(R-18)ただのモブ(大嘘)が、TSした原作主人公〈我口調銀髪武士♂→♀〉の代わりに男女逆転世界で頑張る話 作:つくもいつき
春シーズン第一週の四日目、午前。
俺を含めた一年一組の面々は学園の敷地内にある初級ダンジョンの前に集まっていた。
ダンジョンは、この世界にとって重要な資源地である。
魔物肉、野菜、鉱石、武器、防具、道具、ポーション。食料から薬まで、生活に必要な物資の多くがダンジョンから産出される。
そのため、多くの集落はダンジョンの近くに興り、人々はそこで得られる資源をもとに生計を立てていた。
上級冒険者学校は、そんなダンジョンへ潜り、資源を持ち帰る職業──冒険者を育てるための機関だ。
入学したばかりの俺たちは実力確認の一環として、二年生の引率のもと、初めてのダンジョン実習に挑むことになっていた。
「うーむ」
俺は蜘蛛糸で編まれた黒衣のシャツとパンツをまとう。腰には店売りの短剣と投げナイフ。肩には緑の盗賊外套。
前の世界で散々使い込んだ装備と比べれば、どうしても頼りなく感じる。
だが、学校管理の初級ダンジョンへ入るなら、これで十分すぎるはずだった。
「さっきの黒ブリーフ、やばかったよね♡」「筋肉、服越しでもわかるっス」「あれでスカウト職は詐欺では?」「もう一回脱がないかな……」
周囲の女子生徒たちの反応も盛況だ。
ちらちらとこちらを見る目が、俺の短剣や外套ではなく、胸元、腹、腰回りのあたりをなぞっている。
さっき教室でやらかした更衣ショーが、思った以上に尾を引いているらしい。
俺は咳払いをひとつして、装備の留め具を確認するふりをした。
《目の前のこれが、初級ダンジョンの入口で?》
俺は心のうちで返答した。
(そう。あの空間のゆがみに入ると、森型ダンジョンが広がってる)
森の前に備え付けられた、青晶灯の立つ低い門。その奥に、空間のゆがみが水面のように揺れている。
ここを通り抜けると異界内の森型ダンジョンへ転移する。
授業用に整備された安全な迷宮のため、モンスター構成はレベル2からレベル3の低レベルが占めている。
〈
(にしても……)
俺は辺りを見回し、もう一度腕で目を擦る。
前の世界と大いに異なる点について、考えを巡らせた。
《どう見ても過激でござるな?》
(ですよね?)
入り口前に集まった女子生徒たちも、すでに実習装備へ着替え終えていた。
革鎧、魔術ローブ、軽装胸当て、聖職衣。
冒険者学校らしい、実用的な装備を彼女らは身に付けている。
だがしかし。
肩を守る革は小さく、腹まわりは動きやすさを優先して大きく開いている。
胸当ては大事なところを守っている。守ってはいる。
だが、守る範囲が、俺の知る冒険者装備よりだいぶ攻めていた。
というかビキニ。布地すっくな!
後衛職も、ローブの裾には深いスリットが入り、脚の動きを邪魔しない代わりに、歩くたび白い肌や小麦肌がちらついた。愚息に悪い。
「違い過ぎねえ?」
思わず声が漏れた。
俺が知る原作ゲームでも、女性キャラの装備グラフィックは華やかだった。
が、ここまでではない。
ひょっとして十八禁版の要素が入っている?
俺はそんな、荒唐無稽な仮説に思い至った。
この世界は、昔攻略したゲームと似た世界である……と俺は認識している。
その昔攻略したゲームというのが、元・成人向けタクティカルRPG〈あべこべ世界で成り上がり!〉──ダンジョン×トレハン×逆転世界の怪作だ。
当時中学生だった俺が攻略していたのはもちろん健全版だった。
もし、この世界が原作成人版に似通った世界であるなら?
俺はそう考えて肝を冷やす。
(風の噂では原作成人版から健全版に移行するにあたって、ガラッと展開が変わっていたとか……)
原作知識の活用が難しくなり、一気に不安になる。
そうこうしているうちに、担任のメイリーナ・タンニーンが実習広場の中央へ出てきた。
赤毛を後ろで束ねた隻眼の女剣士は、集合した生徒たちをぐるりと見渡す。
彼女もまた赤のビキニアーマーと、きわどい格好をしていた。
「全員、聞け! 本日は予定通り、敷地内ダンジョンでの初回実習だ! 目的は三つ。採取、罠確認、低レベル魔物との交戦経験。無茶をした班は評価を落とすし、エロトラップに引っかかったり、魔物どもに屈したら私が殴る!」
言っている単語がすでに不穏である。
エロトラップ? モンスターに屈する?
前の世界では聞いたことのない単語ばかりだ。
「自分たちの足で帰ってくる分にはいい! べったべたになったお前らを私に運ばせるなよ!! いいな!! あと、アイカータ!」
「は、はい?」
「このダンジョンには人型の〈
「わ、わかりました!」
男はよく襲われる!? 成人版だとそんな要素あるの!?
なんじゃそりゃとも言えず、俺は黙ってうなずいた。
「先生ずっる」「モブくんなら私たちも」「襲いたいよね?」「魔物に襲われる前にやっちゃう?」
数名が小声で盛り上がる。
なんつー世界だ。俺は顔を引きつかせる。
すると、近くにいたミカエラが小声で話しかけてきた。
「ぼ、ボクが守るよ、アイカータくんっ」
「あ、ああ」
ふんすと、ミカエラは意気込む。
目を輝かせる。まるで、使命を帯びたかのようなまなざしである。
俺はまじまじとミカエラの格好を見下ろす。
いまの彼女の格好は、周囲の女子生徒たちと比べるとかなりおとなしい。
白と金を基調にした軽鎧は、胸元から腹まわりまで布と革でしっかり覆われ、肩当てや籠手も実用寄りだ。
腰下には短い戦闘スカートではなく、男子用装備に近い細身のズボン。
膝までのブーツも合わせれば、露出という意味ではほとんど男子時代の延長だった。
それでも、体の線までは隠しきれていない。
胸元は革紐で押さえられているのに、呼吸のたびにわずかに上下する。
腰は以前よりも細く、剣帯の位置も少し高い。前衛として身構える姿勢はまっすぐなのに、変わってしまった体だけが、本人の覚悟より先に女の輪郭を主張していた。
「うん、頼りにしてるよ」
「っ、任せておいて! えへへっ」
ミカエラが胸の前で軽く手を握る。ふんすふんすと息を荒くしていた。
さながらゴールデンレトリバーだ。なるほど、悪くない。
ミカエラが守ると言い切ったのは、単に俺を気遣ったからだけではないのだろう。
前の世界で見たミカエラも、誰かの背に隠れるより、自分が前に出ようとする気質だった。
いわゆる、ヒーロー気質。
困っている相手がいれば手を伸ばし、危ないとわかっていても、先に足が出るタイプである。
そこへこの世界の常識が乗った。
いまのミカエラは守る側の性として扱われ、俺は守られる側の性として扱われている。
元からあった前へ出る性格に、男である俺を守らねばならないという常識が上乗せされた結果が、あのきらきらした目なのだろう。
「よしっ! 第一班から順に入れ! 頑張れよ!」
号令と共に第一班がダンジョンに入っていく。
メイリーナが言っていた不穏な単語が、頭に残る。嫌な予感を覚えながらも、俺は装備の最終チェックを始めた。
□
嫌な予感は、すぐに的中した──。
「ぐぅっ♡ ちょ、やめっ……♡ んぐぅ♡」「きゃぁっ!?」「あうぅう……♡」
「あ~あ、言わんこっちゃないわねー……。人の忠告は聞いておくもんよ?」
ダンジョンに入って三十分経たず。何の変哲もない木々の間に俺たちは留まる。
俺の隣で、引率の二年生──踊り子のトパーズが触手罠に引っかかった三名を見上げていた。
レン、シモン、ミカエラ。
三人がピンクの触手に体をまさぐられる光景を見て、俺はため息を吐く。
隣のオレンジ髪美しいトパーズ先輩に懇願した。
「あの~、そろそろ助けません?」
「ダーメ♡ これからの冒険者生活、こんなのしょっちゅうだからね~。経験や耐性つけておいた方がいいわよ? 他の女子なんて、全員経験してるからね?」
(い、嫌すぎる……!!)
《と、とんでもない世界でござるな……》
「はや、助けっ。んぃいいっ♡」
レンの嬌声が頭上から響く。
このまま放っておくと衣装も全部ひん
レンの装備は、風の王国系の魔導士らしいターコイズの短いローブだった。
胸元は高い襟と留め具で隠されているのに、腰は細い革ベルトでぎゅっと絞られる。
緑色のズボンの裾は動きを邪魔しないよう左右に深く割れている。
それがいまや、両手をなめらかな鞭のような触手に拘束され、服の上からまさぐられている。
いや、なんなら服の隙間、ズボンの裾から内側に潜り込んでいた。
「~~~っ!!?」
シモンは灰緑の軽革ジャケットに、同系色の細身の戦闘服を合わせていた。
露出そのものは少ない。首元も手首も黒革の手袋できっちり覆われ、腰には薬瓶と工具の入ったポーチが几帳面に並んでいる。
ただ、従者服を下敷きにしたせいか、布地は体に沿いすぎていた。長い手足と細い腰、胸元の起伏まで、本人の控えめな態度とは裏腹に目立ってしまっている。触手から分泌される粘液が染みているせいで、なおさら強調された。
触手がシモンの豊満な胸を絞り上げる。張りのある乳房が形を変えて楕円形に伸びていく。
やっば♡ たまんね♡ こらえ性のない俺の愚息はむくむくと育っていく。
シモンの顔に浮かんだのは、苦悶ではない。
自分がいままで体験したことがない快楽──それに困惑するかのような、戸惑いの色が差している。
彼女は舌を突きだす。ナニかを求め、その替わりにぴちゃぴちゃと空気を舐めとっていた。
「んもっ♡ もっ♡ ん”んぅ♡」
ミカエラにいたっては口をふさがれ、触手フェラを体験している始末。触手が出し入れされるたびに麗しい金髪が乱れている。
うっすらと触手の表面から分泌される液体には、快楽を促進する物質でも含まれているのだろうか?
こっそりステータスチェックで確認すると、やはり状態異常〈敏感〉を発症していた。
彼女は内ももを強く閉じている。そして、愛液か尿か。股の辺りが水をこぼしたかのように、くっきりと濡れていた。
三者三様できっついエロトラップにさらされ、慰み者にされている。
正直勃起が止まらん。ズボンのテントが持ち上がった。
隣に立つ先輩はけたけたわらうばかり。
俺の中の義憤は高まっていく。
自然と足は前に出た。
(あ~もう!!)
「あ、ちょっと男子!」
いくら先輩の命令と言えどである。
三人をこのまま見世物にする気にはなれず、俺はトパーズ先輩の制止を振り切って助けに入った。