陸上やってる子は性欲強いから一回ヤればセフレにできるって本当? 作:月見ハク
オリジナル:現代/恋愛
タグ:R-18 純愛 ハッピーエンド セフレ JK 褐色美少女 日焼けあと 学園 男主人公 陸上部 処女
でも最近、放課後ぼーっとしているとやたらと話しかけてくる。やけに気の合う悪友みたいな子だと思っていた。今日までは。
「ねぇ、陸上やってると性欲強いってほんとかな。わたしって性欲強い…?」
そうして俺たちは、放課後の学校でヤってみることにした。
※ノクターンにも転載中です
放課後、窓からグラウンドをぼんやり眺めていた。
誰もいない静かな教室に、サッカー部の練習の音が響いてくる。鬱陶しいが、窓を閉めると教室が蒸し暑くなるので閉められない。
ため息をつきながら半袖シャツの襟元を
「よっすー、ありむぅ」
機嫌のいい猫みたいな声が、俺のあだ名を呼ぶ。
「あおい、今日も部活サボりか」
「いやサボってないってば。毎日行ってるし」
ショートカットの褐色美少女が、前の席に座る。
毎度のことながら一瞬見惚れてしまう。
健康的な小麦肌が特徴的な、ちっこい陸上部女子。
俺とはたまに話す仲で、それ以上でも以下でもない。
元気と明るさだけが取り柄で、誰とでもフラットに接する。そんなやつ。
普段はわんぱく小僧みたいなテンションなのに、顔が整っているせいか、ふと見せる横顔や笑顔なんかにドキリとさせられる。
だからクラス——いや学年でもひそかに男子生徒の視線を集めているのだが、浮いた話の対象にまったくならないのは、彼女の少年っぽい……もといガキっぽい性格のせいだろう。
7月中旬。
夏休み前でクラスメイトたちが色恋の予感に浮足立っているのに、こいつときたら、まるで虫取りにでもワクワクするような顔で、窓の外を眺めている。
(恋愛とか一切興味ないんだろうな……まあ俺もだけど)
子どもの頃からずっと、そういうものがダルかった。どうせいつか終わりがきて、しんどい思いをするだけなのに、どうしてバカみたいに夢中になれるのか分からない。面倒すぎる。
だから、似たような空気をまとっている彼女といると妙に落ち着く。まあ、あおいの場合は単にウブなだけだと思うが。
「あおい、昼寝でもしてたのか?」
「いやいやありむぅ君、お昼寝はお昼にするもんでしょ」
「だって寝ぐせすごいぞ」
湿ったそよ風に、ショートカットのくせ毛が揺れていた。
髪は黒髪というよりこげ茶色で、陸上部に入ったせいで色素が抜けたのだと彼女は言い張っている。
そんなことあるのか? と思ったが、どうでもよさそうに説明する様子からは、ああそもそも自分の髪とかに興味がないんだなと分かった。
「だからこれ天然だってなんべん言うたら~!」
あおいがずいっと顔を近づけて、ジト目で睨んでくる。ピョコンと立っている髪の毛を撫でているが、すぐにピョンと復活してしまう。
腕を上げたせいで、半袖の袖口から彼女のつるりとした腋の下がのぞいている。
(はぁ……ほんと無防備なやつ)
陸上部の露出の高いユニフォームで慣れているからなのか、それとも自分がそういう対象として見られないとタカをくくっているのか、あおいは肌の露出をあまり気にしない。
今も、目の前にいる俺の視線など気にせず、「あっついね~」と言いながら半袖ブラウスの胸元にパタパタと空気を送っている。
石鹸と、あおい自身のちょっと甘ったるい汗の香りが、そよ風に混じって漂ってくる。
ついドキリとしてしまうが、まあそれも一瞬のことだ。会話を再開すればすぐに気にならなくなる。
「こんなとこで油売ってたらまた先輩に怒られんぞ」
「もー少ししたら行くしっ。ありむぅこそ練習行かなくていいの? サッカー部」
「行ってもどうせ見学するだけだし、行く意味ないだろ」
「膝のケガ、完治してるんでしょ? 軽くでいいから参加すりゃーいいのに。わたしならそうする」
「どこかのわんぱく小僧とはちがうんだよ。たまには
「へー、じゃーわたしもタソガレよ~っと」
「似合わね~」
「ありむぅ失敬な。わたしだって悩みくらいあるんよ~」
「あおいが? まさか」
「あるある。明日ちょびっとしんどい用事あってさー、まーたいしたことじゃないんだけど」
「奇遇だな。俺も明日すっげー面倒な用事ある」
明日の土曜日。家族のちょっとした面倒事があった。
シングルファザーだった父さんが再婚し、その相手の人とレストランで会うのだ。
正直しんどい。
幼稚園の頃に、両親は離婚した。そのときのことをうっすら覚えている。毎日喧嘩ばかりしていて、離れて暮らすようになってからは、母親恋しさよりも安堵感のほうが大きかった。
そんな経験のせいか、俺は男女の恋がずっと続くなんてのはおとぎ話だと思っている。
だから、父さんに新しい恋人……妻、そして俺に新しい母親ができるという事実が、すごく億劫だ。どうせ崩壊してしまうという不安感が頭をもたげる。
そんなわけでここ一カ月くらい、膝をケガしたこともあって、俺は部活をサボり教室で
そうしたらなぜか最近、あおいが部活前、俺のところへ寄っていくようになったのだ。
「ありむぅ、元気だしなって」
あおいが分かってますよ、みたいな顔で俺の肩をポンポン叩いてくる。なんだこいつ。
「十分元気だけど。……てかあおいこそダルそうだな、なんか」
「そうなんよね~。まあ、ありむぅほどじゃないけどさー……最近暑くって、校庭」
彼女のキャンキャンした猫声が億劫そうなトーンになった。
「陸上部がそれ言ったらおしまいじゃね?」
「まあねー」
あおいが校庭を見つめながら目を細める。
くりっとした大きい瞳が陽光を取り込んで
またしてもドキリとしてしまう。
小顔だなと思ってはいたが、こうしてまじまじ見ると手のひらですっぽり掴めそうなくらい小さい。
ちょっとボサボサに見える短い髪、顔の小ささの割に大きな瞳が、彼女の小顔っぷりを引き立たせているのだろう。そのせいで年齢よりも幼く見える。
「……短距離走のタイム、まだ本調子じゃないのか?」
「まあね~……そんな感じ。なんか意識に体が追い付いてないっていうかさー、成長期なのかなぁ」
その言葉に、ついあおいの胸元へ目がいってしまう。
彼女の細い体つきに合ったささやかな胸。
いや、それにしては女の子らしい膨らみがある。でも全力疾走を邪魔しない——あおいの健康的なイメージにマッチした、ちょうどいいサイズ感とでもいおうか。
クラスの男子の言葉を借りれば、なんかエロい胸ってやつだ。
「成長期っつーか、部活サボってるからだろ?」
「だからサボってないってば~」
あおいが眉を寄せて抗議してくる。こうやって人の言葉に素直に反応してしまうところが、彼女の魅力の一つで、男子にも女子にも人気がある理由なのだろう。
「その割にあんま日焼けしてないじゃん」
つい悪戯心が湧いて、からかいを続行してしまう。もちろん彼女も他の陸上部員と同じくらい日焼けしている。なんなら誰よりも健康的な褐色肌だ。
「ちゃんと焼けてるよ、ほらっ」
「えっ……」
ムキになったらしいあおいが、ブラウスの襟元を片手で開いてみせる。華奢な左肩が露出し、グレーのブラ紐が見えた。多分スポーツブラってやつだ。
……確かにブラ紐の
というかこいつには恥じらいが存在しないのだろうか。普通に目のやり場に困る。
気まずさをごまかしたくて、話題を変えた。
「てか、俺のことありむぅって呼ぶの何なん? その呼び方あおいだけなんだけど」
「え、有村くんだからありむぅでしょ? サッカー部の子たちもそう呼んでたよ」
「
「へ~、ならいいじゃん」
なにがいいんだかさっぱり分からない。
ニシシという感じで得意げに笑う彼女に、ちょっとだけ息をのむ。相変わらず猫みたいに人懐っこい笑顔だ。
誰に対してもこんな感じだから、あおいは誰にでも好かれてしまう。
(つーか、なんで放課後いつも話しかけてくんだろ……俺なんかに)
こんな近い距離感で話しているが、俺と彼女はただのクラスメイトだ。
幼馴染というわけでもないし小中も違う。部活も違う。話すようになったのも、俺が部活をサボり始めた一週間前からだし。
クラスメイトとはいえ、特に接点もない男女が、普通ここまで仲良くなれるものだろうか。
改めて疑問に思っていると、あおいがスマホを取り出した。俺の机に肘をつき、ポチポチと画面を操作している。
「やっぱり、ありむぅじゃなくてありむーって呼んでほしかったりする?」
「いや、別にどっちでもいいけど」
「ふーんそっかぁ」
「てかスマホで何見てんの?」
「んー、占いだよー、部活占い。ありむぅ占ってやろ~って思って」
「部活占い?」
「部活でその人の運勢が分かるらしいんだー。陸上部の男子に教えてもらった」
「……へぇ。じゃー俺、教室警備員」
「あは、それ部活~? えっとー、ありむぅはサッカー部で、ポジションはボランチだよね」
「よく知ってんな」
「そりゃ~運動部仲間だし」
「てかポジションまで入力するんだな」
「そだよー。わたしは陸上部の短距離。……えーと、ありむぅの運勢はねー」
「なんて書いてあんの」
「うんとね~、守りに入って機を見るのもいいですが、時には攻めに転じてもいいでしょう、だって」
「……それ、なんの占い?」
「あー、これ恋愛占いみたい」
「恋愛かよ」
「そう恋愛。ありむぅは興味あったりすんの?」
「まったくないわ」
「だよねー、そんな感じするよありむぅは」
なぜか俺のことを知ったような顔をしているあおいが、ちょっとだけ生意気に感じる。
「あおいは興味あんのかよ、恋愛とか」
「うーん、ないなー! 今は陸上一筋だし、恋愛ってなんか陸上よりシンドそう」
「あー、コスパ悪いみたいな?」
「コスパっていうか、燃費悪そうっていうか?」
「燃費か、なんか分かるわ。俺もそんな感じ。無駄に疲れそう」
うちの実の両親みたいに。
「うんうん、だよね」
「そもそもあおいは
「へ~、ありむぅは縁があるとでも?」
「まあ、それなりに?」
「ふっふ~ん、部活のときいつも
あおいの口から聞きなれない名前が出て、頭の中に疑問符が浮かぶ。
ミレイ……ああ美鈴か。
確か隣のクラスの女子で、あおいと同じ陸上部で、綺麗な顔してて、そういえばクラスの奴がおっぱいデカいとか話してた記憶がある。
「美鈴って、陸上部のエースの子だっけ」
「そだよー。てかまたまたぁ~、ありむぅ片想いのくせにぃ~」
片想い……?
確かにサッカー部の練習中、近くで練習している陸上部のほうをチラチラ見ることはあったけど……美鈴を見ていた記憶はない。
というか、あおいのからかい方がいかにも小学生——それも小学生男子って感じだ。二ヒヒと悪戯っぽい笑みを浮かべる様子に、ついこちらも悪戯心が再燃してしまう。
「俺が見てたの……あおいなんだけど」
「おっ? おおっ!? えッ、わたし!?」
「そう、あおい」
「あ、あぁ~はいはいっ、そういうことね」
「ああ、可愛い小猿が人間に混じって走ってるなーって」
可愛い小猿だと思っていたのは事実だ。
一応、あおいのことを見ていたというのも。
「わーたしだって、ありむぅのこと見てたよっ」
「へぇ」
「むすっとしたトカゲ男がボール蹴ってるな~って!」
「なんだトカゲって……てかせっかく
「じゃーありむぅはエリマキトカゲ、どう?」
「それ、褒め言葉なのか?」
「ゴージャスだしトカゲ界のイケメンだよ、きっと」
「……小猿」
「トカゲ~」
あおいが半笑いでからかってくる。俺も今、似たような表情を浮かべているだろう。
いつの間にか、胸の奥にたまっていた億劫な気持ちがすっと晴れていた。
こうやってあおいとくだらないやり取りをしていると、いつも心が軽くなる。
他のクラスメイトとは違う。
インスタだTikTokだ、恋愛だセックスだ、なんだかんだと騒いでいる中、あおいとだけは、そういう
男女の垣根を超えた、小学校の男友達みたいな感じだ。
いや、女の子として一応意識はしているから、たまに会う従妹みたいなものだろうか。妹がいたらこんな感じなのかなと思うが、俺は一人っ子だからよく分からない。
そんなことを思っていると、あおいはまたスマホをポチポチと操作していた。いいかげん部活に行かなくていいのだろうか。
「あおい、そろそろ——」
「ありむぅさ、美鈴ちゃんとの運勢も占ってあげよっか」
「……また部活占い?」
「そう、もっとディープな相性占いらしーよ」
「へぇ」
「あ、でもこれ、部活占いと質問似てる。えっと、ありむぅはサッカー部、ボランチ」
あおいがポチポチと俺の情報を入力する。やけにウキウキだ。自分の恋愛には興味ないのに人のには興味あるのだろうか。
「てか、そもそも俺、美鈴ちゃん……さん? に興味ないんだけど」
「……えっ、そーなの?」
「うん、まったく」
「い、いや、でもほらさっ、楽しいじゃん! こういうのたまにはさっ」
なぜか焦りだすあおいが、小さい手でスマホをぎゅっと握る。
「俺、美鈴ちゃんのポジション? とか知らねーし」
「それは心配ご無用っ、わたしが知ってる」
「そりゃそうか」
「美鈴ちゃんはわたしと同じ、陸上部の、短距離……えいよっとっ!」
あおいが声を張り上げ、占い開始のボタンに触れる。叫んでもアニメ声っぽく聞こえるのは、なんかズルいなと思った。
「結果出たのか?」
「出たっ! どれどれ~……ボランチで日々体力と集中力を鍛えているあなたには相性ぴったりの相手、だって~! えっと……陸上をやっている女の子は体幹を鍛えていて性欲が強いので、一回ヤればセフレにしやす……い、です……?」
「…………」
あー。
これはあれだ。よくあるくだらない下ネタ系の占いだ。
男子たちの悪ふざけなのだろう。ウブなあおいにこの占いをさせて「結果どうだったー?」なんて聞いて、その反応を楽しむのだ。
本当にこういうの、くだらない。悪趣味でウザい。
案の定、あおいは黙りこくってしまった。
口を開きかけ、すぐ閉じて下唇をきゅっと結んでいる。
「あー、あおいほら、あれだよっ、男子ってこういうの仲間内でふざけて楽しんだりしてんだよ。誰と誰で占っても同じような結果出てくるんだぜ、どーせ」
俺はなぜか焦りながらフォローしていた。
「あ、あははっ、なにそれ~……男子ってほんとこういうの好きなんだなー」
あおいは全然気にしてないよーという口調で、けろっとした笑顔を浮かべた。だが頬は染まり、耳まで真っ赤になっている。
よかった。
この反応を見てしまったのが俺だけで。
もし男子たちが今のあおいを見たら、すごくヤらしい感情を抱いてしまう気がしたから。
「多分、男子たちも悪気はないと思うぞ。ジョーク的なやつじゃん?」
「……ジョーク?」
そんなわけない。これはもっとエロくて気色が悪くて、少なくともあおいにやらせていいものじゃない。
「いや違うわ。これはクソみたいなイタズラだ」
「ぷふ、ありむぅ言葉わっる~」
「本当にさ……ほんとくだらないよな、みんな」
「そっかな」
「ああ、もし男子に占いどうだったって聞かれても、やってないって言っとけ」
「うん、そうするよ~」
「あんま気にすんな」
「ぷふふ、わたしはぜんぜん気にしてないよー。ありむぅのほうがなんか怒ってる」
「まあ、少しイラついた」
「そ、そっか~」
ハハハ……と笑うあおいが妙によそよそしい。
まったく、どうしてくれるんだよこの空気。
せっかく彼女と、そういうのとは無縁な時間を満喫していたのに。
数秒、無言の時間が流れる。
顔を伏せていたあおいが、ふと上目遣いで俺を見つめてきた。
「……あ、ありむぅはさ、どう思う?」
「なにが?」
「その、この結果」
「は?」
「……陸上やってると性欲が強くなるって」
「さ、さあ……俺サッカー部だし」
あおいから、まさか性欲なんて言葉を聞く日がくるとは思わなかった。それも一日に2度も。
「一回ヤれば、セフレ……にしやすいって、ほんとかな?」
「いや、はぁ? そんなん俺に聞かれても」
なにを言ってるんだこいつは。
まさかセフレなんて言葉もあおいの口から聞く日が来るとは。しかも一日に2度もだ。変な占いのせいで頭がショートしてしまったのだろうか。
「ありむぅは、どう思う? わたし、性欲強い?」
「だから俺に聞かれてもっ……」
「……試して、みたりしゅる?」
だからこいつは何を。
噛んでるし。可愛いし。
そんな恥ずかしそうに目を潤ませて聞かれても困るってのに。
「あおいそれ、ガチで言ってんの」
「……ありむぅは、わたしと付き合ってみたいとか、ある?」
「は……いや、ねーよ。てか恋愛とかに興味ないって」
「うん、わたしも。……だから試すなら、ありむぅがちょうどいいのかなーって」
「その感覚は、まあなんか分かるけど……試すって、そんなんでいいのかよ」
「でも、ありむぅも、試すならわたしがいいよね?」
「まあ……確かに?」
なぜこんなやり取りをしているのかさっぱり分からない。あおいだって、自分で言ってて分かっていないはずだ。
教室が蒸し暑い。
そよ風がやけに生温かく感じる。さっきから汗が止まらない。頭のネジも溶けてきている気がする。
だからこんなに心臓がドクドクいっているのも、きっとこの暑さのせいだ。それ以外にない。
「じゃー、やってみよっか……」
今まで聞いたことのない押し殺した声で、彼女がつぶやいた。
その声色が、すごく色っぽく感じる。あおいとは思えないくらいに。
「ヤるって、なにを」
「んー……なんだろ。ありむぅ試してみたいことある?」
……俺だって、そういうことに興味がないわけではない。
恋愛に興味はないが、性欲はもちろんある。あおいは顔が可愛いし、性格もいいし一緒にいて落ち着くし、なんかエロいおっぱいだし。
だからヤるといったらついセックスを妄想してしまうが、それをウブなあおいに告げるのはすごく抵抗がある。
「試すっていうなら、キスとかじゃね」
「あぁー……キスかぁ」
あおいは、まるで自分とは縁のない行為のようにその言葉を繰り返した。
「ヤるってそういうことだろ。ほら、やっぱやめとこうぜ」
「ううん、いいよキスで。してみよ?」
「いいのかよ」
「まあ、ありむぅなら……ていうか、したことある? キス」
「ないけど」
「じゃーお試しにちょうどいいね」
あおいがふっと息を吐き、目を閉じて呼吸を落ち着かせている。
まるで陸上の試合前みたいだ。実際、走る前にはこうして緊張をほぐしているのを、何度か見たことがある。
勝手に覚悟を決めたらしい彼女が、立ち上がって椅子を俺のそばへ移動させ、ストンと座った。
互いの膝が触れそうな距離で向かい合う。
大きな黒目に見つめられ、俺は思わず目を逸らしてしまった。
「えっと、わたし目つぶる?」
「まあ、多分あおいが目つぶる」
「えぇ……ありむぅは?」
あおいが不安そうに見てくる。正面に座ったせいか、背の低い彼女は自然と上目遣いになる。無駄に可愛いから勘弁してほしい。
ブラウスの胸元をきゅっとつかんで見上げる姿が、まつ毛の長い小動物みたいだ。
「俺も、つぶると思う」
「ん、じゃーよろしくっ……」
あおいが二重まぶたを閉じる。
意味不明な流れで、あおいとキスをする感じになってしまった。いいのか? 付き合ってもいない男女が……。
なんて難しいことを考えそうになるが、あおいのキス待ち顔を見たら思考が止まってしまった。
(……可愛い顔、してんだよな)
こげ茶色の前髪がそよ風に揺れている。
よく見ると——いやよく見なくても整った小顔が、今は緊張で引きつっていた。
なのに背すじだけはピンと伸びていて、それが妙にエロい。そういえば練習で見かけるとき、あおいはいつも姿勢がよかった。
「ありむぅぅ……もうする?」
おっかなびっくりと聞いてくる彼女に、俺は吸い寄せられるように顔を近づけた。
息を止めて、唇を当てる。
「っ……」
ふに、という感触が伝わってきた。あおいは唇を固く引き結んでいるのに、触れた瞬間からしっとりと柔らかい。
彼女のまぶたがピクと動く。それで初めて俺は目を開けたままだったことに気づいた。でも至近距離で見るあおいの肌がきめ細かくて、目を閉じられない。
ゆっくり唇を離すと、あおいがほうっと息をついた。
俺もつられて息を吐く。
遅れて、心臓がバクバクいっているのに気づく。きっと呼吸を止めていたせいだ。
「……ありむぅ、終わった?」
「一応」
彼女がまぶたを開ける。その大きな黒目がほんのり揺れているように見えた。
「……あ、ははっ……キスしちゃった~、わたし、へへ」
「これがファーストキスかー」
落ち着かない鼓動をごまかしたくて、冗談っぽい感じで言う。
「どうだった、ありむぅ?」
「まあ、こんなもんかって感じ。一瞬だったからよく分からんかった」
「あーわたしもだー……いっぱいいっぱいだったし」
あおいが胸元を押さえ、にへらと笑った。
その笑顔になぜか心臓が跳ねる。
まずった。遊び半分でキスなんてするんじゃなかった。すごく、あおいが可愛く見えてしまう。
「なら、もう一回してみるか?」
これ以上はやばい。友だち同士でしていいことじゃない。これ以上は俺たちには刺激が強すぎる。そう思うのに口からは正反対の言葉がこぼれてしまった。
あおいも耳を真っ赤にしたまま、目をパチクリとさせている。
「……し……てみよっか」
いいのかよ。
「じゃあ、あおい目つぶって」
「うん……あっ、ありむぅ教室のドア見えるよね」
「見えるけど」
「じゃ、人が来たらぱっと離れよ」
そう言い残し、あおいが目を閉じる。
(一応、人目とか気にするんだな)
そりゃそうか。あまり意識しないようにしていたけど、あおいも普通の女の子なわけで。
真面目な顔で黙り込む彼女に、顔を近づける。
普段へらへらしてる子が真顔になると、こうも印象が変わるらしい。いつもガキっぽいあおいだとなおさら。
「ん……」
唇を当てた瞬間、あおいが色っぽい吐息を漏らした。二回目だからか彼女も油断していたらしい。ゆるめられた唇が吸い付いてきて、頭にピリと電気が走る。
(やば……)
一回目よりも唇が密着している。今度は目を閉じてしまったせいで、あおいの唇の形や感触がしっかり伝わってきた。
もっと感触を確かめたくて下唇を動かすと、応答するように小さい唇がうっすら開いた。
チュ、とついばむような音が鳴る。
これがキスなんだと本能で感じた。何かに促されるように唇を突き出すと、めくれた内側同士がくっつき、またチュと音を発する。
「……んっ……ふ」
あおいが苦しそうな息を漏らす。それがなんかエロい。
頭の後ろがぼうっとする。体の奥から味わったことのない熱がこみ上げてくる。
俺はあおいとのキスに興奮していた。
チュ、チュと何度かついばんでから、俺たちはタイミングを合わせたように唇を離した。
目を開けると、あおいは薄目でうつむいていた。お互いがお互いの唇を見つめ、視線が交差しない。ただ熱い吐息だけが混ざり合う。
「……ありむぅ、人来なかった……?」
「来なかった。多分」
「そっかー」
「ああ」
「なんか、キッスしちゃったね~、ちょっと大人のやつ」
へへへ、と恥ずかしさをごまかす彼女にドキリとする。ぎこちなく口角を上げる表情すら、可愛いと思ってしまう。
「終わりにするか」
「だね~……ありむぅもいい加減飽きたっしょ」
二人で苦笑する。
なのにお互い距離が近いまま、互いの唇を見つめていた。俺の膝にあおいの小さな膝が当たっている。抗えない引力に引っ張られるように、鼻先が近づく。
「やっぱり、次で最後にするか」
「うん……せっかくだし、次でおしまいね」
二人にしか聞こえない小声でささやき合う。
ゆっくりまぶたを閉じるあおいの、肩をつかむ。ビクと震えたのが分かった。
(こんなに華奢だったのか)
彼女の肩の細さに驚く。一方で陸上をやっているからか引き締まった筋肉も感じる。
肩を揉むように力を込めると、その柔らかさと温かさが伝わってきた。やはり緊張しているのか、体を強張らせている。全部伝わってくる。
薄く開いた唇に合わせるように、俺も唇を開いて近づけた。
「ん……ぁ……」
唇の内側がくっつき合う。それだけでまた頭の後ろが火照る。思考がぼんやりとしていく。それがすごく気持ちいい。
求めるように舌を伸ばすと、小さい舌先と触れた。
あおいの肩がビクリと震える。
もう一度舌を伸ばすと、彼女もおずおずと舌先を当ててきた。
「ぇ、ぅ……」
ねろりと舌先が結び合う。それだけで頭が痺れて、股間に熱が集まる。ドクドクと心臓が早鐘をうつ。
お互いの舌の動きがおぼつかない。強張った舌先同士が当たっては引っ込む。だけどすぐに伸ばされ、探るように絡まっていく。
くちゅ、といやらしい音が鳴った。その音に夢中になってしまう。くちゅ、くちゅと粘膜で舐め合うのが気持ちよすぎる。お互いコツをつかみだし、キスが濃厚になっていく。
「ぁっ……、は、ぁ……」
口端から漏れるあおいの吐息が熱っぽい。まるでドラマのキスシーンみたいな息遣いだ。うまく呼吸ができずに苦しいのだろうが、俺も同じだった。
気づけば小さい肩を引き寄せ、彼女の顔を上向かせていた。その狭い口内で舌を躍らせる。それだけに没頭する。
「はぁっ、あふ……ぁ……」
あおいも懸命に舌を絡ませてきて、開いた唇をあむあむと動かしていた。こんな彼女を俺は知らない。こんなにエロいキスをするあおいを——。
「んッ……え、ありむぅ……っ?」
俺はいつの間にか彼女の肩をなぞり、胸元へ手を移動させていた。
「悪い、なんか流れで」
「……試す?」
「軽く」
「いいよ」
なぜかちょっとふてくされたように、あおいがつぶやく。それを照れ隠しだと認識した俺は、ゆっくりとブラウスを撫でていった。
布地を押し、おっぱいの輪郭を浮かび上がらせる。少し寄せるように揉んでみると、形がはっきり分かった。
半円球の確かなふくらみ。ブラウスが汗で張りついているせいかスポブラの模様もうっすら見える。
ふに、ふにと優しく揉むと、ブラジャー越しに柔らかさを感じた。
誰もいない教室で、あおいの胸を揉んでいる。その事実に味わったことのない興奮がこみ上げてくる。
「ふきゅ、ぅぅ……っ」
ぎゅっと胸をつかむと彼女が変な声を漏らした。慌てて手の力をゆるめる。
「ごめん、強かったか?」
「んぅ……それは、ぜんぜんだけど……くすぐったい、恥ずいぃ……」
あおいが困ったような上目遣いをよこしてくる。彼女の
癖毛のショートカットも、今はしんなりしているように見える。
助けを求める小動物のような表情にドキリとする。股間がもっと熱くなってしまう。いよいよマズいと頭の片隅で思いながらも、手のひらは何度もあおいの胸を揉んでいた。
「少しは、慣れてきたか?」
平静を装って言う。
「うぅ……少しは……でも恥ずい」
彼女は胸にも汗をかいているらしく、ブラウスが湿っていた。そのせいで余計におっぱいの感触が伝わってくる。
控えめかと思っていたのに、揉んでみるとそんなことない感じがする。確かな実りに、当たり前だが女の子なのだと実感する。
「中で、さわっていいか?」
「ぇ……なか?」
「もうちょっと
「イヤってほどじゃないけど……胸、見るの?」
「ああ、見てみたい」
「ありむぅ……って、スケベ?」
「多分、人並みには」
「そっ……かぁ」
ハハハ……と控えめに笑うあおいが、両手で顔を扇ぐ。まったく困ったなーという仕草だ。目が微妙に泳いでいるから、俺がここまで要求するのは予想外だったのだろう。
別に、俺だって無理にこの先へ進みたいわけじゃない。今ならギリギリ悪ふざけで済む。引き返すなら今だ。
「あおい——」
「じゃー、軽くね」
「え」
呆気に取られた俺の目の前で、あおいがブラウスのボタンを上から外し始めた。エへへと気味の悪い笑みを浮かべている。彼女も明らかにテンパっている。
なのに一つ二つと外されていくボタンから、俺は目が離せなかった。
下まで外し終えたあおいが、ちょっとだけブラウスを開く。
ゴクリとつばを飲み込んでしまう。
目に飛び込んできたのは、普通のブラジャーよりは布面積の多い灰色のスポーツブラと、ささやかな白い谷間。
それと日焼けのあと。
胸元とへその上あたりまでユニフォームの形に白くなっていて、その白肌の部分をスポブラが覆いきれていない。首元やお腹の褐色とのコントラストがすごい。
なんだか見てはいけないものを見てしまった気分だ。めちゃくちゃ、エロい。
「ブラの上からで、いい? ありむぅ」
「あ、うん」
固唾を飲んでいると、あおいが俺の腕をつかんだ。ゆっくりと自身の胸へ誘導していく。
なんでこんなに積極的なんだ。……いや直にさわりたいって言ったのは俺か。彼女にしてみたら俺に言われて渋々応じている感じなのか。
手のひらを開くと同時に、ふんわりとしたおっぱいに触れた。
「うぃぃっ……」
またもあおいが変な声を出す。
予想どおりスポブラの布の感触。でもさっき揉んだときより柔らかく感じる。トクトクと彼女の小さい鼓動が伝わってくる。
すごく温かい。今は俺の手も熱くなっているはずだから、あおいの体はもっと火照っているのだろう。
手のひらをめいっぱい広げて包むと、真ん中になんともいえない柔らかさがあり、乳房からはみ出た指先はやや硬さを感じた。
だがむにゅっと揉んでみると、手の中に柔らかさが寄せ集まって、指先もその中へ沈む。つい揉み込んで感触を味わってしまう。
「やわらか」
「ひぃぅ」
あおいが馬の悲鳴みたいな声で応えた。
「力加減、こんくらいでいいか?」
「うぃぃ……たぶん」
「痛かったら言えよな」
「いたく、ないけどっ……なんか自分でさわるのとちがう……」
「お、おう」
なんだか聞いてはいけないことを聞いた気がしたのでスルーする。
何度か揉んでいると、あおいが前傾姿勢になってきた。俺のシャツの胸元をつかんで、それでもやめてとは言ってこない。
前かがみになったせいで、揉むたびにブラジャーの上側に隙間ができて、カップの中が見えそうになる。思わずそこを凝視して、生唾を飲んでしまう。
ブラジャーカップの内側であおいのおっぱいが形を変えている。やがてブラジャー越しに、クニとした突起を感じるようになった。揉みながら手のひらの真ん中でそこをこすると、彼女がシャツを強く握ってきた。
「んっ、くすぐったっ……んッ」
可愛い反応がたまらなくて、俺はあおいの背中に手を回し、抱き寄せた。
「ふあっ」
変な声とともに彼女の口から空気が抜ける。
抱き締めてみると背中の細さも分かった。引き締まっているのに、やっぱり柔らかい。女の子は皆そうなのか、あおいだからそう感じるのか。不思議な感覚だ。
「ありむぅぅ……あッ、んきゅっっ——」
ブラ越しに突起をくすぐると、彼女が小さい頭を俺の胸板に
こげ茶色の短髪がふるふると揺れる。胸元で小さく縮こまる姿が可愛い。閉じ込めた空間に、石鹸混じりの甘い匂いがこもる。体の前側だけが熱い。
「ふいぃ……!」
浮き出てきた突起を爪先でカリカリすると、彼女がまた変な声で鳴いた。
「あおい」
「ふぇ……あむッ——」
呼びかけに上を向いた彼女の唇を奪う。勢いにまかせたディープキス。さっきより奥へ舌を差し込み、さっきよりも
「ぇ゛ぁっ」
舌を絡ませながら突起をいじると、小さい舌がビンと力んだ。彼女の唾液ごと舌を吸い上げると、じゅるじゅると信じられないような音が響く。いったん唇を離し、はふはふと苦しい息継ぎをする口を、また塞ぐ。
ブラジャー越しの乳首はすっかり硬くなっていた。指先で左右に弾くと、あおいの体がビクンと跳ねた。
「んうぅっ……ぅッッ」
舌を絡ませている喉奥でリスの
胸から手を離し、彼女の細い体を滑らせていく。柔らかい太ももに触れると、あおいが唇を離した。
「ひゃ、ぅんッ」
彼女がしゃっくりみたいな声を上げ、目をきゅっと閉じる。
太ももを柔らかいほうへと撫で上げていき、スカートの中へ潜り込ませる。湿り気のこもった空間で股下へ指を伸ばすと、あおいが俺の胸板をトントン叩いてきた。
「しゃわぁ……っ」
「……なんて?」
「シャワー、浴びたい……っ」
彼女が瞳を潤ませ訴えてきた。カールのまつ毛の先が涙に濡れている。
(うわ、俺っ——)
我に返り、さっとスカートから手を引き抜く。慌てて体も離し、あおいを直視できず教室のドアを見る。
誰も、来なかったみたいだ。
おそるおそる視線を戻すと、あおいはブラの位置を直し、ブラウスのボタンを閉じ始めていた。走った後みたいに肩を上下させながら。
「あおいごめん、調子乗りすぎたかも」
「ありむぅぅ……ちょっとビビったよぉ……」
ボタンを閉じ終えた彼女が、肩をすぼめるみたいに口元へ持っていく。半袖ブラウスの袖で、俺のだかあおいのだか分からない唾液を拭った。
「……ごめん」
「ん……ま、ま~ぁ、最初にやってみる? って言ったのわたしだし……いいけどさー」
困ったように眉をハの字にして、中途半端な笑顔を浮かべている。そんな顔すら今はエロく見えるから困る。
俺も、シャワーで熱を冷まさないとだ。
「……部室棟いくか」
シャワールームは部室棟の更衣室にある。
「いこっかー……はは」
ぎこちなく笑いながら、彼女がブラウスをスカートの中にしまい込む。いつもはスカートインなんてしないのに、どうやらまだ少しテンパっているようだ。
汗ばんだブラウスが余計に張り付き、スポーツブラの輪郭が透ける。あおいもそれに気づいたのか、慌ててブラウスを引っ張り出した。なにをしてるんだ。
俺はそんなあおいを見ないようにしながら、席を立った。
廊下に出ると教室より涼しかった。
並んで歩きながら、二人して制服の胸元をパタパタする。
定期的に開かれるブラウスの胸元から、たまにブラ紐が覗く。そこそこ身長差があるので、俺の高さからはそれがばっちり見えてしまう。相変わらず小学生みたいに無防備だ。
いや……多分だけど、俺の前だからだ。
なんだか妙に気を許されているのは前々から感じていた。でなければ、あんなエロいことも提案してこないだろう。
「廊下もあっついね~」
あおいがうんざりしたようなため息を漏らす。目尻を下げ、今度はブラウスをぱかっと開いて鎖骨を露出させている。おかげで控えめな谷間も日焼けあともばっちりだ。
「あおいって露出狂なのか?」
注意喚起をかねて、からかう。
「は、はぁぁ!? ち、ちがうしっ、失敬だなー」
「じゃあ無闇に制服パタパタさせんなよ。いろいろ見える」
「あ、ありむぅが見なきゃいいんじゃないっ?」
「べつに見ないけど」
「ま、まあね~、ありむぅは美鈴ちゃんの脚とか見てるもんね~」
「だから美鈴ちゃんには興味ないって何度言わせれば……」
小学生みたいな応酬を重ねる。とりとめのない会話で、俺たちは関係値を元に戻そうとしていた。
いつもの、どう転んでも色恋には発展しなさそうな関係に。
「むぷぷ、ムキになってるところがますます怪しいね~」
「じゃーあおいは一回も男子を目で追ったりしたことないんだな?」
「……ないよー」
「へぇ、じゃー
「うーん、強いて言えばかぁ~……手、とか?」
「手?」
「そー、あ、それでいうとありむぅって手大きいね~」
「いや普通だろ」
「ううん、さっき大きいなーって思ったよ」
「……ああそう」
それはさっき彼女の胸を揉んだときのことを言っているのだろう。迂闊なやつだ。せっかくいつもの悪友っぽい雰囲気になってきていたのに。
ほら、お互い無言になってしまった。
「あっ、ありむぅ!」
「ん、なに」
「部室棟まで競争しよっ」
「はっ? 走ってか」
「そだよ~、じゃーいくね」
「おい」
「スタート!」
言うのと同時にあおいが駆け出した。
「ちょ、膝やっちゃってんだけど」
「もう治ってるっしょー!」
事実だ。なんなら毎朝軽くジョギングまでしている。
「ったく」
すでに小さくなっているあおいの後ろ姿を追いかけた。
相変わらず彼女のフォームは綺麗だ。校庭で何度も見かけ、思わず目で追ってしまう姿。
スカートがめくれそうでめくれないのは、あおいなりに気にして走っているからなのだろう。なのに距離が縮まらない。
誰もいない放課後の廊下を、ダッシュで走り抜ける。まるで暴走した小学生だ。笑えてくる。
だんだんと全力での走り方を思い出してきた。『廊下は走るな』の張り紙を通り過ぎるころには、俺はあおいの背中に追いつきつつあった。
「うぇ、ありむぅ速い」
「校舎の中だから、本気じゃねーけど」
そう言いながら全力疾走する。けっこう楽しい。
体を動かすことに集中すると、いろんな雑念が消えていく。面倒なことも煩わしいことも全部。ただ楽しいと思える。そのことを忘れていた。あおいのおかげで思い出せた。
危ないのに階段を二段飛ばしで駆け下り、次の階段は三段飛ばし、一階の廊下をシャトルランばりに走り抜け、部室棟へ駆け込む。
シャワーのある更衣室前へたどり着くころには、俺とあおいはほぼ横並びだった。
「じゃ、俺、シャワー浴びるわ……」
息を絶え絶えにしながら更衣室のドアノブに手を掛ける。
「はいよー、じゃね」
まったく息の上がっていないあおいの笑顔に見送られ、俺はフラフラと中へ入った。
◇
ぐったりとしたありむぅの背中を見送って、わたしも更衣室に入る。
汗でじっとりしたブラウスを脱いで、スカートを下ろして、ブラとパンツも脱いで、ぽいぽいとカゴに放り込む。
いつもはもっとちゃんと畳むけど、今はむり。
一番奥のシャワールームに入って、カーテンを閉じ、取っ手を回してお湯を出す。ぬるま湯だ。
降ってくるシャワーを浴びながら、やっと大きく息を吐く。
「ありむぅに、おっぱい揉まれたぁぁ……」
ぬるま湯を被ってるのに顔が熱い。ありむぅの大きな手に揉まれた感覚が残ってる。胸がドキドキして体中が茹で上がりそう。
「ありむぅと、キスしちゃった……」
ちょっとかさついた唇の感触もまだ残ってる。思ったよりも分厚い舌も、口の中をかき混ぜられるあの変な感じも。
ありむぅの手に体のあちこちを撫でられて、抱き締められて。大きい体にすっぽり包まれて、ありむぅの汗がちょっといい匂いして……お腹の奥がほかほかして。
そしたらありむぅの手が、わたしの太ももを撫でて、今ここを触られたら濡れちゃってるからダメって思って、ギブギブってありむぅを叩いて…………さっきはめっちゃ危なかった。
(どうしよぉ。ヤっ……ちゃうのかな。このあと、ありむぅと最後まで)
「ひぃっ、うぅぅ……あー、うぅぅぅ~!」
ありむぅのことは、部活練でたまに見かけてた。何かを忘れたいみたいに一心不乱に練習に打ち込む姿。
わたしと似てるなって思った。
わたしは少し家庭が複雑で、お母さんと仲はいいけど、でも息が詰まりそうなときもあって、それを忘れるみたいに昔から練習に打ち込んでた。
そんなわたしと似てる感じがしたありむぅも、見かけるたびにこっちを見ていた。多分、いつも一緒にいる美鈴ちゃんのことを。
別にいいけど、わたしばっかり気になってるのはなんかズルいと思った。
そうしたら一カ月くらい前、ありむぅが練習に来なくなった。どうしたんだろと思っていたら、一週間くらい前、たまたま忘れ物を取りに行った教室に、ありむぅはいた。
端っこの席で、机に頬杖をついて、窓の外をぼーっと見てた。
その筋張った上腕から、顎を乗せている手から、なんだか目が離せなくて。
つまらなそうな横顔が、すましたトカゲみたいで、寂しそうで……気づいたらわたしは話しかけていた。
きっと恋とかじゃない。
誰かと恋をするのは大変なことだって、お母さんを見ていて知ってるし。それに恋バナよりも陸上やってるほうが楽しいし、恋愛なんてわたしには手に負えない感じするし。
でも男子から相性占いのアプリを教えてもらって、まっさきにありむぅの顔が浮かんでいた。
美鈴ちゃんとの相性を占うついでに、わたしとの相性もわかるかな~なんて、そのくらいの……ほんとにそのくらいの気持ちでありむぅに試したわけだけど。
「あんなエッチなの、聞いてないし……」
でもなんか。
ありむぅとならそういうことを試してみても、いいかなって……思って。
美鈴ちゃんには興味ないって言ってたし。
それでちょっと嬉しいってなって。
わたしだってそういうこと、興味ないってわけじゃなくて。
ありむぅは恋愛にもわたしにも興味なくて、ならいいかなって思って……でもちょっとモヤってして。
気づいたら、「試してみる?」なんて大胆なことを言っちゃってて。
「……ありむぅ、興奮するかな」
びっくりするくらい情けない声が出た。
自分の体を見下ろしてみる。チビで細くて、凹凸の少ない体つき。
今までそんなに気にしたことなかったけど、ありむぅに見られると思うと緊張する。
でも不安が湧いてこないのは、きっとありむぅは大丈夫な気がするから。
さっきも、わたしのおっぱい見たがって……たし。
「う~……恥ずいぃっ……!」
どうしよ。あうどうしよ。どうしよどうしよ。
ん……あれ?
ていうかそもそもこの後、ありむぅとエッチなことするって決まったわけじゃない。そんな約束はしてないし。わたしが勝手にそう思い込んでるだけだった。アホじゃん。
「はいっ」
両頬をぴしゃんと叩いて、体をざっと洗って、裸のままシャワールームを出る。
ハンドタオルで体を拭いて、制服を着て、ありむぅに露出狂って言われないようにブラウスのボタンを上まで閉じて、そろーっと更衣室を出る。
廊下にありむぅの姿はない。
男子更衣室のほうは電気が消えている。ありむぅは先に出て、もう帰ったのかも。
大きなため息をついてから、一応、教室に向かってみる。
いつもより足取りが重い。なんでか急かされるような気がするのに、体が心に追いついていない。おかしな感じ。
ゆっくり歩いているのに変な汗が出てくる。シャワー浴びたのにこれじゃ、ありむぅになんて思われるか。
「えっ……?」
三階の廊下を歩いていると、わたしたちの教室から女の子が出てくるのが見えた。
わたしに背を向けて歩いていくその後ろ姿は、美鈴ちゃんだった。
◇
俺は邪念を取り払うようにシャワーをざっと浴びると、いそいそと服を着て更衣室を出た。
女子更衣室の電気はついている。今ごろあおいがシャワーを浴びている。
さっき教室で見た彼女のスポブラ姿を思い出し、慌てて頭を振る。
今も恋愛には興味がない。だけど中途半端にあおいの体を見てしまった今、ブラを外した胸元やパンツを脱いだ姿を見てみたいと思ってしまう。
続きを試してみようと誘ったら、あおいはOKしてくれるだろうか。
なんとなく、うなずいてくれる気がする。
彼女が出てくるまで待っていようか。
「いやキモッ……!」
やばい。俺がキモすぎる。
慌てて更衣室から離れ、教室へ向かう。
教室へ行くのはあおいが戻ってくるのを期待しているわけじゃなくて、荷物がそこにあるからだ。
教室へ入り、自分の席に座る。
頬杖をついて
少しすると、ガラと教室のドアが開く音がした。あおいだ。
「あおい、遅かったじゃん。てかこう蒸し暑いとすぐ汗かくよなぁ、これじゃシャワー浴びても意味ないって、いうか……」
言いながら振り向くと、そこにいたのはあおいではなく……見知らぬ女子だった。
教室の入口に立って、目を丸くしている。
へそ出しの陸上部ユニフォームを着ていて、胸元がこんもりと膨らんでいる。この大人っぽい綺麗な顔立ちは、なんとなく見た覚えがある。
「君がありむぅくんか~」
「えっと、美鈴……さんだっけ」
「あ、もしかしてあおいちゃんから聞いてる? 私のこと」
「まあ、ちょびっと」
「ちょぴっとか~、なにそれ寂しい」
わざとらしく肩を落とし、俺のほうへ近づいてくる。
「えっと、美鈴さんは別クラスだよね? 何か用?」
「あおいちゃん見なかった? ありむぅくんのとこだと思ったんだけど」
「あおいなら今、シャワー……いやなんかハシャぎすぎて汗かいた~っつって!」
言いながらヤバいと思い、急いでごまかす。
しかし美鈴は微笑ましいものを見るような顔で、くすくすとわざとらしい笑みを浮かべていた。
「そっか~、お邪魔だったかな」
「いや別にそういうんじゃっ……」
「私ね、こう見えてあおいちゃんの親友なの」
「はあ……」
美鈴が、さっきまであおいが座っていた椅子に腰を下ろす。長い茶髪をかき上げ、じいっと見てくる。なんだか圧がすごい。
「あの子ね、すっごくモテるの。部の男子とかみんなあおいちゃんのこと好きなの」
「はあ」
それはまあ、分かる。
でもきっと恋愛対象とかではなく、もっとマスコット的な——。
「もちろんあの子は誰とでも気軽に話せちゃうし、距離感も近いから、そういう親しみやすさに好感もってるって男子も多いと思うよ。けどね、半分くらいはあおいちゃんのこと、そういう目で見てる」
「そういう目?」
「女の子として可愛いとか付き合いたいとか、一発ヤりたいとかそういうの。この前なんて、男子たちが『あおいとヤりて~』って話してるの聞いちゃったし。まあ、私がいつも変な虫がつかないように見張ってるから、あからさまなことしてくるアホはいないけど」
「えっと、美鈴……さん?」
噂で聞いて想像していたキャラと、ずいぶん違うような。
「だから何が言いたいかっていうとね、あおいちゃん悲しませたら、私ありむぅくんに酷いことするから。君なら知ってると思うけど、あの子、家庭がちょっと複雑でしょ?」
(え……)
あおいも、そうだったのか。知らなかった。
「だから、ああ見えて寂しがり屋さんで、そのくせ甘え下手なの。いろいろ慣れてないの。そこにつけ込んで単に可愛いからって手を出すようなら、ぜったい許さないから」
多分美鈴は、俺とあおいのことを勘違いしてる。俺はあおいのことをほとんど知らないし、付き合うとかそんな仲でもない。
だけど——家のことで孤独を感じる気持ちはよく知ってる。他人から同情されるのは居心地悪いし、だからって軽いことみたいに扱われるのも嫌だし、寂しさにつけ込まれるなんて一番むかつく。だから。
「あおいに、そんなことしないよ」
「そ。……なら私がとやかくいう筋合いはないね。邪魔してゴメン。部長にはあおいちゃん今日部活来れないって言っとくから、ごゆっくり~」
美鈴は打って変わって安堵したような笑みを浮かべると、立ち上がって教室を出ていった。
嵐のようなやつだった。なんだったんだ一体。
「あおい……遅いな」
彼女は教室に戻ってくるとは言っていない。シャワーを浴びてそのまま部活へ行く可能性のほうが高い。
でもなぜだか、待っていればひょこっと現れる気がしていた。
「よっす~ありむぅ、まだいたんだ! なんか戻ってくるまでにまた汗かいちゃったよ~、これじゃシャワー浴びても意味ないよねー」
美鈴が去って10分くらいして、あおいが教室に戻ってきた。
「……あおいか」
「あおいですケド」
「シャワー長かったな、髪短いのに」
「失敬な、これでも女子の中では一番早いんだぞー」
抗議するとこ、そこかよ。
あおいは何食わぬ顔で、さっきまで美鈴が座っていた椅子にすとんと座った。俺がそっちに向き直れば、また膝が当たってしまう距離だ。
つい横目でささやかな胸元を見てしまう。さわってみると意外にふくらみを感じた胸。
いつもはブラウスのボタンを二つ外しているのに、今はぴっちり上まで閉じられていた。暑がりのくせに、暑くないのだろうか。
片手でアイアンクローができそうな小顔は、ちょっとだけ赤らんでいて、小さい唇がさっきよりも艶めいている。
「……リップ塗ってんの珍しいな」
「えっ、あーうん、シャワーのあとって乾燥するし。そだ、ありむぅも塗る?」
「俺はいいや。リップ、あおいのお
「なにそれ。さっきキスしたくせに」
あおいが眉間にシワを作って「失敬な」という顔をする。
うん。やっぱり可愛く見えてしまう。困った。
ちょっとだけ気まずい沈黙が流れる。
黒板を意味もなく眺めていると、あおいがポツリとつぶやいた。
「ねぇ、さっき美鈴ちゃん来た?」
「あー、10分前くらいに来た。あおいのこと探し……いや、今日はあおい部活休むって言っとくってさ」
いや俺、なんであおいを引き止めようとしてるんだ。
「へ、へぇ~、よかったねありむぅ、美鈴ちゃんと話せて! 競争率めっちゃ高いんだよあの子」
「へ~」
「お、嬉しくない?」
「うーん、むしろ苦手なタイプっていうか……色白巨乳って俺あんま好きじゃないし。どっちかっつーとあおいみたいに細身なほうが好みだわ」
「……へー」
あおいが呆れたような低い声を出す。
「なんだよその反応」
「だって、へーとしかいいようがないじゃん」
「まあ、そっか」
普通の女子ならサイテーとか言ってきそうなものを、あおいは素というか、悪友みたいな反応をしてくれる。それが落ち着く。
——この前なんて、男子たちが「あおいとヤりて~」って話してるの聞いちゃったし。
美鈴の言葉が脳裏に浮かぶ。
別に、あおいと付き合いたいとはいまだに思えない。恋愛なんて面倒すぎる。
だけど、適当な奴らにあおいが消費されるのは、気分悪い。
「なあ」
「んー?」
「さっきの続き、するか?」
「……いいよ」
「いいんだ」
「あ、ありむぅだってしたいくせに」
「そりゃあんなキスしたら、普通に」
「ふ……ふーん、ありむぅってスケベなんだぁ~」
「最初に試そうって言ったのあおいだろ」
「う゛っ……あー、わたしが言ったね」
彼女がうん、と自分を納得させるようにうなずく。
勝手にウブだと思っていたが、恥ずかしそうな表情からは、しっかりそういう知識もあるのだとうかがえた。
ガキっぽい顔してるくせに。
「……ここだとまた誰か来そうだから、場所移すか」
「ありむぅの家とか?」
「資料室なら、この時間誰も来ないと思う。鍵も中から掛けられるし」
「え、なんでそんなの知ってんの」
「教室警備員なめんな。放課後の校内にはめっちゃ詳しいんだよ」
「へ~いいね! ちょっと面白そう」
あおいがピョンと立ち上がる。
その顔は好奇心に満ちていて、まるで校内探検にワクワクする小学生男子みたいだ。
二人で教室を出て、なぜか人に見つからないようにこっそり二階まで降り、廊下の一番端にある資料室へ入る。
「おぉ~、ほんとに誰でも入れるんだぁ」
あおいが楽しそうに室内を眺める。
分かってんのかなコイツ。
ここでこれから俺と、エロいことするんだけど。
狭い室内に、一つしかない窓から明かりが差していた。
窓は閉め切っているのに、校庭に面しているせいか部活練の声が聞こえている。
天井まである本棚には、進路指導用の資料が詰まっていて、紙の香りが充満していた。少しほこりっぽくもある。
だが俺の鼻をつくのは、あおいの体から立ち上る甘い汗の匂いだった。
「んッ、ふ……ぅっ、ありむぅ、ん゛んっ……ッ」
パイプ椅子に足を広げて座った俺の、そのわずかなスペースにあおいも座り、俺は後ろから彼女の胸をいじっていた。
グレーのスポブラ越しに乳首をくすぐり、捏ねる。
あおいのリアクションはさっきよりも艶っぽく、エロくなっていた。
彼女のブラウスは背後のテーブルに置かれていた。
意外にも脱ぎだしたのはあおいだ。部屋の中が暑いからと言って。
彼女は、スカートにスポブラだけという大胆な姿で、背後から俺におっぱいを揉まれていた。
最初はくすぐったそうに身をよじるものだから、彼女のお尻が俺の股間をいちいちこすってきてヤバかった。
だけど慣れてきたのか、今は肩をビクつかせるくらいで、されるがままだ。
毛先の跳ねたこげ茶のショートカットが、乳首をこするたびに揺れる。こめかみに汗が流れ、小さい顎先からぽたりと落ちる。
小さい耳も真っ赤に染まり、ぎゅっと閉じていた目も今はうっすら開いている。感じているのか、憂いを帯びた表情が色っぽい。
本当にあおいは黙っていると、ドキッとするほど女の子っぽい、可愛い顔をしている。
その顔が反応するのを見たくて、俺は布越しに突起をきゅっと摘まんでみた。
「あぅッ……」
思った通りのリアクションに、ゾクゾクと興奮が込み上げてくる。
「もしかしてあおいって、普段から自分でいじってたりすんの?」
耳に息を吹きかけるようにささやくと、彼女はぶるりと身を震わせた。
「……たまーにね」
ちょっとだけふてくされたように彼女がつぶやく。絶対たまにじゃない言い方だ。
陸上やってる子が性欲強いのかは知らないけど、あおいはそれなりに性欲が強いらしい。
それなのにあんなウブな感じだったのか。
いや、俺がそう見ないようにしていただけで、なんとなくエロい雰囲気は持っていたような気もする。それこそ男子がつい下品な占いをさせたくなるくらいには。
「あおい、ブラめくっていい?」
「ひょッッ……ちょ、ありむぅっ、耳の近くでしゃべらないでよぉ」
「あおいって耳、敏感なんだな」
「知んないしぃっ……」
そりゃそうか。こんなことされるの初めてだろうし。
耳の外側に沿って、ちろと舐めてみる。
「ひぁッ」
今度は耳たぶから舐め上げる。
「ひっ、うぅぅ」
耳の内側に舌を入れ、れろれろと舐め回す。
「ひぅッ、んっ……ッ」
やばい。反応が可愛い。
俺は小さい耳のあちこちに舌を走らせながら、そういえばブラをめくっていいのか答えを聞いていないことを思い出す。
多分、ここまできて嫌とは言わないだろう。
片手をいったんお腹のほうへ這わせ、ひくひくと震える腹筋を撫でてから、ゆっくりスポブラをめくり上げていった。
ぺろんと胸元があらわになり、生のおっぱいが目に飛び込んでくる。
「あおいの胸って、白いんだな」
「あっ、あたりまえじゃんかっ……」
褐色肌が、胸元だけユニフォームの形に白くなっていた。
手のひらで軽く揉み込めそうなサイズのふくらみに、ぷくりとした小さい乳首。ピンク色で、乳輪も小さい。
あおいみたいに可愛い胸だなと思った。ブラ越しにさんざんいじったせいか、先端がピンと張り詰めている。
俺はもう一度、硬くて柔らかい腹筋を撫でると、焦らすようにおっぱいへと手を移動させていった。
「ありむぅ、それっ……くすぐったい」
このあおいの反応が見たかったからだ。
そして満を持して、ドキドキしながら生乳を揉んでみる。
「あッ……ふぁっ」
彼女の口から、今まで聞いたことのないような感じ入った声が漏れる。あおいは俺の手のひらが包む様子を凝視していた。
(あったか……)
直に触れると高い体温が伝わってくる。男にはない柔らかさと弾力。ふわふわしているのに、手のひらに吸い付くような張りもある。
「んぅっ、ふぅッ……」
手の中で感触を確かめていると、彼女はたまに目を閉じるようになった。生で揉まれても、もっとあっけらかんとすると思っていたのに、あおいは胸も敏感らしい。
「ふ、ぅ……あッ」
アニメキャラみたいな猫声が一瞬高くなる。あおいはこんな声も出すのかと驚く。もっと聞きたいと思ってしまう。
最初は慎重に揉んでいたが、寄せ集めるともっと柔らかくなるのに気づき、まるで餅を捏ねるように揉み込む。痛くはなさそうだ。むしろ気持ちよさそうに「んっ」「んッ」と高い声を漏らしている。
「なんか、ありむぅ慣れてない……?」
「あおいがそう思ってくれるんなら、光栄だわ」
次第に彼女は祈るように手を握ると、それを口にあてがった。無意識で声を抑えようとしているようだ。
整った小麦色の横顔、小麦色の首元と肩、二の腕。
一方で真っ白で綺麗な胸元と、俺の手のひらの中で形を変える白い乳房。
視界に映るあおいの体のすべてがエロい。
男子たちが噂していた「なんかエロい胸」を、たいした知り合いでもない俺が好き勝手いじっているという背徳感。
俺が、あおいの可愛い反応を引き出しているという優越感で、頭の後ろがゾクゾクしてくる。
「ここ、こんなにぷっくり立つもんなんだな」
すでにコリと硬くなっていた乳首を、指先で捏ねてみる。
「ひゃぅッ……ん゛っ、ぁッ、やめっ……わたし、乳首よわいからぁっ……」
なんだその情報。もっと触ってと言ってるようなもんだろそれ。
「自分でしょっちゅう
「自分でさわるのと、ぜんぜんちがうっ……」
「あおい」
小さい顎をくいとこちらに向け、ふぇ? と
「ん゛んっ……は、ぁっ……んむっ——」
舌をあおいの小さい口内に滑り込ませる。舌腹を絡ませるディープキス。さっきしたはずなのに、さっきよりも気持ちいい。
多分俺が狂ったように舌を躍らせて、あおいも自分から懸命に舌を絡ませてくるせいだ。
はふはふという互いの苦しい息づかいと、くちゅくちゅという唾液の混ざる水音が室内に響く。
(俺……今あおいと学校でめちゃくちゃエロいことしてる)
舌を舐め合いながら、彼女の乳首を
柔らかい乳肉を集め、その先っぽで硬くなった
「ん゛ぁっ」
ピンピンと弾いてみると、あおいは口を開けて喘いだ。なるほど、こうされるのに弱いのか。
「あッ、やぁッ……」
可愛い乳首を左右に弾いていると、彼女はキスをしながら「ん゛」とくぐもった音を発するようになった。反応が切羽詰まっていくのを感じる。
そして。
「あっ、ああぁぁんっ……ッ」
また唇を離し、あおいは俺の鼻先で甘い声を上げた。目をぎゅっと閉じ、奥歯が見えるほど口を開け、ブルブルと震えている。
「……あおい、もしかして今、イった?」
「イった、かもっ……」
はぁはぁと酸素を取り込みながら、彼女がうわごとのようにつぶやく。
「かも?」
「かも……こんなふうに、イったことなかったし」
「やば……」
薄目を開け、目端に涙をためているあおいが物凄くエロい。
「あおい、胸、舐めていい?」
「へ……舐めるん……?」
「さすがに舐めてみたい」
「さすがにって、なんだよぉ」
俺はパイプ椅子から立ち上がると、彼女をそこに座らせたまま、前に回り込んだ。
(うわ……エロ)
褐色肌の、ショートカットの小柄美少女が、けだるそうに椅子にもたれかかっている。
スポブラは上までめくれ、白いおっぱいが彼女の呼吸に合わせて上下していた。
最初に体をよじりまくったせいかスカートもめくれ上がり、小麦色の太ももが露出している。
こんなのあおいがしていい格好じゃない。それだけにすごくエロい。ズボンの中で張り詰めていたチンコが余計に硬くなってしまう。
「……」
彼女は眠たそうに見える目で、ぼうっと俺の股間を見つめていた。
やがてよくないと思ったのか、ふいっと俺を見上げた。
「……ブラ、外したほうがいいよね」
「あ、うん」
あおいは背すじをピンと伸ばすと、スポブラをすっぽりと頭から抜いた。それをほいっとテーブルに放る。そして準備できたよと言わんばかりに、また俺を見上げてくる。
しないの? と、小動物のような黒目が聞いてくる。
俺はその場にしゃがみ込むと、あおいの細い二の腕をつかみ、いい匂いを放つ胸元へ顔を近づけた。
「あッ、ひゃんっ……」
小ぶりなおっぱいを口に含んだ瞬間、彼女が可愛い声で鳴いた。
当たり前だけど触るのと舐めるのとでは大違いだ。舌で舐め上げると柔らかくてぷりんとしている。乳首がコリコリしていて面白い。吸ってみると甘みと汗のしょっぱさが同時に広がる。あおいのおっぱいを舐めていると思うだけで、興奮が上ってくる。
「あっ、くすぐったっ……ぃ、ぅッ、あぁんっ……」
ちゅぱちゅぱと音を立ててしゃぶり、口内で乳首を転がす。
じゅうっと吸い上げ、ぱっと離すと、元の綺麗なおっぱいの形に戻る。それがいやらしくて、エッチで、俺は何度もその行為を繰り返した。
「ありむぅっ……」
切ない声が降ってきたので、俺は舌先で乳首を舐め回しながら、視線だけを上向けた。
(うっ……)
涙目で俺を見下ろすあおいと、目が合う。
普段は背の低いあおいに見下ろされることなんてなかったから、無性にドキドキする。すごく、魅力的に見える。
理性の糸が切れた俺は、夢中であおいのおっぱいをしゃぶり始めた。じゅるじゅると卑猥な音が鳴り響く。
ささやかな谷間に顔を埋め、めいっぱい匂いを嗅ぐ。
「あッ、そんな吸っちゃっ……あぁんっ」
彼女の小さい手が、俺の頭に置かれた。乳首を吸うたびに髪の毛をぎゅっとつかまれる。
なんだか、優しく撫でられているみたいで心地いい。
しがみつくように細い背中に手を回すと、懸命に背すじを伸ばしているのが分かった。それが余計にぐっときて、狂ったように舌でおっぱいを舐め回してしまう。
「ん゛ぅッ……は、ぅっ……あぁ……」
やがて彼女の手が俺の頭から離れ、だらんと腕が下がった。舐めるたびに拳だけを力ませている。
そんな反応も可愛くて、俺はあおいの下腹部もいじりたくなった。
教室でしたみたいに、なめらかな太ももを撫で、スカートの中へと滑り込ませていく。嫌がる素振りはない。
ぴっちり閉じられた内股へ手を差し込むと、彼女がわずかに太ももを開いた。
湿り気のあるアソコに触れると、あおいが「ひぃんっ」と鳴いて体をビクつかせた。その反応も期待通りで、俺は乳房をちゅうちゅう吸いながら、パンツ越しにあおいの大事なところを指で押し始めた。
「んっ、あッ、だめぇっ……あんっ、ぁッ、ありむぅっ……」
彼女がひときわ甘ったるい声で俺を呼ぶ。教室のときみたいに細い背中が丸まってきている。それは腰を引こうとしているからなのだと、今やっと理解した。そういう反応をされると余計に攻めたくなる。
パンツが濡れているおかげで、あおいのぷっくりした割れ目がよく分かった。その狭間に指を押し込み、すりすりとこする。
「やっんぅッ……ぁッ、ありむぅっ、なんか言ってぇ……」
気持ちよさを紛らわせたいのか、それとも俺がさっきから無言なのが恐いのか、彼女が泣きそうな声で懇願してきた。
「……女の子のパンツって、こんな手触りなのな」
「わたっ……ん゛ッ、わたしのは、動きやすければ、いいかなってっ……」
「よくわかんないけど、あおいのここ、めっちゃ濡れてるぞ」
「ぁっ、言うなぁっ……あッ、きちゃっ……ぅッ、ん゛うぅぅっ——ッッ」
あおいの太ももがぎゅっと閉じて俺の手を挟む。ビクンと震え、彼女の顎が上向き、すぐ下を向く。
さっきよりも盛大にイったようだった。
ビクビクと体を痙攣させている。多分俺がずっと割れ目に指をあてがっているせいだ。絶頂に追い打ちをかけている気がするが、俺も興奮し過ぎて——あおいのイっている様子を見ていたくて、なかなか止められない。
ようやっとスカートから手を引き抜くと、彼女がはぁと甘い息を吐いた。
「あおい、またイったのか」
「……ありむぅ、やっぱ上手だよぉ……」
「あおいが感じやすいんじゃないか?」
「そっ、かなぁ……」
「てか、そろそろ挿れてもいいか?」
ちょっと勇気を出して聞いてみる。そういう流れとはいえ、ここまでとここからはレベルが違う。俺としても、あおいにその気がないのなら無理にするつもりはない。というかそんな度胸はない。
「いい、けど……ありむぅ、コンドームもってる?」
まさかあおいの口からコンドームなんて言葉を聞く日が来るとは。
「一応、持ってる」
俺はポケットから財布を取り出すと、中に入っていたゴムを一枚取り出した。
「もってんだ……」
「お守りっつーか、いつ何が起こるか分かんないだろ、現にあおいとこういうことになってるんだし」
「ぷふ、そんな必死にならんでも」
本当は財布にはあと二枚入っているが、それは黙っておく。
恋愛には興味ないとか豪語しておいて、ちゃっかりゴムを持ち歩いていたのを知られたのが、無性に恥ずかしい。多分相手があおいだからだ。
「……じゃー、わたし全部脱いだほうがいいよね。あっついし」
「あ、ああ……おう」
あおいは椅子から立ち上がると、スカートを下ろし、ついでとばかりにスポブラと揃いのパンツを脱ぎ、あっけなく全裸になった。
(さっきから思ってたけど、こいつ服を脱ぐのにあんま
エロいことしてるときはわりと恥じらい全開のくせに、こういうところは妙に思いきりがいい。……陸上部だからだろうか。
だけどもし、俺に対して気を許しきっているのが理由だったら、けっこう嬉しい。
(ていうか、あおいの裸って……やっぱエロいな)
よく引き締まった細身の体。
褐色肌が、へそ出しのユニフォームをかたどるように胸と、下腹部のところだけ白い。
小柄なくせにすらりと伸びた手足。
細くて筋肉質なのに、柔らかい太もも。
そして、毛の生えていない綺麗なアソコ、割れ目。
どこからどう見ても、女の子の体だ。
「ちょぉっ、あんまジロジロ見んといてっ……」
あおいが両腕で胸を覆い、太ももを交差させてアソコを隠す。そんな姿もエロい。
「俺も全部脱ぐわ」
「え、ありむぅも?」
「あおいだけすっぽんぽんなの悪いし、この部屋あちーし」
「あ、うん、そだね、この部屋あちぃー」
にひひと笑ったあおいの目の前で、そそくさと服を脱いでいく。物珍しそうに見つめてくる視線が気まずい。うん、確かにジロジロ見られるのは恥ずかしい。
「うわ、おっきぃ……」
「まあ、勃起してるからな」
「……わたしの体、見たから?」
「あおいの体見たり、さわったりしたせい」
「へぇー、ふ~ん」
なぜかテンションが上がったらしいあおいが、近づいてまじまじと股間を凝視してきた。「ほえ~」とか言いながら、今にも指でツンツンつついてきそうだ。
こんなに好奇心旺盛なガキみたいな顔で、ハシャいで……こいつは分かっているのだろうか。
「これ、今からあおいの中に挿れるんだけど」
「あ、あぁ~……はは」
やっと気づいたのか、彼女が気まずそうな苦笑いを浮かべる。こんな子と本当にセックスしていいのか?
「とりあえず、そこのテーブルに寝て。仰向けで」
「……うん、りょうかい」
あおいは弾かれたようにテーブルへ駆け寄ると、ピョンとお尻で飛び乗った。そのままゆっくり寝そべる。
俺もテーブルに近寄り、仰向けになった全裸の彼女を見下ろす。
「ありむぅ……これでいい?」
「……ああ、ゴム付けるからちょっと待って」
お腹につきそうなほど勃起したペニスに、コンドームを被せていく。初めてだが、一回で根元まで装着できた。
あおいの細っこい腰を引き寄せ、位置を調節する。
「じゃあ、挿れていくな。……ここでいいのか?」
「んッ、そこじゃないっ……あっ、うん、そこっ……」
割れ目の下あたり、チンコを挿れるにはあまりに小さい穴に、先端をあてがう。
「くっ……」
ゆっくり腰を押していくと、確かにペニスが埋まっていく感覚があった。狭い穴が押し広げられ、粘膜が亀頭を包んでいく。
「あッ、う゛ぅっ……」
あおいが苦しそうな声でうめく。
とろみのある愛液の滑りで、亀頭が収まり、肉竿が挿入されていく。そのたびに彼女はふーふーと息を吐いていた。
(あっつぅ……ッ)
根元まで入った瞬間、熱い粘膜にペニスが締め付けられた。初めての女子の膣の圧迫に、味わったことのない快感が上ってくる。気持ちよさで脳が灼き切れそうだ。
「あおいの中、締まってやばい」
「うぅっ……ありむぅの、大きいってっ……」
「あおいのが、狭いんだろ」
息が上がってしまう。それほどの締め付けだった。窮屈で、ぎゅうぎゅうとチンコを絞ってくる。女の中は精を吸い上げるためにできているのだと実感する。
俺はしばらく挿入したまま、快感に悶えていた。あおいの中が気持ちよすぎる。物欲しそうにきゅんきゅんと収縮して精子をねだってくる。動いていないのに、もう射精しそうだ。
頬をつたった汗が、あおいの体にポタリと落ちる。
「ありむぅ……ありがと、もう、へーき」
彼女が顔を歪ませながら、辛うじて笑みを浮かべた。
どうやらあおいが挿入に慣れるまで、俺が待っていてくれたと思ったらしい。
「ああ、じゃあ、動くわ」
「うん……い、いーよ」
おそるおそる腰を引いてみる。すると膣内が逃がさないとばかりに吸い付いてきた。
「うッ」
肉竿がきゅうぅっと吸引される快感に、情けない声が出る。なんなんだこれ。あおいの中がヤバすぎる。「んっ」「くぅっ」と喘ぐたびに、きゅうきゅうと締め付けてくる。あおいとのセックスがこんなに気持ちいいなんて、想像もしていなかった。
「あっ、ん゛ぅんッ——!」
ズチュ、と再び腰を押し込むと、彼女が噛み殺したような嬌声を上げた。
さっき時間を掛けて馴染ませたせいかフィット感がすごい。しかも熱い膣内がぐねぐねと蠢いて吸い付いてくる。こんなのあと何回か出し入れしたら絶対射精する。
「うっ、ぐッ」
案の定、ピストンをするたびに口から声が漏れてしまう。
「へへ……ありむぅ、苦しそ」
あおいがニヘラと笑う。どこか挑発されているような感じだ。
いつもは生意気に思うはずなのに、今はそれすら魅力的に映る。
「あおいだって、やばそうじゃん」
意趣返しとばかりに、俺はあおいに覆いかぶさった。正常位で膣内を犯しながら、彼女の耳を舐める。
「あんッ、ぁっ、それ反則っ……ひぁんッ——」
あおいが横を向いたので、さらされたこめかみや首筋に舌を走らせる。彼女の汗がしょっぱくて美味い。こうしてまじまじ見ると、ショートカットの後ろが少し刈り上げっぽくなっているのに気づく。
ズチュ、ズチュと膣中を
「ひゃぁ、ぅっ……ありむぅ、わきっ、だめぇっ……あぁんっ」
つるりとした腋の下をれろれろと舐める。自分がやられたら絶対耐えられないやつだ。こんないやらしいことをあおいにしていると思うと、また歪んだ興奮が上ってくる。
今度は舌を移動させ、上向いたおっぱいにしゃぶりつく。
仰向けになり、しかも両腕を持ち上げて上半身が伸びているのに、彼女の乳房はそれなりの柔らかさがあった。
「あぁッ、うぅぅっ……ッ」
小さい桃色の乳首を口に含み、じゅうっと吸い上げぱっと離す。あおいの反応がいいこの愛撫が俺は好きになっていた。
「ありむぅっ、イっちゃう」
あおいが俺をがしっとつかんできた。俺の顔が柔らかい胸に押し付けられる。温かい。そしてこれは撫でられているみたいで——一心に甘えてるみたいで胸が熱くなってしまう。気持ちよさが倍増する。
いつの間にかあおいの太ももが俺の腰を挟んでいた。がっしりホールドして離さない体勢だ。彼女が懸命にしがみつき、全身を力ませている。
「あッ……ん゛うぅぅぅっっ——ッ」
膣内の圧迫がさらに強まった。
(こいつ、またイったのか)
ぎゅうぎゅうと肉竿が絞られ、精巣から熱がこみ上げてきた。
「やばっ、出る」
体の奥がカッと熱くなり、ビュルルルッと射精が始まった。俺もあおいにしがみつく。微動だにしない小さい体へ精液を注いでいく感覚。ビュルルッビュルッと発射するたびに上ってくる恍惚感に酔う。
「くっ、うぅ……」
あおいのおっぱいに顔を埋めながら、情けない声を漏らす。そのたびに彼女が、俺の首に回している腕に力を込めた。
「……はぁ、はぁ」
気がつくと、俺はあおいを抱き締めながら脱力していた。
ゆっくり体を起こす。
彼女はテーブルの上でぐだっとなりながら、熱い吐息を漏らしていた。それに合わせて可愛らしいおっぱいが上下する。
「ありむぅ……気持ち、よかったね」
「……ああ、そだな」
体重をかけて押し潰していたので、少し焦る。だけどあおいは気にしていないようだった。さすが陸上部で鍛えているだけあるなと、変なところで感心する。
彼女の中からペニスを引き抜くと、コンドームの先端に大量の白濁液が溜まっていた。
一度の射精でこんなに出るものなのかと驚く。普段のオナニーよりも多い気がする。これも多分、あおいが相手だからだ。
「ありむぅこれで、ドーテー卒業?」
「あおいもだろ」
「うん、卒業しちゃった」
あおいがひょいと起き上がり、テーブルの上に腰掛けながら「うへぇ、ベトベト~」と自分の股下を見つめている。
(なんかピンピンしてんな……)
こっちはけっこうヘロヘロだというのに。
さすがは陸上部のスタミナだ。だけど俺だって体力には自信がある。
負けたくないという気持ちと、もっとあおいを抱きたいという性欲が合わさり、股間に再び血が集まってくる。
「あおい」
「んー?」
「もう一回、してもいいか」
「ぇ……ありむぅ体力馬鹿? あ、でもゴム……」
俺は脱ぎ捨てたズボンから財布を取り出すと、中に入っていた二枚目のコンドームを見せた。
窓からの陽射しは、かなり傾いてきた気がする。
だけどまだ部活練の声は響いている。時間はまだある。
「もう一回、あおいとしたい」
「……うん、いーけど」
あおいがテーブルの上に座りながら、両足を控えめにバタバタさせた。
——バチュンと、小気味いい音が資料室に響く。
「ありむぅっ、はげしっ……あぅッ、んっ、ああぁぁんっ——ッ」
あおいの細い腰をつかみ、小さいお尻に思いきり股間を叩きつける。
テーブルに両手をついた彼女を、俺はバックで犯しまくっていた。
ピストンをするたび、小さい体が前後に揺れる。褐色肌の背中はしなやかに反らされていて、ユニフォームの形に白くなっているのがエロい。
ショートパンツの形に白くかたどられた小尻を、容赦なく突く。
「あっ、あんッ……ありむぅ、たいりょくっ……んッ、おばけぇっ……」
パンパンと出し入れされながらも、あおいが抗議してくる。さっきはあんなに早く果てた俺が、かれこれ三十分くらいピストンをお見舞いしていることに驚いているのだろう。
彼女は知らないだろうが、男は一度出すと次に射精するまでのインターバルがある。おかげで俺は長い時間、あおいとのセックスを味わうことができ、可愛い反応を堪能できていた。
とはいえあおいのマンコが気持ちよすぎるせいか、俺の心拍も上がり続けている。サッカー部で鍛えていてよかった。
「あ゛ぁんっっ……んうぅぅぅっ……ッ」
バチュンと思いきり突くと、あおいの顎が上向いた。またイったらしい。ぎゅううっと膣内が収縮して、射精感が上ってくる。
けっこうな勢いで腰を振っているのに、彼女は体勢を崩さず耐えていた。細い腕に筋肉を浮かばせ、負けじと踏ん張っている。
ささやかな美乳がピストンに合わせて揺れ動いていた。きっとあおいの乳房がとびきり軟乳なせいだろう。
あおいを後背位で責め立てている光景がエロい。どんどん締まりを強める膣内が気持ちよすぎる。切羽詰まった猫声が可愛い。
「やばいっ、また……出る」
彼女の張りのある小尻をむんずとつかむ。バチュバチュと激しく小刻みに出し入れして、尻奥から精をひり出していく。
「ぐっ、う……!」
ビューっと精液が流れ出ていった。尿道を精液が流れる快感に卒倒しそうになる。あおいの小尻に指を食い込ませ、股間を押し付ける。尻穴をすぼめて子種汁を送り出す。
ゴムをしているのも忘れ、俺は彼女を孕ませているような感覚に酔いしれた。
「……あおい、平気か?」
「ん……へーき」
射精を終えたペニスを引き抜いても、あおいはテーブルに手をついた体勢を維持していた。
激しいピストンを、それも長時間受け続けたというのに、この小柄な体のどこにこんな体力があるのだろうか。
だけどさすがの彼女も、すぐには動けなさそうだ。お尻をこちらに向けたまま、はぁはぁと息を切らしている。
「少し休憩するか」
「そーするぅぅ……」
俺は教室から持ってきたペットボトルの水で喉を潤すと、あおいに差し出した。
「おぉ~……さんきゅ」
彼女が物乞いをするようにふらふらと近寄り、俺の腕をつかむ。そのまま水を飲み始めると、やがてペットボトルを奪い取った。
コキュコキュと喉を鳴らして水を飲む姿が、やっぱり小動物みたいだ。
「ぷはぁっ……ごめん、ぜんぶ飲んじゃった」
「いいよ。あおいのほうが汗かいてるし」
ついでに涙も流しているし、大量の愛液がテーブルに飛び散っている。水分消費量は明らかに彼女のほうが多い。
(次、あおいとするときは水二本くらい用意しとくか)
俺は、当たり前のように今後も彼女とセックスするつもりでいた。
きっとあおいもそのつもり……のはずだ。
こんなに気持ちのいいセックスを味わって、一回きりなんてことになるわけがない。少なくとも俺は、完全にあおいの体に沼った。
陸上部の習慣なのか、彼女が空になったペットボトルを握って潰していた。ベコッという音が静かな資料室にこだまする。
そういえば窓の外はすっかり赤みがかっている。部活連の声も、さっきより小さい。そろそろ服を着て帰ったほうがいいだろうか。
「ねー、ありむぅ」
「ん?」
「わたし、セックスすごい気持ちいいかも」
「マジか」
それは俺も同意だけど、まさかあおいの口からセックスなんて言葉を聞く日が来るとは。
「あのさぁ」
彼女が潰れたペットボトルをベコベコといじりながら、上目遣いで見つめてきた。
「ありむぅ、もっかいする……?」
……マジか。
俺は財布から、最後の一枚を取り出した。
「——んッ、んぅっ……ありむぅ、キス、もっかいっ……」
もう何度目かの催促に、舌を絡ませて応じる。
室内を夕陽が照らす中、俺は再びパイプ椅子に座り、あおいと濃厚なディープキスに興じていた。
さっきと違い彼女はこちらを向き、俺の腰にまたがっている。対面座位のセックスだ。
「あっんんッ、あッ、ありむぅのっ、おくっ、おく、あたっちゃう」
あおいは俺の肩に腕をかけ、腰と太ももの筋肉だけで跳ねていた。
ぐちゅ、ぐちゅとペニスが愛液をかき混ぜる音が鳴る。彼女が上下に動くたび、愛液が飛び散って俺の股下を濡らす。
目の前であおいが見たこともないような蕩け顔をしている。小ぶりなおっぱいが上下に揺れる。小麦色のなめらかなお腹に腹筋が浮き出て、それがとびきりエロい。
陸上やってる子は体幹を鍛えているから——というのは本当だった。
あおいの細身で小さい体が、吸い付きのすごいマンコが、活発に俺のチンコをしごいている。
「あっ、そこっ、ん゛んッ、やばっ……イっちゃうっ、んっあッ、あっうっうっうッあッ……」
あおいが顔を上向け、色っぽい首筋をさらした。
「ん゛うぅっっ——ッッ」
ビクンと体を跳ねさせて彼女が絶頂する。
俺の肩をつかんでいる手に力を込め、それでも耐えきれないのか体をぎゅっと密着させてきた。
柔らかい胸が当たって気持ちいい。あおいの吐息が首筋に当たってこそばゆい。
「ん゛ぅ」「んんッ」と快感に悶える横顔が可愛くて、たまらない。
俺は彼女の火照った体を抱き締めると、耳元につぶやいた。
「あおい、次、俺が動くわ」
「ぇ……ぁ、ちょ……まって」
「待てない」
彼女をかき抱いたまま、俺も腹筋と股間の力だけで突き上げる。
「ん゛あッ……あ゛あぁぁんッッ」
すぐ耳元であおいが濁った嬌声を上げた。くぐもった声音なのにアニメっぽい声なのがやっぱりズルい。
バチュバチュと肉棒で奥を押し上げる。あおいは膣奥がいいらしい。だからしつこく突き上げを続ける。
「あぅッあっ、あっあッ、あり、むぅっ、あっんッ、あっあんッ、きもちっ、あっはぁッ、あっあッ——」
あおいの喘ぎ声が俺の興奮を加速させる。
パイプ椅子がギシと音を立てた。俺は無我夢中で彼女の奥を攻め続けていた。
あおいもひしとしがみついて、ぎゅっと膣内を収縮してくる。彼女の柔らかい体の奥に引き締まった筋肉を感じる。俺もあおいを絞るように全身で抱き締める。それでもこの小さい体が壊れないのをもう知ってる。あおいは、全力で犯してもいいんだ。
「あッこれっ、ありむぅっ、これ好きっ」
「あおい、出る」
「うん、キスっ、キスしたいっ……」
あおいが求めるように舌を出してくる。顔と顔のあいだで舌腹を当て、絡ませ、顔同士もくっつける。どちらとも分からない口内で互いの唾液を混ぜ合う。
「ん゛ぅッ、ん゛んんんっっ……ッッッ!」
彼女が喉奥でうなった瞬間、俺の肉棒から精が飛び出した。ビュルッ、ビュッとなけなしの精液が噴き出る。
「んっん゛んッ……んっちゅ、ぅ……ぁっ、ぇぁっ、んむっ、んっんっ……」
互いの快感が口内で混ざり合う。
俺たちは絶頂の快楽に震えながら、しばらく舌を絡ませ続けていた。
◇
お互い服を着終えたのは、外が夕闇に染まる頃だった。
夏でなければ、もう日が暮れている時間だ。
後片付けは大変だった。お互いなけなしのポケットティッシュを持ち寄り、主にあおいの体やテーブルの上を拭いたり、窓を開けて換気をしたり。
でも、そういうのもひっくるめて、あおいと二人で悪いことしているみたいで悪くなかった。
「ふぃ~、廊下涼し~」
「資料室、暑すぎたな。クーラーないし」
「窓も開けらんないしねー」
「あおいがでっかい声出すからな」
「だってありむぅが……いや否定できないんだけどさ」
薄暗くなった二階の廊下を二人で歩く。
荷物は教室から持ってきていたので、あとは校舎を出るだけだ。
すると廊下の向こうから複数の人の気配があった。
「あ、部の先輩たちだ」
目をこらせば陸上部の練習上がりらしい男子生徒たちが、大きな声で話しながら歩いてくる。
「あおい、こっち。遠回りしていくぞ」
俺はあおいの手を取り、反対方向へと引っ張った。
「ありむぅ、どしたの」
「どしたのじゃねー。さすがに気まずいだろ」
「べつに、挨拶するくらい気まずくないし」
「お前なぁ……そんなボサボサの髪で挨拶する気かよ」
俺が何度も髪をくしゃくしゃにしたせいで、こげ茶色の毛先がいつもの倍くらい跳ねまくっている。
「え? あー、わたしは気にしないけど」
「女なら少しは気にしろよ」
「失敬な、気にするとこは気にしてるよ」
「どこだよ」
「リップとか?」
あおいが顔を上げ、無邪気に唇を見せてくる。
俺は内心でため息をついた。
自分で分かっているのだろうか。その仕草が、さっき資料室で何度もしてきたキスをねだるやつだってことを。
分かっていなさそうに、大きい瞳がパチクリと
目端には涙のあとが残り、頬もまだ紅潮していた。ブラウスのボタンも上から二つが外れている。
正直、あおいのボサボサ髪なんてどうでもよかった。
ただ、陸上部の男たち——彼女を
下駄箱で靴をはきかえ、念のため裏門のほうへ向かう。
俺もサッカー部のやつらに、あおいと一緒にいる所を見られたくなかった。なんとなく。
「ありむぅ」
「あん?」
「今度はさー、どっちかの家でしない?」
「……だな。学校だとさすがに危ないし、あちーし。ラブホとかも行ったことないし金ねーし」
つい饒舌になってしまう。
あおいも俺と同じ気持ちだったのが嬉しかった。
お互い付き合う気のない、俺たちにしか分からない、曖昧で気持ちのいい関係。
それをこれからも続けたいと思っていた。
「だねー。あ、ところでありむぅさ」
「おん?」
「タソガレたい気持ちは晴れましたかな?」
あおいが知ったような顔で聞いてくる。
正直、今あおいに聞かれるまで、明日の面倒な用事のことはすっかり忘れていた。彼女との強烈な初体験が、完全にモヤモヤを上塗りしてしまった。
「……そこそこな」
「ふふ、わたしも~」
それならよかった。
いつもと変わらぬペースで歩いていると、歩幅の小さいあおいが小走りで横に並ぶ。
「ねぇ、わたしたちってさー」
「……」
「セフレってやつかな」
「……セフレってやつじゃね? なんかこう、フランクなやつ」
「フランクなやつかー」
あおいが言葉を繰り返す。どうやら俺の答えに、ことのほか満足したらしい。
ふと、彼女が立ち止まった。
「あ、美鈴ちゃんだ」
「げ」
少し先に、見覚えのある後ろ姿があった。当然だが陸上のユニフォームではなく制服を着ている。
「おーい、美鈴ちゃーん」
「呼び止めるんか」
すぐに振り返った美鈴が、その場で立ち止まる。これは合流不可避らしい。
「あおいちゃん! ……と、ありむぅくんか」
俺とあおいで、明らかに声色も眼差しの温度もちがう。
美鈴は訝しむように俺を見つめ、軽く舌打ちまでした。やっぱり苦手だ。
「君たち二人、何してたの? こんな遅い時間まで」
「あっ、んー、ちょっとありむぅのタソガレに付き合ってた」
「なにそれつまんなそ」
「けっこう楽しかったよ」
「じゃあ俺、道あっちだから」
ここはすかさず退散するに限る。
「あ、うんっ、ありむぅまた来週ね~」
陽気に手を振るあおいに手を振り返し、俺は遠回りの道を歩き出した。
あおいと美鈴の後ろ姿をちらりと見る。
仲のいい女子は、秘密をなんでも共有するという噂を聞いたことがある。
だけどあおいは今日のことを、多分これから続いていく俺たちの関係を、美鈴には話さないだろう。そんな気がした。
「あっ……」
そういえば、あおいの連絡先を聞くのを忘れていた。クラスチャットから辿れるが、それはなんかキモい気もする。
(まあ、週明けに聞けばいいか)
俺はいつもより軽い足取りで、家路を急いだ。
◇
あくる日、土曜日。
親父と一緒に訪れたレストランで、俺は固まってしまった。
テーブルに座る、親父のお相手らしき小柄な美女。
その隣に——あおいがちょこんと座っていたのだ。
「あり……むぅ?」
目を見開いている彼女のリアクションからして、あおいのほうも寝耳に水だったらしい。
「いや、サプライズのつもりはなかったんだが、高取さんの娘さん、お前のクラスメイトだろ? 事前に明かしたら二人が教室で気まずくなるんじゃないかと思ってな」
聞いたところによると、親父と高取さん——あおいのお母さんは、クラスの親の集まりで意気投合したらしい。
というか、あおいの言っていた「ちょびっとしんどい用事」も、まさかこの顔合わせだったとは。
「二人は仲良かったりするのか?」
親父が無遠慮に聞いてくる。
「いや……最近軽く話す、程度かな。……なあ、
「え、うんっ! そだね、有村くんっ!」
そこからの会話の内容はほとんど覚えていない。
親父が、俺とあおいさえよければ来週くらいから一緒に暮らしたい、みたいなことを言って、俺が「いいんじゃね」と適当に返答した気もする。
ほぼ心ここにあらずだったが、すごく嬉しそうな親父と、高取さんの笑顔が印象的だった。
「——いや~、それにしてもビビった~! こういうことってあるんだね~」
あおいが公園のベンチで背伸びをする。
「連れ子がいるとは聞いてたけど、それがあおいとは夢にも思わねーって」
「わたしもだわ~」
レストランでやけに気まずそうな俺たちを気遣ったのか、高取さんが「二人で少し話をしてきたら?」と提案してくれたのだ。
そして今、レストランからほど近い公園にいる。積もる話は山ほどある。
「ブラウスをスカートに入れてるあおいを見る日が来るなんてな」
「そういうありむぅは、いつもと一緒だね」
あおいはけろっとした顔を浮かべているが、状況を分かっているのだろうか。これから俺たちは家族——兄妹として一つ屋根の下に暮らすということなんだが。
「あおい、ずいぶんあっけらかんとしてるよな。俺なんて混乱しまくってるんだけど」
「いやー、わたしも混乱してるよ、それなりに」
「そうは見えんけど」
「してるよー。まさか昨日ありむぅとあんなことになって、今日こんなことになっちゃうなんてさ~」
「ああ、だよな」
「でもさ、一緒に暮らすのが、ありむぅでよかったな~って安心もしてる」
「それはまあ……俺も」
どうせ家族になるのなら、気を許せて一緒にいると落ち着くあおいがいい。
というか境遇が似てるからこそ、俺たちは引きつけ合って、話すようになったのかもしれない。
「まあいいじゃん、二人ともなんだか幸せそうだったし!」
「能天気なやつだなー」
確かにあおいの言うとおり、親父と高取さんは思った以上に似合っていた。ちょうど凸と凹が重なるみたいな。
まるで、俺とあおいみたいに。
「それでさ、ありむぅはどっちがいい? 上と下」
「上と下?」
「そ、わたしの兄か弟。わたしは姉でも妹でもどっちでもいいよ~」
「そんな大事なことをさらっと決めんのか……じゃあ、俺が上で」
「ほい、じゃーわたしが妹ねー」
相変わらず気楽なやつだ。きっとこの能天気さに、これから俺は救われたりするのだろう。
「てか、来週から俺ら同居するっぽいな」
「ねー。あ、てことはさ、いちいち相手の家行かなくても、これからはお
ラッキー、みたいな顔で笑うあおいだが、分かっているのだろうか。
親父も高取さんもおそらく働いている。ということは日中ほぼ俺とあおいしか家にいない。そうしたら絶対、けっこうな頻度でそういう雰囲気になる。つまりはヤりまくってしまうということなんだが。
「あ、そだ、ありむぅアドレス教えてよ」
「クラスチャットから辿れるぞ」
「えー、それなんかコワくない?」
「だな」
俺はアドレスのQRコードを差し出した。
あおいがスマホでそれを読み取る。
今日俺に、気の合うセフレの、義妹ができた。
読んでいただきありがとうございます!
元気で明るい幼馴染(彼氏あり)を「手に入れる方法」が分かるようになった主人公が、幼馴染を寝取ってハッピーエンドにするお話もぜひ。
↓
『クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話』
https://h.syosetu.org/novel/305025/
※コミカライズも連載中です※
https://comic-walker.com/detail/KC_006678_S