※ノクターンノベルズさんにも投稿しています。
突然何を言っているのだと思われてしまうかも知れないけれど、私は、3歳年上の姉のことが、大好き。
小さいころからお姉ちゃんっ子で通っていたし、姉が在学しているからという理由だけで、同じ高校に進学することを選ぶくらいだし。
けれど姉の年齢は、私から見てちょうど、3歳年上。
合格を掴み取った後、冷静になってよくよく考えてみれば、つまり私が入学した瞬間にはもう、姉は卒業しているということで。
いや、そりゃぁ、私が受験に勤しむ間に、卒業式がどうのなんてフレーズが出ていたから、薄々気づいてはいたんだけれど。
後にも先にも、入学式でわんわんと大泣きに泣いた生徒は、それを実感してしまった私くらいではないだろうか。
その他にも私の姉好きに関するエピソードは色々とあって、語ろうと思えばいくらでも語ることが出来るわけだけれど。
個人的にこれこそが極めつけだという、エピソードがある。
それは、私が初めてオナニーしたときの切っ掛けが、一緒にお風呂に入った時に目にしっかりと焼き付けた、姉の裸だということ。
その時は、私が小学5年生か6年生か、それくらいの時期だったように思う。
始めに感じたのは、脱衣所で服を脱いでいる時に、自分の身体と姉の身体の違いに感じた、違和感程度だった。
鏡越しに見た姉の身体が私のそれより、胸も、腰も、何処か丸みを帯びているというか。
その性徴の違いに興味を持った私は、浴室で姉の背中を流すふりをしながら、その身体に手を這わせて、その柔らかさに驚いて。
好奇心を擽られてしまった私は、一緒に湯船につかりながら、ガン見して、抱き着いて。
そうして観察しているうちに、姉の身体が女に近づいているのだと本能で分かってしまった瞬間に、ぞくり、と恍惚感のようなものを感じてしまっていた。
私はお風呂の後、そのゾクゾクを忘れないうちに、そうして訳も分からないままに自らの身体に手を這わせて。
そうして、初めての快感を覚えてしまった、ただそれだけのこと。
それだけとはいえ、当時の私にとっては一大事で、それ故に記憶も鮮烈に残っている。
とはいえ誤解しないで欲しいのは、私は姉に恋愛感情のようなものを持っているわけではないということ。
姉が幸せなら別に、恋人を作ったって良いと思っていたし、将来誰かと結婚するのなら、普通に祝福できると思うし。
ただ、その、ちょっとだけ。
私が姉を初めてのオナニーのおかずに使ったように、姉もそうだったらいいなんて、本当に少しだけ、思っている。
まぁ、なにはともあれ、私の大好きな、そんな大学二年生の姉の様子が、最近ちょっと、おかしい。
私の姉は、大学に進学したころはまさに、清楚という言葉が本当に似合う、大人しい人で。
サラリとした長い黒髪に、ふんわりと優しい性格に、そうしていつも、穏やかな微笑みをたたえていて。
とにかく、大和撫子という言葉すら、姉のためにあるんじゃないかと思うくらいにお淑やかな人だった。
そんな姉に、まず訪れた変化は、その髪の色。
半年ほど前のある日、美容室に行くと言って家を出た姉を、私は何となく見送って。
しばらくして帰ってきた姉は、すっかりとその髪を亜麻色に染めていた。
そんな姉を一目見た家族一同、その変化に驚かされたのは、まだまだ記憶に新しい。
けれどそこは、姉ももう大学生だし、それにハタチの誕生日すら迎えているわけで。
だからそれは、今まで大人しかった姉の冒険なんだと、私たち家族はその変化を好意的にとらえていて。
似合うとか、可愛いとか、寄ってたかって褒めていたのを、よく覚えている。
そこまでならば、まあ、いい話で終わるのかもしれないけれど、その日を皮切りに、姉の変化はどんどん、進んでいく。
そんな姉が次に選択したのは、まさかのピアスだった。
その日、学校から帰ってきた私は、家の中ですれ違う度に感じた姉の違和感に、何度も何度も首を傾げて。
だからついつい、のんびりと過ごす姉の様子を、じ、と観察してしまっていた。
それが判明したのは、日が落ち始めてそろそろお風呂に、というタイミング。
姉は、何かのケア用品ののようなものを耳たぶに塗り込んでいて。
そうして気づいた、その耳に小さく輝く、ファーストピアス。
思えばこの頃から、姉の香りに、何処かチョコレートのような、どこか甘苦い香りが加わった気がする。
その香りの正体を知ったのは、それから、2か月ばかりが過ぎた後。
窓を開けて換気をしていた時、なぜかその香りが何処からともなく漂ってきて。
ふと窓から顔を出してみれば、同じように隣の部屋の窓から顔を突き出している姉の姿が目に入る。
その姉は、茶色の細長い棒のようなものを、人差し指と中指の間に挟んでいて。
時折、その棒を口に咥えては、ふわりと、チョコレートのような甘苦い香りの煙を吐き出していて。
それが、煙草だと気づいたとき、ちらり、とこちらを見た姉と、目が合ってしまう。
私のことを見て、くすり、と笑った姉は、しぃ、と人差し指を唇に当てて。
そうして、私に見せつけるように、すぅ、と大きく煙を吸って見せてきて。
私はまるで逃げるように、窓から顔を引っ込めたのをよく覚えている。
さらに、姉の変化の極めつけが、その、舌。
その日はたまたま、両親が遅くまで出かけていて。
そんな夜に姉は、私だけに特別、と前置きして、ぺろり、とその舌を突き出して見せてくる。
それは、真ん中からぱっくりと、左右に、割れていた。
こういうの、スプリットタンって、言うんだっけ。
凄いでしょ、なんて得意げな姉は、まるでバタ足をするみたいに左右を交互に上下して見せたり、すっかりと扱い慣れた煙草の吸い口を挟んでみたり、おどけていて。
けれど最後には、さすがにこれは親に内緒にしてほしいと、私に向かって拝んでいて。
私は、心の中に描いていたあの大人しかった姉の印象とのギャップに、脳みそが煮えるような感覚を突きつけられて悶えながら、けれど久しぶりの秘密の共有に心が躍るのを感じていた。
────
「そんなの、恋人の影響とかじゃない?」
「ううん……。やっぱり、そっかぁ……。」
学校帰りに友人と良く寄り道をしている、ファストフードのお店。
育ち盛りの高校生としては、どうにもこの油の匂いだとか、濃いめの塩味だとかが恋しくて。
だから今日も友人と、おやつ代わりにポテトのフライを齧りながら話に花を咲かせているうちに、話題はなぜだか、自分の姉のことになって。
最近の姉の変化のことをつい漏らしてしまえば、友人から返ってきたのは、恋人の影響と言う、どうにも説得力のあるお言葉。
「改めて人から言われると、ちょっと、ショックかも。」
「芽亜ったら、シスコンだもんねぇ?」
「シスコンじゃないと思うけど……。」
「えぇ、自覚ないの……?」
友人から自覚を促されて、うぅん、と悩んでしまう。
私は確かに姉が好きだけれど、シスコンかと言われると、少し違うと思う。
だって別に、姉を独占したいと考えているわけでもないし。
姉と恋愛してどうのこうのとか、そういうものでもないし。
ただ、姉が好き、という事実自体がすなわちシスコンということであれば、まあ、否定はできないわけだけれど。
「大好きなお姉ちゃんが、誰かにとられて嫌なんじゃないの?」
「いや、そうじゃなくて……、ただ最近の、おねぇの変化に、私の頭の中が追いつかないだけで……。」
「ふぅん……?」
「いやまぁ、出来れば理由とかは、ちゃんと知りたいかもだけど……。」
「なにそれ、やっぱり、妬いてんじゃん?」
「いや、そんな……。」
友人から出てきた、妬く、と言う言葉に、ちくり、と胸の奥がざわめいてしまう。
そもそも、姉に恋人がいるのは、家族全員が知っている。
姉が髪の色を変えた頃、紹介したい人がいるだなんて、うちに連れて来ていたし。
姉とお付き合いをしているだなんて自己紹介をしたその人は、人当たりの良い優しげな女性で。
少し驚いたけど、最近はかなりポピュラーになりつつある、ふたなり、の人なんだとか。
パパやママともすぐに打ち解けて、私にも随分と、気を使ってくれていたのをよく憶えてる。
その時の印象では、姉に何かを強要するような人じゃないように見えていたし。
傍から見ても、何だかお似合いだな、なんて、思っていて。
私から見ても、綺麗な人だな、とか、素敵な恋人で羨ましいだなんて素直に思えて。
だから、私が妬いているって、誰に?
何度か会ったことがある、あの、姉の素敵な恋人に?
私は友人に、そんなわけがない、と返そうとして。
そうしてなぜだか、口をつぐんでしまっていた。
「まぁ、一回ちゃんと、お姉さんとお話してみたら?」
「……うん、そうしてみる。」
「で、話変わるけど、二組の山下がさぁ……。」
目の前の友人は、私が言葉に詰まるのを、ポテトを咥えながら横目に見て。
そうして終いには、少し投げやりに話を打ち切ってしまう。
友人も感じているであろう通り、これ以上この話題を引っ張っても、私はろくに相槌も打ていまま、お互いに困るだけだと思う。
私は、そんな見切りの上手い友人の存在を有難く感じながら、ぎこちない笑顔を浮かべて、次の話題に興じるのだった。
────
「ただいまぁ。」
「あ、お帰り。芽亜、お姉ちゃんもう少ししたら、出かけるからね。」
「ん……。」
結局私と友人は、ドリンクをもう一杯お代わりして。
そうして私が家にたどり着いたのは、もうすっかりと日が暮れた時間。
家に帰った私をお迎えしたのは、ぱたぱた、と忙しそうにリビングでお出かけの準備をする、姉の姿だった。
「どこ行くの?」
「ん? 言ってなかったっけ、デート。」
「あ、うん……。そっか。」
「今日は泊ってくるから、よろしくね。」
何の気なしに尋ねてみれば、お化粧をしている姉から返ってきたのは、デートという単語。
友人と先ほどまで、散々にあんな話をしたからだろうか、姉の口から出たその単語に、ちくり、と胸の奥が痛くなって。
ぐずり、と嫌な考えが湧き出てしまうのを、頭を振って何処かへ飛ばして。
「パパと、ママは?」
「今日は、二人とも夜勤だって言ってたじゃない。」
「そっか……。」
そういえば今朝は家を出る時に、ママから晩御飯のことをお願いされていたのを、思い出す。
だからママは何となく帰りが遅いのだと思っていたけれど、まさか二人ともが夜勤のシフトだとは思っていなかった。
つまり、パパもママも、明日のお昼過ぎくらいまでは家に帰ってこないわけで。
だから、姉に恋人さえいなければ、今日は、二人きりだったのに。
「ねぇ、魅亜お姉ちゃん。」
「ん、なに?」
「お姉ちゃん最近、なんか、変わったよね。」
「うん? 急にどうしたの?」
「別に……。」
別に、何でもない。
そういうつもりで居るはずだったのに、どうやら私の身体は随分と素直に、気持ちを態度にあらわしていたらしい。
そっと引いたつもりの椅子は、がたり、と大きく音を立てるし、そっと置いたはずの鞄は、1メートルくらい空を舞ったし。
そんな態度を見せてしまえば、根は優しいまま変わらない姉は、おめかしをする手を止めて、私に視線を向けながら、ちらり、と首をかしげて。
私はそんな姉の視線に、まるで子供のように唇を尖らせて、椅子の上で膝を抱えてしまっていた。
「芽亜?」
「……。」
「……寂しくなっちゃった?」
「ちがうし!」
そうして拗ねていれば、突然に投げ込まれる、姉の指摘。
私は、姉のそんな指摘に噛みつくように反論して。
けれど最早、自分が抱えている感情の名前が、分からない。
「ふふ……♥」
「……。」
「芽亜は、お姉ちゃんのことが大好きだもんねぇ?♥」
「別に、ちがうし……。」
そうやって怒って見せても、私と姉はもう、私が生まれてからずっとの付き合いで。
だから、まるで私のことを分かったように見透かしながら、くすくす、と笑う。
私は、そうしてからかってくる姉に威嚇するように怒りながら、けれど。
姉がお出かけの準備の手を止めて、私のことを構ってくれているという事実が、嬉しくて。
怒ったように語気を強めながらも、気を抜けば唇の端が、うずうず、と歪みそうで。
ちらり、ちらり、と姉の方に視線をやって、絡みそうになる度に逸らして。
姉には申し訳ない事だけれど、どうにも少し、私はこの状況を楽しんでしまっているらしい。
「じゃぁ、教えてあげようか?」
「え……?」
「まぁ、そろそろ良いかなって、思ってたし♥」
「あの……?」
「ちょっと、電話するね。」
けれどそんな、私が一方的に甘えてじゃれつく楽しい時間は、姉の言葉で唐突に終わりを迎えてしまう。
その言葉に慌てて、逃げ回っていた視線を合わせれば、姉はこちらを見ながら、何処かいたずらっぽく、くすり、と笑っていて。
そうして、テーブルの上に置かれていたスマホを拾い上げて、何処かに電話をし始める。
「あ、もしもし。私だけど、今大丈夫?」
「うん、うん。そう。」
「今日なんだけど、やっぱり、うちにしない?」
「大丈夫だって。今日、誰もいないし。」
「うん、パパもママも夜勤で、妹も友達の家に泊まってくるって。」
「心配しすぎ。ん、それじゃ、待ってるね。」
姉は、私を置いてきぼりに、電話に出た相手と親しそうに話し始める。
その電話の相手は、砕けた感じで話しているあたり、姉にとって気心の知れた相手で。
今日の事、なんて話す限りではきっと、姉の恋人のあの人だろう。
電話の中では、両親はともかくとして、私まで友達の家に泊まることになっていて。
そうしてさらに、まさかな事に、今日のデートはどうやら、お家デートに変更されるらしい。
つまり、今から、姉の恋人のあの人が、うちに来る……?
「それじゃ、芽亜、私のお部屋に行こうね?♥」
信じられない気持ちで電話をする姉の様子を見ていれば、やがて電話を終えた彼女は目を細めながら、ちらり、と歯を見せて笑って。
そうして私の手首を掴んで、姉の部屋まで引っ張っていくのだった。
────
久しぶりに入った、姉の部屋。
ドアをくぐった瞬間に感じるのは、姉の好きな香水の淡い香りと、それと、チョコレートのような甘苦い、かすかな煙草の匂い。
もちろん、姉が纏う匂いで私が苦手なものなんて、一つもないのだけれど、それはそれ。
久々に姉の匂いを間近に感じてどぎまぎとしてしまう私をよそに、姉は何気ないように、デスクの方から引っ張ってきたキャスター付きの椅子に腰かけて。
そうして、立ち尽くしている私の様子に、ちらり、と首をかしげていた。
「芽亜、どうしたの? 座ったら?」
「えっ? あ、うん……。」
座れと言っても、この部屋にある椅子は、姉が座っているその椅子だけ。
だからなのか、姉が指し示したのは、彼女がいつも使っている、ベッド。
個人的に、お布団と言うのは人間にとって一番の、プライベート空間だと思っている。
だから、私がそんな、姉のプライベートの迫真とも言える部分に迫って良いのだろうか、などと思いながらも、けれど私の足は勝手に、ふらふら、とそこへ近づいて。
そうして、姉が勧めるままに、スプリングの利いたマットレスに腰かける。
このまま横になれば、姉の匂いに包まれて、気持ちよく眠れるのだろうか。
そんなことを考えてしまえば、このまま横になってしまいたい気持ちが、うずうず、と湧きだして。
私は気合を入れて、そんな気持ちに必死に蓋をしなければならない程だった。
「なんだか、芽亜が私の部屋に来たの、久しぶりじゃない?」
「そう、かも……。」
そう、姉が言う通り、姉の部屋に入ったのは本当に、久しぶりだった。
だからつい、私の視線は姉から外れて、右へ、左へ、と物色して。
そうして私の視線は、ベッド上の枕のそばに置いてある、茶色いクマのぬいぐるみに吸い寄せられる。
「あのクマ……。」
「あぁ、憶えてる? 芽亜がギャン泣きして欲しがったやつ。」
「うん……。」
姉は、そのぬいぐるみを巡るエピソードを思い出したのか、くすくす、と私をからかうように声を立てて笑う。
そのエピソードは、もう、そりゃ、私もよく覚えている。
確か、私が小学校の、低学年だったころ。
この部屋に遊びに来た私が見かけたのは、あのクマを抱きしめながら、のんびりと動画を見ている、姉の姿だった。
正直、あのクマの何がそこまで、自分の琴線に触れたのかは、分からない。
けれど、姉の抱きしめるそのぬいぐるみが羨ましくて羨ましくて。
ぎゃんぎゃんと大泣きに泣いて、それを強請ってしまったのだ。
ただならぬ私の鳴き声に駆け付けた母は、すぐに事情を察してくれて。
同じぬいぐるみを手に入れようとしてくれたけれど、お生憎にもあのクマは、何処かのテーマパークの限定品。
その時には生産が終了していて、新しく手に入るわけもなく、途方に暮れてしまっていた。
一方で、優しい優しい姉は、わんわんと泣き止まない私を慮ってくれたのか、大した文句も言わずに、そのぬいぐるみを私に差し出してくれて。
「もう、芽亜ったらすごい勢いで泣くんだもの。 びっくりしちゃった。」
「うぅ……。お恥ずかしい……。」
そこまでなら、姉妹でよくある話、なんて片付けられて終わるのかもしれない。
けれど、そのお話には実は、続きがあって。
それで一件落着といかないのが何というか、私のダメなところだと思う。
そもそも、そうやって私がねだって手に入れたぬいぐるみが、なぜ未だに姉の部屋にあるのかという、その事実。
まあ少し考えれば、多少は成長して大人に近づいた妹が、姉に返したのだと思われるだろうけれど、実は違う。
私が姉に、そのぬいぐるみを返したのはなんと、その翌日。
べそべそ、と泣きじゃくりながら姉の部屋を訪れた私は、そのぬいぐるみを、もういらない、と姉に押し付けて。
そんな私の我儘に、きょとん、としてしまった姉の前で私は、前日と同じように再びギャン泣き。
すわ一大事、と駆け付けた母に、姉が事情を説明すれば、そりゃあもう、雷が落ちたかと言うほどに、怒られた。
何でこんなことをしたのかと言われても、幼い自分に説明なんて、無理な話。
ただ、母に怒られてはギャン泣きして、を繰り返して。
その日は泣き疲れて、ご飯も食べずに眠ってしまったのを、薄ぼんやりと憶えていた。
「次の日にはぬいぐるみ、返してきたし。」
「うぅ……。あの時は、ほんとにごめんなさい……。」
「ふふ……♥ 分かってるよ。」
「え……?」
「お揃いが、良かったんだよねぇ?♥」
「あ、え……?」
そうして、唐突に聞こえてきたのは、まさに確信をえぐりぬく、姉の言葉。
その言葉が通り抜けた後には、しん、とした静けさの余韻が横たわっていた。
私があの時、どうしてあんなに泣いたのか、整理がついたのは自分でも、つい最近。
どうやら私は、姉のことが好きなあまりに、どうにかしてお揃いになりたくて。
だから、あのクマのぬいぐるみを手に入れれば、姉とお揃いに慣れるのだと信じていて。
けれど残念ながら、クマのぬいぐるみは、一つだけ。
だから私が手に入れれば姉が失って、だから、お揃いじゃない。
そうしてそれは、逆のことをしても、同じ。
お揃いになりたいから、私のものになったそれを姉に返しても、結局今度は私が失って。
どう頑張ってもお揃いになれないのが嫌で嫌で、だから、あれだけ泣いていたのだと思う。
姉とお揃いになりたいという、私の、少し自分でも病的だなと思うほどの、歪んだ欲望。
その欲望に私が、悩みに悩んで、隠しに隠しぬいて、そうして何食わぬ顔で過ごしてきた日々は、どうやら姉にすべて、お見通しにされていたらしい。
「なん、で……。」
「えぇ? 分かるよ。だって、お姉ちゃんだし。」
「は……。」
常識で計る限りは、どう取り繕っても薄汚れている自分の内面が、姉にはもう、バレバレで。
その衝撃的な事実は、私から言葉を失わせるのに、充分すぎるほどだった。
人間、衝撃を受けすぎるとどうにも、フィクションのような動きをしてしまうらしい。
私は、まさに言葉を失ったと言わんばかりに、はくはく、と唇を瞬かせて。
そんな私を姉は、ただじっと、優しく微笑みながら見守っていた。
どうして、なんで、どうしよう。
私の頭の中には、そんな言葉だけがぐるぐると回っていて。
そうして、混乱の極みにいる私に、さらに追い打ちをかけるような事実が、突きつけられる。
「あ、もうすぐ着くって。」
「え……? 着く……?」
「うん、芽亜に、お姉ちゃんが変わった理由を見せるって、約束だもんね?♥」
静かな部屋に響く、ぴこん、とどこか間の抜けた電子音。
それは、姉のスマホにメッセージが届いたことを知らせる、そんな音で。
その音を確かめるようにスマホを見ていた姉から、誰かがもうすぐ着くことを、知らされる。
それは、先ほど、姉が電話をかけていた、その相手。
私も何度か会ったことのある、姉の恋人からのメッセージ。
「じゃぁ、芽亜、ここに隠れててね?」
「え? え……?」
「絶対に音を立てたら、ダメだからね?♥♥」
メッセージを確認した姉は、私の手首を掴んで、ベッドから立ち上がらせて。
そうして未だに混乱から立ち直れない私を導くように、その手を引いて行く。
そうして姉が向かう先は、姉の部屋の隅に備え付けられている、大きなクローゼット。
姉はそのクローゼットの扉を開けるなり、私をそこに押し込んで、座らせて。
そうして、にまにま、といたずらっぽい笑みを浮かべながら、ゆっくりと扉を閉めていく。
そういえば、かくれんぼで何度も、ここに隠れていたことがあったっけ。
そんなことを思い出していれば、ぱたん、とクローゼットの扉が完全に閉められて。
そうして丁度良いタイミングで、ぴんぽん、と来客を知らせる音が聞こえてくるのだった。
────
姉の部屋に……、いや、正確には姉の部屋にあるクローゼットの中に一人取り残された私は、右に、左にと視線を巡らせて。
そうして、クローゼットの扉の隙間から差し込む部屋の明かりに、小さなころの自分がどうして、隠れ場所にここを選んでいたのかを、思い出す。
姉の部屋に昔からあるこのクローゼットは、外からは完全に扉が閉まっているように見えるのに、内側から見れば、わずかに隙間が開いていて。
その隙間から外が見えるから、様子をうかがいながら隠れるには、幼心に完璧な場所だった。
まぁ、いつもここに隠れていたから、結局は真っ先に見つかるようになってしまったのだけれど。
私は、そんな懐かしい思い出に浸りながら、つい抱えたまま連れてきてしまった、くまのぬいぐるみを抱きしめて。
そうして耳を澄ませてみれば、本当に微かに、玄関で来客に対応しているであろう姉の声が聞こえてくる。
きっと、その相手は、さきほど姉が連絡を取っていた、姉の恋人であろうということは、分かっている。
姉はいったい、私をこんなところに閉じ込めて、何がしたいのだろうか。
しばらく、腕の中のクマのぬいぐるみを、ふにふに、と揉みしだきながら物思いにふけっていれば、姉に心の内を見透かされていた衝撃も、徐々に薄れてきて。
姉には、ここに隠れていろと言われたけれど、別に、律儀にそれに従う必要もない気がしてきて。
だから、お家デートをするらしい姉とその恋人を邪魔しないように、自室にでも籠っていよう。
そう思って私はそっと、クローゼットの扉を押し開けようと、手を添えて。
とん、とん、と二人分の足音が階段を上り始めたのは、まさにその瞬間だった。
「っ……。」
その瞬間、やましいことも別に何もないはずなのに、私は、びくり、と身体を固くしてしまって。
僅かな迷いを抱く間に、この部屋から、クローゼットから逃げ出すタイミングを失ったことに、気づいてしまう。
私をこんなところに閉じ込めた姉はともかく、姉の恋人にこんな姿を見られたら、どうなるか。
そんなことを想像してしまった私は、まるで、呼吸の音すら止めるかのような勢いで、両手を口元に押し当てて。
そうこうしていればやがて、がちゃり、と姉の部屋のドアが、開かれる。
「もう、魅亜? いきなりだったから、びっくりしたよ?」
「ふふ……♥ ごめんなさい。」
部屋に入ってきた姉の恋人は、一言で言うなら、ゆるふわで大人ガーリーな印象の、お姉さん。
姉の1年先輩で、だから、大学3年生。
姉が、お付き合いしている人、と言って何度もお家に連れてきたことがあるから、私も、パパもママも知っている、最早うちの家族の中では、公認の人。
既に、将来を誓い合ったというか、二人は結婚前提でお付き合いをしていて。
どうやら、姉が卒業したらすぐに、籍を入れる予定らしい。
いつも優しそうで、にこやかで、私にもよくしてくれて。
だからつい私も、こんな人が恋人だったらいいな、なんて思っていて。
「魅亜? 私、今日のお出かけ、結構楽しみにしてたんだけど……?」
「あっ……♥」
けれど、私が姉の恋人に抱いていたそんな印象は、ご本人の行動によって、がらり、と崩れていく。
姉の恋人は、姉よりも少し、背が高い。
そんな彼女は、うっすらと唇を歪めて笑いながら、一歩、二歩、と姉に近づいて。
触れられるほどの距離に近づけば、そっと、姉の方に手を伸ばして。
そうしていきなり、姉の髪の毛をくしゃり、と握りこみながら、無理矢理に、姉の頭をのけ反らせて、上向かせて。
「ごめんなさい、は?」
「あ、あっ……♥ ご、ごめんなさい……っ♥」
「そんな嬉しそうにヘラヘラして、本当に申し訳ないって思ってる?」
「あ、ううぅ……♥♥」
「レストランも、キャンセル代かかっちゃってるんだけど。」
「全部、払うからぁ……♥」
うっすらと唇を歪めて笑う姉の恋人は、姉より少し、背が高い。
だから、ああやって姉のことを上向かせてしまえば、丁度良く、覆いかぶさるように上からのぞき込んで。
そうして、姉を痛めつけるかのように、髪の毛を掴んだ手を、事前後に、左右に、とぐりぐり、を動かしていく。
一方で姉は、そうして雑に扱われることに本当に悦びを感じているのか、がくがく、と頭が揺さぶられても、じ、と恋人と目を合わせたままに、頬を染めて、はふ、はふ、と息を荒げて。
その様子は、ちょっと、衝撃だった。
「ほんとに、朝まで誰も家にいないの?」
「うんっ……♥」
「ほんとに、デート全部台無しにして、セックスだけでいいの?」
「うん、うんっ♥♥」
「はぁ……。ほんっと、欲しがりマゾなんだから。」
「え、へへ……♥♥ へへ……♥♥」
「ん、ぢゅりゅ♥♥ ぢゅぅ……♥♥」
「っ♥♥ んむっ♥♥ ん、んっっ♥♥♥」
そうして、覆いかぶさるようにのぞき込んでいた姉の恋人のお顔は、ゆっくりと、姉に近づいて行って。
とうとう、二人の距離がほとんど無くなって、そうして、唇同士が触れ合って。
次の瞬間には、お互いに半開きだった唇同士が、獲物を見つけたかのように、はぷり、と食み合ってしまう。
その途端、ぢぅ、ぢぅ、とお部屋に響き始める、リップ音。
むぐ、まぐ、とお互いの唇が食み合うたびに、ぴちゃ、にち、と濡れた音も響いて。
きっと、唇同士が触れ合って見えないその向こうでは、ずろり、と舌が絡み合っているに、違いない。
「ん、ぢぅぅ……♥♥ ぷぁ……♥♥」
「はぁ……ッ♥♥ あ、あっ……♥♥」
やがて、二人の唇はゆっくりと、にちり、と音を立てながら距離を離して。
そうして、満足そうな吐息と、せつなそうなため息が、同時に聞こえてくる。
もちろん、せつないため息を上げたのは、姉の方。
姉は、本当に寂しそうに、離れ行く恋人のお顔を目で追って。
そうしてきっと、今にも追いかけたいのに、けれど、髪を握られているせいで、それも叶わなくて。
だから、それに追いすがるように、ぺろり、と舌を突き出していく。
それに気づいた姉の恋人が、同じようにちろり、と舌を出してくれて。
姉は自らの舌を必死に伸ばして、かろうじて届いた恋人の舌先を、ちろ、ちろ、と擽っていく。
先が二股に割れた、あの舌で。
「はぁ……、はぁ……♥」
気が付けば、私は息を荒げながら、姉とその恋人が繰り広げるその痴態を、夢中になって覗き込んでいた。
私の視線の先には、やっと髪を離してもらえた姉が、飛びつくように恋人の舌にしゃぶりついて、ちぅちぅ、と乳飲み子がミルクを飲むように、吸い付く姿。
私をクローゼットの中に隠した姉は、最初からそれを気にするつもりもないのか、その視線をただ、恋人に注いでいて。
そうして、もっと、もっと、と言うように、甘えている。
それは、私が今まで本当に見たことがない、発情した姉の浅ましい態度。
脳みそが、ふつふつ、と沸騰して、頭の中で何かが、ぶちぶち、と千切れているような、そんな感覚を憶えてしまう。
「ほら、見てよ。 魅亜がスケベすぎて、勃起しちゃった♥」
「あ、あっ……♥♥ すごい、素敵ぃ……♥♥」
「責任、取ってくれるよねぇ?♥」
「ん、うんっ……♥♥♥」
私の目の前で、二人の繰り広げる淫らな状況は、次々に進んでいく。
姉の恋人は、にやにや、と嫌らしく笑いながら、じぃ、とスカートのファスナーを下ろして。
すとん、と床に落とすように、何処か可愛らしいデザインのスカートを脱ぎ去ってしまう。
そうして、下半身が下着だけの姿になってしまえば、そのセリフの通りに、下着の前のところに、何かがみっちりと詰まったように、張りつめていて。
さらには、下着のウエストに親指を引っ掻けて、ずるり、と引きずりおろしていく。
そうすれば、飛び出すように勢いよく跳ね上がる、生まれて初めて見せつけられる、姉の恋人であるふたなりの、男性器。
少し遠目だから、正直その大きさは、正確には分からない。
けれどそれは、ずるずる、と腰が抜けるようにへたり込んだ姉の、本当にお顔の真ん前で、反り返って、びく♥、びくん♥、と震えていて。
そんな姉の顎先から、額くらいまでは届くほどに、大きいのではないだろうか。
そんなおちんちんを見つめる姉の横顔は、好物を前にしたかのように、とろり、と蕩けていた。
「ほら、お口、開けて♥」
「はい……♥♥ んぁぁ……♥♥」
姉の恋人は、自分の前でへたり込む姉の頭を、両手でしっかりと掴んで、固定して。
そうして、その目の前でおちんちんを揺らしながら、姉に対して、口を開けろと要求する。
もはや、私から見ても全く抵抗を感じさせない姉は、恋人に言いなりになるように、んぁ、と大きくお口を開けて。
それどころか、はへ、はひ、と息を荒げながら、べろり、と舌を突き出して、ゆら、ゆら、と左右に揺らして、挑発して。
「はぁ……♥♥ 魅亜、そんなに嬉しい?♥」
「ん、うんっ♥♥ れる、れりゅ……♥♥」
「この後、酷いことされちゃうんだよ?♥」
「ん、んっっ♥♥ れぅ♥♥ れるぅ……♥♥」
「あは♥ ほんっと、ドMだよね♥♥ かわい♥♥」
私にだって、姉がこの後にどうされてしまうかなんて、簡単に分かってしまう。
だから、聡明な姉であれば、この後に待ち受ける出来事なんて明白なはずなのに、それなのに、姉の表情はただ、嬉しそうで。
つまりそれは、姉は、恋人の暴挙を、ただただ、受け入れているということ。
そうして、私が一方的に見守る前で、予想通りの出来事が、進んでいく。
姉の恋人は、ぴったりと身体に沿うほどに反り返ったおちんちんを、右手で掴んで、押し下げて。
そうして、姉の、二股に分かれたその舌の上に、べたり、と載せる。
姉はそれを、寄り目気味に必死に焦点を合わせて見つめながら、れる、れり、と舌を左右にくゆらせて。
そうすれば、私の耳にまで届く、にち、にち、と乾きかけた唾液を粘膜がかき混ぜるような音。
その舌の動きで口内が刺激されて唾液が分泌されたのか、その音は姉が舌を揺らすたびに、じゅくり、と水気を増して。
そうして、姉の恋人が楽しそうに詰れば、お返事をするように舌の動きが早くなって。
「魅亜、良い子だね?♥ ほら、奥まで吞み込ませてあげる♥♥」
「ん、んっ♥ んぐっ……♥♥ ん、ん゛ぇっっ、お、んう゛♥♥」
「はぁ……♥ 魅亜の喉まんこ、きつくてあったかい……♥♥」
「んぎゅ♥♥ んぶぇっっ♥♥ うぐ、ん、お゛っ♥♥♥ んんぅう゛ぅぅっっ♥♥♥」
姉の恋人はそのまま僅かに腰を突き出して。
そうすれば、ぐぷ、とおちんちんの先が、姉の唇の内側にねじ込まれる。
そうやって導線ができてしまえば、あとはもう、誰もが想像する通り。
姉の恋人は再び、おちんちんを支えていた右手も使って、姉の頭が動かないようにしっかりと掴みなおして。
そうして、ゆっくりと、でも、力強く、腰を前に突き出していく。
その瞬間の姉の表情は、しばらく私の記憶の底に焦げ付いたように、忘れられないだろうと思う。
ぐぷ、ぐぷ、とおちんちんが姉の口の中を進んで、そうしておそらく、喉の方まで近づいたのだろう。
その瞬間に姉は、びくり、と身体を震わせながら、目を見開いて。
けれど、姉の、その素敵な恋人は、姉がその程度の抵抗を見せたところで、止まってくれるはずもない。
ここにきて本性を現したのか、姉の恋人は、ぐりゅ、ぐり、と腰を僅かに左右に捩りながら、まるで姉の喉をほじくるように、おちんちんをさらに捻じ込んで。
そうすれば、気のせいかもしれないけれど、外から見ている私の視界の中の姉の喉が、ぐ、と内側から拡げられるように、蠢いて。
そうして、とうとう、姉の唇が、恋人の下腹部と、つまりはおちんちんの根元に、むち、とぶつかって。
さらに唇を圧し潰すかのように、にゅぐ、と腰が押し付けられて。
「ん♥ んっっ♥♥♥ 魅亜、引き抜くから、吸って♥♥」
「んぶぇ、ぐ、ぢゅ、ぢゅりゅっっ♥♥ んぶっ! え、ぶっっ! ぢゅりゅ、ぢぅぅぅっっ♥♥♥」
姉の恋人は、姉のお口におちんちんをねじ込みながら、喉まんこ、って、言っていた。
だから、姉の恋人は、姉のお口の、喉のことを、女性器だと見立てていて。
つまりそれは、根元までおちんちんを捻じ込んだだけではその行為が終わらないことを、示している。
姉の恋人は、姉に奉仕を要求しながら、今度はそのおちんちんを、引き抜いていく。
きっと、うっとりと蕩けたお顔でため息をついているあたり、姉の口の中は、相当に気持ちいいのだろう。
その証拠に、まるで、その時間を少しでも長引かせようとでもするかのように、ゆっくり、ゆっくり、腰を引いて。
そうして姉の口から響くのは、必死におちんちんにしゃぶりつく、ぢう、ぢぅ、というバキューム音。
ぢゅる、ぢゅず、と唇の密着がはがれる度に、空気を啜るような下品な音も響いて。
そうしてしばらくしてやっと、姉の唇に、おちんちんの先の、カリ首のくびれが、引っかかる。
「はぁ……♥♥ それじゃ、しばらく使うから、しっかり喉締めてね?♥♥」
「んぎゅっ!? んぶっ!! ん、んぐっっ♥♥ ううぅっ!?♥♥♥」
「は、あ……♥♥ きっもちぃ……♥♥♥」
「んえっっ♥♥ ん゛、んう゛……ッ♥♥ んぎゅ、ぐ……ッ♥♥」
どうやら姉の恋人は、姉に抵抗をさせる気なんて、かけらもないらしい。
しっかりと、両手で姉の頭を掴んだ姉の恋人は、ゆったり、ゆっくり、根元までしっかり、姉のお口におちんちんを捻じ込んで。
そうして、しばらく喉の奥の感触を楽しんでから、再びゆっくりと腰を引いて、おちんちんを引き抜いて。
しばらく、喉の奥を開放されて姉がむせ込むのを許した後は、再びおちんちんを捻じ込んで。
それは、姉の口を、喉を、ただ道具のように扱う、けれどまさしく、セックスだった。
「はぁ、んっ♥♥ ん、んっ♥♥ ふ、う……♥♥ ん、ぉっ♥♥」
「んぶぇっっ♥♥ ん、えぐっっ♥♥ んぁ、ぉ、えう……ッ♥♥」
部屋に響くのは、気持ちよさそうな姉の恋人の控えめな喘ぎ声と、苦しそうに呻く姉の声。
そうして、姉の恋人が腰を振る度に、ぐちゅ、ぐちゃ、と響く、重く湿った音。
クローゼットの扉の隙間から見える姉の表情は、苦しそうに歪んで、そうして、度重なる喉への刺激に、涙や鼻水やら、どろり、と口の端から垂れる粘った唾液やらで、ぐちゃぐちゃに汚れて。
本当に苦しそうなのに、どうしてだか、とても、気持ちよさそうで。
それに、なにより、本当に。
その姿は誰よりも、綺麗だった。
「う、ぁ……。 すご、ぃ……。」
私だってもう高校生だし、だから、セックスについての知識は、あるつもりだった。
中学生くらいから読むようになった少女漫画にだって、キスシーンどころか、裸で抱き合うシーンくらい描かれていて。
それに、高校生になってからはもっと直接的な、そういう漫画とかも、読んだことがある。
けれど、そうして私が知るセックスは、すべからく、もっと、理性的と言うか。
少なくとも、目の前で繰り広げられる行為のように、相手を道具のように扱うようなものは、描かれていなかった。
そういうものはどちらかと言えば、私の知識の中では、レイプのような、そういう、犯罪のようなもので。
少なくとも、私の知るセックスと言うものは、今の姉のように、乱暴に扱われて恍惚と悦ぶような、そういうのじゃ、ないはずで。
「私、も……。」
私と姉は、姉妹だからと言うか、姉妹だからこそと言うか。
育ってきた環境が似ているからなのか、好みだって色々と、近いものがあると思っている。
だから、姉に直接言ったことはないけれど、姉の恋人のことだって、好みのど真ん中で、良いなって思うし。
そうして、恋人の好みが同じなら、性癖も、同じだというか。
乱暴に扱われているはずの姉が、ああやって喜んでいる理由さえ、理解してしまっていた。
そうして当然、胸の奥底で、姉と同じに、お揃いになりたいと思っている私が、同じことをされたいと思うのも、当然のことで。
「ん、んぅっ♥♥ 魅亜♥ 魅亜ッ♥♥」
「んう、ぐっ♥♥ んぉ、えぅッ♥♥ うぇ、ん、ぎゅ……ッ♥♥♥」
「そろそろ、出るからッ♥ 全部、喉の奥に出すからッ♥♥」
「んぢゅっ♥♥ ぢゅずっ♥♥ ぢぅ、ぢぅ、ぢぅぅ……♥♥♥」
「ん、おッ♥♥♥ イくっ♥♥ おおぉっっ、んおおぉぉッ♥♥♥♥」
当然に体感したことはないワケだけれど、射精の瞬間と言うのは、相当に気持ちいいのだろう。
姉の恋人の目は最早、虚ろに虚空を見つめていて。
そうして、その両手は、くしゃり、とキューティクルを傷つけるように、姉の髪の毛をしっかりと指に絡めて、握りしめて、頭を掴んで。
そうして、イく、と宣言した後は必死に、ひたすらに、腰を突き出して、少しでも姉の喉奥をこじ開けるように、ぐりぐり、とくねらせて。
そうして、びくん、びくん、と身体を震わせながら、何かを身体から絞り出すかのように、腹筋を蠢かせて。
一体、何が、どれだけ、姉の喉奥にひり出されているのかなんて、傍から見る私には、分からない。
けれど、ぐぎゅ、くきゅ、と姉が何かを必死に呑み込むような喉の音が、部屋の中に響いていて。
そうしてやがて、満足した姉の恋人が、ゆったりと腰を引いて行けば、ずるぅり、と姉のお口から姿を見せる、あちこちに、白いものがこびり付いた、思ったよりも長い、そのおちんちん。
あんなのを根元まで捻じ入れられたら、喉の奥の奥まで、いっぱいに満たされしまうのも当たり前だと思う。
その証拠に、喉の奥の異物が取り除かれたその瞬間に、姉は、思い切りむせ込んで。
けれど、しばらくそうして息を整えた後に、ゆらり、と上向いた姉の顔は、とろり、と蕩けていて。
「魅亜、きて、こっち。」
「きゃっ……♥♥」
そんな表情を見せつけられた姉の恋人は、どうやらもう、辛抱ができなかったようで。
姉の腕を掴んで、無理矢理にベットに押し上げて、そうして、圧し掛かる。
そうして、まるで毟り取るかのような勢いで、姉の服を脱がして、抵抗がないのをいいことに、押さえつけて。。
先ほど姉の喉を犯したことが前戯だとでも言うように、碌な愛撫もないまま、おちんちんを姉のおまんこに、捻じ込んでいく。
「はっ、はぁっ♥♥ んん、んぅっっ♥♥」
「んんぁっ!?♥♥ は、んんぅっっ♥♥ う、ううぅっ♥♥」
それから始まるのは、獣の本能丸出しの、姉と、その恋人の、本気交尾。
ぱん、ぱん、と二人の腰がぶつかる音を響かせながら、そうして、ぢゅくぢゅく、とお互いの舌を絡ませて、キスをして。
そうかと思えば、姉の身体を弄ぶように、そのおっぱいを乱暴に揉んで、乳首を指先でつまんで、ぐりぐり、と圧し潰して。
まるで、姉の身体を味わうかのように、首筋に、胸元に、かぶりつくように吸い付いて音を立てて。
正常位に飽きれば、側位に、後背位に、体位を変える度に、姉の身体には痣のようにキスマークが刻まれて。
「はぁ、はぁ……♥♥ ん、んっ……♥♥」
気が付けば、薄暗いクローゼットの中には、はぁ、と熱いため息の音が繰り返されていて。
そうして、私の手指は、自らの欲望に素直に、自分の足の間に伸びていた。
帰ってきてから特に着替える時間もなかったから、今の私は制服姿のまま。
スカートの中に手を伸ばしてみれば、けれど、私の手を邪魔する、薄い布地がそこにあって。
それをもどかしく思った私は、ずり、とその布地を、ショーツを脱ぎ去ってしまう。
そうして、改めてそこに触れれば、すぐに指先に感じる、ぬるり、とした感触。
それと、びり、と腰から頭で走り抜ける電気のような、快感。
私は、思わず漏れてしまいそうになった甘い声を抑えながら、クローゼットの扉の隙間から、二人の様子を盗み見る。
そうすれば、姉の恋人はちょうど、姉を後背位で犯しながら、そうして、姉の後頭部をしっかりと掴んで、枕に姉の顔を押し付けているところで。
だから、そんな夢中でセックスをしている二人には、早々にばれないという思いが、私の指の動きを加速させていく。
「んっ♥♥ はっ♥♥♥ ぁ、ううぅ……♥♥ んっ、んっ……♥♥」
クローゼットの外から聞こえてくる、二人の身体がぶつかる音と、獣染みた喘ぎ声。
その音量に紛れてしまえば、ひそめた私の声なんて、誰にも聞かれたりしないはず。
気づけば、薄暗いクローゼットの中には、はぁ、と熱いため息の音が繰り返されていて。
それどころか、小さな喘ぎすら、混じっている。
私は、クローゼットの隙間から垣間見えるその光景を、熱に浮かされたように見つめながら。
そうして、ちゅくり、と音を立てて、足の間を、ぬるり、と濡れる自らのそこに、指を擦りつけていく。
私の視線の先、姉はもう、何度達したのだろうか。
快感に踊らされるようにのけ反った姉の胸元には、いくつものバラのように、恋人に吸われた痕が散っていて。
その様子が本当に、下品で、淫らで、素敵で。
「魅亜、中、出すからっ……♥♥ んぉっ♥ お゛っ……!♥♥♥」
「んんぅっっ♥♥ は、あっっ♥♥ うん、うんっっ♥♥ 出して、なか、ちょうだいっっ♥♥ んぐっっ♥♥ ぉおぉっっ♥♥」
そうこうしているうちに、切羽詰まった様子で響く、姉の恋人の鋭い声。
さらには、それを何の抵抗もなく受け入れる、すっかりと蕩けた姉の声。
姉の恋人は、姉のその盛ったお返事を聞くや否や、ぶるり、とその身体を震わせて。
先ほどまで、何度も肉を叩きつけるような音を立てて振っていた腰の動きが、急に緩慢になる。
そうして、低く呻きながら、ぐり、ぐり、と深く押し付けた腰をくねらせて。
きっと、今まさに、姉の恋人は、姉の膣内に、射精をしているのだろう。
「っ♥♥ んんぅっ♥♥ は、あっっ♥♥ ああぁあっ……♥♥」
その様子を想像してしまえば、私の中に渦巻いていた興奮が、ぞくり、と暴れ出して。
それが、にぐにぐ、と自らの割れ目を擦る指の動きに呼応して、ばちり、ばちり、と電気のように、腰から頭までの間を何度も跳ね巡って。
ひく、びく、と腰を跳ねさせながら、私はとうとう絶頂してしまう。
「んんぅっ……!♥♥ ん、ふぅ、ふ……っ♥ ん、は……♥♥」
私は、絶頂の余韻に跳ねてしまいそうになる身体を必死に捩って、必死に手の平を自分の口に押し当てる。
そうして、声が漏れてしまわないように、ふす、ふす、と鼻から息を抜いて。
ようやく絶頂の波が遠のいたところで、そっと、口元から手を外して、小さくため息をつく。
そうやって自分のペースを取り戻したところで、そわそわ、と胸の奥から湧き立ってくる焦燥感。
私は、そのじりじりとした焦りに追い立てられるように、そっと、クローゼットの隙間からベッドの上の二人を観察する。
多少の物音を立ててしまったように思うけれど、大丈夫だろうか。
けれどそんな私の杞憂は、恋人同士の生々しいセックスに夢中だった二人には、全く意味がないようだった。
だって、私の事に気づいてもいない姉の恋人は、ずるり、と姉の膣穴から、おちんちんを引き抜いて。
そうして、ごろり、とベッドの上で仰向けになる。
そうすれば、天井に向かって屹立するのは、先ほどまでのセックスで汚れた、男性器。
気だるそうに体を起こした姉は、そうして屹立するそれを見て、とろり、と蕩けた笑顔を浮かべて。
そうして当たり前のように、二人の体液に塗れてドロドロに汚れた、ぬらり、と照明を反射している男性器にお顔を寄せて、舐めて、しゃぶって、お掃除して。
そうしてすっかりとお掃除が終わったところで、二人はじゃれ合うかのように、ちぅ、ちぅ、とついばみ合うようにキスをして。
どうやらその落ち着きを見るに、二人の性欲は一応は満たされて、セックスもひと段落といったところのようだった。
「あのね、今日、プレゼントがあるの♥」
「うん?」
ひととおりキスを重ねた後、姉はどこか、悪戯をする子供のように、にまにまと笑いながら、そう恋人に切り出して。
怪訝な顔をする恋人さんを後目に、ベッドから降りてしまう。
そうして、上機嫌に姉が向かうのは、こちらの、クローゼットの方。
そのクローゼットの中には、すっかりと、姉とその恋人の痴態を置かずにオナニーを楽しんだ、私がいて。
あ、とか、え、とか、そういう声を上げる暇もなく、姉は私が隠れているクローゼットの扉を開け放ってしまう。
「え?」
「あ、あっ……、あの……。」
「ね、プレゼント、素敵でしょ?」
姉は、クローゼットの中に籠もった私の匂いに気付いたのか、すんすん、と鼻を鳴らして。
にま、と笑ってから、私の手首を掴んで、クローゼットから引っ張り出してしまう。
そうして、ベッドの上で少し唖然としている姉の恋人の前に、私の事を引きずり出して。
さらには、まるで生贄でも差し出すかのように、私の背中を押して、ベッドの上に転がして。
「えっと……、え? 芽亜ちゃん? どういうこと?」
「ん、ふ……♥ 芽亜のこと、抱いていいよ?♥」
「えぇ……?」
唐突に妙な事を言い出した姉に対して、怪訝な顔を見せる、姉の恋人。
ベッドの上で上体を起こした姉の恋人は、しばらく、硬直したように固まっていたけれど。
けれども、それから数秒もすれば姉の口走ったことの意味を理解したのか、にまり、と薄く笑って。
そうして、ぎし、とベッドを軋ませながら、転がされた私の方に、じり、と近づいてくる。
「魅亜って、バイト代ほとんど使って色々と私に貢いでくるけどさ。」
「うん♥」
「妹まで差し出すとか、貢ぎマゾもここまでくると、すごいよね。」
「うふ、えへへ……♥♥」
「いいの?」
「うん、いいよ?♥」
そうして、姉と、その恋人との間で交わされ続ける、不穏な会話。
ここまでの二人の会話の間には、まるで当然とでも言わんばかりに、私の意志なんて存在しない。
けれど、私は別に、抵抗しなきゃいけないとか、そういう事を一筋も、考えていなかった。
別に、私に想像力がないとか、危機感がないとか、そういう訳じゃない。
私は、これから私の身に降りかかることを、適切に理解していて。
つまり、だからこそ、私はもう抵抗どころの話ではなかった。
「それじゃぁ、芽亜、犯してもらおうね♥」
「……おそろい?」
「うん、おそろいだよ?♥」
「ん……♥」
「えっと……。」
「ほら、現役JKとタダでおまんこ出来る機会なんて、中々ないよ?♥」
「いや、うぅん……、それもそっか……♥」
どうやら、私が姉とお揃いになれる感動に浸るかたわらで、姉の恋人も乗り気になったらしい。
その証拠に私の両足は、気付けば姉の恋人に持ち上げられるように左右に開かれてしまっていた。
先ほどまで姉の痴態を見ながらオナニーに勤しんでいた私は、下着をクローゼットに残してきてしまっていて。
だからそんな事をされてしまえばあっという間に、犯され待ちの制服JKの出来上がり。
そんな私の足の間に、姉の恋人は身体を捩るようにしながらにじり寄って来て。
そうして、その股間のおちんちんは、もうすっかり、臨戦態勢を整えている。
がぱ、と大きく左右に広げられてしまった両足の間から見える、その赤黒くて、野太いものは、上向いて、びく、びく、と痙攣していて。
正直、勃起したおちんちんを間近で見るのなんて、これが初めての体験で。
だからというワケじゃないけれど、その大きさと迫力に、私は思わず、息を詰まらせてしまう。
ふたなりさんのおちんちんは、大きいくらいが普通だって、言うし。
それだけじゃなくて、ふたなりさんは性欲も強くて、大抵、一回じゃ終わらないって、言うし。
だから初めてがふたなりさんだと、割とガチのトーンで、かわいそうって言われるのが、普通。
正直に言ってしまえば、ちょっと、怖い。
あんなに凶悪なおちんちんで初めてを奪われた姉も、私と同じような事を思ったのだろうか。
「なんて言うか、似た者姉妹だよね。」
「そう?」
「うん、ベクトルは違うけど、揃ってマゾだし。」
「えへ、へへ……♥」
「芽亜ちゃんもなんで、嬉しそうなのかなぁ……。」
そうして内心で戦々恐々としていれば、こちらに優しく投げかけられる、姉の恋人のその言葉。
やっぱり、姉の恋人は、とっても気遣いができる人だと思う。
だって、私と姉の共通点を目ざとく見つけて、そうして、お揃いだなんて褒めてくれるし。
そうやって、姉とお揃いでマゾだなんて言われて少し嬉しくなってしまっている私を余所に、エッチの準備は進んでいく。
その証拠に、ぬたり、と股間に感じる、何か硬いものが押し付けられるその感触。
慌ててそちらを見れば、私のおまんこには、ゴムも何もつけていないおちんちんがしっかりと突き付けられていて。
その様子を見てしまった私は思わず、んひ、と声にならない悲鳴を上げてしまう。
「芽亜ちゃん、怖い?♥」
「ぁ、少し……。」
「ふふ♥ 大丈夫だから、ね?♥」
「う、うん……。」
姉の恋人は、にこにこ、と満面の笑みを浮かべながら、自分のおちんちんをしっかりと握って。
そうして上下に動かすように、ぬちぬち、とその先を私のおまんこのお肉にこすりつけてくる。
先ほどまで隠れてしていたオナニーのおかけで、すっかりと濡れてしまっている私のそこは、おちんちんが擦れる度に、ぬちゅ、くち、と微かな音を立ててしまう。
それはまるで、はやく、はやく、と私のおまんこがおちんちんをねだっているようにも見えて。
浅ましくも見えてしまうその様子に、頬も耳も熱くなってしまう。
きっと今の私は、傍から見れば恥ずかしさに顔を真っ赤にしているように見えるのだろう。
「芽亜、かわいー♥」
「ぁ、おねぇ……。」
「ふふ、お手々握っててあげるねぇ?♥」
「ぁ……♥」
そんな私の様子を目ざとく見かけた姉は、くすくす、と笑いながら、私の顔を覗き込んで。
そうして、きゅ、と指と指を絡めるように、私の手を包み込んでくれる。
大好きな姉にそうしてもらえば、何だか胸の奥に広がる、暖かな安心感。
ちらり、と姉の顔を見れば、うっとりとした笑顔の姉が、しっかりと目を合わせてくれて。
やがて、緊張に強張っていた私の身体からは、くたり、と力が抜けて。
「ぁ……、い゛ッ……!?」
「ん、ぅぉっ♥♥ きっつぅ……♥♥♥」
にちにち、とおちんちんを私のおまんこに擦り付けながら、こちらの様子を窺っていた姉の恋人は、その瞬間を見逃さなかった。
ふ、と身体から力が抜けた途端、姉の恋人は、ゆらり、とその身体を動かして。
そうして、みぢ、とわたしの膣穴に、その、硬くて大きいおちんちんを突き立て始める。
まず最初に感じたのは、おまんこのお肉が掻き分けられる感触。
その次には、つるり、とした先端が、くぽり、と膣穴の窪みにはまり込んで。
そうして、ぐ、ぐ、と入り口が押し広げられる、少しだけ不快にも感じるような圧迫感。
次の瞬間には、ずるり、と滑り込む様に、私の中におちんちんが入り込んできて。
侵入してくるおちんちんに纏わりつくような抵抗が無視されれば、ずくり、と重く響くように走る、熱のような鈍い痛み。
私は、ひぐ、と漏れ出してしまいそうになった悲鳴を飲み込んで。
「う、う゛っ……、ッ……!」
「芽亜、痛いよね、ふたなりさんのおちんちん、おっきいもんね?♥」
「ん゛……ッ、あ゛う゛っっ……!」
「でも大丈夫だよ、私の時もね、痛くて泣いてもやめてくれなかったから♥」
「え、ちょっと、魅亜? それじゃ私、クズみたいじゃない……?」
「えぇ? ベッドの上だと割とクズだよ?♥」
「ひど……。 大丈夫だよ、芽亜ちゃん、優しくするから。」
「これ、嘘だよ?♥ 私の時も言ってたから……、騙されないでね?♥」
お姉ちゃんは、こちらを心配するような声色で、けれどどこかうっとりとしながら、私の頭を優しく撫でて。
そうして姉の恋人は、何処か不満そうな声を上げながら、のしり、と私の体に体重を掛けてくる。
そうして、私を置いてきぼりにした軽口を叩く二人を余所に、みぢ、と私の奥まで捻じ込まれてくる、おちんちん。
私の膣肉を拡げながら、思ったよりも長いストロークで捻じ込まれるおちんちんは、それはもうしっかりと、私のお腹の奥の行き止まりを押し上げて。
じくじくとした重熱い痛みと、内臓が揺さぶられて捏ねられるような感触に、うぷ、と喉から込み上げるようなものを感じてしまう。
そうやって私が、なんだか色々とこらえている一方で、姉とその恋人は、甘い雰囲気でイチャイチャと軽口を叩き合っていて。
私のはじめては、そうやって雑に奪われてしまっていた。
「は、あぁ……♥♥ 芽亜ちゃんのおまんこ、きつくって、めちゃくちゃ気持ちいいよ……♥」
「んんぁ、ううぅ……ッ! んぐ、ぅ、はぐ……ッ!」
姉の恋人は、ぺろり、と舌なめずりをして唇を湿らせながら、私の奥まで突き立てたおちんちんを、ずるずる、とゆっくり引き抜いて。
再び腰を突き出して、にゅぐぐ、と再び突き立ててくる。
その動きは、確かにゆっくりだけれど、全くもって、容赦がない。
姉の恋人は、私の腰をしっかりと掴んだまま、そうして何往復もおちんちんを突き立てて。
初めてを散らされて、傷になったところを掻き乱して。
初体験にこなれていない私の膣穴が気持ち良いのか、どこか遠くを見つめるように、うっとりとした表情を見せて。
「私の時もね、最初だけは、まぁ、それなりに、優しくしてくれたんだよ?♥」
「んぉ、うっ♥♥ やっべ、締め付け、きっつぅ……♥♥」
「あぁうっ!? うう、んんぅー……ッ!!」
「でもね、そうやって我慢してるうちに、自分勝手に気持ち良くなりたくなって……、ほら、ね?♥」
「お、んぉッ♥♥♥ うぅ、んぁああぁっ♥♥ お、お、おッッ……♥♥♥♥」
「ひぐ、うっ、あ、あっっ、んんぁっ!!」
姉の恋人は、普段は礼儀正しいし、物静かで、本当に優しそうで。
私も、彼女と会うたびに、良いな、なんて思っていて。
けれど、私の事を犯す姉の恋人に、今やその面影は、何処にも無い。
姉の恋人は、指を喰い込ませてしまう程に力強く私の腰を両手で掴んで。
そうして、気付けば、ぱん、ぱん、とお互いの身体がぶつかり合う音を部屋に響かせながら、容赦なく腰を振って、私の膣肉を耕し始めていた。
にやにや、と薄く笑いながら、優しくするなんて言ったあの言葉は、何処に行ってしまったのか。
それは、決して初心者向けなんかじゃない、自分本位な本気交尾。
「う、あぐっ……! んぅ、う、んぅぅうっっ!!」
「は、はっ♥♥♥ んんぉ♥♥ こら、逃げるなっ♥♥ ん、んっ、んふぅっっ♥♥♥」
私の横で、薄ら笑いを浮かべながら、私の事を恋人に貢いだその余韻に浸っている姉の評価では、彼女は割と、ベッドの上では自分勝手な人らしい。
そんな評価を聞かされた直後は、私も半信半疑でいたわけだけれど……。
けれど、身をもってそれを体験してみれば、姉の評価は、恋人であるという目線からの、少し生易しいものであったという事を思い知らされてしまう。
今だって、初めてを奪われて痛がる私に、優しく優しく声をかけながら、けれど、その腰の動きを止めたりは、してくれない。
それどころか姉の言う通り、うっとりとお顔を蕩けさせながら、その腰振りは段々、力強くなって。
まだ残る痛みだとか、お腹の奥をぐりぐりとされる気持ち悪さに思わず身体を捩ってしまえば、獲物が逃げるとでも勘違いされたのか、怖いくらいの力強さで、ベッドに押し付けられてしまう。
「んんぉ、あっ♥ うぅ♥ 泣き顔、かわいぃ……っ♥♥♥」
「は、あぐっっ……! んぅ、う、うぐっ……!」
「ふふ♥ 芽亜、痛いよね♥ 苦しいよね♥ でも、私の時と、お揃いだよぉ?♥」
今や、姉の恋人の腰振りには、私を思いやるような優しさは何処にも無くて。
部屋の中には、ぱん、ぱん、とお互いの腰がぶつかる音が響いて、その度に私の体は、その力強さに揺さぶられるほど。
正直に言って、初めてがこんなに大きなおちんちんで、その上で、ただおちんちんが気持ち良くなるだけのセックスだなんて、痛いし、苦しいし、辛いのは当たり前で、ぽろぽろ、と勝手に涙があふれ出てきてしまう。
姉との情事を覗いていた限りではドSで、姉の評価によるとベッドの上ではちょっとクズな姉の恋人は、私のそんな様子を見て、何だかさらに滾らせていく。
そうして姉の方も、そんな私を助けるつもりなんて、毛先ほどにも無いらしい。
だって、姉は私をなだめるかのように、なで、なで、と頭を優しく撫でてくれただけで、自らの恋人を諫めることもせずに、お揃いだよ、だなんて、私が悦ぶ言葉を選んで慰めてくれるばかり。
その言葉が歓喜に震えていることからも、私のはじめてを恋人に貢げたことが、余程嬉しいということが明け透けで。
セックスで気持ち良くなりたいだけの姉の恋人と、好きな人に散々貢いで破滅したい姉と、姉とお揃いになりたい私と。
今この瞬間、私たち三人の関係は、きっと普通の人ならば眉を顰めてしまうくらいには、とても歪み切っていた。
「あ、だめ、もう、イくっ♥♥ ん、む、ぢゅりゅ、れりゅぅぅ……♥♥♥」
「んぅ!? ん、あ、む……っ、れる、りゅ……っ。」
「この人ね、キスしながら中出しするの、好きなんだよぉ?♥」
最早、据え膳を整えられた姉の恋人は、私に対するセックスに、遠慮なんて何処にも無い。
私よりも随分と力強いその両手で、私の頭をしっかりと掴んで、逃げられないように固定して。
そうして、へこへこ、と腰を打ち付けながら、私の唇を躊躇いも無く奪っていく。
唇を合わせて、ほとんど抵抗もしていないわたしの唇の袷に、べろり、と舌を這わせて。
優しく噛みついて、甘えるように引っ張って。
堪え切れずに緩んだ嚙み合わせをこじ開けるように、舌を捻じ込んで。
そうして暴挙を許してしまえば、あとはお互いの舌がナメクジのように絡み合うばかり。
「んんぅ、ぢゅりゅ、れる♥♥♥ んんぉ、おっ、おおおぉおぉっっ♥♥♥」
「んぁぁ!? んむ、れう、んんうっ。 はむ、んぁ、んんぅっっ!」
そうして唇を合わせている内に、私のお腹の中で、おちんちんが、びゅくん、と不自然に大きく跳ねて。
お腹の奥に、どぷん、と不自然に熱い塊が吐き出されたのを感じてしまう。
その瞬間に頭の奥によぎるのは、射精という言葉と、妊娠という不安。
けれど、そんな不安を今更に覚えても、誰がどう見たってもう、手遅れ。
それどころか、私の不安をもっともっと煽る様に、びゅくん、びくん、とおちんちんが何度も跳ねて。
その度に、絶対に忘れるなと言わんばかりに、どぷ、どぷ、と熱い塊が何度も吐き出されて。
「ん、ふ、ふぅ……♥♥ んんんーっっ……♥♥♥」
「ぁ、ぁぁ……。」
姉の恋人は、うっとりと上機嫌なまま、私のお腹の奥に吐き出したそれを馴染ませようとでもするかのように、ぐり、ぐり、と腰をくねらせて。
そうされる度に、私のお腹の奥に感じていた熱い塊は、ぐちゃり、と掻き混ぜられて、自分の体温に溶けるように、消えていく。
そんなマーキングじみた行為を受けてしまえば、もう自分はすっかりと、姉の恋人の物にされてしまったのだという実感が湧いて来て。
つまりそれは、姉と、お揃いになったのだと、実感して。
胸の奥にじわじわと湧き出す満足感に浮かされるように隣を見れば、同じく満足そうに微笑んでいる姉と、視線が絡む。
「どく、どく、びゅー、びゅー、って、いーっぱい、中出ししてもらえたね……♥」
「うん……♥♥」
「私のはじめての時も、避妊してっていったのに、無視して中出しだったんだよ?♥」
「酷いんだぁ……♥」
「だよねぇ?♥」
「二人そろって、そんなクズに処女捧げちゃったね?♥」
「うん、お揃い、うれしい……♥♥」
「卒業したら、二人して孕ませてもらおうね?♥」
「うん……♥♥」
「ねぇ、次は二人並べて穴比べしたいんだけど……♥」
姉妹の良い時間を邪魔したのは、姉の恋人の、上擦った声。
その内容はと言えば、今しがたまで彼女の事をからかうように罵っていた私達の話し声が聞こえていなかったのか、予想外で、そうして大変に気持ち悪い、そんな提案。
要約するならば、どうにも彼女は、私達姉妹を別々に召し上がるのではなく、丼にして楽しみたいと、そういう事らしい。
姉の言っていた通り、姉の恋人は本当に、ベッドの上では本能に忠実で、そうして少し、クズらしい。
その様を見せつけられた私と姉は、思わず顔を見合わせながら、そうしてお互いに何とも言えない表情を浮かべてしまって。
「「うわ、クズだぁ……♥♥」」
「え、何それ、ひどくない?」
私と姉は、声を、さらには台詞をも被らせて、くすくす、と笑ってしまう。
けれども、姉の恋人にとっては、私達のそんな台詞はどこ吹く風。
罵られたのに余計に、にまにま、と笑いながら、勢いよく私達に圧し掛かってくるのだった。
これを姉妹百合と言い張る勇気。