※この作品はR-18です。

名前は知らないけど、身体の味は知っている   作:ピエールたか

7 / 7
7話

 不健康な女の匂いで目を覚ました。それは、PAさんの尻穴から漂ってきていた。

 どうして分かったかというと、でかい尻が俺の鼻の近くまできていたからだ。

 

 次いで、竿のあたりが生暖かいことに気づいた。

 

「じゅぼ、じゅぼ、じゅぼ……」

 

 PAさんが、大きな音を立てて、竿をしゃぶっていた。いわゆる、シックスナインの体勢。

 

 割れ目はべっとりと濡れていた。竿をしゃぶるだけで、PAさんはこんなにも濡れる。

 俺は、その割れ目をなぞるように舐めた。

 

「ひゃう!?」

 

 PAさんは、尻をびくつかせ、驚いた声をあげる。

 

「お、おはようございます。いきなり舐められたから、びっくりしちゃいました」

 

 竿に唇が押しつけられ、キスの音を鳴った。

 

「今日は早いね」

 

「こういうときは、早く起きられるんですよねぇ。それよりも、どうです? 朝のお口まんこ。気持ちいいですか?」

 

 返事をする代わりに、俺はクリトリスを舐めた。

 

「あんっ♡ もっと、いっぱい…… ♡」

 

 PAさんも、再び竿を咥える。

 

 俺たちは、お互いの性器を刺激しあい、気持ちよさを積み重ねていった。

 

 

 頭を上げると、奥にある姿鏡が目に入った。そこから、PAさんの顔をうかがうことができた。

 PAさんは、快楽で顔を歪めながら、鼻の下をのばし、見られたら恥ずかしいであろう、バキュームフェラの顔つきをしていた。

 

 目の前の尻に意識を戻すと、尻穴をはっきりと観察した。

 

 縦長で、しわがくっきりとしていて、ほくろが散りばめられている。

 穴の周りには、薄い毛が生えていた。

 

 クリトリスを強く舐めると、尻のつぼみがぎゅっと締まった。

 割れ目からは、愛液がとろりと漏れている。その匂いと熱気が、ベッドの上を充満させていく。

 

 俺は、身体を起こして、後ろからPAさんを突いた。

 尻肉を揉みしだき、広げながら。

 

 PAさんは、片手で尻穴を隠す。

 

「あんっ♡ お尻、恥ずかしいから、見ちゃだめ…… です」

 

 だけど、結局は快楽に負けて、隠していた手はシーツを掴んでいた。

 

 俺は腰をふりながら、部屋の時計を見た。時刻は10時を回っていた。

 チェックアウトは12時。ここにいられるのは、あと2時間もない。

 

 穴のしめつけがきつくなった。俺は射精欲にかられて、膣内に出した。

 

 射精した後も穴はきつくて、抜こうとすると、竿を引っ張られている感じがした。

 

 なんとか抜いたら、PAさんはベトベトになった竿を、おもむろにしゃぶり始めた。

 自分の愛液が付着しているのにも関わらず、残っている精液を一滴も残さず、吸い取ろうとしていた。

 

 まるで、離れたくないと言っているように。繋がっているというよりは、繋ぎ止めている。そんな肉体のやり取りだった。

 

 それから、遅めの朝食をとって、二人でシャワーを浴びた。

 時間が進むにつれて、俺たちの間には沈黙が流れるようになった。

 

 身体を拭いて、床に落ちている服を着る。

 背中を丸め、ショーツを片足にするりと通すPAさんの後ろ姿はどこか悲しそうだった。

 

 精算機で、会計を済まそうとすると、PAさんがおもむろに抱きついてきた。

 

 顔を俺の胸にうずめる。はっきりとは見えなかったが、まつ毛が濡れているように見えた。

 

 PAさんは何も言わない。明らかに、俺からの言葉を待っている。

 だけど、どんな言葉を期待されているのか、俺には分からなかった。

 

 ただ、シルクのように滑らかな黒髪を撫でることしかできなかった。

 

 PAさんが俺から離れたとき、彼女はほほえんでいて、泣いている様子なんて微塵も感じさせなかった。

 

 

 

 外に出ると、空は快晴で日差しが強く、朝帰りに浴びる太陽の気だるさを味わった。

 

 下北沢を歩く人たちは、みんな活気に満ちている。

 俺たちは、その間をくたびれながら歩く。

 

 昨日の夜から、もう何ヶ月も経ったような、疎外された気持ちになる。

 

「次、いつにしましょうか?」

 

 下北沢駅に着くと、俺の少し後ろで声がした。

 俺と目があったPAさんは、気まずそうに目をそらした。

 

「私は、いつでも大丈夫です。来週とかでも大丈夫です」

 

「分かった。時間ができたら、連絡するよ」

 

 そして、俺たちは別れる。PAさんが人混みにまぎれていく姿を見届けた。

 

 俺は喫煙所へ向かい、タバコに火をつけた。

 煙を味わって、ゆっくりと吐く。この瞬間がたまらなかった。

 大きな仕事を終えて、一息つく感じ。

 

 この瞬間のために、女を抱いているのかもしれない。そうでなければ、がんばって女を抱くためにタバコを吸っている。

 

 誰もいない喫煙所に、髪の長い女性が入ってきた。PAさんだった。

 

「あの、やっぱり私も、一服したくて」

 

 PAさんは、俺の隣にきた。お互いの肩が触れ合いそうな距離。

 

 彼女がタバコを咥えたので、火をつけてやった。

 一言もしゃべらず、俺たちはタバコをふかした。

 

 俺は、抱きしめられたときのことを思い出していた。

 

 恋人だったら、あそこで甘い言葉をささやけたのかもしれない。だけど、俺たちは恋人ではない。

 

 名前も知らない、身体の味だけを知っている相手と、俺は身体を重ねている。

 そこに、どういう意味があるんだろうか。

 

 タバコの煙が空へと昇っていく。その流れを眺めながら、俺はこの乾いた関係について、ゆったりと考えていた。

 




今回で、一応完結になります。

チャイナ服プレイとか、きくりさん編とか、アイディアがまとまったら次を書いてみたいと思います。

ここまで読んでくださってありがとうございました!
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