そんな妹の姫ちゃんが、めでたく第一志望の大学に合格した。
もちろん姉としては嬉しい。
それはもう、盛大にお祝いしてあげたいくらいに。
ただ、一つだけ忘れていたことがあった。以前、僕は姫ちゃんに約束していたのだ。
「大学に合格したら、何でも一つお願いを聞いてあげる」と。
そして合格祝いの夜。
酔いつぶれて眠ってしまった僕が次に目を覚ましたのは、なぜか姫ちゃんの部屋で――。
「約束、覚えてるよね? お姉ちゃん♡」
書きたくなったから書いてみたシリーズ第二弾!
拙い文章なのに、思いの外見てもらえて嬉しかったからまた書いちゃった、てへっ♡
今回も拙いところはあると思いますが、そこはまあ……ご愛嬌ということで!
僕には、世界一……いや、宇宙一可愛い妹がいる。
名前は姫。僕は昔から「
セミロングの艶やかな茶髪に、少し垂れ気味の大きな瞳。背丈は僕より少し低くて、身体つきも華奢な方。どこか守ってあげたくなるような儚さがあって、身内の贔屓目を差し引いたとしても、街中ですれ違えば思わず振り返ってしまうくらいには可愛い容姿をしている。
もちろん、可愛いのは見た目だけじゃなくて、その中身もで。素直で優しくて、ちょっぴり寂しがり屋。昔から僕の後ろをひょこひょことついてきては、「お姉ちゃん、お姉ちゃん」と甘えてくるような子だった。
僕がソファに座ってテレビを見ていれば、いつの間にか隣に潜り込んできては肩に頭を乗せてくるし、すぐ近くのスーパーへ買い物に出かけようとすれば、「私も行く!」って玄関まで追いかけてくる。
小さい頃なんて、もっと酷かった。
一緒に寝たいと僕のベッドへ潜り込んでくるのは日常茶飯事。僕が友達と遊びに行こうとすると、自分も連れていけと服の裾を掴んで離さないから、「また今度ね」と約束して頭を撫でながら慰めないといけなかった。
さすがに高校三年生になった今では、そこまで露骨に甘えてくることも減った。それでも僕が大学から帰れば、「おかえり」と、わざわざリビングから顔を出してくれる。
可愛い。実に可愛い。
世の中には妹という存在を鬱陶しがる兄や姉もいるらしいけれど、僕にはちょっと理解できない。こんなに可愛い生き物が自分を慕ってくれているのだから、甘やかすなという方が無理な話だろう。嫌な面ばかり探すのではなく、よく見つめてみれば、一つや二つ、胸が温まるような愛おしさだって、きっと見つかるはずで。
と…まあ、そんなことを偉そうに語っている僕だけれど、人生二周目というか、少しだけズルをしている。
今でこそ大学に通う普通の女子大生をやっている僕だけれど、実は前世の記憶がある。前世と今世、合わせて四十年近くの時を過ごしているのだから、人生経験だけなら妹相手に多少余裕があるのも、ある意味では当たり前なのかもしれない。
もっとも、その経験が今の人生ですべて役に立ったかと言われれば、そんなことはない。
なにせ僕は前世、男として生まれ、男として育ち、男のまま人生を終えたのだから。当然、最初の頃は戸惑った。転生しただけでも大事件なのに、性別まで変わっていたのだから。
僕は別に女の子になりたかったわけでもないし、かといって男であることに強烈なこだわりがあったわけでもない。けれど、それとこれとはまた別の話で、前世の僕には女の子の知り合いなんてほとんどいなかったし、女の子としてどう振る舞えばいいのかなんて知るわけもない。
それでも、人間というのは恐ろしいものだ。二十年もこの身体で生きていれば、嫌でも慣れる。スカートを穿くことにも、髪を伸ばすことにも、女の子として扱われることにも。今では鏡に映った自分を見ても、そこにいるのは僕以外の誰でもないと思えるくらいには馴染んでいる。
むしろこの身体で男らしく振る舞う方が、今となっては周りの目が気になって落ち着かないくらいだ。
そんなことをぼんやり考えていたせいで、目の前にいる姫ちゃんの話も、いつの間にか右から左へ抜けていたらしい。
「お姉ちゃん、聞いてるの?」
「んぅ……?」
不意に声をかけられて、ぼんやりと顔を上げる。
テーブルを挟んだ向こう側で、姫ちゃんが少し眉をひそめ、呆れたような視線を向けていた。
「もう……やっぱり聞いてなかったんだね」
「……聞いてたよ」
「じゃあ、私が今なんて言ったか覚えてる?」
「…………」
そう聞かれると言葉が出てこない。何の話をしていたんだっけ? 前世よりずっと出来がよくなったはずの頭も、今は靄がかかったみたいにぼんやりしている。
「ごめん。やっぱり聞いてなかった」
「だから飲み過ぎなんだって」
姫ちゃんが小さくため息をつく。
確かに、目の前のテーブルの端には空になった缶や瓶が並んでいる。最初は祝いの一本だけのつもりだったのに、嬉しくて、楽しくて、「もう一本だけ」を繰り返しているうちに、いつの間にやらこんな有様だ。
前世でもお酒は好きで、ここまで酔い潰れることはなかったんだけど、今世はどうやら酔いやすい体質らしい。身体はぽかぽかと火照っていて、頭もふわふわする。きっと今の僕の頬は、林檎みたいに真っ赤になっていることだろう。
でも、今日くらいは許してほしい。
姫ちゃんのおめでたい日なのだから。
「もう……お姉ちゃんたちの方が喜びすぎてて、どっちが受かったのか分からないよ」
「えへへ、だって本当に嬉しいんだよ」
そう、今は我が家で、姫ちゃんの大学合格祝いの真っ最中だ。しかも、ただ大学に受かったという話じゃない。姫ちゃんが目指していたのは、僕と同じ大学だった。
僕の通っている大学は、決して簡単に入れるところではない。だから姫ちゃんが「お姉ちゃんと同じ大学に行きたい」と言い出したときは、嬉しい反面、本当に大丈夫なのかと心配もした。けれど姫ちゃんは、それからずっと受験勉強を続けて、とうとう合格を勝ち取ったのだ。
だから今日は、いつもより少しだけ特別なお祝いだ。テーブルには姫ちゃんの好物を中心に、デパ地下で少し奮発して買ってきた料理が所狭しと並んでいる。その中央には、「合格おめでとう」の文字が書かれた小さなケーキまで鎮座していた。
海外赴任中の両親も、忙しいはずなのにわざわざビデオ通話を繋いで、姫ちゃんを祝ってくれた。母は涙ぐみながら何度も「よく頑張ったね」と褒めて、父は父で、これから始まる大学生活のことをあれこれ心配していた。それを聞いていた姫ちゃんは、困ったような、嬉しいような顔ではにかんでいた。
「でも……ついに姫ちゃんも大学生かぁ」
「突然どうしたの」
「いやぁ。大きくなったなぁって」
「お姉ちゃんまで、お母さん達みたいなこと言わないでよ」
「えぇ〜、言いたくもなるよ。昔はあんなに小さくて、いつも僕の後ろをついてきたんだから」
「それは昔の話でしょ」
「そうだけどねぇ……」
そこで言葉が途切れる。さっきから、瞼がどうしようもなく重い。
楽しくて、嬉しくて、このまま時間が止まればいいのにと思う。それなのに、身体の方はもう限界らしい。少し気を抜けば、そのまま眠りの底へ引きずり込まれてしまいそうだった。
「……ねえ、お姉ちゃん」
「ん〜?」
「前に約束してたこと、覚えてる?」
「約束ぅ……?」
ぼやけた頭の中で、記憶を探る。断片的な光景が浮かんでは消え、また浮かんでは消えていく。
やがて思い出したのは、去年の冬のことだった。受験勉強に疲れ切った姫ちゃんが、珍しく僕の前で泣いてしまった夜。慰めるように頭を撫でながら、確か僕は——。
「合格したら、何でも一つお願い聞いてくれるって」
「あっ……」
そういえば、そんなことを言った気がする。
姫ちゃんが僕と同じ大学を目指して、ずっと頑張ってきたことを知っていたから。泣いている姫ちゃんを少しでも元気づけたくて、「合格したら何でも一つお願いを聞いてあげる」なんて、随分と気前のいい約束をしたのだ。
「それで……姫ちゃんは何してほしいの?」
「…………」
「欲しいものとかある?合格祝いだし、ちょっと高いものでもいいよぉ」
「物じゃないよ」
「じゃあ……どこか行きたいとか?」
「それも違う」
「ん〜……?」
じゃあ何だろう。考えてみるけれど、眠気のせいでちっとも頭が回らない。そんな僕を見ながら、姫ちゃんがふっと笑った。
「まだ秘密」
「えぇ〜……気になる」
「その代わり、一つだけ確認していい?」
「ん?」
「本当に、何でもいいの?」
「うん……何でも」
「絶対?」
「ぜったい」
「あとから無しって言わない?」
「言わないよぉ……」
なんだか妙に念を押してくる。でも、それだけ楽しみにしていたということだろう。姫ちゃんはこの一年、本当に頑張ったのだ。それくらい、叶えてあげたい。
「僕が約束したんだから……好きなことお願いしていいよ」
「……そっか」
姫ちゃんが嬉しそうに笑う。
その顔を見られただけで、約束してよかったと思った。
「じゃあ、ちゃんと覚えててね」
「もちろん……」
「お姉ちゃん?」
「んぅ……」
駄目だ。もう本格的に眠い。テーブルに肘をついたまま、頭がこくり、こくりと揺れる。
「お姉ちゃん、もう寝た方がいいよ」
「ん〜……そうするぅ……」
そう答えたものの、身体はすっかり重たくなっていて、なかなか立ち上がる気になれない。そんな僕を見て、姫ちゃんが椅子から立ち上がった。
「ほら。部屋まで連れていってあげる」
「ん……お願い……」
促されるまま立ち上がると、姫ちゃんが僕の身体を支えるように肩を抱いてくれる。僕も遠慮なく、その身体に体重を預けた。
昔は僕の後ろをちょこちょことついてくるばかりだったのに、いつの間にかこんなことまでしてくれるようになったんだなぁ。
本当に、大きくなった。
「姫ちゃん」
「なに?」
「合格……ほんとにおめでとう」
「……うん。ありがとう」
「大学でも、困ったことあったら僕に言うんだよ」
「分かってる」
「僕、お姉ちゃんだからねぇ……」
「……うん」
姫ちゃんの声が、すぐ近くから聞こえる。安心したからだろうか。それとも、さすがに飲みすぎたせいだろうか。もう瞼を開けていることすらできない。
「おやすみ……姫ちゃん」
「おやすみ、お姉ちゃん」
優しい声が耳元で響く。瞼が閉じる……意識が、ゆっくりと闇に沈んでいく。その直前、耳元で姫ちゃんの囁きが聞こえた気がした。
「——だから、今からちゃんと教えてあげるね♡」
その言葉の意味を知ることもなく、僕は深い眠りに落ちた。
♡ ♡ ♡
「ん……ぅ」
目が覚めて最初に感じたのは、ひどい喉の渇きだった。頭も重いし、身体もだるくて、起き上がるのも億劫で……しばらくそのままぼんやりと天井を眺めていると。
「……あぁ、飲み過ぎたぁ……」
昨日の記憶が呼び起こされて、失敗したなぁと掠れた声で呟く。姫ちゃんの合格祝いをして、お酒を飲んで。途中から眠くなって、最後は姫ちゃんに部屋まで連れていってもらって……そこまで思い出したところで、ようやく違和感に気づいた。
(……あれ?)
景色が違う。飾り気の薄い僕の部屋とは違って、可愛らしい小物や装飾があちこちに置かれた、いかにも女の子らしい部屋。見覚えのあるカーテンに、棚に並べられたぬいぐるみ。そして極め付けに机の上には、姫ちゃんが普段使っている高校の鞄が置かれている。
(ここ、姫ちゃんの部屋だ……)
どうして僕がここで寝ているんだろう。それに、さっきから何だろう。この匂い。アロマか何かだろうか。花にも似た甘く柔らかな香りが、部屋いっぱいにふわりと漂っている。嫌な匂いではない。むしろ妙に心地よくて、ぼんやりしていたらいつまでも嗅いでいたくなりそうな香りだ。
まあ、それはともかく。いつまでも姫ちゃんの部屋を占領しているわけにもいかない。姿が見えないところを見ると、僕を起こさないように気を遣ってくれたのかもしれない。悪いことしちゃったなぁとそう思いながら、急いで身体を起こそうとして——。
「……ん?」
起き上がれない。
おかしいなと思って、もう一度身体を起こそうとする。でも、何かに引っ張られているみたいに両腕が途中で止まってしまう。
「え……?」
なんだろう。何か引っかかってる?腕を動かしてみる。やっぱり動かない。というか、足も……?
「ちょ、ちょっと待って……」
さっきまでぼんやりしていた頭が、急速に覚めていく。嫌な予感がして、恐る恐る首を持ち上げ、自分の身体へと視線を落として——。
「…………は?」
一瞬、何を見ているのか分からなかった。僕の手足が、ベッドに固定されている。
(なに、これ……?)
意味が分からない。なんで? どうして僕が?混乱しながらもう一度身体を動かそうとして、そこでさらにおかしなことに気づいた……服がない。
「…………え?」
昨日着ていたはずの服が、どこにも見当たらない。改めて自分の身体を見下ろせば、身につけているのは下着だけだった。
「えっ……なにこれ!? なんで!?」
もう眠気なんて欠片も残っていなかった。どういうこと?
試しに強く腕を引っ張ってみてもハズレもしないし、足も同じくらいの強度らしい。身体を何回捻ってみてもただベッドが小さく軋むだけ。
(えぇ……なにこれ……)
しばらく呆然としてから、ふと思い出した。
ここは姫ちゃんの部屋で、昨日僕をここまで連れてきたのも姫ちゃんで。それに寝る直前、確か——。
『本当に、何でもいいの?』
『うん……何でも』
『あとから無しって言わない?』
……もしかして。
「これがお願い……とか?」
いやいや、まさか……いくらなんでもって言ったってさすがに意味が分からない。僕なんかを縛って何がしたいんだ。でも、姫ちゃんなら僕が寝ている間にちょっとしたイタズラを仕掛けて、起きた僕の反応を見て楽しむくらいは……ありえるかも。
「……もう、姫ちゃんったら」
そう考えると、さっきまでの混乱が少しだけ馬鹿らしくなってくる。きっと、僕を驚かせたいだけだろう。まったく……大学に受かったからって、随分と浮かれてるんだから。
……あれ?でも、昨日浮かれてたのって、どちらかと言えば僕の方だったような。姫ちゃんに何度も飲み過ぎだって注意されたのに、結局あんなになるまで飲んじゃったし。最後なんて、一人で部屋に戻ることすらできなくて、姫ちゃんに連れていってもらったわけで……。
(もしかして……怒ってる?)
だとしたら、これは姫ちゃんなりのお仕置きなのかもしれない。
「姫ちゃーん!起きたよー!もう十分驚いたし、反省したから、そろそろこれ外してー!」
少し声を張って、大きな声で呼びかける。だけどら返事はないて「姫ちゃん?」って、もう一度呼ぼうとした、そのとき——。
「あ、お姉ちゃん…起きてたんだね」
「姫ちゃん、良かったぁ〜もう拘束なんてビックリ……え?」
ガチャッとドアの開ける音がして、聞き慣れた声にほっと胸を撫で下ろす。ドアの方へ顔を向ければ、そこにいたのはもちろん、見慣れた姫ちゃんだった。
ただ、その姿を見て安心できたのも束の間。
姫ちゃんの手には、一枚のお盆があって……その上に並べられているものを目にした瞬間、僕の思考がぴたりと止まる。一目見れば、それが何に使うものなのかくらい分かる。いや……分かるからこそ、意味が分からない。
「ひ、姫ちゃん……それ、なに?」
思わず声が震える。だけど姫ちゃんは僕の問いには答えないで。持っていたお盆を脇に置くと、そっとベッドの端に腰掛けた。
「姫ちゃん……?」
そのまま僕の顔を覗き込み、いつもと変わらない手つきで前髪を弄る。指先が髪を掬って、優しく横へ流していく。
……いつもの姫ちゃんだ。僕に甘えてくるときと同じ顔、同じ声、同じ触れ方。なのに、僕はベッドに拘束されていて、そのすぐそばには明らかに変なものが並んでいる。何もかもがおかしいのに、姫ちゃんだけがあまりにもいつも通りで……それが、逆に怖い。
「お姉ちゃんが悪いんだよ?」
「……え?」
何を言われているのか分からなくて、僕は瞬きを繰り返した。
「私がずっーと我慢してるのに、お姉ちゃんはそんな私の気も知らないで……だからね私素直になることにしたんだ」
覗き込む姫ちゃんの瞳は、いつもとは違くて——。
「かわいいお姉ちゃんを、知らない人にむざむざ渡すくらいなら、私がもらっちゃおうって」
一瞬、言葉の意味が理解できなかった。けど姫ちゃんは、そんな僕の反応なんてお構いなしに、嬉しそうに目を細めて。
「この部屋、いい匂いするでしょ?」
「……匂い?」
「うん、さっきから焚いてんだ。結構良いお値段したんだよ……媚薬アロマオイル♡」
「……は?」
あまりにもさらっと告げられて、間抜けな声が漏れた。
ほら、って姫ちゃんが指した先に目を向ければ、棚の上に置かれた小さなアロマディフューザーが視界に入る。淡いピンク色のライトに照らされた本体からは、白いミストが絶え間なくふわふわと吐き出されてて。
「じょ、冗談だよね?……だ、だめだって、僕たちは女同士だし、それに姉妹なんだか——んむっ……♡」
僕が言葉を発する前に、姫ちゃんに唇を塞がれて。んむっ……ちゅる……ちゅるる……エッチな音が繰り返してただでさえ状況を理解出来ず、前世含めて経験のない僕はなされるがままで。舌を絡まられて、唾液を掬われて、舌を吸われて。酸欠で頭の中がぼっーとしてきて、ようやく唇が離された。
「ふふっ、お姉ちゃん目がとろんってしてるよ。ようやく媚薬が効いてきたみたいだね。乳首がピンって主張してるし、お姉ちゃんパットなしだからすっごく分かりやすい……ほんと可愛い」
「……ひ、姫ちゃん、僕が悪いなら謝るか、ら…もうやめよ…」
「お姉ちゃん?これはお仕置きじゃないよ?……私への、お姉ちゃんからのプレゼントだよ?何でもいいって言ったよね?」
「ち、がっ…そんなつもりで言ったわけじゃ——ひゃっ♡」
布越しに胸をいじられて、頭の中が真っ白になる。媚薬のせいなのか、いけないことだって分かってるのに……甘く痺れて、変な声が漏れる。それが情けなくて、恥ずかしくて、自然と涙が浮かんでくる。
さわさわ♡さわさわ♡さわさわ♡カリカリ♡カリカリ♡
「気持ちいいよね…こうやって乳輪周りを焦らして焦らして、からの乳首カリカリ」
「——ッ…ふっ♡あっ♡そ、れ…やめッ♡ん゙んーッ♡」
(止めなきゃ、いけないのに…気持ち良すぎて…ッ)
「次は直にいじってあげるね、んっっ」
下着は上にズラされて、姫ちゃんの顔が僕の胸元に近づいて。外側からゆっくりと、口の触れた箇所から快楽が運ばれてきて、吸われたらより気持ち良くて——。
にゅるぅ♡ちゅく♡ちゅく♡ぢゅううううッ♡
「んん゙ッ♡ あッ、クッ♡ イッ♡♡」
身体は僕のじゃなくなったみたいに、ピクッと跳ねて…また、イッた。
「はぁっ……♡お姉ちゃん、もうイキっぱなしだね。乳首もぱんぱんに膨れあがって……あれ? お姉ちゃん、乳首いじっただけなのに、もうシミできちゃってる……そんなに気持ちよかった?」
姫ちゃんが何か言ってる。その声はちゃんと耳に届いているはずなのに、意味までは頭に入ってこない。返事をしなきゃ、もうやめてって言わなきゃ。そう思うのに、それすらできなくて。
「そんなお姉ちゃんに、良いものがあるんだ♡」
じゃーんっ、と。霞む視界の中、姫ちゃんが取り出したのは、さっき持ってきたものの一つ、電マだった。僕に見せつけるように、ヴヴヴッ、と電源を入れては切ってみせる。
僕は、もう限界だった。慣れないことの連続に、精神はとっくにすり減っている。ヴヴヴッ、と駆動音が響くたび、嫌でもこの後のことを想像してしまう。逃げたくても、身動きひとつ取れない。
「やっ、いやっ……姫ちゃん、ち、近づけないでっ」
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。気持ちいいだけだから……遠慮しなくていいんだよ」
「やだ、やめっ、やめぁあッ♡」
ベッドに固定されているせいで、開いたままの両脚。その間にある、すでにじわっと濡れた大事な場所。そこに当てられた電マが、ジュビビビビッ、と湿った音の混じる振動音を響かせて。
快感に耐えることなんてできるわけなくて、僕はあっけなく、無様にイッた。それなのに姫ちゃんは止めてくれなくて——。
「あッ♡あッ♡ああ゙ッッ♡♡」
ビクビクビクッ♡ブシュッ♡ブシュッ♡
「お姉ちゃん、イクの止まらないね。私のベッド、もうビチョビチョだよ♡……もう、足枷はいらないかな」
気がついた時には、最後の砦だったパンツまで剥ぎ取られていて。いつの間にそうなったのかすら、よく覚えていない。しばらくして、荒れていた呼吸がようやく落ち着き始めた頃。
「お姉ちゃん、落ち着いた?」
「……ひ、姫ちゃん」
「大丈夫そうだね。じゃあ、またいこっか♡」
「ま、待って……もう、む、無理だからぁあああッ♡♡♡」
ヴィィィン!!ビシャッ♡ビクンッ♡ビクビクンッ♡
僕の言葉なんか聞こえていないみたいに、何も守るもののない、開かれた秘部に姫ちゃんは電マを当ててきて。とっくに限界な僕は、ろくに耐えることもできないまま絶頂した。
「あッ♡またイグぅうッッ♡♡おかしくなるッ♡♡♡」
「うん、いいよ♡おかしくなって♡それで私のものになって♡」
プシャ♡プシャァ♡♡ビクビクビクッ♡
身体が壊れそうなほど激しく痙攣して、潮まで噴き出して。情けなくて、恥ずかしくて。でも、それ以上に気持ちよくて。
「はーーッ♡はーーーッ♡」
「お姉ちゃん、エッチすぎ……私も、もう限界」
ようやく止まって、僕はただ、乱れた呼吸を繰り返してた。そんな僕をよそに姫ちゃんが服を脱いで、僕と同じように生まれたままの姿になる。そこでようやく、姫ちゃんが何をするつもりなのかを理解した。姫ちゃんにあるはずのない、けれど前世の僕には嫌というほど見覚えのあるものが、そこにはあったから。
「……な、なんで?」
「私、本気だから……お姉ちゃんは私のものだから……薬を使って生やしたんだ♡」
ギシッ、とベッドが軋んで、姫ちゃんがろくに動けない僕の上に跨る。お腹の上に載せられた熱いモノは、前世の僕のものなんて比べものにならないほど大きくて。おそらく子宮がある辺りなんて優に越えて、お腹の真ん中近くまで届いているのが分かる。
「これさ射精もできるし、子供も作れるんだよ♡ふふふ、凄いよね。最近の技術って。コレならお姉ちゃんも満足できるよね♡」
「ひ、姫ちゃん……う、嘘だよね……そんなのを入れるつもりじゃないよね……?」
もう止まってくれないって分かってる。それでも僕は、わずかな望みに縋って。もう縛られていないのに、震えてまともに動かせない足を必死に閉じようとする。そんな僕を見て、姫ちゃんはいっそう笑みを濃くする。解れて花開くおまんこに、ぴとっ♡と亀頭の先を押し付けて。
「あ、ま、待って」
「大丈夫だよ♡媚薬も効いてるし、十分にほぐしたから痛くもないし、絶対気持ちよくなれるから♡」
「ダメ、ダメだよ……僕たち姉妹なんだよ? 姫ちゃん、今ならまだ……まだ冗談だったってことにして引き返せるから……だから、おねが——ッかはぁッ♡」
ずちゅんッ♡
僕の必死の願いは届かなくて、姫ちゃんのモノが、とろとろになった膣肉を押し割るように入ってきた。
子宮から脳天まで一気に貫かれたような衝撃に、呼吸が止まる。処女膜をぶちんと破られても、不思議なくらい痛みは感じなかった。それどころか、僕の
「……今更そんなこと言うんだね、お姉ちゃん。だったら、もう手加減なんてしない。お姉ちゃんには私がいないとダメなんだって、刻んであげるから」
ぱんッぱんッぱんッぱんッぱんッ♡
さっきまでの快楽とはまるで違う。しっかり奥まで届き、膣壁を押し広げ、ひだひだを擦ってくる感触。まるで脳が溶かされるような気分で、気持ち良くされて何も考えられなくて。たくさんの快感が幸せホルモンを分泌して多幸感で埋め尽くされていく。
「あっあっあっあっあ゛ーっ♡ おっ、ぐぅぅっ♡」
「あ〜♡お姉ちゃんのおま◯こマジで気持ちいぃ♡せまくてきつきつで、なのにとろとろであったかい」
もう、僕に意思はなかった。ただ、ただ快楽に脳を塗り潰されて、気持ちいい以外の何も考えられない。
肉棒が引き抜かれ、また突き入れられるたびに、亀頭が膣内を押し広げていく。かり首が膣壁のひだを擦り、太い肉幹が狭い
そして最奥まで達するたび、子宮口まで直接揺さぶられているような感覚が身体の奥から突き上げてきて、もう何が何だか分からなくなっていく。
ぱんっぱんっぱんっ♡じゅぽッじゅぽッ♡
「あっ……♡ だめだ、いっかい出しちゃお♡お姉ちゃん、ナカに出すね♡」
「ん゙ぃっ♡ん゙あッ♡ はぐぅ♡ん゙いいいっ♡」
姫ちゃんの中出し発言に、もう普通の姉妹には戻れないんだって思った。でも、今の僕には「普通」とか、そんなことを考えられるだけの余裕すらなくて。ただ、このまま気持ちよくなりたい。その気持ちだけが、頭の中を支配していた。
「あ、出るッ♡お姉ちゃんのナカに、いっぱい出すっ♡」
「あ、あ゛ーっ♡あ゛ぁ゛ーっ♡♡」
どびゅッ♡どびゅるッ♡びゅくびゅくっ♡
勢いよく迸ってくる精液の濁流が、一滴残らず膣内へと注がれて、それを胎内で感じた瞬間、僕の全身もぴんと張り詰めた。同時に絶頂を迎え、ただでさえまともに働いていなかった頭が、今度こそ完全に真っ白になった。
「あ゛ー……中出し気持ちい…………♡」
「かっ……はぁ……っ♡」
びゅるびゅる♡びゅくッッ♡びゅッ……♡
長い射精。そのすべてが膣内に吐き出される。膣から子宮までを熱い白濁でびしゃびしゃに叩かれ、その刺激でまた軽く達する。
終わりのない絶頂に、涙が止まらない。それなのに心は満たされていて、躰はぽかぽかと熱くて。幸福感が、全身をすっぽりと包み込んでくれていた。
もう、姉妹だからとか、元男だからだとか、普通じゃないとか、そんなことはどうでもよくなっていた。今はただ、姫ちゃんに離れてほしくない。ずっと僕のそばにいてほしい。そんな子供みたいな願いだけが、熱に浮かされた頭の中に残ってて。
「はぁっ、ぁ゛っ♡♡」
まだ息も整わない僕を見下ろして、姫ちゃんが楽しそうに笑った。
「お姉ちゃん、ずっとイッてて、締めつけすぎだよ♡ さっきまで処女だったのに、えっちなんだぁ♡」
腕の拘束がようやく外される。だけど、僕にはもうまともに身体を動かす力も、自分から動こうとする意思も残っていなかった。そんな僕を、姫ちゃんは仰向けからひっくり返し、そのまま四つん這いのような格好にさせて。
「……じゃあ、二回目、始めようね♡」
♡ ♡ ♡
「お姉ちゃんって、バック好きなんだね♡さっきからずっとイキっぱなし♡奥までちゃんと入れてあげるね♡ お尻の穴もヒクヒクしてるよ。ほんと可愛い♡……いっぱい射精してあげるね♡」
「はっ♡はっ♡あ゙♡♡ふぁ…♡」
ドプュ♡ゴポン♡びゅーッ♡びゃーッ♡ゴクッゴクン……♡ビクビクビクッ♡キュン♡キュキュン♡
もう、何度目なのかなんて分からない。
姫ちゃんの声が耳元で響くたび、僕はまともな返事すらできないまま、ただ甘い声を漏らしていた。
「お姉ちゃん、見える?ほら、鏡に映ってる自分……立ちバックでおっぱい揺れてるんだよ♡ピストンに合わせて上下に揺れて……お姉ちゃん、エロすぎ♡……ッ、自分の姿見ておま◯こ締めるとか、もうエッチの天才だね♡」
「あんッ♡ん゙あ゙ッ♡♡」
フーッ♡フーッ♡ビクッ♡ビクッ♡♡
どれだけ時間が経ったのかも、いつからこうなってしまったのかも、もうどうでもよかった。最初はあれほど必死に守ろうとしていた「普通の姉妹」という言葉さえ、今では遠い昔のことみたいに思える。
「そんなに焦らないで♡ちゃんとお姉ちゃんの大好きなキス、いっぱいするからね♡……そういえば、お姉ちゃんって軽いんだね。騎乗位してても重くないし……ちゃんと食べてる?……ッ、あぁ♡射精しちゃう♡…………ふぅ♡……あっ、お姉ちゃん、脚ピンってしてる♡」
「お゙ごッ……あ゙っ♡ぐっ…♡ん゙ッ♡
ドチュッ!ズプンッ!
キュウゥ♡プシャ♡プシャァ♡♡
頭に残っているのは、姫ちゃんのことだけ。
もっとそばにいてほしい。離れないでほしい。
そんな単純な気持ちだけが、何度も何度も胸の奥から湧き上がってきて。
「あぁ、気持ちぃィ……ッ♡ お姉ちゃんのお口、すっごい熱くてぬるぬるしてて、おま◯こと同じくらい気持ちいいよぅ……♡ お姉ちゃんも気持ち良さそうだね。上のお口はおち◯ぽで、下のお口はバイブで塞がれて……♡」
「んぐッッお゙ごッ……あ゙っ♡ぐっ…♡ん゙ッ♡」
ゴッ♡ゴリュ♡ゴッ♡ゴチュッ♡ズリュッ♡
ヴィィンヴィンヴィィィン!!
ビクビクビクッ♡キュン♡キュキュン♡
僕は、姫ちゃんのなすがままだった。膣内にだっていっぱい突っ込まれて、身体中をいじり倒されて、耳もとではひたすら愛を囁かれて。求められることが嬉しかった。あれだけ拒んでいたはずなのに、疲労しきった僕の身体は、いつの間にか姫ちゃんを求めてた。
パチュッ♡パチュンッ♡
「お゛っ…お゛っ……♡……ひ、めちゃん好きィ♡」
「私もおねちゃんのこと、大好きだよ♡」
僕たちは、まだ交わり続けていた。部屋に広がる淫臭の中、生まれたままの姿で、恥ずかしい液体を撒き散らしながら。おま〇こからはおびただしい量の精子が漏れているのに、それでも終わらない。
僕は脚を肩のあたりまで持ち上げられ、そのまま押さえつけられていた。そして、丸見えになった秘部には、ひめちゃんのモノが杭を打つように何度も打ち込まれ、子宮の入り口を小突いていた。俗にいう、種付けプレス。今の僕たちは、まさにその体勢だった。
すでに何時間経っただろうか?ひめちゃんが何度も繰り返すものだから、もうわからなくなってしまった。しかも、ほとんど全ての時間、僕の子宮に白濁を射精しているのだから。
「これで、分かったでしょ♡お姉ちゃんを満足させられるのは、愛してあげられるのは私だけなんだよ♡お姉ちゃんは、私がいないとダメなの♡……だから、私と付き合って」
「付き合うぅ♡ひめちゃんと、付き合ってぇ、いっぱいエッチしてぇ、子宮に膣内射精されて、ひめちゃんの女になるぅ♡♡」
「お姉ちゃん、最高ッ♡ほんと最高の、プレゼントだよ♡……そんなこと言うからおち◯ぽ今日一番でガチガチになっちゃった♡……最後はとっても気持ち良くするから覚悟してね♡」
ひめちゃんはそう言って、バキバキになった巨根をずりゅーっと目いっぱい引き抜いて、それを一気に子壺に突き刺した。
ドッチュ♡
ズンッ!ボチュ!ズプンッ!ボチャッ!
「ひん♡あ゙ッ♡ッ♡んグっ♡こわれりゅっ♡おま〇こらめになっちゃうぅ♡♡」
杭打ち運動を何度も続いて、その度に僕は潮を吹いて。
「出るっ、出すよ♡お姉ちゃんの、おま◯こに、いっぱい種付けするっ!♡」
最後のひと突き。ずりゅーーっと、肉棒を弓を引き絞るかのごとく目いっぱい引き抜く。そして、亀頭を僕の子壺へ狙い定めると、一気に振り下ろした。
その直後、熱々の白濁とした欲望が、僕の膣内へと射精された。
ドォチュン♡ビュルッビュルルゥゥ♡
ドピュ♡、ドプゥッ♡♡ドピュュュュウ♡♡
「ォ゛ー♡ーーッ♡♡ォ゛ォ゛ッーーー♡♡♡」
もう何度も出しているはずなのに、精子の勢いも濃厚さも圧倒的で。子宮まで精子が届けば、それを歓迎するかのように子宮口がひめちゃんのモノへ吸いついて。
もうとっくに孕まされてもおかしくないくらいの量を出されているはずなのに、それでも僕の身体はすごくワガママで。
グリリッ……ドチュンッ!!ドピュルルルルルッ♡
「────ッ♡♡♡」
あまりの快楽に、意識が飛びそうになって。快感を逃がすために漏れる嬌声も、獣みたいに、もう言葉の形を保っていなかった。そして、押し寄せる波にとうとう耐えきれなくなって、僕の意識は途切れた。
♡ ♡ ♡
ひめちゃん襲われた、あの日から数か月。僕とひめちゃんの関係は、大きく変わった。姉妹なのは変わらないし、同じ家で暮らして、同じ大学に通って、家ではくだらないことで笑い合う。ただ一つ変わったことがあるとすれば——僕たちは、恋人になった。
「ひめちゃーん」
ソファーでテレビを見てるひめちゃんの隣に座って、その華奢な肩に頭を載せる。ひめちゃんは一瞬きょとんとしてから、嬉しそうに僕の頭を撫でて、そのまま身体を寄せて、頭を預ける。うん。落ち着く。
「.....お姉ちゃん、変わったよね」
「そう?」
「昔は私からくっつくことはあっても、お姉ちゃんがくっついてくることなんてなかったのに」
「そうだったっけ?」
「都合よく忘れてる♡」
くすくす笑うひめちゃんの頬を、むっとしながらつつく。でも、否定はできなかった、自分でも分かってる。僕は、随分と変わった。姫ちゃんが隣にいないと、なんとなく物足りない。帰りが遅ければ気になるし、誰かと楽しそうにしていれば少しだけ嫉妬する。寝る前に「おやすみ」を言えなかった日は、それだけで寂しい。以前の僕なら、そんな自分を想像することすらできなかった。
「……ひめちゃん……僕のこと、好き?」
「大好き♡」
即答だった。思わず頬が緩む。
「そっか」
「なに、その嬉しそうな顔」
「うるさいなぁ......」
「お姉ちゃんも言って?」
「やだ」
「なんで?」
「恥ずかしいから」
「じゃあ離れよっかな」
さらりと言って、ひめちゃんがそっと身体を浮かべる。途端に胸がぎゅっと締まって、反射的に腕を伸ばしてひめちゃんの腰を抱き寄せる。
「だめだよ」
「えー、言ってくれないなら離れるもん」
「それは……ずるい」
「ずるくていいの。お姉ちゃんの口から聞きたいの」
まっすぐな瞳が僕を見つめて、逸らす隙を与えてくれない。頬が熱くなるのが分かる。喉元がきゅっと詰まって、言葉がなかなか出てこない。それでも、待ってくれてる彼女の手を握りしめて、小さく、だけどはっきりと囁く。
「……大好きだよ、ひめちゃん。世界で一番、愛してる」
言った瞬間、ぱっと彼女の顔が明るく輝く。花が咲いたような笑顔が僕の目に飛び込んできて、また胸がいっぱいになる。
「うんっ! 私も、お姉ちゃんが一番だよ」
ぎゅっと抱きしめ返されて、柔らかい髪の匂いが広がる。肩も心もぴったりと重なって、この上なく温かい。昔はただ「姉妹」として一緒にいた頃とは違う、この確かなつながり。失うのが怖いくらいに、大切で、愛おしい。
「……ずっと一緒だよ」
「うん、ずっと。死ぬまで一緒」
「約束だからね」
「約束♡」
額と額をくっつけて、笑い合う。テレビの音が遠くに聞こえるだけで、あとはお互いの鼓動だけが響いてる。この時間が永遠に続けばいいのに——心からそう願いながら、僕はもう一度、彼女の名前を呼んだ。
「ひめちゃん」
「なあに?」
「……今度はキスしてもいい?」
ひめちゃんは耳まで赤くして、それでも嬉しそうに目を閉じる。
「……うん、お願い」
柔らかくて温かい唇に触れた瞬間、胸の奥がくらりと溶ける。あの日、初めてひめちゃんに触れられた時から、僕の心はたぶん、ずっとこの子の手の中だったんだ。
唇を離しても、まだ胸がどきどきと鳴りやまない。ひめちゃんは指先でそっと僕の頬をなぞり、にっこりと笑う。
「お姉ちゃん、私がいないとダメなんだからね」
「……うん。そうだね」
否定できない。全部、本当のことだ。僕はもう、ひめちゃんなしではいられない身体になってしまった。甘くて、優しくて、少しずつ僕を溶かしていく——そんなひめちゃんの魅力に、すっかり心も身体も預けきっている。
「全部、私のものだよ?」
「……うん。全部、ひめちゃんのもの」
ぎゅっと抱きしめられて、また唇が重なる。今度は僕からも、少しだけ応えるように触れる。きっとこれから先も、僕はずっと、この子の手の中で幸せなままなんだろう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!前作に引き続き、今回も好き勝手に書かせていただきました。楽しんでいただけたなら嬉しいです!
そして、もし今回もたくさんの方に読んでいただけたら……もしかすると第三弾もあるかもしれません。「こんなシチュエーションが見たい!」みたいなものがあれば、ぜひ感想などで教えてください。
作者の性癖に刺さったら、ひょっこり次回作になっているかも……?
それでは、ここまでお付き合いいただきありがとうございました!評価・感想もいただけると、とても励みになります!