その男が持つ武器は、かなり特徴的だった。
男の両腕を肘まで覆う籠手。
それはまるで古代文明の遺物かのような精巧さと神秘性を兼ね備えていた。
水晶と金晶、それらが見事に調和して蠍の頭部を模した籠手となっている。
その大きさたるや、片方の拳部分だけで人の頭とほぼ同じ大きさであり、その圧倒的な存在感は見る者すべてを圧倒する。
異質な見た目も相まって腕にすら見えるそれは、駆動音を静かに響かせながら、まるで生命体のように脈打っている。
黒曜の装甲の隙間から見える水晶の輝きは右に黄金、左に蒼銀の輝きを秘めており、それぞれ異なるエネルギーを宿している。
それこそが、イフール・カウンターで噂となっている冒険者で最強とされている男の武器。
その冒険者は今。
「だぁかぁらぁ!これが討伐の証だって言っているだろうがぁ!!」
「ですかぁらぁ!これだけじゃ足りないんですよぉ!!」
絶賛、イフール・カウンターの受付で喧嘩を行っていた。
男は強かった。
その戦闘能力は群を抜いていた。
しかし、その強さゆえにモンスターの討伐時には過剰な力を使ってしまうことが多々あった。
その結果、討伐の証を完全に破壊してしまうこともしばしばだった。
「ちゃんとモンスターは倒しただろ!しかもボスを!」
「そのボスを倒した証が、ほとんど残っていないんですよぉ!」
それこそ、このギルドでは最強であり、ダンジョンでソロでクリアする程の力を持っていた。
しかし、その討伐証が十分に残っていないことで、受付嬢のアリナ・クローバーとの口論が絶えない日々が続いていた。
男は不満そうに拳を握りしめる。
「もう一度行って証を取ってこいって言うのか?」と問いかける。
アリナはため息をつきながら。
「それすら破壊しないようにしなさいと言っています」と諭すように答えた。
男は納得できない表情を浮かべ。
「手加減なんてできるわけないだろ。モンスターに囲まれてるんだぞ」と反論する。
アリナは「でも、それじゃあ報酬が出せないんですよ」と言い返し、口論がエスカレートしていく。
このように、男とアリナの喧嘩はギルド内で頻繁に繰り広げられ、その光景はいつしかイフール・カウンターの名物となってしまった。
そう喧嘩をしている時だった。
「おい、さっさと交代しろよ」
その言葉と共に彼らの後ろにいる人物。
それはギルドで有名な悪質クレーマー。
クレーマーは、まさしくアリナに目をつけていると。
「「邪魔をするな」」
「げふぅ!」
男とアリナ。
二人による同時の攻撃で、悪質クレーマーは吹き飛ばされる。
「お、おい、大丈夫か?」
周りの冒険者が心配そうに駆け寄る。
「あいつら、本当に怖いな」と一人が呟くと、
「もう慣れっこだよ。あの二人が喧嘩する度にこんなことばかり」と別の冒険者が苦笑しながら返す。
「でも、ああいう連携が取れてるとこ見ると、実は仲が良いんじゃね?」
「いやいや、それだけは絶対ない。見てよ、あの顔。怒ってるじゃないか」
吹き飛ばされたクレーマーはようやく立ち上がり、「うう……」と呻き声を上げながらふらふらとその場から立ち去った。
「あぁ、あの二人が夫婦喧嘩している時に割って入るからな」
「まぁ、他の受付に行かないとね」
そんな二人の喧嘩に既に呆れているギルドの面々。
二人の喧嘩は、止まる気配はまるで見えない。
2周年記念作品は
-
オーバーロード
-
名探偵コナン
-
鬼滅の刃
-
ぐらんぶる
-
混血のカレコレ
-
SSSS.GRIDMAN
-
Fate/Grand Order
-
閃乱カグラ
-
ガンダムEXA
-
怪獣娘シリーズ