無口で無表情な年上彼女と体を入れ替えて純愛系いちゃらぶえっちで蕩けあう話 作:しじままどせ
「……新しい水着が欲しい」
「水着、ですか。そういえばもう夏ですもんね」
「……ん」
「優衣さん、泳げるんですか? こう言ったらあれですけど、あんまり運動が得意そうに見えませんけど」
「地元ではトビウオの優衣として有名だった」
「と、トビウオ……? 本当ですか?」
「……嘘」
「嘘かい」
「10mくらいしか泳げない。水着も中学生の頃のスクール水着しか持ってない」
「えーっと、優衣さんってときどきしょうもない嘘をつきますよね」
「でもあなたとプールへ行きたい。ナイトプールでもいい」
「そうおっしゃっていただけるのは嬉しいですけど」
「……見て」
優衣さんは実家から届いたらしい段ボール箱をごそごそやって、中から一枚の紺色をした布を取り出した。化学繊維でできた学校用の水着──いわゆるスクール水着だった。
ふふん、とドヤ顔をしながら彼女はそれを胸元に当てて僕に見せつけてくる。
その水着のサイズ感はほとんどぴったりに見えた。
「中学生の頃の水着、サイズ的にはまだ着れる」
どやぁ、という擬音が似合いそうな雰囲気で彼女は言った。僕はどう反応していいものかわからなくて、とりあえず愛想笑いを浮かべた。
優衣さんは無口で無表情な僕の恋人だ。
基本的にはクールな印象の強いひとで、けれども僕の前でだけはちょっとおどけてみせることもある。つまりスク水を体に押し当てている今みたいに。
彼女は小柄で華奢だから、中学のときのスクール水着が今でも問題なく着られることを主張している。優衣さんは身長は150cmあるかないかだし、胸やお尻も控えめだ。だからまあ、たしかに着れなくもないだろう。
「でも優衣さん、もう二十歳ですよね。さすがにプールでスク水はマズいですよ」
「もちろん。さすがに外では着ない。あなたに見せたかっただけ。興奮しない?」
「え、何がです?」
「わたしの中学の頃のスクール水着」
「いや、僕、ロリコンではないので」
「……むぅ」
優衣さんはむーっと頬を膨らませた。不満だったらしい。でも甘えた顔である。
いかにも『わたしはワガママを言っているんだよ』と言わんばかりの顔。
ちょっとフォローをした方がよさそうだ。
「だから新しい水着を買いに行こうって話になったんですね。そういうことでしたら、僕も協力しますよ。一緒に買いに行きましょう」
「……ん」
「それに僕、こう見えても優衣さんとデートするの好きなので、一緒に水着を見に行くの楽しみです」
「優しい、ありがと、大好き」
ぽいっ、と優衣さんはスクール水着を段ボール箱に投げて、ぎゅーっと抱きついてきた。
そのとき僕はリビングルームのソファーに座っていたから、ソファーのスプリングがぎしっと音を立てた。
そして彼女の小さな身体が僕の胸板に乗っかる。ふわりと女の子の匂いがして、優衣さんのあまり重くない体重を感じて、心臓がどきんと跳ねた。
もう交際を始めて半年──同棲を始めて一年だというのに、優衣さんとくっつくたびにどきどきしてしまう自分がいる。
「あの、優衣さん……、苦しいんですけど……」
「やだ?」
「嫌じゃないですけど、むしろ嬉しいくらいなんですけど、ちょっとだけ力を弛めてもらえると助かります……」
「……ん」
僕のひざの上に座って、彼女は僕から上半身を離した。
けれども優衣さんの手のひらは僕の胸板にあいかわらず当たっていて、僕の胸筋をふにふにと撫でていた。腋の方から波線を描くように手を滑らせて、胸の上あたりをすりすりとさすってくる。
どうやら離れる気は無いらしい。むしろ積極的にスキンシップをしてくる感じだった。
「ゆ、優衣さん?」
「なに?」
「えっと、手つきがいやらしいような気がしますけど……」
「気のせい」
「そうですかね」
「……ん」
ぺたぺた、さわさわ、と優衣さんが遠慮なく僕の身体をまさぐってくる。なんだかくすぐったいけれど、けっして不快ではない不思議な感覚があった。
優衣さんは眼鏡越しに熱っぽい瞳で僕のことを見つめながら指先を動かしている。まるで何かを確認するかのように、あるいは僕がどんな反応をするのか試しているかのようだ。
あ、これ、どうも優衣さんは発情しているっぽいな、と察した。
さすがに一年も同棲をすると相手がどういう気分なのかわかるようになるものだ。とくに僕たちは互いに体を共有しているようなものだから、相手のバイオリズムなんかもなんとなく察することができる。
「あのさ、優衣さん、もしかしてムラムラしてます?」
「……ん」
「えっと、今日は土曜日ですし、予定もないですから、今からします? てっきりこれからショッピングセンターに水着を買いに行くのかと思っていましたけど」
「いえ、セックス」
「あー、そうなんですね。まあいいか、じゃあセックスしましょっか」
「あなたの話の早いところ、大好き」
「褒めてます、それ?」
「褒めてる、褒めてる」
くす、と優衣さんは笑って、それからやや上を向いて目を閉じた。
つまりキスしてほしい、というジェスチャーだ。
だから僕は彼女の華奢な背中に左手を回してそっと抱き寄せ、右手を顎にかけてくいっと持ち上げてからキスをした。
唇同士が軽く接触するだけの軽い口づけ。
柔らかな感触が伝わってくる。
ちゅっ、ちゅ、と音を立てて何度かついばむように唇を重ねて、それから離すと彼女はふにゃっと目を細めた。
「……キス、好き」
「僕もですよ、優衣さん。セックスしたくなってきました」
「珍しい。あなたがセックスに積極的だなんて」
「優衣さんがえっちなので」
「それはそう」
「あはは、否定しないんですね」
「……ん」
優衣さんはこちらの首に腕を回すようにして抱きついてきて、再びキスをする。今度はさっきよりも深く、互いの舌が絡み合うディープなものになった。
彼女の胸が僕の胸に押しつけられる。
柔らかくて温かい感触があって、心臓の音が聞こえてくるような気がした。もちろんこれは錯覚なのだろうけれど、それでもドキドキしていることはたしかだと思う。
「……入れ替わってセックスがしたい」
「えー、折角ですから今日は元の体でしましょうよ」
「やだ。女の子になって」
「僕、自分の体でする方が好きなんですけど」
「わたしもあなたの体でするのが好き」
「お揃いですね、まったく……」
やれやれ、と僕は苦笑した。
僕と優衣さんは額を重ねて『チェンジ』と合言葉を唱えることで体を入れ替えることができる不思議な能力があるのだ。
初めて能力が発現した一年前以来、僕たちはこの能力をフル活用して身体を入れ替えたり戻したりして穏やかで刺激的な日常をすごしていた。
お互い相手の体でセックスをすることも慣れっこだし、今では互いの体を知り尽くしていると言っても過言ではないだろう。
でも、
「わたしの中学の頃のスク水を着ているあなたとセックスがしたい」
と、優衣さんがいきなり言い出したので面食らった。
「えーっと、何ですって?」
「だから、中学の頃のスクール水着を着たあなたを抱きたいと言っている」
「あー、なるほど……? もしかしてそのためにご実家からスク水を取り寄せたんです?」
「そう。あなたに古いスク水を着せることによって水着への機運を高め、新しい水着を買うためのモチベーションを高くしたかった」
「うわ、理屈がむちゃくちゃですよそれ……」
「うるさい」
ひたっ、と優衣さんが僕の頬を叩いた。痛くはない。むしろ可愛らしいくらいだ。というかだいぶ可愛い。
彼女は頬をぷくっと膨らませながら言う。
「新しい水着を選ぶために、客観的に水着を見たい。そのためにはあなたにわたしの体になってもらって水着を試着してもらいたい。けれどあなたが水着を着慣れていないとショッピングセンターで困るかもしれない。だからまずわたしのスク水で女性用の水着に慣れてもらう必要がある。だからわたしのスク水を着て、あとついでにセックスがしたい」
だだだ、と彼女は一気にまくし立てた。
口調こそいつも通り淡々としたものだったが、長文を喋ることによって煙にまこうとしていることは明らかだった。
でも、まあ。
無口で無表情な優衣さんが多弁になるということはそれだけ彼女が本気だということだし、何より僕に対して甘えてくれている証拠でもあるわけで。
だったら彼女の願いに応えてあげることが恋人としての務めというものだろう。
それに、実のところさっきから僕もむらむらしていて、もう何でもいいからセックスがしたい! という気持ちだったし。
「わかりました、優衣さん。じゃあ、入れ替わって僕が優衣さんのスク水を着て、それからセックスしましょうか」
「ん、ありがとう」
「どういたしまして」
こちらが折れたことに安堵したのか、優衣さんはほっとした表情を見せた。
そしてキス。今度は軽く。
もうじき夏だというのに体が密着していてもぜんぜん暑くない。それどころかすこしひんやりしていて心地いいくらいだった。
優衣さんの肌の感触を味わいつつ、僕は思う──やっぱり僕はこの人のことが好きだなあ、なんてことを。
「じゃあ、替わりましょっか」
「……ん、替わる。額を重ねて」
「ええ、重ねて……」
目の前に優衣さんの綺麗な瞳。柔らかな香り。超至近距離で見つめ合う。
覚悟を決める。
そして、
「「──チェンジ」」
合言葉を唱えた。
その瞬間ぐるんと目の前が真っ白になった。
浮遊感。
脱力感。
安心感。
そして僕は優衣さんに、優衣さんは僕に、入れ替わったのだった──。
◇◇◇
目が覚めると『僕』のひざの上に座っていた。
体中がじんわりと熱くなっていたから、きっと長いこと撫でてくれていたのだろう。
「おはよう、優衣」
「優衣さんはあなたですよね、おはようございます。僕、けっこう寝てました?」
「十分程度。寝顔が可愛かった」
「顔の造形は優衣さんそのものでしょうに」
「自分の寝顔を客観的に見ることって、珍しい」
「まあ確かに。でも……、なんだか恥ずかしいですね」
「可愛かった」
「……ありがとうございます」
えへへ、と笑ってみせると優衣さんもくすりと笑みをこぼした。
どうやら入れ替わりはつつがなく成功したようだ。
体を検分してみたけれど、僕は優衣さんの体──つまり小柄で華奢で童顔な女の子。胸の大きさだけも控えめだけれど、しかし確実に女の子だとわかる形の体──になっていた。
優衣さんは優衣さんで僕の体になっていて、自分で言うのもなんだけれどなかなかの美形になっている。とくに表情の付け方が僕よりもずっと冷静で大人びていて、それでいてどこか蠱惑的だ。
顔立ちは同じなのに、雰囲気が違うだけでここまで印象が変わるのかと感心してしまうほどだった。
「顔が赤い。大丈夫?」
「いえ、優衣さんの顔に見惚れていただけです」
「元々はあなたの顔では……?」
「そうなんですけど、優衣さんが操縦しているとやっぱり違いますよ」
「そういうもの?」
「そういうものです。優衣さんもそう思いません?」
「確かに、わたしの体を使っているあなたの方が、わたしが自分の体を使うよりもずっと愛らしい」
ふむふむと納得しながら彼女は頷いて、それから僕のアゴをくいっと持ち上げてキスをした。
唇同士が触れ合うだけの軽い口づけ。
そして唇を割り開いて中に長い舌がぬるりと侵入してくる。
「ん、ふ……っ♡ ぬ、ちゅ……ちゅ♡ れぅ、んむぅ……っ♡」
舌と舌が絡み合い、唾液が混ざり合ってゆく感覚があった。
口腔内をねぶられるたび快感が背筋を駆け上ってくるようで、それにあわせて背骨を撫でられると思わず腰が浮いてしまう。
体の奥がぎゅーっ♡となって、切ないようなもどかしいような感覚に襲われる。
そんな状態で舌を吸われたり甘噛みされたりするともうたまらない。頭がぼーっとしてきて、ほんの一瞬で蕩かされてしまった。
「は、は、は……っ♡ ゆう、い、さん……、もぉ、いきなり、こんな……♡」
「あなたは可愛いからついいじめたくなる」
「いじわる、ですよ」
「やだ?」
「嫌じゃない、ですけど……」
蕩けたままぶうたれる僕を、優衣さんはひょいっと立ち上がらせて頭を撫でた。
肩くらいまで伸ばされた黒髪が耳元でサラサラと音を立てる。ああ、髪が長いんだな、となぜかしみじみと実感した。
「では、スク水に着替えて」
「あー……」と思わず声を漏らす。
そういえば、そうだった。
優衣さんのために、優衣さんの体で、優衣さんが中学時代に使っていたスク水を着ないといけないんだった。
冷静に考えるとめちゃくちゃ恥ずかしいのだけれど、優衣さんはらんらんとした目で僕を見ているし、ここでやっぱり無理ですと逃げ出すわけにもいかないだろう。
もし逃げたら後ろから追い迫られて、押し倒されて、そのまま後ろからブチ犯されてしまうかもしれない。いや、たぶん間違いなくそうなると思う。
小柄で華奢な僕が、体格的にまったく抵抗できないままに無理やり押さえつけられ、何度も何度も中出しされて、意識が飛ぶほど激しく優衣さんから責められる。
「……あ♡」
それ、めちゃくちゃ魅力的だな。
腹の奥がぎゅーっ♡となって、あわてて僕はかぶりを振った。
いけないいけない、キスで蕩かされているところにこんな被虐的な妄想をしたら、興奮してしまう。ただでさえこの体は元々むらむらしていたのだから、余計に興奮してしまって歯止めが利かなくなってしまうだろう。
優衣さん以上に淫乱な女だと思われたら癪だし、ここは我慢しないと。
「……優衣?」
「だから優衣さんはあなたですって」
「顔真っ赤。だいじょうぶ? スク水着れる?」
「着ます、着ますよ、もぉ……」
照れ隠しに頬をふくらませてそっぽを向くと、また優衣さんに頭を撫でられてしまった。
優衣さんの優しくて大きな手が心地いい。このままずっと撫でられていたいと思うけれど、さすがにそういうわけにはいかないので、名残惜しくも彼女の手から離れた。
すると段ボール箱から取り出したスクール水着を「はい」と手渡された。
「あ、うぅ……」
スク水は、思った以上に軽かった。
紺色の軽くテカテカした生地。胸の部分にはゼッケンが縫い付けられていて、そこには油性マジックで「3-C さくら ゆうい」と書かれている。
優衣さんが中学時代に本当に着ていたスクール水着。
これを、僕が着るんだ。
めちゃくちゃ変態っぽい。
ただでさえ二十歳越えてスク水っていうのがヤバいのに、しかも女装だなんて。いや、今の僕は女だけれども。
ごくりとつばを飲み込むと、優衣さんは優しく微笑んだまま僕の頬をするりと撫でた。
「がんばって。応援してる」
「あ、ありがとうございます……?」
「……ん」
「そ、うですね。じゃあ、えっと、着替えるので、ちょっと向こうを向いていてもらえますか?」
「やだ。見る」
「あぁ、そうですか……。はぁ……、優衣さんは本当に素直なんだから」
「だって、見たいもの」
「はいはい、わかりましたよ。でも、あまりじろじろ見ないでくださいよ?」
「わかった」
こくんとうなずく彼女を尻目に、僕はいったんスク水を床に置いて、それからいそいそとブラウスのボタンを外していった。
男性とは逆のボタンにも慣れたものだ。
なにしろ優衣さんの体で半年も過ごしたのだし、一生彼女の体で生きることも覚悟したことがあるのだし。
ぷちぷちと丁寧にひとつずつ丁寧にボタンを外していくと、優衣さんの視線が僕の胸に突き刺さるのを感じた。
白い、フリルのついたブラジャーに包まれた、胸。普段は地味な下着が多い優衣さんにしては珍しく愛らしい装飾が過多なそれは、先日一緒に買い物に行ったときに入手したものだった。
たぶん優衣さんなりの誘惑なのだろう。誘惑をされている対象は僕なのか優衣さんなのか、という問題はあるけれど。
前かがみになってブラのホックを外し、上半身を露出させる。
「──ッ」と優衣さんが息を飲んだ。
自分の体だというのに、優衣さんの視線は僕の胸の丸みや先端、腰のくびれやヘソの穴へと注がれている。
まるで視姦しているかのような熱い視線に、僕も思わず唾を飲み込んでしまう。
「あの、あんまり見られると、恥ずかしいのですが……」
「いいから、いいから」
「もぉ、しょうがない人なんですから……」
そうつぶやきながら腰の脇にあるホックを外して膝丈のスカートを脱ぎ落すと、ショーツ一枚しか身につけていない状態になった。
ショーツもまたフロントにフリルのついた白くてかわいいやつだ。
ハーフバックタイプのやつで、お尻が半分くらい見えてしまう。それがすごく恥ずかしかった。
でもきっと優衣さんはお尻が見たいだろうと思って彼女に背を向けて、お尻の丸みを指でなぞるみたいに尻肉をなぞってみる。
するり、さわり。しっとりと指先に吸い付くような滑らかな肌触りだった。
優衣さんはいつもこんな素敵な体をしていたんだな、と感慨深く尻を撫でていると、背後で優衣さんがごくりと生唾を飲む音が聞こえたような気がした。
「……煽っている?」
「ええ、まあ。襲いたくなっちゃいました?」
「わたしがもしも男なら『後で覚えてろよ!』と叫びながら服を脱ぎ捨てていたと思う」
「ふふ、なんですかそれ」
「男の本能」
「わあ、こわいですね」
「……後で覚えてろよ」
低い声で、優衣さんが言う。男性的な口調だった。なんだかゾクゾクしてしまった。
ぎゅーっと下腹部が締め付けられるような感覚がして、その甘い刺激に背筋が震えた。
たぶん、濡れた。
そのまま腰のゴムを引っ張ってショーツを脱いでみたら、案の定ぬとぉ……っ♡と透明な糸が引いたのがわかった。
秘部からクロッチが剥がれる際に、粘っこい蜜液が何本も糸を引いていたのだ。
「……濡れすぎ」
「も、元々ですよね? 入れ替わる前から優衣さんの体、濡れていたでしょう?」
「ここまでではない」
「いや、そんなはずは──」
そこまで言って、口をつぐんだ。
優衣さんの熱っぽい視線が僕の股間に向けられていることに気づいたからだ。
そこは縦に一本のまっすぐな割れ目が走っていて、ひくひくと震えながら今も蜜を吐いている。内ももを伝って垂れてゆくそれを指ですくってみると、透明でぬるぬるとした液体が絡みついた。
そんな裸の僕を優衣さんは上から下までじっとりと眺めていて、まるで『今すぐこのメスを押し倒したい』と思っているかのように唇を嚙んでいた。
本来の彼女は視覚から興奮を得るタイプではないのだけれど、少なくとも僕の体になっている時は違うらしい。いや、もしかしたら単純に発情しているだけかもしれないけれど。
これは今日は足腰が立たなくなるかもしれないな、と思って、僕は苦笑した。
「次はスク水を着て」
「はいはい、わかりましたよ。でもいいんですか? 今すぐブチ犯したいって顔してますけど」
「あなたこそ、今すぐブチ犯されたいって顔してる」
「まあそうですね。でも僕は我慢強いので」
「わたしも我慢強いタイプ」
「そういえばそうでしたね」
冗談めかして言いながら、優衣さんは床からスク水を拾って裸の僕に手渡してくれた。
僕はそれを手に持って見る。
紺色一色の布地で作られたシンプルなデザインだ。当たり前だけれど女性用で、胸元までを覆えるタイプ。
優衣さんの体で女装するのは慣れたものだけれど、さすがにスク水は着たことがなかった。まだまだ優衣さんの体で体験していないことはたくさんあるのだ。
これは、どうやって着たらいいのだろう。
やはりオーバーオールみたいに足から順番に着るのだろうか。体のラインが丸っと出そうで恥ずかしいけれど。
中学生時代のモノとはいえサイズ的には問題なさそうで、とりあえず着てみようと胸元に視線を落とす。
小さな丸い胸のふくらみ。どう見てもペニスの生えていない股間。明らかに女の子の四肢、肢体。
「……えーっと、じゃあ、着ますね」
宣言をして、スク水の肩紐のあたりをぐいっと広げた。
そして片足ずつ順番に通していく。
まず左足を入れて、次に右足を入れる。少し狭い。
そのままパンツを穿くのと同じ要領でスク水を引き上げていく。
腰回りの生地が伸びてぴっちりと肌に張り付いた。
「んっ」
と声を漏らしながら股座をぎゅっと締めて生地をお尻と股間のところまで押し上げ、まず下半身をショーツみたいに穿いた。
布越しにお尻とあそこの形がくっきり浮き上がるような気がした。
女性用のショーツを穿いた時と同じで、普段よりもくっきりと自分の形を感じるというか、つまりとてもフィットしている感じになる。そこに何も生えていない感じが強調されるというか。
「はぁ……」と小さく息を吐くと、じゅわーっ♡とスク水の股間部分に愛液が染み込んでいくのがわかる気がした。
「……えっち」と優衣さんが低い声で言った。
「あ、すみません」
「ううん、別にいいけど」
「そうですか……、でもなんか、これ、すごいですね……」
「なにが?」
「生地がぴったり張り付いて、あそこの形がはっきりわかりますし……、それになんだか、すごくムラムラします……」
僕がそう言うと優衣さんはクスクスと楽しそうに笑った。ソファーに座ったままいつの間にかズボンを脱いでいて、勃起した陰茎を手でこすっていた。
先っぽからカウパー腺液がこぼれている。
どうも僕はオカズにされているらしかった。
「優衣さんの方がえっちじゃないですか」
「その傾向は、ある」
「否定してくださいよぉ」
「いいから、着替えて。まだあと半分ある」
「……もぉ、はあ。えっちなことになると人使い荒いんですから」
「お互いさま」
「それもそうですね」
優衣さんに促されるまま、僕はとりあえず海水パンツみたいになって腰のところで丸まっているスク水の肩紐を掴んで上に引き上げていく。
僕は女子だから、胸を隠さないといけないから。
でもこのスク水を引き上げるという作業がなかなか厄介で、お腹の下あたりまで引き上げた時点でいったん手を止める。
けっこう締め付けがあって窮屈なのだ。肌に吸い付くみたいに密着をしてくる化学繊維が気持ちいいような気持ち悪いような不思議な感覚だった。
やはり中学生時代のやつだから少し小さいのかも、などと思いながら優衣さんを見ると、彼女はシコシコと扱きながら僕の方をじっと見ていた。どうやら僕で自慰をしながら僕の着替えを待っているらしい。
よく見ると頬が赤くて発情しているのが丸わかりだったから、僕はくすくすと笑ってしまいそうになる。
まあ発情しているのは僕も人のことは言えないけれど。
気を取り直してスク水の生地を上へ上へと引き上げていく。
腰のくびれを通り越して、ヘソからわき腹、そして胸のふくらみも超えて、鎖骨のあたりに肩紐が来て、そこで一度止まった。
ひと呼吸。
そこから先は紐を肩に引っ掛けて、あとは腕を通して、前かがみになって胸のポジションを調整して、おしまい。
脇から胸肉を寄せて胸パッドの部分にぎゅっと詰め込む。
なんとなく収まった感である。
ほっとひと息を吐いた。
スク水着替え完了。
「ええと、できました……、たぶん」
「……ん、上出来」
「あ、ありがとうございます?」
優衣さんが姿見を持ってきてくれたので、僕はその前に立って自分の姿を確認することにした。
そこにはスク水姿の美少女がいた。
恥ずかしそうな雰囲気の小柄な美少女だ。やや癖のある黒髪を肩まで伸ばしていて、当たり前だけれどスク水を着ている。
ほんの少し窮屈なそれは彼女の肢体にフィットしている。つまり肩から、丸みを帯びた胸、胸の下あたり、くびれ、へそ、そして何も生えていない股間に至るまで、女の子のシルエットが浮き上がっている。
それが自分だと思うと、なんともいえない恥ずかしさがあった。
しかもこれは優衣さんが実際に中学生のころに装備していたスク水なのだ。
『3-C さくら ゆうい』と白い文字で書かれてあって、本当に自分が優衣さん──佐倉優衣になっているのだと実感させられる。
手のひらでヘソのまわりからするり、さわり、と体の輪郭を確かめるみたいに触っていく。
胸の丸み、尻の丸み、股間の無さ。
すべすべとした感触、ぷにっとした柔らかさ、ほんのりとした温かさ、そしてスク水の生地のさらさらとした手触りが心地よい。
これはもう完全に女の子の体だった。
スク水越しに肌に触れるだけでぞくぞくとした快感が走るほどだ。
「……えっち」
鏡の前で夢中になっていると、全裸になった優衣さんが僕の目の前に立っていた。
見上げると、優衣さんは僕のアゴをクイと持ち上げて、いきなりディープなキスをしてきた。
「──んんんっ♡♡」
口の中に舌が入ってきて、唾液を流し込んでくる。生温かいぬるぬるした液体が、息が苦しくなるくらいに入ってくる。
思わず逃げようとすると、優衣さんは両手でがっちりと僕の頭をつかんで逃げられないようにした。さらに舌を伸ばしてきて口内を、とくに僕の舌を蹂躙するように舐め回す。
僕は目を白黒させながらそれを受け入れるしかなかった。
口の中で暴れまわる優衣さんの舌は、まるで別の生き物みたいだった。歯茎の裏や口蓋を執拗に、本当に執拗に責めてくる。
そのたびに僕の頭はビリビリとして、体が熱くなる。
思わず腰が抜けるまでキスは続いた。
ようやく口を離してくれたときには、僕は優衣さんの腕の中でぐったりとなっていた。
脳みそが、肌が、筋肉が、骨格が、つまり全身が、とろとろだ。
「お風呂、いこ」
「……おふ、ろ?」
「ん。お風呂にローションとマットを用意してある。いっしょに入ろう」
「え、あ、あの、それって」
「お風呂でソーププレイをします」
有無を言わさぬ口調だった。
逆らう気も起きなかった。
間違いなく全身を気持ちよくさせてもらえるのだと確信してしまったから。
だから僕は優衣さんからお姫さま抱っこで風呂場に運ばれても文句のひとつも言えなかったし、それどころかこれからされるであろうことを想像して胸を高鳴らせてしまっていたのだった。
◇◇◇
かぽーん、と何かの音が鳴った。
風呂である。
温かい湯気に包まれていて、けれども熱くもなし温くもなし、ちょうどいい加減の空気だった。
ここは僕と優衣さんの暮らすマンションの風呂なのでそれほど狭くはない。小柄な優衣さんとなら余裕で入れるくらいのスペースはあるし、湯船もまあ足を伸ばせるくらいの大きさがある。
その風呂の洗い場にマットが一枚敷いてある。
いわゆるソーププレイに使うようなマットで、空気を入れて膨らませるビニル製のクッションといった感じだ。
「じゃあ、
僕をお姫さま抱っこしていた優衣さんは、マットへと僕を寝かせるように降ろしてそう言った。
ぎゅ、とビニルがこすれる音がして、背中には柔らかな感触が伝わってくる。
ひんやりしていて、けれども柔らかくて、そしてちょっとぬめっている。
その感触に僕はちょっとだけうっとりとしてしまった。
「ふふ……、かわいい」
裸の優衣さんはそう言って微笑んだ。
彼女は僕の隣に腰掛けた。洗面器に入れた多量のローションをたぱたぱとかき混ぜている。
ピンと上向きに勃起していて、けれどもそのことを気にすることなく彼女はふわふわとした笑みを浮かべていた。
普段の無表情な彼女からは想像できないくらいに上機嫌な様子だった。
そんな様子を見ているとなんだかおなかの奥がきゅーっとなって、自分の腹に触れてみる。つるりとごわりの中間くらいのスク水の生地の感触がして、自分の体と恰好を思い出して、それでどきどきした。
「あのぉ、優衣さん……」
「……んー?」
「僕、緊張してきちゃいました」
「そう?」
優衣さんが僕の顔を覗き込んできた。
いつもの感情が読み取れない表情だけれど、目だけはどこかいたずらっぽい笑みをたたえていた。
そして僕の腹にローションまみれの手を這わせてきた。
「ひゃっ!?」
「ほら、もっとリラックスして」
「いや、でも……っ」
「だいじょうぶ。ゆぅー……っくり息を吸って、吐いて、深呼吸をしてみよう?」
「は、はい……」
言われるままに深呼吸をする。
息を吸って、吐く。スクール水着の締め付け感とか、お腹のあたりの生地の感触とか、そういういつもと違うことをひとつひとつ感じ取ってしまうけれど。
でも優衣さんが愛おしげな眼で見つめてくれるから、僕もだんだん気持ちが落ち着いてきた。
「そうそう、とても上手。そうやってゆっくりしていれば気持ちよくなれるから、手足からゆっくり力を抜いていこう」
「はい、優衣さんの言うとおりにしてみます」
手足を投げ出すみたいに脱力してみる。そうすると、確かに気持ちいいかもしれない、と思った。
全身から力が抜けていく感覚はとても心地よくて、このまま眠ってしまいそうになるくらいだ。
「いい子、いい子……。そろそろ始めていくけれど、あなたはそのままリラックスしているだけでいい。呼吸だけは、忘れないで」
「わかりました、ありがとうございます、優衣さん」
「……ん」
優しく僕の腹のあたりを撫でていた優衣さんは、洗面器からローションをすくい上げて、自身の手のひらの上に垂らす。
にゅるり、と糸を引く粘液を手でこねて、にちょ、ぬちゃ、と音を立てながら両手を合わせてローションを温めているようだ。
それからローションをたっぷり乗せた手でもってこちらの胸元、鎖骨のあたりに塗りたくってきた。
「ん……っ」
温いぬるぬるとしたものが肌に触れる感触に僕は小さく喘ぎ声をあげた。
それを合図にしたみたいに優衣さんはぬちょぬちょの手でスク水の肩紐に沿って手を動かし始めた。肩から腕へ、脇の下から脇腹にかけて、ゆっくりと丁寧にぬるぬるを擦り込んでいく。
「ふ……、ぅう……ん、ん……っ♡」
妙にむずがゆくてくすぐったいような感覚があった。
それでいて、優衣さんの手の温かさと柔らかさを感じているうちに、だんだんと体が火照ってくるような感じもあった。
とろとろとしたローションが僕の胸の丸みを確かめるようにぬるり、ねちょりと撫でまわしてくる。
スク水の繊維に粘液が染み入って肌に張り付いてくる感触。
濡れて滑りの良くなった胸、肋骨のくぼみ、わき腹、そしておへそまで丹念に撫でられるとぞくぞくとした快感が沸き起こってきて、思わず身をよじってしまうほどだ。
「はぁ、はぁ……♡」
「あなたの胸、とろとろになってきた。見て? ローションが糸をひくほどになってる」
優衣さんはそう言って、僕の胸元に手を近づけてくる。
ちょうど乳首のあるあたり。布越しにもぷっくりと盛り上がっているそこを、ローションをのせた指ですりすりと撫でてきた。
「ん……、んぁ……、ん……♡♡」
指が滑っていく。
おっぱいはローションをまぶされててらてらと光っていて、その先端にある突起はもう完全に勃ってしまっている。
優衣さんは指先でつまんで、くり、とひねってきた。
ぬちょ、という音。糸を引く。
「ふぁあ……っ♡♡」
その瞬間、思わず甘い声が出た。
腰が思わず揺れて、お腹の奥がきゅんとする感じがあって、へこりと揺れる。
「ふふふ、可愛い声。ここきもちぃんだ?」
こちらを見下ろしながら、優衣さんはからかうように言う。
僕は恥ずかしさに顔を赤くしながら、けれども素直に頷いてみせた。
「はい、きもちいいです……」
「……ん、素直ないい子。おっぱいでいっぱい気持ちよくなろ?」
優衣さんは人さし指と中指をまとめて僕の乳首に乗せて、ぬちょぬちょぬちょと円を描く。
ローションまみれだから滑りがよくて、まるで指先につままれたような感触が伝わってくる。
なのに水着越しだから切ない。直接的じゃない。でもだからこそ気持ちよくなってしまうような触り方。
「んぅ、ぁ、あぁ……っ♡♡ や、それやだ、切ないですよぉ……っ♡♡」
僕はいやいやと首を振って訴える。
そんな僕の様子を楽しそうに見やりながら、優衣さんはさらに大きく指を動かす。今度は掌底を押し付けるように手のひらでぐりゅんと動かしてきたのだ。
「あ、あ、あっ♡♡ んっ、んん、んんん……っ♡♡♡」
さっきより強く押しつぶされた刺激にたまらず声が出てしまう。
そんな僕の腰をとすん、と空いた手で軽く押してきた。
マットに腰が押さえつけられて快楽を逃がす動きを封じられる。そのまま子宮のあるあたりを腹の上からぬぢゅ、ぐち、と音を立てて撫でてくる。
そこに子宮があることを思い起こさせるような動きだ。
そんな責め方をされるとますます興奮してしまって、僕は背中をのけぞらせて喘いでしまう。
「ふにゃ、あ♡♡ ゆういさ、ん、んっ♡♡ やだ、おなかやだ、きもちい、おなか、きゅうんって……っ♡♡♡」
「そう、ここが気持ちいい。わかるよ。ずっと声が甘くなってるもの」
「ん、んんぅ……っ♡ あ、あぁっ♡♡♡」
「ここも水着の上からでもわかっちゃうくらい湿ってるし、腰も浮いてる。ヘコヘコするの、がまんできないんだ?」
だんだん開いてきた僕の足のすき間に優衣さんの手がぬるりと侵入してきた。
愛液が存分にしみ込んだそこに、さらに上乗せをするみたいにローションを足していく。
「ほら、こんなにぬるぬるしてる。水着の中であなたのおまんこがどうなっているか、見なくてもわかる」
にゅるぅ♡ぬぢゅっ♡♡と股の間に指を這わせて、布地と粘液の擦れ合う音をわざと立ててくる。
触れられた秘部は熱く潤んでいて、そんな場所を触られたことでいっそう蜜が溢れてきてしまう。
そのうえローションがたっぷりとまぶされたせいでより滑ってしまって、余計にもどかしい感覚に襲われる。
どうして摩擦係数が下がると気持ちよさが増すのだろう。
不思議だけれど、とにかくもう我慢できないくらいに気持ちがいい。
「あ、やぁ、ゆういさ、ゆび、ゆびぃ……っ♡♡」
「……ん、わかってる。気持ちいいんだね。全身とろとろになって、とってもえっちな顔してる」
秘部を水着越しに擦られている。指先で割れ目に沿ってさするような動き。いつもよりスピードが速くて、なのにローション越しのせいで全然引っかからない。いつもとは違った感じがして、頭がおかしくなりそうだ。
思わずヘコヘコと腰を揺らして、もっと直接的な快感を得ようとしてしまう。
「ん、んんっ、ふ、うぅ……っっ♡♡♡」
同時に優衣さんのもう片方の手は僕の体を弄っていて、首筋から鎖骨、そして胸へとぬるりぬるりと撫でられていく。
全身がぬちょぬちょで、気持ちよくて、僕は手足を投げ出したまま喘ぐことしかできない。
風呂場には僕の甘い声が反響していて、それがまたたまらなくいやらしかった。
「あ、あ、あ、あ……っ♡♡ や、そこ、だめ、こすったら、イっちゃいます……っ♡♡」
「……ん、クリトリス見つけた。ここをローションまみれにして水着の上から思いっきり転がすと……」
「ひぅっ♡♡♡ あ、ああぁ、なにこれ、やぁぁぁっ♡♡♡ これへんっ、へんになっちゃ、あ、あ、あ、あ……ッ♡♡♡」
「ローションガーゼみたいなもの。気持ちいいに決まってる」
くちゅ、くちゃくちゃ、ぬりゅ、ずりゅずりゅずりゅ♡♡とローションまみれになった指で容赦なく敏感な部分をいじめられる。
いくら逃げてもまな板の上の鯉。身を捩ってもひねっても優衣さんの指が追尾してくる。快楽から逃げられない。
お腹の奥が熱くなって、どんどん感覚が鋭敏になっていく。
とぷとぷと分泌される愛液が水着の中に溜まっていって、今にもあふれ出してしまいそうだ。
もう頭の中はぐちゃぐちゃだった。
いつまでも続く甘い責め苦にすっかり蕩かされて、ただただ喘ぎ続けるだけの人形になってしまっている。
「あ、ああぁあ……っ♡♡ もうイッって、やああ、あ、んぅぅう……っ♡♡♡」
「うん、いいよ。いっぱい気持ちよくなってね」
「ふぁ、あ、あ、あ……っ♡♡ あ~~~~~~ッッッ♡♡♡ あ゛~~~~~~ッッッ♡♡♡」
絶頂した。
鋭い絶頂。
声が出る。
でも、甘ったるい悲鳴を上げても、達しても、優衣さんは責めの手を休めてくれない。
ぐいっと背筋が反って、水着の中で体が絶頂している。
ひゅくんひゅくんとお腹の内側が痙攣するような感覚があって、そのたびに腰が跳ねる。
でも、終わらない。
休む間もなく僕のクリトリスには円を描くように指が這いまわって、摩擦係数の低い指で何度も何度も擦り上げるのだ。
「今イッてる、あ、あ、あ……っ♡♡♡ や、やだ、ゆういさ、あ、あ、あ、あ、あ……っ♡♡♡」
こちらの絶頂感が去らないように、執拗に丁寧にしつこく責められる。
そのせいで延々とイキ続けてしまって、目の前が真っ白になるくらいの快楽が押し寄せてくる。
脳内でぱちぱちと火花が散るような錯覚を覚えるほどの強烈な刺激。
あまりに強烈すぎて意識が飛びそうになる。けれども優衣さんの指はそれを許してくれなくて、ただただ快楽だけを与えられる。
「ふふ、かわいい。ずっと気持ちいいのが続いてるのかな? それともずっと甘イキしてる? そろそろ深いのが来そう?」
ぐりゅん♡ぐりゅん♡ぐりゅん♡と指の動きは止まらなくて。
もはや息を吐ききってしまっていて、酸素が足りないせいか視界がぼやけてきて。
そして全身の力がフッと抜けた、瞬間に、
「ほお、お♡♡ お゛ー……っっ♡♡♡♡」
かくん、と深みに落ちた。
もはや声を出すことすら体は忘れて、ただ体の内側から湧き上がってくるものに全身を支配されている感覚。
ぐるんっと眼球がひっくり返って、舌が突き出てしまうような圧倒的な悦楽。
ただ全身が性器になったかのように敏感になっていること以外何もわからない。
深い深い海の底で快楽に溺れているような、そんな感覚。
「お゛ー……っ♡♡♡♡」
そうして僕は不随意に秘部から大量の蜜を垂らしながら、深く長い絶頂を迎えたのだった。
「おー、イッてる、イッてる」と優衣さんがしみじみとつぶやく声が聞こえた気がしたけれど、今の僕にはそんなことを気にしている余裕なんてなかった。
◇◇◇
「はひゅー……っ、ふひゅー……っ♡♡ ふひぃー……っ♡♡♡」
ようやく波が引いてきて、僕はなんとか息を取り戻すことができた。
手足は水面に溶けたみたいにだらんと脱力してしまっている。
口はだらしなく半開きになってよだれまで垂らしてしまっているし、涙とか汗で顔はぐしゃぐしゃだし、鼻水だって出ているかもしれない。
そのうえ全身がローションでぬちゃどろに汚れていて、ひどい有様だ。
そんな僕の様子を、優衣さんは満足そうに眺めていた。
「気持ちよくなれたね、えらい、えらい」
彼女は僕の涙を指で拭おうとしてくれて、それからはたと手を止めた。どうやらローションまみれの手だと顔に触れられないことに気づいたらしい。
そのかわりに舌で僕の涙を舐めて、そのまま唇を重ねてきた。
ちゅ、ちゅ、とついばむようなキスを繰り返してから、ゆっくり離れていく。
「……ん、ちょっとしょっぱい。ローションの味?」
「汗、かもです……。あのぉ、優衣さん、その、僕、めちゃくちゃイキました」
「ん、可愛かった。たくさんイケて偉かったね」
「ちょっと怖かったです、あんなにイカされると思わなかったんで……」
「ごめんなさい。やだった?」
「やじゃないですけど、そのぉ……」
体に力が入らないから寝ころんだままで、ちょっとむくれ面をしてみせる。
甘えているのだと思う。まあ、強制的にさんざんイカされたんだから、すこしくらい拗ねてもいいだろう。
すると優衣さんは優しく微笑んで、僕の隣にごろりと横になった。ローションまみれのマットがぬるりと滑った。
「ハグする?」
「……します」
低い声で優しく言ってくる彼女に甘えて、僕は優衣さんの大きな胸板に頭を預けて抱きついた。
なんだかいい匂いがして、心が安らぐ。
温かい体温に包まれて、けれどもふたりともローションまみれなのでぬるぬるとしていて変な感じだ。
でも、それがまた楽しいというか心地いいと言うか。
「ふふふ、かわいい」
「あ、優衣さん、反省してないですね?」
「してる、してる」
「ほんとかよ……」
優衣さんの手が僕の背中に回ってきて、背中のクロスした肩紐や腰やお尻の布をなぞっていく。
ぬちょ、とローションの音。えっちなことをするときの触り方みたいで、とくに尾骨からお尻のラインをぐるりと撫でられるとぞくぞくしてしまう。
しかもちょうど尻肉の狭間に指を差し込まれて、お尻の谷間をすりすりされるものだからたまらない。
おかげで体の奥が再び熱を持ち始めてしまって、もじもじと内ももを擦り合わせる羽目になる。
「ん、ん、ん……っ♡」
「声、また甘くなってきたね」
「うー……っ、誰のせいだと思ってるんですかぁ。優衣さん、ぜんぜん反省してないですね?」
「してる、してる」
「ほんとかよぉ……」
お尻から内もも、股の間まで撫でさすられて、くすぐったくて気持ちいい。
しかも横になって抱きしめられた状態だから、彼女の手から逃げられない。ほとんど体を覆われているみたいに密着している。
お腹に硬くなったものが押し付けられているのがわかる。
優衣さんは勃起しているのだ。
ソレを僕のローションまみれになった腹に押し付けて、ゆっくりと擦りつけてくるのだ。
体の前からは男性器が、体の後ろからは優衣さんの手が伸びてきていて、まるで挟み撃ちされているみたいな状態だ。
もう引っ付いているだけでもかなり気持ちが良くて、お腹の下あたりがきゅんきゅんと疼いてしまう。
「おちんちん、欲しくなっちゃった?」
「優衣さんだって、入れたくって仕方ないくせに……っ」
「わたし、ずっとがまんしてた、もん」
「もぉ、知ってますよ、そんなの」
お腹に接触している彼女のモノに手を伸ばす。
熱くて、太くて、硬い。
今はローションにまみれていて、ぬめぬめとした感触が伝わってくる。
優衣さんの腰がわずかに動いたので、僕はソレを掴んでにゅるり、にゅるると上下に擦ってあげた。
亀頭の裏側、裏筋、カリ首、竿の部分まで、ぬちゃどろになった手で愛撫してあげる。
「ん、ん、ん……っ」
「えへへ、気持ちいいんですか、腰がヘコヘコしてますけど」
「意趣返し?」
「まさか、ご奉仕ですよ」
ぬちょちょ、と音を立てながら両手で扱きあげる。
優衣さんは顔を赤くしながら、僕の唇に吸い付いてきた。そのまま舌を差し入れられ、口内を舐めまわされる。
お互いの口の中は唾液でいっぱいになっていて、舌を動かすたびにぐちゃりといやらしい音がする。
「んちゅ、んぷ、れぅ、んちゅ、ん……っ♡♡」
いや、唾液だけではない。ほとんど全身がローションまみれで、どこもかしこもぬるぬるしていて、キスだけで達してしまいそうなほど気持ちが良い。
優衣さんもそうなのか、キスをしながら何度も何度も腰を揺らして突き上げてくる。
その度に先端がお腹に当たって『はやくソコに入りたいよ、入れてほしいな』と言われているみたいで、ひどく興奮する。
僕も早く欲しい。
この太くて硬い優衣さんのモノに貫かれて、いっぱい気持ちよくしてもらいたい。
ふたりで一緒に気持ちよくなりたい。
そんな欲望が込み上げてきて、キスの最中だというのに口を開いてしまう。
「ゆーぃひゃぁん、んぅ……、ん♡ は、そろそろ、ぼく、ほしいです……っ」
唇を離してそう言うと、彼女は愛おしそうに目を細めた。
そして再び唇を重ねてきて、今度は指先で僕のスク水の股間部分をぐぃっと引っ張ってくる。
ぴっちりとした布地がぬぽぉ♡と剥がれて、そこがあらわになった。
ひくひくとうごめくピンク色の粘膜。そこからとろとろと蜜が溢れ出してきていた。
「わたしも、もう我慢できない」
にゅるん、とたがいに横を向いたまま素股の体勢になって腰を前後に動かしてくる。
そうするとすっかり準備万端になっている秘裂の上を何度も往復する形になるわけで、
「あ、あっ、それ、すご、いぃぃいっ♡♡♡」
僕はたまらず嬌声を上げてしまった。
擦れ合う互いの性器からぬちゃぬちゃといやらしい水音が響く。その音はローションなのか愛液なのかもわからないけれど、とにかくすごくいやらしくて興奮してしまう。
そのまま無言で優衣さんがコンドームを装備したので、これから何をされるのか完全に把握してしまった。
じゅわーっ♡と子宮のあたりから熱いものが込み上げてくる。
「……いい?」
シンプルに耳元でそう尋ねられて、僕はコクコクと頷くことしかできなかった。だって、異存はない。
横になったまま彼女の首に腕を回して、ぎゅっとしがみつくようにする。
僕の秘部に彼女のまっすぐなモノが接触した。
熱い、熱を帯びた塊が、いざ突き上げんとばかりに押し当てられる。
ぐっ、と腰をつかまれて、その手に力が込められたのがわかった。
「……んっ♡」
思わず息を飲んで身構える。
「入れる」と低い呟きが聞こえた次の瞬間、一気に奥まで突き入れられた。
「~~~~~~ッッッ♡♡♡」
ずぶぶぶぶ……っ、と粘液をかき分けながら侵入してきた異物に、膣内が激しく収縮して絡みついていく。
うねるヒダが優衣さんのモノにまとわりついて、奥へ奥へと誘い込んでいく。その動きはまるで彼女自身を歓迎しているみたいだ。
僕は目を白黒させていた。
一気に入ってきたソレが僕の子宮口に到達して、その衝撃が脳天まで駆け抜けた。目の前がチカチカとして意識が一瞬飛んだ。
口が勝手にぱくぱくと動いて、呼吸もまともにできないほどだ。
「……っ、は♡」
優衣さんもまた息を詰めていた。
きつく締め付けてくる膣壁を押し返すかのように膨張しきったペニスを突き入れて、絡みつくヒダの感触を味わっているようだった。
こちらの腰を掴んだ手がぎゅーっと力を込めてきて、すこし痛いくらいだった。
ぐり、ぐり、とさらにねじ込むように腰を押し付けてくるあたり、相当気持ちいいらしい。
彼女の目を見たら獲物を捕らえた肉食獣の目で、同時に快楽に溺れかけたメスの顔でもあった。
なぜかその表情を見た瞬間にさらに背筋がぞくぞくとした快感に襲われてしまった。
「う、ぁ、ぁ……っ♡♡」
それで、僕はただ情けない声を上げるだけだった。
指とは比べ物にならない圧倒的な存在感を持ったものが体の中に入ってきていて、それだけでお腹がいっぱいになってしまう。
体の内側に熱の塊があるみたいで、苦しいような、気持ちいいような感覚に襲われるのだ。
優衣さんはしばらくそのまま僕の目を覗き込んでいた。
「いつもより、とろとろ……」
「……っ、は、はい……っ」
「そんなに、欲しかったんだ?」
「ゆ、優衣さんこそ、ガチガチじゃないですか」
「だって、ずっと我慢してた、もん」
「そりゃあ、そうですけど……っ」
思えば優衣さんは僕が水着へ着替えていたころからずっと勃起していた。にもかかわらず、よくもまあ我慢できたものだ。僕ならさっさと突っ込みたいと思っていただろうに。
さすが、というべきか。
それとも単に僕を愛撫して蕩かすのが好きすぎるだけなのか。その可能性はある。優衣さんは度の体でも僕に触れるのが好きだし。
でも、いずれにせよ、この状態で我慢するのは大変だったに違いない。
「優衣さん、思いっきり動いてみます?」
「……それは、動いてほしい、というおねだり?」
「ちがいます、けど、そうです」
「ふふっ、どっち?」
「優衣さんと一緒に気持ちよくなりたいです」
「──ッ、それは、不意打ち」
一瞬だけ優衣さんは面食らったような顔になり、それから頬を赤くしてそっぽを向いてしまった。
そして照れ隠しのように僕の体を抱きしめて、腰をゆっくりと揺らし始める。
ふたりの間のローションがぬちょりと音を立てて粘着質な糸を引いた。
そしてとん♡とん♡と奥を突くような動きが始まる。
「んぁっ♡ ふ、あぁ、あっ♡♡ あ、あっ、あぅ、うぅ♡♡♡」
突かれるたびに声が上がる。
自分でもびっくりするくらいの甘ったるい声だった。
優衣さんが腰を揺らすたびにおなかの奥がずん、ずんっと響いて、まるで子宮が揺さぶられているみたいだった。その度に甘い痺れが全身を襲う。
「──ッ、締め付け、すごすぎ……っ」
彼女が余裕のない声で言う。
その声に反応するようにきゅうっと僕の秘部は優衣さんのモノを締め付けた。
彼女のモノにすがりつくように、逃がさないように吸い付いているのがわかる。
「あ、あ、あっ♡♡ それすご、い、あぅ、んぅ、ん、んんっ♡♡♡♡」
ぱちゅん、ぱちゅっ、と水音が立つ。
肉と肉がぶつかり、お尻の肉が優衣さんの腰に揺らされる。膣内を擦られるたび、頭の中が真っ白になる。
彼女が腰を振るたびに僕と優衣さんのお腹が接触して、そこにローションの糸が引く。
僕はたまらず彼女の首に回した腕に力を込めた。
「ゆーぃひゃ、ん、ん、んんんぅっ♡♡♡」
甘い声が止まらない。全力で密着しようとするとローションで滑って、だからいっそうくっつこうとして足を絡ませてしまう。
互いの乳房と胸板が押しつぶされて、形を変える。
汗がにじんだ肌と、スク水と、粘液まみれのふたりの体が擦れ合って、触れ合う部分すべてが性感帯になってしまったかのようだ。
「きもちいい、これ、すごいっ♡♡」
「いつもより感じてない?」
「だって、こんな格好してるから、なんか、変な感じがしてっ」
「わたしの水着だから?」
「そうじゃなくて、あ、あっ♡♡ でもトロトロで、きもちよすぎて、もう、おかしくなりそうで……っ♡♡♡」
「……ん、わたしも気持ちいよ。いつもと違うから興奮してる」
「優衣さん、ゆう、いさん……っ♡♡」
「一緒に、イこう?」
「はいっ、いっしょ、いっしょにぃっ♡♡♡」
お互いの吐息を交換し合うような距離で、僕たちは言葉を交わす。
その間もずっと腰は動かされていて、じゅぷっ、ぐちゃっ、という音が鳴り響いている。
結合部からは粘度の高い液体が溢れ出してきていた。愛液と、ローションと、もうよくわからない体液だ。
それが混ざり合って泡立って僕たちはどろどろになっている。
「んっ、んっ、んっ、ふぅ、うぅぅうっっ♡♡♡」
いきなり優衣さんの唇が僕の口を塞いできた。
同時に腰をぐりぐり押し付けてきて、子宮口に亀頭の先端をこすりつけてくる。
速度が上がる。
ぱんぱんぱんと激しいピストン運動が開始されて、腰が打ち付けられる音が部屋に響く。
優衣さんがイキそうなのだと察した。
ラストスパートだ。
ふさがれた僕の口からは悲鳴のように嬌声が上がった。でもそれは優衣さんの舌にからめとられて、くぐもった声にしかならない。
唾液をたっぷり含んだ舌が僕の口内を蹂躙してくる。歯をなぞられ、歯茎を舐め上げられ、舌を吸われて甘噛みされて──もちろんその間も抽送は続いていて、上も下もぐちゃぐちゃに犯されている気分だ。
ずっと甘イキしている状態が続いている。
頭の中がぱちぱちと弾けていて、快楽から逃げたいくらいなのだけれど、優衣さんの全身が僕に絡みついていて身動きが取れなかった。
ただ全身が快楽を受容するための器官になり果てていて、そして、
「ん゛~~~~~~~~~~~~ッッッ♡♡♡♡♡♡」
と優衣さんに抱かれたまま、僕は果てた。
また深い深い絶頂の波が押し寄せてきて全身を飲み込んでいく。びくびくと痙攣しながら膣壁が激しく収縮するのがわかった。
その刺激を受けて優衣さんもまた限界を迎えた。
「──ッッ」と短い息を優衣さんが吐く。
瞬間。
──びゅるるる、るるるるるる、どくんどくんどくん……っ
と、熱いものが注ぎ込まれた。
思わず悲鳴を上げる。
僕の中で脈動するみたいにペニスが跳ね回って精液を吐き出しているのがわかる。熱いものが胎内に来て、満たされていく感覚。
もちろんコンドーム越しだから実際に注がれているわけではないけれど、それでも確かに僕は中出しされたような感覚を得ていた。
(あつい、あついの来てる……っ)
まるで熱湯を注ぎ込まれているような感覚だった。
熱くてどろりとしたものが僕の中に流れ込んでくるのがわかる。
それを一滴残らず搾り取ろうとするかのように、僕のヒダの一枚一枚が蠕動して、彼女のモノを締め付ける。
それに呼応するように、最後の一絞りとばかりにぴゅっ、ぴゅっと断続的に吐精が続き、そのたびに彼女の体が震えるのを感じた。
そうして僕は彼女の腕の中で何度も達し、数え切れないほど気をやったのだった。
◇◇◇
かぽーん、と何かの音が鳴った。
湯船である。
僕と優衣さんは一緒にお湯に浸かってくつろいでいた。
正確に言うと、優衣さんが僕にもたれかかっていて、彼女の体を僕が後ろから抱きしめているような体勢だ。
入れ替わり状態はもう解除していたから、僕の方が体格が大きい。だから優衣さんが前に来るのは当然で、僕は彼女の華奢な体を抱きしめるような形になっていたのだ。
「お風呂、気持ちいいですね」
「……ん」
ぼんやりとつぶやくと、優衣さんは鈴が鳴るみたいな綺麗な声で「……ん」と答えた。
彼女は目を閉じてリラックスしているようだ。
もうローションもすっかり落としていたし、スク水だって脱いでしまったからふたりとも裸だ。お湯の中で二人の体温が混ざり合って気持ちがよかった。まるでセックスしているみたいだ。
「そういえば、乳首がジンジンしないですか? さっきさんざん弄られたから」
「……んー、まあまあ」
優衣さんは曖昧に答えるだけで目を開けようとはしない。よほど疲れているらしい。こちらに背をもたれさせて完全に脱力しきっている。
責めすぎたのだろう。さんざん絶頂させられた体だし。
まあ責めたのは優衣さん自身なので自業自得というかなんというか……。
「それにしても今日はすごかったです……」
思い出してしみじみと言う。本当にすごかった。
媚薬でも入っているんじゃないかと思うくらいローションプレイはすごかった。視覚的にも優衣さんの中学時代のスク水を着ている興奮が合わさってすごかったし、優衣さんの手の奉仕もすごかった。
「ローションプレイ、好きになった?」
「そうですね。いや、ローションというか、優衣さんのテクがすごいと言いますか」
「あなたが敏感すぎる、という可能性もある」
「優衣さんの体が敏感なんですよ」
「……んっ♡」
後ろから優衣さんの腋を、肋骨に沿って撫でてみたら艶めかしい声が漏れた。喉から息と一緒に漏れたような声だ。
そのまま指先を滑らせてお腹をさすってみる。へその周りをくるくるとなぞると優衣さんはくすぐったそうに身をよじった。
「ん、ん、ん……っ♡」と甘い吐息が漏れるのを聞きながら、胸の方にも手を伸ばす。
ふにっ、とした柔らかい感触。完全に手のひらに収まってしまうサイズ感の愛らしい乳房だ。
「もぉ……、えっち」
不満そうに優衣さんはこちらを振り返って睨んでくるが、全然怖くない。むしろ可愛いくらいだ。
「優衣さんのおっぱいは最高ですよ」
「知ってる。とても敏感で、乳首だけでイカせることもできる」
「誰目線ですか、それ」
「あなた」
「ですよね……。優衣さん、もしかして僕の体で元自分を責めるのが大好きだったりします?」
「今更何」
「ですよねー……」
優衣さんが自分の性癖を恥ずかしげもなく堂々と言い放つ。まったく、可愛いひとである。
なんだか勃起してきて、それが優衣さんのお尻に当たった。
彼女もそれを感じ取っていたらしく、くすっと笑う気配がした。
「もう一回する?」
「今度はこっちの体でしていいなら」
「わがまま」
「優衣さんだってそうですよ」
「それはそう」
クスクスと笑いながら、僕たちは唇を重ねた。
そのあともう一度洗いっこをして、水分補給をして、それからもう一回ローションプレイをした。
今度は僕が男で優衣さんが女だったわけだけれど、先回と同じくらいにとろとろに蕩けあって気持ちが良かった。
とくに優衣さんがどこからともなく持ち出してきたローションガーゼを使ったやつがすごかった。
ローションを含ませて摩擦係数を限りなくゼロにしたガーゼで亀頭を責めるプレイだけれど、めちゃくちゃ気持ちいいのに絶対に射精できなくて、性的絶頂がいつまでも終わらないあの感覚は本当に怖いくらいだった。
具体的にはクリトリスをずーっと弄られて連続絶頂させられるあの感覚に近かった。いや、この例え話いったい誰に通じるんだよ、という感じだけれども。
そうしてそれからさらに二回ほど優衣さんと体を重ねたあと、僕たちは裸のままでベッドに入って眠りについたのだった。
結局どの体でも僕が優衣さんに責められる方が得意なんだよな……、と思いながら。
まあ、気持ちよかったことは言うまでもないのだけれど。
◇◇◇
翌朝。
目が覚めると優衣さんはすでに起きていて、朝食の準備をしていた。
トーストとベーコンエッグ、レタスとトマトのサラダ。それからコーヒー。
いつもより気合の入っている感じがする。朝ごはんはコーンフレークのみってことも多いし。
「おはようございます」
「……ん」
挨拶を交わす。食卓に着く。無口で無表情な彼女が僕にだけ向けてくれる優しい表情が好きだった。
「……新しい水着が欲しい」
前置きもなく唐突に優衣さんがそう言った。
「水着、ですか。そういえばもう夏ですもんね」
「……ん」
「というかこの会話、昨日もしましたよね」
「……ん」
そういえば今日は日曜日だ。外を見たら快晴で、絶好のデート日和である。それで朝ごはんに気合が入っているのか、と理解した。
「じゃあ、今日はショッピングセンターに行きましょう。そこで買い物しましょう」
「……ん」
「せっかくだから僕も新しいのを買いたいですし。それに優衣さんもいつまでも中学時代のスク水じゃマズいですし」
「それはそう」
「まあ、優衣さんがスク水を着ているところをこっちの体で見たくないかと言われると見たいんですけど……」
「……えっち」
そう言って彼女はくすりと微笑んだ。
そうして僕たちは出かける準備をして一緒に家を出たのだった。
それから優衣さんと水着を買って、翌週には一緒にプールに行ったりもした。
その時も体を入れ替えて行ったから僕が女子更衣室に入ってドギマギしたり、男体化しているのに人前で胸を隠したがっている優衣さんをからかったり、僕がナンパされているところへ優衣さんが颯爽と現れて助けてくれたり、流れるプールの中で浮き輪で浮かんだままイカされたりしたわけだけれど、それはもう完全に別のお話、ということで。
まあ、そういうのも含めて、僕と優衣さんの日常は続いていくのだった。