魔法少女やってる妹の変身アイテムを勝手に持ち出して変身した挙げ句、変身後の魔法少女姿で親友(妹が片想いしてる)を誑かす変態兄貴 作:宇向 海
オリジナル:現代/恋愛
タグ:R-18 性転換 TS 女体化 精神的BL 変身ヒロイン 魔法少女
妹が魔法少女やってた。
正直、びっくりした。まったくそんな素振りを見せてなかったから。
魔法少女、どこからともなく現れて、街中で暴れる怪人を倒したと思ったらまたすぐにどこかへ消えていく現実離れした容姿の少女の総称。
その正体については公になっておらず、やれ宇宙人だとかゲノム編集によって作り出された改造人間だとかそういった噂レベルの憶測が市井には広まっているが、その多くは的外れもいいところだ。
なんせ、普通の人間の少女がマジカル☆ステッキで変身した姿というのが魔法少女の実態なんだから。
妹が魔法少女をやってるということに俺が気づいたのはほんの数分前のことだった。
ちょっとした用事で妹の部屋に立ち寄り、妹が不在だったので勝手に部屋を漁っていたところ、俺は勉強机の棚に隠されていた奇妙なものを見つけてしまった。
それは、一見すると女児向けの玩具に見える小さなステッキだった。柄の先にはハート型の装飾が埋め込まれている30センチほどのステッキ。柄の部分にはマジカル☆ステッキと書かれている
妹は俺の一つ下でもうこんなおもちゃを欲しがるような年齢ではないはずだし、そんな趣味があるようにも見えない。もしかしたら隠れてそういうアニメを見ていたのかもしれないが、それにしてもこんな風にポツンと一つだけ保管しているというのも変だ。
そんなことを考えながら軽い気持ちでステッキを手に取った瞬間だった。
俺の全身を強烈な浮遊感が襲った。
視界が真っ白に染まり、何も無い空間を自由落下しているような感覚と体を内側からいじくられるような慣れない不快な感触が一瞬にして全身を過ぎ去ったかと思えば、俺は自分の姿が変わっていることに気づいた。
まず感じた違和感は視線の低さだった。さっきよりも明らかに部屋が大きく見える。そして、次に感じたのは胸の窮屈さ。明らかに、着用している衣服が変わっている。それは視線を下げて目に入ってくる光景からも明らかだった。
妹の部屋には姿見がある。だから俺はすぐにそれに顔を向けた。
そこには、魔法少女を彷彿とさせるゴスロリ風の衣装に身を包んだ見覚えのある黒髪ポニーテールの美少女が立っていた。
その時俺は全てを悟った。魔法少女の正体、そして妹が置かれている状況について。
姿見で俺がじっくりと自分の姿を確認していると突然横から何者かが呼びかけてくるのが聞こえてきた。
「あれ?君はサクラちゃんじゃないね。なんで変身できるんだい?」
ビクッとして振り向くと、そこには見たこともないような等身の生命体がベッドにちょこんと座り込んでこちらを覗いていた。異様に大きな両耳がペタンと顔の横に垂れ下がる耳はうさぎを彷彿とさせ、猫のような可愛らしい顔立ちの二頭身ほどのモフモフの生き物。それはマスコットとでも形容できそうな不思議生物だった。
「いや、俺も佐倉なんだけど。それ苗字だから」
そう答えた自分の声は妹そっくりのソプラノボイスで違和感がすごく、思わず咳払いをしてしまう。
「なるほど、サクラちゃんのお兄さんね。通りで変身ができるわけだ」
「流石兄妹というべきか、全く見分けがつかないね。魂の形でしか判別できないよ」
そう言ってマスコットは一人で納得してうんうん頷くと、何気なさそうにとんでもない一言を放った。
「で、今隣町に怪人が出てるけどまだ行かないの?」
「…へ?」
完全に寝耳に水だった。魔法少女がなんのために変身するのか、それを考えれば当然ではあるのだけど自分が戦うイメージが沸かなすぎて選択肢から完全に排除していた。
「…戦うって、どうやって?」
「それはもうバーンてやってドーンってやるんだよ。大丈夫大丈夫、やれば分かるから」
「え、普通にやだ」
「人間が魔法少女に変身できるのは1日に一回だけ。上限は1時間。君はその貴重な1回を無駄にするつもり?」
「さっきSNSで見たけど
妹の変身後の姿はおそらく今の俺そっくりなんだろう。そして俺はさっきSNSで流れていた魔法少女情報から、今日の昼頃に今の俺そっくりの姿の魔法少女が人助けをしていたという情報を得ていた。
「…じゃあ、君は一体その力をどう使う気なんだい?」
「うーんそうだなぁ…………お、あれは」
せっかく魔法少女になれる時間を治安維持のために使うなんてまっぴらだ。絶対もっとオモロイことできるじゃん、なんて考えながら窓の外を見ていたときだった。
おそらく魔法少女としての能力なのだろう、窓の外の物理的に見えないはずのその場所がくっきりと透けて見えた。
駅のホーム、逃げ惑う人混みの中で怪人が暴れている。そして、その付近にいる人物に俺は見覚えがあった。
凛々しい顔立ちの中性的な細身長身の青年、着用している制服には俺の通っている学校の校章。
そう、そこにいたのは俺の数少ない友人の一人、
「どうしたんだい?」
「…せっかくだし怪人倒してくるわ」
「急だね!?」
マスコットが何か言ってるのを気にも留めず、俺は窓から外へ飛び出した。
交通規制されている道路の頭上を軽々と飛び越えて俺は目的地へと一直線に進む。
駅の中はすっかり伽藍堂でコンビニや雑貨屋には店員すら見当たらない。どうやら他の乗客たちの避難は完了しているようで残ってるのは
なぜ、"たち"という言葉を使ったのかというと透視能力で見えた光景では
どうやら、逃げ遅れていた彼女をここから逃がすためにこの場に留まっていたらしい。
徘徊している怪人に見つからないように隠れながら出口へ向かっているようだが行きたい方向をちょうど怪人がウロチョロしていて先へ進むことができないという状況らしい。
―三人称視点―
「大丈夫、大丈夫だよ。ゆっくり歩こう」
落ち着かせるようにそう言い聞かせながら少女の手を取って来た道を戻ろうとする
「走れ!」
だが、怪人は超人的な身体能力を持っているから逃げ切ることはできない。結局すぐに二人は袋小路に追い詰められてしまう。
「くっ…!」
「グヘヘ!」
下卑た笑みを浮かべる怪人、まさに絶対絶命。だが、次の瞬間
「グギャアア!」
断末魔を上げて怪人が崩れ落ちていくと同時に怪人の背後に立つ何者かの姿があらわになる。それは、魔法少女らしきコスチュームに身を包んだ金髪の少女だった
「魔法少女…あ、ありがとうございます…」
「ああ、いいよいいよ!」
魔法少女はそう豪快に笑い、倒した怪人が泡になって消えていくのを見届けると嵐のように去っていった。
思わず緊張の糸が切れて地面にへたり込む
「助かった…」
心の底から安堵し、深いため息をついた
しかしこの状況にため息をついていたのは
「はぁー…なんで他の魔法少女が来てるんだよ」
そうため息をついていたのは先程
少女が使用した変身アイテムは”千里眼のマジカル☆ステッキ”。このステッキで変身した魔法少女はどんな場所でも幻視して見ることができるという能力を持つ。魔法少女に変身した彼女は、親友をかっこよく助けて主人公のことを少年呼びするミステリアスなお姉さんごっこをしようとしていた矢先に他の魔法少女に先を越されたことで不機嫌になっていた。
残された時間はあまり多くない。変身直後のマスコットとのやり取りしていた時間も考えれば変身が維持できるのはあと30分程度。
少女が街路灯のランプに腰掛けて深いため息をついていると駅の方から
そんな様子の
「おい少年、君本当にそんなんでいいのか!」
「…へ?」
いきなり頭上から声をかけられ驚いたのか反射的に街路灯を見上げた
「………あの、パンツ見えてますよ」
少女からすれば完全に計算外の出来事だったので一瞬脳内がフリーズするが、状況を理解するとニヤっと笑みを浮かべ、完全に遊び道具を手に入れたときの表情をしている。
「へぇー?…少年、私のパンツ見て興奮してるんだ」
「なっ!…す、するだろ普通!」
「へぇ~…じゃあさ、もっと近くで…見る?」
少女はそう言って街路灯から飛び降りるとスカートをギリギリ見えないくらいの角度でたくし上げてニヤニヤしながら春兎の方へジリジリ迫っていく。
「ッ!…」
「見たい…?」
「み………みたい、です」
「…ぷッ…!…アハハハ!うそうそ、見せませーん!」
一瞬の静寂の後、人をバカにしたような笑いが少女から飛び出した。たくし上げていたスカートから指先が離され、重力のままにパサリとスカートは元の形に戻る。
「な、なんなんですか貴方は!?」
思わずそう声を荒げる春兎。人を食ったような態度の少女に春兎は思わず抗議するような視線を送るが、少女は一切気にするような素振りは見せない。それどころか、むしろイタズラ心に火がついてしまったようにすら見える。
「え~?…なんだと思う?」
「…」
「そうだ!私の正体を当てられたらさ、一晩私のこと好きにしていいよ」
「…まーた見え透いた嘘を」
「嘘じゃないよほんとほんと!本気だから!」
「大体、そんなことをするメリットが貴方にないじゃないですか」
「え~?…君、結構カッコいいし?実は割とタイプなんだよね~」
目を細めて蠱惑的な笑みを浮かべながら、少女がそう言って流し目を送ると春兎は少し動揺したような表情を浮かべる。
「…ほ、ほんとですか?具体的には」
「具体的には、こういう風に騙されやすいところが好き~」
少女はそう言うと先程の表情とは打って変わり、ニンマリとした笑みを浮かべる。
「や、やっぱり騙してたんじゃないですか!」
「アハハハ、でも正体を当てられたらってのは本気だよ?」
「もういいです!貴方と関わってるだけ時間の無駄なので」
春兎はそう言うと少女から背を向けてスタスタと家に向かって歩いていく。
「そっか~じゃあね!
それを聞いた瞬間、春兎は思わずピタッと立ち止まり後ろを勢いよく振り返るが、そこにはもう少女は影も形もなくなっていた。
その夜、二人はその日の出来事を思い出して眠れなくなっていた。
(やべぇ~スカートたくし上げんのめっちゃ興奮した!)
一人は最低な理由で、もう一人は真剣に頭を悩ませて。
ー湊視点―
翌朝、俺はいつものように学校に行った。教室にはすでに春兎がいて、珍しく何か悩んでいる事でもあるようで物憂げな表情で窓の外を見つめている。
「よっどうした春兎、なんか悩みでもあんの?」
俺がそう声をかけると春兎は一瞬俺の方を見て、またすぐに窓の方に視線を向ける。
「湊…いや、なんかさ昨日変な人に会ったんだよ」
「変な人?」
「かわいい女の子だったんだけどさ、俺の純情な感情をめちゃめちゃ弄んできてさ」
「まあお前いじりがいがあるもんな」
俺の発言を意に介さず春兎は続ける
「埒があかないから無視して帰ろうとしたんだけど、なんか俺のこと知ってるっぽかったんだよね」
「それで、正体が気になってると」
「まあそんなところ」
「はぁー」と深くため息をついて春兎はこちらに目もくれずに窓の外を眺めている
どうやらいい感じに興味を引くことができたみたいだ。面白くなってきた。
「湊は心あたりないか?黒髪ポニーテールのゴスロリ痴女」
「痴女だったの?」
思わずそう問い返してしまった。別に痴女っぽく振る舞ったつもりはないのだが、春兎には痴女に見えていたのか?
「あぁ、あれは間違いなく痴女だった」
断言された。それも曇りなき瞳で
「だって、いきなりパンツ見せてきたし」
「それってほんとに見せてきたのか?本人の意思で?」
「意図してたかは微妙。なんか街灯の上に座ってたから」
「じゃあ痴女ではなかったんじゃない?」
「なんでそんなにそこ追求しようとするんだよ」
まずい、少し疑うような目で春兎が俺のことを見てくる。これ以上は怪しまれてしまいそうだ。
「てかお前怪人に襲われたんだろ、大丈夫だったのか?」
「ああ、それは大丈夫。魔法少女の人が助けてくれたから…」
魔法少女、春兎は自分のその発言がなにか引っ掛かっているようだった。春兎は突然黙り込み、視線は明後日の方向を向いている。
「…もしかしたら、彼女は魔法少女だったのかもしれないな」
「…」
妥当な推理だ。むしろなぜあの時にその発想に至らなかったのだろうか。
「確かに魔法少女だって考えたら、不思議な力を持っていてもおかしくない。名前ぐらい瞬時に把握できるのかもしれないし。だから、本当に誰でも良くて俺に声をかけてきただけなのかも」
「だったらもう考えても仕方がなくない?その場合手がかりは一切ないってことになるけど」
「いや、でも!そうじゃない可能性もあるだろ!ちゃんと残された手がかりから推測できる人物の可能性が!」
「なんでそんな必死に存在するのかも分からない細い勝ち筋を追ってんの?」
「だって、正体を看破したらえっちしてくれるって言ってたんだぞ!」
それは純粋な曇りなき瞳だった。こいつマジでいい奴なのに自分の欲望にはめちゃくちゃ素直だから本当にいじりがいがある。
結局その日は俺達は何の変哲も無い、いつも通りの日常生活を送った。
そして、夜。
俺は電気の消えた妹の部屋に忍び込み、ステッキに触れて魔法少女の姿になっていた。
姿見で自分の姿を確認するとすぐに部屋から立ち去り、窓から外に出ると音もなく家の屋根に飛び移る。
目標は春兎。どうやらちょうど自室で就寝中らしい。ベッドの中でモゾモゾと動いている様子が手に取るように分かる。
屋根から屋根をまるで重力が存在しないかのような跳躍で軽々と飛び越えていく。
あっという間に俺は春兎の家の二階の屋根にたどり着いた。
―三人称視点―
春兎は暗い部屋の中でベッドにうずくまっていた。明日も学校があるのだからこの時間に寝るのは当然だ。しかし彼はまだ昨日のことを引きずっているのか寝付きがあまり良くないようで頻繁に姿勢を変えており、入眠に失敗しているようだ。
何度目かの浅い眠りから覚めたときのことだった。ベッドの横に誰かが立っているような気配を感じて、春兎は重くのしかかる瞼を上げた。
ぼやけている視界の焦点が徐々に合い、目の前がはっきり見えてくる。
そこには、窓から入ってくる月明かりを背にして、”あの”少女が立っていた。
「ッッ!…」
驚きのあまり声が出ない春兎を見下ろして少女はニヤリと笑い、毛布を上げてベッドの中に潜り込み添い寝するような体勢になる。吐息がかかるほど顔と顔が近づいていた。
「な…こ、これは…夢か?」
そう絞り出したような声が春兎の喉から漏れた。
「アハ、バレちゃったか。これは夢だよ。淫夢淫夢」
少女はそう言うと目を細めて蠱惑的な笑みを浮かべながら、毛布の中の春兎の下半身に手を伸ばす。
「ッ!」
少女の白く細い指先がパジャマ越しに春兎の股間をいやらしくなぞっていく。
みるみるうちに春兎の股ぐらはいきり立ち、毛布越しにでもわかるほどのソレを見ると少女はニンマリと悪い笑顔を見せる。
「へんたい」
「……夢、なんだったら、これくらい、良いよな」
しばしの無言の後、春兎はそう言うと少女の手首をガシッと掴み、そのまま少女の手を自身の下着の中に引きずりこんだ。そして、少女の手に屹立を握らせるとそのまま少女の指先に自らの手を重ね、少女の手で自らの屹立をシゴキ始めた。
「へ?…あ」
少女は一瞬呆気に取られていたが、春兎がしようとしていることに気づくと顔を耳まで赤くして完全にフリーズしてしまった。
そんな様子の少女の顔を瞳孔の開いた目で見つめながら、荒い呼吸のまま屹立の上下運動を続ける春兎
「はぁ…はぁ…うっ…」
やがて、屹立はピクピクと震え吐精の刻を告げる。春兎は少女の手の平を先端に被せて握り込むと、熱く粘ついた液体が少女の手の中を満たした。
「はぁ…はぁ…」
射精後の倦怠感で疲れ果て、春兎は泥のように眠りにつく。
残された少女は自身の手のひらに吐き出された白い汚濁を見つめ、無言のまま机の上に置いてあったティッシュで手を拭くと何を思ったのか自身の手のひらの匂いを嗅ぎ、「うへぇ…」と眉を顰めた。
―湊視点―
それからしばらく俺は変身することはなかった。そもそも変身できる機会はあまりない。放課後は妹が部屋にいるし、夜中に変身するのも睡眠時間が削れてしまう。だから最近は春兎に魔法少女でちょっかいをかけることはしてなかったのだが、そのおかげか最近は春兎も体調が良さそうだ。
「なぁ湊、今日家行っていいか?」
「いいよ」
ここ数日、春兎は例の”少女”について口に出すことはあったがこの間の一件について話すことはなかった。多分、春兎自身あれが夢だったのか現実だったのか区別がついていないのだろう。もし夢だった場合単にえっちな夢を見て夢精したって事で、そんなこと恥ずかしくて人に言えないから黙っているんだと思う。
「ただいま」
「おじゃまします!」
家の玄関を開けて階段を登る。階段を上がって二階突き当り俺の部屋に向かっている途中のことだった。
ガチャリ、と音を立てて通路途中に位置している妹の部屋の扉が開いた。半開きになった扉から出てきたのは制服姿の妹だった。ストレートのセミロングに端正な顔立ち、テニス部の健康的な引き締まった四肢。正直、美少女ではあると思う。妹だからアレだけど。
「こんにちは」
「あ、こんにちは春兎さん」
こちらに気がつくと妹は春兎に向かってニコッと笑みを浮かべ、体を少し斜めにして横を通り抜けていく。いつもはあんな態度じゃないのに猫を被っているな、なんて考えながら自室に向かう俺だったが、ドアの前に着いて春兎が何か引っ掛かっているような顔をしていることに気づいた。
「どうした?」
「いや、ちょっと似てるなって…」
「似てるって…誰が誰に?」
「湊の妹が、あの魔法少女に」
「は?…お前、
反射的にそう啖呵を切ってしまった。自分でも何がトリガーだったのか分からないが、何故かそれを聞いた瞬間に怒りがこみ上げてきた。
「いやごめん、ほんとにそういうつもりはなかった。悪い」
「いや別に謝らなくてもいいけど…なんか俺もおかしかったわ。そんな怒ることじゃないし」
「妹想いなんだな」
「あんまそういう言い方すんなよ。シスコンみたいで気持ち悪いだろ」
「別に悪いことじゃないでしょ。家族を大事に思う気持ちは持ってて当然だよ」
こういうセリフを素面で言えるのが春兎のすごいところだ。しかもこいつの場合本気でそう思っているし。だから皆から好かれるんだろうな。
「まあなんでもいいけど、別に
「腹黒いって湊が言えたことじゃないだろ」
春兎は何故か少し呆れ顔だ。心外である。
「で、何する」
「そうだな…」
結局その日は普通に駄弁って終わった。楽しかった。
さて、ここで一つ問題が発生した。それは春兎に例の”少女”の正体が
問題なのは、本当に
そもそも発端となった一晩好きにさせる発言は普通に冗談だったのだが実に面倒なことになってしまった。俺が変身してネタ晴らしすれば解決する話ではあるのだが、冷静になってやったことを考えると変態行為すぎて実は俺だったなんてとても言う気にはなれない。
だから、春兎には自然に諦めてもらいたい。少なくとも正体が
なので俺は一つ手を考えた。
―三人称―
土曜日、部活帰りでジャージ姿のまま帰宅中の春兎。人気のない路地裏を通って近道する春兎の前に一人の少女が現れた。路地裏の側壁、高所に設置された何に使うのかも分からない足場に腰を掛けて少女は春兎を待っていたようだった。スカートは手で抑えて下から下着が見えないようにしている。
「…貴方は」
「よっと」という掛け声とともに少女は足場から飛び降りた。地上から3mはあろうかという高所から飛び降りたというのに少女は音もなく軽快に地面に着地し、質量が落下した衝撃が地面を伝わってくることもない。それが彼女が超常的な存在である何よりの証拠だった。
「こんにちは!」
そう言って少女は両腕を背に回してニヤリと笑う
「…こんにちは、何の用ですか」
少し警戒したような表情を浮かべる春兎。実は前回は反撃されていたのだが、春兎からすれば散々弄ばれた挙げ句夢精までしてしまったという認識なので、少女のことを能力の底が知れないミステリアスな強敵という風に思っているのだ。
「今日はね、ヒントあげに来た」
「…ヒント?」
「そう、正体に関するヒント」
「…なんですか」
「へへーん」と自身ありげな顔をしたかと思うと「はいこれ」と言って少女は自身の胸を突き出す。
「…?」
「触っていいよ」
「…は?」
「いやだから、胸。触ってサイズを確かめて。それがヒントだから」
少女がそう畳み掛けると春兎は食い気味に返事をして少女の後ろに周り、恐る恐る胸に手を伸ばす。
「え、じゃあ、はい、遠慮なく」
春兎が服の上からなだらかな双丘を両手で包みこむと少女にストップをかけられた
「服の下からでいいよ」
「え」
少女はそう言うと下着を上にずらして服の中に胸を露出させ、春兎の手を自身の服の中に入れる。
「はい、どうぞ」
「え゛、いや、いいの?」
「早くし「わかりました!」」
食い気味に返事をすると春兎はすぐに胸を揉み始める。
しばし無言の時間が続く。二人とも一言も発さない。春兎は真剣な顔をして黙々と胸を揉みほぐし、少女は耐えるように目を瞑っている。
静寂を破ったのは唐突に放たれた少女の嬌声だった。
「あッ…♡」
少女は完全に無自覚だったのか自らの喉から漏れ出たその声に思わず目を丸くし、手で口を覆おうとする。
その声が出た原因は、春兎の指先が胸の硬い先端に触れたことだった。先程まで周囲を揉みしだかれても一切微動だにしなかった少女が、固くなった乳首に触れられた途端体をくねらせ始めた。
その事実に気づいた春兎が理性を保っていられるわけがなく、当然そうなると…
「あッ!♡ やッ!♡ あッ!♡」
「そこだめッ!♡ そこはッ♡ やめてええッ!♡♡」
上半身をピンとエビ反りにしたまま少女は必死に腰をくねらせるがそんなことで快感を逃がすことはできず、凌辱中の乳首は痛いくらいに勃起してしまっている。
必死の呼びかけも虚しく春兎は止まる素振りを見せない。それどころかむしろ絶対に乳首で絶頂させるという強い意志すら感じられた。
「あああッ!♡♡ やめろッ!♡♡ やめてぇえッ!♡♡♡」
春兎が服の中から腕を引き抜くと、服の薄い布地越しに硬くなった乳首がくっきりと浮き出る。
少女は一時の解放に思わず安堵し、呼吸を整えようとする
「はぁッ!…はぁッ…!…はぁッ…♡」
その瞬間、春兎はとどめとばかりに布地越しに乳首を激しく上下に擦り散らかした。
「あッ!?♡♡ あッ!♡♡ んんんッッ!?〰〰〰〰♡♡♡」
ダムが決壊して少女の脳内をバチバチと快感の波が流れる。目の前がチカチカして腰はガクガクと震え、地面に崩れ落ちそうなところを春兎に支えられて辛うじて立っている。スカートの中の下着にはうっすら黒い染みが出来ていた。
「うぅ…へんたいに性犯罪された…」
「ご、ごめん…やりすぎちゃった」
「明らかに途中の時点でやりすぎだっただろ!!!気づけ!!!」
「は、はい」
流石に春兎も暴走していた自覚があったのかバツが悪そうにしている。
少女は顔を真っ赤にして声を荒げたが、深呼吸して呼吸を整えると冷静さを取り戻す。
「まあ分かっただろ少年。そのサイズ感を忘れるなよ」
そう言うと少女はぴゅーっと逃げるように飛び去って行った。
「…」
春兎というとは少女が消えた後も心ここにあらずといった様子で、手のひらを見つめながら何も存在しない空間を揉むような動作をしばらく繰り返していた。
春兎はその晩、その日のことを思い出して、めちゃくちゃ抜いた。
―湊視点―
今日は本当に大変な目にあった。本来はあんな痴態を見せるはずじゃなかったんだけど、春兎が性犯罪者すぎて無理矢理乳首でイカされてしまった。そもそも乳首触っていいなんて言ってないし。
本来の計画としては、変身後の姿の微妙な違いを利用して
俺の変身後の姿と
対して俺の方はというと、かなり控えめだ。スットントン。もちろん完全に絶壁というわけではないが、辛うじて揉むことができるくらいの貧相な膨らみしかない。
つまり、胸のサイズを意識させれば
だから実際に胸を揉ませればスマートに目的を達成できるはずだったのだが、予想外に春兎が暴走して完全に呑まれてしまった。
まあ、色々あったが本来の目的は果たせたので良しとしよう。
なんとか家までたどり着き、自室で変身を解除した瞬間だった。入口のドアが勢いよく開き、
「お兄ちゃんさぁ!春兎さんに何してんの!?」
「へ!?」
俺が驚いて言葉に詰まっていると
「お兄ちゃん気づいてないけどさあ、私も魔法少女状態だと千里眼の力持ってるんだよ!だから見えるんだよ世界中のどこでも!」
「私が外にいるから変身したんだろうけど、まだ私変身時間中だったから!お兄ちゃんが変身してるの丸見え!!」
「まあ変身するのはいいよ!?でもさぁ!変身して何やってんだよ!?痴女じゃん!ただの!!」
「妹の変身アイテムパクって魔法少女になった挙げ句やることが親友を逆痴漢ってお前終わってんだろ!!??」
そこまで言うと息が切れたのか、深く呼吸をして息を整えようとする
「げ、バレてたのか…あれはお前のためなんだよ」
「どこが!?」
一時的狂気状態の
「…つまり、お兄ちゃんは春兎さんとセックスしたいわけ?」
「ちげーよ!?」
「いや、正体が分かったらセックスするって約束を反故にする気はないのにヒントを出して正解に誘導するって、ズバリそういうことじゃん!」
「いや、お前が勘違いで春兎に迫られないようにしてやってるだけだろどう見ても!」
「まずそれが余計なお世話なんだって!」
「へ?」
「私、春兎さんのこと好きだし」
「いやお前春兎と関わりないだろ」
「ないけどずっと見てたし」
ずっと見てた。
春兎は
「…お前、人のこと言えないような力の使い方してないか?」
「変態お兄ちゃんに比べたら健全も健全でしょ」
「なんだったら、正体は私だったってことにしたいんだけど」
「いや、ダメ」
反射的に俺はそう言ってしまった。ずっとそうだ。
「なんで」
「俺がやだ」
「なんで!?」
「なんか、お前には誰かのお嫁さんになって欲しくない…」
「お父さんか!」
呆れたような口ぶりで
それが不健全だと言われればそうなのかもしれない。だけど、
「少なくとも、あんな変態行為をする人間と同一人物だって騙って春兎に近づこうとするのだけはやめてくれないか?お前が良くても、俺が耐えられない」
「…あ、そうだ良いこと思いついた!」
「?」
「どっちが変態魔法少女の正体なのか、春兎さんに当てて貰おう!」
「!?な、なんでそんなこと」
「私が見た感じ、春兎さんはかなりその子にいれこんでる。ガチ恋ってやつね。」
「…まぁ、あいつはエロい女ならみんな好きだからな」
「それは違うよ。あの人引く手数多だけどその全てを断ってるから。自分から探してる時点で本気で恋してるのは間違いないよ」
「…」
「だから、せめて正体だけでも明かして上げたほうがいいんじゃないってこと。そのままフェードアウトして一生消えない呪いを残すのは可哀想だと思わないの?」
「でも、だったら俺が種明かしすればいいだろ」
「私は正体が私だってことにしたいんだもん。好きなのは見た目だけだろうし」
「ッ!」
「春兎さんが他の人と結ばれるんだったら、せめて本人の好きな人じゃないと納得できないってだけね。春兎さんが私を選んだら正解ってことにして一晩を共にできるし、お兄ちゃんを選んでも春兎さんが好きな人を一晩好きにできてハッピーだからまあいいかって感じ」
「…」
正直
結局、明日家に春兎を呼んで選んでもらおうということになった。
だが、俺は大人しく自分が抱かれるか
翌日午後8時、親がちょうど出張で家におらず更に明日が祝日の本日、夜の帷が降りた頃に春兎はやってきた。
昨日話し合った判定の手順としてはこうだ。
まず、春兎にステッキを持たせる。春兎は選ばれし人間ではないはずなので変身することはない。
そして春兎にはどちらかが魔法少女であり、このステッキで正しい方に触れればステッキが触れた瞬間にその人は変身すると伝える。
春兎が俺を選んだら、俺が正体をバラして一晩好きにされる。
春兎が
つまり、本来はそれぞれの正解不正解の4通りがあるはずだが、実際はどちらかが抱かれるパターンしかない。
俺はそこに目をつけた。
「こんばんは春兎さん!」
「こんばんは、今日はよろしくお願いします」
シャワーを浴びてから来たのか石鹸の匂いを漂わせている春兎。横目でアイコンタクトをすると向こうもニコッと微笑む。実は、こいつもグルだ。
昨日の夜、俺は春兎の家に駆け込んだ。そして現在の状況をすべて明かして、妹を納得させるのを手伝ってもらうことになった。春兎に正体を明かしたのは本末転倒な気もするが、もうそれどころではなくなってしまったのでしょうがない。
俺の作戦は単純だ。事前に今日の分の変身を使っておき、変身できない状態で春兎に俺を選ばせることで本来存在しない不正解というパターンを発生させる。
不正解になればどちらが抱かれることもない。
「私たちのどちらかが、彼女の正体です。繰り返しますが、春兎さんが当てることができたら彼女を一晩好きにできます」
「…本当に、いいんだね。当てられたら、本当に一晩好きにしていいんだね」
春兎は念入りにそう確認する。気合が入っているような表情だが、これも演技だ。
「はい」
「あぁ、いいよ」
「…じゃあ、選んでもらいましょうか。春兎さん」
「…これがそのステッキか」
春兎は恐る恐るステッキをつまみ上げると並んで立っている俺達の方に向ける。
そして、春兎はステッキを俺の手に触れさせた。
勝った!そう思った瞬間、”あの”感覚が俺の全身を襲った。真っ白な視界、自由落下しているような浮遊感。それは、完全に変身の瞬間の感覚だった。
「…うおッ!」
「…へ?」
俺の目の前で目を丸くしている春兎は先程よりも俺のことを見下ろす角度が急になっている。いや、俺の目線の高さが下がったのだ。俺の体は魔法少女の状態になっていた。
「うぅ…変態兄貴に春兎さんが寝取られた…」
なんなんだこの状況、本当に理解が追いつかない。誰か説明してくれ、そう思った時だった。
開きっぱなしのドアから小さな何者かがこちらを覗いているのが見えた。それは、あのマスコットだった。
「変身回数のリセットは、毎日夜7時。だぴょん」
……俺は頭の中が真っ白になった。
「なあ、湊…これってつまり、そういうことでいいんだよな…」
そう言って俺の両肩を掴んだ春兎の顔は、不気味なほど感情が無く、影が差す眼窩の中で瞳だけが爛々と輝いていた。
「…ひっ!」
―三人称―
もう春兎は理性の限界だった。こんなことをされて我慢できるはずがない。恋している女の子の正体が湊だと明かされて、その上で正体が湊じゃないと明かされて納得した演技をしてほしいなんて言われたから涙を飲んで友情を守ろうとしたっていうのに、運ばれてきたのは据え膳だったなんて狼藉を働かれて我慢できるわけがなかった。
「んんんんッ!?♡」
正面から腰に腕を回され、逃げられない体勢のまま激しくベロチューされる湊。身長差のせいで少し持ち上げられるような姿勢になり、顔と顔を見合わせれば嫌でも上目遣いになってしまう。
「ぷはッ…♡…おまえっ…!…正気か!?見た目は美少女でも中身は俺なんだぞ!」
「だからいいんじゃん」
「なっ…あ♡」
湊は説得を一蹴され一瞬怯むが、自身の下腹部を春兎のいきり立った屹立が強く押していることに気づくと思わず喉から期待しているような声が漏れてしまう。
恋い焦がれていた相手にそんな劣情を煽るような声を聞かされて手を出さずにいられるわけがなかった。
「ッ!…ちょちょちょ、何脱いでんだよ!?」
ズボンのチャックを下げ、パンツを下ろして凶悪な肉棒を露わにした春兎はスカートの中のショーツ越しに湊の秘所に屹立の先端をあてがうと、ゆっくりと腰を振り始める。
無言の二人。呼吸音と時計の針を刻む音、ぱす、ぱす、という布と布が触れ合う音だけがこの世界に存在していた。
「あ…ん…」
湊が怯えたような表情をしていると、春兎は嗜虐心をそそられたのか湊の顔を自身と向き合わせると強引に唇を奪う。唇をこじ開けて舌を中に入れると、春兎は湊の小さな舌に自らの舌を絡ませて唾液を執拗に混ぜ合わせる。湊の狭い口の中に逃げ場なんてなかった。
「あぅ…♡」
春兎も湊の小さな舌を蹂躙して興奮のボルテージが上がってきたのか腰のストロークは激しさを増す。それと同時に、湊の白いショーツにも内側から薄い染みがにじみ出ていた。湊の下着を濡らしているのは明らかにカウパーだけではなかった。
「んはッ…はぁ…はぁ…♡」
長いキスから解放された湊は目を潤ませながら上目遣いで春兎に反抗するような視線を送る。しかし、もはやそんなものは単なる興奮材料にしかならない。
「…下着、下ろすぞ」
「へ?…やめっ…あっ…!」
春兎は湊の腰に回していた手をスカートの下に潜り込ませると、ショーツをずり落とす。そしてそのまま湊の細い腰を両手でガッシリと抑え、肉棒の先を秘所の狭い入口にあてがうと、未成熟な蜜壷を一息に貫いた。
「あひッ!?♡♡♡」
凶悪な肉棒が肉襞を掻き分けて一番奥を突いた。湊が下腹部が押し広げられる異物感に思わず腰をくねらせる。膣が肉棒の形に広げられ、まるでこの形を覚えようとしているかのように肉襞が蠢く。湊は中に埋め込まれた肉棒の形を嫌でも認識できてしまう。
「あッ…あッ…♡」
中に居座って消えない異物感と性感、春兎は一切腰を動かしていないというのに湊は断続的に嬌声を漏らす。
春兎は湊が落ち着くまで動かすのを待とうとしていたようだが、一向に収まらない湊の性感を見て痺れを切らしたのか、一方的に腰を動かし始めた。
「あッ♡ ちょ♡ まって♡ ヤバい!♡ これッ!♡♡」
「やだっ!♡♡ ぬいてッ♡♡ ぬ゙いてええッ!♡♡♡」
湊は涙と汗でぐちゃぐちゃになった顔を春兎の胸に擦りつけて、くぐもった呻き声を上げる。だが春兎は腰を止める素振りも見せず、むしろ腰の炎は激しさを増していく。
春兎も興奮がピークに達しているのか呼吸が荒い。ピストンに合わせて胸元から聞こえてくる可愛らしい嬌声も徐々に熱を帯びていく。
そして、最後の時が訪れる。
「あッ♡ あッ!♡ だめッ♡ イくっ!〰〰〰〰♡♡♡」
その瞬間、二人とも絶頂を迎えた。
両者とも頭の中が真っ白で、向かい合って抱き合った姿勢のまましばし見つめあい何度か荒い呼吸を繰り返す。
ぼーっとする思考のままこいつ可愛いななんて思いながら両者は無意識に顔を寄せる。
「ん…♡」
今度はお互いに求めあう唇が触れ合うだけのバードキス。だけど今度は一方的ではない確かな愛情がそこには存在していた。
そして、長い夜が始まった。
―湊視点―
チュン…チュン…
気がつくと、俺は自室のベッドの上で目を覚ました。肌に直で伝わってくる毛布の感触が俺が服を着ていないということを嫌でも分からせてくる。昨日のことはよく覚えていない。唯一覚えているのは春兎が俺をレイプして正真正銘の性犯罪者になったってことだ。あいつマジふざけんなよ。
「ふぁ~~あ…」
大きく伸びをして周囲を見渡すと、毛布の中に何かがいることに気がついた。嫌な予感がして毛布をめくりあげると、そこには裸の春兎がいた。
俺はため息をついて着替えを探していると、ふと違和感を覚えた。
これ、俺の体、男に戻ってなくね?
明らかにおかしい。胸こそ無いから初めは気づかなかったが、身長は低いし腕は細いし声も高い。
おかしい、変身は一時間で解けるはずだ。リセットは夜の7時だから寝ている間にステッキを触れさせられたというわけでもない。
俺がそんなことを考えながらサイズの合わないシャツに袖を通しているとドアが開いてマスコットが部屋に入ってきた。
「…なんだよ」
「あーあ、戻れなくなっちゃったか」
「え、まじで…?」
「うん。変身中に処女を失ったでしょ?変身中に処女喪失すると魔法少女の資格を失うんだ。女の子の場合は変身できなくなるだけなんだけど元が男の子だと女の子のまま変身が解除されちゃうんだ」
「……えぇぇぇぇぇ…」
俺は頭を抱えた。男に戻れない?いやヤバいだろ。これからどうやって学生生活送ればいいんだよ。というか戸籍とかどうすんだよ。考えれば考えるだけ問題がある。
そんな風に頭の中を思考がぐるぐるしてると、後ろから声がかかった。
「…おはよう、湊」
眠たそうに目を擦りながら、寝起きボイスで春兎が俺のことを呼んでいた。
元はといえばこいつのせいだ。思い出したらイライラしてきた。なんか昨日は絆されてしまったけど、やられたことを考えたらこいつには一回ガツンと言ってやる必要がある。
「おい春兎、お前のせいで男に戻れなくなったんだけど!」
「へ…?戻れなく?…まじか、最高」
「お前ふざけんなマジで!」
そう言って俺がベッドの上の春兎に掴みかかろうとすると、逆にひょいっと持ち上げられて布団の中に引きずり込まれてしまう。
「ちょ、お前さ!」
「いいじゃんもうちょっと寝よ」
「話聞けよ!」
「責任は取るから」
先程までの眠たそうな声とは違う、真剣な声だった。
何故かは分からないけど、それを聞いた瞬間に「じゃあいっか」なんて思ってしまった自分がいることに気づいて、俺は首を横に激しく振った。