※この作品はR-18です。

タバコ戦記
作者:

オリジナル:ファンタジー/戦記
タグ:R-18 タバコ 喫煙者 正義 世界大戦
吸うことが文明であり、
煙を吐くことが忠誠だった世界。

全面喫煙国家〈ニコチン共和国〉の統合作戦本部長である〈俺〉は、
喫煙を正しさとする秩序の中枢に立ち、
禁煙を掲げる国家との戦争を指揮していた。

争いを終わらせるため、
彼は戦略級兵器〈ニコチン弾頭〉の開発を命じ、
世界を“ひとつの正しさ”で覆い尽くす決断を下す。

だが、レジスタンスの女性との出会いによって、
〈俺〉は初めて「吸わない幸福」を知り、
自ら築いた秩序から突如として離脱する。

やがて世界は反転し、
非喫煙を国是とする新たな体制が成立するが、
三十五年後、彼の息子が
「選択を奪われた世界」への反発から、
再び煙を掲げて立ち上がる。

父は非喫煙国家の最高司令官として復帰し、
息子と対峙する立場に立たされる。

自由を押し付けた者と、
自由を取り戻そうとした者。
正しさを完成させた者と、
それを壊そうとした者。

企業は象徴を管理し、
大地そのものが意味へと変質し、
世界は単一の価値に覆われていく。

そして〈俺〉は、
世界を救うためでも、
支配するためでもなく――
世界そのものを終わらせる選択を下す。

これはタバコの物語ではない。
正しさを信じた人間が、
どこまで他者にそれを強いてよいのかを問う、
一つの戦記である。