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──もしかして、今日も
のあの背筋がぶる、と震えた。
風呂から上がると、のあの父親がリビングのソファに座っていたからだ。
テレビは点いていない。照明も落とされている。台所のシンクから水が一滴ずつ落ちる音だけが柊のあの鼓膜を叩いていた。父の剛志は缶ビールを膝に置いたまま微動だにせず、暗がりの中で娘を見つめている。口元だけが笑っているのが殊更に不気味だった。
「のあ。おいで」
声はとても穏やかで──でも、穏やかであることがのあの背筋を凍らせる。
のあの母が荷物をまとめてこの家を出たのは三ヶ月前の梅雨入りの日で、それから剛志は夜になるといつも
湯上がりで火照ったのあの肌が急速に冷えていった。薄いパジャマの裾を握りしめたまま、剛志の元へとあるいていく。床がひんやりと冷たい。七月だというのに空気が氷のように感じられるのは浴室との温度差のせいだけではなかった。
最初に触られたのは、母がいなくなって四日目の夜である。
入浴を手伝うふりをして石鹸のついた指が太腿の内側を這った。一週間で下着を脱がされ、二週間で指を入れられている。三週目の夜にのあは初めて父の性器を膣に受け入れさせられた。声を出したら殴ると言われ、のあは声を出さなかった。今は毎晩同じことをされている。
◆
のあは父の前に立った。剛志の大きな手がパジャマのボタンに伸びる。一つ、二つ、三つ。慣れた手つきで外しながらもう片方の手が缶ビールを傾けて最後の一口を飲み干す。アルコールの匂いが鼻腔を刺す。
「今日はぜんぶやるからな」
のあは意味がわからなかった。これ以上の何をされるというのか。が、のあが
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膝をつかされるのあ。
ソファに腰かけた剛志の股間が目の前にあった。ジャージを下ろすとすでに硬くなった性器が跳ね上がる。太い幹にうねる血管、紫がかった亀頭。うっすらと光る先走りの液が先端で滴っている。
「口、開けろ」
のあは口を開いた。三ヶ月前は歯を食いしばって抵抗していたが、今はもう素直に口を開ける。開けなければ頬を殴られることを知っているからだ。
剛志の太い指がのあの後頭部を掴んだ。栗色のストレートの髪が指の間からはらりと零れる。亀頭がのあの唇に触れた瞬間、石鹸では落ちきらない汗と脂の味が舌の上に広がった。嗅覚が拒絶する。鼻の奥がつんと痛む。だがそれを意思表示する間もなく剛志は腰を突き出していた。
ずぶり、と性器がのあの口腔を貫く。
喉の奥に亀頭がぶつかる。舌の根元が圧迫され、反射的に胃液がせり上がった。
「んぐっ……おぇ……っ」
嘔吐反射がのあの細い首を痙攣させる。だが剛志の掌は後頭部を離さない。むしろ引き寄せるように力を込め、性器を咽頭の奥まで押し込んでいく。のあの首が不自然に膨れている。細い喉を太い肉の塊が通過し、食道の入口を押し広げていた。
涎が溢れた。唇の端から粘度の高い唾液が糸を引いて顎を伝い、薄い胸板にぽたぽたと垂れ落ちる。鼻水と涙が同時に滲んで頬を濡らし、のあの視界はぐにゃりと歪んでいる。
「おちんちん、のど、いたい……」
性器が一瞬引き抜かれた隙に掠れた声で訴える。しかしそれは拒否ではなく報告だった。痛いと言えば少しだけ優しくなることを学習している。だが今夜の剛志はいつもと違う。
「痛くても飲め」
腰の動きが速くなった。ぬぷ、ぬぷ、と水音が響く。のあの口腔が性器を包む湿った音と時折混じる嘔吐反射の音が、テレビのない暗いリビングに反響している。台所のシンクの水滴が一つ落ちる。その間に剛志のピストンは何度も何度も繰り返されていた。
のあの小さな拳が虚空を握る。開いて、握って、また開く。呼吸ができない。鼻腔が涙と鼻水で詰まり口は性器で塞がれている。酸素が足りない。視界の端が暗くなりかけたとき剛志が性器を引き抜いた。
ぷはっ、とのあが空気を吸う。胃液と涎の混じった半透明の液体が咳とともに胸に飛び散る。
「ひっ……ぅ……ぅえぇっ」
咳き込みながら泣くのあの股間を、ぬるい液体が伝っていた。恐怖と酸欠で膀胱の括約筋が弛緩し、尿がちょろちょろと太腿を濡らしてフローリングに小さな水溜まりを作っている。のあはそれに気づいてさえいない。咳で喉が焼け、涙で何も見えなかった。
廊下の壁時計が九時十五分を刻む音が、かちりと鳴った。
◆
次はベッドに運ばれた。
寝室に入ると剛志はのあをベッドに放り投げるように寝かせて、シャツを脱いだ。ビール腹の脂肪とその下に隠れた分厚い筋肉が月明かりに照らされる。そしてのあに──覆い被さってきた。
息ができなくなる。
今度は性器のせいではない。父親の体重そのものがのあの肺を圧迫し、あばら骨が軋む音が体の内側から聞こえていた。
「ぱぱ、おもい……」
「我慢しろ」
剛志の手がのあの両足首を掴んで膝を胸に押しつけるように持ち上げた。脚がだらしなく開かれ、股間が剥き出しになる。毛の生えていない薄い皮膚に覆われた小さな割れ目。三ヶ月間に何十回と犯された膣口は十歳にしてはわずかに開いている。透明な分泌液が薄く膜を張っていた。体は『準備』を覚えてしまっているのだ。
剛志の性器の先端が膣口に触れた。
この瞬間がいちばん怖い。
のあは眼を閉じた。爪先が反射的に内側に丸まる。亀頭が膣口を押し広げ、皮膚が引っ張られる痛みが走り──それでも剛志の腰が容赦なく沈んでいく。
膣壁が無理やり押し開かれる感覚は体の内側を太い棒でまさぐられているようで、粘膜が擦れるたびにじくりとした鈍痛がのあの下腹に沈殿する。
「あっ……いたっ……いたい……っ」
子宮口に亀頭が突き当たった。十歳の子宮はまだ小さく性器を受け入れる深さが足りない。だが剛志は構わず膣の最奥を押し潰すように体重をかけ、のあの体をベッドに押しつけて律動を始める。
ぬちゅ、ぬちゅ、と粘度のある水音が寝室に広がっている。のあの体が突き上げられるたびにマットレスのスプリングが軋み、枕もとの目覚まし時計がかたかたと揺れた。
「おなか……おなかぁ……っ」
下腹が膨れ上がっている。外側から見ても性器の形がうっすらと浮き出るほど深く刺さり、子宮口を叩かれるたびに腹に鈍痛が走る。
のあの小さな手がシーツを掴んだ。窓の外で救急車のサイレンが通り過ぎると、のあは誰かが救急車を呼んでくれたのだと一瞬だけ思い、それが自分とは無関係であることにすぐ気がつく。
「ぱぱ、やめ……おまんこ、こわれちゃう……」
その言葉は剛志の腰を止めなかった。むしろ加速させている。ぱんっ、ぱんっ、と剛志の下腹がのあの臀部にぶつかる湿った音が連続し、のあの体が上下に揺さぶられる。
──私、このまましんじゃうのかな
そんな事を思っていたのあだったが──
「あっ!?」
不意に声をあげた。痛みによるものではない。むしろ──
「ひっ…… あ゙……んんッ」
のあはその年齢に見合わぬ嬌声をあげはじめた。
感じているのだ。この年で。
のあの膣壁は、剛志の肉棒の輪郭を正確に記憶しはじめていた。三ヶ月かけて繰り返し拡張されたのあの膣は父親の性器の形に最適化されていっている。そう、『順応』しているのだ──のあの意思とは無関係に。
まぎれもなく快感だった。のあは
「……っ」
のあは声を殺した。本能的に、気持ちいいと言ったら負けだと分かっているのだ。しかし体は正直で、のあの膣壁が剛志の肉棒を締めつける力が変わってきた。拒絶の硬直ではなく、吸いつくような収縮。それを剛志は見逃さなかった。
「感じてるじゃねえか。気持ちいいのか?のあ。お前みたいな年で、なんて淫乱な小娘なんだ」
のあの顔から血の気が引く。否定しようとして唇が動いたが言葉にならない。代わりに剛志がのあの体を乱暴にひっくり返した。うつ伏せになった瞬間に髪を鷲掴みにされ顔をマットレスから持ちあげられる。背中を反らされた姿勢で、剛志が背後から膣に再び突き入れた。
角度が変わる。
さっきまで子宮口を叩いていた亀頭が膣の前壁を擦り上げるように奥へ滑り込んでいく。粘膜の表面にある神経の束を太い性器が押しつぶし、のあの脊髄を稲妻のような快感が駆け上がって頭蓋の裏側で弾けた。
「あひぃっ…… 」
声が出た。止められなかった。
「気持ちがいいならよ、おまんこきもちいいって言えってんだ!」
一際激しい抽挿に、のあの意気地がぽきりと折れた。
「おまんこ、きもち、い……っ」
自分の口から出た声が誰のものかもう分からない。剛志が髪を引いて首を反らせるたび、子宮に叩きつけられる亀頭が体の芯を痺れさせる。
「らめぇ……おなかん中、あついのぉ……っ」
「ぐっ……いい声出すじゃねえか……俺もっ……!」
剛志の性器が脈打つ。亀頭が膨張し膣の最奥で精液が放たれた。どくん、どくん、と脈動に合わせて熱い液体が子宮口を叩き膣内をじわじわと充たしていく。体の芯がぬるい水に浸されていくような感覚にのあの腰がびくびくと跳ね、同時に太腿の内側が温かく濡れる。失禁だった。精液と尿が混じって太腿を伝いシーツに染みを広げていく。
「あっ……おしっこ、でちゃ……」
のあは舌を出したまま涎を垂らし額をマットレスに押しつけていた。頬を伝う涙の筋が何本も枕に染みを作る。性器が引き抜かれると膣口からどろりと白濁した精液が溢れ落ちた。ぬぷん、と空気を巻き込む音がして閉じきらない膣がひくひくと痙攣している。
ここで終わるはずだった。いつもならここで剛志はビールを取りに台所へ行く。
だが今夜は行かなかった。
◆
のあの体が宙に浮いた。
背中を剛志の腹に押しつけられ首の後ろで両腕を組まされる。これはいわゆるフルネルソンという体位だ。本来ならばレスリングにおけるホールドの技術なのだが、
そして、脚を大きく開かされたまま持ち上げられたのあは──
「ぱぱ、なにす──」
口を開くと同時に、肛門に何かが押しつけられた。
まさか、とのあは慄然とする。
「やだっ! おしりはやだァッ!」
のあは声の限りに叫んだ。しかしそれで剛志がやめるはずはない。まるでのあの体を串刺しにするように肉棒をのあの肛門へと沈めていく。
ずぶ、ずぶ、と太い性器が直腸の粘膜を擦りながら奥へ奥へと進入していく剛志に、のあは声が掠れるほどに叫んだ。懇願した。訴えた。
もちろん、無駄だった。
◆
「いだぁあああっ……! いだいッ!! 痛いよパパぁ……! おしりのあな、ああああっ!!!」
のあの拳が血の気を失うほど握りしめられて、奥歯がガチガチと噛み合わさる。涙がぼたぼたと落ちるが、のあの苦悶は剛志の暴虐を止めさせる少しの役にも立たなかった。
「おなかっ……なかみ、でちゃうぅ……っ!」
ぱんっ、ぱんっ、と剛志の腰がのあの尻を叩く音が加速する。直腸の奥を突かれるたびに視界が明滅した。
「ぬいてぇ……っ! おしり、おしりいたいいいいい!!!」
性器が肛門から引き抜かれかけた一瞬、ぱくりと開いた肛門が閉じることを忘れている。赤黒く充血した粘膜が外気に晒されて痙攣し、そこにまた性器が突き刺さった。その繰り返しだ。
そして──。
のあの肛門の一番奥で、剛志は二度目の射精をした。
◆
全てが終わったあと、のあは天井の染みをぼんやり見つめていた。
仰向けのまま動けない。動く気力もない。体のあらゆる穴から精液が流れ出ている。膣からも肛門からも、そして口の端からも白濁が伝っていた。
胸から腹にかけて鬱血した噛み跡が点々と残り、腰骨の上には剛志の指の形をした紫色の痣が浮いている。髪は汗と涎と精液で固まって顔の右半分に張りついたまま乾こうとしていた。
部屋は静かだった。剛志はシャワーを浴びに行っている。蛇口をひねる音と水が浴室の床を叩く音が遠く聞こえていた。壁時計は十時四十七分を指している。一時間半。たった一時間半の出来事だった。
「ぱぱ、なんで」
なんでこんな事をするの、なんでママはいないの、なんで、どうして──そんな問いがいっぺんに頭の中へ浮かんできて、そして消えていった。
ふと剛志が以前言った事を思い出す。
──『のあ、お前は俺のオナホールだからな』
オナホールが何か、のあにはわからない。
しかし今の自分のようなものなのだろう、とは想像できた。
「私は、オナホールなの?ママ……」
のあは出て行った母親に問いかける。
当然答えはない。
(了)