滴を瞳から零す表情は幸せそのもの。
プシャアアアッ!
カムイの両膝によって大きく左右に開脚されている太股は小刻みに激しい痙攣を繰り返し、肉棒を咥え込んでいる股座からは先程よりも激しく量の多い淫潮が噴き出る。
「ひぉぉぉっ♥♥ イグイグイグイグぅぅぅっ、イってるぅぅっ♥♥♥ チンポが子宮キスしてりゅぅぅっ♥♥ わたっ、わたひのオマンコぉぉっ♥ 香具耶のマンコチンポでいっぱいいいひぃぃっ♥♥」
絶頂の波が絶えず襲い掛かっているのか、肉棒を締め付ける膣肉の圧は激しくなり、更に快楽を求めるように蠕動と収縮を繰り返して刺激を与えている。止まらぬ勢いの潮噴きはあっと言う間の屋上の地面に小さな水溜まりを作り出す程。
「まだ動かしてすらいないというのに。一突き毎にイっているな。しかもイク度に潮噴きまでして。もう既に潮噴き癖がしっかりと身体に刻み込まれているらしい」
「おっ♥ おおぉっ♥♥ おぐぅっ♥ おぐぅぅぅっ♥♥♥ シてるのがカムイだかりゃ、だもんっ♥ このぶっといチンポじゃなきゃ、こんにゃっ♥ 潮噴きしな、んほぉぉっ♥♥ グリグリされたら抉じ開けられるぅぅっ♥ こんにゃデカチンポ子宮に挿っちゃ壊れるぅぅぅっ♥♥♥」
苦笑しながら告げられた言葉に、香具耶は喘ぎながらも反論する。しかし嬌声交じりでだらしなく緩み切った表情からは、誰の肉棒でもこうなると言わんばかりの説得力が溢れ出ている。
粘膜を巻き込みながら肉襞が捲れ上がりそうになる程に肉傘で膣壁を引っ掻き、腰を浮かばせて亀頭が湯水の如く溢れ返る愛液と淫潮で粘着く膣口まで引き抜かれる。
グチュグチュと淫猥な水音が夜の屋上に響き、重なり合う様に香具耶の喉からは淫蕩に溺れる甘ったるい牝の声が鳴き迸る。
ゆったりと膣内の感触を確かめる様な抽挿。引き抜かれ、挿し込まれる肉棒の巨大さ、剛力さは奥深くまで突き入れられる事で香具耶の脳髄を快楽で溶かす。
腰回りに撒き付くカムイの黄金の尾が放つ温かさは外側から子宮を熱く疼かせ、更に直接的には極太且つ強固な神龍の肉棒は小柄な香具耶の身体では受け入れないと思える程だが、その巨根を易々と呑み込む彼女の牝穴は、何の戸惑いもなく肉襞を蠢かせ、膣内を蹂躙して来る肉棒にミミズの様に絡み付く。
「安心しろ。そんな事はしないから。私はそう言うグロテスクな倒錯趣味はない。尤も、物欲しそうに香具耶の
「あああっ♥♥ はげっ、ひくなっひゃったぁぁ♥♥ すきぃっ、すきぃぃぃっ♥♥ どっちもぉっ、あひっ♥ らめぇっ♥ またイっちゃうぅっ、奥パンパンってチンポで突かれたらすぐにイっちゃうぅぅっ! ザーメン欲しくて香具耶の子宮下りてきちゃうぅぅっ♥♥♥♥」
嬌声交じりで繰り返される愛の言葉はどう見てもカムイ自身に向けられて放たれているというよりは、今香具耶自身を呑み込もうとしている濁流の如き快楽に向けられている。
それがわかっているのか、カムイは呵々と一笑いをして、膝で開脚させている香具耶の脚を、膝裏から両腕を伸ばして更に大きく左右へと押し開かせる。
露わになるのは普段は秘された乙女の秘所。陰毛の一本すら生えていない愛らしくツルツルと白い肌が煌めく香具耶の恥丘は今、自らの牝蜜で汁まみれに濡れている。
肉棒を頬張る様に咥え込む媚肉。左右に開かれ、内側のサーモンピンク色の肉襞が捲れ上がり、大きく聳える様に勃起した女豆は揺れ動く腰に合わせて激しく自己主張している。
撒き散らかされるのは淫潮だけではない。垂れ下がった舌先からダクダクと零れる涎は、ストロークによる振動で八方へと飛び散る。淫らに濡れた瞳が見るのは自分が漏らしたはしたない水溜まり。
しかしそれすらも香具耶にとっては羞恥を煽る要因ではなく、淫らに染まった淫女の如き思考を昂ぶらせて興奮と快感を刺激するものだ。
二年に及ぶナイアーラによって行われた完全催眠による香具耶の内面の変化は、一時の変化ではない。既に彼女にとって、どれが本当の自分の性格であるのかさえ定かではないのだ。
だがそんな事は些細な事。どうでも良い事。今の香具耶にとって重要なのは快楽だ。難しい事を、苦しい事を全て塗り潰す淫猥な快感に忘我する。
心も身体も、全てが多幸感に包まれる至福を優先しない道理などありはしない。好いた者と、愛する者としか許されない貴い行為などと行儀のいいセックスではない。
只々、快楽だけを求める獣染みた荒々しいセックスこそが香具耶の欲するもの。だからこそ、淫らな言葉を口にする事に躊躇いなどない。寧ろ、興奮を高めるので嬉々として行う。
「イってる、の間違いだろう。さっきからずっと。お前の膣内は覚えきっているくらいにシたんだ。子宮が精液を欲しそうにしている事もよくわかるし、こうして……触って欲しいのだろう?」
絶え間なく脳髄を焼き尽くす絶頂の嵐。身体を襲う痙攣は止まらず、とっくに香具耶は自分で身体を支える事すら出来ない程に弛緩している。
そんなされるがままの香具耶に対して、カムイは容赦なく責めを強める。こんな程度で香具耶が満足しない事をその身の体験で既に知っているから、息も絶え絶えであろうがカムイは手を緩めない。
足を開かせている腕の先にある両手は、自由だ。香具耶の身体は尾に巻かれて支えられており、両足を開いているとは言え、両手で足を持っている訳ではない。
そんな空手を遊ばせておく事などしない、とばかりにカムイは淫らな汁が飛び散り、最も激しい振動が起きている香具耶の秘所に両手が進む。
身体を密着させ、耳元で香具耶に囁き掛けながらカムイは、既に触って欲しいとばかりに硬く反り勃つ肉芽を指で摘まみ、裏側をシコシコと擦り上げる。当然、その間も肉棒のピストン運動は止まらない。
摘まみ擦るだけでなく、打ち付け合う股間の衝突の衝撃が重なり合って生まれる快感の波濤は如何程なのか。
香具耶は両目を見開いて舌先を細く伸ばして仰け反り、鯉の様に口を開閉させて理解の範疇を超えた快楽電流が下半身から一気に頭の天辺まで走り抜け、視界が白く染まって明滅する。
次の瞬間、その刺激を快感だと認識した香具耶は悲鳴にも似た嬌声を叫んだ。
「ひっ♥ ひきゅううううああああっ♥♥♥♥♥ クリっ♥ クリっ♥ クリぃぃぃっ♥♥♥ マンコだけじゃなくてクリも一緒ダメェぇっ♥♥♥ んぉぉっ♥ おひぃっ、ひきゃっ♥ イギすぎでっ、おがひっ♥♥ ぐなううっ♥♥ かぐやのあひゃまばかににゃるうううぅぅぅっ♥♥♥♥♥♥♥」
涎だけじゃない。自制など振り切れて涙と鼻水をも垂れ流して顔をグチャグチャにした香具耶は下半身の火傷しそうな快悦に考える事を放棄して、打ち付けられる肉棒に合わせて膣肉を蠢動させる。
「今だけはなっても良いぞ。普段はお前が責める側を頼んでいる訳だからな。私とのセックスの時ぐらいは、感じる側になれ。私は私で、香具耶の名器を堪能させて貰う」
「あえっ♥♥ んぉぉっ♥ マン肉押し広げらひゃっ、私でもはずかひっ♥♥♥♥ んひぃぃっ♥ クリつねまっひぇええっ♥♥ かひっ♥ 奥突きぃっ♥♥ いひっ、イイイのぉぉぉぉおおっ♥♥ クリも子宮も全部しゅごひいいぉぉぉおっ♥♥ にゃるっ♥♥♥ にゃああっ♥♥ なんかしゅごいのになっひゃうううっ♥ 奥からしゅごいのおおおっっ♥♥♥♥ かぐやなっひゃうううっ!」
「何になるん、だ? ぐっ……流石に、締め付けが」
「わかんなひっ♥♥ わかんにゃいよぉぉぉおおっ♥♥ ずっろっ♥ ずっひょイキ続けでっ♥♥ こんらのっ、かぐやしらなひぃぃぃっ♥♥♥♥♥」
思考放棄して快楽だけを求める香具耶は幼児退行した様に叫びながら快楽を貪る為に身体を悶えさせる。腰をくねれば膣肉が肉棒を締め付ける動きに変化が生まれ、亀頭を中心に肉襞が前後に蠕動して裏筋からカリ首を激しくしごく。
「全く、ぐぅ、いくらお預けを喰らったからと言ってこんなに感じるようになるものなのか、香具耶は」
「発情マンコにチンポ直前でオアズケされたら誰だってこうにゃるのぉぉっ♥♥ わたひがっ、かぐやがエロ魂獣なだけじゃないよ、おっ♥ ほぉぉぉぉぉぉっ♥♥♥」
下品な叫びは、肉棒が深々と奥まで入り込み、受精準備が万端とばかりに下りて来た子宮の柔らかい入口をグニグニと亀頭で揉みほぐす様に押し込まれた瞬間に響いた。
香具耶は嬌声の合間合間で譫言の様に「チンポ♥ チンポ♥」と何度も何度も呟いており、知性的な色はその瞳に欠片も残っていない。激しいストロークが一瞬止み、亀頭を押し込む動きに変化した肉棒を包み込んでしごく肉襞は温かく蕩けそうな柔らかさ。しかし蠕動する動きは香具耶自身だけではなく、確実にカムイの興奮を高め、より激しい絶頂を促そうとしている。
「そんなエロい顔や声で言った所で誰もそうだ、とは言わん。ぬぐ、おい。言い返せないからと言って
「うるひゃっ、くひああっ♥ あおぉぉっ♥♥♥ ひっ♥ ひぃぃっ♥♥♥」
「スパートを掛けるぞ、香具耶。トぶなよ」
まともな返事など今の香具耶には期待をしていないとばかりに、ネットリとした動きから、再び激しい抽挿に戻る。いや、先程よりも更に激しさを増した動きは、絡み合った淫汁が粘々と奏でる水音だけでなく、まるで尻叩きをしているかの様なバチンッバチンッと肌と肌が打ち付け合う音をも混ぜ合わせている。
「ひぎゅうぅぅぅっ♥ おぐぅっ、ゴリゴリらめぇぇっ♥ いぎゅっ、いぎしゅぎるぅぅぅっ♥♥ チンポ中毒マンコずっろいっれるぅぅぅぅっ♥♥♥♥ しにゅっ、しんじゃうよぉぉぉぉぉっ♥ んびぃぃぃっ♥♥♥♥ ひぉっ♥♥ ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥♥♥♥♥」
「香具耶っ!
下りる事の出来ない何十回目かわからない絶頂の雄叫びを上げる香具耶への問い掛けは一応の確認だ。が、答えなどわかり切っているカムイは抜く素振りなど一切見せず、また香具耶も絶対に離さないとばかりに膣内の締め付けをより強めて肉棒をしごき抜く。
「
想像するだけでも子宮から絶頂の波が襲い掛かって来るのか、懇願している最中でも潮噴きは止まらず、香具耶の喘ぎ声からは余裕が消失する。子宮の奥底から、頭の中から溢れ出してくる強烈な絶頂快感が全身を焼き尽くす刺激の嵐は、視界すら白濁に染め上げる。
香具耶の快感はそのまま膣内の締め付けに直結し、抽挿に加えて膣肉が咥える刺激にカムイの肉棒は堪える事を止め、射精菅を凄まじい勢いで駆け昇って来る熱い情動の赴くままに肉棒の鋭い切っ先を香具耶の子宮口にビッタリと押し付ける。
「ぐっ、射精くぞ!」
ブビュルルルルッ! ビュクビュクッ! ビュルルルルルッッ!
「かひゅっ♥♥ ~~~~~~~~っっっっっ♥♥♥♥ キひゃっ♥ ザーメンッ♥♥ 孕ませ汁子宮にぶっかけられてるぅぅぅううっ♥♥♥♥♥♥♥♥ あぢゅいいいっ♥♥ しゅごっ♥♥ ああああっ♥♥ イっでるぅぅっ♥ 香具耶のマンコぉぉっ♥♥ ビュクビュクのザーメンマーキング子宮にされでるううううううぅぅぅっ♥♥♥♥♥」
酸素を求める様に勝手に口をパクパクとさせ、噴き出る淫潮の勢いは失禁に勝る激しさ。ビクンビクンと腰を跳ね上げさせて、股間を見せびらかす様に浮かばせれば曲線を描いて溢れ出る。
その間にも射精は続く。子宮の中を一瞬で充たす大量の牡汁は膣内で溢れ返り、収まり切らない子種は接合部の隙間から桜色の肉襞を白く濁らせながら垂れ落ちる。
「あいっかわらず、搾り尽くされる……っ!」
「んおおおおおぉっ♥♥♥ イグのどまんにゃひっ♥♥ これしゅごひいいいぁぁぁっ♥♥ マンコだけじゃなくて全部ぅぅぅっ♥♥ クリも乳首も頭ん中もぉぉっ♥♥ 香具耶全部イグうううううっ♥♥♥ あっ♥♥ あああああああああああああああっ♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥」
朦朧とする意識の中でも香具耶は吐き出される精液を貪り吸い尽くそうとして、勝手に蠢く膣内の動きで過敏に肌がビクンと震えて反応を示す。最後の一滴まで。一分近い長い射精を終えて抜かれた肉棒が離れた膣穴は開きっ放しになり、捲れ上がった花弁は薄らと赤くなっている。
子宮口は栓をしたかの様に一切の白濁液を逃そうとしないが、膣道に残っている精液は収縮を繰り返す膣肉の動きで漏れ出てしまっている。それを勿体無いと感じたのか、香具耶は自分の掌で垂れ落ちる白濁汁を零れない様に押さえているが、それでも指の隙間から地面に向かって、愛液と精液が混じり合った濃い淫臭を放つ粘液が糸を引いて垂れて行く。
「ぐううっ、ふっ……ぐお……とんでもない、な」
「はーっ♥♥ はーっ♥♥ しにゅううう……♥♥ イギすぎで、しにゅう♥ あひぇぇ……♥♥」
呻くカムイは流石に搾り取られて辛そうであったが、受け止めた側の香具耶は淫蕩な笑みを浮かべて幸せそうに呟いた。
だがそう呟いた直後に、ただでさえ弛緩していた香具耶の身体は完全に脱力をしたのか、自分で支えていた上半身をカムイに預けて目を閉じる。
「ん? おい、香具耶待て。今ここで気絶するな。せめて部屋に戻ってからに」
「むいいい…………♥」
「コラ……ダメか。完全にトんだか。いや、まあ……明らかに三〇回以上もイっていたから当然とも言える、のか? 寧ろよく意識が保たれていると褒めるべきか……」
それが度重なる絶頂による疲労からの気絶なのか、充足感と安心感による失神なのかは香具耶を支えるカムイには判別出来ない。だがこうしている間にも激しい交尾に等しいセックスの熱はゆっくりと収まり始めて、春先のまだまだ肌寒い風が身体を冷えさせ始める。
魂獣とは言え、風邪を引く。体調を崩す事も当たり前の様にある。全裸のまま校内を歩き回るなどまだまだ早く、嘆息を零しながらカムイは脱ぎ捨ててあったブラジャーとパンツを香具耶に着させ、煩雑に置かれているワンピースを被せる。
汗をびっしょりと描いており、着せた下着やワンピースが直ぐに肌に貼り付き、香具耶の細い身体の線をくっきりと露わにさせた。翡翠色の髪もしっとりと濡れているが、それでも彼女の甘い香りは不快感など一切与えない辺りに、香具耶らしさが身体にも出ているのだと苦笑いが漏れる。
「香具耶がこの有り様ではシヅカも適度にカナトが相手をしなければこうなるのだろうな。気に恐るべきは完全催眠による自制心の低下。既に香具耶は精液中毒……いや、チンポ中毒か。本人も口走っていた事だしな」
カムイは求められるがままに応じる。そこに愛情があるのかと言われれば、友愛ならば確かにあると断言出来る。しかし男女間のそれがあるのかと言われれば首を傾げざるを得ない。彼のパートナーであるカナトは、そう言った感情を含めてシヅカの相手をしているが、カムイは違う。
長い年月を生き続けてきたからこそのある種の達観。旧知の間柄でもある香具耶を相手にすれば恋愛感情よりも先立つ友愛。事実、どちらかと言えば今の関係はセックスフレンド。悪く言ってしまえば、本当に性欲処理係みたいなものなのだ。
だがこんな関係であっても構わない。元より、シヅカと香具耶の二人を完全催眠に掛ける事を容認している時点で一線は引いたのだ。
例えどのような結果になろうとも、カナトにとっての最善且つ最良の未来の為に動く。それこそがカムイの行動原理。他者にどれだけ非難される様な手段を取ってしても、だ。
半人の姿で香具耶を所謂お姫様抱っこで屋上から去るその大きな背中に漂う哀愁が消える事はない。それはカナトの願いが成就されたとしても、変わる事はない。背負うべき罪を許されようとカムイ自身が望む事こそありえないのだから。
◇
鳳凰院家に於けるカナトの私室に、部屋の主であるカナトを始めとして従者のケン。そしてシヅカが揃い踏みしていた。当然、各々のパートナーも一緒である。
「絶頂石、だったかしら。これ。運気が絶好調になる云々って言う」
ジュエリーの様な外観をした球体状の粒。親指よりも一回りほど大きいそれを胡乱な眼差しで見ながら感触を確かめているシヅカは、呆れた様に溜息を吐き出した。
「在り来たりな開運商法だね。そこら辺にある安物の宝石にしか見えないよ、私には」
「本気で信じているのかどうかわからないけれど、これのお蔭でカリンは狙われて大怪我を負った。絶唱石と勘違いされたから。……そんなシナリオだったかしら、カナト?」
『天ヶ原』のリーダーであり、朱雀系の因使としては最高位とも言える紅炎寺カリンが夜襲され、重傷を負った。その事件から既にそれなりの時間が経過しており、その首謀者でもあるカナト達は、遠因ともなった通販グッズの絶頂石の現物を一つ程回収していたのだ。
「うん、そうだね。正直ケンケンには危険な橋を渡って貰ったから感謝しかないよ」
「勿体無いお言葉です、カナト様」
恭しく頭を下げるケンだったが、その要所に隠し切れない喜びが滲み出ているのをシヅカは目敏く悟った。しかしそれを口にしたら十倍近い辛辣な言葉が返って来るので波風は立てない。
指で遊んでいた絶頂石を机の上に置いて、視線をカナトへと向け直す。
「この絶頂石だってシヅカと香具耶の頑張りがなければ生み出せなかった。これがあったお蔭で『天ヶ原』の主柱である彼女を行動不能にさせ、組織そのものを機能停止にまで追い込めたんだから」
「私達の? どういうこと、カナト?」
思い当たる節がないシヅカと香具耶は思わず揃って小首を傾げる。その愛らしい仕種に心打たれるほど純情な者はいないが、彼女達と関係を持っている二人は苦笑せざるを得ない。
その無自覚に男を悦ばせる仕種を完全に会得しているシヅカと香具耶の変わりように対して、だ。
「これを作ってる会社、以前に香具耶が接待をした社長の会社でね。一応はまともな開運グッズではあるんだよ。魔道具製作に長けた魂獣が造っているらしいから数量は限られているけれど、実際運気は上がるらしい」
シヅカと香具耶は、自身の役目である性接待を行う相手に対しては立場や性癖程度くらいしか知ろうとしていないのだ。その関係は文字通り仕事の上と言うだけであるので、必要以上の事を探ろうとはしない。尤も、必要な事はどの様な手段を用いても聞き出そうとしたり、行わせようとしているが。
彼女達の常套手段としては、薬である。勿論、過度な毒性や中毒性を完全に排した、自白剤や精力剤の類を用いている。
その対象の一人が、絶頂石を販売している会社だったのだ。思い出したのか、シヅカは不快気に眉根を寄せ、香具耶は口角を引き攣らせながら苦笑しようとして失敗していた。
「ああ、あの会社の。香具耶との3Pを要求して来た顔が微妙な人ね。……運気が実際に上がるのに、カリンってば運がないわね、本当に」
「まあ今じゃカイ君の追っ掛けしてるくらいに元気だし良いんじゃない? 今ここで完全にいなくなると色々と支障が出るんでしょ?」
魂獣、それも魔道具の作成を得意とする者が製造をしている作品ならば、効果は期待出来る筈。だと言うのに、カリンはカナト達の計画の為に、絶晶石だとわかっていながら絶頂石と誤認されているという理由で襲われたのだ。
「そうなのだー。場合によっては私の完全催眠でこっちにする側の人材なのだ、カリンは」
「いや、彼女はそのままだ。というより、基本的に『天ヶ原』は全員此方側にはしないよ」
意気揚々と胸を張って宣言したナイアーラの発言を即座にカナトが否定して、見るも明らかに肩を落とす彼女を香具耶が慰めていた。しかし、そんな二人を無視して会話は続く。
「何故かしら?」
「直感だね。彼女達を引き込むと、計画は途中で頓挫する。それこそするのなら君や香具耶にした様に時間をじっくりと掛けて自己改変させるべきだ。時間はないからそもそもこの案はないけど」
「でもそれだったら、『天ヶ原』は私達にとって危険だよ? いくら学園側、理事会からの心象が良くないとは言え、学生や市民の支持は篤いし、いざ事を起こした時に市民まで参加したら前提が崩れる。私としては別にどうでも良いけど、カナト的にはダメなんでしょ? 生徒や市民に被害が及ぶのは」
「そこを割り切ってしまえばだいぶ楽になるんだけれど。私の顔と、私達二人の毒で、ね」
『天ヶ原』に所属している因使は全員が全員狙ってこそいないのだろうが高水準だ。カリン自身の人望を慕って集まっている事もあり、周辺からの受けは良い。反面、人道を優先して越権行為も憚らない為に、公的機関である学園側からはやっかまれているという側面もあるのだが。
カリンが率いている『天ヶ原』は、生徒会にとっては表向きは持ちつ持たれつである。
積極的に交流をする事はないが、有事の際には互いに利用し合う関係。公の認識としてはそんな感じだが、鳳凰学園を如何と企んでいるカナト達、特にカリンとは因縁浅はからぬシヅカは事前に彼女達を始末する事が難しい事を誰よりも知っている。
何よりも、カナト自身がそれを望んでいないのだ。難しいとはいえ、対処のしようがない訳ではない『天ヶ原』の排除を。ならば危機意識は怠らずに、警戒を高めて彼女達の組織を残す事に対して、シヅカは異存ない。香具耶は若干の不満を隠し切れていないが。
「僕がどうにかしたいのは
それが、カナトによるシヅカと香具耶に対する牽制である事に気付けたの者は居たのかどうか。
そもそもが矛盾をしているのである。カナトの願望は。鳳凰院麗雅の権力の象徴たる鳳凰学園の崩壊を目論みながらも、そこで日常を謳歌する学生や研究者達の被害は最小限に。そして殺害は論外、と。
取れる権謀を自ら阻めている。どれだけ入念に下準備をしたとしても、冷徹に、酷薄に突き進まなければ成就しないと理解をしているのに、カナトは決してそれを覆さない。
その甘さと優しさが同居している性根をこそ慕っているからこそ、シヅカと香具耶は叛意を持たないが、性質そのものが反転していると言って良い彼女達からすれば、手際の悪さを感じずにはいられない。
カナトの為、その大義の為ならば凡ゆる非道外道を実行に移す躊躇いの無さを今のシヅカと香具耶は心内に潜めている。こうしてカナト自身が明言しなければならない程に。
「まあその甘さもカナトの優しさ、という事にしておきます。それで、今後はどうするの? まず間違いなく、火群カイは『天ヶ原』に入るわよ。カリンの強引さと、彼女の窮地を救った性格からして」
「ふむ、僕としてはやはり誘ってみたいのだけれど、シヅカとしては?」
答えがわかり切っている様子ではあるが訊ねたカナトに、シヅカは数瞬の思考を挟んで断言する。
「反対ね。虎を放し飼いにするようなものよ。彼は制御出来ないわ。譬えカナトと言えど」
「それならカイ君をこちらに誘うのは保留として、そうだね。地下の遺跡は知っているかい?」
「ううん。え、あるの? 耶馬都の下に?」
カイに対する勧誘の話題をこれ以上広げた所で、シヅカの意見が覆る事はないと判断したカナトは、話題を切り替える。
そして未知の遺跡が身近の、それこそ寝食をする耶馬都の直下にあるなどと考えた事もなかった香具耶は、目蓋を瞬かせて静かに驚く。そんな彼女の様子に顕著な反応を示したのはナイアーラだ。
「ふふふー! 既に私とケンの二人で調査済みなのだー! 『六角川』の底にある地下水路を抜けた先にある洞窟なのだ。私が! ケンと! 見つけたのだっ!」
つい少し前まで落ち込みはどこに行ったのかと思う変わり身の早さである。それが彼女の美点であるのだろうが、あからさまなまでに褒めてと訴えかけてくる態度を目の前で繰り返される香具耶は、半眼で鼻高々に偉ぶるナイアーラの肩に手を置いて心の籠もっていない笑顔を向ける。
「あ、そう。すごいね、ナイア。うん、すごいねー」
「めっちゃ棒読み!? もっとこう、調子に乗っちゃうくらい褒めて欲しいのだ、香具耶ぁ……」
「えー。面倒」
「辛辣っ!?」
そのやり取りは面白味のないコントも同然である。気の置けない関係、二人の信頼関係から遠慮のない会話ではあるが、片や適当にあしらい、片や大袈裟に反応をする。小さく吐き出される溜息の音の主は、果たしてケンであったのか、カムイであったのかは定かではない。
一々付き合っていたら日が暮れる、と言葉にはしないが表情に出したシヅカは二人を視界から外して、当然とも言える疑問をカナトに投げ掛ける。
「あの場所に遺跡なんてあるの?」
「ああ。恐らく守護獣も居る。そしてその奥に主も、ね。『天ヶ原』の現在の最高戦力も知りたいし、カイ君の実力も知りたい。夏頃にそれらしい『六角川』にシーガルでも放流して依頼を『天ヶ原』にする様な事態に持ち込もう。それに僕も同行する」
「まあアナタには魂獣武装もあるから大丈夫だとは思うけれど……無茶はしても、無帽はしないでねカナト」
まるで未来予知でもしたかの様な推測だったが、物事に絶対など存在しない。歪んでおり、一方的な心酔ではあるが、シヅカのカナトに対する憂慮は紛れもない本心だ。
トテトテと、小さな歩みでソファに座っていたカナトの横に座り直し、不安げに顔を俯かせて前髪で表情を隠すシヅカの頭に、優しく掌を置いたカナトは、薄らと微笑みながら髪を梳く様に一撫でした。
「勿論さ。シーガルを誘い込む手段としては、そうだね……」
頭の上から感じる温もりに、心地良さそうに目を細めて一通り堪能をしたシヅカは、トロンと濡れた瞳でカナトを見詰め、彼の視線の先に居る香具耶とナイアへと意識を傾ける。
「私の媚毒で誘い込んで」
「私の完全催眠でなんかこう、なんかこうして嗾けるのだ!」
阿吽の呼吸とばかりの二人に、告げられる内容のえげつなさを無視して微笑ましさを感じたシヅカは、カナトに身体を寄り添わせてすぐ目の前にある彼の顔を見上げた。
「それが無難、かしら。カナトはどう?」
「最善手だろうね。それまでは今迄通りでお願いしたい。ただシヅカ、香具耶。君達の接待はなるだけ頻度を減らして欲しい。いざという時に活動に支障が出ても困るしね」
「ええ、とは言っても今の所入っているのはウチの学生とのイベントくらいよ、私も香具耶も」
少し記憶を探って出て来たのは直近、というよりも明後日の放課後に一部の男子学生達を空き教室に呼び寄せて行われるイベントと言う名の駒集めだ。
内容は耶馬都の有力者達を相手に行っている性接待よりも生々しい。品行方正で冷静沈着な風紀の取締役であるシヅカと、そのパートナーである香具耶が自らの手で行うセックスアピール。
魅惑の肢体と卓越した性技による手練手管によって学生達を手駒にする。
因使としての実力は見るも明らかな差。公にする事の出来ない所業を盾にして慰み者にしようと企む稚拙な智謀を嘲笑うかの如く、シヅカと香具耶は呪いも斯くやとばかりに参じる学生を誑し込む。
全てを掌中で手繰り、淫娼さながらに振る舞いながらも、そうして二人は着実に学園内に於ける食みだし者を麾下に加えているのだ。
「イベントって何やるのだ?」
そんな悪辣で冷厳な目論見など想像もついていないであろうナイアーラが興味津々な様子で香具耶に訊ねると、平然とした調子で彼女は性捕食の内実を語る。
「最初は私とシヅカのオナニー。で、その後は抽選当たった子の要望に沿ったシチュのプレイだよ。傾向としては他校の制服を着ての女子校生プレイが多いかな」
「シヅカは兎も角……じょし、こう、せい?」
「ナイア、喧嘩売ってる?」
愕然とするナイアーラに対して、笑っているのに目だけは嗤っていない香具耶が蟀谷に青筋を浮かべて問う。しかしナイアーラは無自覚に、心からの言葉で香具耶を煽り立てる。無自覚に、だ。
「やー、だって実年齢はあれだし、足掛けでも相当だし、見た目だと少し足りない気がぱっ!?」
「これでも一応それなりにファン層あるんだからね、私でも!」
ナイアーラが言い終わるよりも早く、香具耶の高い荒ぶった声が響いて、柔軟性と伸縮性に富んだ荊の鞭が炸裂する。棘の先が丸まっている上に、本来の荊よりも遥かに威力が落ち、どちらかと言えばゴム製の鞭に近い軟らかさのそれは露出している肌面積が広いナイアーラを容赦なく痛め付ける。
「いたっ、いたあっ!? ちょっ、香具耶! 荊っ、荊は痛いのだぁっ!?」
「……あの子達は」
香具耶とナイアーラのじゃれつきを見て溜息を吐き出すシヅカがカナトの胸元から顔を離した。
「はは、良いじゃないか。……本格的に動き始めるのは、きっと秋だ。姿を隠した学園長も、その頃になれば様子見を止めるだろう。何かしらの騒動を起こす筈だ。その時が僕達にとっての好機」
確信に近い様子のカナトに、小さく笑みを零したシヅカは確認をする様に言葉を続ける。その冷たさの籠もった柔和な双眸に、思わず沈黙に徹しているケンは背筋を震わせる。
「カナトとケン達はカイの魂獣であるイヅナを奪い、離縁石と結縁石で契約解除と契約。その後……まだ居場所がわからない絶晶石で事を起こすのね」
「ああ。尤もなんとなくではあるけど、場所はわかるんだけどね」
「そうなの?」
二人の姿は、何も知らない他人から見れば恋人同士に見えるだろう。会話の不穏当さはさて置き。
だが、内情を知っているケン、特にシヅカを完全催眠によって変質させた一助となっている彼からすれば、元来からあった厳しさが坂道を転がる様に悪性へと傾いた今のシヅカは、下手をすればカナトよりも空恐ろしく感じている。カナトの計画における一翼を担う事に対する躊躇いなどなく、苛烈な倫理と嫋やか嫋やかな貞淑さが覆り生まれた冷徹な毒婦の側面。
ケンの本心としては、今のシヅカをカナトの傍には置きたくない。危険過ぎるのだ。信奉も心酔も相当ではあるが、それがもし無くなった時に、果たして彼女の牙は誰の喉笛を噛み千切るのか。自分か、或いは
「ああ。元々、絶晶石が近くにあるとカイ君に命の危機があるから学園長夫妻は『火群の里』を出奔した。そしてカイ君の転入が終わってすぐに姿を眩ませる。そしてカイ君は今現在いたって健康。導き出せる答えは簡単だ。尤も、赤子だったカイ君と今の彼を同一視するのは愚かだから違うかもしれないが、まず間違いない。今でも常に、学園長のすぐ傍にあるんだろうね、彼の秘宝は」
「流石です、カナト様。その御慧眼恐れ入ります」
「なら私は私の役割を果たさないとね。……麻痺毒くらいで良いかしら、水道に混ぜるのは」
「致死性は止めてね、本当に」
苦笑いを零すカナトに、一体何回同じ事を言うのかとばかりに小さく口を尖らせて拗ねるシヅカ。
「必要ないからやらないわよ、そんな事は」
(逆に僕が必要と言えばやるんだろうな、今の彼女は)
シヅカの内心に渦巻いているであろう徹底的に備えない事に対する不満を察しているカナトは、その不満を今後どのようにして解消させるかを思案する。
脳裏に尾も浮かぶ幾つかの選択肢を吟味しながら、彼はソファから立ち上がろうとするシヅカの頭をもう一度優しく撫で擦り、自分も立ち上がる。
「それじゃ、一先ず解散で良いかしら? 面倒だけれど持ち物検査して来ないといけないし」
「シヅカ、本音漏れてる、漏れてる」
「仕方がないでしょう? この前みたいにナイアが変なのを掛けて来ないとは限らないんだから」
風紀を厳とする副会長としての問題発言だったが、その要因であるナイアーラに全員の視線が集中すると、当の本人はワタワタと手を振って焦りを隠さない。
「あ、あれは出来心なのだ!」
「男の人を見たらシたくなる。直接的ではあるけど効果抜群だったよね、シヅカと私には」
「ええ。お蔭で一日授業をサボる羽目になったわ。しかも不良の子達には姐さんって呼ばれるようになるし」
ナイアーラの動揺を更に煽る様に、あからさまに頬に手を添えて吐息を漏らすシヅカに、香具耶が同調する。
「搾り尽くしてたもん、シヅカ」
「高々一人十回以上射精させただけじゃない?」
「いや、それ普通は死んじゃうから。絶倫の人じゃないと危ないよ?」
二人が語る底抜けの性欲に若干表情を引き攣らせるカナトだったが、それを言われた二人は愛らしく眉尻を吊り上げて不満げに頬を膨らませる。
「カナトは平気じゃない。それに香具耶の話を聞く限りではカムイも」
「僕は絶倫だから。まあ風紀が多少改善されたのは他の学生からして良い事なのかもしれないけど」
シヅカと香具耶相手取る学生の多くは、成績不良や素行不良で日頃から鬱屈した感情を抱えている者が多く、必然的に学園内の治安を下げている要因でもあった。そう言った者達が向ける感情を下卑た欲望と崇拝に変えてしまえば、多少の風紀や治安の乱れも解消する。
だが、その結果に得られるものが、シヅカにとっては外見が明らかに不良とわかる姿をした学生達が尊敬の眼差しで自分に対して過剰な態度で反応する光景である。
「見た目がアレな子達に敬礼されて挨拶される私の身にもなってよ、カナト」
「ご愁傷様。それじゃ、持ち物検査よろしくね」
その相反している所属柄でありながらある意味では異様な光景を何度か見た事があるカナトは、気苦労は絶えないだろうと他人事の様に思いながら扉の方へと歩いて行くシヅカの背中を見る。
「ええ。学園との距離が近いのが助かるわね、鳳凰院家は。たぶんもうマヒルちゃんも待っていると思うから急がないと。ほら、香具耶。行くわよ」
「はーい」
扉が閉まり、足音が遠ざかって行くのを確認してから、神妙な面持ちでケンは呟いた。
「……虎を放し飼い、とは言い例えですね、副会長は」
「ケンケン?」
「私からすれば、彼女は竜ではなく蛇です。今でこそカナト様に心酔をしている。それこそ私の忠義に匹敵する程に。……ですからカナト様、どうか彼女の心を留めておいて下さい。彼女の牙は、何時我々に向けられるか、正直私は気が気ではありません」
己の内に燻り続ける懸念と憂慮を吐き出したケン。そんな彼の不安を拭う様に、カナトは穏やかに笑い掛けた。
「……そうだね。うん、でも抜かりはないよ、ケンケン。その事も含めて、僕は彼女達を手に入れる事にしたんだから」
「過ぎた無礼、失礼致しました」
「気にしない。僕は君の主で、君は僕の従者だ。従者と言うのはただ付き従うだけじゃない。時に諫言する事が出来る関係こそ、本当の主従関係だろう?」
「はっ」
この主従の絆は、如何なる事があっても壊れる事はない。カムイとナイアーラはそれを感じ取る。どれだけ間違っている道に進もうが、一度選んだ自分の相棒。ならその最後まで付き合うだけ。たとえ、その先に破滅しか待っていなくても。
◇
週末を目前にした放課後、既に夕焼けが鳴りを潜め、夜の帳が居り始める空模様。燦然と輝く星々と月明かりに照らされた広々とした特別教室の中は、美しい空模様と異なり醜悪な空気に満ちていた。
二十人はいるだろうか。種族は問わず、また体系もふくよかな者から痩せ型まで。筋骨隆々とした者から明らかな肥満体系まで。共通しているのは彼等が男と言う事。そして成績なり素行が宜しくない学生だ。
そしてそんな彼等を監視するかのように出入り口の扉の横に並び立っているのは髪を染色し、ピアスを開けて制服を粗雑に乱れさせて着ているチンピラの様な学生だ。
前後の扉に二名ずつ。教室の外にも同様に配備され、合計で八人。更に集まった学生達が一様に緊張感を隠せずにそわそわと落ち着きなくしている中で、机や椅子が退けられた後ろの方では複数台のビデオカメラがセッティングされており、それを調整しているチンピラ学生が二名。
「……時間だな、そろそろ来られる! お前ら、間違っても許可なく姐さん達に触れるんじゃねえぞ!」
ドスの利いた声で吠え立てるチンピラ学生の声に、浮足立っている学生達が一様に沈黙する。
程無くして聞こえてくる規則正しい複数の靴音。「お疲れ様です!」と声を上げる外のチンピラ学生達の声が聞こえた直後に、前側の扉が開かれて、薄暗く醜悪な空気が蔓延する室内に清涼な空気が美麗な姿と共に流れて来る。
「お待たせー」
「御免なさいね、少し遅れたかしら」
一歩、一歩と歩みを進めるだけで砂の様にサラサラと揺れ流れる蒼と翠の長い髪。美しく、可愛らしい整った美貌を持つ少女が二人。
シヅカと香具耶の二人が手慣れた様子で現れ、敬礼をして来るチンピラ学生に苦笑を返している姿を見て、噂は本当だったのか、と集まった学生の誰かが呟いた。
「何故ここに集められたのか、理由は聞いていても半信半疑だったというのが大半の様ね。ふふ、でも安心して。アナタ達が集められたのは、私達を見て貰う為だから」
本来なら教卓がある場所に設置されているのは豪奢なソファだ。そこに小塩下した瞬間に、二人の下半身が沈む。太股よりも上の丈で揃えられているスカートやワンピースの裾は翻り、太股の奥から僅かに覗く事が出来る薄布の色。
果たして何人が見る事が出来たのか。そもこの薄暗い室内では隙間程度では陰に隠れて見えないのだろう。幾人かが凝視する様に二人の股間へと視線を集中させている姿を見て、シヅカが嗤う。
「そんなに焦らなくても、じっくりと見せて上げるわよ?」
「そうそう。その為に皆を呼んでいる訳だし」
無防備に、その閉じられていた両脚が左右に開かれる。大きくではない、小さく、それこそ肩幅程度だ。しかしそれだけで充分。シヅカのストッキングに包まれた艶めかしい美脚と、覆われながらもわかってしまう卑猥なパンツの造詣。まして香具耶は生足だ。白く美しい太股の奥で秘部を覆い込む薄布。淡い翡翠色のパンツは
「それじゃ改めて説明するね。今日は私達のオナニーを見て貰う為に皆には集まって貰いました。これは私達が入ってきた瞬間から後ろの高解像度ビデオカメラで撮影されてるの」
「私達がオナニーを始めたら当然、アナタ達は自分のチンポをギンギンに勃起させるわよね? ふふ。自分でシコシコしたくなるかもしれないけれど、私達が許可をするまでセンズリはダメ」
ゴクリ、と大きく生唾を嚥下する音が響いた。
あの冴樹志津華が、『荊姫』の名を持つ才女が、一切のためらいもなく卑猥な言葉を口にした事実は、普段のギャップと相俟って強烈な興奮を齎す。まだ何も始まっていないのに、幾人かの男子学生の股間は硬く勃起してズボンを押し上げている。
「但し、チンポは出してもらうからね。私達のオナニーを見て、ギンギンに勃起した君達のチンポ、余さずに視姦してあげる♥ 当たり前だけど射精はダメだよ? 我慢汁ダラダラ垂らすのは良いけど♪」
声を弾ませ無邪気に淫猥な言葉が香具耶の唇から漏れ出る。赤らんだ頬は羞恥ではなく興奮。目の前で恥も外聞もなく、下品に勃起している男子達の肉棒を思い浮かべたのだ。
「その後、抽選をしてあげる。アナタ達の中から一人だけ、なんでも望むプレイを私と香具耶がしてあげるわ。このお口で……フェラチオをしたり……♥」
見せびらかす様に、ねっとりと涎が糸引く粘膜にまみれた口腔を曝す様に大きく口を開いて、ピンク色の舌先をべろべろと、まるでそこに肉棒があるかのように動かし回すシヅカ。
「手でシコシコしたりするのも、変態プレイでも良いよ? お漏らしでも、私達が今穿いているパンツで勃起チンポをシコシコするのもぜーんぶ大丈夫♥」
ソファの上に足の裏を乗せ、大きく股を開いた香具耶はパンツの上から恥丘に食い込んで露わになる媚肉の溝に指を触れるか触れないかの絶妙な距離感に置いて、くぱぁと膣穴の奥を見せ付ける様な仕種をする。
「ほら、前屈みにならないで良いわよ? もっとそのパンパンに張ったズボンを見せて?」
「ああ……すっごい。濃ゆいチンポのニオイがこっちにまで来てる……♥ んじゅるっ、溜まってた子いるのかな? そんなの嗅いじゃったら香具耶のオマンコ、もうキュンキュンって疼いちゃうよ」
「嘘言わないの。香具耶、入った瞬間からもう頭の中チンポでいっぱいでしょ?」
「あ、バレちゃった」
てへ、と舌先を唇から垂らして悪戯っぽく笑う可愛らしい仕種さえも、今の香具耶からは卑猥な艶やかさが先立っている。
「余り焦らしても可愛そうね。それじゃ……始めましょうか」
媚びる様に身体をくねらせるシヅカは、ゆっくりと香具耶と同じ様に大きく両脚を開いて股を曝す。ビリビリと自らの手によって秘部を覆っているストッキングを破き、薄布に包まれた股間を露わにする。
薄暗い点り灯と月明かりだけが頼りの教室の中で、二人の美少女がソファの上で大きく両脚を開いて、殺到せんとばかりに目を血走らせている男子学生達の群れを相手に、秘部を曝け出す。
右手の指先を薄布が食い込むクレヴァスへと宛がい、ゆっくりと上下に擦り始め、左手は自らの乳房へと。シヅカと香具耶の二人が同じ動きを始めるが、違いは顕著だ。
片手の掌では収まり切らない豊満な乳房が制服という厚みの服布に覆われていながら大きく餅の様に揺さぶられ、ぷっくりと内側から膨らんだ秘粒の突起が中央で押し上げているのに気付いたのは何人か。徐々に生温かく艶やかになる吐息を漏らしながら、嫣然とシヅカは微笑めば魅了されたかのように学生達は股間の滾りを硬くさせる。
一方の香具耶は腰をくねらせ、小さな尻房を浮かせてワンピースの裾を臍部が露わになるまで捲り上げて背中を大きくソファに沈ませる。ニチュニチュと淫靡な水音が先に鳴り始めたのは彼女だ。秘裂の奥から滲み出る女蜜が
「ねえ、皆からは……んっ、私のパンツ、濡れ始めちゃってるのわかる? 見えてる……? ほらぁ、おねだり汁がオマンコから漏れて、あうっ♥ シミがぁ、出来てるのぉ?」
間延びしたねっとりと脳内に絡み付いて来る甘い魅了の牝声が響き渡る。
既に真面目な副会長とその魂獣が姦淫に耽溺し、女娼の如く振る舞う事に対する違和感など学生達から吹き飛んでいる。目の前の美少女が、魅惑の肢体を持つ少女が放つ色香、いや淫香に釘付けだ。
「はふ、んっ……乳首、もうこんなに勃起しちゃったわ……♥ 私は、こうやって、んぁっ♥ 先っぽをね、捏ね繰り回すのも好きなんだけれど……乳輪をなぞられて、先っぽを触らないで焦らされるのも、好きなのよ……んぁぁ、気持ち良いっ♥」
いつの間にか、シヅカと香具耶は自慰で責めている部分の違いが顕著になっていた。
シヅカは秘所から手を放し、両手を使って自らの豊かな果実の如き実った乳肉の柔らかさと弾力を見せ付ける様に制服のチャックを半分まで下ろしてブラジャーに包まれた肉房を露わにして、指を柔肉に沈み込ませながら揉みしだいている。指先は自己主張をしている膨らんだ乳粒の周りを宣言通りになぞっていて、物欲しそうに突起は微震している。
香具耶は尻肉が見える程に背中を凭れさせて、両手を使ってパンツの上から秘所を弄んでいる。濡れシミが濃くなり、指先には粘液が糸引く程になった秘裂をなぞる指。その僅か下にある窪み。菊門にまで垂れ広がった粘液を押し広げる様に指腹で愛撫する指。
「もうね、あひゅっ♪ わかってるかも、だけどぉっ♥ んあっ、はぁ……香具耶ね、すっごい濡れやすいの。オマンコがチンポ大好きだから、こんなにえっちな涎が漏れちゃうんだぁ……♥ お尻の方まで垂れちゃうからね、ケツマンコでチンポズリする時は、ローション要らずだよ?」
ヌチュヌチュ、クチュクチュ。粘々と薄布の内側で素肌に絡み付き、媚肉を濡らし、尻房を潤わせる香具耶の蜜は自らの卑猥な発言で濃度と分泌の量が見るも明らかに増した。
太股の隙間から垂れている汁は透明から徐々に白く濁り、より粘度も高まって来てソファとの間に幾筋もの細い糸を作っている。
それがわかっているのか、香具耶はいやらしく笑みを浮かべて、菊門を触っていた指先で蜜汁を掬い上げて自分の口へと運んだ。紅色の瑞々しさでぷりぷりしている唇が開き、粘膜が糸引く口腔の中に入った指先を、舌で舐めしゃぶって淫猥な味を堪能する。
「んぶぢゅるっ、んぇぇぇおぉ♥ ぢゅりゅりゅっ♥♥ ちゅぱっ♥ 私のマン汁ね、男の人にとっては何だか精力を増させる効果があるらしいんだ……飲んじゃえば、かなりの回数でチンポ汁ドピュドピュしてもイけそうになるくらい……♥」
怪しく卑猥な微笑みを向けられた学生は息を呑む。想像したのだ。あの薄布の奥に秘された肉壷を思う存分迄堪能出来る事を。それ以前に、彼女の蜜汁を啜り上げる自分の姿を。
最早誰がどう見ても、集まった男子学生達の股間ははち切れんばかりにズボンの中で硬く反り返っている。
「そろそろ頃合いかしら。何人かは我慢汁だけでズボンまでシミが広がっている子もいるし。それじゃあみんな、ズボンを脱いでも良いわよ。いいえ、脱ぎなさい。パンツも。私や香具耶のオナニーを見てギンギンに勃起したチンポを見せて……♥」
「今の所一人もピュッピュッはしてないね。偉い偉い♪ んふぅ、精液をお漏らししちゃったら直ぐにニオイでわかっちゃうんだからね。私やシヅカの子宮に子種をぶちまけて孕ませたいって願望がニオイにまで出ちゃってるチンポミルクのニオイは♪」
二人の許可が出た瞬間に、ガチャガチャとベルトを解いて我先にとズボンを脱ぎ捨てる男子学生達の姿は滑稽でこそあった。一人の漏れも無く必死な形相な事も無様さに拍車をかけている。
しかしそんな事はシヅカと香具耶にはどうでも良い。彼等の哀れな姿も嗜虐心をそそるが、脱いだ瞬間に教室の中に蒸れた牡の激臭が充満した瞬間、はち切れんばかりの怒張の群れを前にして二人の下腹部の奥、子宮が熱くキュンキュンと疼いて、脳味噌を蕩けさせるほどの悦楽の波濤が全身を伝播する。
電流の様に一瞬で足の爪先から頭の天辺にまで女を牝に変えるニオイで充たしたシヅカと香具耶の二人の表情はだらしなく緩み、下品なまでにお預けを喰らった犬の様に舌を垂れ出して涎を滴らせていた。
「んぁぁぁ……♥ すっごいチンポのニオイぃぃ……♥ 絶対童貞君混じってるよね、これぇ。あふぅ♥ オマンコからベチョベチョのマン汁が漏れたのわかっちゃった……♥ でも我慢しなきゃ。発情マンコでみんなのチンポを食べるのは……あ・と♪」
「子宮がアナタ達のチンポ欲しがってるわ……わかるでしょ、一気にオマンコからのお漏らし汁で私のパンツが濡れちゃったの♥ 一体どれだけ我慢してたの、アナタ達? 私達のいやらしい噂を聞いて、それを確かめる今日この日まで、どれだけセンズリオナニー、我慢してたのかしら?」
ねっとりと肌に絡み付く視線で学生達を睨め付け、挑発をする様に淫語を連発する二人ではあったが、その言い様に違わず、シヅカも香具耶も明らかに学生達が己の剛直を曝け出した瞬間に、内側に押し留めていた淫欲を我慢する事を止めていた。
「ぶち込みたいでしょう? 自分のそのチンポを、私や香具耶のエロ汁まみれのドスケベマンコに♥ でもそれが出来るのは一人だけ。それもまだまだ先よ? 今は……私達のオナニーを見るだけ♪」
声を弾ませ、淫蕩な気配をより濃厚にさせたシヅカは、扉に控えていたチンピラ学生の人に利目配せをする。すると最初から命じられていたのか、懐から取り出した大型の疑似肉棒、
その大きさたるや、二人の顔よりも長く、集められた学生達の誰よりも太い威容。黒光りするディルドは大きくエラ張った亀頭、カリ首は高く肉茎に本物と見紛う生々しい血管が浮かび上がり、シリコンボールが随所に埋め込まれている。淫牝を悦ばせる為だけに、いやシヅカと香具耶という過剰なまでの淫欲を持つ少女の為に鋳造されたそれを見遣る二人の眼差しは想い人に向けるそれとは明らかに違う。
愛情など欠片もない。ただうっとりと恍惚とディルドに注がれる淫らな欲望の視線。
「流石にね、本物のチンポ程じゃないのよ、これは。だけど本物と遜色ないくらいの快感が欲しいから、こんな風に凄いディルドを作ったの」
「オマンコを押し広げて、このすっごいカリ首で
「んぇぉ……ぢゅりゅっ、ぢゅぱっ♥ ぶぢゅるっ、ぐぢゅっ♥♥ ひっかり、涎で濡らさないと……」
「どれだけ、んぢゅううっ、ぢゅえっ♥ はぁむ、ぢゅるるるるっ♥ オマンコ濡れてても、しっかりと気持ち良くなれない、からぁ……ぶぢゅりゅるるるるっ♥♥♥」
下品に涎をまぶしてディルドを啜り上げるシヅカと香具耶。激しいストロークで涎は飛び散り、搾取する様に頬を窄めて粘膜まみれにする。頬肉を内側からカリ首が引っ掛けて激しく擦ると、口の中はまるで膣内を侵されてるかのような快感を二人に齎す。
「んぶりゅっ、脱いじゃおっと」
既に口から溢れ出した涎で濡れていたワンピースの襟周りが肌に貼り付き煩わしくなって、香具耶は一度口からディルドを離し、捲り上げる様にワンピースを脱いだ。幾ら丈が太股より上と下半身の露出が高いとはいえ、長袖のそれを脱いだことによって、香具耶の露出している肌面積は圧倒的に広がる。
ソファの腋に脱いだワンピースを置いて、下着姿になった香具耶。レースのブラジャーとパンツ。翡翠色で局所部分以外が殆ど透けて見えるセクシーランジェリーは、小柄な彼女の身体をより一層淫靡に仕立てあげている。
「んふふぅ♪ えろえろれぉ♥ んぅぅ、ちゅっ♥ んりゅ、れろぉ♥」
見せ付ける様に視線を一瞬、男子学生達へと向けた香具耶は、微かに舌先を丸めて大きく伸ばし、ディルドの亀頭を一舐めし、ゆっくりとカリ首をなぞる様に舐め上げた。そして唇を亀頭に密着させ、押し開く様に舌先で鈴口を穿り舐め、そのまま口腔内へと亀頭を飲み込む。
喜色に富んだ淫靡な笑顔でディルドを頬張るのは香具耶だけではなく、当然シヅカもだ。上着のチャックを完全に下ろして脱ぎ捨て、上半身はブラジャーだけ。熟れ実った乳丘の谷間にはストロークの合間に滴り落ちる涎でビチョビチョに濡れてしまっている。
自らの涎で胸元を粘液まみれにしているシヅカと香具耶は、男子学生達が見易い様により大きく股を開き直して秘所を露わにする。
その濡れ具合は香具耶の方がよりすごく、
「んぢゅうぅぅっ♥ ぢゅぽっ……もぉ、良いかしら。ああ、ダメよ、君。そんなに我慢汁垂れ流したら勿体無いじゃない……♥ でも隠しちゃダメ。アナタ達のチンポは私達のオカズなんだから♥」
舌なめずりをしながらシヅカは、口内粘膜まみれのディルドの亀頭を
「ほらぁ、こうして、んんぁっ♥ 上下に擦ると、んひゅっ、ひっ♥ オマンコのビラビラが広がってくのわかるかしら? あひっ♥ ひっ♥ ひぃっ♥♥ クリも、勃起っ、ひてっ♥」
「シヅカってば言えてないよぉ、最後まで言わなきゃ。偽物チンポでオマンコ押し広げて、クリを亀頭コキするの気持ち良い、って♪」
閉じられていた秘裂は大きく内側で開かれている。呼吸をする様にパクパクと蠢く膣穴の動きは淫汁にまみれたパンツが上下するのでわかってしまう。
「クリの刺激、強いんですもの、くひっ♥ あひゅっ♥ んっ、んぅ……ふふ、あ、気付いたかしら? 私のパンツ、普通のと少し違うって事に? そうよね、そんなにギンギンに目を血走らせて凝視しているから気付くわよね……オープンクロッチタイプだ、って♥」
薄布の中でも更に極薄の素材が二枚重ねられている
「このタイプの下着だとね、んっ♥ 欲しくなった時に、脱がなくても直ぐにチンポを食べれちゃうのよ? 子宮が疼いて、オマンコが涎垂らしてチンポ欲しくなった時に、適当に男の人を捕まえて、抱き着いて、おっぱいでズリズリして、太股で勃起チンポをしごいて、そのまま挿れちゃうの……♥ んひっ、あっ♥ んひあぁっ♥♥ あひっ♥ 先っぽ、はいってくりゅぅっ♥♥」
グチュゥッ、と気泡が潰れて粘膜が絡み付く卑猥な水音が響く。肉襞がディルドの亀頭を咥え込み、ゆっくりと平面の部分を持ってシヅカは自らの膣内へと押し込んで行く。
「おっ♥ おっ♥ んぃぃっ♥ このっ、チンポがっ、はひっ♥♥ マン肉押し込んで無理矢理入ってくる感じぃっ、だいっ、すきっ♥ ひぃぃあぁっ♥♥」
舌を突き出して背中を仰け反らせ、ディルドを根元まで咥え込み、脊髄を駆け抜ける強烈な快感に全身を痺れさせ、恍惚に浸っているシヅカの有様を見た香具耶は、ゾクリと興奮気味に背筋を震わせる。
「あひっ♥ やっぱひっ、このディルドぉぉ♥ 頭溶けひょうに、なるぅぅ……♥ んんぅ、マン肉勝手に動いて、きもひよく、なるのぉ、ぉぉぉ♥♥♥」
「シヅカ気持ち良さそうだなぁ……♥ チンポのブツブツがオマンコの中で擦れるのって凄いんだよねぇ、膣肉が絡み付いてる中で不規則にゴリゴリって擦られて……んんぅっ、想像したら私も我慢出来なくなっちゃった♪ ほら、みんな、シヅカにばっかり注目してないで、私のこのエロマンコが、このデカチンポ咥えちゃうところ……しっかり見てね♥」
両端で結ばれていた紐をほどけば、物欲しそうに媚肉をヒクつかせている秘唇が露わになる。大きく開かれて膣内の鮮やかな肉襞が蠢めいており、宛がわれた
ニチュッ、グチュッ、膣肉を押し分けてゆっくりと突き進んでいく
「んひっ♥♥ ひぉ、ぉっ♥ でっひゃいぉぉ……♥ あ、イクッ、イっひゃ、あぃぁっ♥♥」
開脚していた両脚の膝を折りたたませ、上半身を一瞬だけ屈ませた香具耶は、ビクンと大きく震え、プシッと尿道口から少量の淫潮が噴き出る。肩を何度か震わせ、全身を脱力させたかの様に背中を背凭れに預けて虚空を仰ぎ見る瞳は淫蕩に潤み、口元はだらしなく緩んでいる。
「これだけ、でっかいと……根元まで挿入するだけで、んぉ♥♥ くひっ、いっ♥ イっちゃう、んだ……♥ 私、潮噴き癖がある、から、軽くイクだけでも、噴いちゃった……♥」
絶頂に達したと告白をする香具耶の姿は上気した頬や肌、何よりも
籠もり切った熱気に新たに交わるのは好色なまでの牝の芳香。疑似肉棒を咥え込むシヅカと香具耶の秘所から溢れ返る媚香は学生達の興奮を煽り立て、触る事すらも許されない肉棒からは大量の我慢汁が床下に垂れ落ちている。
「んあっ、あっ♥ きこっ、えるかしら、ひあっ♥ んんんぅっ♥ このっ、グチュグチュって、おとぉ♥♥ ほらっ、マン汁絡み付いて、粘々しながら副会長のオマンコぉ、ぶっとい
「あひっ、ひっ♥ ひっ♥ ひぃっ♥ いひっ、一度っ、イっちゃったから、敏感になってっ、てぇっ、おくぅぅっ♥ 子宮口グリグリきもひぃよぉぉ♥♥」
絡み付いている白濁汁と捲れ上がりそうになる膣肉を見せつける様にゆっくりとした速度で抽挿を繰り返すシヅカ。その分、膣内に
対して香具耶は、学生達を煽るくらいの余裕がない程に我慢する事など出来ないのか抽挿する速度は速い。鋭く奥まで小突き、そこから引っ張り剥がす様に抜き放つ。撒き散らされる愛液はソファだけではなく直前の床下にまで飛び散っており、秘所周りはグチュグチュに溢れ出た汁で白く彩られている。
「こうひてっ、見られるとぉ、あいぃっ♥♥ いつもよりっ、感じ、ひゃっ♥ んあっ、ああっ♥ イきっ、そっ♥ 動きっ♥ 早くする、からぁっ、見逃したら、ダメよ……? 私の、シヅカの
「シヅカ、イっちゃう? あっ、あひっ♥ んひゃうっ♥ グリグリが子宮に響い、てぇっ♥ またキちゃうっ、香具耶のスケベマンコぉっ♥♥ アクメしちゃううぅぅっ♥♥」
ガクガクと太股を震わせ、二人の抽挿を行う手の動きが更に早まる。トロンと蕩けている眼差しが見ているのは果たして何なのか。響き渡る淫らな水音は激しさを増し、飛散する愛液で床が濡れるのなど気にもせずにシヅカと香具耶は自慰行為に没入する。
艶めかしい嬌声は重なり合い、余裕の消えた声音に赤く染まる肌の産毛が泡立つ。汗も涎も拭う暇などない。片手で自らの肉壷を貪る
「あっ♥♥ あっ♥ イクッ♥ イクイクイクゥゥゥゥッ♥♥♥♥ あひっ、ひゃあああっ♥♥♥♥ オマンコと乳首でっ、えひぁぁぁっ♥♥♥♥♥♥」
「出るぅっ、出る出るぅぅっ♥♥ またアクメるぅぅっ♥ 潮噴きアクメぇぇぇっ♥♥ ふほぉぉっ♥♥♥ おおぉぉっ♥♥♥ イグイグゥゥゥゥッ♥♥ んぁぉぉぉっ♥♥♥」
下品に舌を突き出して涎を撒き散らし、シヅカと香具耶は寸分たがわず同時に絶頂する。普段の凛々しい姿、清純な姿など欠片も残っていない淫らな牝の艶姿。大胆に大開脚されて露出している、根元まで
二度目ともなる香具耶の絶頂とシヅカの絶頂は身体の奥底に根強く浸透し、快楽痙攣は細い腕や太股を小刻みに震わせ、放心して垂れ流しになっている涎の糸が二人の肢体を淫靡に濡らす。
「いっ、ひっ♥♥ けっ、こう……深イキ、しひゃったぁ……♥ んひっ、あひぃぃ……♥」
「んぉっ♥ おぉ♥ おくぅ、子宮口がぁ♥
汗を吸ってしっとりとした長い蒼と翠の前髪が俯き気味になった二人の表情を隠す。完全に見える口元は弧を描いて嬉々と歪んでおり、絶頂の余韻が未だ抜け切らない肉体に力を込めて二人はゆっくりと
太股を伝ってポタポタと滴り落ちる愛液。色香の伴い熱い吐息を漏らして数歩だけ歩んだ二人は、学生達と後一歩進めば触れ合う距離まで近付いて、ブラジャーを脱いでソファへと放り投げた。
二人の、一糸纏わぬ魅力的な肢体が露わになる。それは薄暗さと絶頂直後のなお熱く火照る色気を伴って扇情的な姿として輝く様に映えた。
シヅカの豊満な双丘。支えのブラジャーを失っても崩れない形と、見目だけでもわかる柔らかさと弾力に揺れる釣鐘型の果実。薄らと興奮で膨らむ乳輪に、自己主張を強く反り勃つ乳峰は空気に震えているだけで甘い疼きを柔肉の奥にまで染み込ませている。引き締まった胴腹と美しいくびれ。細身でありながら痩せている訳ではなく、健康的な肉付きで瑞々しい太股から始まる脚線美。閉じられている股座から滴る蜜が照らす肌はシミも傷も何一つ存在しない美白。臀溝から円らかな尻丘は艶やかに白く輝いている。普段着ている制服の下に隠されていた魅了の女体を前にして、学生達の剛直は限界寸前にまで追い込まれる。それこそ、その細い指先が触れただけで暴発をしかねないまでに。
だが、その隣に立つ香具耶もまた、シヅカとは違う男を誘い込む魅惑の肢体を持っている。揺れ動く二輪の薔薇とリボンの様に丸まった荊は愛らしさを醸し、体躯こそ小柄でありながら均等の取れた美しいお椀型の乳房は確りと谷間があり、綺麗なピンク色の乳首は男受けが良さそうな苺粒の様にぷっくりと膨らんでいる。小振りな尻肉は皺一つなく桃尻の様に美しく、鷲掴みして揉みしだけば望むままに形を変えるだろう柔らかさ。
「それじゃあ……抽選を始めましょうか」
「抽選方法は簡単だよ。今から私とシヅカの二人で、皆のそのギンギンに勃起したチンポを見て行って、気に入った子を一人だけ選んであげる。その子が私達のオチンポ抽選の当選者……♥」
「安心してね。包茎の子でも、全く洗っていない悪臭チンポでも、私達にとっては何でも気に入ってしまうから……ああ、勿論短小でも大丈夫よ? 私も香具耶も、そういう子を自分好みに育てるのも良いと思っているから♥」
肉棒の良し悪しには拘らない、と宣言した二人であったが、それならば選考基準は一体何なのか。期待だけが膨らみ、誰もが自分である事を望み息む学生達の中をゆっくりと歩むシヅカと香具耶。
二人が放つ甘い、しかし淫猥な香りは限界間近の学生達の肉棒の昂ぶりを更に陰湿に煽り立てている。本人達はそれを自覚しているのか、卑猥な眼差しには微かな嗜虐の色が見え隠れしており、唇を舌なめずりして肉棒を選別している姿は肉食の獣同然。
「ふふ、アナタ達やっぱり皆、事前に選んだ甲斐があるだけの美味しそうなチンポ持ちね……♥ どれもたっぷり精液を溜めてそうで、我慢強くて……想像するだけでもダメね、全員貪りたくなりそう」
「あ、ね! シヅカ、この子は? ほら、一番ギンギンに勃起してるし、もう我慢汁の量が凄いよ。チンポ全体が漏れ出てる我慢汁でビチョビチョになってる♥」
何往復か全体を歩き回った末に香具耶が見定めたのは、最前列の中央に居た一人の学生。誰よりも間近でシヅカと香具耶の自慰行為を見せ付けられ、最も濃厚な発情した牝の芳香を嗅がされ、それでも射精を耐え抜いた逸物。
それを見咎め、他の肉棒と比較して狙い定めた香具耶の瞳は淫蕩な邪気に緩んだ。学生本人ではなく、肉棒に釘付けの香具耶は、ペロリと唇を一舐めした舌を今にも触れそうなまでに剛直に近付け、大きく息を吸い込む。
「んっ、んんんぅ……♥ ~~~~~ッ♥♥ あはっ♥ もう舐めたいなぁ、舐めても良い? 良いよね? 答えは聞いて」
ニチャア、と涎の糸を引かせながら開かれた口腔が今も我慢汁を垂らし続ける亀頭を咥え込もうとした瞬間に、香具耶の脳天に振り下ろされる軽い手刀。コツン、と軽い音が鳴って、いざ牡肉を堪能しようとしていた香具耶は不満げに頬を膨らませて、手刀を振り下ろしたシヅカに振り返る。
「ない訳ないでしょ。先走るのはザーメンだけよ、香具耶。まあこのチンポを見て、精液とチンポが混ざり合った牡のニオイを嗅いだらわからなくもないけれど。それじゃ、アナタ。こっちに来なさい」
促されるままソファの前まで歩かされた学生は、剛直を反動で揺らしながら抵抗を見せずにシヅカと香具耶によって身を翻されて、羨望と嫉妬にまみれている選ばれなかった学生達の視線を一身に受ける。
だが選ばれた事実と、これから左右で自分の腕に自らの腕を絡ませて柔らかい柔肉を押し付けて来る美少女二人の絡み付く様な視線と、この二人によって淫らな事をされる期待の前には、そんな負の感情だらけの視線など全く気にならない。
「それじゃあ選ばれたアナタは、私と香具耶に一体何を望むのかしら? 一度言ったけれど、どんな変態なプレイにでも答えて上げるわよ? これから、全裸で校内を歩き回って屋上で青姦とかでも私は全然構わないわ♥」
「普通にオマンコで君のチンポを咥え込んでグチュグチュ中出し孕ませセックス? それともキツキツのアナルセックス? あ、安心して良いよ。此処に来る前に私もシヅカもしっかり綺麗にしてあるから♪」
コリコリと腕に押し付けられる勃起乳首。荒く熱い吐息が肌に掛かり、押し付けられる太股から伝えられる湿ったヌメリのある汁気に、学生の剛直は暴発寸前である。
「らっ、乱交……は、良いですか? シヅカ会長、香具耶ちゃん……」
必死に射精を堪えている掠れ声で紡がれた願望に、思わずシヅカと香具耶は目を瞬かせる。だが直ぐに意図を理解したのか、ニヤリと口角を吊り上げて嗤った。
「選ばれなかった子に配慮した訳じゃないよねー……ザーメンまみれの私達が見たい?」
「それとも全身でチンポを堪能してよがる私達が見たいのかしら……? 何はともあれ、アナタの望みが集団プレイ、乱交ならその望みを叶えるまで、ね……香具耶」
「はいはーい! んっ♥ んひゃっ♥♥ あっ♥ ふぅ、んっ……はい、あーん♪」
グチュゥッ、と自らの股座に指を突っ込んで白濁した愛液を掬い上げ、ねっとりと卑猥な糸が引いて絡み付いているそれを学生の口の中に突っ込んで強引に嚥下させる。
「言ったよね? 私のマン汁が精力増強の効果があるって。これで君はもう何回射精しても衰えないビンビンの絶倫チンポ♪ だぁ・かぁ・らぁ……♥」
「まずは乱交で、ドスケベな私達を見たいとか思った欲深なアナタのこの勃起チンポをイかせてあげる♥ たっぷり溜め込んだスペルマ汁、真っ先に私と香具耶に浴びせる権利よ……♪」
両脇からやや前方に動いた二人は制服の上着を脱がして、直立する学生を全裸にすると乳首を舐めながら我慢汁で粘々に照り光っている剛直に手を触れさせた。
「ぺろっ、れろ……んふ、すごいグチュグチュね、我慢汁♥ あっと言う間に掌がネチョネチョになってしまったわ。んれ、れろれろ♥ ほらぁ、掌で亀頭コキは我慢出来ないでしょ、早くイきなさい」
「シヅカ容赦なーい♪ ちゅっ♥ ちゅるっ♥ 私も容赦なんてしないけど♪ シコシコ♥ グチュグチュぅぅ♥ あはっ、竿がパンパンだねぇ♥ イっちゃえイっちゃえ♪ シヅカと私に、香具耶にたっぷり溜め込んだ濃厚チンポミルクをドピュドピュぶっかけちゃえ♥♥」
グチュグチュグチュグチュッ!
亀頭から漏れ出る我慢汁が泡立つ程に激しく行われる手コキと乳首責め。舌先で硬くなって来ている乳首を涎まみれにさせて舐めながらその感触を堪能し、肉棒を責め立てる手淫の動きは二人の言動通り一切の容赦がない。シヅカの責めは掌で亀頭を押さえ付ける様に擦って鈴口を刺激し、香具耶は我慢汁を絡ませた肉竿を素早く前後にしごいている。指の動きも不規則にさせて快感を一定にさせず、既に暴発寸前だった学生の剛直はその強烈な責めに耐えられない。
情けなくガクガクと膝が震えのを美少女二人に支えられ、まともに喋る事も出来ずに涎を垂らしてされるがままの学生。睾丸から一気に射精菅を駆け昇って行く情動の滾りを堪える事などもう出来ない。亀頭が膨らみ、反射的に腰を突き出した彼の鈴口から大量の精液が凄まじい勢いで噴射してシヅカと香具耶の美しい白い肌を粘々とした白濁に染め上げていく。
ドビュゥゥッ! ビュクビュクビュクウウゥッ! ビュルルルルルッ!
「んひゃあっ、あっ、あはっ♥ すっごい勢い♥ それに頭が蕩けちゃうくらい濃いザーメンの味ぃ……♥♥ 香具耶の目に適うだけはあるわね……んっ♥」
「ふあっ、出てるぅっ♥ 射精、ザーメンドピュドピュして掛かってるぅぅっ♥♥ 熱くて濃くてぇ、子宮がキュンキュンしちゃう……♥♥ あ、髪にまで掛かっちゃってる♪」
「まだ続いて、あん♥ ダメよ、床に零しちゃ……勿体無いから、ほら、お腹やおっぱいに確りとぶっかけてね♥」
「一滴残さず射精し尽くさなきゃダメだよ? ほら、シコシコ♥ ビュルビュル♥ んはぁっ、しゅごいぃ……♥ 香具耶ザーメンまみれで……きもちいぃぃよぉぉ……♥♥♥」
身体を今も射精を長く続けている肉棒に密着させて一滴残さず零さないようにするシヅカと香具耶。その間も止まらない手淫。普通ならば苦痛を感じ始めるであろうその止まらない愛撫も、今の学生は苦痛など一切なく、溢れ出る快感しかわからない。
「んん、おっぱいが精液でビチョビチョ……♥ ほら、香具耶……こんなに谷間に溜まっちゃったわよ? んぢゅっ、ちゅるるっ♥ んはぁぁぁぁ……♥♥♥ おいしぃわぁ♥♥♥」
「んふっ、私は顔中ザーメンまみれだからいいもん♥ 髪にも絡み付いてるニオイ染み込んでるし♥」
たった一人の射精量ではありえない精液はシヅカと香具耶の身体を淫らな白に染め上げた。美しい髪に絡み付く粘着く白濁。それを浴びて歓喜に浸る妖艶な少女二人は、漸く抱き着いていた学生から身体を離して、脱力している彼の身体をソファに凭れさせて、お預けを喰らっている学生達に視線を向けた。
激しい自慰の直後の火照りを隠さない肢体を見て、そして今、シヅカと香具耶の身体は淫らな白濁に彩られ、その身体からは隠し切れないまでの発情臭と精液の淫猥な芳香が溢れ出ている。
「さあ、彼の望みは乱交。それならアナタ達は私達の身体を思う存分堪能しなければならないわ」
「運が良いよねー。あ、でもね選ばれたのはあの子だから、君達は皆私達を満足させる為だけにチンポを頂戴ね。オマンコに
そう宣言する二人の表情はまさに捕食者だ。犯される側ではなく、犯す側。自分達の思うがまま、望む限りに快楽を貪り尽くすから、それに従えと。
だがその業腹な態度に反感を覚える学生達は一人もいない。皆限界なのだ。肉棒は誰しもがギンギンに張り詰め、目は血走り、目の前の美少女二人を味わい尽くしたい衝動に溢れている。
差し出された二人の掌を合図として、学生達は一気にシヅカと香具耶に殺到した。
「あんっ♪」
「ひゃあっ♥」
身を竦めるふりをしている二人に伸びる幾人もの手。不思慮に、ただ本能の赴くがままに胸へと、股座へと伸びて、その柔肌に触れた瞬間に股間の肉棒が暴発する。触れ合える距離にいたからか、シヅカと香具耶の身体は更に精液によって白く染められる。
「ふあっ、あっ♥ もぉ、乱暴なんだからぁ、でも、いいわよぉっ♥ もっと、もっと激しく乳首を抓って、オマンコをグチュグチュに掻き回してぇっ♥」
「いっぱいっ、んひゃあっ♥ イかせてぇぇっ♥ 私達もいっぱいイかせてあげるからぁっ、香具耶の身体っ、外も中も、全部ザーメンでマーキングしてぇっ♥♥ あひぃっ!?」
群がる学生達の隙間を縫って、唯一選ばれていた学生が後ろから香具耶の身体を抱き抱えて、汁気に満ちていながらキュッと締まっていた菊穴へと一気に滾りを取り戻していた肉棒を挿入した。
その衝撃に目を見開いた香具耶だったが、すぐに眉尻は垂れさがり快楽に蕩けただらしない表情に変貌し、異物の如く尻穴を突き進む剛直が齎す甘美な刺激に嬌声を迸らせた。
「んひぃぃっ♥ おひりっ、ケツマンコぉぉ♥♥ これしゅきぃぃっ、あひぃぁっ♥♥」
「あっ、んっ、香具耶ずる、ひっ♥ きひゃっ、オマンコぉぉ……♥ おっ♥ おっ♥♥ ケツ穴にもっ、おほぉぉっ♥♥♥ にっ、二穴ぅっ♥♥ チンポきひゃあっ♥♥♥♥♥」
隣で尻穴を突き上げられ、パンパンと肌と肌が打ち付け合う音を響かせる香具耶を羨んだシヅカにも、直ぐに別の学生が二人ほど近付いて、背中から抱え上げられてあっと言う間に背面と前面から肉棒を、愛液が滴る二つの肉壷に挿し込まれた。呻く様に喘ぐシヅカは背中を走り抜けて脳天を痺れさせる強烈な快感に蕩けた様に微笑む。
「わたひのぉっ、香具耶のマンコにもチンポちょう、くひぁぁぁっ♥♥♥ しゅごっ、ひよぉ、ぉぉっ♥♥ りょっ、ほっ、チンポに抉られてるぅぅっ♥♥」
香具耶が求めるよりも早く、一人の学生が躊躇いなく尻穴を突き上げられてヒクヒクと肉襞を蠢かせて肉棒を求めている蜜壷へと己の剛直を突き入れた。
「あひっ、いひっ♥♥ イグッ、イグゥゥッ♥♥ 生チンポハメられて、また潮噴きぃぃ♥♥♥ アクメ汁出るぅぅぅっ♥♥♥ 二穴突かれて香具耶イクぅぅぅっ♥♥♥♥」
「私もっ、ダメぇっ♥ 我慢してたからぁっ、んひぃぃぁぁっ♥♥ マンコもアナルもしゅごっ、あいっ♥ しきゅっ、痺れっ♥♥ あひゃまっ、とけりゅぅぅっ♥♥ あああっ♥ イグぅっ」
一心不乱に腰を振り続けていた四人の学生の肉棒を強烈な肉壁の締め付けが襲い掛かる。しかもそれはそれぞれがまるで独自の意思があるかの様に亀頭から根元まで肉棒全体に絡み付きながらしごく。
ドビュルルルルッッッ! ビュクビュク! ビュルルルルッッッッ!
挿入をした瞬間に射精をしてもおかしくなかった四人は、当然その苛烈な肉襞コキに耐え切れず、あっさりと膣内、腸内に溜めに溜められた濃厚な牡汁を吐精する。
「おほぉっ♥♥♥ でひゃっ、わらひも出るぅっ♥♥ 潮噴きアクメぇっ♥ ふひぃぃぁぁぁっ♥♥」
「あぢゅいのぉぉっ♥♥ ザーメンお腹にぶちまけぇっ♥♥ んぉぉっ♥ イグイグイグゥゥッ♥♥♥♥」
ブシャアアアアッ!
激しい勢いで放射状に飛散する潮噴きはシヅカと香具耶の二人から。下腹部で燃える様に熱く溢れ出した孕ませ汁の味を子宮が味わい、貪欲に求め続ける事を堪能する為に思考が白濁に染まる程の激烈な快感をシヅカと香具耶の二人に齎す。
全身を痙攣させて、涙や鼻水に涎、あらゆる体液を垂れ流しながら荒く肩を上下させる二人だったが、その瞳に宿る淫欲は一切の萎えを感じさせず、寧ろ燃え盛っている。
「いぎ、なり……んひっ♥ イっひゃった、けろぉ……まらぁ、よぉ……♥」
今にも膝から崩れ落ちそうな学生に全身を支えられながら呟くシヅカは、群がる様に自分達を囲んでいる学生達に向けて己の豊かな果肉を下から持ち上げて見せ付ける。
「おっぱいもぉ、乳首もぉ……んぐぅっ♥ 腋も、髪も、この躾けられた口マンコもぉ、全部使ってあげる♥ だから早くチンポをちょうだぁい♥」
「そ、だよぉ。全然足りない♥ チンポも、ザーメンもぉ……♥ 私達の身体全部使って良いから、皆のエロい願望ぶちまけてぇ……♥♥ 香具耶の身体ぁ、ぜんぶぅ……ザーメンまみれにして孕ませてぇ……♥」
ゾクリと震えたのは、歓喜か恐怖か。嫣然と衰える事のない肉欲を満たせと訴えるシヅカと香具耶の姿に、学生達の心はただ一つ、彼女達の願望通りに犯し尽くす事だけになった。
髪の毛に自らの肉棒を絡ませ、大きく開かれた口内で粘膜を絡み付かせながらしごかれ、腋に亀頭を擦り付けて自ら腰を振り、両手で不規則に肉棒をしごかれ、Ⅴの字に開かれた脚の膝裏に擦り付け、膣穴と尻穴に肉棒が挿入されて激しいストロークが行われる。
全身を汗や精液で汁まみれにさせて淫蕩に笑うシヅカと香具耶の姿は殊更に彼等の肉欲を煽り、浴びせられた淫潮を飲んで幾度射精をしても全てが衰えない。
狂った様に、シヅカと香具耶の掌の上で学生達は精を搾り尽くされていく。何時間も、何十回も。気を失っても跨られて射精を促され、吐き出して行く。
全てが終わったのは既に十二時を過ぎた時刻。始まりは夜の帳が落ち始めた時分である事から、六時間以上は交わり続けていたのだ。
死屍累々。その中央で身体にこびり付いた精液を美味しそうに舐め合うシヅカと香具耶の姿は、因使や魂獣としての威厳など微塵もなく、妖艶な肢体を牡汁で更に彩らせている淫魔にすら思える。
「ちゅりゅ♥……それじゃ、私達はそろそろ、んぢゅ、帰りましょう、か」
「んっ、そうだね……ぢゅるるるっ♥♥ それじゃ、後始末よろくねー」
白濁汁にまみれていた身体をある程度舐め取った二人は下着を着て、この教室を訪れた時と同じ姿で去っていく。このまま生徒会室に備えられた宿直室でシャワーでも浴びるのか、それとも堪能し尽くした牡に満たされながら就寝するのか、淫宴に交わる事のなかったチンピラ学生達にはわからない。
彼等は命じられるがままに、死んでいるかのように横たわっている学生達を同情的な眼差しで一瞥してから周辺の掃除に取り掛かった。
シヅカと香具耶に逆らう事など彼等には出来はしない。逆らえば、待ち受けているのは目の前でくたばっている者達よりももっと凄惨で悲惨な目に遭うのだ。そして、次の朝日は絶対に拝めない。
散らばった制服や悪臭を処理しながら、一人のチンピラ学生が後方に備え付けられたビデオカメラを止める。
「……恐ろしいもんだ。実際は三六〇度、全体を小型カメラが余さず録画してるんだからな」
底冷えする程の恐怖にチンピラ学生は震えた。
恫喝にも使えるその手段を、シヅカと香具耶は別の手の為に用いている。一方向からしか撮影されていないと思わせておきながら、実際はこの教室内は最新の微細な小型カメラによって全方位を隈なく撮影されていたのだ。
遠近関係なく、立体感を合わさった淫宴は始終全てを収め切り、後に裏の流通を通って耶馬都の中に横溢する。そうして得られる金銭だけでなく、身体を求めた繋がりを彼女達は利用しようとしているのだ。その先の事をチンピラ学生達は知らないし、知ろうともしない。自分達はただ、己の身が惜しいだけ。余計な事に踏み込んで自らを滅ぼす様な迂闊な真似はしないのだ。
一度それをし掛けて、この惨状よりも更に恐ろしい結果になったのだから。
荊姫シヅカ、花媛香具耶。
二人の持っている側面は表向きの規律を重んじる副会長や清純な花の魂獣だけではななく、こうした淫欲の限りを貪り尽くす色魔の権化がある事を知っている。
だがそれだけではない。冷徹非情に、一事に執心し狂気すら感じられる側面がある事を知っている者は、今となっては少ない。
◇
深夜の生徒会室の明かりはまだ消えていない。
光明司凱学園長による、火群カイ討伐令が下されてから二日が立ち、学園内の修復も少しずつ進んで来ている中、予定通り姿を眩ませたカナト達を思って、学園を任されたシヅカは小さく息を吐いた。
それが疲れから来るものではなく、今この場に居ない主人、絶晶石を手に入れて着実に計画を進行させているカナトの無事を想ってのものである事は、傍にいた香具耶にはすぐに察せた。
「カナトの方はどうなっているのかしら?」
「イヅナちゃんには能力無効化があるから、案外苦戦しているかも。ナイアの完全催眠でも」
ナイアーラの完全催眠能力を、その気になれば直ぐにでも跳ね除ける事が出来るであろう、イヅナの規格外の能力。だが、一方的に契約を断ち切られて、結ばれた精神状態ではそれもまともに機能していない筈だと香具耶は推測を付ける。それでも容易に事が運ばないのは、イヅナが嘗ての大戦でゼノンやイエヤス等と同格の最高位の魂獣である事実が立ち塞がっているから。
「時間は掛かると思っていた方が良いわね。それなら私達も確実に事を運べるようにしましょう」
「うん。……あ、そうだ。この前撮影した奴、出たみたいだよ? キチンと裏で流れてるみたい」
「当然無修正よね、裏モノなら」
声に滲み出るそれは嫌悪感とは真逆の期待だ。自分達の霰もない肢体。それも極上の淫らさを曝け出した醜態が裏側とは言え世間に流通する事実。
一体どれだけの男が自分達の淫宴を見て、秘所を見て肉棒を慰めているのか。それを想像するだけでも香具耶の下腹部は甘い疼きを訴えて熱くなり、渇きを訴える様に蜜壷から漏れ出る淫靡な涎が媚肉を覆う薄布を濡らし、男を誘う蠱毒の様な牝の芳香が溢れ出して来る。
ペロリ、と艶めかしく瑞々しく潤った唇を舌先で舐め上げた香具耶は、右手で書類を掴みながら、もう片方の左手はスカートの上から股間を押さえ付けて指先を擦りつけているシヅカを見遣る。
「だねー。案外あれを見て私達を襲って来るとか、狙ってくる人出て来そうだけど……」
「そうしたら今迄通り同じよ。搾り尽くせばいいわ。どのみち、私を本当の意味で満足させられるのはカナトしかいないし、香具耶の場合はカムイでしょ?」
スカートを捲り上げ、背中を背凭れに預けながらシヅカは僅かに腰を浮かせてストッキングを膝下まで下げ、桜色のセクシーショーツを露わにする。秘裂に食い込み縦筋を浮かび上がらせている媚肉に指の腹を乗せ、押し付けながらゆっくりと上下に動かせば、直ぐにいやらしいクチュクチュとした粘着く水音が静かな生徒会室に響き始める。
「それもそっか。……あー、早く全部終わってカムイの子供欲しい」
「私だってそうよ。全部投げ捨てて、カナトの為に生きたい。カナトの為だけに捧げたいわ」
淫靡な熱い吐息を間に挟みながら話すシヅカは、もどかしくなったのかすっかり濡れそぼってシミが拡がった
目の前で始まった自慰行為に動揺するでもなく、香具耶もまた自分の股に手を忍び込ませて、卑猥な淫音を発生させている。
「んっ、ふっ……狂信だねー」
「仕方が、ない、じゃない。あふっ、んっ、本心よ、私の。狂っていても、カナトに向ける感情で最優先なのは、愛ですもの。狂愛って言われた所で、今の私が、んぁっ♥ 躊躇うと思う?」
「思わない、かな。くひっ♥ ……ってシヅカ。ディルドはズルい。それ挿れたら絶対書類に集中出来ないでしょ? 集中するのこっち。書類の方」
引き出しから取り出された禍々しい
数秒間見つめ合っていた二人だったが、やがて観念をしたのかシヅカは名残惜しそうに引き出しの中に
「物足りないわ。……ああ、カナトのは当分無理だから、せめて若くて濃いザーメンとぶっといチンポが欲しいわ……」
「そうしたかったら早く書類終わらせようよ。私だってシたいけど我慢してるんだから!」
現在進行形で自慰行為に及んでいるどの口が言うのだろうか、という意見はこの場では生まれない。想い人の事を想像するだけで股を濡らし、思考を淫靡に染め上げるシヅカと香具耶にとって淫行とはもはや息をするのと同じだ。常に体と心は快楽を求め、それを満たしてくれる相手を欲している。
もしも、彼女達の心酔や狂信をも上回る程の圧倒的な快楽と共感を与えてくれるイカれた者が現れたならば、数千分の確率でその心は揺らぐだろう。
先に堕ちたのは心、次に身体。求めたのは快楽だ。自分達の願望が十全に遂げられる事態。弄び、躍らせ、絶望させる。その手段としてもっとも簡単で、自らも満足するのが性交だっただけ。
堕ちた二輪の花が向かう先。
それは甘さの残る太陽の王子が齎す破壊と蹂躙の果てにある終結か、それとも……
END……?