「こほ」
集落のなかでも一番ボロボロな家。家のなかにいるはずなのに風を防げなくて一人でいるといつも寒い。
「お腹……すいたな」
どんなに集落のために働いてもご飯はちょっとしか貰えない。
「化け物!」
家の外を歩けば村の人に石を投げられる。
痛い、痛いよ。
わたしだって化け物なんかに、みんなと違う白色の髪に赤色の目でなんか生まれてきたくなんてなかった。
どうして? どうしてわたしを嫌うの? みんなと色が違うだけでわたしは生きていちゃだめなの?
誰か誰か助けてよ。
「リリィ」
声。それと匂い。
それだけじゃない、わたしの頭を脚に載せながら優しく頭を撫でてくれる。
誰かがわたしの名前を呼んでくれ。誰かのやわらかい匂いがする。誰かがわたしをさわってくれる。
★★★
幸せな、幸せだった頃の夢を見た。
家はボロボロですきま風で寒くて、ご飯も少ししか食べられなかったからお腹が空いて、外を歩けば石を投げられ血が出て。
それでも幸せだった。
だって。
「お姉ちゃんに会いたいな」
私にはお姉ちゃんがいたから。お姉ちゃんとの思い出は何一つ忘れられない。
ここに来てから大切に扱われている自覚はある。
ここに来てから仕事が一つもないのに部屋は寒くない、ご飯も食べられて、石を投げられることなんてない。それだけでも人によっては嬉しがるのに、寒くないだけじゃない部屋は常に暖かいし、ご飯は獣人に適切な物が出されて、髪や肌だって綺麗に磨かれ、服は上質だ。
一般的には幸せなことなのだろう。命令を聞かないと死ぬ魔法をかけられた奴隷という身分だとしても、この贅沢な暮らしを見たら、わたしたちを裏切って売った集落の人たちだって、羨んで変わってくれと言うような暮らし。
それでもお姉ちゃんが隣にいないならわたしは幸せじゃない。二人で暮らしていたときの思い出は誰に言われようがわたしにとって幸せなんだ。
お姉ちゃんは優しくて強かった。集落で一番狩が上手かったのに、強ければ強いほど偉くなる狼の集落でわたしのせいで不当に扱われた。
家だってご飯だって傷つくのだって、わたし一人だけが我慢すればいいのにお姉ちゃんは犠牲になった。わたしと一緒に生きていくことを選んでくれた。
お姉ちゃんは誇り高い狼だ。わたしにはお姉ちゃんに返しきれない恩がある。
お姉ちゃんはここで幸せに暮らしているだろうか? 嫌なことはされていないだろうか? お姉ちゃんには幸せになる権利がある。
だから――
「やあ、久しぶり」
「お久しぶりです」
「一週間ぶりだっけ?」
今日わたしはこの男と賭けをするつもりだ。
「そうですね。それと、遅くなってしまいましたが。買ってくださったあなたに感謝を、ここでの暮らしも快適です」
「うんうん、幸せそうならよかった」
幸せなんかじゃない。それを言えればどれだけよかっただろう。口にしてはしない、男の機嫌を損ねてはいけない。
感謝はしている。仕事を一つもしていないわたしがこんな暮らしをしているんだ、お姉ちゃんだって丁寧に扱われている可能性が高いから。
それでもわたしはこの男が嫌いだ。
集落の人たちと同じ黒色の髪。それだけでも苦手なのに、何より嫌悪感を抱くのはわたしとお姉ちゃんを引き離したことが。
「君は体が弱いって君のお姉ちゃんが言っていたけど、大丈夫そうでよかったよ」
「お姉ちゃんが?」
「うん、心配していたよ」
そっか、お姉ちゃんもわたしのことを気にしてくれていたんだ。心がぽかぽかする。
「あの、お姉ちゃんの様子はどうですか?」
「君のお姉ちゃんは楽しそうに働いてくれてるよ」
男の顔を見ても嘘はついていないと思う。お姉ちゃんもわたしと一緒で暮らしづらくはないのだろう。お姉ちゃんは狩りが好きで上手だし、そういう仕事を手伝っているのかな。
「ご主人様」
今日わたしは賭けをする。
「ご主人様、私たちを買ってくださったこと感謝しています。それでもしご主人様が嫌でなければ」
賭ける対価はただ一つ、この体のみ。
「わたしにご主人様のご奉仕をさせていただけませんか?」
★★★
一部の狼の獣人は奴隷の中でも特に価値が高い。
奴隷は命令に従わないといけない魔法が、体に模様が出るようにかけられている。わたしとお姉ちゃんは首に模様がある。どんなことでも奴隷に命令できるけど、いちいち魔法を使って命令をしなければならない。
狼の獣人は生涯に一度だけ忠誠を誓いボスを決める。狼はボスを裏切ることはない。そしてボスを決める前に、認める認めないは別として負けたと思った相手に個体差はあれ逆らえなくなり、相手のために尽くすようになる習性がある。
だから、狼は高い。
わざわざ忠誠を誓っていない狼の獣人を買ったんだ、狼の獣人の習慣は男も理解しているはず。
「今日はわたしのためにお時間をいただきありがとうございます」
男はこの賭けにのると思った。わたしから奉仕を誘うことで、男はわたしが男に負けたか忠誠を誓ったと誤認しているはずだ。
賭けの勝ちの条件は男にお願いできる状況を作り、わたしがお姉ちゃんに会うことと、わたしが男に役に立つと思われてお姉ちゃんを少しでも快適な暮らしにすること。
あくまでもお姉ちゃんの幸せが一番で、無理に会うお願いはしない。お姉ちゃんが男に嫌われたりでもしたら意味がないから。
賭けの負けの条件はわたしが男に負けるか忠誠を誓うこと。
わたしはこんな男に負けるつもりも忠誠を誓うつもりはないけど。
「わたしにできる精一杯ご奉仕をしますね?」
男に奉仕をすると言ったら、わたしが住んでいる別館に専用の部屋と奉仕用の服を用意した。部屋はベッドのみの必要最低限の作りになっていて、服は尻尾を出せる穴があって透き通った白い布で、乳首も割れ目もさくら色で浮かび上がっている。
「それでは」
ベッドに座っている男の横に座る。
「失礼します」
ちゅ。
男の唇を軽く触れる。初めてお姉ちゃん以外にキスした、しかもお姉ちゃんにもしたことのない唇へ。
日常の愛情表現の一種としてキスをする。わたしもお姉ちゃんによくしていたけど奉仕をするときもキスをする必要があるらしい。
ちゅ、ちゅ、ちゅ。
二回三回四回。唇に触れては離してまた触れて、キスをしてからキスをするまでの間隔を詰めていく。
ちゅっ。
数えるのも忘れるくらいキスをしてから止める。
キスはもういいだろう。キスばかりやって男に飽きられたらわたしに困る。
「下の方もご奉仕させていただきますね」
次は下半身だ。男のズボンを下ろす。
「っ」
これが男性器。
現れたのは巨大な肉の棒だった。奉仕のことは奴隷商人のところで勉強して知識だけはあるが、目の前にある物は知識よりも一回りも二回りも違う。男性器は目の前にいるわたしを立派な雌として認識している。
「……触りますね」
男性器を触って思ったのはとにかく熱い。
しこ。
熱い、熱くなっていく。触ったときも熱かったのに、動かせば動かすほど熱は高まっていく。どこまでこれは熱くなるの?
しこしこしこ。
手のなかの男性器がぴくっとわたしが動かしたよりも力強く動く、大きく跳ねて。
ビュッ!
勢いよく白い液体が男性器から出た。べちゃっと、わたしにかかる。濃い男の臭いがする。
ここで奉仕を終わりにしようかと思ったけど、手のなかにある男性器は満足をしきっていないのか出す前と変わらない大きさと硬さをしている。
男性というのは一回で満足するわけじゃないらしい。一回で終わる男性もいる。男は何回もできるようだ。一回で終われば楽だったのにわたしは奉仕を続けるしかない。
「いまから口の方でご奉仕しますね」
そうは言ったけど、これを口のなかに入れる?
両手で包んでいた男性器は両手で包まないといけないくらいには大きい。この大きさの物をわたしは口のなかに入れたことがない。
あー
せいいっぱい口を開いて男性器を口に咥えようとする。わたしと男性器の距離は近づいていく。近づくごとに臭いが強くなる、濃い男の臭い。
本当に口のなかに入れないといけないのだろうか?
でも、やらなきゃいけないお姉ちゃんのために。
わたしならできる、わたしはお姉ちゃんと同じ狼だから。
む。
「けほっ、けほっ」
先っぽを口に咥えた瞬間に男性器を吐き出して咳き込んでしまった。今まで口にしたことのない臭いと苦さ。わたしの体は男性器を口に入れておくことを拒んでしまった。
「大丈夫?」
「……大丈夫です」
大丈夫だ。大丈夫じゃないといけない。
あーむ。
臭いし苦い。体は男性器を拒んでいる。それでも今度は吐き出さない。
やっぱり男性器は大きい。大きく口を広げたのに、咥えられたのは先端だけだ。
ぺろ。
男性器の先っぽを舐める。
ぺろ、あむ、ぺろ、あむっあむっ。
初めて男性器を咥えて舐めるせいで、一回舐める度に口から男性器が出ていく。出ていった男性器を追いかけて口に入れ戻して舐める。
ぺろぺろ。あむ、ぺろぺろ。あむ。
舐めているとぴくっぴくっと、男性器は動く。ああこれは、精液が出る。そろそろ口から男性器を出さないと。
ビュッ!
いきなり口のなかがどろりとした。男性器を咥えたときよりも何倍も男の濃い臭いと濃い苦さがする。口のなかに精液が出されたということに遅れて気がつく。
にがいにがいにがい!
早く吐き出さないと。こんなものいつまでも口に入れておくわけにはいかない。
急いで男性器を引き抜いて、口から白い液体を――
「そうだ飲んでくれない?」
男が魔法の命令を使わずにわたしにお願いをした。これを飲めと。吐き出したい。今すぐにでも吐き出して水で口を洗いたいのに。
吐き出したら男の誤認が、わたしの演技がばれてしまう。
従うしかない、お姉ちゃんに会うためにお姉ちゃんのために。
ごくん。
どろりとした液体が喉からお腹にゆっくりと降りていく。
「……美味しいです」
まずい、気持ち悪いし吐き出したい。お腹のなかに行ったはずなのに、臭いと味とぬめりが口のなかに残っていてまだ口のなかにある感覚。
さらに最悪なのは、目の前の男は精液を出すのは二回だけじゃ満足ができないらしい。男性器はまだ大きいままだ。
手でした、口でした。満足しきれていない。それなら――
くぱぁ。
「ここでしますね」
まだ使っていない場所を使う。
男をベッドに押し倒し横にしてピンとそびえ立った男性器に股がって、精液とよだれでぬるりとした男性器がわたしのなかにいれていく。
大きさだけが心配だったけど、男性器がしっかりとぬめりがあったおかげで無事にわたしのなかに入れられた。入れるのに一瞬だけ痛みがあったけど、今は股から何かが入っていてお腹に圧迫感を感じるだけだ。
「ご主人様、ご主人様のがわたしのなかに入りました。動きますね」
男と言うのはプライドが高いらしい。女を気持ちよくさせたいという傾向がある。集落の男もプライドが高かったし、貴族のこの男なら何倍も高いだろう。
幸い女は生理現象で濡れる。適当に演技でもしていればばれることはない。
ぱん、ぱん。
「あんっ、あんっ。ご主人様のがあんっ奥に当たっています」
男性器をわたしの体の奥にぶつける。体の奥であたったときに振動を感じた。男性器は精液でぬめぬめしているおかげで痛みなく動かすことができる。
次回があれば精液を出してからわたしのなかに入れよう。
ぱん、ぱん、ぱん。
「きもちいいですっ、きもちいいですっ」
わたしのなかで男性器がぴくっとする、三回目のあれがくる。
「わたしとイキましょうご主人様っ」
ぱん、ぱん、ぱんぱん。
体を大きく動かしてわたしのなかにある男性器を徐々に強く刺激していく。
「ご主人様、イッちゃいます」
ビュッ。
「んんん。ご主人様のがお腹に入ってきます。ありがとうございます」
股から男性器を抜く。白い線がわたしから男と繋がってつぅっと伸びて、わたしの股からだらりとベッドに垂れていった。
「ご主人様、どうでしたか?」
「よかったよ」
「ふふっ、ご主人様のお役にたてて嬉しいです」
さすがに限界だったのか。男性器も大きさを保てなくなっていた。
ほっとする。これ以上はわたしも動けそうになかった。わたしにはほとんど体力がないから。
「また今度、奉仕してもらっていいかな?」
「はい」
よかった、奉仕を気に入られた。お姉ちゃんに会うきっかけに、お姉ちゃんを幸せにできる最初の一歩になれたはず。
★★★
ぐちゅ、ぐちゅ、ぺっ。
「はぁはぁ」
口のなかが気持ち悪い。いくら口を洗っても気持ち悪さはとれない。知識として精液のことは分かっていた。分かっていたつもりだった。
「覚悟はしていたけど、まさかあんなに臭いし苦いとは思わなかったなぁ」
奉仕を思い出す。キスはそこそこ上手くできた。お姉ちゃんとしたときは心が気持ちよかったけど、男としても嫌悪感しかなかった。
手でするのもあれでいいはず。体にかかったのは嫌だけど飲むよりはましだ。
口は精液を出されたときは気持ち悪かったし、まだ気持ち悪い。これからは精液を飲まないようにするためになるべく口ではしないようにする。
わたしのなかは別に何にも感じなかった、なんとなく体の奥にあたっているとしか思わなかった。それに万が一子供を生めば、男はさらにわたしを気に入ってお姉ちゃんに会えるお願いをできる可能性が高くなるから、わたしのなかには毎回出させよう。ただ、わたしから動くとなると体力が心配だ。
とりあえず気持ち悪さと体力さえあれば問題なく奉仕は続けられる。体力は繰り返し奉仕をすればつくはずだ。わたしの体は弱いけど、人間よりは体力がある。これでもわたしはお姉ちゃんと同じ狼の獣人だから。
問題があるとしたら精液だけ。
「精液に慣れればいい?」
呟いてそれだけはないなと思う。精液のこの味もこの臭いも慣れることは絶対にない。今回はすぐに飲み込むことができたけど、あれが長い時間口のなかにあると考えたらゾッとする。
結局我慢するしかない。大丈夫だ、初めてで吐き出さなかった。次回からは味が分かっているし精液が出るタイミングも分かる。次回は今回よりましなはず。飲めといわれてもすぐに飲み込んでしまえばいいし、精液を飲まないように奉仕をすればいい。
ふと、そこまで考えて眠気が襲ってくる。
今日は疲れてしまった。慣れない奉仕で体力を使ったから。
もう寝ちゃおう。今日は早く寝て、今日も幸せな夢を見れたらいいな。
「お姉ちゃん」
会いたい。お姉ちゃんの匂いだけでも嗅いで安心をしたい。
★★★
「ご主人様今日もわたしで気持ちよくなってくださいね?」
最初の奉仕からこれで数回目。定期的にわたしは男への奉仕をすることになった。
ちゅ、ちゅ、ちゅ。
軽いキスを何回かしてから男のズボンを下ろして、わたしも上半の布をどかす。
男性器をわたしの胸で挟む。手で寄せてもわたしの胸じゃ男性器を完全に隠すことはできなかった。
「動かしますね」
ゆさ、ゆさ。
男性器を胸で挟みながら、ゆっくりとわたしの胸を手で上に下に動かす。相変わらず男性器は熱い。肌で触れている場所が火傷しそうだ。
ゆさ、ゆさ、ゆさ、ゆさ、ゆさゆさゆさ。
徐々に胸を早く動かしていき、途中で男性器がぴくりと反応をした。
ビュッ。
精液はわたしの胸の中に出した。胸からぬぷぷと男性器を抜いて胸から手を離す。精液は胸からお腹へ、お腹から脚を伝ってゆっくり落ちていく。相変わらず臭いは苦手だ、けど今回は精液を飲まずにすんでよかった。
「入れますね」
胸でしても男は満足することはなかったけど、一回精液を出したおかげで男性器はぬめりがある。精液を一回出すか、わたしが生理現象で濡れるかしないと、男性器をわたしのなかに入れることができない。
「あんっ、たくさんわたしで……あんっ、気持ちよくなってくださいね」
男に体だけを使ってわたしはお姉ちゃんに会ってやる。
★★★
「ご主人様が嫌じゃなければ、今日はわたしを自由に使ってください」
この日は特に朝から体調が悪かった。ここのところ毎日奉仕をしているせいか、気がつかないうちに体が疲れていたらしい。目が覚めたときから体調が悪くて、頭も痛いし鼻もほとんど使い物にならない。近距離でなんとか感じられるくらいにしか機能しない。
体調が悪くても自分から動かずに奉仕をするなら大丈夫なはず。演技をしやすくするためにわたしから動いていたけど、奉仕にも慣れてきたから自分から動かなくても上手く演技をできると思う。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ。
男からキスをされる。私がいつもやっているのと同じ軽いキス。軽いキスを何回もやってそろそろキスが終わる。
ちゅーーー。
「ん」
そう思っていたのに急に長いキスが始まった。軽いキスとは目的が違うキス。自分の考えていたことと実際に起きたことの違いで何でと小さい疑問が浮かんだ。
「ん、ん、ん」
息ができない。いつもは息が吸えるのに口が塞がれているせいでできない。頭のなかがジンジンと痛くて真っ白になって――
「けほっ……はぁはぁ」
やっと息を吸えた。
ああそうだ。今日は私からしているわけじゃない。男がしているんだ。
長いキスが終わっても休ませてくれずに、男は服の上から胸を触った。わたしの胸を揉む度に白色の薄い服の下にあるさくら色が布を擦りながら動くのが見える。男が胸を揉んで乳首が布に擦れる度にくすぐったい。
なんだか変な感じだ。いつもはわたしから動くから意識しないのに、今日は男から動くせいでどうしても自分の体の状態を意識してしまう。
「ん」
ピンと乳首を弾いた男の指がそのまま胸からさぁと、布を下へ下へなぞっていき、とんとんと叩く、そこはわたしが男性器をぶつける体の奥の場所。男はしばらく叩いてからまた下に指を動かす。
男の指が止まったのは乳首と同じで服越しにさくら色が見える場所、わたしの股だ。
「んっ」
お腹を叩かれたときよりも優しく股も叩かれた。生理現象としてじんわりと股が濡れていく感覚がする。布を見れば分かる。乳首や股のさくら色とは違う色。シミによって布に暗さが新しく色づいているのが。
男は布にできたシミを見て、わたしのなかへ入れる準備が終わったのか、わたしは男と向かい合う形になりそのまま男性器を入れる。
普段は精液を出してから男性器をわたしのなかに入れるけど、今日は男が股をさわって生理現象でわたしが濡れているから男性器を入れることができた。
「あんっ、きもち……いいです。あんっ」
わたしを見ながら男は突いていく。男の動きに合わせて演技の声を出す。
「ご主人様の……あんっ、大きいですあんっ」
相変わらずこの男性器は大きい。意識しなくてもわたしの体の奥にあたっているのがよくわかる。さっきお腹を叩かれたおかげでお腹のなかに意識がいって演技がしやすいから楽でいい。
「いいです。あんっ、いいです。あん」
お腹のなかの男性器がぷるりと震える。精液をが出すときになる動き。
「イキそうですか? そのままわたしのなかで出しちゃってください」
ビュッと、わたしのなかに男性器から精液が出る感覚がする。
「……あれっ」
くらりと力が抜けて、男に寄りかかってつい顔を男の体にうめてしまった。
「ふふっ、気持ちよすぎてつい倒れちゃいました」
体調がさらに悪くなったみたいだ。さっさと終わらせないと不味いかもしれない。男性器はわたしのなかで大きいままで、次に精液を出したら今日はもう止めよう。
「ご主人様が満足するまでこのまま続けてください」
男がわたしの腰を持ち上げて男性器で突き上げる。それに合わせてわたしはまた演技の声を出す。
「お゛っ」
声が出た。
「え゛?」
演技じゃないわたしの声が。
「お゛っお゛っお゛っ」
男かわたしを突いていく、いつも通り男性器がわたしの体の奥で当たっただけなのに、一つ一つが今までと違う何かになっていた。
「ごぉっしゅじんお゛っさま゛っ」
体の奥を突かれる度に頭の奥まで響く。わたしに何が起こっているのか考えたいのに、男が動く度に頭が痺れて使い物にならなくなって考えられない。
「こん゛な゛の゛しら゛な゛い゛」
それでも気がついたことが一つ。
「お゛ッ? な゛ん゛で? な゛ん゛で?」
この男からお姉ちゃんの匂いがするの?
「ゃめ」
男性器が体の奥を刺激してじゅぶじゅぶと溢れ出ていく。股を触られたときとは違う。股を触られたのは生理現象なのに、今は体が男性器が奥に来ることを歓迎して濡れていっている。
「お゛お゛お゛お゛お゛? や゛め゛てや゛め゛て、お゛ね゛がい゛だがら゛ごれ゛い゛じょぅはぁ」
知らない感情に頭が支配される。わたしがわたしじゃなくなる、怖い! 誰か誰か助けて! お姉ちゃん助け――
「い゛ぐ」
男からどくんどくんと体の奥に精液が注がれて、ぶしゅっとわたしから出た。頭のなかが真っ白になる。キスで息ができなかったときの痛みとは違う、頭の奥がぴりぴりと痺れて何も考えられない。
「ぁえっ?」
体のなかの男性器は大きい、男がまた動く。
「ごひゅじんしゃまぁ、やぁめれぇ」
止めないと。わたしは次に男が精液を出したら止めるって思っていた。
「おぐぅ」
男に体の奥を突かれる。
止めたいのに止めたいのに男とわたしの体が止まらない。きゅうきゅうとわたしのなかは男性器の形になろうと勝手に変わっていく。体が男を求めていく。
「お゛ぉっお゛ぉっお゛ぉっ」
お腹をとんとんされたのと私から動いているわけじゃないから、体のなかにある男性器を強く意識してしまう。普段なら意識しない感覚も意識してしまったせいでより男性器に敏感になっている。
「これな゛に? これな゛に?」
こんなの知らない。こんな感情は知らないのに、ふと奴隷商人のところで知識として持っていることを思い出す。
「きもちいい?」
答えがあてはまって真っ白な頭のなかが、きもちいいでいっぱいになる。そうかこれがきもちいいなんだ。しっくりくる。
――それじゃあまるで体だけじゃなくて、わたしの心が男を望んでいるみたいじゃないか。
「ちがう゛っ」
このままじゃ快楽に負ける、男に負ける。心はわたしのものなのに、お姉ちゃんのものなのに! 男には体しかあげないって決めたのに!
「い゛っくぅぅぅ」
★★☆
「なんで」
奉仕を終えたあと、ふらふらになりながら部屋に戻ってきた。奉仕の途中から、男に一回精液を出されたあたりから記憶が飛んでほとんど覚えていない。
男を男についていた匂いを思い出す。お姉ちゃんの匂い。しかも濃い匂いだ。
近くにいるだけじゃ、あんなに濃い匂いにはならない。長時間直接肌と肌を重ねる、それこそわたしみたいに奉仕をするくらい――
そこまで考えて否定する。そんなはずない、お姉ちゃんに限ってそんなはずないから。男だって言ってたじゃないか、楽しそうに働いているってお姉ちゃんは得意な狩りをして不自由なく暮らしているんだ。そうに違いない。
それにお姉ちゃんってあんなに甘い匂いをしただろうか? 記憶にあるお姉ちゃんの匂いはやわらかい匂いで、あんなに甘い匂いのお姉ちゃんの匂いをわたしは嗅いだことがない。
「体調が悪かったから?」
体調が悪かったからお姉ちゃんの匂いを嗅ぎ間違えた? わたしがお姉ちゃんの匂いを?
あの男にお姉ちゃんの匂いがついていたか、ついていないか早めに確認しないと。
★★☆
ちゅっちゅっ。
「ん゛っん゛っ」
お姉ちゃんの匂いがした次の奉仕。今まで男にしたのと何も変わらない軽いキスをする。
すぅ、ちゅーー。
じゃれあいを終え、軽く息を吸う。そのまま自分の唇を相手に強めに押しつけた。
ちゅっ。ちゅぶ、ちゅぶぶ。
わたしから男の口のなかに舌を入れる。ぬるりとした男の口のなか。体温はわたしの方が高い、獣人は人間よりも数度体温が高いから。
入れた舌を使って男の口のなかをわたしの体温で塗りつぶしていく。じゅぶと音をたてながら、男の舌も頬の内側も唾液も、ゆっくりと舌を使って味わう。
「はぁ、はぁ」
息が続く限界まで男のなかにいて、息を吸う。
すぅぅ。ちゅ、ちゅぶぶ。れろっ、れろっ。
唇を離してすぐにわたしの口のなかに男の舌を招き入れて、わたしの舌で男の舌を楽しませる。わたしの体が味も匂いも体温も体の全てを男に全部あげて、わたしは男の物だってするために。
――ちがう、長くキスをするのは、怪しまれずに男からお姉ちゃんの匂いがあるか確認するためだ。
ぷはぁっ。
気がついたらわたしの舌とふれあっていた男の舌が出ていってしまった。もっとしたかったのに。
「ご主人様、もうれますね」
キスをしているときは匂いを嗅げなかった。さっさとお姉ちゃんの匂いがするか確認をしないと。
男に股がって、男性器を入れる。わたしの下半身はキスで濡れたから、ぬぷっぬぷっと音をしながら男性器はそのまま体の奥まで入れることができた。
わたしの胸を男にくっつける形で男の上で寝て、男の匂いを嗅ぐ。
「あ゛んっご主人様のが入って……あ゛んっ、わたし嬉しぃです」
男からお姉ちゃんの匂いがしない、やっぱり前回は体調が悪くて嗅ぎ間違えただけなんだ。よかったこれからは絶対に男に気持ちよくなんてされない奉仕ができる。
「お゛ぉ゛っお゛ぉ゛っ」
次の奉仕の日。あの男からお姉ちゃんの匂いがした。
★★☆
奉仕が終わって、自分の部屋に戻ってきた。頭がぐらぐらとする。
今日も男からお姉ちゃんの匂いがした。男からお姉ちゃんの匂いがしたのはこれで五回目。お姉ちゃんの匂いがする日に法則性はない、連続で匂いがついているときも、数日空いて匂いがついているときもある。
ただ、男からお姉ちゃんの匂いがするとき、決まってわたしとの奉仕をする時間に遅れてくる。
「はぁ」
それが分かってもわたしにはどうしようもない。
疲れて自分のベッドに座ると、奉仕で出された精液の残りがわたしのなかから溢れて、ベッドに落ちそうになった。
ああ、勿体ない。
股から落ちそうな精液を掬い上げて自分の口に入れる。
ごくん。
「けほっけほっ」
わたしは何をやっているんだろう。自分から男の精液を飲むなんて。奉仕のときは仕方ない、飲めと言われたから。
命令もされていないのに飲むなんて、わたしが男を求めているみたいじゃないか。そんなはずないのに、精液の味で今日の奉仕を思い出して体が疼く。ずんずんと、わたしを乱暴に壊すような突き。男はわたしで楽しんでいる、楽しんでくれている。男はわたしの――
違う。
たしかにお姉ちゃんの匂いがついた男との奉仕は気持ちいい。
けど、気持ちいいのは体だけだ、心は気持ちよくなってない。わたしはお姉ちゃんが好きで、お姉ちゃんの匂いを嗅いだから体が気持ちよくなっただけ。
奉仕は男だけを気持ちよくするためにやっている。その対価にわたしはお姉ちゃんに会う機会を探している。お姉ちゃんの匂いがするときは体は気持ちいいかもしれないけど、男との奉仕で心が気持ちいいわけじゃない。
だからまだわたしは大丈夫。お姉ちゃんと同じ狼で強いんだ。わたしは負けていない。
★★☆
男は奉仕の時間ぴったりに来た。つまり今日はお姉ちゃんの匂いがしない日だ。
「今日もよろしくお願いします」
よかった。それなら今日は気持ちいい日じゃない。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ。
「ん゛っ、ん゛っ、ん゛っ」
さっそく男にキスをする。やっぱり男からお姉ちゃんの匂いはしない。わたしの匂いだけが男についていく。キスをしているとわたしの奥が熱くなって股がじんわりと湿った。
体が早く入れたい。早く男性器をわたしのなかに入れたいけど、もっと濡らさないとわたしのなかに入れることができない。それにこれは男への奉仕だ。男を気持ちよくさせないといけないだから今入れるのは駄目だ。
服を脱ぎ男性器を胸で優しく包んで男性器の先端をわたしの口でしゃぶる。
ゆさ、ゆさ。
「あむ、じゅるる」
胸を動かしながら、舌を唾液を男性器に絡ませて舐める。男性器は相変わらず熱い。男性器の熱がわたしの体温を上書きしていく感じがする。
ビュッ。
「あー」
男の精液が口のなかに出しきったのを確認してから、男性器を口から抜く、男に口を開けて舌を見せる。精液はぷるんとゼリー状に舌の上で踊っていた。
くちゅ、くちゅ。
口を閉じてなかで精液を音をたてて、ゆっくりと一秒でも長く味わいながら、口のなかの全体を使ってわざと音をたてる。
こきゅん。
精液を飲み込んで喉がなった。精液を飲み込んだからまた舌を出して男に無言の報告する。
「ふーっ、ふーっ」
もう、我慢はできない。キスか終わったときに我慢したんだ、男も一回精液を出したし、わたしの股はびしょびしょだからもうわたしのなかに入れていいだろう。
精液の味と臭いで体が我慢できなくなって男を押し倒す。そのまま男に股がって男性器をわたしの体に入れた。
「お゛っ」
わたしの奥を突き上げる。疼いていた体の場所に男性器が届く。体は待っていたと男性器が奥に来る度にじゅぶじゅぶと歓声をあげていた。
「きも゛ち゛」
男からお姉ちゃんの匂いがしないのに。
「ちがうぅ」
体は男からお姉ちゃんの匂いがしたから気持ちよかったんだ。お姉ちゃんの匂いがしないのに気持ちいいはずない。
「お゛っお゛っお゛っ」
気持ちいいなら男にお姉ちゃんの匂いがあるはず。よく嗅いでお姉ちゃんの匂いを見つけないと。
くん。
匂いを嗅ぐ――男の臭いしかしない。
くんくん。
匂いを嗅ぐ――男の臭いしかしない。
くんくんくん。
匂いを嗅ぐ――男の匂いしかしない。
じゃあ、なんでわたしは今気持ちいいと思っているの?
「うぐぅ」
体が男の匂いを嬉しがっている。わたしはお姉ちゃんの匂いが好きなのに、体は男の匂いを求めている。
このままじゃまずい。快楽でわたしがわたしじゃなくなる。壊れる前にお姉ちゃんに会うことをお願いしないと。
「ごしゅじんさま」
パン。
「お゛っ」
言わなきゃ。
パンパン。
「お゛お゛お゛」
続きを言わなきゃ。
パンパンパン。
「ゃめ゛て」
続きを言わなきゃいけないのに。
パンパンパンパン。
わたしの腰が止まらない。体がわたしの言うことを聞かない。男には体だけをあげたから、体が男のために快楽のためにわたしの心を負けさせようとしてくる。
「きも゛ちよ゛くな゛り゛たくな゛い゛」
心はきもちよくなりたくないのに体がきもちよくなれって言っている。男性器がぷるりと震えて、精液で気持ちよくなれって。
ドピュッ。
「いぐぅ」
頭が真っ白になる。
あれ、わたしのお願いってなんだっけ。男に気持ちよくされること?
ああ、そうかそうだったかも。もっと男に気持ちよくされたい。体も心も気持ちよくされたい。
「おねがいがあります」
気持ちいいことしよう。お願いしよう。そうだ奉仕じゃなくて交尾しようって、そのためにわたしは男に体を対価であげたんだ。
体調が悪いときに男から動いてくれて、今そうしてくれたらすごく気持ちよくなりそう。男にわたしを気持ちよくしてもらおう。奉仕をしてわたしは男に気に入られた。だから、お願いをしたら一つくらいは叶えてくれるはず。
「わたしを」
気持ちよくさせてください。そうお願いしようとして男を見る。
黒色の髪が見えた。
『ごめんね、これくらいしかお姉ちゃんにできなくて、お姉ちゃんに返せなくて』
違う。
『いいんだよ。私が好きでやっているんだから』
思い出した。
『好きでやってる、だからそんな風に言われると悲しい』
わたしはお姉ちゃんに会いたくて、お姉ちゃんの幸せのために体を対価にしたんだ。
『ありがとう、お姉ちゃん。あのね、お姉ちゃんが許してくれるなら、ずっと二人で一緒にいようね』
そうだ、わたしは男に負けていない、負けない。
「おねえちゃんにあわせてください」
★☆☆
やっとお姉ちゃんに会える。
今日、わたしはいつも住んでいる別館から男が住んでいる本館に来ていた。男にお姉ちゃんに会いたいとお願いをしたらあっさりと認めてくれた。
「ふぅ」
お姉ちゃんが待っているのはこの部屋。
お姉ちゃんがここにいると、久しぶりに会えると思うだけでドキドキする。深呼吸をして覚悟を決めて震える手でノックをする。
こんこんこん。
「……あれ?」
いくら待っても部屋から返事がない。
おかしいな。男に言われた時間の通りだし部屋もここであっているはず。それに部屋の中から音がする?
不思議に思いながらドアノブに触れると鍵が閉まっていなかったのかそのまま扉が開いた。
部屋は間違ってはいないとは思うけど、勝手に開けたり入ったりしてもいいのだろうか?
入るか入らないか悩んでいると、少し扉の開いた隙間から見慣れた黒色が見えた。
あれはお姉ちゃんだ、お姉ちゃんの黒色だ。
「お姉ちゃん!」
この部屋にお姉ちゃんがいる。そう思ったら悩んでいたのに、迷わず扉を強く開いて部屋のなかに駆け込む。
やっとわたしはお姉ちゃんに会える。お姉ちゃんもわたしがこの部屋に入ってきたことが分かっただろうから、わたしの方を見てくれる。ずっと見たかったお姉ちゃんの笑顔を見れる。そう思っていたのに――
「ぉっぉっぉっ」
「……お……ねえ……ちゃん……?」
「お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」
お姉ちゃんはわたしが入ってきたことも声にも気がつかないで、よだれを垂らしながらベッドの上で男に四つん這いでお尻を向けている。
「ぃ゛ぎま゛した」
お姉ちゃんのあんな顔も声もわたしは知らない。
それに気がついた。お姉ちゃんは黒色の服を着ている。その服はわたしが奉仕で着ている服と色が違うだけで同じものだ。
「ああ、待ってたよ」
男がお姉ちゃんから男性器を抜いてこっちに来た。お姉ちゃんは力を失ってだらりとベッドに倒れこむ。
「どうして?」
「えっと、何が?」
お姉ちゃんは嬉しそうに働いているって男は言っていたのに、お姉ちゃんは幸せに暮らしているって思っていたのに。
「ころす」
男はわたしに嘘をついたんだ。お姉ちゃんは楽しそうにしているって。くやしい、男の嘘を信じたわたしが、お姉ちゃんに嫌なことをした男が。
「あぁぁ」
拳を握って思いっきり男を殴ろうとする。たとえここでわたしが死んでもいい。この男は殺さないといけない。
「リリィ、だめだよ」
声がした。わたしが好きな音。
わたしと男の前に割り込んできたお姉ちゃんにわたしの拳は受け止められた。狩りをしていたお姉ちゃんと狩りをしていなかったわたしじゃ、どうあがいてもわたしに勝ち目はない。
「どうして?」
「いくらリリィでも」
お姉ちゃんは何を言うんだろう。わたしはお姉ちゃんが何を言うのを求めているんだろう。
都合のいい妄想ばかり浮かんでしまう。わたしを驚かせたくてとか。男に魔法で命令されて無理やりとか、何かわたしが納得できる理由を――
「私の一番大切なご主人様を傷つけるのゆるせない」
「……あ……あぁ」
そんなものないのに。
お姉ちゃんは獲物を見る顔でわたしを見ている。わたしには笑顔とすこし困った顔しか見せたことないのに。
それにお姉ちゃんが言ったご主人様は、わたしがいつも男に言っている軽い意味じゃない。心からの忠誠を誓った重い意味で。
「リリィじゃなかったら許さなかったよ? でも、これからは冗談でもやったらだめだから」
わたしの心が折れた。
「リリィも今からご主人様に気持ちよくさせてもらおう? リリィもいつもしているんでしょ交尾」
お姉ちゃんはわたしの手を引っ張ってベッドの上に連れていく。
「ぃや」
「なんだ。匂いで分かってたけど、リリィの濡れてるよ?」
「おねえちゃん……やめて」
わたしはお姉ちゃんに服を脱がされて股を見られている。お姉ちゃんと男の奉仕を見てじゅわっと濡れた股を。
「そうだ」
急にわたしの頭の下がやわらかいものに包まれる。お姉ちゃんがわたしの頭を自分の脚に載せて膝枕をした。
「昔お花畑でこういうことやったよね。そのあとリリィが花冠を渡してくれて」
お姉ちゃんもあの日のことを覚えててくれたんだ。夢にまで出てきた思い出みたいに、膝枕をしながらお姉ちゃんの匂いがする。思い出のなかのお姉ちゃんよりも甘い匂いがした。けど、最近嗅いだ気もする。
「花冠嬉しかった。あのときのお返しまだだったよね」
男からした匂いだ。男からした思い出よりも甘いお姉ちゃんの匂い。やっぱりあれはお姉ちゃんの匂いだったんだ。
「ご主人様。リリィを、妹を気持ちよくさせてください」
お姉ちゃんは膝枕しながらわたしの脚を持ち上げて、男にわたしの股を見えやすいようにする。
「お゛っ」
男性器がわたしのなかに入ってきた。
「我慢しないでいっぱい気持ちよくなろうね」
わたしが頑張った意味はなんだったんだろうと思ってしまう。男に体だけをあげて、お姉ちゃんに会うって役に立ってお姉ちゃんを幸せにするんだって。
全部全部、全部。意味なんてなかった。誰の役にも立たなかった。わたしは結局、誰にも必要とされていない。
「ご主人様リリィはどうですか?」
「ああ、気持ちいいよ。役に立っているよ」
「お゛ぉ゛ぉ゛」
役に立った。男の言葉を聞いてお姉ちゃんに誰かに言ってもらいたかったその言葉で、心がどうしようもなく気持ちよくなりたがっている。
このままじゃ。
「さから゛え゛な゛くな゛っちゃう」
気持ちいいを我慢しなきゃ。我慢しないと取り返しのつかないことになる。我慢できなかったら、イッちゃったら、わたしがわたしじゃなくなる。
「逆らわなくていいんだよ」
お姉ちゃんがわたしの耳に囁く。まるでダメな子供に言い聞かすみたいに。お姉ちゃんにこんな風に注意されたことなんて初めてだ。
「
「ちがう゛ぅ」
わたしたちは、お姉ちゃんは犬なんかじゃない。
お姉ちゃんはいつだって優しくて強い、格好いい狼なんだ。
「気持ちいいの素直に認めたらいいのに。犬になったら幸せだよ」
お姉ちゃんの優しい笑顔。ずっと見たかった顔。わたしと二人で暮らしてきたときに、わたしがお姉ちゃんにずっとさせてあげたかった顔。
「一緒にご主人様の犬になろう」
「お゛」
家はボロボロですきま風で寒くて、ご飯も少ししか食べられなかったからお腹が空いて、外を歩けば石を投げられ血が出て。
「二人で犬になってご主人様と暮らそう」
「お゛お゛」
わたしはお姉ちゃんと二人きりで暮らしたかった。優しくて強い狼のお姉ちゃんと、誰にも邪魔をされないなら、ボロボロな家のなかでもお花畑でもどこでだって二人でなら幸せになれると思ったから。
「ここでなら私たちは幸せになれるよ?」
「お゛お゛お゛」
でも、お姉ちゃんは狼でいたときよりも犬でいた方が幸せそうだ。
お姉ちゃんには幸せになる権利がある。
「リリィがご主人様の犬になるのが幸せだな」
「お゛お゛お゛お゛」
もう優しくて強い狼のお姉ちゃんは犬になったんだ。狼はどこにもいない。
「お姉ちゃんと同じご主人様の犬になろうよ」
「お゛お゛お゛お゛お゛」
犬になればお姉ちゃんとお揃いになる。
男の犬になればわたしはお姉ちゃんと暮らせる。狼から犬になればお姉ちゃんも幸せになれる。
「だから、リリィもご主人様を飼い主だって、リリィはご主人様の犬になるって、自分の口で言わなきゃ」
わたしも気持ちいいことを我慢しなくてすむ。
「わたしは……ごしゅじんさまの」
ならいっか。わたしは狼じゃなくても。
「いぬに……なります」
「よくできました。これからも二人でご主人様の犬として頑張ろうねリリィ」
ああ、犬になったんだわたし。それならもう逆らわなくていいんだ。
「い゛ぐぅぅぅ」
わたしはわたしたちはこれからずっとご主人様の犬なんだ。
☆☆☆&☆☆☆
「あー、お姉ちゃん抜け駆けしてる!」
わたしが服を着替えていたら、一緒に着替えていたはずのお姉ちゃんが気がついたらいなくなっていた。着替え終わって部屋に行ったら、お姉ちゃんはご主人様を独り占めしてご主人様の手で幸せそうに頭を撫でられている。
「お姉ちゃんずるいよ」
わたしはお姉ちゃんの横に座る。
「ごめん、つい」
「わたしだってご主人様に撫でられるの好きなのに、ご主人様、わたしも撫でてください」
お姉ちゃんを撫でていない空いている手にわたしの顔をすりすりと擦り付けると、ご主人様はわたしの頭も撫でてくれた。
ご主人様の手は暖かくて撫でられたところからポカポカする。心地よくて幸せすぎて、つい尻尾を動かしてしまう。
お姉ちゃんも幸せそうに目を細目ながら尻尾を揺らしていた。
ご主人様の手が頭を、そこからあごを撫でられて顔をあげるとあたりまえだけどご主人様の顔がある。
ちゅーー。
撫でられるのも好き、キスするのもされるのも好き。
「リリィ、抜け駆けはずるいよ」
ぷはぁ。
「お姉ちゃんだって最初抜け駆けしたじゃん。わたしが抜け駆けしたっていいじゃん」
「……そうだけど」
「それに、お姉ちゃんはキスしないの? ご主人様の唇わたしが独り占めしちゃうよ?」
「やだ」
ちゅっ、ちゅー、ちゅーー、ちゅーーー。
お姉ちゃんと交互にご主人様にキスをする。どっちかが長くキスをしたら、その分どっちかが長くキスをする。
何回もキスをしてたら体が温まった。お姉ちゃんもわたしと顔を合わせて同じ気持ちになっている。
撫でられるのも、キスをするのも好きだけど、これからそれよりも大好きなことをする。
「それじゃあ交尾を」
「リリィと二人でやらせていただきます」
ご主人様のズボンを下ろす。おちんぽがポロンと現れる。
わたしたちとキスをして、おちんぽは大きくなっている。わたしたちでご主人様は気持ちよくなっているんだ。
嬉しい。
それにお揃いだ。わたしもキスをして濡れているし、お姉ちゃんも布にシミを作っている。
「最初はご主人様のおちんぽを」
「舐めますね」
べろ、ぺろ、べろーん、ぺろーん。
ご主人様のおちんぽを二人で舐める。交互に舐めたり二人で同時に舐めたり。ご主人様を二人で気持ちよくさせる。おちんぽがピクピクと震えた。ご主人様気持ちいいんだ。ご主人様が気持ちよくなれば私たちも幸せになれる。
ドピュッ!
「れろ」
「れろ」
勢いよくおちんぽが精液を出して、私たちの顔にかかる。お姉ちゃんはわたしを、わたしはお姉ちゃんをお互いに舌で舐めあう。
精液を二人で分けるのは、昔二人でご飯を分けあったみたいで懐かしい。あの頃はお姉ちゃんと二人きりで幸せだった。けど、今はご主人様がいてもっと幸せ。
「ご主人様、そろそろいいですか」
「わたしたち限界です」
精液を綺麗に舐め終わってまんこはびしょびしょになっている。キスをしたときから待てをしていたから、まんこもご主人様のおちんぽを食べたがっている。
早く早く、おちんぽを突っ込んでもらいたい。けど、おちんぽは一本しかない。
もしも、わたしじゃなくてお姉ちゃんにおちんぽが入れられたら、二番目にお姉ちゃんは好きだけど、一番好きなご主人様をお姉ちゃんを盗られたら、考えるだけでうらやましくて我慢できなくなってしまう。
お姉ちゃんを押し倒す。お姉ちゃんはあお向けにわたしはうつ伏せになって、お姉ちゃんのまんことわたしのまんこを重ねて一つのまんこを作った。
「どうぞわたしたちのまんこで楽しんでください」
ご主人様がわたしとお姉ちゃんの二人に入ってきた。二人同時に交尾してくれている。
「ぉ゛っ」
「お゛っ」
おちんぽがまんこに入る度に頭が甘く痺れる。体も心も気持ちいいをもっと欲しがっている。
「ご主人様」
「自由に動いてください」
ぱん、ぱん、ぱんぱん。パン! パン! パンパン!
おちんぽが動いていく。最初は優しかったのに次第に獣のように強く乱暴になっていく。人間の女でやったら壊れそうなほどの乱暴さが、わたしにはちょうど気持ちいい。
「きもちい゛い゛」
「ごれ゛すきぃ」
獣人だからこんなに乱暴にできる。獣人だからご主人様が自由に動いてもわたしたちは壊れないで気持ちよく感じる。
よかった。獣人に生まれて、ご主人様の役に立っているんだ。
もっと乱暴にもっと気持ちよくなっているとおちんぽが震えて、どんどん熱くなる。
「ご主人様だして、わたしもきちゃう」
「きもちいい、きもちいい」
ドピュッ。
「い゛ぐぅ」
「ぉ゛ぉ゛ぉ゛」
わたしもお姉ちゃんも、交尾のことしかご主人様のことしか考えられない。ご主人様を知らなかったときには戻れない。
「もっともっと」
「入れてください」
わたしもお姉ちゃんも狼だったなら狩の強さが必要なのかもしれない。
「気持ちよくなってください」
「気持ちよくしてください」
でも、わたしたちにはそんな強さなんてなんの価値もない。ご主人様が満足できるこの頑丈ささえあればいい。
だって――
「わたしたちは、ご主人様の雌犬です」
「ご主人様の好きなだけ交尾してください」