「おかえりなさい」
仕事を終えて会社から帰宅すると、白いエプロン姿の女性が玄関で出迎えてくれた。儚げな雰囲気の女性は人を安心させる微笑みを浮かべている。綺麗だ。何度も見ているはずなのに思わず見惚れてしまったが、俺はすぐに我に返って返事をした。
「ただいま、
俺の言葉にその女性、恋人である
美優は俺のスーツの胸元に鼻先を埋め、呼吸を繰り返している。匂いを嗅がれている。そのことに気がついて心臓が大きく高鳴ったときには既に美優は出来上がってしまった。
「はぁ……」
顔を上げた美優は息を熱とともに吐き出し、俺の顔を見上げる。頬は朱に染まり、瞳はとろんと蕩けた様子だ。清楚さを感じさせながらも色気を湛えたその顔を向けられ、俺は呼吸を忘れた。息苦しいはずなのに気にならない。今はなにもかもを忘れて目の前の魅力的な女性の視線を交わしていたい。そう思って美優の目を見つめていると、美優の顔が近づいてきた。
唇に感じた柔らかさとじわりとした熱。美優が首の後ろで縛った茶色の髪を揺らす度に、さっきよりもはっきりと甘い香りが伝わってくる。突然のことに思考を奪われ、俺は後ずさった後に玄関の扉に背を預けた。
「くちゅ、ぷちゅ、ちゅ、あっ、んっ……」
美優が積極的に俺を求めて口づけをしてくる。唇同士が触れる程度の軽いものではない。舌と舌を、唾液と唾液を絡ませる愛情いっぱいのキス。瞳にハートマークが浮かんでいると見間違えるほどに美優は興奮していて、それに吊られて俺の気分も舞い上がっていった。
「はぁっ……はぁっ……んっ!?」
口づけの合間、ようやく呼吸を思い出して酸素を取り込んだ俺だったが、すぐに美優に求められた。当たり前のように再び侵入してきた舌が口内を撫で回す。マーキングをするように、唾液を塗りたくられていく。
俺はされるがままだった。美優の貪欲な口づけと熱い抱擁。腹にぐりぐりと胸を押し付けられ、その母性的な弾力と体温で欲求が募っていく。
スーツのズボンを内側から押し上げる物体。つい最近童貞を卒業したばかりの男根が再びの出番を期待して震えていた。
「ふふっ……ふーっ……」
背伸びをした美優が俺の耳に息を吹き掛けられる。その上さらに美優の舌で首に舐められ、吸い付かれたことで俺の体は弛緩した。自力で立っていることができず、美優が俺の体から離れた瞬間、扉にもたれながらその場に座り込んでしまった。
「ご馳走さまでした」
ぺろりと唇を舐め、俺を見下ろす美優。ぞっとするほどの妖艶な空気を感じ、俺は座ったままズボンにさらに大きなテントを張った。
「今日も元気いっぱいですね」
それを見た美優は嬉しそうに目を細め、口許を笑みの形に歪めた。俺は心臓を高鳴らせながらその魅力的な顔を視界に収めることしかできず、美優が自身の下半身に手を伸ばすのを黙って見届けた。
「見えますか、これ」
美優の人差し指が向けられた場所を見る。エプロンの前掛け部分だ。フリルのついたそこは美優の太股を隠している。しかし、美優によって託し上げられると、短いスカートから伸びる健康的な太股が披露された。
太股に巻き付く黒いガーターベルト。そこにはピンク色の四角い装置が二つ設置されていた。オンオフを切り替えるだけの簡単な仕組みのそれらからはピンク色の細いコードが伸びていて、スカートの中にまで続いていた。
「準備を整えておきました。あなたのために」
染みひとつない太股を伝う透明な液体。耳を済ませば聞こえてくる振動音に合わせて、とろとろと次から次へと休みなく垂れている。
「今日も私の中で気持ちよくなってくださいね?」
追い討ちをかけるように紡がれたその言葉。女性の味を知ったばかりの俺が我慢できるわけもなく、首を縦に振った。そんな俺を前に美優は小さな笑い声を漏らし、再び舌舐めずりをした。
「んっ、あっ、あんっ、あぁっ……!」
照明の消されたベッドの上。スーツを脱いで横になった俺は、美優の騎乗位ピストンを受けていた。美優は俺の両手の指を絡ませるように握り、そこを支点にして体を揺らす。それに合わせて俺の男根が美優の膣内を出入りするのが、揺れるエプロンの前掛け部分からチラチラと除いていた。
「えいっ……! えいっ……!」
楽しそうに腰を振る美優。さっきまでと異なる裸エプロンという装いで俺を味わう。エプロンから谷間が確認できる豊かな胸を揺らし、俺が以前プレゼントしたネックレスの先端が谷間に挟まれて乳房に埋もれていた。
ぱちゅっ、ぱちゅんっ、と膣から湿った音が響く。俺が帰宅するまでローターで解していた膣の具合はよく、愛液に塗れた温かな膣肉が絡みつかれて強い快感を受ける。
「こんなに硬い……。あっ、昨日あれだけたくさん出したのに、んっ、あっ、素敵っ、素敵っ、素敵っ。今日も玉袋の中の濃厚精子、どぴゅどぴゅーっと吐き出させてスッキリさせてあげますからね……?」
パンッ、パンッ、パンッ、と俺の股間に叩きつけられる美優の尻。音は鳴り止まず、俺の耳を刺激する。発情しきった美優に犯されながらあらゆる性的刺激を受けてストレスが一気に浄化されていく。
言葉が出なかった。美優の強い愛情を受けるだけで精一杯だ。美優はそれでも満足しているようで、俺に向かって愛に満ちた言葉をかけ続ける。
「あなたの赤ちゃん欲しいです……」
顔を近づけ、涙目になって俺を求める美優。しおらしい態度ではあるのだが、腰遣いは大人しくなるどころか余計に荒々しくなった。
「いつでも出していいですからねっ。あなた専用の子作り部屋で精子をごくごく飲みこんで、あなたの精子と私の卵子を結びつかせて、赤ちゃん作っちゃいましょうね……?」
子作りをする上でいろいろと考えなくてはいけないことがあるのだろうが、今はろくに思考がまとまらない。艶やかに笑う美優が美しくて、俺の肉棒をしゃぶり続ける膣がエロすぎて、俺はあっという間に美優に搾り取られてしまった。
どくっ、どぴゅっ、ぶびゅびゅ。
「あっ、あはっ、ふふっ……。出してぇ……!」
どくんっ、びゅるるっ、どくっ。肉棒から放たれる精液。射精に伴う強烈な快感に支配される。頭がぼうっとして、目の前で笑う美優のことしか考えられなくなる。
俺が美優と付き合うようになってまだ一ヶ月しか経っていない。休日に外を出歩いていた俺が美優と偶然出会ったがきっかけだ。道端でヒールが折れて困っていた美優に声をかけただけのはずだったが、なぜか異様に好意を寄せられた。
あのとき、美優はなぜあれほど積極的に俺を求めてきたのだろうか。俺が近づいた瞬間から顔が赤くなって、しきりに鼻を鳴らしていたことも少し気になっていた。そのときの気持ち良さそうな顔も覚えている。
もしかすると、俺の体から女性を引き付けるフェロモンでも出ているのかもしれない。いや、それはあり得ないか。それなら今ごろとっくに俺は女性からモテていたはずだ。
美優だけが特別? 特定の女性だけが惹かれる匂いとか? それこそあり得ないだろうが、本当のことは誰にもわからないだろう。匂いについて詳しい人がいれば話は別だが。
そんな無駄なことを考えていると、美優の顔が迫ってきた。美人に顔を近づけられるとつい驚いてしまう。俺の胸板に胸を押し付け、にっこりと笑った後に舌を伸ばしてくる美優。俺はそれを舌で出迎え、触れ合わせた。
「んちゅ、んっ、ちゅるっ、くちゅっ……」
時おり鼻を鳴らして俺の匂いをかぐ美優に迫られて、俺は何発も射精させられた。すべて美優の中で生中出し。昨日よりもずっと濃いものが出てしまった。これはもう孕ませてしまったかもしれない。
俺の子供。こんな美人と家庭を設けることになるとは思いもしなかった。人生何があるかわからないものだ。
そう思いながら美優と出会えた幸運を噛み締め、美優の温もりと愛情を心行くまで楽しんだ。
その翌日の夜のことだった。
「あの、よろしければこれから一緒に飲みにいきませんか?」
うっとりと微笑む長身の美女。ふわふわとしたボブカットの髪を揺らし、神秘的と思えるほど整った顔に浮かぶ青と緑のオッドアイが俺を見つめている。町中で出会った男に向けるにしては欲望に染まっていて、気のせいか美優と似たような雰囲気を感じた。
どこかで見たことのある顔だと思った。芸能人に似ているとかか? それとも、この人自身が芸能人なのだろうか。テレビをあまり見ないため最近の芸能人がわからず、名前などは出てこなかった。
「少しだけ、お猪口にちょこっとだけでいいですから、ね?」
美人にここまで誘われて断れるだけの精神を持ち合わせていなかった。怪しい客引きでもなさそうだったため、俺はつい誘いに乗ってしまった。
自分がそこまで酒が強くないことを知りながら。
「んっ、本当にいい匂い……」
この後、酔い潰されて彼女の自宅に持ち帰りされることなど知る由もなかった。後悔先に立たず。美優を裏切ってしまったことに気がついたのは、