◆
「オタクくんさぁ、脅すにしてもコレはなくね?」
呆れた様に言うレイ君だが手はちゃんと僕のチンポをしごいている。
レイ君の爪は何か手入れをしているみたいで少し光沢がある。
手触りもいい。
僕のチンポはあっという間に大きくなった。
「相変わらずチンポだけはでかいのな──……」
溜息混じりに言うレイ君だが嫌そうにしていても彼はやるべきことはやってくれる。
「あむっ……」
僕が何も言わないうちから、レイ君は僕のチンポを口に含んでくれた。
生暖かい感触が心地いい。
舌先で亀頭の先をチロチロと舐めてくれるのも最高だ。
レイ君の唇は柔らかい。
その柔らかさが僕のチンポの根元までを包んでいる。
最初は舌先だけだった。
それが今は舌全体を使って、ねっとりと絡め取られている。
(あ、やばい……)
思わず声が出そうになるのを堪えた。
レイ君は呆れた顔をどこかに捨ててしまったらしい。
少し潤んだ瞳で僕を上目遣いに見ている。
その視線だけで腰が勝手に震えそうだ。
「ん……く……」
レイ君の喉が小さく鳴った。
僕のチンポが彼の喉の入り口に触れている証拠だ。
レイ君は苦しいのかもしれない。
でも口から離そうとはしなかった。
むしろ、もっと深く受け入れようとするみたいに顎が動いている。
(レイ君、ほんとは嫌じゃないだろ……)
そう思うと、ますます熱が下腹部に集まってきた。
レイ君の口の中は信じられないくらい熱い。
粘膜の柔らかさと舌の筋肉の力強さが交互に僕を責め立てる。
レイ君の手が僕の腰に添えられた。
それは抵抗じゃない。
むしろ僕の腰を固定するための動きだった。
ぞくぞくと背筋に電気が走る。
レイ君の茶髪がさらりと揺れて、僕の太ももに触れた。
「ん……ふ……ぅ……」
さっきよりも切羽詰まったような音がレイ君の鼻から漏れる。
レイ君は僕のチンポを咥えたまま、懸命に呼吸している。
その健気な姿が僕の最後の理性を焼き切った。
「レイ君……もう、むり……」
僕が呟いたのと、レイ君がこくりと喉を鳴らしたのは同時だった。
(ああ、出るっ……!)
もう限界だ。
熱い塊がレイ君の喉の奥深くに向かって一気に噴き出した。
「んぐ……!?」
レイ君の目が驚いたように見開かれる。
でも彼は逃げなかった。
僕のすべてを、その小さな喉で受け止めようとしている。
ごく、ごく、と喉仏が上下する音がやけに大きく部屋に響いた。
◆◆◆
レイ君こと、早見玲人はもちろん男である。
僕の学校の同級生で、いわゆる陽キャって奴だ。格好良くて勉強もまあまあできて、底抜けに明るい。そして運動神経抜群ときている。あとは背も高いし、体も引き締まっている。天はレイ君に二物も三物も与えたようだ。
そんな彼がなぜ、カラオケ屋で僕のチンポをしゃぶっているのかといえば、身もふたもない言い方をしてしまえば脅したからだ。
レイ君が何をしたのかって?
それは──女装だ。
しかも、ただの女装ではない。
海外のマイナーな動画投稿サイトに、彼が女装して自分を慰めている動画をアップロードしていたのである。
僕はそれを偶然見つけてしまった。
深夜、ネットサーフィンをしていた時のことだ。
画面の中の「彼女」は可愛らしいウィッグと下着姿で、恥ずかしそうにカメラの前で体を弄っていた。
顔はマスクで隠されていたし、声も加工されていた。
だから普通なら、まさかあの早見玲人だとは誰も思わないだろう。
けれど僕は気づいてしまったのだ。
カメラのアングルが一瞬変わった時、首元に映った小さなほくろ。
体育の授業で着替える時、何度も目にしたものと完全に一致していた。
心臓が跳ねたのを覚えている。
クラスの人気者であるレイ君の、誰にも知られたくない秘密を握ってしまった事実に僕は興奮したのだ。
そしてある日僕は彼を問い詰めた。
放課後、人気のない教室で、僕はレイ君にその動画のスクリーンショットを見せたのである。
レイ君の顔から、一気に血の気が引いていった。
彼は最初否定しようとした。
だが僕が首元のほくろを指摘すると、観念したように顔を真っ赤にしてこう言ったのだ。
「どうしたら黙っていてくれるんだよ……」
その言葉を聞いて、僕は彼に告げたこと?
かなり控えめに言ったとおもうけど、要約するとこうである。
──僕の、オナホになれ
それが僕たちがこうしてカラオケボックスの個室で、こんなことをしている理由だ。
え?
僕はホモなのかって?
違うんだよなあ。
僕は確かに女装チンポが好きだけどホモじゃない。
例えば──女装したクソガキが美人局まがいのことをして、カツアゲするのを境にどんどんと女装にのめり込んでいく。
そして最終的にメス犬チンポ便器兼彼ぴのATMに永久就職するのが見たいのであって、ホモ──要するに版権チンポのキッショいネチョネチョしたBLなやつはどうでもいいんだよ。
いまのはあくまで例えだ。
僕は確かにレイ君にフェラしてもらってるけど、それはホモじゃなくて──
「うっ」
思考が中断された。
レイ君は射精した後の僕のチンポを、綺麗になめとっていたのだ。
その舌ざわりが良すぎて、ついつい間抜けな声が出てしまった。
僕のチンポから唇を離したレイ君が口元を乱暴に拭う。
「オタク君、声きもっ! www」
レイ君はわざとらしく僕を馬鹿にするように笑った。
「まあいいや、今日はこれでいいだろ?」
僕は黙って頷く。
カラオケボックスの安っぽいソファに深く身を沈める。
隣でレイ君が不機嫌そうにドリンクを飲んでいるがその耳はまだ少し赤かった。
◆◆◆
翌日。
昼休みの喧騒の中、僕は自分の席で静かにラノベのページをめくっていた。
異世界恋愛ものだ。悪役令嬢とか王太子とか、そういうやつ。女が読むものだって? そうかもしれない。だけれどここ最近はこんなものばっかり読んでる。
そして妄想してる。
生意気な王太子──大抵はすごい美形で、でも傲慢で。そんなイケメンを無理やり女装させて、お尻をいじめてやったら、みたいな妄想だ。
もちろんこれはホモじゃない。女装させてるんだからホモじゃないんだ、多分。
そんな事を思っていると──
「おーいレイ! 次の体育バスケだってよ!」
「マジか! よっしゃ手加減しねえからな!」
レイ君がクラスメイトの男子数人と窓際で盛り上がっていた。
レイ君はサッカー部のエースでコミュニケーション能力の塊だ。絵に描いたような人気者で、とにかく人の目を集める。
女子たちの視線も自然とそちらに集まっていた。
誰も彼が女装して自慰行為の動画をネットに上げているなんて想像もしないだろうな。
ましてやクラスの隅っこにいる地味な僕に、弱みを握られているなんて。
なんだか優越感を覚えてしまう──って、あれ?
不意に僕の机の前に影が差した。
顔を上げると、レイ君の取り巻きの一人である田中がニヤニヤしながら立っている。こいつはだめだ。まう不細工だ。僕が言えたことでもないんだけど。
それに、レイ君と違って華がないんだよね。
「なんだよオタク君。またそんなの読んでんのか」
田中は僕が読んでいたラノベの表紙を、小馬鹿にしたように指さした。
表紙の絵柄が萌え系だったからだろう。
僕は何も言わずに視線を本に戻そうとする。
こういう手合いは相手にしないのが一番だ。
「無視かよ。つれねえなー」
田中はわざとらしく大きな声を出した。
周囲の視線がちらほらとこちらに向けられるのが分かる。
面倒なことになった。
「なあレイ! こいつ相変わらずキモい本読んでるぜ!」
田中が窓際のレイ君に向かって呼びかけた。
レイ君の目が一瞬だけ僕を捉えた時、ほんの少し強張ったのを僕は見逃していない。
「お、ほんとだ」
レイ君は僕の机の横に立つと、軽い調子で言った。
「オタクく~ん、いっつもそんなのばっかり読んでるじゃんww」
その声は明るく響きも良かった。
まるで親しい友人に話しかけるような気安さである。
「こんなの読んでたら彼女できねーぞw」
レイ君が冗談めかして僕の肩を軽く叩く。
田中の下品な笑い声が続いた。
クラスの何人かもくすくすと笑っている。
僕はその場を取り繕うように、曖昧に笑ってみせた。
「はは……まあね」
精一杯の愛想笑いだ。
ここで反論したり不機嫌な顔をしたりすれば、余計にみじめな事になる。経験則で知っているのだ。
するとレイ君はすぐに踵を返した。
「ほら田中行くぞ。購買のパン売り切れちまう」
「おう」
嵐は去っていった。
僕は再びラノベに目を落とす。
まあいつものことだ。レイ君にもレイ君のイメージがある。僕はそれを壊さず、付き合ってやる。
世の中ってほら、
◆◆◆
放課後。
僕は寄り道もせずにまっすぐ家に帰った。
鞄を部屋に放り投げ制服を脱ぎ捨てる。
今日はレイ君が僕の家に来ることになっているのだ。
僕の両親は二人とも仕事で帰りが遅い。
そして都合の良いことにレイ君の両親も共働きで、夜遅くまで家を空けているらしい。
つまり僕たちは誰にも邪魔されずに二人きりになれるというわけだ。
二人で何をするのかって? それはまあ、決まってるよね。
僕はリビングのソファに座り、ぼんやりとテレビを眺めていた。
時計の針がゆっくりと進んでいく。
約束の時間まであと少しだ。
昼間の教室での出来事が頭の中でリプレイされる。
レイ君のあの笑顔。
僕を小馬鹿にしたような口調──良い感じのスパイスになってくれそうだ。
僕は立ち上がり、クローゼットの奥に隠しておいた紙袋を取り出した。
中には僕がネットで注文した「ある物」が入っている。
これを見たらレイ君はどんな顔をするだろうか。
想像するだけで口元が緩んだ。
◆◆◆
帰宅してから約三十分後。
ピンポーン、とインターホンが鳴った。
来た。
僕はゆっくりと立ち上がり玄関へと向かう。
ドアを開けると、そこには制服姿のレイ君が立っていた。
「よっ」
レイ君は片手を上げ軽い調子で挨拶をする。
その顔には昼間の陽キャの仮面がまだ残っているようだった。
「遅かったじゃん」
僕が言うとレイ君は少し苦笑いを浮かべた。
「わりいわりい。部活が長引いちまってさ」
そう言いながらレイ君は慣れた様子で家の中に入ってくる。
僕の家に来るのはこれで三回目だ。
リビングに入ると、レイ君は呆れたように周囲を見回した。
「オタク君さあ、いくら彼女いないからって男を呼び出してホモセしようとかはどうかと思うわ~w」
相変わらず減らず口だ。
僕は何も言わずにレイ君を見つめる。
レイ君は僕の視線に気づくと、少し居心地悪そうに目を逸らした。
「とりあえずシャワー浴びてくるけど。汗かいちまったし」
そう言ってレイ君は浴室の方へと歩き出す。
「オタク君はもう済ませたん?」
僕は首を横に振った。
「まだだよ」
あえて入らなかったのだ。
汗の匂いや体臭が残っていた方がより倒錯的で興奮するから。
僕の答えを聞いてレイ君はピタリと足を止めた。
そして引きつったような笑いを浮かべる。
「え……マジ?」
「マジだよ」
「……オタク君もしかして怒ってる~?」
レイ君が恐る恐る尋ねてくる。
昼間のことを気にしているのだろう。
僕はにっこりと笑って否定した。
「まさか。怒ってなんかないよ」
その言葉にレイ君は少しだけ安心したような表情を見せる。
だが僕はすぐに次の言葉を続けた。
「あ、着替えだけど下着用意しておいたから」
そう言って僕はソファの上に置いておいた紙袋をレイ君に手渡した。
「え? なんか嫌な予感するな~……」
レイ君はそんなことを言いながら、袋をのぞき込む。
そして──
紙袋から取り出したのは明らかにセックス用途にしか使われないような、いやらしいデザインの下着だった。
レイ君はそれを指先でつまみ上げ、信じられないものを見るような目で凝視している。
そしてゆっくりと顔を上げた。
あははトマトみたいに真っ赤だ。
「……やっぱ怒ってるじゃん!」
レイ君の叫び声が静かなリビングに響き渡り、僕は思わず笑ってしまった。
◆◆◆
「怒ってなんかないって」
僕は笑いを堪えながら答えた。
「ただレイ君に似合うかなって思っただけだよ」
僕が渡したのは黒いレースのTバックだ。
男物としてはかなり攻めたデザインである。
「似合うわけねーだろ! 罰ゲームじゃんこんなの!」
レイ君はそれを指先でつまみ上げ、信じられないものを見るような目で凝視している。
本当に真っ赤だ。
「いいから早くシャワー浴びてきなよ」
僕は努めて平静な声を作った。
「それ着てくれないと今日は帰さないから」
少しだけ低い声で告げる。
するとレイ君はびくりと肩を震わせた。
そして悔しそうに唇を噛みしめる。
「……分かったよ。着ればいいんだろ着れば」
吐き捨てるように言うとレイ君は乱暴な足取りで浴室へと消えていった。
一人残されたリビングで深く息を吐く。
我ながら性格が悪いかもしれない。
少しだけ自己嫌悪に陥りそうになるがすぐにそれを上回る興奮が湧き上がってきた。
あのプライドの高い早見玲人が僕の選んだ下着を身に着ける。
その事実だけで下腹部が熱を持ち始めていた。
しばらくしてシャワーの音が聞こえてくる。
ザーッという水音がやけに生々しく響いた。
僕はその音を聞きながら目を閉じて想像する。
シャワーヘッドから噴き出す熱い湯。
それを浴びるレイ君の滑らかな肌。
引き締まった筋肉の上を水滴が滑り落ちていく様子。
(早く見たい)
待ち遠しくてたまらない。
僕はテレビを消して寝室へと移動した。
ダブルベッドのシーツを整え間接照明だけを点ける。
部屋の中は薄暗く親密な雰囲気が漂っていた。
◆◆◆
十分ほど経っただろうか。
カチャリとドアの開く音がした。
視線を上げるとそこにはバスタオル一枚を腰に巻いただけのレイ君が立っている。
髪からはまだ水滴が滴っていた。
「オタク君さあ……」
レイ君は眉をハの字に下げ困ったような顔をしている。
「これマジで着るの?」
その手にはさっき渡した黒いレースが握られていた。
僕は無言で頷く。
レイ君は深いため息をついた。
「わかったよ……」
そう言うと彼は再び脱衣所に戻っていく。
僕は息を詰めてその瞬間を待った。
数分後。
レイ君が再び姿を現した。
今度はバスタオルは巻いていない。
僕が渡したあの黒い下着だけを身に着けて。
息を呑んだ。
想像以上だったからだ。
シャワーを浴びたばかりのレイ君の肌はほんのりと赤みを帯びている。
引き締まった腹筋。
長い手足。
そしてその中心に黒いレースが食い込んでいた。
布面積が極端に少ないせいで彼の性器の形がくっきりと浮かび上がっている。
後ろを向かなくてもTバックが彼の臀部に深く食い込んでいるのが容易に想像できた。
(やばい……エロすぎる)
あっという間に僕のチンポは限界まで膨れ上がった。
スウェットパンツの上からでもわかるくらいにテントを張っている。
レイ君は僕の視線に気づくとさっと両手で前を隠した。
「見んなよ変態」
悪態をつくレイ君だがその顔は耳まで真っ赤だ。
その反応がまた僕を煽る。
「隠す必要ないじゃん。似合ってるよ」
僕が言うとレイ君は少しだけ目を見開いた。
そしてすぐに視線を逸らす。
「……うるせえ」
その声はさっきよりも少しだけ小さかった。
呆れているというよりは照れているように見える。
僕の股間を一瞥するとレイ君は呆れたように鼻を鳴らした。
「おいおい……早すぎだろ」
そう言いながらもレイ君の口元は少しだけ緩んでいるように見えた。
もしかしたら僕が興奮しているのを見て少しだけ嬉しいのかもしれない。
そう思うとなんだか可愛く思えてきた。
僕は立ち上がりレイ君の腕を掴んだ。
「こっち」
向かう先はさっき整えた寝室だ。
レイ君は無言で僕についてくる。
その抵抗のなさが彼の本心を物語っているようだった。
◆◆◆
寝室に入り僕はレイ君をベッドの上に押し倒した。
ギシリとスプリングが軋む。
「ちょっ……いきなり何すんだよ」
レイ君が抗議の声を上げるがその声には力がない。
僕はレイ君の上に馬乗りになった。
見下ろす形になると彼の美しい体がより一層際立って見えた。
「レイ君、綺麗だよ」
思わず本音が漏れた。
レイ君は虚を突かれたような顔をする。
「……馬鹿にしてんだろ」
「してないよ。本当のこと言ってるだけ」
僕はレイ君の首筋に顔を埋めた。
シャンプーの良い香りが鼻腔をくすぐる。
すりと頬を寄せるとレイ君の身体がびくりと震えた。
「やめろよ……くすぐってえ」
そう言いながらもレイ君は僕を拒絶しなかった。
むしろ少しだけ腰を浮かせるように動いている。
(やっぱり乗り気なんじゃん)
僕たちはそのまましばらくの間無言で抱き合っていた。
レイ君の体温が心地いい。
トク、トクと彼の心臓の音が聞こえてくる。
やがてレイ君がもぞりと動いた。
そして僕の胸元に顔を寄せる。
僕はすでにTシャツを脱いでいた。
「ん……」
小さな吐息が聞こえたかと思うとちくりとした感触が僕の乳首を襲った。
レイ君が僕の乳首を舐めているのだ。
「あっ……」
思わず声が漏れた。
レイ君は僕の反応を楽しむかのように舌先で僕の乳首を転がし始めた。
ちろちろと舐められたり甘噛みされたり。
その度に背筋に快感が走る。
「レイ君……それどこで覚えたの」
僕が尋ねるとレイ君は顔を上げた。
その顔はまだ少し赤い。
「……別に。なんとなく」
そう言ってレイ君は今度は僕のスウェットパンツの上から僕のチンポに触れてきた。
すでに限界まで硬くなっているそれをレイ君の手が優しく包み込む。
「相変わらずでけえな」
レイ君が感心したように呟いた。
そしてゆっくりと手を動かし始める。
その手つきは慣れていないようで少しぎこちない。
だがそれが逆に僕を興奮させた。
僕もレイ君の身体に手を伸ばす。
滑らかな肌を撫で黒いレースに指をかけた。
「ひゃっ……!」
レイ君が小さく悲鳴を上げる。
僕はその反応を無視してレースの上から彼のチンポを弄った。
レイ君のチンポもすでに熱を持ち始めているのがわかる。
触り合いながら僕はふと疑問に思ったことを口にした。
「ねえレイ君」
「なに」
レイ君の声は少し上擦っていた。
「あの動画さ……」
僕がそう切り出すとレイ君の手がピタリと止まった。
空気が少しだけ張り詰める。
「なんで投稿したの? お金が欲しかったとか?」
あのサイトは収益化も可能だったはずだ。
レイ君は少しの間黙っていた。
そしてゆっくりと口を開く。
「……それもなくはないけど」
レイ君は僕から視線を外し天井を見上げた。
その横顔はいつもの陽キャの彼とは別人のように見えた。
「なんていうかさ……昔から自分がなんだかよくわかんなくって」
レイ君がぽつりと呟く。
その言葉の意味が僕にはすぐには理解できなかった。
「自分がわからないってどういうこと?」
僕が尋ねるとレイ君は困ったように笑った。
「そのまんまの意味だよ。俺男なのにさ……可愛いものとか綺麗なものとかそういうのに惹かれちまうんだ」
それは意外な告白だった。
サッカー部のエースでいつも男子の中心にいる彼がそんな悩みを抱えていたなんて。
「女装したいって思ったのもたぶんそのせい。女の子の服着てメイクして……そしたらなんかすごくしっくりきたんだ」
「それで、勢い余って……みたいな?」
「まあそんな感じ。皆褒めてくれるしさ」
レイ君は遠くを見るような目をしていた。
「確かにコメント欄、すごかったよ。レイ君のこと皆犯したいみたい」
「うぇっ。そういうのはなんか違うんだよなあ」
「でもレイ君、僕とエッチな事してるじゃん」
僕がそういうと、レイ君は不満そうに下唇をちょっと突き出して言った。
「それは、それじゃん。まあいいや、とにかくさ。そんなこと誰にも言えねえじゃん。俺がそういう事に興味があるなんて。友達は無理だし、親なんて──いや、いいや……」
何か言いよどんだみたいだけど何かあったのかな? もしかしたら親御さんには伝えてて、でも否定されたとか……。そういうパターン、BL系の漫画だとあるあるだよね。
まあ男が女装したいなんて言ったら気持ち悪がられるだけだろうし、レイ君にもきっと色々あるのだろう。
「鬱憤ってーの? なんか自分が自分じゃないみたいな感覚がずーっと続いてさ、結構しんどかったんだよ」
だから動画を投稿したのだとレイ君は言った。
顔も声も隠して誰にも知られない場所でだけ本当の自分を解放したかったのだと。
でもそれなら女装姿だけさらすとかじゃダメだったのかな? なんでオナニーまで……まあいいか、レイ君の動画には結構お世話になったし。
「オタク君にバレた時はマジで終わったと思ったけど」
レイ君が僕の方を見る。
その目には不安と期待が入り混じったような複雑な色が浮かんでいた。
「でもなんか……ちょっとだけホッとしたんだ」
「ホッとした?」
「だってオタク君は俺の秘密知っても気持ち悪がったりしなかっただろ」
確かに僕は気持ち悪いとは思わなかった。
むしろ興奮した。
「俺が女装してオナニーしてる動画見て興奮するとか……オタク君も大概変態だよな」
レイ君が笑う。
その笑顔はいつもの彼とは違う少しだけ力の抜けた柔らかいものだった。
性自認とかそういう難しいことは僕にはよくわからない。
でも──
「僕はそういうのよく分からないけど」
僕は素直な気持ちを口にする。
「レイ君は可愛いと思うよ」
僕はそう言って自分のチンポをレイ君の脚の付け根に擦り付けた。
「あっ……」
レイ君が小さく喘ぐ。
そして僕の首に腕を回しぎゅっと抱きついてきた。
その顔はさっきよりもずっと嬉しそうに見えた。
「なあ、オタク君」
レイ君が僕の耳元で囁く。
「オタク君の……しゃぶっていい?」
その甘えたような響きに、僕は少しだけ意表を突かれた。
レイ君の方から求めてくるなんて。
「いいよ」
僕は短く許可を出した。するとレイ君は満足そうに口元を緩め、僕のスウェットパンツにゆっくりと手をかける。
そして躊躇いのない手つきで、それを下着ごと引き下ろした。
露わになった僕のチンポはすでに熱を帯びて硬くなっている。レイ君がエロ過ぎるのがいけないんだ。
レイ君がごくりと喉を鳴らした。
「……相変わらず、でっかいのなー……」
そう呟きながらも、レイ君の目はなんだか潤んでいる様にみえる。レイ君も興奮しているみたいだ。
レイ君はゆっくりと顔を近づけ、亀頭の先端にそっと唇を寄せた。
そして──
「ん……」
吐息混じりの甘い声が漏れる。
まずは舌先でカリの部分をちろちろと舐め始めた。その焦らす様な動きに、僕はなんだかたまらない思いに駆られてしまう。
僕が主導権を握っていると思っていたんだけれど……なんだかそうじゃないみたいだ。
「もっと深く咥えて」
僕の声はきっと、焦っているというか大分切迫したものだったんだろうな。レイ君はにやりと意地悪そうに笑うと──
「あむっ……」
柔らかい唇が僕のチンポを包み込む。
そしてゆっくりと喉の奥へと飲み込んでいった。
熱い口腔内が吸い付いてくる感触がたまらない。
粘膜の柔らかさと舌の筋肉の動きが交互に僕を刺激する。
「んく……ふぅ……」
レイ君の喉が小さく鳴った。
僕のチンポが喉の奥に触れると、レイ君は少し苦しそうに眉を顰める。
だが決して口を離そうとはしなかった。
むしろもっと深く受け入れようと、顎を動かしている。そういえば、動画でもレイ君は大きいディルドを咥えこんでいたっけ。その上、お尻の穴には同じくらい太いディルドを出し入れしてた。
レイ君はきっと、少し苦しかったり無理やりされるのが好きなんだろう。普段の彼とは全然違う姿に、僕はすごく興奮した。
──レイ君、ほら、こうされたいんでしょ?
僕はレイ君の頭を掴み、自分の腰をゆっくりと動かし始めた。俗に言うイラマチオだ。実のところ、僕は無理やりプレイっていうのは余り好きじゃなかったりする。ただ、イチャラブっていうのも好きじゃないのだ。
じゃあ何が好きかというと、例えばレイ君の様に、一見
分かるだろうか? まあわからなくてもいいけど。
「んっ……!?」
レイ君の目が驚いたように見開かれる。
僕の動きに合わせて、レイ君の口の中を僕のチンポが出入りする。
凄く気持ちがいい。正直何時間でもやってもらいたいくらいだ。
「レイ君さぁ、こんなに乱暴にされてるのになんでおちんちん勃ってるの?」
僕が言うと、レイ君は咥えたまま上目遣いで僕を見た。
涙で潤んでいる瞳がやけに色気がある。
しばらくの間、僕はレイ君の口の中を好き勝手に犯した。
だがこのままではまた口の中に出してしまいそうだ。
今日はそれだけじゃ満足できない。
「もういいよ」
僕はレイ君の口から自分のチンポを引き抜いた。
ぷはっと音を立てて、レイ君が荒い息を吐く。
「僕そろそろ我慢できないから──」
そう言って僕はベッドサイドの引き出しから、ローションとゴムを取り出した。
それを見たレイ君の身体が少しだけ強張るのが分かる。
「うつ伏せになって」
僕が指示すると、レイ君はゆっくりと体勢を変えた。
目の前に晒されたのは黒いTバックが食い込んだ無防備な臀部だ。
レイ君は細いのに筋肉質──いわゆる細マッチョな体型なんだけれど、お尻はちょっと大きめだ。そこがまたエロくてたまらない。
そういえばレイ君の動画のコメント欄はすごかった。
もちろん大半は海外のニキたちによるものだ。
"Damn, that ass is built for pounding! "
(クソッ、あのケツはマジでヤるために作られてる!)
"I'd fill that tight femboy hole all day"
(一日中あのタイトな女装ボーイの穴に注ぎ込んでやりてえ)
"Look at how it swallows that dildo. needs a real cock"
(ディルドを飲み込むとこ見ろよ……本物のチンポが必要だな)
僕としてはすべて同感だ。レイ君のお尻はエロい!
というわけで、僕はそのエロいお尻の奥──アナルに、ローションをたっぷりと垂らした。
少し冷たかったのだろうか?
「あっ……」とレイ君が小さく声を上げる。
「力抜いて」
そう言いながら、僕はその入り口に指を滑り込ませた。
「んっ……!」
レイ君がシーツを強く握りしめる。
内部は熱く、そして信じられないくらい狭かった。
指一本入れるだけでもきつい。無理やりはダメだ。ゆっくりとほぐすように──
するとレイ君のお尻の穴はだんだんとトロけはじめる。
さっきつかったローションは温感作用がある。それとシトルリンだかなにかが配合されていて、粘膜に触れるとその部分が活性化して少し敏感になるらしい。
ローションと言えばエペローションっていうのが定番なのだけど、僕は少し大目にお金を出してこのローションをネットで注文した。
「あ……や、やめ……」
レイ君の腰が逃げるように動くが、僕はそれを許さなかった。
空いている手でレイ君の腰を掴み、無理やり固定する。
「大人しくしてなよ。じゃないとあの動画、バラまいちゃうよ?」
僕が囁くと、レイ君はぴたりと動きを止めた。勿論別にレイ君が大人しくしなくてもバラまいたりはしないけれどね。でもレイ君は
だって彼は僕と同じくらい変態だから。
レイ君は観念したように全身から力を抜いた。本気で嫌ならいくらでも抵抗できるはずなのにね。
僕は指を三本に増やし、さらに奥を抉るように動かした。すでに中はトロトロだ。動かすたびに粘着質な音がなって滅茶苦茶エロい。
「んんっ……! あ……」
レイ君の声が少しずつ甘いものに変わってきた。
ここぞとばかりに僕はある一点を集中的に攻める。
「ああっ!?」
レイ君が甲高い声を上げた。
腰が大きく跳ね上がる。
僕はそこを執拗に責め立てる──そう、前立腺を。雌堕ちスイッチってやつだ。
「ひっ……! や、だ……そこ、変になる……!」
レイ君が喘ぎながら懇願する。
その声は完全に蕩けていた。
もう十分だろう。
僕はレイ君の中から指を引き抜いた。
そして素早くゴムを装着する。
すでに限界まで膨れ上がった僕のチンポに、ローションをたっぷりと塗りたくった。
そしてそれをレイ君の入り口に宛がって──
「入れるよ」
予告と同時に、僕はゆっくりと腰を進めた。
「うあっ……!」
僕のチンポの先端がレイ君の入り口を押し広げる。
「ひっ……! 無理、でかい……!」
レイ君が苦しそうに喘ぐ。
僕は一度動きを止めた。もちろんやめてあげるためではない。
逆に、背中に覆いかぶさるように体重をかけたのだ。
ずるり、ずるりと僕のチンポがレイ君の肛内に埋まっていく。
そしてついに、根元まで全てを埋め込んだ。
「あ゙ッ……!」
レイ君が涙目で僕を振り返る。
「はぁ……」
僕の口から満足のため息が漏れる。
レイ君の内部は信じられないくらい熱く、そしてきつかった。
「オタク君……やっぱでっかいわ。しんど……。腹の奥をガンガン突かれてるかんじ……やばっ……w」
そんな風に言われるとなんだか優越感みたいなのを覚えてしまう。レイ君のお腹の中を完全に僕の形にしてあげたいな……。でも、焦ったらだめだ。
僕はゆっくりと腰を動かし始めた。
最初は浅く。
そして徐々に深く。
「あっ……!」
レイ君が小さく喘ぐ。
最初は痛みに耐えるような声だった。
だがゆっくりと出し入れを繰り返すうちに、その声はだんだんと甘いものに変わっていく。
僕のチンポが彼の内部の「当たり」を掠めるたびに、レイ君の身体がびくりと反応した。
「気持ちいいんでしょ? レイ君」
僕はわざと露骨な言葉を投げかける。
「んっ……ちが……」
レイ君は否定しようとするがその声には説得力がない。
「素直になりなよ。女装してオナニーしてるだけじゃ満足できないでしょ? 本当はこうやって男に犯されたかったんでしょ?」
「ちがっ……あ゙ッ!」
僕がわざと深く突き上げると、レイ君は言葉にならなかった。
僕は動きを少しずつ速めていく。
繫がった場所からは卑猥な水音が響き始めた。
ぐちゅ、ぐちゃ、という湿った音が薄暗い寝室に響き渡る。
「ああっ……! ん、ふ……!」
レイ君の喘ぎ声が大きくなる。
もう痛がる様子は微塵もなかった。
むしろもっと激しくしてほしいと訴えているかのようだ。
僕はその期待に応えるように、さらに腰を激しく打ち付けた。
「レイ君、すごいエロい顔してるよ」
僕はレイ君の身体を抱き起こし、彼の顔を覗き込みながら囁く。
対面座位の体勢になり、レイ君の足が僕の腰に絡みついた。
「今どんな気持ち? クラスの地味なオタクに犯されてる気分はどう?」
僕の言葉責めに、レイ君の身体がさらに熱を帯びていくのが分かった。
羞恥と興奮で顔は真っ赤だ。
「んあ゙ッ……お、俺……」
レイ君が掠れた声で何かを言おうとする。
僕はそれを遮った。
「俺じゃなくて私、でしょ?」
僕は意地悪く訂正する。
そして動きをピタリと止めた。
絶頂の手前で焦らされる感覚に、レイ君が潤んだ瞳で僕を見上げる。
「レイ君は僕の肉便器になる? なるならイカせてあげる」
僕の問いかけに、レイ君は少しの間黙っていた。
プライドと快感の間で揺れ動いているのだろう。
僕は再度腰をつきあげてやった。
「あっ……!」
レイ君の身体が跳ねる。
そしてゆっくりと口を開く。さて、何と言うだろう。
「……なる……」
レイ君が呟く。
その声は震えていた。
「わ、私──オタク君の肉便器になるから、あ゙ッ! はぁ……んんっ!」
言い終わる前に、僕は一際強く腰を打ち付けた。レイ君の身体が大きく反り返る。
口から甘い嬌声──まるで女の子みたいだ。
その声を聞いて、僕の興奮も最高潮に達した。
もう限界だ。
僕はレイ君の腰を掴み、最後の追い込みをかける。
「あっ、ああっ! もう、だめ……イッちゃう……!」
レイ君が叫ぶ。この時のレイ君の声ときたら甲高くて、そして甘くて。ほぼほぼ女の子といってもいいくらいだった。
クラスのカースト上位で、女子からもモテるレイ君が僕にお尻の穴を犯されて喘いでいるのだ。肉便器になるなんて言ってる。
「一緒にイこうね、レイ君」
言うのと同時にこれまでで一番強くチンポをレイ君の肛内へ押し込む。そして──
「んぐっ……!!」
レイ君の身体が痙攣し、ぎゅうと僕を腕と脚で抱きしめる。
イッたのかな? 僕もレイ君の中でイッてしまった。勿論ゴムはつけてるけど。
しばらくの間、僕たちは繋がったまま動けなかった。
ときおり、ぎゅう、ぎゅうとレイ君の腸壁が僕のチンポを締め付ける。まるで僕に犯されてしまったという余韻を味わっているかのようだ。
やがて落ち着きを取り戻した僕は、ゆっくりとレイ君の中から自分のチンポを引き抜いた。
レイ君はぐったりとしていて、息が荒い。顔を覗き込んでみると、僕はさっき出したばかりなのにまた下腹部にぐっと熱が籠るのを感じた。
だってめちゃくちゃエロい顔をしているんだよ、レイ君ったら。目はとろんとしていて、口は半開き。全身にはうっすら汗がにじんでいて、ベッドライトを反射して──
「オタク君……すごかった」
レイ君が掠れた声で呟く。目の端に光るものは涙だろうか。
あのレイ君が泣くほどよがらせたのだ、僕は。込み上げてくるこの気持ちをなんていうんだろう。支配欲? 嗜虐心?
僕は我慢ができなくなって、レイ君をぎゅうっと抱きしめて──そして、彼のお尻の割れ目にチンポを押し付けた。
レイ君が完全に女の子……いや、雌になるまで何度でも犯してやりたくなったのだ。
「ま、まだするのかよ……俺、あ……わ、わたしもう限界で……あ、そ、そうだ、口でするから……」
そう言いながらレイ君はゆっくりと身体を起こし、僕のチンポに手を伸ばす。
そして僕のチンポを口に含み、丁寧に舐め取り始めた。
お掃除フェラという奴だ。
媚びたように上目遣いで僕を見るレイ君。脳裏にふと、“雌犬”という単語が浮かぶ。
そんな時、僕はふと思いついたことを口にした。
「そういえばさ」
「ん?」
レイ君が咥えたまま僕を見る。
「今度はウィッグしてきてよ。動画でかぶってたやつ」
僕が言うと、レイ君は少しだけ目を見開いた。
そしてにやりと笑う。
「ん……わかった」
レイ君は短く答えると、再び僕のチンポを喉の奥まで深く咥えた。これは苦しいはずだ。普通ならしたくはないだろう。僕だってそうしゃぶれなんて命令していない。
なのにレイ君は自分からそれをしている。
もしかして、“雌犬の自覚”っていうやつが出てきたんだろうか?
だったら素敵だな。
この先も色んなプレイをレイ君と楽しんでいきたい。
あ、そうだ、レイ君この前、クラスの女子──あのちょっと地味な斎藤さんから告白されたって言ってたな。
だったらレイ君に斎藤さんと付き合ってもらって、それで斎藤さんがレイ君から離れられなくなった時。
目の前で僕とレイ君のセックスを見せてあげたりするのもいいかも。
斎藤さんは怒るかな? 悲しむかな?
レイ君はどう感じるだろう。斎藤さんの為に僕にキレたりするのかな?
それとも──。
どちらにしても凄く楽しそうだ。
レイ君、この先沢山楽しもうね。僕から離れられない体にしてあげるからね。
──僕が、レイ君からもう離れられない様に
(了)