※この作品はR-18です。

銀髪ロリ体型ホムンクルスにTS転生したボクがエッチな目に逢いまくる話 もしくは 繁殖用女性型ホムンクルス実験報告書   作:雅媛

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8 実験終了

「個体No.00。本日をもって、キミの全業務を終了とする」

 

いつものようにボロボロになって部屋に戻り、娘を抱きしめていたボクに、管理者の男は淡々と告げた。

その言葉の意味を理解するのに、数秒かかった。

業務終了。それはつまり、実験体としての価値がなくなったことを意味する。

ついに、この時が来たのだ。

 

「……そうですか。ボクは、処分されるんですね」

 

ボクは震える手で、すっかり大きくなった娘――銀(シルバ)の背中を撫でた。

殺されるのは怖い。けれど、ここまでボクは耐え抜いた。この子が傷つかないように、ボクの体ですべての汚濁を受け止めてきたのだ。

せめて、最期にこの子の安全だけを約束させなければ。

 

「ああ、勘違いしないでくれたまえ。キミは処分しない。これからは『ペット』として、この部屋で余生を過ごしてもらう」

「え……?」

「代わりに、明日からは『個体A-01』――そこの娘に、全業務を引き継いでもらうからね」

 

時が止まった。

男は書類を見ながら、こともなげに続ける。

 

「A-01は成長完了だ。知能も身体機能もキミを遥かに凌駕している。研究員としての頭脳労働と、接待用の肉体労働。両方の適性を最高値でクリアしたハイブリッドだよ」

「――ふざ、けるな」

「ん?」

「ふざけるなッ!!!!」

 

ボクは獣のように咆哮し、男に飛びかかった。

下腹部の『淫紋』が命令違反だと判断し、強烈な電流と快楽を流し込んでくる。

膝が崩れ、失禁しそうになる。それでもボクは、歯を食いしばって床を這い、男の足にしがみついた。

 

「ダメだ! 絶対ダメだ! この子だけは守るって、約束したじゃないか! ボクがやる! ボクがまだやれる! どんなことだってするから、この子には指一本触れさせるもんかぁぁぁぁッ!!」

 

「見苦しいぞ。もうキミの『型落ち』の体では、スポンサーは満足しないんだよ」

「嫌だ! 嫌だぁッ! 銀、逃げて! ママが食い止めるから、早くッ!!」

 

ボクが狂ったように暴れ、警備員がスタンバトンを振り上げた、その時だった。

 

「ママ。落ち着いて」

 

鈴を転がすような涼やかな声。

そして、暴れるボクの体を、白衣を纏った細腕が優しく、しかし抗えない力で抱きしめた。

 

「銀……?」

 

目の前にいたのは、ボクと瓜二つの、しかしボクよりも遥かに完成された美貌を持つ少女。

彼女は慈愛に満ちた瞳でボクを見つめ、ニコリと微笑んだ。

 

「大丈夫だよ、ママ。私がやりたいの」

「な、何を言って……そんなの、ダメだ、あんな酷いこと……!」

「平気。私、ママと違って最初から『そう』作られてるから。研究でおじ様たちの手伝いをするのも、ベッドで可愛がってもらうのも、私のプログラムにとっては『喜び』なの」

 

銀は、あっけらかんと言い放った。

そこには恐怖も嫌悪感もない。まるで明日のランチの話でもするかのような軽さだ。

彼女はボクの頬にキスをし、耳元で囁く。

 

「ママは今まで私を守ってくれた。だからこれからは、私がママを養ってあげる。……いいわよね?」

 

その言葉には、不思議な強制力があった。

ボクの中の「男の魂」が気圧され、「メスの本能」が娘への従属を選び取ってしまうほどの、圧倒的な女王の如きオーラ。

ボクは呆然と涙を流したまま、崩れ落ちることしかできなかった。

 

   *

 

それから、奇妙な隠居生活が始まった。

ボクたち親子には、研究所内の上層階にある、広くて清潔な部屋が与えられた。

銀の待遇は破格だった。彼女は昼間は天才的な研究者として働き、夜は研究所のVIPたちを相手にする高級娼婦として働いた。

 

ボクは部屋で、主人の帰りを待つペットのように、掃除や洗濯をして過ごす。

夕方になり、ドアが開く音がする。

 

「ただいま、ママ」

「お、お帰り……銀」

 

帰ってきた娘の姿を見て、ボクの胸は毎日張り裂けそうになる。

乱れた白衣、首筋に残るキスマーク、微かに漂う精液とコンドームの匂い。

今日も彼女は、誰かに抱かれてきたのだ。ボクの代わりに。

 

「ごめんね、ごめんね……ボクが無力なばかりに……」

「もう、また泣いてる。言ったでしょ? 私はこれが好きなの。おじ様たち、私の体を見てヨダレ垂らして、お猿さんみたいで可愛いんだから」

 

銀はケラケラと笑いながら、ボクを抱き寄せる。

その笑顔に嘘は見当たらない。

貞操観念というバグを抱えていたボクとは違い、彼女は純粋なホムンクルスとして、性を武器やコミュニケーションとして楽しんでいるように見えた。

 

二人は食卓を囲む。

かつては実験食ばかりだったが、今は銀が稼いでくるおかげで、豪華な食事が並ぶ。

 

「そういえばね、ママ。あの『搾乳実験』の時の司会の人、覚えてる?」

「え……あ、うん。あの、ひどい人……」

「あいつ死んだよ」

 

銀はスープをスプーンで口に運びながら、天気の話でもするように言った。

 

「えっ?」

「ほら、最近導入された大型ミキサーの点検中にね、誤って転落したんだって。ミンチになっちゃったみたい。お葬式、大変そう」

「そ、そうなんだ……事故って怖いね……」

 

「あと、最初にママに『淫紋』を刻んだおじさん。あいつは横領がバレて、地下の廃棄施設に送られたわ。今頃、失敗作の実験動物たちの餌になってるんじゃないかな」

 

「……!」

 

ボクは背筋が寒くなる。

ここ最近、ボクを虐げてきた研究員たちが、次々と不幸に見舞われている。

謎の病死、凄惨な事故死、精神錯乱による自殺。

 

「バチが当たったのかなぁ。……ママをいじめた悪い人たちだもんね」

「う、うん……そうだね……」

 

ボクは震えながら同意する。

そんなボクを見て、銀は聖母のように微笑み、ボクのお皿に肉を切り分けてくれた。

 

「安心して、ママ。この研究所は私が『快適』にしてあげる。ママは何も心配しないで、ずっと私の傍でニコニコしていてくれればいいの」

 

娘の蒼い瞳の奥に、昏(くら)い光が宿っていることに、ボクは気づかないふりをした。

彼女は天才だ。

研究所のシステムを掌握し、薬物を調合し、有力者をベッドで骨抜きにして操っている。

気に入らない人間、特に母親を傷つけた人間を、事故に見せかけて抹殺することなど、彼女にとっては赤子の手をひねるより簡単なことなのだ。

 

「愛してるわ、ママ」

「ボクもだよ、銀……」

 

ボクたちは抱き合う。

ボクの心には、娘を売春させているという特大の罪悪感が、黒いタールのようにこびりついている。

一生消えない罪の意識。

けれど、下腹部の淫紋は、強力な庇護者である娘に抱かれる安心感に反応し、穏やかなピンク色の光を放っていた。

 

外の世界では、今日もまた一人、ボクの仇(かたき)が悲鳴を上げて死んでいく。

そんなことなど知る由もなく、ボクはこの歪んだ箱庭の中で、最強の娘に飼われる幸福なペットとして、静かに瞳を閉じた。

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