展開に悩んで、あれこれさぼっていたからです
今までに覚えた事が無い倦怠感が全身を包んでいた。まさに精根尽きるという言葉通りで、何かをする気力や根気をそのまま吸われてしまったかのような感覚を覚えていた。
「……っ、あともうちょっとで……」
俺の胸板に手をつきながら荒い息を吐くリーニエちゃん。
およそ計り知れない程の快感と、五感全てを通して伝えられる甘い感触。
それを引き起こした存在が、腰の上で淫らに踊るこの魔族である事は間違いないだろう。
自慢では無いが、体力にはそこそこ自信が有るつもりだった。
魔導書バカ以外にとっては、あまりにも娯楽が少なすぎる世界。空いた日常を埋めるため無性に娼館へと通う日々あってか、好みの嬢と連戦したいというさもしい想いが自分の身を鍛えたのであった。精力的に。
こうも短時間で好き放題され、連続で射精させられたとなればごっそりと体力を削られてもおかしくはないが、しかしどうにも身体から力が抜けすぎていた。
それは本当に生命の危機を感じてしまいそうなくらいに。
まるで根源から何かが、奪われているようだった。
「魔力を……っ、吸って、るんだよ……はぁっ……」
「えっ、魔力……?」
「私達、魔族は……、魔力を吸収して……っ、生きている……。お前の精の多くを、魔力が占めているとなれば……っ、そのまま変換する事が、可能だ……っ」
「そのまま……?」
思考が纏まらない頭ながらも、すぐに思い浮かんだ予想を並べてみた。
魔族は、魔力をその身に採り入れながら生きるという生態をしている。その手段のほとんどは生物の捕食という形なのだが――
どうやらこのリーニエちゃんという魔族の女の子はそれを取らず、セックスという手段で魔力を俺から奪ってしまったらしい。身体に取り込めば魔力を得られるのならば子宮からでも変換できる、みたいな感じなのだろうか。
……なんだこの、えっちな生物?!
「だから、これは……、私が魔力を吸っているだけの行為……っ」
「そ、そんな……」
変換がどういう仕組みなのかは分からないが吸収されたとなれば、中に出した精子は役目を果たす事無く消滅してしまっているのかもしれない。女を孕ませるということもできず、そのまま彼方へと消えてしまうのだ。
なんて、可哀想なんだろう。
つまり出してる側からしたら、魔力を提供しているだけの完全な慈善事業ということだ。そこに優劣は何も無い。ヤればヤるほど、死にに行くようなモノである。
何というパワーバランス。これは酷い。
「もう、力はほとんど出ないでしょ?」
「ぐっ……くそっ……」
もう諦めてしまえば?
そんな事を言外に滲ませている気がした。
今はまだ動かされていないが、未だ陰茎はリーニエちゃんの膣内で包み込まれたままである。ぬめりを帯びて更に感触が良くなった膣ひだと、心地良いまでに仕上がった温もり。それに再度竿を扱かれようものなら、本当にどれだけもつか分からない。
もう、ただそのまま持続的に与えられる快楽へと身を委ね、抵抗すること無く受け入れてしまえばいいのでは。そんな諦観にも近い思いが浮かび上がってくる。
――だが、それは何度も行った逡巡。
俺は迷いを断ち切り、死地へと飛び込む覚悟を決めた。
「……っ? ――――~~~っっッッッ?!!」
リーニエちゃんの不意をついて、思い切り攻め込む。
やってることはただ単純、弾みを付けて彼女の膣を突き上げた始めただけだ。
しかし予想外の出来事だったようで、リーニエちゃんはしどろもどろになっていた。
予め構えられなかったらしく、一つ突く度に蕩ける程に甘い声を吐いている。
「諦めるわけには……ッ!」
「は……?! なんで、まだ……、んぅッ、抵抗、する気なんだよ……っぁ、く……出しても意味無いのに……ぅっ、なんでっ……?!」
リーニエちゃんのほっそりとした美しい腰を逃げられないように押さえ付けながら、ただ盲目的に彼女の膣を貫き続ける。
ひたすらに精を絞り取ってくるこの恐ろしい生物を退ける手段。それはあちらよりも早くイかせて、イかせ続けてどうにかする――その方法だけしかもう、存在しなかった。
「くぅ……っ、ぁっ……!」
ぬめりに満ちた膣内から、抽挿によってぬちゃぬちゃと淫靡な音が響いてくる。より染み込み、蕩けるように広がった膣肉が、竿に絡み付くようにして締め付けてきた。ひだの一つ一つがくまなく亀頭や裏筋を愛撫し、吸い付いてくる。生殖器の全てが精を魔力として吸収する準備ができてしまっていた。
本来ならばもっとじっくりと味わっていたい所だったが、そんな暇は無かった。
二つのハリの良い果実を揺らしながら厭らしい姿で身をくねらせる姿。それを見ているだけでもう昂ぶって来てしまうのだ、これに主導の攻めが加われば本当になす術も無くなる。
体勢を立て直される前に、どうにかしてイかせなければならなかった。
「ぁっ……! んんっ、あっ……ゃめっ……ひっ……!」
粘液がぶつかり弾ける音を辺りによく聞こえるように叩きつけていれば、恐れを含んだ甘い声がリーニエちゃんから漏れ出てきた。それをどうにか抑えようとして、しかし上手くいかずに言葉にならない声があがる。
途端に、腟内がより激しく収縮した。
「――――――――――――~~~~~~っ!!!」
「くっ……」
きゅう、と獲物を逃さないように陰茎ごと精液を捕えてしまう魔の構造。それによって、既に中へと出されていたものをより奥へ奥へと押し込んでいく。別の生き物かのように蠢くそれは、騎乗位の体勢で有るにも関わらず重力に逆らって塗り伸ばしていった。熟練の腰使いでやりたい放題されていたが、どうやらリーニエちゃん自身もダメージは行っていたようで、限界は近かったらしい。
甘い締め付けによって道連れを促されてしまうが、どうにか耐えきることだけを考える。
荒い呼吸が吐き出され、段続的に酸素のやり取りが行われた後。
やがて、息は小さくなっていった。
「はぁっ、はぁ……なんで、そんな全力なんだよ……っ。魔力に変換している以上、万が一も有り得ないのに、どうして……」
「それはもちろん、気持ちよくなれるからだよ」
リーニエちゃん側からしたら魔力を吸えるというメリットは有るが、こちらは何も無い。ただ魔力を吸われ続けて死に至るのみである。今はこの場を切り抜ける為にやらなければならないという大義名分が存在するが、基本的に生殖用途も満たせず意味の無い無駄な行為である。
なのになぜ率先してやるのか、全力を振り絞ってやってしまうのか。
その答えはとても簡単。
ただ単純に気持ち良いからである。
本心を言うと――リーニエちゃんに借り物の技でやりたい放題されてしまうのは悔しいので、どうにか仕返しして自分が堪え性の無いエロ魔族であることを分からせたい。分からせながらイチャイチャえっちがしたい――となる。
「意味が、分からない……」
詳しくは語らずとも、そんな思いが表に出ていたのか。
俺の性に対する矜持を知ったリーニエちゃんは、ただただ困惑していた。
魔族と人間の間では、やはり言葉による相互理解は不可能だと、そんな感じのことを思っていらっしゃるのだろうか。
大丈夫、人間の男女間でも似たようなことはたくさん有るから平気平気。
「……?! くぅ……、くっ、あぁっ……、また……っ!」
しかし依然として上を取られているのは事実。リーニエちゃんの方から攻められた時点で大変なことになってしまうので、休む暇も与えず攻めを続けることにする。命を燃やしながら行為に勤しんでいるような気はするが、今はどうでも良かった。
快楽で歪み、潤んでしまった紫色の瞳。そんな様子で憎らしげに見詰められるだけで、もうどこからともなく気力は湧いてきた。
芸術品と見紛う程の美しい曲線が、腰を突き動かす度に溢れるようにして揺れる美味しそうな果実が、脳髄に直接響く甘ったるい官能的な喘ぎ声が、そして何よりもこちらを刈り取ろうとするまでに優しく愛おしい締め付けが、萎えることを許してくれないのだ。
たとえ許容量を超えていたとしても、後先考えず突き進んでいきたい。
そんな甘く狂おしい欲望が、そこには在った。
「本当は気持ち良いってのがどれくらいのことか、どれくらいイイことなのかとか、もう分かっているんでしょ?」
「は……? ぁっ……な、なにが……」
「隠しても無駄だって。もし分かってなかったら、こんなことにはなってないよ」
必死に、分からないといった様子をしているリーニエちゃんがとても面白いので少し遊ぶことにした。とても端的に言えば、言葉攻めである。以前グラナト領の外で足コキされた際、散々罵倒されたのでなんとなくその仕返しをしたくなってきたのだ。
ちなみにあまり余裕が無いので、可愛らしい反応を返されようものなら余裕で暴発する危険性が有る。
恥じらいが有ると興奮し過ぎるタイプだと自覚している。
「初めて会った時は無理やりだったけど、今はもう自分から上になって腰ふっちゃってるじゃん」
「い、今っ……、攻めてるのは……っ、ぁあっ、はぁっ……お前、だろ……」
「最初はリーニエちゃんだったけど。気持ち良いことが忘れられなかったんだね」
「ちが……っ、ああっ……私は、魔力を吸って……くっ、お前を……ゃぁっ、殺す、為に……」
「でも最初は、俺の精液が魔力を内包してるなんて知らなかったよね。なのになんで夜這いしに来たのかな?」
今の時刻は月が天上に輝く真夜中。そんな時に独り身の男の家を訪ね、しかもその男のベッドで跨りながら熱心に情事へと耽っている。
この状況を人間界の見地に照らし合わせて見れば、男を甲斐甲斐しく世話する通い妻みたいなモノと捉えられてしまってもおかしくないのだが、リーニエちゃんはどう思っているのだろうか。
「それに娼館の女の子の腰捌きを覚えて来たって、それもう完全にエロいことするためだよね」
「っ、そ……、それは……くぅっ、ぁあっ……」
そう突き詰めてみれば、返答に困ったといった感じでリーニエちゃんは情けなく喘ぎ声をあげている。綺麗な縦の筋を描いた秘部へと押し入る度に、ぬちゃぬちゃとした液体音と呼応するかのように声を発しいるのだから、辛抱たまらない。
もう最高だ。頭がおかしくなりそうなくらい、最高だ。上でぐちゃぐちゃになって、あられもない姿を発している彼女のことが愛おしくて堪らない。
「そして、それを今日披露してくれたんだ。男冥利に尽きるね」
「あっ……くっ、ぅぁっ……ちがっ……やぁ……っ」
言葉では否定しながらも、しかし嬉しそうに身体を弾ませている。完全にもう、気持ち良いことの虜になってしまったようだ。
あーだめだ、もう抑えきれない。これからどうにかしてリーニエちゃんに種付けできないだろうか。今まではなんというかそういう相手としかヤってなかったから、セックスしている女の子のことを性欲を満たしてくれる相手としか思って無かったが、こんな子が居るとなればもう話は別だ。
「ほら。隠さずに、正直になろうって」
「……っ、ぁぁっ、ぁ、あぁっ……! ぁ、う、うぁぁっ……っ!」
あまりの快楽に耐えきれなかったのか、馬乗りになっていたリーニエちゃんの手がぐらついている。倒れられるわけにもいかないので、こっちで支えてまだまだ奉仕してもらうことにした。手首を掴んで少し引いてみれば、なかなか美味しそうに育ったお胸が窮屈そうに顔を出していた。ぷるんとしたそれを下から眺めているだけでも、獣欲が高まっていくのを感じる。
その胸を、身体を、自分だけのものにしたい。
いや実際にはもうなってしまっているのかもしれないが、身体の全てを余す事無く俺のモノにしたい。そんな独占欲にも近い疼きが、心の底から沸き上がってくる。
しかし、そんな欲望を俺はどうにか奥底へと抑え込む。
ここで先にイってしまえば、何の意味も無いのだから。どうにかしてここで優位性を示さなければ。
「君がその魔法?を使って、まさか娼館の女の子の技を模倣してくるとは思わなかったよ」
「はぁっ……んっ、やぁっ、あぁ、んぅっ……!」
「とても凄くて、やられた瞬間にもうすぐに暴発しちゃいそうだったね」
「……ならっ、さっさとイけよ……! んんっ……ぁっ、いちいち動かすの……っ、めんどくさいんだよ……」
この世には様々な魔法があって、その種類は数え切れないほどだと言われている。魔導書の役割も満たさない塵に等しい書物の中には、有ったら良いなという願望を詰め込みまくったものが存在していて――それは夢物語にも近い妄想で、しかし時には実際に新たな魔法を生み出すためのヒントと成りうるモノだったりと、まあ色々有るのだが……。
その中には、リーニエちゃんが使っている魔法に近いやつも一応有った。
それは別の生物が扱う魔法を奪い自分のモノにしてしまうという、有り体に言えば盗みに近い魔法。現実に有れば、各勢力のパワーバランスが激しく崩壊しそうな代物である。根本的なものはだいぶ違うのだが、しかしその魔法にはとある弱点があった。
リーニエちゃんの魔法にも、もしかしたらそれと通じるものが有るかもしれない。
「でもリーニエちゃんの責めには、足りないものが有ったなあ」
「……は? んぁっ……なにがっ、だよ……」
「上手く言葉に表すのは難しいけど、模倣しきれてないというか」
「そんなことは……っ、私の模倣は……んぁっ、んぅ、完璧……だった、はず」
炎を操る魔法。氷を操る魔法。雷を操る魔法。
それら様々な魔法を攻撃用途に使えると判定したら見境なく奪ってしまうものだったが、それには無視しきれない弱点が存在していた。
それは、オリジナルの魔法には到底叶わない威力になってしまうというもの。
「身体が、技に付いて来てないんだよね」
少し前までは全くの生娘だった女の子が、熟練の娼婦の技を完璧に模倣したとて、それを扱いこなすのは難しい。身体が慣れきっていない以上、責めの反動をどう頑張っても無視することができない。気持ちよくなろうとして、逆に気持ちよくなりすぎてしまう。そのせいで、本来与えられるはずの攻撃も上手く成立しない。
――これが今のリーニエちゃんの弱点だ。
俺はそんなことを言葉に表して伝えてみた。
「だから模倣したとて、それほど上手くいってないんだ」
ちなみに、数十秒で適当に考えた出任せだ。完全に大嘘である。
むしろ逆だ。破壊力が有り過ぎた。
性技には実際にもたらされる責めに加えて使い手の容姿というものも強く関わってくるのだ、こんな吹けば散ってしまいそうな儚い見た目の美少女にやりたい放題されて興奮しないわけが無い。
なにが身体が付いてきていない、なんだろうか。そんな女の子にめちゃめちゃ気持ち良くされて、秒でイかされているんですが。
これはひどい言いようである。話に筋も何もありゃしない。
腟肉できゅうきゅうに熱く、そして優しく締め付けてくれるリーニエちゃん。今の彼女は、経験は足らずとも性知識には貪欲なエロ魔族と化してしまっていた。
都市伝説だと思っていたのに、まさかこんな男の欲望を体現したかのような子が居るなんて。もう興奮しすぎて、自分を抑えきれる気がしない。
「………………――――――――――――っ!」
そんなことを思っていれば、リーニエちゃんが反応した。長い沈黙の後、息をすぅと小さく飲み込んで反応していた。
その様子や、とても効いていた。
え、嘘でしょ。思い当たる節、有ったんですか……?
「っ、っ……! ~~~~~~~っっッッッ!!!」
リーニエちゃんは怒っていた。下から覗くことができる顔は、分かりやすい位に歪んでいる。文字通り、マジで怒っていた。
怒っている顔も可愛いね……とか言ってる場合じゃない。
あれか。例えば戦闘とかで模倣するも威力が及ばず上手くいかなかったとか、そんな経験が過去に有るんでしょうか。個人主義的な側面が強い魔族からしたら、相当の屈辱になってしまうとか?
……これはかなりの地雷を踏んでしまったかもしれない。
「離せ……っ、ぁぁっ……ッ! くそ……っ、ゆるさ……、んぁっ、やっ……!」
リーニエちゃんが、掴まれた手首をどうにか外そうともがき始めた。その度に跨る身体のあちこちがくねっては弾みと、視覚的な幸福がもう堪らないのだが、手を開放して主導権を渡すわけにはいかなかった。
今自由を明け渡せば、確実にやり返されると分かっていたからだ。
リーニエちゃんに余裕を作らせないためにも、下から彼女の膣を休むことなく突き上げる。無意識に絞められ、更に熱く抱擁してくる膣肉に思わず果てそうになるが、それを我慢してただただ責め続ける。
「離せよ……ぁっ、女に好き放題されるのが……ゃっ、はぁっ、良いんでしょ? やってあげるって……んぁっ、言ってるんだよ……っ!」
どこか懇願するようにしてリーニエちゃんはこちらを見つめてくる。それが罠であることは言うまでもないが、それは抗いがたい甘い誘いで――思わず乗ってしまいそうな心をどうにかかなぐり捨てた。
今までは正直、どこか心の中に余裕があった。
リーニエちゃんはもう気持ち良いことの虜である。もう否定しきれないほどにエロいことが好きな可愛い女の子だ。
そして俺はなぜか精液に魔力が含まれているという、人間をこの世に作りたもうた女神様に真っ向から喧嘩を売るような存在である。
リーニエちゃんは俺とヤることで、魔力を取り入れつつも気持ちいいこともできるのだ。まさに一石二鳥といっても過言では無いだろう。まさにメリットしかない。凄くアホなことを言っている覚えはあるが、彼女が俺を殺すことは無いと高を括っていたのだ。
殺す殺す言って、本当は殺さない。
そういうえっちなプレイだと思っていました。
でも、今は本当にまずい。
マジでヤられる。本当に吸い殺されてしまう。それがすぐに分かってしまうほどに、殺意が滲み出ていた。
しかし、ずっと手を拘束していたらこちらから責めるのも難しい。そのまましていれば、体力を回復されてしまうだけだ。
それならばと、俺は策を講じることにした。
「……っ! 何を……っ」
リーニエちゃんをこちらへ抱き寄せて、身体の上に倒れ込んで貰うことにした。前かがみになった彼女から、確かな生物としての温かみが伝わってくる。女体特有の柔らかさが、そこには全てあった。
繋がったまま密着されるという状況。全身で奉仕されていて、途轍も無いほどの幸福感を覚えた。
対面座位以上に近くなっていて、快楽かそれとも怒りの感情か、もうどちらかとも言えないほどにぐちゃぐちゃになってしまったリーニエちゃんのお顔が良く見れる。
「ぁぁっああ……っ、やめっ……ひっ、くぅ……っ!」
そんな彼女の腰を小さく上げて宙に留めたあと、空いた空間を使って繋がったままの生殖器を上へ上へと打ち上げる。すると快楽に歪んでしまったのか、悲鳴にも近い嬌声が上がる。
掴んで拘束していた手は離してしまっているが、もう問題は無い。いわゆる正常位の、男と女の位置が逆になってしまったこの状況。相も変わらず男の方が下になっているが、女の方から責めるのはとても難しいものとなっている。腰を上に揺り動かすのが、結構大変だからだ。
「ほら離したよ。でも、これで得意の模倣も上手くいかなくなっちゃったね」
「く、そ……っ、やぁっ……ひぃっ、ぁあっ、あっ……ぁっ!」
リーニエちゃんの腰捌きが恐ろしいのならば、使わせなければ良いだけのこと。
騎乗位ながらも男有利の体勢を知っていた俺は、それへと彼女を連れ込むにした。背中へと強く手を回し、抱きしめることで身体を起こすことさえも許さない。
完全に密着してしまっている。これではもう満足に動かすこともできないだろう。
これはもう勝ったな、確実にリーニエちゃんをイかせられる。
俺は得意げになった。
「ぁっ……ぁっ、くっ、あぁっ……ぁっ!」
「気持ち良い? されるがままってのもアレだし、リーニエちゃんの方からも動いて良いよ」
「……っ! ふざけ……ぁぁっ!」
責める腰の動きを止めて、リーニエちゃんの動きを促す。断じて油断では無い。
が、一発目の中出し前で披露された熟練の腰捌きではなかった。ただヘコヘコと腰を動かすことしかできていない。
あまりの凋落ぶりに驚かされるが、上手く動かしづらい状況なのだから仕方のないことだろう。
俺はとても得意げになった。
「そのヘッタクソな動きは誰の模倣なのかなあ?」
「っ、舐めやがっ……て! ぁあっ、ひゃっ……ぁっ!」
リーニエちゃんからあがる嬌声が、より激しく荒いものへと変わっていく。もう限界が近いのだろう。
なんとなく分かっていたが、彼女自身の耐久はそれほど高くはないようだ。ならばここでイかせてしまえば、もう後は無い。
ここでラストスパートを決めて、飛ばしてしまおう。
俺は止めていた様子を伺っていたが、彼女をイかせるために再度動かし始めた。
「くぅ……?! くっ、ぁっ……あぁっ……!」
それに対してリーニエちゃん自身も抵抗してくるが、しかし情けない腰使いである。
模倣という魔法を封じられてしまえば、こうなってしまうのはもう避けられない。これがおそらく、本来の実力なのだろう。彼女ができる、精一杯の責めということだ。
リーニエちゃんは息も絶え絶えになりながら、ただそれを健気に繰り返している。
……あれ。
なんだか、凄く興奮してきたぞ。
「やばい、最高だ……。最高に気持ち良くなってきた」
「……は? あぁっ、はぁっ、どういう、意味だよ……っ」
リーニエちゃんの熱い吐息が、顔にかけられる。顔をあと少しでも近づければ、そのままキスできそうな間合い。そこで繰り広げられるあられもない表情が、獣欲を思うがままに昂らせる。
確かに、リーニエちゃんの腰使いはとてもぎこちないものだ。それはまったく、的確に包こむ陰茎へ快楽を与えるような匠の技では無い。
だが、それでも。
こんな状況においても明確な意思を以って、自己の能力だけを発揮して責めてくる――そんな気概に、俺は自分を抑えきれない程までに興奮してしまった。
「今までの、どんな腰捌きよりも気持ちが良い……」
借り物の力では無く、リーニエちゃん自身が魅せる土壇場のセックス。
そのあまりのいじらしさに、自分の色に染め上げたいという征服欲が途端に湧き上がってきた。
もうどうなっても構わない。ただ何も考えず、目の前のメスに精を流し込んでいたい。そんな抗いがたい欲求が、脳内を支配していく。
「このまま、出すぞ……」
あれだけ余裕だったのにも関わらず、最後の最後で。
俺は人を惑わす恐ろしい魔性の誘惑に負けてしまった。
このまま出したらもう、魔力を吸い尽くされて死んでしまうだけ。
「意味が……はぁっ、分からない……。なんで、こんなのの方が……あぁっ、気持ちよく、なるんだよ……っ」
リーニエちゃんはもう本当に理解できないといった様子で、ただただ腰を動かし続けている。獣のような本能に支配されてしまったこの身には、その問いに対する答えを返すだけの余裕は備わっていなかった。
相も変わらずヘッタクソな腰使い。
だがそれは、何よりも愛おしいモノで――
どうしようもないくらいに、最高だった。
「っ……! ぁっ……、ぁあ~~~~っっっっッッッ!!!」
甲高い声がしたと思えば、太ももの横に添えられていた脚が強くこちらを挟み込んでくる。流れ込む快楽の波に逆らうために本能的に行われたそれは、連動してナカを抱きしめる膣肉のキツさも強めていて――
高められた興奮と共に、魔力を含んだ白濁汁が一気に搾り取られていった。
「―――――――――――――――~~~~~~~~~~~~~ッ!!!!」
三回目なのにも関わらず、咀嚼するかのように精を飲みこんでいく膣内。
その感触を経て確かにオスとしての役割を果たしたことを知った俺は――それから意識を失った。