※このお話はノクターンノベルズ、Pixivにも投稿されています。
パパはきっとおかしい人だ。
そして、だから、私もきっとおかしい子だ。
******
ざぁ、と音を立てて体の表面をお湯が撫でていく。
念入りにシャンプーとボディソープを洗い流して、シャワーの蛇口を閉める。
湯船に浸かって体もしっかり温めてから上がって、脱衣所では丁寧にタオルで拭いて髪を乾かす。
最近伸ばし始めた髪は少し面倒だと思いながらも手入れは怠らないようにしている。
こういうのは手間暇かけた分、ちゃんと目に見える成果なって帰ってくるものだと亡くなったママが言っていた。
「……」
無心でドライヤーを当てながら脱衣所の鏡の中の自分をぼうっと眺める。
肩口を追い越し始めたくらいの黒髪が、しっとりと濡れて光りながら温風に煽られて舞っている。
鏡に映る私は背もあまり高くないし、肉付きもほっそりとしていて……まぁ、あまりスタイルは良いと言えない。
同級生は「やせててうらやましい」なんて言うけれど、パパは小学生なんだから今のうちに栄養取っといた方が良いよ、と諭すように言う。
私はどっちかというとパパに賛成。せめてもう少し胸元にサイズが欲しい。
「牛乳か……バストアップ体操か……」
ただ思えば1年前に亡くなったママもそう胸が大きいわけでもなかった。なんなら背も今の私と大して変わらなかった。
娘である私に望みは薄いかもしれないが、努力と願いを絶やしていい理由にはならないだろう。なんていってもこれからが成長期なのだし。
「……うん、もういいかな」
軽く髪を手で撫でつけて湿気が取れていることを確認してドライヤーを片付けた。
乾いた髪をサラッと下ろすと、鏡の中の自分と記憶の中のママの姿が一瞬ダブる。
目頭が熱くなりそうで、私は瞼をぎゅっと閉じて
泣いたらまたパパを心配させるので、それは避けたかった。
「よし、大丈夫……」
改めて鏡を覗いておかしいところはないか確認。
涙も出てない。髪も乾いた。お肌も洗い立てでツヤピカ。おっと、クリーム塗っとかないと。
毎週金曜日の夜、私は念入りにお風呂に入る。毎日ちゃんと入ってるけど、いつもよりちゃんと意識的に、という意味合いだ。
何も問題ない、現状1番キレイになった自分だと確かめてから私は脱衣所を出た。
服は着ていない。バスタオルを体に巻いたままの状態だ。
足早に廊下を抜けて、普段は鍵がかかっている隅の扉を開く。
週末だけ開くここの奥は地下室に繋がっている。
小さな頃は入れて貰えなかったパパとママの秘密の部屋。今は私とパパの部屋だ。
たったったっ、素足がコンクリートの階段を降りる音を耳にしながら、私は
期待、興奮、そしてこれはーー、
「パパっ、お風呂上がったよ」
「あぁ、寧子か。こっちも準備ができた」
地下室のドアを開けるとそこはコンクリート打ちっぱなしの無骨な部屋だった。
ベッドと棚と、
部屋の中で事前の用意を色々としていたパパが、こちらに振り向く。
表情はいつもと変わらない仏頂面。常日頃から何か不満そうな表情で、小さい頃はずっと苦手だった。
でも今は、その顔が綻ぶように笑うところを知っている。どうすれば笑うのかも知っている。
「へへっ、パパっ♡」
「こら、あんまりくっつくもんじゃない」
「なによ、誰かに見られてるわけじゃないし、減るもんじゃないし」
抱きついて甘えると、露骨に迷惑そうな顔をする。そんな表情だって可愛く見えてしまう。
きっとママも同じ気持ちだったんだろうな、なんて思う。同じ人を好きになったんだからそういうのがわかってしまう。
……そう、私はパパが好きだ。好きになってしまった。恋してしまった。愛してしまった。
胸の芯が
期待、興奮、そして愛おしさでこんなにも鼓動が弾む。
「……はぁ、誰に似たのやら……。まぁいい、先にこれを付けなさい。話はそれからだ」
「はぁい、パパ♡」
パパがその手に持って差し出してきたのは、赤い革の帯だった。
その表面には鈴と金属の薄いプレートが付いていて、そこには『NEIKO』と私の名前が刻印されていた。
有り体に言って、それはペット用の首輪だった。
私はそれを躊躇いなく手に取って、首元に巻き付けた。
喉周りを覆う革の肌触り、キュッと締めるベルトと金具の手触り。
全てが
「みゃーぉ♡」
指で首輪の表面をなぞって感触を確かめながら、軽く猫の鳴き真似をしてみせる。
あぁ、今から自分は人間じゃなくなってしまう。ペットになっちゃうんだ。
そう思えば
「ネイコ、可愛いよ」
猫のふりをした私の頬をパパの手が撫でる。
長い指、大きな掌、優しい手つき。そのまま顎下まで摩られるとついゴロゴロと鳴いてしまいそうだった。
私をあやすパパの表情は、さっきとうって変わって緩んだ笑みを浮かべていた。
まるで雪解けの下から顔を出したたんぽぽの花みたい。
私からすれば、パパこそ可愛い。
******
私は小さい頃からパパのことが苦手だった。
いや、包み隠さず言うと嫌いだったといっても過言ではない。
なにせ、記憶にある限り私はパパが笑うところを見たことがない。
いつもなにか不満そうで、なにか我慢しているようなムスッとした表情で、そんなパパと同じ空間にいるとまるで自分が知らないうちに機嫌を損ねるようなことをしたんじゃないかといたたまれない気分になる。
勿論それは思い過ごしなのだが、そういう印象を与える人だったのは間違いない。
そしてもう一つ苦手というか嫌いになる原因は、ママがそんなパパのことを大好きだったということだ。
ママは優しくて綺麗でいつもニコニコしていて、抱きしめるとふわふわと良い香りがして私は大好きだった。
でもそんなママに満面の笑顔で話しかけて貰いながらパパはいつもの仏頂面で「あぁ」とか「うん」とか適当でおざなりな相槌をするばかりだった。
ママの好意をドブに捨ててる!ママに話しかけられたら私ならもっと嬉しくって喜んで「大好き!」って返すのに!
私がそうやって怒るとママは決まって「でも本当はパパだってママのこと大好きなのよ♡」とくすくす笑うのだ。
そんなの嘘だぁ、と私は本気で怒った。だってパパがママに好きって言ったところを私は見たことがない。
でもママはパパが好きで、あまつさえ「ああ見えて可愛いところもあるのよ♡」なんて惚気る始末で、私は余計にパパが嫌いになるのだった。
まぁ、つまるところ私はママの件でパパに嫉妬していたわけだ。
そんな関係は1年ほど前にガラリと変わった。
ママが事故で亡くなってからだ。
お通夜とお葬式のことはよく覚えていない。
私は泣きすぎて頭が痛くて、哭きすぎて喉が痛くて。
苦しくて辛くて胸が痛くてーーあぁそうだ、痛いことしか覚えていないんだ。
哀しみというのは痛いのだとそのとき初めて知った。
それはカッターナイフよりもザックリと、ノコギリよりもギコギコと、私の胸の奥にある柔らかいものを切り刻んでドス黒いほどに真っ赤な血を撒き散らしていってなにも悪びれもしないのだった。
なにはともあれ、ママがいなくなってからの家は酷く居心地の悪いものになってしまった。
パパは以前より一層口数が少なくなって、今にも落ちてきそうな空を肩に背負ってるみたいに重い表情をしていた。
ママがいない中でそんなパパと顔を合わせるのはこの上なく辛かった。
私の方が死んだ方が良かったんじゃないか、みたいなことを思った。
パパの顔は、まるで私が生きていることを咎めているんじゃないかとそんな錯覚に襲われた。
それは私の悲しみが産んだ被害妄想だと今ならわかるけど、その錯覚はその時の私には極めて現実的なものだった。
生きていることそのものの罪悪感で、毎日目の前の彩度が落ちていくような日々。
それでも日常というのは続いていくものでーーある日の私はママの遺品整理をやっていた。
パパはあまり家事をしない人だったので、ママの手伝いを普段からやっていた私がその分の家事も引き受けるようになっていた。
日頃の掃除は欠かしていなかったが、精神的な辛さもあってママの遺していった私物の類は手付かずのままだった。
しかしいい加減に埃が表面に見えるようになってきては放置もできない。
胸の真ん中に突き立ったままのナイフをグリグリと捻られるような胸の痛みを堪えながら、掃除と整理をしていると私はその中に一つ見覚えのない代物を見つけた。
それは猫のキーホルダーが付いた一本の鍵だった。
家の鍵は玄関に専用の収納ボックスがあって、玄関、倉庫、車や自転車のものも全て一纏めにしてしまってある。
だからタンスの中に入っている鍵というのは殊更に奇妙だった。
ただそれを手の中で眺め回しているうちにピンと閃くものがあった。
一度も立ち入ったことのない地下室への扉。そこはいつでも鍵がかかっていて、幼稚園くらいには興味本位でなんとか開けてもらえないかと駄々を捏ねたものだった。
もう今では閉じていて当然のものとして、家の中にあるけどないものとして意識の端にも上らなくなっていた。
見なかったことにしてそっとしまい直すべきかと思ったけど、結局は好奇心が勝った私はそれを手に取って一階の廊下へと向かった。
いや、好奇心というか期待だろうか。私の知らないママの秘密があるなら見てみたかった。
もう会えない大切な人の記憶、記録。それが一つでも手に取れる形で残っているのなら、残さず大切にしたかった。
そんな思いを胸に早速地下室に立ち入った私だが、そこにあったものには大いに面食らうことになった。
硬いコンクリートの、灰色の床と天井。シンプルなベッドが無造作に置かれた殺風景な部屋。
恐る恐る壁際の棚に近付いて中身を確認すると、そこには奇妙なものがゴロゴロと転がっていた。
手錠みたいなもの、手袋みたいなもの。鎖のついたベルトみたいなもの。鍵のついたベルトみたいなもの。
ところどころが凸凹した棒みたいなもの。大きさがまちまちな球を並べた数珠みたいなもの。
針のついてないおっきな注射器みたいなもの。
そういう感じの一見するとよくわからないものがたくさん。
ただ、私はそれを手に持って眺め回したり、おっかなびっくり電源を入れてうぃんうぃんと動く様をみたりしているうちにピンと閃くものがあった。
そういえば友達の家に遊びに行ったとき、こっそり見せてくれた過激な恋愛漫画とかでこういうのをみたことがあるようなーー、
「寧子、そこでなにをしている」
そうやって考えに没頭しているときに背後から声をかけられた時には心臓が口から飛び出るのではないかと思うほどにびっくりした。
振り返ればパパが怒ったような表情でーーいや、いつもの表情で立っていた。
怒っているような不機嫌そうな顔はいつものことすぎて、その頃の私にはどういう感情を抱いているのか細かい区別は付かなかった。
今にして思えばパパの方も酷く焦っていたというか、後ろめたいものを暴かれた気持ちだったんじゃないだろうか。
私はママの遺品の中から地下室の鍵が出てきたことと、
他にもママの遺品が見つかるんじゃないかと思って調べていたことを正直に告白した。
とはいってももう薄々この部屋がどういう部屋だったのか勘づき始めていた。
二人のとてもプライベートな、私の両親である以前に男の人と女の人である二人の秘密を暴こうなどと、私は露ほどもは思っていなかったのだ。
私が酷くバツの悪い気持ちでパパの反応を見守っていると、パパは棚の中からデジカメを一つ探し出してベッドの淵に座るよう私に促した。
二人並んで記録されていた写真に目を通す。
カチカチと画面を操作する音が響く中、私はこうやってパパと隣同士で一緒に何かを見るなんていつぶりだろうだなんてことを考えていた。
「……寧子、僕はね。人間としておかしいんだ。人間として人間を、人間のままに愛せない。昔からずっとそうだった」
パパのそう語る口調は重たかった。道路の側溝の奥に溜まった泥をかき出すような重たい響きがあった。
手元のデジカメにはママの写真が映っている。私の知らないママの
……写真の中でママは猫の耳と首輪を付けて恥ずかしそうに、けれど気持ちよさそうな笑顔で裸を晒していた。
「ママだけが僕のそんな秘密にしていた苦しみをわかってくれて、寄り添ってくれた。人間を愛せないのなら、愛せるような
手元で画像がスクロールされていく。
どの画像もママのあられのない姿ばかり。
猫のコスプレをしたママが、カメラで撮っている人ーーもちろんパパーーにいじめられているようにしか見えない。
でもそうやっていじめられている人がこんなにも幸せそうにみえるだろうか?
赤らんだ頬っぺ、泣きそうに潤んだつぶらな眼、汗でおでこに張り付いた黒髪、悩ましく吐息をこぼす唇……。
苦しんでいるようにも見えるのに、そのどれもが目元を綻ばせているのがわかった。笑っているんだ。
鼓膜の奥で血管が
顔が火が出そうに熱いのに目を逸らせなかった。
私はその記録写真に、今まで見たことも想像したこともないママの艶姿に釘付けになっていた。
「そんな折に寧子、君が生まれた。血を分けた子供なら、人間らしく人間を愛せるんじゃあないかと思えた……。でも、でも駄目だった。寧子、すまない。パパはお前のことをずっと……可愛いと……思えなかったんだ」
パパは項垂れながらそう溢した。
その有り様は謝罪というか懺悔だった。神様に向かって悪いことをしました許してください、とお願いしているようだった。
でもきっとパパにとっての神様はもういない。パパの世界の中心で天辺にいたのはきっとママで、そのママはもういなかった。
「ごめんよ、寧子。お前のことを好きになりたかった。お前を好きになれない自分のことが……心底、嫌いだった」
今にも泣き出しそうなパパのそんな横顔が衝撃的すぎて、自分がやっぱり愛されていなかったという事実なんてのはどうでもよくなってしまっていた。
ただただ胸の奥が切なかった。ママを亡くしたことで空いた胸の傷とはまた違うところが
パパの姿は雨に降られたまま行き場をなくして佇んでいる迷い犬に見えた。
その頭の上に傘をさして、背中に毛布をかけてあげたい、とそんなことを思った。
でも人間を愛せない、実の娘を好きになれない、とまで言ったパパに私がどうやって優しくできるだろう?どうやってその悲しみを癒してあげられるだろう?
私は咄嗟にパパの手の中からデジカメを取り上げていた。
呆けたような視線を向けるパパに対して、私は写真を指差しながら言った。
「パパ。私、ママと同じことしたい」
******
「次、これを付けるね」
「にゃんっ」
首輪に続いて身に付けるのは猫耳のついたヘッドホンみたいなやつだ。
音楽を聴く機能はないのでヘッドギアというのが正しいかもしれない。
モフっとした手触りの耳当て部分をちゃんとつけて、猫の耳が頭の上に来るように調整する。
これは装飾ではあるけど、人の耳を隠すこともその役目だ。少しパパの声が聞き取りづらくなるけど、耳当ての布地は目が荒いのでそこまで深刻ではない。
首輪に猫耳をつけるとそれだけでだいぶ猫らしくなるからだろうか。
先ほどよりもパパが柔らかい表情になったように見える。
それを見ているとじんわりと私の胸が暖かくなって、一緒に笑みが浮かんでくる。
もっともっと、喜んで欲しくなる。
もっともっと、可愛い猫になりたくなる。
パパに手を取られて両手に手袋を嵌められる。
タイツみたいな薄い布地が肘上まであって、手の周りは猫の手を模したデザインでこれまたモフモフしている。
そして手首周りには革のバンドがあって、そこには鍵がついていた。
カチン、とパパの手で鍵が閉められると
猫の手袋はミトンのように中に余裕がある作りになっていて、手の指を動かしても表面に動きが反映されない。
つまりこの手袋を嵌められた時点で私は自由にものを指先で摘んだり掴んだりができなくなる。
施錠されてしまったら鍵を持つことができないからもう外すことができない。
この時点で私は完全にパパに逆らえなくされてしまったと言っても過言ではない。
……飼い主の手助けがないと何もできない、
そうなってしまう自分のことを思って、鼓動が早まる。
顔が熱くなって、耳の奥でどくどくと血が巡る音がする。
「脚あげて」
「にゃんっ♡」
今度は足の方。黒いニーソックスみたいなやつと一緒になったモフモフの猫足スリッパ。
こっちも足首に鍵がついていて、音を立てて施錠される。
布地を掴めないからこうやって履き物を履くのも、もうパパにやってもらわないといけない。
その不自由さと甘やかしてもらっている実感にドキドキする。
「今度は腕上げてね。ほら、ばんざーい」
「にゃーん」
言われたように両手を上げる。この段階で今まで私の
体を守るように覆っていたバスタオルが剥ぎ取られてしまう。
パパに裸を見られることに強い恥ずかしさが込み上げてくる。
家族といえど生まれたままの姿を見られるのに羞恥を感じるのは当然だと思う。
けれど私が恥ずかしいのは既に固くなりつつある胸の先っぽや、興奮で激しく高鳴る胸の音に気付かれやしないかということだった。
「もう興奮してるんだね、可愛いねこちゃんだ」
「……っ♡」
もちろんそんな恥ずかしいところもパパにはお見通して、優しい手先が私の胸を撫で上げた。
薄く肋骨が見える脇から、まだ控えめなのが不満な胸まで、そっと優しい指で撫でられて、私は喉奥から込み上げる恥ずかしい声を咄嗟に噛み殺すのだった。
そんな手遊びをちょっと挟んで、パパが次の衣装を私に着せる。
それは革っぽい素材で作られた、ベルトみたいなブラジャーだった。
でもそれは胸を守ったり型崩れを防いだりするような普段使いの下着とは違って、胸のところが丸出しといういかがわしい形をしていた。
両手を上げた私の背中のところでベルトが絞られて留められる。このきゅっと締め付けられる感じは慣れるとなんだか癖になってくる。
視線を下に向けると、私のあるかないかのささやかな胸の膨らみは革のブラに押し出されてちょっとだけ自己主張が激しくなっていた。
でも自己主張しているのはその先に立ち上がっている乳首も同じで、私はまた頬が熱くなるのを感じた。
黒い皮と白い肌、ピンク色の乳首と
「はい、それじゃあベッドに横になって」
「……っ♡ にゃぁ……っ」
あぁ、でも1番恥ずかしいのはここからなのだった。
私はパパに言われたようにベッドの上にころんと横になる。次に何をされるのかわかっているから、緩く両脚を開いたままの姿勢で。
まだあんまり毛も生えていない
人の視線というのは案外よくわかるものだし、何より雄弁だ。
この上なく優しいのにどこかギラギラしていて、視線が熱い。夏の日の陽射しのよう。
「もう少し開いてね……。うん、そのままそのまま……いい子だね……」
声が優しい。文字通りの猫撫で声。
胸の奥がきゅん♡と甘く疼くのがわかる。
私の脚に手をかけながら、パパが手に持っているのは緩いL字っぽい形をした機械的な道具だった。出っ張り部分が大きく平たく、全体はシリコンらしい素材で柔らかくできていてぷにぷにした質感だ。
私は何度かそれを使った……というか使われたことがあるのでそれがどう言ったものなのかよく知っている。
いわゆるバイブレーター。大人のおもちゃの一種だ。
「んくっ……♡」
「楽に入ったね。ちゃんと中も濡れてたからかな」
「ん〜〜っ♡」
ローションを先端に一垂らしして馴染ませてから、それの先端がぬるりと私のお股の中に入り込んできた。
バイブの先の出っ張り部分は私の
入れられただけでずぅん、と響く気持ちよさが込み上げてきて思わず甘い声が漏れてしまった。
ただ既に濡れていたことを揶揄されたのは気恥ずかしかったのでパパには恨みがましい目を向けることになった。
痛くないね、と気遣うように声をかけてくるのに頷きで返事を返してから、次に移る。
次のが1番恥ずかしくて……恥ずかしくて、気持ちいいのを知っているから私はすぅ、はぁ、と息をして気を落ち着かせてから四つん這いになった。
「それじゃあ、お尻の方にも入れるからね」
「ぅん……にゃぅん……っ」
恥ずかしさで声が上ずる。
こっちの気持ちを知ってか知らずか(多分知ってる)、パパは平静そのものみたいな様子で淡々と準備を進める。
そっと手のひらが私のお尻を撫でてきて、その手つきはこの上なく優しかった。まるでガラス細工でも扱うような繊細さがパパの気持ちを雄弁に語っていた。
そしてその手先がお尻の割れ目に当てられて、そこをそっと割り開く。
この上なく恥ずかしいところにすぅっと空気が触れる感触がして、私はぞわぞわと背筋に震えを走らせた。
「んっ……ぁんっ♡ にゃぁんっ」
「……ゆっくり息をして……。うん、これなら大丈夫だよ」
「ゃっ、にゃぁ……っ♡」
ローションをたっぷり塗ったパパの指がそのままぬるりと中に突き入れられた。
お尻の穴に指が入ってくる。時折学校で男子がふざけてカンチョーとかやってるけど、本当の浣腸はもっとずっと意味が深くて重い。
ピタリと閉じて、中を漏らさないことが役目のその穴がこじ開けられる感覚は酷くむず痒くて、倒錯的で、眩暈がするほどにゾクゾクする。
予めお腹の中は洗ってきたから汚くないのは頭ではわかっているけど、それでも大切な人に1番汚いところを中まで触れられるのは恐ろしいほどに背徳的だった。
ぬぽっ、ぬぽっ、と指をゆっくり出し入れされるといけないことをしているという仄暗い罪悪感と相まって体が裂けるような快感を生んだ。
「んくっ……♡」
やがて私のお尻の穴が程よく柔らかくなったのを確認したパパが中に直接ローションを注ぎ込んできた。
ボトルのノズル部分が入り口(本来は出口)に当てられて、人肌より冷たくてぬるりとした液体がお腹に溜まるのがわかる。
すぐに出したいとまで思わないけれど、ちょっと違和感ある……というくらいまで注がれたところでやめられる。
「軽くいきんでね。裂けちゃわないようにするけれど、痛かったらいつでも言ってね」
「にゃぁん……♡」
声をかけられると共に、お尻の穴に硬さと弾力のあるものが押し付けられた。
パパの指とはまた違う手触りのそれはお尻の穴用のディルドだ。
肩越しに振り返らなくても形が脳裏に浮かべられるくらい既に親しんでいるそれ。親指よりちょっと太くて、中指より少し長いくらいの棒がお尻の穴に埋め込まれていく。
本来ものを出すために使われる穴が、それとは逆の仕事をさせられて不満を訴える。
でもそれを無視して強引に、ねじ伏せられるように挿入されるのはなんだか
お尻で気持ちよくなっちゃうなんて変態だし、いけないことだけど。
でもそんな変態で、いけないことだからこそ背徳的でゾクゾクした。
「うん、大丈夫ちゃんと入ったよ。えらいね、がんばったね」
「にゃーん……♡」
やがて入ってくるのが止まり、お尻の入り口あたりにディルドの持ち手あたりが付くのがわかる。
パパにお尻を撫でられて優しい言葉をかけてもらうと、無意識に強張っていた体から力が抜けるのがわかった。
四つん這いからぺたんと脱力すると、膝だけが立っていてお尻を後ろに突き出すような格好になっている。
あぁ、本当に猫みたいだなぁ、なんて頭の隅で冷静な声がする。
「上から被せるよ」
そう言ってパパが差し出してきたのは最後のパーツ。
一見するとTの字型の帯。革素材でできたTバックか、色気のない言い方するとふんどしみたいなの。
股の下にそれを潜らせて履かせて貰う。お腹のところあたりに鍵穴があってそれを施錠される。
かしん、と軽い金具の音。私は自分の大事なところがパパに封されてしまったことを実感して背筋を震わせた。
「んぅー……っ♡」
これはいわゆる貞操帯というやつの一種。
股に潜らせた部分の帯は真ん中あたりに2つ穴が空いていて、先に前と後ろの穴に入れた玩具2つの縁のところを抑えて抜けないようにする構造になっている。
ピッタリ押さえて履くと、中に入っているバイブとディルドがグッと下から内臓に押し込まれる感覚があった。
クリトリスあたりに食い込む革の裏地のむず痒さと相まって、痺れるような感じがお股から湧き上がってきて鼻にかかった声を漏らしてしまう。
「これで最後だよ。……うん、ほらこれで可愛い猫ちゃんだ」
「みゃぁ……っ♡」
カチッ、と小さな音が後ろでする。お尻の穴に入れたディルドの、貞操帯から覗いている末端の部分に猫の尻尾をつけた音だ。
猫の耳に、猫の手足、それと猫の尻尾。
全体的にいかがわしいデザインではあるけど、これで私は完全に猫になってしまったわけだ。
ここからはもう……というか首輪つけた時から既にそうだったけど、人間の言葉だって喋らない。
私は猫。パパに可愛がられるのがお仕事の、
「可愛い。とっても可愛いよ。大好きだよ、ネイコ。」
「にゃぁん♡ みゃぉんっ♡」
猫ちゃんになった私をパパがぎゅぅっと抱きしめてくる。
痛いくらいに強い
おっきな胸と腕。首筋に香るほのかなコロンの香り。熱い心臓の音。
少しだらしないくらいに綻んだ笑みが可愛らしくて自分の胸が甘く高鳴るのを感じる。
幸せそうなパパを見るのが幸せで、私はぐりぐりと頭を胸元に擦り付けて目一杯甘えた。
まさしく猫のように。
******
「みゃぅんっ♡」
「あははっ」
猫になったら何をするのか?
それは当然、遊ぶに決まっている。
小学校高学年にもなってそんなに親に甘えるのは普通恥ずかしいんじゃない?なんて常識的な部分の私が言ったりするけど、週末だけはそんなの無視。
今の私は寧子じゃなくて、猫のネイコ。パパのペットだから。
「んっ♡ にゅ、にゃっ♡」
大きな体に身を預けていっぱい抱きしめると向こうからも抱き返される。
広い胸板、大きな手と腕。男の人の香り。頬擦りすると少しお髭のざらついた感触がするお顔。
そういうのに触れるとドキドキする。胸の奥で心臓が甘酸っぱく高鳴って、私はパパが好きなんだなぁって自覚する。
ちゅ、と頬にキスする、一回だけじゃなくて何度も。
その度に小鳥の囀りのような音を唇が立てて、地下室に反響する。
唇の先に人の肌を感じるのがなんだかとても嬉しい。もっとずっと、パパの輪郭を唇で感じたくなる。
そして同じようにパパの方からもキスを返される。
おでこに頬っぺた。髪に瞼と鼻の上。そしてもちろん唇にも。
キスされた場所がほのかに熱い。敏感肌みたい。ゾクっと肌が粟立って、また触れてほしくなる。
「ん……ちゅ、んむっ……♡♡」
キスの応酬は当然すぐに唇同士のキスにとって代わられる。
唇と唇同士をちゅ、ちゅ、っと重ねわせる可愛らしいキス。
そして口と口を深く噛み合わせて、舌と唾も絡め合うような濃厚なキス。
唇同士を合わせると、うずうずするような感じが高まっていって、それが辛抱たまらなくなるともっと深いキスになる。
くちゅり、くちゅり、と唾液が二人の間で混ぜ返される音が頭の中に響く。脳みそが熱した飴みたいにどろりと甘く蕩けていく錯覚がする。
パパのおっきな舌が私の舌を絡みとりながら、口の中に
ぢゅぅっ、と口を合わせたまま唾液を吸い上げられると顎が抜けそうなほど体から力が抜けて、ふにゃふにゃになってしまう。文字通り骨抜き。
キスってこんなに気持ちいいんだって、私はパパに初めて教えてもらったのだ。
「ネイコ、かわいいよ」
「んみゅぅ……っ♡」
耳元でパパに囁かれてぶるっと震えた。うなじのあたりがくすぐったくなるような感じ。
吐息が触れる感覚がまるで指先で優しく撫でられるようで、私はパパの声だけで気持ちよくなってしまうのを自覚した。
ちなみに今囁きかけられたのはヘッドギアの猫耳の方。
生身の耳に声をかけられたわけでもないのにそう感じてしまうなんておかしな話だけれど、また一歩猫に近づけた気がしてちょっと得意な気分になる。
パパが言うには拡張感覚の一種らしい。自分の持ち物を自分の延長線上に感じるのは人間にはままあることらしい。
まぁ、難しい話はいいや。
「んぅ、はぁ……♡ にゃぁ、にゃぅん……♡」
キスをしながら、パパの手が私の体を撫でてくる。
髪を頬を、顎を首筋を。うなじを肩を鎖骨を胸元を。背中を脇腹をお腹を、おしりを太腿を。
丹念に丹念に。職人さんが自分の作った家具とか柱とかの歪みを確認してるみたいに丁寧に慎重に、じっくりと形を確かめるように。
パパの手と指はまるで魔法がかかっているみたいで、触れられるところが全て気持ちよくなってしまう。
木漏れ日のように暖かくて、虫刺されのようにむず痒くて、蜜のように甘い手。
「にゃあん♡ にゃぁーん……♡」
「ふふふ、ほら、よしよし……」
もう私はキスに集中することができなくなって、ベッドに身を横たえてパパの手に身を委ねた。
ごろごろと猫らしく喉を鳴らす真似をしながら、パパにもっと撫でてとアピールする。
もちろんパパはそんな私の欲しいものを察してこれでもかと撫で回してくれる。
仰向けにひっくり返って曝け出したお腹をすりすりしてもらうと、腰の奥がじぃんと痺れて甘ったるい声で鳴いてしまう。
……金曜日の夜はそうやって更けていく。
とにかくいちゃいちゃする。撫でてもらって抱きしめてもらってキスしてもらって、とろとろに甘やかしてもらっていちゃいちゃするのだ。
お互いある程度満足したら、地下室のベッドで抱き合いながら眠る。
私が猫みたいに体を丸めて横になると、パパが私を腕の中に抱いて寝てくれる。
ママと一緒に寝たことは何度もあるけれど、これまでパパとそうしたことはなかった。
今になって知るパパの腕の中の安心感に包まれながら、そうやってぐっすり眠るのだ。
「おはよう、ネイコ。ごはんできてるよ」
「……んみゅぅ」
「ほら、むずがってないで。おはようのちゅー、しようか」
「んみゃぁ……♡」
そうやって朝が来て……多分朝だろうと思う。地下室には日が差さないのでその辺りがわかりづらい。
時計もないので時間の感覚があやふやだ。パパが起こしてくれるのでもう夜は明けたのだろう、とそう判断するしかない。
ならパパはどうやって時間を判断しているのだろうか?そこは謎だが、まぁいいか、と放っておく。
猫ちゃんは余計なあれこれで頭を煩わせたりしないのだ。にゃーん。
ぐしぐし、と猫手袋の肉球で目元をこすりながら、パパと寝起きのキス。抱きしめてもらいながら背中をぽんぽんとしてもらうと、二度寝したくなるくらいに安心する。
その暖かさを名残惜しく感じながらもベッドから降りて朝ご飯にする。
床に置いてあるのはペット用の餌皿で、フレーク状のシリアルとミルクの皿が分けてある。
私は当然のように四つん這いになって皿に口をつけて食べ始めた。
手を使わないで食べるのは最初の頃はとても難しかったけれど、慣れれば意外とそうでもない。舌をうまく使うのがコツだ。
「……おいしい?」
「みゃぁうっ」
その間パパは横に座って私がご飯を食べる様をじっと見守っている。
時折顎まで垂れてくる私の髪を指先で払ったりしてくれるのがありがたい。
私を見下ろすパパの目はなんだかとても優しい。一緒にご飯を食べている時のママの表情を思い出す。
食事している最中にふと気づいて顔を上げると、ママはお箸を止めてニコニコしながらこちらを見ているなんていうのが時々あった。
その時に感じた視線と同じものを今のパパにも感じる。なんだかくすぐったくて、でも大事にされてるのがわかるあの感じ。
「んー……んみゃぁ……」
「うん、どうしたの?おトイレ?」
「にゃ、にゃん……」
朝ごはんを食べ終わって、歯磨きもしてもらって……ちょっとひと段落したところで私はパパに訴え出た。
ちょっともじもじしながら目線と鳴き声でアピールするとパパは正確に私の言わんとしていることを察してくれた。
私のお股周りは貞操帯でピッタリ閉じられているし、鍵もかかっている。
私の手は猫手袋でものを摘めないから、鍵があるのはわかっていても自分で取って開けることもできない。
だから下のお世話は全部パパ任せにするしかない。
ものすごく恥ずかしいけれど、でもこれですごくドキドキしている自分がいて……ちょっとどうかと思ってしまう。
「それじゃあ、鍵開けるからね」
「にゃぁ、にゃぁーん……♡」
一応貞操帯にもおしっこの穴は空いてるけれど、狭いから帯に尿が付きがちだし個人的には外してしたい。
股座をキュッと締め付けていたものがなくなった開放感を味わいながら、部屋の隅に置かれていた猫用のトイレにまたがって用を足す。
もちろんパパに見られながらだ。もちろん恥ずかしいけれど次はもっと恥ずかしい。
「はい、お股開いてね」
「……みゃぁ……♡」
ベッドの上で脚を開いて、後ろの穴をキレイにしてもらう。
一晩差しっぱなしにしていたディルドがぬるり、とした手応えとともに引き抜かれる感覚にゾワゾワする。
ずっと意識の隅に感じていたお腹の圧迫感が抜けていくのは気持ちが良いけれど……流石に一晩も経てば
空気に触れてひんやりする感覚と、そこからどろりとしたものが垂れ落ちていく感覚。それを味わいながら私は流石に頭が沸騰するくらい恥ずかしくなって顔を隠した。
でもパパは全く嫌な顔もせず、愚痴も溢さず、鼻歌でも唄いそうな雰囲気で私の汚れを丁寧に処理してくれた。
……猫ちゃんどころか、赤ちゃんの気分。恥ずかしくて恥ずかしくて……でもそれがなんだか、幸せな気分だった。
「お腹の中もキレイにするからね」
「んっ……にゃぁん……っ♡」
ついでに腸の中までも洗われる。グリセリンとかお湯とかで数回念入りに。
下腹がぐるぐると音がするけれど、浣腸一回ごとに時間まできちんと耐えないといけないのが結構きつい。一晩棒を差していたせいで緩んでいる私のお尻には尚更だ。
脂汗をかいて必死に我慢している私を安心させようとしてくれるのかパパが頭や背中、お腹を撫でさすってくれる。
でもそうやって撫でられるとへにゃへにゃと力が抜けそうになるので、この時ばかりは勘弁してほしかった。
「んにゃぁん……っ♡ にゃぉっ、みゃおぉん……♡」
「……どうしたの?お尻、気持ちよくなってきちゃった?」
「……にゃ♡」
お尻を拭いてもらう時、ぐりぐりと押しつけられるトイレットペーパー越しの指先の刺激で甘い声が出てしまう。
浣腸を繰り返したせいでお腹の中とお尻の穴がじんじんと熱くなるように疼いていて、そこを刺激されると痒いところを掻いてもらうときのようないけない快感がビリビリと走るのだった。
私は頭がぱちぱちと火花で焼けるような熱に浮かされながら、四つん這いになってお尻をパパに向けた。
入り口が緩んだお尻の穴に空気が触れて、反射的にそこがきゅっと窄まってはまた開くのがわかる。
それをパパに隠せることもなく一部始終を見られているのがとても恥ずかしくてドキドキする。
猫にとってお尻を人に向けるのは心からの信頼の証らしいけれど、それは私にも同じことだった。
「にゃ、っあ♡ あ゛っ♡ みゃっ、みゃぉお゛んっ♡♡」
それからはお尻でいっぱい遊んだ。
昨日の晩みたいにローションを使って中まで濡らして解して、棚に入っていた玩具でお尻の穴をたくさんいじめられるのだ。
太いのとか、細長いのとか、球みたいなのがいっぱいついてるのとか、ブルブル震えるバイブみたいなのとかを色々と出し入れされる。
くちゅくちゅ、ぬちゅぬちゅ、ぐぽぐぽ、と粘った水と空気が混ぜっ返されるようないやらしい音が聞こえる。
そんな音が自分のお尻と、お腹の奥から聞こえるのがすごく恥ずかしい。体の中で反響して頭にぐわんぐわん、とえっちな音が響き渡る。
お腹の中が引き摺り出されて、お尻の穴が捲れ上がってじんじんする。
入ってくるときは中を掻き分けられて詰め込まれて苦しくて、でもそれがずるっと勢いよく引き抜かれていくと解放感で甲高い声が漏れてしまう。
下腹の奥、お股の奥の方が熱くて潤んで、お湯みたいに吹きこぼれる感覚があった。私はすっかりお尻で感じていた。
「にゃっ♡ あっ♡ ぁっっ♡ あ゛っ♡ にゃ゛あぁっ♡♡」
「ほら、腰上がってきてるよ。すっかり猫ちゃんだね」
とんとん、とんとん、とパパの指が腰を叩く。
私のお尻には今、尻尾飾り付きの長いディルドが埋め込まれていた。
下手すれば私の腕くらいはあるんじゃないかっていうくらいの長いの。ぐにゃぐにゃ曲がる柔らかい素材で出来ていて、潤滑油もたっぷり塗ったから痛みはない……けど、お腹の中がいっぱいいっぱいだった。
直腸を抜けてもっと奥の深いところにまで先端が届いている感じ。お腹がきゅうってなって、すごく出したいのに出せなくて……でも体の深いところが熱くなって頭の芯がピリピリする。
その上でパパは尻尾の付け根……つまりは捩じ込まれているディルドの端のところをとんとん、と叩いて振動を送り込んでくるのだからたまったものじゃない。
ついでに前の穴に入れていたバイブレーターのスイッチが入っているのもまずかった。
ヴィィィーー……と、重くて小刻みで絶え間ない振動が敏感なところにずっと刺激を送り込んでくる。
すっかりお尻遊びでとろとろに蕩けちゃっている私の女の子の部分はバイブが震えて抜けちゃわないかどうかが心配なくらい濡れそぼっていた。
いわゆるGスポットをピッタリとらえた機械の震えが、的確な快感をガンガン頭に送ってきて意識がぼうっとしてくる。
そしてそれがお尻の穴の奥にまで届く、パパの指の刺激のリズムと混じり合って渦を巻く。
つぅん、と苦しみ混じりのお腹の圧迫感がじくじくとした熱になって目の裏で火花が散った。
「ん゛っ♡ ん゛ぅっ♡♡ ん゛っっ、みゅう゛ぅうぅぅぅぅ〜〜〜………っっっ♡♡♡」
シーツに顔を埋めながら、私は盛大にイった。
じぃぃぃっと圧迫を加えられすぎたガラスが割れるみたいな絶頂感。頭の中がばきんと弾けてばちばちばちって火花を散らしながらばらばらになる。
全身に力が入らないのに腰だけがぴーんと伸びる。お尻だけ高々と上がって、本当に興奮した猫みたい。
じょばっ、とあまりよろしくない解放感とともに生暖かく股が濡れて、ごとりと音を立ててバイブが抜ける感覚があった。
「ちょっと抜くよ」
「ん゛っ、ぅっ♡ んんぅぅぅぅ……っっ♡♡」
びくん、びくん、と体が痙攣したように震える中で、パパがタイミングを見計らってディルドを引っこ抜いた。
ずろろろろぉ……っ、とタンポポを根っこごと引き抜くみたいなものすごい手応え。お腹に張っていた根が中身ごとごっそり抜け出ていく。
お腹どころか内臓全部抜き取られるみたいな壮絶な感覚……そのめくりあげられる腸とお尻の熱さがまた私の快感のスイッチをぶっ叩いて、私は絶頂の余韻に震えながらまた高い嬌声をあげてしまうのだった。
「お疲れ様、ネイコ。……でもちょっと申し訳ないんだけど、パパはそろそろ用事の時間だから。しばらくいい子にしていて欲しいんだ。ごめんね?」
「にゃ、にゃぅーん……」
お尻遊びが一段落して私の体も落ち着いた頃、パパが頭を撫でながらそう言ってくる。
パパは今の私の飼い主様だけど、いつもいつもずっと私を愛でてくれるわけじゃない。
時にはどうしても手を離さないと言えない時がある。
今日なんかは平日に終わりきらなかったお仕事を持って帰ってきているそうで、パパは地下室に持ち込んだノートパソコンで作業を始めた。
大人になっても宿題があるなんて、世の中は残酷だ。未来には夢も希望もないのだろうか。
「ん゛〜っ……♡ んにゃぅっ、にゃあぁぅ〜〜……っ♡♡」
その間、パパに待ちぼうけを食らっている私はベッドでゴロゴロしながらその背中を見守ることになる。
その待ってる時間がそわそわしてもどかしくて寂しくて、次に遊んでくれることばかりを考えてしまう。
私、知ってる。こういうの放置プレイっていうんだって。
パパの手が空いてないからその代わりに、と言わんばかりに改めて貞操帯が履き直させられている。
前の穴に入れてあるバイブがぶぅぅん、と音を立てながら下腹を揺すって、それが腸の方とお尻の方に届いてまたむずむずする。
後ろの穴の尻尾とディルドはさっき使ったばかりのやたら長いやつ。
お腹の奥の奥まで刺さっていてちょっと苦しささえ感じるけれど、貞操帯でガッチリ堰き止められていて気張ってもびくともしない。
これを思いっきり引っこ抜かれる気持ちよさを知っている分、鍵をかけられている今の状態は酷い生殺しだった。
「んぁっ♡ ぁっ、にゃ、っ♡♡ にゃぁんっ♡♡」
出せないのはわかっているのに無意識に出そうとして踏ん張るお腹とお尻。
そっちの圧迫感から少しでも気を逸らすために私は腰を揺すって前のバイブレーターとクリトリスの感覚に集中した。
貞操帯の革帯、股に潜らされているところのちょうどクリに当たるところは裏地が少し毛羽立っているような作りになっていて、擦り付けると敏感なところをぞりぞりと刺激するのだ。
昔(いや、言うほど昔でもないか)はこの辺りを弄っても刺激が強く感じすぎて痛く思っていたものだったが、今ならその気持ちよさの感じ方もよくわかっている。
ぴぃんと弦を弾くように鋭くて弾けるような快感。昂りすぎるのが少し怖くて、でも冷ますのが勿体無くてついつい触れずにはいられない、そんな中毒性。
「にゃぁんっ♡♡ みゃ、みゃっ、みゃぉうん……っ♡♡」
私はベッドの角のところにお股を押し当てて、へこへこと腰を揺さぶっていた。
手で弄りたいとも思うのだけど、手袋に包まれた指じゃうまく刺激ができなくて諦めた。
今ではこうやってものに体重をかけて押し当てるのが一番効くとわかっている。
体の重みで貞操帯の帯が撓んで、その奥にあるクリがぎゅっと押しつぶされて、その状態で腰を揺するとビリビリくる。
クリトリスの気持ちよさはその裏側に押し当てられているバイブの振動と合わさってすごいことになる。
びくっ、びくっ、て体が知らずに跳ねて、目の裏がちかちかと光る。頭の中で何度も雷が落ちているみたい。
そうやって一人で腰を振って自分を慰めている私の姿は本当に発情した猫みたいだ。
そう思うとちょっと情けなくて恥ずかしくて……それ以上に興奮する。
「みゃあ〜っ♡ にゃん、にゃぁん♡ にゃあ〜ぉ……♡」
「こらこらネイコ。今はお仕事中だからね」
「にゃぁ〜ん……♡」
でもオナニーで気持ちよくなっても、ちょっと漏れるくらいに激しくイっても、やっぱり一人だと虚しくなるばかりだ。
結局人恋しくなった私は、そろりそろりと床を這いながらパパの方に近づいて行った。
机と体との間に強引に潜り込み、膝の上を確保しようと試みる。
パパは押し返そうとしてくるが力は弱い。じゃれているのだ。
だって私は猫だもの。猫が構ってほしくて人の周りをうろちょろするのも、パソコンの前に陣取ってお仕事の邪魔をするのも仕方のないことなのだ。
「にゃん、にゃんっ♡ ちゅっ♡」
「もう、すぐ終わるからね。いい子だから」
目はちゃんと画面を見ながら、口では迷惑がりながらでもパパの表情はゆるゆるだ。かーわいい。
そんなパパにもっとちょっかいかけたくなって私は膝の上に乗っかっていっぱいキスをした。
ほっぺや首筋。シャツの隙間から覗く胸元、鎖骨。筋肉や骨、喉仏の出っ張り。そういうのに知らず目が入ってしまう。
鼻を鳴らして息を吸うとちょっと汗の香り。いつもしている香水と混ざって、なんだかパパの香りって感じがする。私は好きだ。
「しょうがない、今はまだ手が離せないから……こっちで遊んでなさい」
「にゃにゃっ♡」
そういうとパパはいったん私の体を抱えて降ろしてから、ズボンのベルトとジッパーを外した。
ぼろん、とまろび出てきたそれ……パパのおちんちんを目にして私は思わず歓声をあげてしまった。
パパのおちんちんは黒ずんでいて、太くておっきくて、熱くて硬くて、ドラゴンみたいに狂暴で凶悪そうな見た目の代物で、実際その通りの代物だ。
初めて見た時は怖すぎて言葉も出なかったけれど、今や私にとってはこの上なく魅力的で素敵なパパの一部だ。
パパの股座から出てきたばかりのそれは、既にガチガチに力強く勃起していて、おまけに先端の皮ががっつり剥けて先端はてらてらと先走りで濡れ光っていた。
パンツの中に溜まっていたであろうおちんちんの蒸れた香りがむわぁっと漂ってきて、私は無意識にすんすんと鼻を鳴らしてそれを吸い込んでいた。
もう既にめちゃくちゃ溜まっている時の香り。私のおかげでこうまでになっていたのなら……すごく嬉しい。
「んちゅっ♡♡ ぅむっ、ぁむ♡♡ はむっ♡♡」
私はかぶりつくような勢いでパパのおちんちんを口に含んだ。ああ、もちろんそれは喩えでちゃんと歯は立てない。
おっきく顎を開けて先端の亀頭を頬張って竿のところまで唇を当てて、口を使って上下にしごく。
パパのこれは本当に大きくて口でするには難儀する。恵方巻きみたい。
でも私の場合は猫の手袋が邪魔なので手でしてあげることはできない。その分、私はすっかり口でしてあげるのに慣れてしまった。
「れる、れるれる、れろぉ……っ♡ ちゅ、ちゅぷっ♡ はむ、んっ♡ んふ、ぅっ、んふぅー……っ♡」
「……っ、く」
顎が疲れてきたら口を離して舌で舐めたり、キスしたりする。
パンパンに腫れ上がって赤黒く見える先っぽと、出っ張りの縁を舌でなぞったり、裏筋のところから鈴口のところまで舐め上げたり。
わざとリップ音がなるようにちゅっ、ちゅって全体に唇を当てて可愛がったり。
それで頃合いを見てまた口を開けてぱくり。丸々とおっきな亀頭をキャンディみたいに口の中で舐め回すと、とろとろと染み出してきたお汁の味が濃ゆくなる。
息をするとおちんちんの味と香りがぶわぁっと頭に広がってくらくらする。猫がまたたびを嗅いでふにゃふにゃになるのってこんな感覚なのかな。
耳を澄ますとパパが少し苦しそうな声を漏らす。
辛いとか痛いんじゃなくてこれは気持ちいいのを我慢している感じの声だ。
ちょっと上目遣いで見上げると、額に一筋汗を垂らしながらお仕事に集中しようとしているパパが見えた。
ただあくまで集中
するとこっちの視線に気付いたのか、パパが眉間に皺を寄せながらこちらに目を向ける。
その顔がなんだか可笑しくて、私は悪戯心を芽生えさせながらお口奉仕を再開した。
「んぶっ、ふむっ♡♡ んむ、っ、ふぅっ……♡♡」
「ふ、ぅっ……。ぁぁっ、ネイコ……っ」
大きく口を開いて可能な限り深くおちんちんを飲み込む。
うぇっ、てえずいちゃう手前くらいを見極めるのがポイントだ。慣れればそのポイントがもっと奥の方になって深いところまで行けるらしいけど,今はできるとこまで。
ぐぶっ、と喉近くまでおちんちんを入り込ませてから、頭を引いて、ずろろぉっ、と送り出す。これを何度も繰り返す。
正直結構辛いけど、へっちゃらだ。だっておちんちんが前よりもずっとビーンと硬くなっているから。
ちらっと見ればパパは完全に作業の手を止めて感じ入っている状態だ。
ふぅーっ、と息を吐いて可能な限り今の気持ちよさを味わおうとしている。
そう、気持ちよくなっている。
私自身は愛撫されてるわけでもないのに、そんなパパの表情を見ているとこっちも気持ちよくなってくる。
それはきっと気持ちよくなってくれていることが私にとっても気持ち良いからだ。
胸の奥に温かいものを感じながら、私はじゅぽじゅぽと喉を鳴らしながらおちんちんを扱き上げた。
ビキビキと肉の棒が張り詰めていくのが誇らしい。
飲み込んでる余裕がなくて口の端から垂れてきた唾が顎を伝って首筋まで流れるのを感じる。
拭う暇も惜しくて、私は勢いよくおちんちんを吸い上げた。じゅずっ、じゅぞぞっ、と品のない音が響く。
ちりん、ちりん、と小さく涼やかな音色。頭の動きに合わせて振れる、首輪の鈴の音が聞こえた。
「ぅ……く、出るっ。出るよ、ネイコ……っ!」
「♡」
パパがそう切羽詰まった声を上げるとほぼ同時、私の口の中で
びゅっ、びゅ、びゅうううぅぅぅっ……!!っと、ホースの蛇口を捻ったみたいな猛烈な勢いで吹き出る、パパの精子。
どろりとしたゼリーみたいに重たいそれが突然大量に流れ込んでくるけど、冷静に。舌先を当てて勢いを弱めながら、吐き出さないように溢れないように、不意に喉に流れ込んできたのでむせないように、と最新の注意を払いながら口で受け止める。
他の人のは全く知らないから比較できないんだけどパパの射精は量も勢いもすごいからこうやって対処できるようになるのにはすごく苦労したのだ。
「ぁ……ひゃ、ゃぁ……っ♡♡」
「……うん、飲んでいいよ」
「んっ♡♡」
やがてゆっくりと射精の勢いが弱まってきたら、おちんちんを出して、口を開けてパパに見てもらった。
私の口の中はほっぺたが膨れるくらいにたっぷりと精液が吐き出されていて、きっと白い沼みたいになっているんじゃないだろうか。
自分の出した精液見せてもらうのってどうなの?って思ったけどパパは一回こうやって見せてあげると喜ぶらしいのでまぁいいや。私もフェラチオ頑張ったの褒めてもらいたいし。
パパに許可をもらって、精液を飲み込む。くちゅくちゅ、ごくん。くちゅくちゅ、ごくん。
納豆のねばねばを寄り集めて青臭さと生臭さで香り付けしたような、酷い味。
でも粘り気を解くように噛んでから、ごくり、と飲み込むとその風味が鼻に抜けていってかぁっと頭が熱くなる。
変な味と匂いのはずなのに、不思議と味わいたくなってしまうのはなんでだろう。そんなところも納豆みたい。
「がんばったね。ありがとう、気持ちよかったよネイコ」
「んにゃ……♡ にゃふぅん……♡」
ひとしきり口の中に溜まった精子を食べ終わって、最後はパパのおちんちんをお掃除してあげる。
亀頭と竿に絡みついたもの、尿道の中に残った濁りを舐め取ってから吸い上げてちゃんと綺麗にしてあげる。
教えてもらった通りの完璧なフェラができた私が得意な気分になっていると、パパが頭を撫でながら褒めてくれる。
わしわしと髪を撫でて、顎を撫でるその手の暖かさが本当に気持ちよくて、私はごろごろと鳴いて甘えた声を出した。
で、この後『ご褒美』としてさっきみたいにバイブ強振動にされながらお尻のディルド思いっきり引っこ抜かれて鳴かされたのはご愛嬌である。
******
土曜日の一日は大体そういう感じで更けていく。
遊んだり遊ばれたり、悪戯したり悪戯されたり。
やっぱり時計がなくて時間はわからないから、パパに「そろそろねんねしようか」って言われて多分夜だなって察する。あとご飯の回数かな。
その頃になると私も遊び疲れて……本当に遊び疲れてへろへろだったりするので、朝(推定)までパパの腕枕でぐっすりだ。
目が覚めて、日曜日。
週末最後の日は一番楽しみだったりする。
「それじゃあ、ネイコ……挿れるね」
「ん、にゃぁん……っ♡」
朝ごはん食べて、歯磨きして、トイレして、それでーー朝からセックス。
別に口に出してそうと決まったわけじゃないんだけど、直接こうやってパパのを挿れたりするのは日曜日にっていう風にいつの間にかそうなっていた。
いや、思い出してみれば最初からだったかな?ひょっとするとママのときから続くルーティーンって奴なのかもしれない。
金曜日、土曜日とずっとえっちなことしてきたけどやっぱり私はこうやってパパに抱いてもらうのが一番好き。
本当は待ち遠しくって二日間ずっと前戯だけされてたような気分。
だから日曜日は起きたときからお腹がきゅんきゅんして、お股がどろどろで涎を垂らしているみたいだった。
「に゛ゃっ、あ〜〜〜ーーー……っっ♡♡」
貞操帯を外して玩具も出して、代わりにパパが挿入ってきたその瞬間にはもう私は甲高い鳴き声をあげていた。
思わず体が反って、喉のところで首輪の鈴がちりんと鳴る。
もうとっくに奥の奥まで蕩けていた私のおまんこは泥みたいにパパのそれをあっさりと受け入れていた。
一息に一番奥まで突き込まれる。じゅぐっ、ていう果物を潰すときみたいな音がして自分の中からお汁がいっぱい搾り出されて吹きこぼれるのがわかる。
ずうっと欲しかったものが与えられて、下腹が震えるほどに痺れる。幸せが頭の中にじゅわぁって溢れてバカになりそう。
「にゃ゛っ、にゃ、っ、にゃんっ♡♡ にゃああん゛♡♡」
私は思う存分泣き喚きながら、パパの背中にぎゅっと腕を回した。
ベッドの上に仰向けに寝そべった私をパパが抱く、いわゆる正常位。私が一番好きな体位だ。
パパに抱きつきながら、上に覆い被さられてその体のおっきさを感じさせてもらったり、体重かけていっぱい、ぱんぱんって腰をぶつけてもらうのが好きだ。
大きく足を広げるのは結構恥ずかしいんだけど、でも脚の間にパパの体が入ってきて、それを受け入れる形になるのは良いと思う。
猫脚の靴下を履いたままの脚でパパの腰をぎゅっと挟む。太腿に触れる逞しい腰つきを感じてなんだか気持ちよくなってしまう。
両手脚で目の前の体にしがみつく私はまるで抱っこをせがんでいるみたい。
「んっ♡♡ んむっ、にゃむっ♡♡ ちゅっ♡♡ ちゅむ……っ♡♡」
向かい合って繋がりながらキスもする。
真上からかぶさってくるパパの口はかぶりついてくるオオカミさんみたい。
でもそうやって
お互いに顎を開けて舌を紐みたいに絡ませ合いながら、口の中を食べ合うみたいに深い深いキスをする。
舌の先と口の中がじんじんするような気持ちよさが、体の真ん中を貫いてくるおちんちんのそれと噛み合って頭が沸騰しそうになる。
体が内側から燃えるように熱くなって、熱がばちばち火花を散らしながら脳味噌を焼いていく。
キスに熱中しすぎて息がし辛くて、ぼうっとする。ふーっ♡ ふーっ♡て盛った動物みたいな声が聞こえるなと思ったら、それは頑張って鼻で息をしようとしている自分の吐息だった。
重力にしたがっってパパの唾液がいっぱい私の方に流れ込んでくる。私はそれが無性に嬉しくてこくこくと喉を鳴らしての飲むばかりか、ちゅうちゅうと舌先を啜って続きを催促する始末だった。
「み゛ゃああぁっ♡♡ ぁ゛っ♡♡ みゃあっ、あっ゛、みゃああぁぁんっっ♡♡」
その間も当然パパの腰は止まない。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぱんっぱんっ、て激しく私の体の中をパパが往復する。
口先で何度も味わってしているけどパパのおちんちんは本当に太くて長くて、熱くて硬くてすごい代物だ。
それがお股を通って体の中に入っているのだからびっくりする。体感では胃の辺りまで串刺しになってる感じがするのに、これで本当は下腹までなんだから人体ってすごいね。
太くて硬い竿が猛烈な圧力で私のお股とお腹の中をかき分けていくのは凄まじい衝撃だ。体が裂けてしまいそうだと思うのに、そのクセみちみちみち……っ、と引き伸ばされる中の肉はその感覚が気持ちよくってじんわりと愛液を吹いてしまう。
お腹の奥まで突き刺さるとそのまま行き止まりの部分に亀頭をぐりぐりと押し付けられる。臼ですり潰される胡麻になった気分。でもそうやって奥……子宮のところを潰されるとそこを中心にして意識がバラバラになりそうなくらいの快感が走る。腰から下がなくなってしまうそうな錯覚さえ覚える。
そして引き抜かれる時はエグいくらいに張り出した雁首が、私の膣の内側のひだひだを逆向きに掻き出すようにしながら抜けていく。溝掃除のときにスコップで固まった泥を壁から削って落とすみたいな感じ。ぞりぞりぞりぞりぃ……っ、て擬音が聞こえそうなくらいに中を擦られて、私の脳味噌も何か削り落とされそう。
そんな出し入れのピストンが何回も、何回も執拗に繰り返される。
一突き、一抜きで頭がバカになりそうなくらいに気持ち良いのにパパはそれを何度もリズムよく繰り返す。
当然私の頭はそれに耐えられるわけもなく、まさに動物みたいな悲鳴……というか喘ぎ声を絞り出されながら呆気なくイかされるしかないのだった。
「ゃ゛……っ、み゛ゃぁぁぁぁぁあ゛ああっっっ♡♡♡」
大きな声を上げながら絶頂する。腰から耐え難いほどに湧き上がってきた熱に逆らわないまま身を委ねれば、意識がばぁんと盛大に弾け飛ぶ。
意識がちかちかしてどこかに吹き飛んでしまう中で、本能的に目の前にいるパパの体にしがみつく。
痛いくらいに強く抱きしめているはずなのにパパはそんなことは全く気にする風でもなく、たっぷりキスしながら頭を撫でてくれる余裕さえあった。
途方もない気持ちよさと安心感に身を委ねながら、私はお腹の奥に温かいものが注ぎ込まれるのを感じていた。
どく、どくっ、どくっ……!!とポンプみたいな勢いで流し込まれるのはパパの精液だ。
ずっと腹ペコだった私の子宮は、ようやく欲しかった御馳走をがぶがぶと旺盛に飲み込んでいく。
下腹がきゅんきゅん♡と甘ったるく疼いて、心地の良い暖かさが広がっていってうっとりする。
私は全身でパパにしがみつきながら、膣内でもパパのそれを締め付けてーーーーそこに感じるパパのおちんちんはまだまだ硬いままだった。
「ネイコ……まだ続けるけど、いいよね?」
「……にゃ、にゃぅぅん……♡」
私の頬を撫でながらパパがそう聞いてくる。一応聞くという体裁は取っているけど拒否権はない。ご主人様はパパでペットは私だからだ。
パパはいわゆる絶倫という奴だと思う。一回や二回出しただけでは萎まないし、ずっと腰を振り続けても疲れる様子が見えない。
そのパパが金曜日から二日間溜めていたものを出すのが日曜日なのだ。
これからのことを想像してゾッとするとともに……楽しみでゾクゾクする自分がいるのもまた事実だった。
それからは正常位以外にも色んな体位でえっちした。
私が上に乗ったりとか、後ろから抱きしめられながらしたりとか、横に寝ながら出し入れされたりとか。
途中でちょっと休憩しながら舐めたりキスしたりで時間を取ったり。体触り合ったり抱き合ったり。
中出しだけじゃなくて、かけられたりもしたり。
玩具も使って遊んだり、お尻の穴の方にも挿れられたりした。
その間も全く衰えが見えないのだからパパったらすごい人だと思う。大人ってみんなそうなんだろうか?それともパパが特別なんだろうか。私はそうだとなんだか嬉しい。
一方で私はもう途中からだんだんとバテ始めてきて、パパのおちんちんに弄ばれながら喘ぐだけの肉の塊になっていた。
だってしょうがないと思う。こっちは女の子で、それもまだ子供なんだから。
でもそんな私にまだまだ腰をぶつけてくるパパも相当に酷いひとじゃないだろうか。
「にゃ゛……っ、ぁ゛っ……♡♡♡ あ゛ー……っ♡♡♡ にゃあーっ……♡♡♡」
ぱんぱんっ、ぱんぱんっ、ぱんぱんっ、ていう音がどこか遠くから聞こえる。
少し意識が飛んでいたかもしれない。視界と頭のピントが合って思考ができるようになったと同時、全身が溶け崩れるような気持ちよさに襲われてまた飛びそうになる。
口から出る喘ぎ声は反射的に垂れ流しているだけの濁った鳴き声。叫びすぎたのかちょっと掠れてて喉も痛い。パパの涎が飲みたい。
ただベッドの上に四つん這いにさせられている私はもうとっくに疲労困憊で、体位を変えようにも腕がぷるぷる震えて立つこともままならなかった。
「ふっ、ふぅっ、ふぅーっ……!ネイコ、ネイコ……っ!!」
「みゃ゛っ♡♡♡ ぁーっ゛……♡♡♡」
パパはこっちの様子なんて構わずに一心不乱に腰を振り続けている。
ベッドの上で四つん這いになっている私の腰を両手でがっちりと掴んで、拍手みたいな音を響かせながら腰を叩きつけてくる。
いつもは余裕たっぷりのパパが、ぶつぶつと熱に浮かされたように私の名前を何度も呼びながら劣情をぶつけてくる。
そのことにたまらない満足感を覚えはするがこっちはとっくに体力的に限界で、いわゆるオナホールという奴みたいにただ黙っておまんこを擦られ続けるしかなかった。
あ、でもそれもちょっといいかもしれない。パパ専用オナホール、性欲処理用のおもちゃ。なんだかすごく背徳的で倒錯的で、興奮しちゃうかも。
「にゃぁぁ、ぅ゛っ♡♡♡」
ぱんっ!!と一際勢いよく腰がぶつけられて、胡乱な思考が一瞬吹っ飛ぶ。
衝撃が刺し貫かれたお腹の中を中心に全身に波紋を立てて揺らす。背筋にピンク色の電流が走り抜けて思わず背中が反り返った。
私の腰の中はもうひっきりなしに湧き出す愛液と、たっぷりと中出しされた精液が溢れかえって酷い有様だ。生理来てたら妊娠確定じゃないだろうか。
出し入れされるたびにぐっちゅぐっちゅ、と糊に空気を絡めて混ぜ返すみたいなすごい音がしている。
泡だった白いドロドロは股から太腿を流れ落ちて、ニーソックスの生地の色を変えてしまっている。
あとバックからされてる時の何がすごいかというと、後ろの穴に挿れている尻尾に腰が当たるのがすごい。
尻尾の付け根をとんとんされて気持ちよくなるのが習慣づいてしまっている私のお尻は、そうやって送り込まれる衝撃を余さず快感に感じてしまう。
パパの力強い腰が私に当たるたび、お尻に入っている部分がより一層深いところに押し込まれ、括約筋が割開かれる感覚で腰の骨が蕩けそうになる。
お尻の穴に中出しされた精液が出口を求めてくるるっ、と軽くお腹を鳴らす。その重苦しさえ今の私には心地よかった。
「ん゛っ、んみ゛ゃぅぅぅぅっ♡♡♡」
パパの亀頭に集中的にGスポットのあたりを引っ掻かれてて咽び泣いた。クリとおしっこの穴の裏、腫れぼったくなっているところでおちんちんを擦ると気持ち良いのか、何度もそこを行き来される。
こっちも気持ちよさのあまり意識を直接やすりがけされているような心地だ。
思わず目の前の枕に顔を埋めて声を殺して泣く。顔に引っ掛けられた精液が枕の生地についてしまって、息をするたびに精子の匂いに頭を侵されてバカになりそう。
精液は好きだ、飲むのもかけられるのも。マーキングされてるみたいで嬉しくなる。パパのものって名前を書かれている気分。
あぁでも、それってなんだかパパの方も動物みたい。動物は好きな相手に匂いをつけたりすることもよくあるって前にテレビでーーーー、
「ネイコ……っ!!!」
「…っっっ゛♡♡♡♡ に゛ゃ……っ、ぁ゛っ……♡♡♡♡」
どずんっ!!とこれまでよりも一際強く、パパが腰を打ちつける。
子宮口を串刺しにするような一突きと同時ーー射精が始まった。
びゅくっ、びゅるっ、どびゅるるるるぅ……っ!!と金玉の中にこれだけ入ってるのが信じられないっていうくらいの量を中出しされる。
もうすでに何度も出している筈なのに、濃い。ベッタリと粘ついていてお腹の中にへばりつくよう。
もうすっかりヘトヘトになっている私の子宮だけど、それでもパパから貰ったたっぷりの
でも流石に無理があったみたいでパパがおちんちんを引き抜くと、抜けた端からどろりと零れ落ちてしまう。勿体無くてちょっと寂しい。
「……お疲れ様、ネイコ。……もうそろそろ、時間だね……」
「……にゃーん……」
汗だくで汁まみれの私を撫で回して労いながら、パパがそう口にする。
セックスにも終わりがあるように、楽しい時間にはいつだって終わりがある。
名残惜しくてどうしようもなく寂しい。そう思いながら私は疲れ切った体をおしてパパの胸にしなだれかかった。
撫で摩る手の温かさ、抱きついた体の暖かさ、注ぎまれた精液の熱。
そういうものを名残惜しく感じながらーーーー私はパパが私の首輪に手をかけるのを見送った。
******
「うあ゛ー……生き返るぅー……」
毎週日曜日、私は念入りにお風呂に入る。
土曜日空けただけだけど体感としてかなり久しぶりに感じるお風呂はとても気持ちの良いもので、なんだかおじさんくさいセリフが出てしまった。
無意識に喉をさする。声が結構枯れてる感じがする。それともうそこに触れるものが何もない手触りに寂しさを感じる。
私はしばらく休んで足腰がまともに動くようになってから地下から上がった。
出ると外は既に昼も過ぎてそろそろ夕方にでもなろうかという頃合いだった。
それから色々とやることはあるけど、なにはともあれお風呂が最優先だった。
汗やらなにやらでどろどろになっている体を洗い流してさっぱりすると一緒に疲労感まで抜けていって、えっちなこととはまた違う気持ちよさに満たされる。
ボデイソープやシャンプーも念入りに使ってしっかり洗う。大体二日間、ずっと革の下着とか首輪とか、手袋とか靴下とかつけっぱなしで結構蒸れているのだ。
ちなみに使い終わったその手の道具を洗うのはパパの役割。そっちは手慣れたものなので安心して任せる。
この歳で水虫の心配とか真剣にしなきゃいけないのは私くらいなもんじゃないのかな。
「わちゃちゃっ」
あと、地下室を上がった直後で注意しないといけないのはお尻。
ずっとディルドとか差しっぱなしだったので入り口が大分緩んでいるのが困りものだ。
今もちょっとお湯が中まで染みて熱かった。よくはない感じの熱でじんじんする。後で塗り薬とかつけとこう。
「パパー、お風呂上がったよー」
「……そうか。わかった」
髪も乾かして体も拭いて、ほくほくしながらリビングにいるパパに声をかける。
パパだって色んな体液ででろでろなのは同じなのでお風呂に入りたいのは同じだろう。
毎回先に使わせてもらっててちょっと申し訳ないと思いつつ、その厚意に甘えさせてもらっている。
「パパ?」
「……」
パパの気配がする方に声をかける。
視線を巡らせるとパパはリビングではなく、ダイニングの壁際の棚の上にあるママの遺影に向かって手を合わせていた。
声だけはこちらに返事をしたけれど、意識はそっちにずっと向けられている。
写真の中のママは記憶にあるよりも鮮明に、こっちも釣られて笑ってしまいそうな綺麗な笑みを浮かべている。
それを見ていると、胸の奥を掻きむしられるような寂しさに襲われる。
ママ、と口に出してもう一度その腕に抱きしめてもらうことを妄想する。
でもそれはもう二度と叶わない。その不在がたまらなく悲しい。
「パパ…」
でも実際の私の口をついて出た名前はパパのことだった。
ママの遺影の前に立って手を合わせているその背中はなんだかとても小さく見える。
抱きしめてもらうときはあんなに大きく感じたその体が、後ろからだとこんなにもか弱い。
その姿は人を弔っているというよりは何かを祈っているようにも見えた。
その背中を抱きしめてあげたいな、と切に思う。パパの後姿を見ていると、そんな甘酸っぱい気持ちが喉奥まで込み上げてくる。
でもそこはぐっと堪える。
「……じゃあ、パパはお風呂に行ってくるから」
「うん…。こっちは夕ご飯の用意してくるね。なにか食べたいの、ある?」
「……冷蔵庫にあるもので大丈夫」
手を合わせ終わったパパとすれ違い様に言葉を交わす。
そっけない内容。表情もなんだかむすっとしてて不機嫌そう。
……でも、もうそれを向けられて居心地は悪くなったりなんてしない。
本当はうまく人を愛せなくて不器用なだけ。ちゃんとその奥にある心は私を愛してくれてると信じているから。
ーーだから私もパパを愛している。
ーーきっとママもそうやって同じ人を愛したのだ。
パパが立ち去ってから、私もママの遺影に向けて手を合わせた。
正直パパはおかしい人だと思うし、それに付き合っている私も大概おかしい子だと思う。
というか現在進行形でおかしくなっていっている気がする。
学校で猫語で返事しちゃったときには誤魔化すのに結構苦労したし、最近はトイレが近くなっていけない。おむつの世話になるのは流石にごめんだ。
……でも、ママもきっと同じ道を辿ったのかな?
そうなら自分だけじゃないっていうのはちょっと安心材料かもしれない。
そうならきっとママもおかしい人だったんだろうし、それなら私がそうなのも当然かなぁ……とそう思える。
私だけじゃない。私一人じゃない。今も、繋がっている。
「……うん、私、元気でやってるよ。ママ」
遺影の中のママが、ぱちっとウィンクをしたような気がした。
パパとの仲を認めてくれたサインなら嬉しいのだけど。
さぁ、何はともあれ夕飯の準備をしよう。冷蔵庫の中身を検めないと。
で、ご飯のあとは週末分の宿題。土日でやる分を一晩でやんなきゃいけないのが辛いところだ。
そうして私は一旦、人に戻って日常に帰る。
次の週末を待ち遠しく感じながら、また私の、私達親子の日々が始まる。