ラブラブちゅっちゅの正常位
ノクターンノベルズから自作を転載
毛繕いという行為はどうも種族を問わずに割りと一般的に行われるものらしい。
体毛というものが産毛程度に薄くする方向性に進化した人間だって、数少ない残された濃い体毛である頭髪の手入れも一種のそれであろう。
また社会性を有する動物においては、単に私的なものとしてではなく他者に対して社会的活動として行われることもあるらしい。
何故に自分がこのような取り留めのないことを考えているかというと、それは目の前にその行為を強要してくる女がいるからであった。
「またどうでもいいことを考えているようだが、さっさと手を動かしたまえ」
そう言って急かしている声に現実に向き直り、視線をすぐそばの白いタイル床にあぐらをかいて座る女に移す。とは言えど、ぱっと見でこの風呂に居るのが15歳の中学生だとは、言われてもにわかには信じがたいのではないかと思われた。
まず眼に入るのは狭い床面を覆い尽くさんばかりに広げられた黒く大きな翼。
前縁部の雨覆には柔らかそうな比較して小さめの羽に覆われるも、しかしその外側に根本から翼端につれ大型化し長く伸びてゆく黒色の風切り羽が鋭利な印象を与えている。
まるでしとどに濡れているかのように艶やかな光沢は黒い翼にもかかわらず鮮やかな色彩となって美しさを増幅しているようだ。
鷲などの猛禽類が持つ見事な造形の翼であるが、別にこの家に鳥がいるわけではなかった。
こんな片側だけで長さ170cm、開翼すれば3mを優に超える翼幅を持つ大型の猛禽など自分の家では飼えそうにない。
というよりそもそも根本をたどれば人間から生えている。背を晒す少女の肩甲骨のあたりには自分にはない巨大な翼を支える構造があるのだった。
人間らしく微かな産毛の下に滑らかな皮膚が露出する背中と比較すると、どこか取ってつけたかのようなアンバランスさを感じなくもない。
状況だけ見ると浴室に同年代の少女が上半身裸で横たわっているという事前か事後かという状況なのだが……
「いつもどおりよろしく頼むよ。なに、普段よりちょっと余計な場所まで肌を晒しているだけさ」
少し待たせすぎたか不機嫌な声と共に催促するかのようにフワフワ羽ばたかせ始めた翼を尻目に自分はこれまでのことを振り返る。
亜人種というのは多くの種類があるが、日常的に見かける機会がある中では鳥人族が一番目立つ。
何しろデカい。何がって翼がデカい。遠目から見てもひと目で分かるレベルの特徴だ。
その中でも猛禽の翼を持つ人々は翼形状のせいで畳んでいても一人分のスペースはとる。
ついでに言えばどこまで行っても少数派だ。亜人種はどの種類をかき集めても1学年にちょうど1クラス分程度の人数しかいない。
当然に多数派であるところの人間の中に混ざるような形にならざるを得ないが、やはり善かれ悪しかれいろいろな面で目立つ。
そういうわけで、幼稚園の頃にヤツに出会った時は孤立していたのもしょうがないことではあったのだろう。
なにしろそれなりに規模がある小学校ではまず起こらないことだが、近いだけが取り柄の小さい幼稚園に当時はたまたま亜人種が彼女しかいなかったのだ。
もちろん園児たちに悪気があったわけではなく、当人もまるで馴染もうというつもりが無かったのも級友と疎遠になる大きな原因だったのだろうけれども。
ところで、当時の自分は今に輪をかけてアホだったので山遊びにいきなりハマったことがあった。
今となっては何が楽しかったかわからないが、無意味に小動物をずっと観察していたりして遊んでいた気がする。
たしか親から買ってもらった動物図鑑に描かれた細密画の動物たちに心を惹かれたからだった。
それにしたって危害を加えるのは思い出せないが、多分みてるだけでは飽きたらず何らかの反応が欲しかったのだろう。
そんな幼少のある日のこと山の中に遊びに来てた自分は山の中でコイツと出会ってしまったのだ。
自分はたまたま見る角度のせいか翼しか目に入らなかった。
今ほどの大きさではないが、しかし幼稚園児とはいえ人間サイズの翼。しかも図鑑で見た勇猛な美しさを持つ猛禽たちの翼そのままだった。
その実物を見た自分は心を踊らせ、しかもそれを自分で飼いたいと思ってしまったのだ。
本物の猛禽相手に勝てると思ったのか考えなしなのか、ともかくゆっくりと後ろから忍び寄り一気に翼にしがみついた。
その途端にすごい力で抵抗されるが、片翼にしがみつくことで振りほどかれるのを防ぐ。
「馬鹿!誰だ!痛い痛い痛い!」
揉みあいになりバタバタと振り回される中で人間の声で叫ばれてようやっと相手にしているのが亜人種の翼だということに気づいた。
驚いて手を緩め掴んでいた相手をまじまじと見ると同じ幼稚園の級友で、一体全体どうして気づかなかったのだろうか。
「ごめん」
「なんだキミか。いきなりどうしたんだ、驚いた」
振りほどくために力を使い息切れした幼き彼女は、普段さして仲良くもない知人に怪訝な目付きでそう言った。
「鷲か鷹か何かだと思って」
「またなんでそんな強そうな生き物に掴みかかろうとなんか」
「飼いたくなったんだ、カッコ良かったから」
そう答えると不機嫌だった表情が少し緩むと気恥ずかしそうに答える。
「ズルい言い訳だ。そう言われると悪い気がしないじゃないか」
「許してくれるの?」
「許さない。キミのせいでちゃんと手入れした翼が荒れてしまったじゃないか」
そう言ってその自分がしがみついた側の翼を広げると、なるほど一目見てわかるほどグチャグチャに逆立っていた。
周囲を見渡すと乱闘の末に抜け落ちた羽毛がいくつか散らばってさえいる。
しかし繰り返すようだがアホな自分はその批難の声も気にせず素直な自分の感想を返す。
「やっぱりカッコイイなぁ」
「あんまり褒められるとオジチャンを思い出すからやめてくれ」
口ではそういえど自慢気に微笑むのを隠さない彼女は嘆息すると、あまりにアホ面で翼を見つめる自分をなだめるためか提案する。
「そんなにこの翼が気になるならいっそキミが手入れするかい?」
「いいの!」
その言葉に瞬時に反応した自分が手を突き出し相対する相手の手を握ろうとするが後ろに引いて逃げられた。
「なんだ、この仕打ちへのお詫びと褒めてくれたお礼の両方を一緒にということで。こっちに来てくれ」
そう言って彼女は体を翻しそれなりに傾斜の効いた斜面の砂利道を駆け始めた。
少し遅れて見失うまいとその後を追う。露出した木の根に足を取られそうで冷や汗が流れる。
斜め上を見れば自分よりも明らかに速度の違う翼が目に入り、まるでその翼で空高く上昇しているようようだった。
稜線の向こう側へと目標が消えた後も追いすがり、斜面を登り切った自分が再び捕捉した彼女は不自然に置かれたタイヤへと腰掛けている姿であった。
「遅いじゃないか」
息も絶え絶えの自分にこんな程度どうしたと自慢気に笑う。
「そっちが早過ぎるだけだよ」
しかし地面を見ながら呼吸を整える他に余裕が無い自分が回復するまで待つだけの気遣いはあったようだ。余裕なく地面を見ながら酸素を求めて激しく呼吸する。
無言の時間が流れほぼ1分ほどだったろうか
余裕の出た頃を見計らって相手側から沈黙が破られた。
「そろそろいいかな。翼を手入れしてくれるのだろ。私の後ろに回ってくれ」
そういって魅せつけるかのように翼を開くと、直ぐにまた後ろに閉じた。
自在に翼を操る姿を見て再びそれが彼女の血肉の一部であることを再認識するとともに、一種の羨ましささえ感じてしまう。
その魅力的な翼を間近で触らせてもらえる誘惑に抗えず言われるがままに背中側についてしゃがみ込む。
改めて彼女の背中を見ると背骨にそってボタンの列が並んでいるのが見えた。
「変な服」
「しょうがないだろう、普通の服だとつっかえてしまう」
鳥人族のための服なのだろう。一人では締めづらいボタンもあるのか外れたままのものもある。
肩まわりの大きなスリットから露出する形で翼が迫り出し、肌の露出は最小限に抑えてあるようだ。
「それでどうすればいいの?」
「まず羽根の一枚一枚を筋の方向にそって手で形を整えて。抜いたりしないように丁寧に」
その言葉にどの羽根から手を付けようかと目をやると、やはり鋭い美しさを持った風切り羽に視線が吸い寄せられる。
中でも最も大きく見事な外側の第一風切うち一枚に形が崩れたものが見受けられた。
慎重に手を添えて見つめると半ばあたりで逆立ってしまっている。
恐らく自分自らが掴んだ時にこうなったのだろう。
言われたとおり筋をなぞるように手を滑らせると幾らかはマシになった。
ちゃんとしっかり翼に付いているか根本から軽く引っ張って確認すると抗議の声が上がる。
「一応は言っておくとこの翼は私の手足も同じだから感覚もあるのだからね。勝手に抜いたら怒るよ」
「さっきはごめん」
「お詫びなら手を動かして早く元に戻してくれ」
その言葉に応じて急いで、されど丁寧に作業を再開する。
とはいえそのかっこ良いい翼を間近で整える作業はむしろ楽しささえ感じるものであった。
熱心に手を運ぶ自分になにを思ったかは分からないが、あちらも何も言わず無言で座っていてくれた。
しばらくそうして互いに無言でいると思ったより早く終わってしまう。
これでおしまいかと寂しさを感じつつも最後までできたことを報告した。
「これで大丈夫かな」
その言葉に反応した彼女は立ち上がり翼を翻らせると腰を回して確認する。
「鏡がないからわかりづらいが、多分大丈夫だ。ありがとう」
先程までより柔らかな笑みで翼を広げたまま礼を言われると、何やら気恥ずかしさを感じてしまい目を逸らしそうになった。
それに気づいてか気付かずか、彼女はそのまま言葉を続ける。
「私はこの場所が好きなんだ。ほら下に街が見えるだろ。空を飛んで見下ろすみたいでさ」
翼越しに向こう側を見ると、先程は息が上がっていて気付かなかった景色が広がっていた。
小さく見える町の所々を注目すれば、それが自分が見知った場所がいたるところにあることがわかる。
「ココにはよく来るの?」
「そうだね。落ち着きたい時は特に」
「友達と一緒に?」
この言葉に二呼吸ほど沈黙が訪れる。
心なしか幾らか不機嫌そうな言葉が帰ってきた。
「私は友達というものがいないからね。一人だよ」
そういえば彼女が他の誰かといるところをあまり見かけていないことを思い出した。
これはフォローせねばならないと自分は慌てて言葉をひねり出す。
「それなら自分が友達になれないかな」
「キミが?」
「ダメ?」
しばらく驚いたように眉をひそめ沈黙し、ふと何かを思いついたのか不敵に笑う。
「ならば条件がある。キミが代わりに羽根の手入れを手伝ってくれるのなら友達になってあげてもいい」
「もちろんやるよ」
むしろこちらからお願いしたいくらい、当時の自分はその翼に惹かれていたのだった。
「それではよろしく頼む、私の友達」
そう言って差し出された手を取ると、痛いくらい握りしめられた。
それからは彼女とは結構な頻度で遊ぶことになった。
そしていつもの場所で雑談しながら彼女の翼の手入れをさせてもらって終わるのが常だった。
小学校に上がると亜人種の同級生ができたり交流する人数が増えたことで彼女の唯一の友達ではなくなったけれど
それでも最大の遊び相手だったことはたぶん自惚れではないと思う。
一緒に遊んだ日には決まって翼を触らせてもらえるわけで、たぶん自分の髪よりも多く触ったはずだ。
他の友達の前で手入れをした時には召使みたいだと笑われたものである。
いつの間にかかの山に行くことも少なくなったけれど、ゲームしても一緒に勉強しても最終的にやることは同じだった。
小学校も高学年になると男女で仲が良いことでからかわれるようになった。
恥ずかしくなって避けようとしたこともあったが、しかし向こうから勝手に押しかけて来るので諦めたこともある。
それにこの時は成長期が男子より早く訪れる女子の中でもずば抜けていた彼女が威圧して黙らせてもくれた。
12歳で身長170cmにまで育った彼女に逆らえる男子は当時存在しなかったろう。
しかし中学生になり自分の方にも二次性徴が訪れると事情が変わってきた。
はっきり言うと彼女に女性というものを感じ取れるようになってしまったのである。
贔屓目に言って相当に整った顔立ちをしている、というか綺麗だ。
少し釣り目がちなくっきりと形を主張する瞳だけで鋭利な美しさを輝かせ同学年の男子の目を引いている。
体だって体操服を着れば引き締まった足回りの筋肉のつきかたと女性としての肉付きの調和が個人的に一番目に毒だと思う。
そして直接見なくてもわかるウエストの細さもきっと同様であろう。
胸に関しては身長に比して小さめに感じるが、恐らく絶対値としては並み程度にはあるはずだ。
なんというか昔は男も女も変わらない感じだったのに、成長というのは恐ろしいものである。
もちろん肉体だけでなく中身だって、主に自分のほうが変わってしまったわけで。
こうなっては昔みたいに無防備にベタベタくっつかれると正直気が気でないわけである。
逆にあちらは体だけ成長してしまっているのか、あるいはこちらが男として意識されていないのか・・・
そうはいっても義務となってしまった翼の手入れのたびに自分のベッドに上がり込んでこられても困るのである。
何が困るって匂いが移っていろいろ困る。
まあ有り体に言えば欲情してしまうのである。いやだってそりゃそうに決まってるじゃないか。
酷いときは唐突に体を起こしたかと思えばそのまま体をこちらに倒して体重を預けられたりされた。
流石にコイツはまずいと感じ、何か間違いが起こる前にいい加減こういう交流はやめようと提案したのだが・・・
「何かの間違いも何も、キミに間違いが起こせるのかね?その決断が下せるなら今すぐでも抱かれてやってかまわんのだが」
そう馬鹿にしたような口調で言ってのけた彼女に自分はその場では反論しなかった。
力でも負けているからしょうがない…だが度胸に関して疑われるのは流石に苛ついた。
いくら仲がいいと言っても舐められて我慢できるほどお人好しじゃない、一種の怒りに包まれた。
ここは奴にも危機感というものを味あわせてやらねばなるまい…
それにこれはそういう一つの遊びなのだ、コイツがからかってきたら自分は怒るという一種の大喜利めいたやりとりがちょっと本気になっただけ。
だからちょっとからかってやるだけのつもりで言ってしまったのだ。
「正直、キミからそのような提案をされて驚いている…というのが正直なところかな」
彼女はかれこれ30秒ほどだろうか、自分の言葉の意味を理解しかねるかのように顔はこちらへ向けつつも視線だけアチラコチラにウロウロさせてやっと言葉を見つけたようにつぶやいた。
その視線の先は壁に埋め込まれた衣装棚や毛布が起きたままの状態で乱雑なベッドなど、あからさまに見ているものそのものは無意味なもの。
流石に彼女も困惑しているのだろう。もちろん、躊躇いもなく良いよと承諾されたら困る。
ある意味で新鮮な光景ではあった。普段の彼女は基本的に真っ直ぐで、もちろん視線でさえ例外ではない。
「こうやって好きで毎日欠かさずに他人の翼をいじってるんだから、たまには洗うのもどうかというのは自然な提案だと思うのだが」
もちろん、そんなこと夢にも思っていない。要するに一緒に風呂に入る必要が生じてくる。
中学生の男女が一緒に風呂で、しかも一方の体の一部を洗うというのはきっと一般的なことではないはずだ。
「そりゃ小鳥か何かならそうだろうが、この年頃の女の子から生えてきているということを理解しているのなら話は違ってくるだろう」
海外映画のように大仰な仕草で両方の手のひらを晒し呆れを表現してくる。全く同感だと思いながらも彼女の動揺が見て取れて面白かった。
普段はもっと必要最小限の挙動で表情だけを動かす彼女が、困惑したように眉を歪めたまま固定した代償に手のほうが饒舌になるなどと新しい発見である。
いや、考えてみれば昔もこういう事があったかもしれない。ふと思い出した。
今の中学校は地元では有名な私立中学なのだが、受験することを聞いた彼女が似たような仕草で言葉もなく驚いて見せたことを思い出す。
どうして今までそんな貴重な一面を忘れていたのだろう。きっと不快だったんだな、自分の彼女へのイメージと合致しない。
「今更、女の子だとか気にするような間柄か?」
そう、個人的には嘘にしておきたい言葉に対して露骨に顔をしかめられた。
それどころか常には真っ直ぐな視線さえ曲げてまぶたを歪ませる。
やめてくれそういうのは、まるで自分が、よりによってお前を傷つけたみたいじゃないか。
「最近はいつも思っているのだが、もしかするとキミにとって私はこの翼が本体であって体の方はオマケだったりはしないかね」
割とイーブンではある。というよりも不可分だから両者が等号で結ばれるのは自明のはずだ。
それにオマケ程度だったらこんなしょうもない意地悪などしなくていいはずである。
そして何よりも、不可分な両者を根本から切り離したとしたら、きっと自分は彼女の人格がある側を選ぶ。
だから本音をいうことが許されるならば、そんなはずはないと応えるべきなのだろう。
さりとて目的のためにはをココで正直に言う訳にはいかない。
もちろんその目的とは男女の関係性というものが自分と彼女の間にも可能性として存在し得るということを理解してもらうためだ。
でも嘘はつきたくない自分は
「いつもとは逆の状態だな」
そう言って話題をずらすと、彼女は目をそらしたまま少し逡巡したが、突然、こわばんでいた表情を和らげ真っ直ぐな視線を取り戻す。
「そうだね。そういえばそうだ」
その微笑みに心がざわめく。昔から、彼女がたまに見せる柔らかな、それでいて鋭さを失わない微笑みが好きだった。
彼女がこの表情を見せてくれるのは大抵が気持ちが通じ合えた時だ…というのは流石に自分に都合が良すぎる解釈だろうか。
普段は自分が一番高く飛んでいると言わんばかりに自身に満ちた、他人など要らないかのような表情をしているくせに。
「いいよ、石鹸とかは使わないでシャワーの水だけで丁寧にやってくれ。脂質の膜が剥がれるといけない」
普段こういう事を言ってくるときは挑発するかのような高慢な目つきだからか、それとは雰囲気での発言に思わず息を呑む。
全然気持ちが通じあってなどいなかった。柔らかな笑みのままとんでもないことを平然と言ってのける。
予想外の言葉に思わずしばらく声をつまらせてしまった。
自分が衝撃を受けている間にいつもの表情に戻った彼女はいたずらっぽい口ぶりで言い放つ。
「自分から提案しておいてそんなに動揺されても困る。自分で言い出したのだから自分の言葉には責任をもちたまえ」
それを言われると実際そのとおりなのでなにも反論できず言葉が詰まる。
情けなく苦い顔をしてるだろう自分を一瞥すると彼女は突然立ち上がり、部屋の中央部に足を運びだした。
いったい何をと疑問に思うその瞬間、唐突に室内の空気の流れが変わる、物理的な意味で。
自分が両手を拡げるような自然さで、しかしどこか普段より気取った仕草で翼を広げたのだ。
というより両手を広げたりなんて身体測定か気取った時しかしない行動である。
だが彼女のその姿は妙に似合っていた。
中央に立ってさえ壁に触れそうなほど大きな翼は自分の視界のかなりの領域を専有してしまっている。
その広い翼は左右を比べてもほぼ完全に対称で、ちょっとした抜け毛や乱れも確認できない。
もちろん、それは自分自身が毎日いつも一時間ばかり手入れをし続けている成果もあるのだろう。
しかし彼女の整った顔つきや艶やかな肌質をみるとそれだけではなく生来の素質を感じさせる。
自分は彼女の姿を2呼吸ほど見とれたのを確認した彼女が再びあの笑みを一瞬見せ、同時に翼をゆっくりと羽ばたかせはじめる。
剥製と違い生を持ったしなやかさで美しいままに形を歪める。
その動きと同期して体の方にも、具体的には彼女の胸元に動きが生じていた。
身長からすれば比較して控えめな胸が、まるで荒々しく呼吸してるときのように大きく上下する。
おそらく翼を動かすための筋肉が胸回りに存在するのだろう。
そうして1分に満たないほどの時間だけ自分の目線を釘付けにした彼女はゆっくりと右手を上げて真っ直ぐ伸ばして口を開いた。
「言質をとったとはいえ、こういうことをさせるからにははっきり言おう。私がそうして欲しいのだ、好きな男にね」
そうして自分は夢遊病患者のようにふわふわと導かれるまま冒頭のシーンまで連れてこられたわけである。
正気に戻ったのは彼女がいい加減に苛つき始めたのか翼を器用につかって顔を叩かれてからだ。
「麗しい美少女から愛の告白を受けて返事を返さない上にハダカのまま放置とはいい度胸じゃないか」
そう言って翼越しにこちらを見る彼女の表情は発言の内容に反して柔らかかった。
だがその言葉と共に行使された力は本物だった。顎関節で骨と骨がズレる鈍い音とともに視界が急激に揺さぶられた。
打撃の痛みに思わず尻餅をついて床に倒れこむ。
痛い、なんでこんな状況まで黙ってたんだ。
冷静に思い返すと浴室に向かう彼女についていく途中に脱衣室で服を脱ぐそのときも一緒にいた気がする。
なんでだよ、おかしいだろ自分。そりゃ怒るだろ、ていうか部屋の前で止めろよ。
そうやって頬を抑えて情けなく痛みに耐える自分の視界に影が落ちた。
「すまない、ちょっと力を入れすぎた」
その言葉に反応して顔を上げた自分は言葉を再び失う。
いつの間にか立ち上がってこちらを心配してくれる彼女はちょうど自分を見下ろす状態になっている。
そして彼女は翼を水浴びさせるだけなら不必要なまでに脱いでいるわけで、いろいろ見えてしまっていた。
まず今まで直接は見ることがかなわなかった乳房はなだらかで背丈と比較して相対的には小さくさえ見える。
しかし、下側から見上げるようなこの視点なら、その頂点で仄かに桜色に輝く乳頭が十分に体から高さがあることがはっきりと視認できた。
重力に逆らいピンと美しい形を維持するその見た目からきっと張りのある触り心地なのだろう。
そこから視線を下ろすと、お尻へと続くラインは全体的に引き締まった印象に違わずキュッと締り魅惑的な曲線を形成していた。
もちろん単に脂肪や筋肉が欠如した細さではありえない。特におヘソまわりで腹筋の盛り上がりを薄い脂肪が更に上から覆い隠す様が美しい。
普段から人目を引く少し筋肉によったバランスで美しくまとまった足回り、その太ももの更に上。
どちらかと言うと筋肉質寄りな脚とは不釣り合いに太まった腰つきは何よりも強く女性を主張している。
その中央で他より明らかに体毛の濃ゆい…有り体に言えば陰毛に覆われたいけない場所まではっきりと視認できてしまっていた。
濃ゆいとは言っても相対的な話で、自分のもののように硬質なではなく羽毛のようにふわふわした見た目をしている。
視線を完全に覆い隠すほど密集してないために、下から見上げている自分の視線に一筋に流れる秘割が入ってしまう。
そればかりか、その更に奥にある排泄口も少し移動すれば見えてしまいそうなほどだ。
これまで妄想の中でしかありえなかった光景に、有り体に言えばただただ圧倒されていた。
「翼だけでは不満かね?キミがしたいならこの体に手を出してくれても構わないのだけれども」
予想以上の凄さにただ目を奪われるだけの自分に更に問いかける。
「正直な話をするとね、不安だったんだ」
「そうか」
広がった骨盤と脚の付け根まわりに形成された関節部の曲線に目を奪われてマトモな返事を返すことができなかった。
「そっけないね。いつもそうだ。焦燥感からキミを求めてもそっちは正面から受け止めずに受け流すしかしてくれない」
悲しげな口調に思わず彼女と目線を合わせるため顔を上げる、恥丘の柔らかそうな膨らみから目をそらして。
目を潤ませて顔を歪めた、有り体に言えば泣きそうな表情が目に入る。
普段弱さを自ら晒すことがない彼女が見せるその姿に心が揺さぶられる。
「いつもキミに奉仕ばかりさせて、私からは何も返してやれてなかった。
だから与え合う関係になりたいと思った。だからその気になってくれたらいつだって抱いていいって言ってるのにいつまでも手を出してくれない。
不安になった、いつの間にか私との交流が単に負担として固定化されたんじゃないかって。
だからさっき、私の体に興味を示してくれて嬉しかったよ。
でもなんでココで止まるんだね、裸の美少女とバスルームで二人っきりになってるのに
私の体をそんなに真剣に見つめてるのに、ズボンだってそんなに膨らませてるのに。
ヘタレか、ヘタレなのか。そうだな、私もいつもそう言ってるものな」
彼女が吐き出すように一方的にまくし立てる。
理知的で余裕に満ちた普段の彼女とまるで違う姿に全く言葉を返せない。
いや別にそうでなくても返答をそもそも望んでいないかのように絶え間なくて口を挟め無かっただろうが。
ともかくそこまで言った彼女が膝を曲げて自分に向かって飛び乗ってきた。
直接乗られた脚部に急に体重が一気にかかり思わず小さくうめき声を立てた自分に構わず腰のベルトに手をかけてきた。
「ちょ、まて、いきなりなにするきだ」
突然の襲撃に手を抑えて反抗しようとするが物理的な筋力の差で全く相手にならない。この白い腕のどこにそんな力があるんだ。
彼女はこちらの顔を全く見ないで攻勢を続けつつ返答する。
「いまからキミをレープする」
いくら猛禽の翼があるからって発言まで肉食系だった。
「馬鹿、今日のお前ちょっと変だぞ」
「うるさい、キミが変な期待を私にさせるからいけない」
さっきまでの泣きそうな表情はどこへ行ったのか血走った目で自分の抵抗を排除する。
抵抗むなしく人種的な差から生じる筋力の差には抗えずベルトを締めたままのズボンを力づくでパンツごと奪い取られてしまった。
その瞬間、もう限界まで勃起していたペニスが布擦れで痛いほどズボンを押し上げながら飛び出してしまう。
自分の平均的な15cm程度の陰茎は押さえつけるものがなくなり、位置的にちょうど彼女の目の前で硬く反り上がる。
充血しすぎて紫色に染まった亀頭や太く浮き上がった血管、相対的にカリ首が深く強調されて自分でも見たこと無いほどである。
膨らんだことで表面が張って光沢を生じてさえもあり、血液で膨らむ性質からか鼓動に合わせてピクリピクリとかすかに収縮する。
自分でさえ自分で引くくらいなのに、まして処女であろう彼女にはどれだけグロテスクに見えていることだろうか。
だが予想に反し彼女は鎖のように束縛的な笑みを浮かべてソレを見つめていた。幾ばくか嗜虐的にさえみえる。
「こんなにしてくれてるなら話は早い、さっそく私の処女を受け取ってもらおうか」
そう発言した彼女はおもむろに腰を持ち上げ、自らの外陰部を見せつけるかのように腹筋を使って陰茎に高さを合わせ始めた。
その動きにともなってすべすべの肌に開いた縦長のヘソが形を歪めるのが妙に蠱惑的に感じてしまう。
足腰の強さで手を使わずに体を支えつつ両手を使ってクレバスを広げていた。
広げられたその秘割は白い肌にあって赤みがかったピンク色で、そこが内臓なのだということを示している。
ネットで見た無修正のマンコと比較してどれよりも無垢で、膜なんか見なくても処女であることを確信させた。
しかし、たったいま彼女が試みている行為に及ぶにはあまりにも綺麗すぎる。
男がペニスから我慢汁を垂らすように、女もそれなりの前準備が必要なはずである。
硬くなっているという意味においては準備万端な自分と違って、挿入される側の女性器は早すぎるというのは童貞の自分にも容易に想像がついた。まして処女だ。
彼女のことを考えるならば、もちろん痛みだけが理由ではないにしても、止めたほうがよいはずだった。
だが実際の自分は、彼女がちょうどいい位置を探して腰を前後させるのをただ黙ってみていたのである。
魅力的に成長して雌としての体がほぼ出来上がった親友とセックスすることへの期待感が、要するに自分自身の性欲が彼女への思いやりを上回ったのだ。
ついに狙いを定め終えた彼女が膣口に陰茎を導こうと生殖器官を押し当ててきた。
物理的な刺激的としては単純に自分の手を押し付けるのと大差ないはずのその感覚。
だが脳で生まれる興奮度はまるで違うのか反応してビクビクと陰茎が震える。
亀頭が濡れてもいない小陰唇の間を滑るだけなのに、しばらく続ければ容易に達してしまいそうだ。
経験がないのは向こうもおなじ、ただ滑るだけで挿入に至らないことに苛立ったか突如としてペニスを掴まれた。
状況ゆえの錯覚なのだろうか、その暖かさは自分の手で慰めるときと全く違う柔らかな感覚として認識される。
ほろ甘くも強烈な刺激に、半ば過剰入力で処理を仕切れていなかった脳がやっと回り始めた。
「ちょ、ちょっとまて。言えよ!自分だってムラムラしたに決まってるだろ!ちゃんと段階踏めよ!
なんで一人で勝手に告白してもいないのになんの反応もないとか悩んでるんだよ、口に出せってば」
まったくひどい話ではないか。コイツこんなやつだったか、どちらかと言えばなんでも口に出すようなタイプだった気がするのに。
「さっき言っただろ、不足ならキミが満足するまで何度だって言おう。好きだ。ほら口に出したぞ。早く返事したまえ。今すぐにだ」
彼女は自分の陰茎を押さえつけたまま言ってのけた。なんてムードのない告白なんだ。
こんなよくわからない状況で告白されたくはなかった。もっと感動的に・・・いやしかし、しかしココで答えないと大変なことになってしまう。
コイツはやるときはやる女なのだ。はちきれそうなほど膨らんだ亀頭に本当はもっと段階を踏まねばならない場所のぬくもりを感じながら応える。
「好きでもなきゃ毎日毎日ずっと時間を割いてやったりするわけないだろ!ずっと前から好きだったよ」
告白はもっと恥ずかしい気持ちになるものかと思っていたが、実際には焦燥感に満ちていた。状況が状況だからしょうがない。
もうちょっとどうにかならなかったのかコレ。
「よし、合意形成だな。それじゃあ早速ちゃんと結ばれようか」
そう言うと静止するまもなく陰茎にその本来の機能を果たさせようと、何ら準備のできてないはずの膣口を押し当てててきた。
しかし当然ながら、それではやすやすと入るはずはなく彼女の体重がそのままダイレクトに勃起しきった陰茎にかかる。
ぶっちゃけた話、痛い。
「馬鹿、折れる。折れるから!なんの準備もなしには無理だって!」
さりとてただ圧迫されているだけのはずなのに、何によって圧迫されているかを考えると心が高ぶるのも事実。
だがそこは未だ単なる肉の裂け目であって雄を受け容れるための粘膜になってはいない。
それでは互いに血を見る・・・物理的な意味で。
圧迫感が急に弱まる。これ幸いにとこの隙に自分の背を持ち上げ目線を同じ高さに持ってゆくとちょうどよく目が合った。
やっとわかってくれたか、と安心すると同時に彼女は不思議そうな顔でにこうつぶやく。
「準備というと、どういう」
「いや、そりゃぁその・・・濡らすとか」
「その過程が必要だということは知識として知っているが、今はちょっと時間が惜しい」
ここまで来ておいてコイツなにを言ってるんだ。レイプしてるときにカマトトぶりやがって。
だが目がマジだった。待てよ、コイツもしかして・・・
ある予感にそれはないだろうと思いつつも恐る恐る聞いてみる。
「おまえまさかオナニーとかしたことはなかったりする?」
この割りと切羽詰まった疑問に彼女は自慢気に笑っう。
「安心したまえ、この体はキミ専用だ。故に私自身でさえも手を付けていないよ」
仰々しく胸に手を当てて放たれた返事に支配欲が刺激され体の雄の部分が微妙に震えた。
嬉しいことを言ってくれるが、しかしそれはそれで一つの問題だった。
「その、なんだ。男が勃起するみたいに女は逆に柔らかくなる必要があるって言えばわかるかな」
「改めて観察すると確かにこの状態でそれは入りそうにないな。ある程度の手順は飛ばしてもなんとかなると思ったが認識が甘かったようだ」
いつの間にか自分から少し距離をおき普通に腰を床に移していた彼女は胡座をかいたまま背を曲げて自らの秘所を覗き込みはじめた。
自ら指で広げた空洞は本当に小さくて、たとえ処女膜なるものが失われていたとしても裂けてしまいそうに見える。
その姿勢だと色気がないからやめろと脳裏に浮かばないでもないが、しかし陰茎が萎える素振りも見せないので口には出せない。
現実逃避も兼ねて慣れ親しんだ別のものに視線を移動させる、背中がちょうど見える状態で改めて翼を見つめるとやっぱりこれデカイなぁ。
よく見ると付け根の接合部分は当然ながらかなり太いのがわかる。そりゃそうか、千切れたらいけないもんな。
いや違うんだそんなことよりもっと言うべきことがあるだろ、それは理解している。
本当はこのまま強引にキスしてしまうべきなのかもしれない。
そういう想いが浮かんでいる頭では普段何気なく目に入る唇が何か淫靡なものに思えてくる。
彼女のすべてを自分の欲望を鎮めるためにつかいたい。
薄めの乳房とその向こう側に見える引き締まったへそ周り、そこにごく薄く広がる濡れた産毛を眺めていると唐突に口が開かれる。
「ディスコミュニケーションだね」
「なんだよいきなり」
「もっと対話が私たちには必要だったということさ」
「毎日いろいろ喋ってるだろ」
自分で勝手に思いつめて自分でいきなり襲いかかって来ておいて今更ひどい言い草だ。
「もっと重要なことを、いつの間にか芽生えた性欲だか恋愛感情だかよくわからない気持ちを言語化しておくべきだったって言ってるのだ」
「つまりお前の翼をいじくりながら耳元で胸も揉みしだきたいとでも言えばいいのか」
気恥ずかしさにあえて下品な言い方を意識して口に出してしまう。
「それでも私は構わないよ。そしたら私はいつもの様に大切に扱ってくれるならいくらでも構わないと応えるに決まってるさ」
彼女はそう微笑みながら乳頭と共に自らの柔らかい乳房を愛撫する。その動きにペニスがひくひくと反応してしまう。
「ふふ、それにね、いつもキミは私の体の一部であるところの翼を好きなように手入れしてくれるのだ。宝石のようにしてくれると確信してる」
「それとコレとは意味がぜんぜん違うだろ」
「本来は一人でやるものなんだよ。私の体のすべてをキミに手入れしてほしいとお願いしてるのだ。私一人では手も洗わないと約束したっていい」
「なんて汚い決意表明をしやがる」
「私のことが好きなのだろ?だったら汚いことくらい目をつぶりたまえよ。私は構わないよ」
「たとえケツの穴だろうとか?」
ちょっとした意地悪のつもりで言ってやる。だがその言葉にニヤリと口元を歪めると大仰に唇に指を当てる。
「もちろんさ。こういうのは双務的でなければね。ところで、口の中は雑菌の数で言うと肛門よりずっと上回っているそうだ」
ペロリと唇から舌先を一瞬だけ晒す仕草に心がはねる。なぜ今日の彼女はここまで魅惑的なのだろうか。
きっと決意があるのだ、その決意が自分に向けられているのだ。ならば自分の心が動かされないはずがない。
「いや、こんな思わせぶりな言い方はやめよう。キスして欲しい、互いの気持ちを確かめた次はそうであるべきだった」
その言葉は、彼女が先ほど行使したような今までのどの有形力の行使よりも、自分に対してある種の神託的なまでの強制力を有していた。
目をつぶって自分の動向にすべてを委ねたと言わんばかりの行動なのに、むしろそうであるからこそ不思議な力で欲求を自分に叶えさせようと突き動かす。
体越しに見える翼はあえて弛緩させているのか力なく垂れ下がっていて、これは羽先が床について濡れてしまったなと場違いなことがよぎる。
そんな他愛もない思考でさえ、むしろ彼女の言葉の力を強めるものにしかならない。
何故なのだろう、いつの間にか不思議な魔法を使えるようになったのだろうか。
きっとそうだ。そうでなければこんなことを考えながら勝手に体のほうだけが動くはずがない。
膝で彼女とのわずかの距離を詰めていつの間にか少女の柔肌のぬくもりが手のひらにつたわる。肩の骨の硬さが目立つのに、何故こんなにやわらかく感じるのだろう。
その瞬間に体をかすかに震わせた彼女は可憐な唇を軽くすぼめ最終誘導信号を発信する。
その仕草が行為の意味とは裏腹にどこか幼気な雰囲気を受けた。かつて裏山の頂で空を見上げた記憶が再来する。
本当にこんな状態で彼女の唇を奪ってもいいのか。肉欲だけに突き動かされてしまうよりはずっといいけれど。
でも後悔はしたくなかった。気がつけばもう鼻先が互いに付きそうなほど顔を近づけた状態だ。
こんな所まできてから決意するのもひどい話かもしれない、自分の意志で、彼女の瑞々しい唇だけでなくすべてを貰いたいと。
すぐ目の前にある長く綺麗に揃った睫毛へ焦点を合わせたのを最後に、どうやらそれが礼儀らしいから瞳を閉じ闇を招く。
彼女のまぶたが僅かばかり開いていたように見えたのは見なかったことにしよう。
視界を遮っていても自分が口付けるべき場所が何処にあるか感覚的に分かった。もちろん十分に近いからなのだが。
たとえそうでなかったとしても事象の地平面めいた引力によって引き寄せられたのではないかと想う。
これはもちろん喩え話だけれども、今の彼女はそのくらいやってのけかねないくらいの魅力を放っていた。
目をつぶっているからか心臓が激しく鼓動する音が逃げ場を失い強く脳裏に反響して揺さぶられるようだ。
あえて吹き付けているのか彼女の温かい吐息が鼻にかかるのをはっきりと感じる。
そんなはずはないのに、ミントのような爽やかな香りがついたようにも感じる。あるいは本当に事前に口の中を処理したのかもしれない。
たった3cmの距離のはずなのに走馬灯めいて脳が高速処理して無駄に思考が乱続する。
普段から毛づくろいのときにほのかに感じる酸味混じりの汗の臭いさえ芳醇な香りのように感じられる。
時間にすると数秒程度だったけれども、引き伸ばされた時間の中で彼女と唇を合わせた。
その感覚は期待していたほど柔らかくも意外なほど硬くもなかったけれど、初恋の幼馴染とのキスは驚くほど蠱惑的に心を締め付ける。
ただ重ねあわせるだけの口付けではとても我慢できなくて、思わず負圧をかけて彼女の体内で暖められた空気を胸に広げてしまう。
ついさっきまで彼女の肺を膨らませていた空気を鼻に通し嗅覚で知覚すると、やっぱり事前に何かしら処理を済ましていたかのように爽やかなフレーバーを感じる。
同じようにもう一度また口を吸うと、それに乗じて熱い感覚が唇と押し開いて侵入してきた。
侵入者に応戦するようにこちらも舌をぶつけて対抗すると、あちらはチロチロと擦り付けるように更に攻撃的に応じてきた。
体温はそれほど変わらないはずなのに圧倒的熱量でこちらの口腔内全体を溶かす彼女の舌に全く太刀打ちできないまま好き勝手暴れられてしまう。
こちらが吸い付いていたはずなのに直ぐに逆転され肺を引きずり出すつもりかという勢いで力強く吸い取ってくる。正直流石に息苦しい。
鼻で強く息を吸い込むと再び彼女の色が混じった空気で肺が染まる。
そうして口と鼻で彼女を感じていると、おもむろに柔らかな感触が胸に襲いかかってきた。
半ば倒れかかる形で押し付けられた肢体はもちろん相応の質量で負担を感じたけれども、それ以上に圧倒的に柔らかかった。
身長のせいで目立たないが決して小さくない乳房は自分を動揺させるには十分過ぎる。
単に圧迫されているだけのはずなのに、その弾力性で体に自ら吸い付いて来るかのようだ。
思わず彼女の胸をもっと感じようとこちらも体で押し返し彼女の背中を抱きしめてしまう。
腋から手を回し、普段の毛づくろいでは大切に産毛を掃除する翼の付け根を思い切り握りしめた。
その途端にビクリと彼女の体が少し強張ったの直に感じる。
執拗に攻勢を続けてきた彼女の舌もあからさまに勢いが落ち動きが止まってしまった。
これは欲望に突き動かされて乱暴になりすぎた……と遠ざかっていた自制心が戻ってきてしまう。
謝らなきゃいけない、言葉を発するために手を離し体を後ろに戻し彼女からすこし距離をおこうと試みる。
つながったままの唇の結合を解くときに彼女の舌が名残惜しげに震えたような気がした。
視線が離れて彼女の表情が認識できるようになった途端、放つはずだった言葉を一瞬見失ってしまう。
ふだん強い意志を携えているはずの双眼はどこか遠くを見るかのように力を失い、心なしか潤んでいるようにも見える。
先ほどその感覚を堪能したばかりの唇は軽く開かれたまま閉じられていない。
柔肌も普段よりずっと熱を帯びて、赤みがかった色が耳にまでかかっていた。
これまで自分にも決して見せなかったその姿はまるで誘惑しているかのようで、その妖艶さは抗いようがないほど強烈だった。
しばらく彼女の誘惑に心を乱されていると、相手方が唐突に口を開く。
「その、なんだね、一言でまとめるには難しい想いに満たされているのだがあえて言うのならば、よかった」
その言葉とともに表情も柔らかい微笑みに変わったというのに、先ほどの艶かしさは微塵も失われていない。
彼女の姿に見とれていた自分に気がつき、それを覚られまいと焦りつついささか直情的に応じてしまう。
「こっちも、気持ちが先走って少し乱暴になった。ごめん」
「キミにしてははっきりとモノを言うね。いいよ、キミが私を欲しくなったことに喜びはしても文句を言う筋はないさ」
その言葉に小恥ずかしさと歓喜が入り混じった感情を覚える。
戸惑いに反応が遅れた自分を見てニヤリと挑発的に笑った彼女は更に追い打ちをかけてきた。
「それにね、翼を掴まれたとき正直に言うとキミに全て任せようというつもりになったのだ。私の全存在をその手中に収められてしまったのだからね」
「そんな大げさな」
とっさの返答に彼女はこれを揶揄するように大仰に翼をひろげ言い放つ。
「大げさなものか。さっきもそう言っただろう?私の体のほうだって丁寧に毎日キミに手入れして美しく保ち続けて欲しいと思った」
「そんな大それた手入れをしてるつもりはないな」
「いつも気づかれないようにしていたけれど、いつも羽根をキミの手で撫でられているときの私はそれはそれは情けない表情をしているのだよ……すべて任せてキミの望むがままにされたいなんて思ってね。ちょうど今みたいにハートマークを浮かべながらさ」
確かに先程までは彼女が自ら形容したように媚びるような目つきをしていた。
でもこの瞬間の彼女の目にははっきりと力が取り戻され、しかもそれは俺に決意を抱かせるために向けられていた。自分がどんな鉱石よりも美しさを感じる澄んだ意思の輝きを揺蕩わせる瞳だった。
「だからほら、キミが好きなようにしたまえ、丁寧にね」
そう言いながら彼女は腰を硬い床におろし翼を広げたまま仰向けに寝転がる。
マットもなしに痛いだろうに四肢を弛緩させた彼女は自分の意志なしにはここから何も進まないのだと言外に語っていた。
ここまで強烈に誘惑されて何もできないほど枯れた性欲をしていない。
むしろ何者に抑止されようとも止まることができない情動が……彼女への情愛と恋心が入り混じった心と、あえて無視していた痛いほど膨らみ先走りをほとばしらせる陰茎に肉体が突き動かされ彼女に飛びかかる。
彼女自身がそうしてくれと言っているのだと言い訳と自分自身の欲望に遠慮というものはまるで取り除かれてしまっていた。
愛撫するために彼女に覆いかぶさるように上からのしかかり、体を脚に挟まれる形で割り込ませて肌を合わせる。
彼女の外陰部と下腹部が重なるとその熱さにお互い少しだけ声を上げてしまう。しかしまだ十分には発情していないのか経験の無さもあり明確な快感を生じさせたわけではないようだ。
情けなく彼女に甘え体重をすべて預ける形になるが、それがかえって二人の存在を強く感じ合う、正確には自分が勝手に相手もそのはずだと思っているだけだが、きっとそうだと確信があった。
視線を合わせると、彼女は頬を緩め穏やかにつぶやく。
「好きだ」
それ以上は不要だとばかりにそのままじっと自分の瞳を見つめてきた。
あるいはこちらも同じ言葉で返すべきだったのかもしれないが、おそらくこの先は行動でコミュニケーションを取るべきだという意味に受け取り手を彼女の胸へと差し向ける。
両方の手のひらでそれぞれの乳房の裾野から頂まで包み込むようにつかみとると、先ほどの腹に押し付けられたときよりはっきりと感じられたその柔らかさに感動し陰茎をビクリと震わせてしまう。
山腹にすべての指を使って欲望のままにこね回すと柔らかに変形して受け入れ可塑性をもつかのように振る舞うくせに、その力を抜くとすぐ元に戻る強力な復元性を併せ持っていた。
そのとき手に伝わる滑らかな肌の擦れる感覚といいどこまでも心地よい柔らかさといい何時間と揉み続けても飽きやしないだろうとさえも思える。
そうやって彼女が何も言わないのをいいことに夢中で堪能していると、彼女の吐息にも更に熱が増してきたようだ。
彼女も興奮し性感を感じてくれているのだろうか、だが改めて顔を見合わせても彼女は母性的に微笑んだままに何も語らない。
その穏やかさと熱い吐息のギャップが魅惑的で、まるで自分が何をしようと受け入れるのだと言っているようだ。
極上の感触を伝えてくる乳房の奥深くにある彼女の心肺足取りを早めるのが伝わると同時に、頂で桜色に輝く乳頭に次第に変化が起こってきた。
その輝きに反し慎ましく恥ずかしそうに萎縮していたその乳頭が微かにいきりたち、舞台の中央でスポットライトを一心に浴びる主役のように存在感をましたのだ。
その気高く美しい姿に心打たれた自分は思わず人差し指と親指を差し向けて摘みとった。
途端に彼女が微妙に背中を反らせるようにピクリと反応を見せた。
快感を与えることができたのだろうかと探るように彼女の表情を伺うと、かつて聞いたことがないほど穏やかな声で要求される。
「もうちょっと優しくつまんでくれ、ちょっと痛みを感じてしまった」
「ごめん、初めてだからよくわからなくて」
たしかに肉体でもきっと敏感な場所の一部のはずである。十分に優しくしたつもりでも、欲望に力が入りすぎていたのかもしれない。
だが彼女の要望はそれだけにとどまらなかった。
「だからね、キミの唇で吸ってはくれないか。いつかキミの子供に授乳させるときのようにね」
自分はその言葉に返事する余裕もなく喉を鳴らしてしまう。
そうだ、この行為は本来は生殖のためのもので、すこし間違えば彼女が早過ぎる妊娠をしてしまう。
だがそうであるがゆえに、自分の子種で彼女の子宮に二人の子供を仕込むことが脳裏を過ると、本能がどうしようもなく熱く高ぶってしまった。
睾丸に熱く力が入り、かつてないほどに充血していた雌の胎内に精液を送り込むための器官が限界を超えて膨らんだようだ。
ともすれば、彼女のシルクのように滑らかなお腹にでも擦り付ければすぐに暴発しかねないほどである。
もちろんずっと前から似たような状態だったので、あえて少しだけ腰は浮かして陰茎はなるべく刺激を与えないようにしていた。
このまま無駄に射精したくない、今すぐにでも眼前の極上の雌穴に陰茎をハメて精液を子宮に送り込み妊娠させろと、自分の動物としての根源的な部分がどうしようもなく現出しようとする。
それと同時にかろうじて残された冷静なポリティコンとしての自分が早過ぎる妊娠への継承を鳴らす。
その音は前者に比べあまりにも心もとなかったけれども、かろうじて処女であるところの彼女がまだ何も準備出来ていないはずである事実に助けられて制御に成功する。
「その、そういえば避妊しなきゃ」
「安心したまえ、母から薬を借りるつもりだ」
ギリギリで絞り出した言葉に最初から想定していたかのようなあっさりとした返事が来る。
知識としては事後に薬を服用することで24時間以内ならほぼ間違いなく避妊できることは知っている。
とはいえ、それはそれで問題も生じることに気づく。
「その、おばさんにどう説明して薬をもらうわけ」
「それはもちろん、キミとついに結ばれて恋人同士の愛の確かめ合いとしてセックスしたから避妊処置が必要だと言うしかあるまい」
なんということだろう。彼女は、自分との関係において一切恥ずべきことはないと確信していると言わんばかりだ。
頭ではそのほうが合理的だということは理解もできる。
経口避妊薬はこの国では学生が常用するには少しばかり高額だ。
コンドームを買うのだって彼女の体を知ってしまえばきっと毎日だって消費せざるを得ないだろうしたぶん馬鹿にならない。
もっと言えば使用後のゴミだって相当に上手く処理しないと家人に露呈しないとは考え難いだろう。
それよりは大人から公認してもらって費用を負担してもらったほうがずっとやりやすい。
でも親に自分の性的な事象を知られるのはあまりにも恥ずかしいという感情の壁が自分にはあるのだ。
女性である彼女はなおのことそのはずだろう。にも関わらず、両親に言ってのけるという。
「その、自分からもおばさんにお願いさせてくれ」
彼女だけにその責を負わせてはいけないとの想いから口をついて出てきた。
「もちろん構わないが、しかし娘さんをくださいと言うにはまだ早くないかね」
「責任は取らなきゃいけないから」
本心から伝えると一瞬、彼女の目が微妙に開かれた気がした、が一瞬でもとの穏やかな顔に戻る。
「今の言葉、素敵だった。欲を言うなら胸を揉みしだきながらでなければもっと素敵だった」
思わず手に目を向けると全くの無意識で手を動かしていたことに気づき情けなく謝罪する。
「その、いや、すまん」
「いいさ、キミで良かったと思えるくらいには嬉しかったよ。それにけっこう気持ちよくなってきたところだ。そんなに甘えたがりならほら、早く吸ってくれたまえ。」
しょうがないやつだとばかりに目尻を下げた彼女の微笑みから母性を感じたのかはわからないが、改めての誘惑に今更ながら抗えなくなる。
心なしか先程よりも存在感を増したように見える乳頭に顔を近づけるにつれ彼女自身の香りを強く感じながら、今度は痛みを与えぬように恐る恐る左胸の頂きを口に含んだ。
唇で感じる彼女の乳房の柔らかさは、手で思う存分それを楽しんだ後でさえ驚嘆せざるを得ないほどで、思わず慎重さも忘れて吸い付いてしまう。
吸い上げた乳首にしゃぶりつくように舌を当てると柔らかさの中にコリコリとした突起が生えていることがすぐに分かった。
一瞬だけ感じた汗の塩気でさえ今は自分の性感をたまらなく刺激してしまう。
彼女の突起をあますところなく舐め取りたくて、舌先をすでに汗を味わった頂点から側面へと移してまだ味わい足りぬ甘露を求める。
そうやって何周か乳頭の外周をすでに自分の唾液しか付着していないほど丹念にめぐると、彼女が悩ましげに鼻に通した深い息を吐き出した。
「それ、いい。キミに揉まれた時も気持ちよかったけれど、今のはお腹の中がぽかぽか熱くなるというか、なんだ、とにかくもっと気持ちいい、んっ!」
これでいいのか。その言葉に自身をつけ舌で軽く弾くように愛撫すると彼女が言葉を乱した。
気を良くした自分は舌の腹を押し付けるように転がしたり、舌先で回るように舐めたり、たまに弾いたりと彼女の反応を見ながら授乳される。
気高く強い彼女が時折あげる弱々しく媚びるような甘いうめき声を目印に効率的な愛し方を探す。
こちらが一方的に愛撫して彼女自身は何も手を出していないけれども、その魅惑的な声だけで媚薬のように脳の奥深くを愛撫してくれた。
自分がこの女をよがらせているのだと想うと男としての自信が溢れてくる感覚まで生じてくる。
たとえ思い上がりだったとしても、今はそれにすがって彼女を求めたかった。
そうする間に段々と増していた乳頭の硬さが伸びなくなる、おそらく最高潮に達したのだろう。
どれだけ大きくなったのか気になって名残惜しくも口を離して目視で確認することにした。
可愛らしい桜色だった色味が少し赤みがかり、唾液にテラテラと濡れて最初よりずっとエロティックなテクスチャーに覆われ印象がガラリと変わって見える。
大きさそのものの肥大も相まって明らかに存在感を増していた。
未だ直接には刺激していない右胸と比較すればその違いは歴然である。
初めて見たときよりは肥大しつつも色合いはまだ可愛らしさを保ったそちらにも口に含む。
「どっちを吸ってもおっぱいはまだ出やしないよ。甘えん坊め」
彼女の甘い男を誘惑する女としての声にさえ、何処か母性を感じてしまうのは今の自分が赤ん坊と同じように乳房に吸い付いているからだろうか。
舌で舐めていたさっきと違いをつけ本当に母乳を吸い出すように乳頭のみを唇で挟むように愛撫する。
あまり力強くならないように慎重に緩急をつけピペットを扱うように彼女の母性におねだりをすると意志が通じたのか暖かな感覚が後頭部に触れた。
「まったく、キミのことを子供のように愛おしく感じるこの感覚は嫌いじゃないが、でも私の子供になってしまったら夫婦にはなれないよ。男として私を抱くのだろ」
呆れたような含みを持たせて言う彼女への返答として左手で口にしていない方の乳房を軽くつねる。
一瞬、彼女がピクンと体を小さく跳ねさせたのが密着した体を通じて伝わってくる。
彼女が自分の手で感じてくれていると体で教えてくれて嬉しさに満ちてくると同時にいたずらが成功したようで気分がいい。
彼女がどうなってるか確認するためにアゴを上げて目線を顔に移すと、彼女は風を引いたように紅潮し虚ろな目つきをしていて、自分と同じように性的に昂ぶっていることが容易に理解できた。
目線を合わせると互いにこの先に進みたいと示し合わせることができたような気がする。
すると、いきなり後頭部に添えられた彼女の手が頭頂に移動し、もう片方の手もやってきて両手で頭を軽く押さえられた。
どういうことだろうと一瞬考えると同時に彼女のおなか側へと軽く力が加えられてた。
「このまま頭を動かしてくれ。胸はとても心地よかったけれどね、もっと熱くなってきた場所がある」
意図を察した自分は乳首から唇を離し導かれるままに頭を、彼女の柔肌に密着させたまま移動させた。
鼻先や頬が彼女のシルクよりもずっと肌さわりよく張りのある肌の幸せな感覚に酔いしれる。
同時に彼女の優しく甘みを含んだ香りが嗅覚から自分を愛撫して安らかささえも感じさせてくれた。
すると、彼女の誘導がちょうどヘソのあたりで途切れる。
自分はそれをココで止まれの合図と解し彼女の柔らかな、しかし奥に硬い腹筋があることも同時に感じさせる鍛えられたお腹にうずくまる。
顔全体が彼女の体温に包まれ、さっきとは別の意味で母に抱かれるような感覚があった。
彼女の肌はどの場所であろうと自分を喜ばせずにはいられないのかと馬鹿な考えが頭をよぎる。
5呼吸ほどそこで至福の呼吸で肺を満たすと、彼女が頭を撫でてくれながら語りかけた。
「いいかね、いずれ、いずれだよ、私はココを膨らませることになる。キミがだよ、キミが私のそこを膨らませるようなことをするんだ。いや、薬さえ飲まなきゃ今日にでも膨らむようなことになるかもしれないわけだ。」
子供をあやすかのような仕草とは裏腹に、その言葉は否応なしに自分の雄性を鼓舞してくれて、彼女はなんと言葉の愛撫が上手いのだろうと体が畏敬するかのように陰茎が震えた。
陰嚢に痛みを感じるのは、子種を子宮に残すことを意識した自分の願いを叶えるためにフル回転をしているからだろうか。もちろん単に自分がかつてないほど興奮しているだけなのだけれども。
自分はたまらなくなって彼女の手を振りほどくように頭を上げて別の場所へと移動させる。
体を少し後退させて目指すは彼女が雄を受け容れるための器官。
軽く開かれた脚の間に飛びかかるように目標を定めることもできないほど勢い良く頭をねじ込ませる。
その瞬間、鼻へ濃厚な甘ったるい芳醇な香りが漂ってきた。
何か確かめるように鼻先で探るとふわふわとした感覚の何かが彼女の肌の上に存在し、それが香りの源であるようだ。
目を開くと眼前には彼女のシミひとつない下腹部、つまるところ自分は鼻を彼女の撫でやかに膨らんだ恥丘へと載せていたらしい。
産毛のように柔らかな彼女の陰毛からはただの毛髪のはずなのに、それよりもずっと濃ゆい頭髪よりずっとずっと芳しくてひどく自分を陶酔させる。
考えてみればここは彼女の最も隠すべき場所を守る下着によってずっと包まれていたわけで、体臭が凝縮して熟成されていても不思議ではないのかもしれない。
するとこの香りには彼女の排泄した尿の成分も含まれているのだろうかと想うと不思議な興奮が生じてきた。
文字通り鼻の下を伸ばして鼻と唇の間で彼女の秘毛を整えるように弄びながらテイスティングすると流石に物言いが入る。
「正直言ってそこの臭いをそうまで露骨にかがれるとさすがの私も恥ずかしい。キミに全てを委ねたのだから、キミがそこの毛並みも手入れしたいなら後で好きにするといいさ。でも今は早くキミと繋がりたい。」
抗議とおねだりが混ざった彼女の言葉にここは素直に応じることにした。
顔を彼女から少し離して最終目標の秘割を観察する。
最初に観察した時は完全に閉じていたそこは胸への愛撫のかいもあってか自ら微かに開き、無防備な処女穴を露出させていた。
そこから微かに滴る雫こそ、彼女が自分の肉体を受け容れるために準備してくれている証なのだ。
周囲を飾る綺麗な白い外皮と違い、血管を流れる血潮のおかげだろうか鮮やかな桃色をした粘膜がしっとりと濡れているのがはっきりと分かる。
とはいえ、未だ指さえも入れていないと主張するその穴はきっとまだ準備不足なのだろう、まだ完全に開ききっていないのではないかと、きっと本能的に直感する。
だから彼女の乳房を愛した時のように口を使って奉仕することにした。
慎重に舌を出したままゆっくりと彼女のクレバスに口を近づけるに連れて、秘毛から漂う熟成された香りがほのかに漂ってきてなおのこと自分を興奮させる。
雫を舐めとるように粘膜を下側からなぞると、ヌメリとした感覚が舌に伝わると同時に塩っぱい味わいが広がった。
成分としては鼻水と似たようなものかもしれないが、それが最愛の幼馴染が自分とのセックスのために用意してくれたものだと思えばどんな甘露にも勝るように思える。
そうやって何度か舌で粘膜を往復すると、源泉から湧きでた新たな粘液によってコーティングされ次第に滑りが良くなってきた。
それと平行して彼女の甘い息遣いが深くなっていくのはきっと性感によってであろうと想いたい。
オナニーさえしたことがないとの主張が本当だとすれば、自分が彼女に未知の感覚を一から教えているということになる。
何から何まで自分を興奮させることばかりで、もはや自分の陰茎が暴発しないことが不思議なくらいだった。
まるで精通して間もないころのように背中をゾクゾクとした感覚が駆け巡り、確認していないが先走り液がまるで汗のようにダラダラと自分の陰茎を流れているはずだ。
男性向けの本で仕入れた知識のままに、彼女の愛液を舌にまとわらせたままクレバスの上端を可愛らしく飾っていた陰核へと移動することにした。
その小さい突起を舌先でペロリと舐めあげると、ピクリと彼女の腰が持ち上がった。
明確な反応に気を良くした自分は乳首にそうしたようにペロペロと外周をなぞるように愛撫する。
陰核は乳首よりずっと小さかったが、それだけ感覚が鋭いのだろうか、一周するたびに彼女の腰だけでなく息遣いも声を押し殺すように震えだす。
声を上げさせたい、自分の男性的な欲求が思わず表出して陰核の根本に舌を押し当てると皮をめくるように今までになく強く舐めあげる。
その途端、彼女がブリッジするように大きく腰を持ち上げたままビクビクとしばらく震わせた後、ピュッピュと吹き出た飛沫が喉元へかかる。
イッたのだろうか、自分が彼女を絶頂へと導いた。そうだとすると、彼女も処女を自分へと捧げる準備が流石にできたのではないか。
声を押し殺すことに成功するも胸が明らかに上下するのがわかるほど息を荒げている彼女が落ち着くのを待つと同時に自分が目指すべき秘裂の様子を見た。
クロッチのあたりに愛液とは違う液体、つまるところ汗がじんわりと染みているのが見える。よく見れば全体的に先程より汗ばんでいるのは絶頂した記しの一つなのではあるまいか。
たっぷりと舐めほぐした肉蓋を指で開くと、白日の下に晒された処女穴はすっかり屈伏したように開きパクパクと自分の陰茎を招き入れるかのように蠢いている。
もう何者も邪魔立てするものはない。
自分の限界まで我慢したせいで亀頭が赤黒く傘を開いてしまった熱い陰茎を処女穴にあてがうように腰を割りこませる。
これから彼女を貫くという意思表示。少し間違えれば穴に入れる前に擦りつけて射精をしてしまいかねない、リスクを孕みながらも先端でクレバスをなぞる。
彼女と目を合わせて最後の確認を取ろうと試みると、この期に及んでさえ優しい目つきを残す彼女におねだりされる。
「やっとキミと結ばれるのだね。手を握っていてくれるかい?どんなに痛くてもそれで耐えられる。それさえしてくれるなら遠慮せずに私の一番大事なところにキミの形を植え付けてくれ。キミ専用の形に作り変えてくれ。」
そう言って手を差し出す彼女と左手の指を絡ませる。彼女のしなやかな指が意外と細く感じた。
同時に彼女が今まで床に落としたままにしていた翼がフワリと広げられる。
その翼は自分を包み込むように背中に回されると、腕より力強くしかし柔らかく抱きしめてくれた。
背中を押すようにするその動きが早く入れてくれと懇願しているかのように思えてしまう。
導かれるままに残った右手で陰茎を掴んで固定すると、そのまま処女穴を探し当てその入口にめり込ませる。
「いれるぞ」
宣言すると彼女は無言で口元を緩めて、代わりにギュッと握りしめた手の力を強める。
もう言葉は要らないとばかりに了承してくれた彼女をいたわってゆっくりと腰を進めた。
最愛の美少女の純潔を犯していくその入り口の段階でさえ、ほぐしたとはいえいささか引き締まってみっちりと吸い付いてくる彼女の肉襞に背筋を震わせるような強烈な射精感を歯を食いしばってこらえる。
同時に彼女の手と翼の力が強まり歯を食いしばる眉をたわめて痛みを我慢するのがわかった。
自分は人生で最高の感覚を至福の快楽を味わっているというのに、彼女は痛みしか得られない。
その不公平さがあまりに申し訳なくて、誘導役の役目を終えた右手で彼女のもう片手を掴み両手で握り締めあい普段隠してきた気持ちを耳元にぶつける。
「好きだよ」
「もっと言ってくれ」
それに応えて好きだと想いの限りをつぶやき伝えると、連動するかのように彼女への愛おしさが胸に溢れてきて、彼女の体と翼と膣と愛に包まれて溶けてしまいそうになる。
そうする間にもギチギチと肉槍で処女膜を引き裂くように押し開かれ、ついに最後まで貫くことに成功した。
ついに自分の形に押し広げた膣穴はその本来の機能を果たすために射精をおねだりするように無数の肉襞が抱きしめてきてあまりにも具合が良すぎた。
腰を動かしていないのは痛みを受けている彼女を労るためというのもあるけれど、気を抜けば射精してしまいそうだからでもあっる。
こんな最高の体、毎日味わったて飽きるものかと自分の獣欲が叫ぶ。
「絶対に手放したりしたりできるもんか」
射精をこらえるのに必死過ぎて無意識に本音を口をついて出てしまう。
「それは私のセリフさ、キミが私を捨てても何度だってキミの手の中に戻ってきてあげようじゃないか。この手だって一生離してやらないからね」
そう答えてくれた彼女が翼の力をぐっと強めて体を引き寄せると自分も応じて彼女の体に倒れこむ。
肉杭を撃ち込んだまま互いにお腹と腕を密着させて互いの体温を全身で交換する形になった。
胸元に柔らかな膨らみが再び感じられて、彼女の可愛らしい唇がちょうどよい場所にあったので再び口づけを交わす。
彼女の膣が与えてくれる暴力的なまでに強烈な快楽と違って優しく甘美な口腔の粘膜を愛おしさのままに蹂躙するように舌をねじ込んでしまう。
最初のキスとは逆転した攻防に彼女もねちっこく応じてくれて絡め合うように舌の愛撫で求め合った。
互いの唾液を交換するだけの行為がどうしてこんなにも脳を麻薬のように蝕むのか。
嗅覚さえも発情した雌の体臭がそうさせるのだろうか、訳がわからないくらい胸を暑くさせる。
体は彼女のやわらかい体と翼に挟まれて、上下の粘膜で結合する溶けるような暖かさは、自分は間違いなく世界一の快楽を味わっているとさえ思えてならなかった。
互いの心臓の音が彼女の乳房越しにもダイレクトに伝わってきて、自分だけが興奮しているわけではないことがわかる。
射精感が極僅かだけ収まった陰茎が刺激を求めるように自然と腰をねじって熱い粘膜をこすりあわせてしまう。
この自分が、この膣が知る生涯でただひとつの熱さなのだと教えこむかのように亀頭の傘が開くような感覚が走った。
小さな動きながら処女膜を失ったばかりの彼女には痛いのか手の力が動かすたびに強まるのを熱いベーゼで贖った。
しばらくそうやって激しく貪り合っていると、彼女が舌を引っ込めて何かを喋りたそうに顔を横に向ける仕草をする。ずっとつながっていたい気持ちを抑えてこちらも顔を放すと彼女が提案をしてきた。
「思い切り動かしていいのだがね」
「でも、まだ痛いだろ。無理はしなくていい」
「良いのだ。キミの形をなるべく強く刻みつけて次回以降にはすぐ受け入れられるようにしたい。キミの形に変えてもらいたい。その代わり、さっきみたいにいっぱい「好き」って囁き続けてくれ」
そう言ってニッコリと涙が少し滲んだ目で言ってのけた彼女に、自分の幾ばくも残っていなかった最後の理性が切れるのを自覚した。
限界まで肥大したカリ首で残された処女膜をこそぎ落とすかのような勢いで激しく腰を引き抜くと、処女だったくせに行かないでとばかりに吸い付いてくる膣肉の刺激に人生でかつてないほど尻に力を込め射精をこらえる。
再び彼女の最奥まで引き裂くと、早く子種をココに出してと言わんばかりに歓迎してくる群生した肉襞の得も言われぬ感覚。
それがストロークのたびに何度でも味わえるとなると、もはや自分は彼女の肉穴の中でしか射精できなくなるのではないかと感じるほどの快楽を楽しんだ。
何度か膣奥を叩きつけると、まだ痛みが強い彼女の力がぐっと強まり抗議してくる。
「好きって言ってくれるはずだろ」
「愛してる」
「もっと言ってくれ」
「好き」
「私も好きだ」
ひたすら愛してると睦ぎながら限界に向けて腰を打ち付けスパートへと向かっていく。
やはり痛いのか彼女は握りしめる手にかなり力が入っていたけれど、それでも受け入れて好きだと同じように紡ぎ続けてくれる。
互いの言葉に心を愛撫されて、体まで子作りの準備を整えるように粘膜の熱さが増してしまう。
ただひたすらに性欲を叩きつけるための単調なストロークで、ついに限界を超えて耐久していた陰茎が決壊した。
破裂しそうなほど膨らんだ陰嚢から熱い塊が尿道を通じてかつてない勢いで外へと吹き出した。
幼い頃からの想い人の膣内にビュルビュルと半ば固形の精液を注ぎこむ感覚に体が電撃を浴びたように仰け反ってしまう。
その最中にも、もっともっとと根本まで飲み込んだ愛する人の膣が抱きしめてくるのだからもう何が何だかわからないほどだった。
だから平常に戻ったら取り消さねばならぬことまで本能のまま叫んでしまう。
「孕め!孕んでくれ!」
「馬鹿者め、早く取り消さなければ本気にしてしまうぞ」
そう応える彼女もまんざらでもないように今度は脚をギューっと体に絡めて来た。
全身で彼女にガッシリと固定されたまま、自分でもどれだけ貯めていたのかと恐ろしくなるほど長時間の射精が続く。
あるいは、もしかするとずっと短い時間でしかなかったかもしれないけれど、永遠に続いて欲しい最高の快楽がそこにあった
もちろん終わるまでにそう長い時間がかからず最後に絞りだすようにピュっと飛沫のように吐き出したが。それでもまだ陰茎は萎える様子がない。
しばらく互いにぜぇぜぇと息を整えながら、つながったままの時間が流れた。
「それで、さっきの孕んでくれというのは本気かね?」
「ごめん、それは勢いで」
「馬鹿者め」
そう怒ったような口調で言う彼女は自分から目をそらすように顔を横に向けてしまう。だが、まだ膣内に子種を注ぎ込まれた瞬間のままの姿勢で手も脚も翼も膣でさえしがみついて離さない状態ではまるで説得力を持たない仕草である。
「どうすれば許してくれる」
「簡単さ、最初の約束を果たしてくれるだけでいい。調度良いだろう?私の体を丁寧にその手で洗ってくれ。その後で乱れた翼も整えてくれたら言うことはないな」
「でも流石に途中でオバサンが帰ってきちゃうんじゃないか」
あの後はお互いに時間を忘れてひたすらキスでの交歓を再開してしまってるうちに外もだいぶ暗くなってしまった。
「どうせ薬をもらうときにキミも同伴してくれる約束なんだ、見られても何も困るまい。」
「それとコレとは話が違うだろ」
「毎日って約束のはずだろう、今日はまだしてもらってないはずだ。これから毎日キミは私の体を洗って私の体をキミの好きなように抱いて、そして翼を整えるのだからね。」
そう言ってまた唇を軽くチュっと奪っていたずらげに微笑む彼女にどうしても逆らえなくて、彼女の体を洗う途中でいつしか再び胸を愛撫している間にオバサンが帰ってきたのはまた別の話。