自己肯定感皆無のTS魔法少女がファンに捕まって犯される話 作:梅川あんず
オリジナル:現代/恋愛
タグ:R-18 残酷な描写 性転換 TS 精神的BL TSF メス堕ち 魔法少女
主人公がちょろいです
pixivとノクターンにて同時掲載中です
「お姉ちゃん、ありがとう!」
「ううん……、また、困ったら助けに行くからね」
「わぁ……!」
キラキラとした小学生女児の目線を受けながらニヤつく頬を隠そうともせず、少女はとん、と空を飛んだ。比喩ではなく、空を飛んだ。背中には可愛らしい水色のキャラクターの天使のような小さい羽が生えている。存在自体がファンタジーのようだ。背後からまだ尊敬、羨望の視線を感じつつ、彼女はそのまま、すい、と空を泳ぐ様に渡る。
(やっぱ子供は素直でいいな……。僕にだってあんな時期はあったはずなんだけど)
昔を思い出してため息をついた少女──風雪奏多(ふうせつ かなた)は二十歳の無職だ。そして男である。元、ではあるが。
あの時期は最悪だったな、と奏多は思考を巡らせる。高校卒業後から数年、やっと見つけた働いていたバイト先で自分の存在を徹底的に否定され、病んで辞めた。自分が情けなくて仕方がなかった。誰にも求められない、誰にも必要だと言ってもらえない。当時の奏多は疲れ切っていた。
そんなある日、ぐちゃぐちゃになった心境を誤魔化すかのように夜中の街を出歩いていたところ、運命の出会いがあったのだ。
大きな化け物。子供が怪獣を描いてと言ったら描くようなめちゃくちゃなデザイン。それなのに、ずしん、と存在する質量は確かに脅威で、目の前の電柱が音を立てて沈んでいった。
逃げようとした。だけど運動不足のせいか、奏多自身が極度のビビりだったせいか身体が動かなかった。恐ろしい、恐ろしい化け物。目の前に怪獣の手が振り下ろされたとき、ここで死ぬのか、と察して目を閉じた。
その時、まばゆい光が奏多を包み込んだ。
気が付けば化け物は消し飛んでいた。辺り何もなかったかのように、きれいに修復されていて、驚愕と不安でぽかんとする他無い。何があったというんだ。
「ふむふむ、中々魔力があるじゃないか。君、名前は」
尻もちをついたまま暫く呆然としていると、頭上から声がした。見上げると少女向けのアニメに出てきそうな可愛らしい生き物がこちらを見下ろしていた。ふわふわとしたその動物は二頭身で、耳は猫のように見える。奏多がぼんやりしていると、もう一度「名前は」と問われ、慌てて口を開く。
「ふ、風雪奏多、です……」
言葉を発したらその声がどう考えても自分のものではなくて再び驚愕する。鈴のなるような、という例えがよくあてはまるような声はどう考えても奏多のものではない。
マスコットはそれを聞いて、ふむふむと頷き、ビシ、と指……というか手をこちらに向ける。
「カナタ、今日から君は魔法少女だ!」
「……え?」
その日から、奏多は魔法少女になった。
「人助けをしてればいいよ、ボクは仕事が他にもあるから構えないけど、これ連絡用端末ね」とやけにファンシーなスマホをおしつけられて以来あのマスコットとはあってないけど、その言葉に従って奏多は魔法少女として活動を始めた。
肩までの長さの銀髪、くりくりとした緑の瞳。その構成要素は男の時と変わらないのに、少女の姿だとひどく神秘的に見える。魔法少女らしい可愛い衣装もそれに拍車をかけている。仮に奏多が何も知らずに今の自分と出会ったら、こんな子が実在していたのか、と感動するだろう。
どれくらい飛んでいたのか、ふとポケットに入れていた連絡用端末が振動する。これには困っている人がいるとその存在を知らせてくれる機能があるのだ。取り出して覗き込むと、困っている気配を感じ取れるようになる。その気配に従って奏多は空を飛ぶ角度を変えた。
気配の元は男性だった。公園の自販機の前で何か探すようなそぶりであちこちをきょろきょろとしている。ふわり、と目の前に降り立って、微笑みかける。
「あの、探しものですか……?」
「え、あ、ああ、はい。そうなんです」
「やっぱり。探すの、手伝いますよ。何をお探しで?」
「えっと、家の鍵で……小槌のストラップがついてるやつで……」
頷き、魔力を展開させ辺りの異物を探る。ひゅお、と風が吹き、男がびっくりしているのを横目にそれっぽい物を見つけて、その場所に小走りで向かう。
自販機の下から感じ取ったそれをつかむために寝そべって手を伸ばす。後ろから「そ、そこまでしていただかなくても」と困惑したような声をかけられたが無視をする。親切な魔法少女は、汚れなんて気にしない。奏多が昔読んだ魔法少女の物のライトノベルでもそうだった。
ややあって、手に入れたそれは鍵だった。小槌のストラップがついている。
「これ、でしょうか」
「は、はい。それです」
「よかった……もう無くさないで下さいね」
男がどこかぼうっとした目でこちらを見るのに、にこりと笑いかけて魔法少女は再び空を舞った。
そろそろ家に帰ろうと、そう思って。ずっと背中に感じる視線は無視をして。
それが間違いだったのかもしれない。
♦
「ふふふ……」
あれから数か月。今日も今日とて人助けをした奏多は自宅に帰って、ベッドの上でスマホをつけてとあるサイトを眺めていた。それもずばり魔法少女目撃サイト。どうやら各地に魔法少女はいるらしく、彼女たちの目撃情報を集めた物がこれだ。
そんな中でも目撃情報が多くて優しいと評判なのは奏多だった。単独でファンサイトまでできている。彼女に会いたいから奏多の住んでいる市に行こうかな、なんてことを言っている人もいる。
誰にも必要とされてなかったのに、今じゃこれだ。みんなが奏多を必要としている。
口角をあげながらごろん、と寝返りを打つ。正直、男だった頃の全てが消え失せて、変身前の姿や世界で過ごしてきた痕跡もすべてこの少女の物に置き換わっていたけれど、最早気にすることではない。両親だってよく外出するようになった奏多のことを喜んでいるし、もうこっちの方が正しい姿なのかもしれない。
そんな時だった、サイト内の書き込みに「助けてほしい」というものを見つけ、奏多は目を瞬かせた。
サイト内で救援を求められるのは珍しい。というか今までにない。しかし気になることがあったので奏多は本文を読む事にした。自分のできることなら、助けにいこうという下心もありつつ。
「……銀髪の魔法少女に、狂わされた?」
端的に言えば内容はそんな感じだった。それに同意するように大量のレスがついている。
「わかる、自分がどういう目で見られてるのかもわからずに無邪気にこっちに笑ってくるの、マジで狂う」
「かわいい、あの顔を歪ませたい」
「実は空飛んだ時にパンツ見えないかなって思って覗こうとしているわ」
「犯したい」
「……」
他にも書き込みはあったけど酷いものだった。そのどれもが奏多を性的な目で見て、汚している。眉を顰め、ため息をつき、そのままサイトを閉じて目を閉じた。まさか自分もそんな目で見られているとは。まぁ、わからなくもないが。この少女の見た目はあまりにもかわいらしい。しかしそれが奏多自身に向けられているなら気持ち悪いと思う一方だ。
なんか気分を害した。だけど純粋に助けを求める人だっている。なら、人助けをやめる理由にはならない。
むぅ、と頬を膨らませながら奏多は窓から外に飛び出す。何か気分転換がしたい気持ちだった。
夜の街を飛ぶ。夜の街は昼間と比べて静かだ。そして、真下に見える光が綺麗。人の営みを感じる。と、端末がぶるりと震えて困っている人を知らせる。
いつものように気配を頼りに降り立つと、マンションの前だった。
「……何か困りごとですか?」
「……あ」
ぽかん、と男が目を見開く。そしてその表情に奏多は見覚えがあった。
「ふふ。また、鍵を無くしちゃいました?」
公園で鍵を無くして探していた男性だ。何も言わずに固まる彼に笑いかけて、奏多は前と同じように魔法を使い、探し物を見つけようとした時だった。
バチィッ
「ッうぁ!?」
瞬間、近づいてきた男から凄まじい衝撃を与えられ、意識が遠のく。
「な、に……?」
「本当に困ってたんだ……君を手に入れたくて」
変身が解けて力が出ない、魔法も使えない。そのままマンションの中に引きずられ、奏多の意識はそこで途切れた。
♦
「う……」
目が覚めた。動こうとして、気が付く。手が手錠で動かない。背中側に回されている。上半身だけ起き上がり、自分の状態を確認する。
変身前に着ていたジャージの前がはだけいる、中に何もつけていなかったので肌が丸見えだ。足がスースーする。目を向けると、そこには下着、黄緑のボーダーのパンツと白い靴下のみの素足が見えて、思わず「ひぇ」とか細い悲鳴が出た。
変身すればこの程度の拘束は千切れる、はずなのだけど、端末が見当たらない。あれの補助がないと奏多は変身ができない。
「……っ、う」
この状況で何が起きるのかわからないほど無知ではない。意識がない間に犯されはしてないようだが、時間の問題だろう。恐怖でカタカタと身体が震える。とても恐ろしいことが起きようとしているのに、逃げることもできなくて、泣きそうになる。なんで、どうして、と何かに向かって叫びそうになるが、声が出ない。奏多は極度の緊張状態にあった。
幸いにも、ベッドの上に置かれているので痛みはない。歩けばすぐに出られるか、と足を動かすと何かが突っかかる。よく見ると足首からベッドの端にロープが繋がれていた。幸いにして長さがあるのでベッドの上だと自由に動けそうだけど、何も嬉しくない。
そうやって奏多が自身の状況を把握している時だった。目の前の扉が開く。
「……起きた?」
その声にビクリと身体が硬直する。そこにいたのは鍵を無くした男だった。
こちらに近寄ってくる彼にずりずりと後退りをしたものの、壁にぶつかって止まる。ひ、と息を飲み込む奏多に男が心底うっとりとしたように笑う。
「あぁ、変身前もこんなに可愛らしいんだね。嬉しい……」
「あ、の、なんで……」
「あぁ、ごめんね。君を俺の物にしたくて」
男がするりと奏多の頬を撫でる。
「今日魔法少女のサイトにね、君は見てないかもしれないけど……君を汚すような書き込みがたくさんあって。もう腹が立って仕方がなかったんだ。君は俺の物なのに」
「ち、が……」
「それで心底「困って」いたんだけど、丁度君が現れたんだ。これは、もう運命だよな」
男の目はどろりとしていた。それが恐ろしくて、奏多は思わず涙目になる。ぼやけた視界の先で彼が陶酔しているように話す。
「ずっと閉じ込めてしまいたかった……。あの日、君と出会ったあの日からずっと。準備していたんだ……」
はぁ、と息を吐き男が奏多の上に圧し掛かりベッドに押し倒される。その重さに抵抗しようとするも、ピクリともしなくて恐怖心が増していく。あぁ、この身体はこんなにも非力なのか。男だったらもう少し、抵抗できたはずなのに、なのに。
「ねぇ、名前、なんていうの? 教えてよ」
「か、奏多……」
素直に教えてしまったのは、その圧のせいだ。男の圧のせいで怯え切ってしまった奏多には彼に逆らうという発想がなかったのだ。
「かなた……奏多、ね。可愛い」
その後も何度も繰り返し名前を呼ばれる。その度に教えてしまった後悔で奏多は首を小さく降った。
ゆっくりと男の手が胸元に延ばされる。その熱さにびくりと身体が跳ねるが、気にせず男は胸元の感触を確かめるように何度も小さな胸を撫でる。
「奏多、ブラはつけた方がいいよ。このかわいいおっぱいが垂れるの、可哀想だし、乳首も擦れるでしょ」
言う事を聞かない妹に対するお小言のようなノリでそんなことを言う。ノリがあまりにも日常の続きのようなのに、やっていることは監禁と強姦だ。その差に頭がぐらぐらする。
「寝ている間に済ませてもよかったんだけどね、それじゃ勿体ないだろ」
そのままするりと下の方に手が滑らされ、下着を下げられる。そしてそのままグイ、と膝を持ち上げられる。慌てて抵抗をしようとするが力で押さえつけられれば無駄だった。バタバタと動く足を抉じ開けられる。
指がそのまま自分でも触ったことのない秘部に伸ばされる。奏多のそこは年齢と反してあまり毛が生えていない。毛が指を防ぐこともなく、広げられた。
今まで触れたことのないそこに空気が当たってスースーとする。羞恥と恐怖で顔を歪める奏多に構う事もなく、男が顔をその場所に近づける。
ぬるり、とぬめった感触がした。
「ひっ……!?」
思わずびっくりして腰が逃げるが、男の顔は離れない。そのまま奏多も知らないそこをぴちゃ、と舐め上げた。
そう、舐められている。
誰にも触られたことない、自分も触ったことのないその場所を。
ゾっと嫌悪感が全身を蝕む。
「やっ、やだっ……やだ!」
バタバタと力を入れて暴れるが、男はその場所から離れない。ふぅ、と生温い風がそこに当たる。
「……みつけた」
「んひゃ!?」
男の声がした瞬間、奏多の下半身から脳みそに電撃が走ったかのようなビリビリとした感覚が走った。
そのまま何度もその場所を舐められ、びく、びく、と奏多の腰が跳ねる。
なんだこれは。こんな感覚、知らない。こんな鋭い、冷たさすらある衝撃を、今まで味わったことはない。
「あっ、やだっ! なに、なにこれっ」
「はっ、かわいい、クリ舐められた事ないのかな?」
嬉しそうな男に、ぼんやりと性知識が頭の中に浮かぶ。クリトリス。これが。あの。
知らなかった。こんな激しい快楽、知らない。今までの自慰とは快楽の強さが違う。こんな風に否が応でも乱れさせられるなんて、おかしい。
おかしい、のに。
「あっ、あぁ……」
すすり泣く様な喘ぎ声に男が興奮したようで舌の動きを激しくする。下から上に舐られたらたまらない。奏多はいつの間にか抵抗する気も無くなってびくびくと身体を跳ねさせた。
「初めて会った男にこんなことされて感じちゃうんだ? 危ういな、俺が保護してよかった……」
「やぁ、あ、ああぁ……」
ぢゅ、と思いっきり吸われてその快楽の強烈さに背筋がビリビリとする。
段々と力が入らなくなってきて、思考もわけがわからない。もっと、もっと欲しいだなんて終わっている考えさえ出てきてしまう。
(嫌、ちがう、こんな強姦されてもっとだなんて思うわけないっ!)
否定したくて首を振り、足を必死に動かすが、意味はない。何度も舐られ徐々に高められていく。
ゾクゾクとしたそれが体全体にぐるぐると渦巻いて、解放されたいと疼いている。それに応えるように男が軽く、優しくクリトリスを噛んだ。
噛まれた。女の子の一番敏感な場所を。
その瞬間だった。渦巻いていた全ての熱が、一か所に集まって、それから、弾ける。
「あぁぁっ!」
その強烈な快感に耐え切れずに、ビクン、と奏多の小さな全身が陸に打ち上げられた魚のように跳ねた。は、は、と息があがる。とぷ、とあらぬところが湿ってきているのが自分でもわかって、泣きたくなった。そんな、強姦なんてされて絶頂してしまうなんて。
じんじんとしたそれは男の時のそれと違ってずっと体を蝕み続けている。荒い息をあげてぐったりとする奏多に男が嬉しそうに笑う。
「イッちゃった? 気持ちよかったんだ……」
「はっ……はっ……」
男がぐったりとした奏多の秘部から顔を離し、カチャカチャとベルトを外す。それをぼんやりとした頭で聞く。もう抵抗する気力は残っていなかった。だって、もうどうしようもないじゃないか。こんな強姦でイッてしまうだなんて、なんて淫乱なんだろう、と自分自身に失望すら浮かぶ。
やがて、男の下履きが取っぱらわれ、そこから大きな、昔の自分のそれより大きなブツが現れる。すっかり反り返っていてビキビキと血管まで浮かんでいる。
「な、にそれ……」
それに流石に恐怖を覚え、足を閉じようとするも、無駄だった。興奮した男は力の入らない奏多の抵抗なんて物ともせず足を広げさせ、小さな誰も受け入れたことのないそこに思いっきりちんこを突き立てる。
「……あ゛っ!?」
「っ、きっつ」
痛い。痛い痛い痛い!
あまりの痛みにバタバタと暴れる奏多に構うことなく、男が腰を進める。ずるずると大きなものに擦られる感覚が苦しくて、辛くて、助けを求めるようにシーツを握りしめた。
初めて異物を受け入れたそこは、男のそれをそれでも受け入れようと健気にきゅうきゅうと締め付けるが、それが余計に奏多に苦痛を与えている。どうしようもない身体の反応に、奏多がむせび泣く。
「いだい! っ、ぬいて、ぬいてぇ!」
「は、はは、可愛い、奏多、可愛い……」
うわ言のように可愛いと繰り返す男はしかし容赦なく奏多の狭いその場所に楔を打ち付ける。あまりにも硬く、重いそれに奏多がぎゃんぎゃん泣くのにもお構いない。
ずる、といつの間にか流れていたらしい血液がナカの滑りをよくして、ゆっくりと大きなそれが埋まっていく。
はぁはぁと男の荒い呼吸と奏多の叫び声が部屋を埋める。やがて、パン、と肉と肉がくっつく音がし、男のそれが奥の奥までたどり着いた。
ぎゅう、と体重を乗せられて奥を突かれる。それにどこか甘い痺れを感じて、奏多は目を見開く。
「あっ……?」
ずる、とみっちり膣の中を埋めたそれが引き抜かれていく。ぽっかりとそのサイズに空いたナカがゆっくり元の形に戻ろうとする。が、また入ってきた鋼鉄に再び肉を押し上げられ、苦しさのあまり呻く。
男はそれを気にせずに抽送を繰り返す。
「奏多、奏多ッ……、俺、君に出合ってかってからずっとこうしたかった」
「ぅ、うぅ……?」
「俺、今一番幸せだ……奏多がいて、本当に幸せだ……」
「しあわせ……?」
その言葉にきゅん、と心の奥が疼く。
それが何か考える暇もなく、気づけば奏多の口は勝手に動いていた。
「僕、が必要なの……?」
「当たり前だろ、ずっとこうやって手に入れたかった……!」
きゅうん、と心が再び疼く。
(この人、僕が必要なんだ……)
奏多は、今までこんなに必要とされたことがなかった。求められたことがなかった。男のその言葉はある意味で純真で、奏多ぐちゃぐちゃの頭によく沁みた。沁みてしまった。
ずっと、誰かの役に立ちたかった。誰かに、必要とされたかった。魔法少女になってからそれは多少は満たされていたけれど、ここまで求められたことなんてなくて。
「奏多がいなかった日々に戻りたくないっ……!」
(僕がいなくちゃ、だめなんだ……)
結局のところ、奏多は混乱しているとはいえ、自身を必要としている男に愛情を抱いてしまった。
そして、その歪んだ愛情を自覚した瞬間、ビリビリとした、ずっと無視していた微量の快楽に気が付く。
「あっ……」
その快楽に苦痛一色だった脳がバグを起こして、苦しさも気持ちいいと捉えてしまう。それが、必要としてくれている相手から与えられるものだから、奏多は受け入れてしまっていた。
はぁ、と息を吐く。それがあまりにも艶めかしくて、男が息を呑む。
早くなる腰の動きに、びく、と身体が反応する。はぁはぁと二人分の荒い呼吸が部屋を満たす。
じんじんとした快楽が腰の奥に溜まっていくのを感じる。それに何処か満たされたように奏多が涙を流す。
「ん、あっ……」
「奏多ッ……」
どちゅ、と再び奥を突かれる。女の子の大事な場所をちんこで押しつぶされ、奏多は苦しくて「ぐぇ」と声をあげる。
だけどそれだけではなかった。じぃん、とした快楽。深い深い快楽が腰を甘くビリビリと包み込む。
気持ちいい。気持ちいいのかもしれない。
そっと腕を男の首に回す。ただ、そうしたかったのだ。自分が必要だと言い切った彼に。
「もっと、もっとおく、ちょうだい……」
「っ、いいよ」
いつの間にか膣の中が愛液で満たされている。ずるん、と滑りの良くなったちんこが奏多のナカを荒らしていくのが、どうしようもなく嬉しくて、ぎゅうぎゅうと男に抱き着く。
いつの間にか苦痛より快楽のほうが大きくなってきていて、気持ちよさが体中を満たす。その快楽もまた、今まで味わったことのないものだった。
知らなかった。セックスって、こんなに気持ちがいいんだ。
「奏多、キスしていい?」
「ん……」
こくこくと頷くと、男の顔が近づいてきて奏多の唇を奪う。
ふに、と押し付けられるだけのそれを何度も何度も繰り返しているうちに、段々と気持ちよくなってきた。
口を開くと、ぬるりとした太い肉が奏多の小さな口内に侵入してきた。それが何かを悟り自分も舌を出して絡める。舌と舌を絡ませ合う、その程度の知識しかなかったが、ぬるぬるとしたそれにぞわぞわとした感覚がして、夢中になって擦り合わせる。
どちゅん、と奥に突きつけられる度に、舌が絡む度に、快楽が背筋を震わさせる。
「ん……あっ……んんっ」
「は、ん、奏多、好きだっ……」
好き、という言葉に耐性のない奏多はそれだけできゅうんとブツを締め付けてしまう。
必要とされてる、気持ちいい、この人、僕が好きなんだ。色んな考えが浮かび上がっては消えていく。
ジンジンとした疼きが徐々に大きくなっていって、解放されたいと疼く。だけど、適うことなくずっと溜まっていく一方だ。
「はっ……あ、んっ」
それを助けてほしくて唇を寄せると嬉しそうな男と目が合った。
そのまま、また舌を絡ませ合う。ぢゅ、と舌を吸うと唾液が流れ込んでくるのを飲み込む。最早この程度、奏多にとっては何でもないことのように思える。
肉と肉のぶつかり合う音と、ぐちゅぐちゅとした粘着質な音が下半身から聞こえてくる。ばちゅん、っと打ち付けられる度に溜まっていくそれが泣きそうなほどに気持ちよくて、ちゅっちゅっと何度も唇を重ね合わせた。
「ッ……もう、でるっ」
「あぇ……?」
(そういえば、避妊していたっけ? してなかったな。でも、いいか。僕、男だし)
びくびくと快楽に浸された頭で考える。もうめちゃくちゃだ。昔は男とは言え、今は女だが、奏多には些細なことのように思えた。
ぎゅう、と抱きしめられて何も考えられなくなっていく。
「受け止めてくれッ……!」
「あっ、あぁ……」
ぞわり。
奥の奥をマーキングするかのように押し付けられて、奏多の身体が跳ねる。その跳ねる動きすら押さえつけられてぐちゃぐちゃになった快楽が頭を占拠する。
「うぅぅ……!」
「で、るっ……!」
ぶるり、とちんこがナカで震えるのを感じる。押しつぶされるかのようにベッドに押し付けられて本当の奥の奥に注ぎ込もうとする意欲を感じとり、ぞくぞくと本能的な疼きが身体をめぐっていく。
そのまま子宮にびちびちを重い重い精子が注ぎ込まれる。
「あ、つぃ……」
うわごとのようにそう呟き、奏多はぼんやりと潤んだ視界で男を見つめる。
それにごくん、と唾を飲み込んだ男がナカでもう一度硬くなってくるのを感じて、奏多は薄っすらとした笑みを浮かべた。
「んふ……、ねぇ、もっと、もっと必要として……?」
首を抱き寄せてそう呟くと、再び抽挿が始まった。荒々しいそれに余裕がないんだな、と他人事のように思う。
さっきまでは優しかったんだと思うほど激しく奥をガンガン突かれて、苦しさと快楽に喘ぐ。
「あっ、あぁあっ♡」
気持ちいい、それしか考えられない。
もっと、もっと欲しい。精液と愛液で突っかかることなく動くちんこが与えてくるのは最早快楽のみだった。多少の苦痛すら愛おしくて堪らない。
溜まっていく快楽が段々限界を迎えていくのが身体で理解する。
あぁ、もう、もうだめだ。もう限界かもしれない。
全身に回る毒のような快楽がお腹の奥に集中していくのを感じる。その強烈な快楽の集まりが弾け、ガクンと身体が思いっきりエビ反りになった。
「あああっー!♡」
頭が真っ白になる。何も考えられない。こんなの、こんなのクリトリスでイッった時ですら感じなかったのに。
強烈な快楽は全身を行き渡って、降りてこれない。涙と涎と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになっているのがわかる。酷い顔をしているのに、男はそれにすら興奮するようで、腰を動かすのをやめない。
「あっ、だめ♡ らめぇ♡ いまぁらめ♡」
「はっ、奏多っ、奏多っ、好きだ、好き……」
「あぁっ……♡」
イッてるのに快楽が止まらなくて、ぶんぶんと首を振る。気持ちいいのが怖いレベルまで来ている。
「またきちゃっ……♡!」
きゅうううん、とナカを締め付けながら、奏多が再び絶頂する。しかし男はそれでも達しないのか、動き続ける一方で。
だめ、だめ、とうわ言のように呟きながら小さな身体で何度も達する。その度に脳がしびれ、気持ちいい意外何も考えられなくて、舌を突き出すとそれも吸われてさらに頭の中がぐちゃぐちゃにかき回されていく。
「んうぅぅぅぅ……♡!」
びくん、と三度目の絶頂をした時、その衝撃に耐え切れなかったのか、脳みそがぷっつんとブレーカーを落としたかのように真っ暗になった。
ナカでは、まだ男のそれが動き続けているのを暗転する意識ともに感じ取りながら、奏多はそれに意識を委ね、眠りについた。
♦
「……ん」
目が覚めると、自室だった。おかしい、自分はあのマンションの一室で……そう思って辺りをあの日見たマスコットが空に浮いていた。
「目が覚めたかい?」
「あ……はい」
「様子を見に来たら、まさかあんなことされているとはね」
「……えぁ」
あんなこと。心当たりしかなくて奏多は顔を真っ青にした。
どうしよう、孕んだかもしれない。というか自分はなんであんなに乱れて。これでは淫乱でしかないじゃないか。
「気分が悪いかい?」
「い、え……」
「こっちの力で避妊はしておいたから大丈夫だよ。君にはまだまだ頑張ってもらわないとね」
「あの……あの人はどうなったんですか……?」
恐る恐る口にすると、マスコットが呆れたようにため息をついた。
「あんなことをされておいて、そんな心配かい。まったくお人よしというか脳が空っぽというか……消したよ。魔法少女に焦がれるだけならまだしも手を出す馬鹿は僕らにとっても不利益だからね」
「消した……」
「じゃあ、僕はまた巡回するから……あ、そうそう。端末のアップデートで近くになくても変身できるようになったから自衛しなよ」
「……」
ふわ、と空気に溶けていったマスコットの痕跡を眺めながら、奏多はぼんやりと思い返す。
あんなに、必要とされたことなんて、今までなかった。彼のそれは、本当に……。
思い出すとずくりとお腹の奥が疼いて、奏多はなんだか泣きたくなった。あぁ、本当に爪痕を残されてしまったのに、その相手は消されてしまったのだ。奏多に近づいたせいで。
(あの時助けたのが間違いだったのかな……)
しばらくは、人助けもする気が起きないだろうな、とベッドの上に寝転がり、ため息をついた。
エッチだったら教えてもらえると助かります!