シャニPと黛冬優子さんがなぁなぁでえっちしているお話 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
ご依頼は http://skeb.jp/@freege_affected か、 http://twpf.jp/freege_affected からどうぞ。pixivリクエスト https://www.pixiv.net/request/plans/7443 も受け付けています。 ※pixiv、ハーメルンとくるっぷに転載しています。
シャニP×ふゆはもともと好きでしたが、ご依頼もブクマもいっぱいもらって書いているうちに大好物になりました。われながら現金です。
ご依頼内容の合致により企画「ドスケベバニー小説合同」2025年に参加しました。またお得意さまに甘えてしまったのですがエロさには自信あります!
「バニーガールを考えた人は、ウサギの性欲が強いから淫乱のシンボルって意味を込めた、というが」
「むしろ、因幡の白兎とかカチカチ山とか、賢いけどドジを踏むイメージが強いわね」
アイドル・黛冬優子はきょう、所属する283プロが入居するテナントビル1階にあるペットショップを、担当プロデューサーの青年と会う前に少し冷やかしていた。
落ち着かなさそうに鼻先をもそもそさせていたミニウサギの姿は、淫乱とも賢さともかけ離れて見えた。
283プロ事務所入り口へ続くビルの階段前から窓を見上げると、ブラインドがすっかり閉じられていた。朝一番に事務所に来ることがない冬優子には新鮮な様子だった。
プロデューサーと落ち合い、入り口のカギを開けた。真夏日の外気に劣らずむわっとした室内の空気にうんざりしながら冷房を点けた。
「昔の日本ってウサギを家畜にしてなかったからかな」
「そっち方面にはまじめに考えなくていいわ」
それから彼と事務所のパソコンの前に陣取り、ウサギについて調べ物をしている。
「賢い……ずるい……狡兎三窟……は中国か」
「そういえば月にウサギがいるって」
「日本以外にもある言い伝えらしい」
イスに座る彼の背中側に回って、手に持っていたスマートフォンを爪先でカチカチ鳴らしてみた。彼がうるさそうに眉をしかめるのが斜め後ろからでも察せられて、止めてやった。
調べ物はまったくはかどっていない。
「月……月は……遠いわね」
「もともと、よその子がお月見ウサギをテーマに可愛い衣装を用意してるのを見て気になった、って話じゃなかったか?」
「そうそう、Straylightだとクール系と決まっているし、たまにイメージを変えたらと思って」
調べながらしゃべって何か企画につながれば、という流れの最初からつまずいている。
「……ウサギは消化器官の都合で自分の糞の一部を食べ……むぐっ」
「なんか思い浮かぶことないの? と言ったけどねぇっ」
彼の頬をつねる。
夏の暑熱にかかされた汗の気配がうっすら残っていたり、ひげのそりがいつもより甘くてざらついていたりを感じる。つねるのが長すぎてしつこいと思われたのか、振り返った彼に頬をつねり返されるが許してやる。
きょうは2人も事務所もオフで、ここで2人が会っていることを誰も知らない。
「休憩しましょ……あんたはコーヒーでいいわね」
「コーヒーはいいけど、それは」
「凛世ちゃんのおみやげ。かわいいの」
紫色の外紙は渋い風合いすぎてかわいいと思わなかった。ばりばりと必要以上の勢いで開封する。黄色の内箱のなかに白い小袋が並ぶ。冬優子の一口だと少し大きいウサギ型のお菓子が小袋から透けて見える。その姿はかわいいと思えた。
冬優子の同僚アイドル・杜野凛世が鳥取の帰省からのおみやげとして買ってきた地元の銘菓だった。直前の営業日の終わり寸前に持参したため――『賞味期限はまだ先ですので……』――手つかずで休業日の事務所に置かれていた。
「はい、口開けて、あーんっ♥」
「……はい」
「もう一つっ」
ノドをつまらせるつもりか、と彼の視線の具合を見て引っこめる。ウサギ、と銘打つがキツネ色に近い色の肌をした焼き菓子。両目のようにあしらわれた赤い点2つと目が合う。
「かわいくて食べるのがもったいない……けど、おいしく食べてもらうまでがお菓子のさだめだから……」
「安心しろ、冬優子にも耐えられる甘さだ」
「甘いのが苦手ってほどじゃあないわよ」
冬優子は唐突に、小学生時代に父親から叱られたことを思い出した。
学校にお菓子を持ち込んだせいだった。冬優子の『友達を作りたかったから』という弁解に対し、父親は――『動機はいいけど、動機がいいからといってやり方がよくなる理屈はない』『俺は子供のころ、といってもいまの冬優子より年上のころだが、いつも運動会や部活で張り切ってよく先生やなんやらに褒められた。が、内心は目立ちたいとか女の子にチヤホヤされたいだけだった。手段がよくても動機はあれこれ言われるだろう。その逆も同じ』――冬優子は表向きだけ納得しておいた。
当時の自分が、大人になりたてのいまの自分を見たらどう思うだろう。やっぱり大人もやってるじゃんとか言うかな、と想像した。
「そういえば、ウサギって何を食べるんだろう。ニンジンか?」
「葉っぱは食べるけど根っこは食べないわよ」
「そうなのか? ネコは魚が好物じゃないみたいな」
「そういうのでもないわ、本当に食べない」
キュート路線の検討のためウサギについてアイデア探し。この休日に、しかも事務所に来てまでやる仕事ではない。冬優子が、学校の都合で東京まで来ているからついでに考えるの手伝いなさい、と露骨な方便で彼を呼び出していた。
「ウサギが寂しいと死んでしまう、ってのは迷信なんだよな」
「それを本気にして構いすぎると、うるさーいって思われてガブって噛まれちゃうの」
「……冬優子、詳しいな」
凛世のおみやげを勝手に開けて食べたのは物の弾みだった。凛世と、彼女の同じユニットの有栖川夏葉が、ラ・ロシュフコーとかいうフランス人らしき誰かの格言について話していたのを聞かされ――『つれなくされているより、愛されている方が浮気しやすい……ふーん?』――ほんの少し心をざわつかされた仕返しのつもりだった。
「いい感じにかまってほしい……ぴょんっ! ……ぴょんは鳴き声じゃないわね」
「ウサギのマネって難しいな、ワンワン、ニャアニャアみたいにイメージの強い鳴き声がないし」
「鳴き声らしい鳴き声を立てなくて静かよ、足音がドタドタうるさいけど」
「もしかして、冬優子は飼ってたことが?」
「さぁね」
プロデューサーに、いまより少しつれなくしてやったほうがいいか、どれぐらいつれなくしてやればいいか。
もし共通の知人たちに周知の関係であったなら、何であれたいてい無難な程度に収まる。女子どうしで恋愛相談をすると特に、無難なところへ誘導される――(もう惚気は聞き飽きた、って別れさせるよう焚きつけるのもいるけど)――冬優子も知人から恋愛相談を受けてそうした覚えがある。
隠れている関係には誘導がない。
「そういえば、倉庫にある?」
「ウサ耳カチューシャならあったかな」
「夏葉さんの? それとも恋鐘ちゃんの……見に行けばわかるわね」
開けたお菓子の小袋をまとめて丸めてくずかごに入れて、倉庫に向かう。真っ赤なウサ耳カチューシャが棚の奥に、真っ白が手前に見えた。
奥の真っ赤を勝手に引っ張り出して着けた。
※
「発情したウサギは飼い主の足に勝手に体をこすりつけて小便や精液を引っ掛けるらしい」
「かわいくないわね~っ」
飲み物とお菓子を片付け、プロデューサーはイスに座ってパソコンに再び向き合った。
冬優子は立ったまま彼の肩と首に寄りかかる。1人用ですよ、と抗議めいてぎしりとイスが鳴る。しょうがなく寄りかかり具合を軽くしてやる。
きっとこのあとも作業がはかどらない。同じ時と場所をともに無益に空費できる、と言えば親しい関係の証かもしれない。ただ、いまのこれはいまいち楽しくない。
もし公然とデートしているなら、このぐらい薄っぺらい会話でも楽しかっただろうか。
「哺乳類がおしっこを引っかけるのは縄張りの主張よ、マーキングって言うでしょ」
「人間と意味合いが違うかぁ」
「想像して興奮しちゃった? 淫乱な素振りでずる賢く誘っているウサギかもしれないわよ」
「こんな近くで尻尾を出すと、ワニだかサメだかに噛まれてしまうぞ」
彼と2人きりのとき、冬優子は言葉や仕草の一つひとつで瀬戸際を一歩いっぽ進んでいる気分になる。踏み外しそうになっても友達がたしなめてくれないので、転ぶか、深みにはまって溺れる。
では彼がたしなめてくれたとする。自分は素直に聞けるだろうか。
「……やってみたら、参考になるかしら」
「どうだろうな」
「おバカさん、なるわけないわよ」
「やってみなければわからない、って気もしてきた」
「うわぁ、ヒいちゃうわよ」
話が無益やくだらないを通り越して有害の域に及んできた気がする。アイドルとプロデューサーという立場でアウトな行為をさんざんしておいて、満足するどころか、おしっこをかけるだのなんだの、いい大人としてもアウトなことまで。何が楽しいのか。自分たちが子供っぽく思える。
「……ヒいちゃうわよ?」
「追いかけるさ」
「ケダモノみたいよ……」
腕を絡めたまま彼にささやく。
彼と出会ってからセックスするまでのあいだに、彼を好きになったら迷惑じゃなかろうか、という瀬戸際にいた時期が確かにあった。
「……よし、やれよ冬優子」
「イヤよ、恥ずかしい」
まだ絡めたままにする。
良識を先に吹っ切るほうが最中は楽しい。後追いで吹っ切るほうが醒めたとき楽、かもしれない。
「どのぐらい恥ずかしいかな」
「うわぁ、信じられない」
彼がイスから腰を上げるか、こちらに腕を回してくるか、それだけに集中する。
捕まってしまってもしょうがなくなった瞬間に逃げ出す。
「……んっ……!?」
イヌはかつて余所者に吠えて噛みつき、ネコはネズミを遠ざけるから飼われた。ウサギはかつて毛皮を剥がれ肉を食べられるために飼われたという。肉体を道具として使われるための動物。そこに逃げ惑う被食者としてのイメージが刻まれている。
逃げるフリをして、冬優子は事務所のフローリングにドタドタ音を立ててしまう。階下のペットショップから苦情が来たら、とちらりと危ぶむ。
「ぴょんぴょん追いかけっこは……イヌやネコと差別化できる点かもな」
「アイデア出てきたわね、いまさら、たったこれだけ」
「じゃあ、もういいかな」
あっさりと狩人に捕まってしまう。
「う、ぅ……プロデューサーさんっ、ふゆぴょんのこと、逃がしてほしいなぁ……」
気を引く、引かれる。演技で相手がどちらに転ぶか。足りなければ流され、やり過ぎれば笑われてしまう。その伸るか反るかが、子供の遊びのように安直に楽しい。
「食べごろのかわいいウサギさんじゃないか」
「きゃんっ……!? あ、ふ、ふぁ……だ、めぇっ」
床に押し倒される――(まぁいいか、どこぞの事務員がうっかり寝てしまって以来、毎日それなりのそうじをされているし)――固くて冷たい感触が新鮮な気分を催す。
彼の手が夏向けの薄いトップスをたくし上げてくる。腰やウエストの柔肌を触られたり見られたりで、肌がじわじわ騒ぐ。この期に及んで人並みに込み上げてくる羞恥心に自分で呆れる。
「ウサギが服を着てたらおかしいかもな」
彼の言い草も探り探りしながら冬優子を挑発してくる――(脱げよ、きょうは着替えを持ってきてないだろ……って言ってるつもり?)――だったらどうなんだという彼への憤りが、脱いであげたらぐちゃぐちゃにしてもらえるという期待とせめぎ合う。
挑発じみた言い方を聞かせて、彼も伸るか反るか楽しんでいるのだろうか。
「そうだ、ウサ耳カチューシャだけは残してもらおうか」
「このヘンタイ、そんなとこ気にして」
彼が茶化した要求を取ってつけて、コアの要求がセックスのままのに、つい流されてしまう。いまなら何があってもメスウサギのフリでごまかせてしまえるかも、ここなら何か漏らしても拭けばだいじょうぶ、などと安直な言い訳が過ぎる。
「……冬優子の服はデリケートなんだよなぁ」
白とピンクのフリル、ブラウス。彼が口ぶりよりは手慣れたふうに脱がせてくれる。あとは黒いリボンや吊りスカート、サイハイソックス。
「いいわ、もう自分で脱ぐ」
「……そういってぴょんぴょん逃げてくれちゃったりして」
「ここまで脱がされたら外に出られないわよ」
自分から脱ぐ。着衣を外していく一動作ごとに体がじりじり熱っぽくなってうるさくてイラ立つ。
「そうか、もうふゆは籠の鳥だな」
ふだん事務所の仲間が仕事の打ち合わせを――雑談や、学生組の宿題も――する場所で、ウサ耳カチューシャ以外すっかり裸になってしまう。裸そのものはプロデューサーの目にさらしたって恥ずかしくない、むしろ眼福にさせてあげている、と自分に言い聞かせる。
準備ならしてきた。一昨日と昨夜と今朝と鏡の前で入念にチェック済みだった。いまグラビア撮影をやれと言われてもどうにかなる。
肌は荒れても焼けてもいないし、下着のあとも最低限に抑えている。ウエストだってベルトなどの締め付けなしにじゅうぶんくびれている。バストやヒップや太ももがむっちりして見えているかもしれないが、どうせ彼なら興奮してくれる。
「ウサギの趣向どこに行ったのよ……んっ……」
対して彼は内勤だけの日に着てくるオフィスカジュアルをまとっている。彼だけ着衣のままで行為に及ぶのは初めてだった。
固くて大きい手、分厚い手のひらが頭、頬、デコルテとなでてくる。つい30分前に頬をつねってきたのと同じ手で同じところを触られているはずなのに、一気に肌が火照ってしまう。
彼の愛玩動物にされた気分が深まる。
「ふ、ふぁっ、あ……あはっ、はっ……」
何度も彼と肌を重ねた記憶が勝手にふつふつ湧き上がる。とっさに彼の指をくわえる。くちびるをもぞもぞさせながら押しつけ、軽く前歯を立てて、手の甲に向かってわざと鼻息を吹いてくすぐってやる。しょっぱい指先に唾液腺がむずつく。爪と指の境目に舌を押しつける。男の手入れされた爪を見て、愛撫のために研がれた凶器か、と邪推するようになったのはこの指のせいだった。
「かわいいふゆぴょんだなぁ……ぅんっ!?」
「ウサギはかじる、って言ったわよ」
もう少し強く歯を立てる。すると、かじっていない側の彼の手が脇腹をくすぐってきてうっかり強く歯を立ててしまう。
彼は痛がりつつも愛撫を止めない。脇腹からアンダーバストに矛先を移して、指先をむにゅむにゅ軽く食いこませてくる。
「ちゅっ……ぢゅる、んぷっ、ちぅううーっ……♥」
「ふゆぴょん、俺の指は食べ物じゃないぞ」
ペットへの呼びかけじみた声でささやかれる。太もものあいだも、へその下までもそわそわ平静を失う。彼にもっと素肌をべったりさせたらどうなることやら。
「ぢゅちゅ、んっ、ふぁ、あ……そろそろ、ちょっとぐらいならマーキングできちゃう、かも、ねっ……はぁっ、ぁう♥」
「……ふゆぴょんの匂いつけたまま帰りの電車とか乗ってしまおうかな」
「止めなさいよそんな迷惑……ぇふ、ぇう、あ、うっ……!」
くちびるから指を解放する。すぐ彼の肩に腕を回して抱きつく。オフィスカジュアルのシャツとスラックスに遠慮なく匂いをこすりつける。とっくにぷっくり張り詰めている乳首も、もっと強くもまれるのを待ち構えていた乳房も、太もものあいだからにじみはじめてしまっているだろう愛液も、押しつける。彼の分厚くちょっと汗臭い胸板に顔を埋めてすぅはぁ呼吸してしまう。
腰砕けにさせられそうな幸福感に襲われる。
「ふゆぴょんはいい匂いがするけど」
「ウサギはあんまり匂わないわよ、臭腺は別として」
「しゅうせん?」
「……話が横道にそれたわ」
彼の首や肩に腕を絡めながら、また乳房を押しつけむにゅ、むにゅと変形させる。いつもの愛撫より優しく物足りなく甘ったるい。でもこれはこれでたまらなくて続けたい。
「ふゆぴょんは甘えん坊だなぁ」
「んっ、あっ♥ はぁ、あ……♥」
彼の手が下りて、冬優子のお尻と太ももの境目周辺をなでてくる。最初だけ優しく、すぐ鷲づかみに、あるいは手首近くまで使ってどしどし按摩したり、指先でくぼみをつうっとなぞってきたりする。
「次があったら、ウサギのしっぽも用意しよう」
「そんなの、あるのかしら……やぁうっ、ん、んんっあぁん……」
「探せばたいてい見つかるよ、いまどき」
この男はその手の品物に詳しくないはずなのに、きっと見つかると信じてしまう。なにせ彼には、東京の雑踏からアイドル候補生を何人か見つけてスカウトしてきた実績がある――(ウサギしっぽつきアナルプラグとか見つけられて入れられるかも……)――早くも尻穴がおののく。
冬優子はときどき、自分がアイドルとして難しくなったらプロデューサーに転向しよう、と考える。そうすればこの男と同僚のままでいられる。少なくともその見込みがある。
いまの彼と同じような仕事をする自分を想像する。いまと同じように彼とセックスできるかわからない。
「はぅぅぅっ、んぅぅぅっ」
「まぁ、それはこんどの話だな。いまは……ふゆぴょんのマーキングもまだだし」
内ももや尻肉には指を広げてじっくり味わうように、背骨に近い腰や外側の太ももには薄肉ごしに神経や骨までくすぐるように、彼が愛撫を繰り返す。場所によってどう変化をつけたらいいか見定めてきた、と手が物語る。
こちらの体も彼にぎゅうぎゅう押しつけなおす。恥丘や膣口が彼のスラックスにこすれてじんとしびれる。まだ手つかずの肛門がきゅっと引き締まってしまう。
「マーキング、って」
「どっちでもいいが、俺の好みで言えばこっちかな」
抱きとめられながら、こんどは静かに床へ押し倒される。太ももを閉じようとして閉じきれない。もうヒザの間に彼が自分の体を割りこませてしまった。逃げようにも期待感に邪魔されて後退りすらできない。
「あ、ちょっ……ま、だっ」
「これからだろう」
言葉と表情と視線で、彼がクンニリングスしてくれるつもりだ、と気づく――(きょう、まだキスしてないのにクンニは……)――抗議がノドの奥で止まる。
「あうっ♥ はぁ……くぅ、う……♥」
ヒザと太ももを手で押さえつけられる。冬優子がかよわい女でプロデューサーが大柄な男といっても、脚と腕の力比べなら、本気で抵抗すればまだどうにかなる。
膣口がひくついて、こぼれた愛液が一筋、肛門や尻肉を伝って床まで垂れてしまう。見ていない冬優子が粘膜と皮膚の触覚でわかったのだから彼から目視できたはずだった。
もう抵抗できない。
「ぷ、ぷろでゅ……そ、そのっ、マーキングってのは、言葉のあやってことで……んはぁあぅっ♥」
「こんなこと言われたらヒかれるかもしれないけど、いま、されてみたい。ふゆぴょんのマーキング」
「いまさら……でも、あの……心の準備、とか……」
「……待てない、頼む」
彼の鼻息が股間のどこかにかかるだけで電流めいた快感が脊髄をぴりぴり細く、しかし確実に奥まで貫く。一瞬かと思いきや、もう一度彼が吸って吐いて追撃。クリトリスに狙いをつけられた、と気づいてしまう。
「そんな……んっ、ふぁぁっ……も、もう、濡れちゃってるでしょ、ふゆので……だめっ、そ、そこっ……んっ、んくっ、ふ……!」
弱い刺激なのに快感が強すぎる。ずるずる、床をぺたぺた後ずさりしようとする。そのあいだにも彼のくちびると膣口と床とを濡らす愛液やらよだれやら汗やらが増える。
「マーキングっておしっこでやるんだろう?」
「……ウサギの習性を単純に人間に当てはめるんじゃありませんっ」
「もう、俺ぁ期待してたんだが」
ついに膣口へキスされてしまう。
「くっ、ふぅぅう……っ!」
クリトリスと尿道口を味蕾で1回ざらりとやられ、背中から首筋まで蕩けながら身震いする――(こんなレイプみたいにされてるのに、チョロすぎるでしょ、私)――他人だったら絶対許せないが、許してしまう。
「はぅ、ほぁっ、はぁっ……ああ、あっ……!」
無防備の秘所にむしゃぶりつかれる。足は閉じるよりも彼の背中に絡みつく。あっというまにタガが緩んで落ちて視界がかすむ。途切れ途切れの悲鳴とともに失禁させられる。
「ぁ、ああっ、う、く、ぐぐ、ふぅううっ……!」
彼に小水を浴びせてしまっている。彼からじゅるるる、と大きな音を立てられながら強く吸われる。恥丘から膣口にかけて大ざっぱな、いつもなら絶対にしない雑な口淫が、ゆるみきった冬優子に格別に響く。
もう手も肩も力が抜ける。がったん、と派手な音を立てて上体も背中から床に崩れ落ちる。せっかく着けたウサ耳カチューシャがズレてしまう。
「冬優子……?」
「あ、あ……み、見ちゃ、だめ、ぇ」
急にクンニが止まる。彼が心配して止めてくれた、とわかっている。
でも顔を上げられたら困る。出し切ってないものが漏れるところを見られてしまう。
「されてみたい、って言ったじゃないか。ふゆぴょんのマーキング」
「だめ、だって……これ以上……怒るわよ、この……あッ♥ おぉ、お……お゛っ……♥」
目が合って、それから彼の視線が冬優子の下半身に戻る。
膣口に指を入れられる。それだけで淡い絶頂が押し寄せて足元をさらわれる。もちろんそれだけでは済ませない、と彼の狙いを理解してしまった。
「ヒかれちゃうかな……ごめんな」
「い、いまは、だめ……んぐ……うっ、あお゛……ぉお゛ッ、い、いっ……っ……♥」
すまなそうな表情と声音のくせに、容赦なくクリトリス裏からGスポットをずるりと1回で捉える。そこが燃えるように熱くて苦しいのに気持ちよくてもっとしてほしい。捉えたまま、もう片方の手が最後通告のようにずぶ濡れの恥丘と陰毛を優しくなでる。何も抵抗できない。クリトリスを指先でかりかりともてあそばれる。
「はぅ、ほぁっ、はぁっ……お゛っ、お゛おぉぉぉぉっ♥」
「おぉおっ……出る、出るわぁ、ぴゅ、ぴゅって」
強すぎる快楽に腰が浮いて逃げる。床から一瞬浮いたところですぐ引き戻され追撃される。腰がまた落ちて床を打って、べちゃん、とすっかり水っぽい感触と音がする。一瞬だけ羞恥がぶり返し、すぐ快楽に塗りつぶされる。
「っくイ、グイ……! あ゛あっイグ……ま、またっ、あ゛、あ゛っ……ぉ……♥」
「冬優子が手コキとかしてくれるとき、もしかして、こういう気分……だったらいいんだが」
いつも奥まで貫かれているのに比べたら、ほんの入り口を責められているだけなのに、脳天までずきずき響く。
「ん゛ぁ……♥ だ、ぇ、ま、らぁ……ぉ、う……お゛おぉぉぉっ……♥」
「味見もさせてもらうよ」
「ぇ、ぉ……や、ぁ……ぅう、ぅううぅ……」
彼のいつものクンニならもっと前から知っている。漏らしているところを彼の舌でなめられた、とはっきり認識できてしまう。羞恥と興奮でノドまで詰まって脳がくらくら揺らぐ。その無防備なまま、1回、2回、3回、当たり前に絶頂させられる。お腹が膣奥まできゅうきゅうともだえて、尿か愛液か潮かよくわからないものがじょろ、じょろと絞られるように滴る。
「……うん、まぁ、冬優子の味だと思えば」
「ば、か……ぅ……おいし、かったら、おかし、ぃ……」
プロデューサーが笑った。調べ物のときの苦笑いと大違いの、無邪気ないたずらっ子の笑い。
アイドルとプロデューサーという立場ですでにアウトなことをさんざんしておいて、満足するどころか、いい大人としてアウトな領域にまで一緒に踏みこもうとしている。何がそんなに楽しいのか。
わからないまま、冬優子もおかしくてたまらなくなって笑った。クンニでさんざん引き攣らされたお腹が痛んで悲鳴を上げた。
「人のおしっこ飲んで興奮するなんて……あんたヘンタイだったのね」
「こんなの冬優子相手だけだよ」
「その言い訳を他の人にも言える?」
冬優子はどうにか床から身を起こす。さっきと逆に、尻もちを突いたふうな体勢を彼へとらせる。両足の間に体をねじこみ股間を無防備にさせる。
ベルトを緩めてやり、股間部分が内側から突っ張られたスラックスも下着も開いたりずらしたりして、手早く勃起ペニスを露出させる。
「冬優子……ぅ、ぉ……」
指で触れるととても熱い。彼が指をひんやり感じているかも、と目配りする。
「ふふ、変わったニンジンね~、ヌルヌルして、アツアツで」
くだらなくて醒められちゃうかも、と心配するギリギリのセリフを聞かせる。半笑いを返される。
カリ首と竿に絡めた指に力を入れたり抜いたりしてにぎにぎしてやる。すでに亀頭以下すっかり先走りでヌルヌルしているのに、鈴口からぷく、と新しく透明な雫がふくらんで垂れ落ちて冬優子を微笑ませる。
「味は……知ってるからいいわ」
「ションベン出ちゃったらどうする」
「おっきくしてるときは出ないでしょ」
前に乗り出す。彼の瞳の奥まで覗きこむように視線を投げながら、乳房で彼にのしかかる。ペニスを谷間で挟んで両側から圧迫する。
「う、ぉ、く……きょうは、おっぱいを押しつけてくれる日かな……」
「ふぅ〜っ……ふぅ〜っ……」
「うわっ、それくすぐったい……はあううっ……!?」
「ウサギは息が荒いんですーっ……まぁ、確か、その、それなりに?」
くちびるをすぼめて、彼の首筋に向けてふぅふぅと吐息を飛ばしくすぐってやる。まだシャツで覆われている胸板や肩も、布越しにうかがえるほど露骨にびくりと引きつる。ついさっきは冬優子の体などいくらでも支えてやると言わんばかりだったくせに、とギャップでまた笑えてしまう。
「あーあ、汚れちゃったわね、匂いも……その格好で家まで帰るつもりなんて、冗談よね?」
「……俺も恥ずかしい思いをしたほうが、バランスがいい気がして……ふぁ、ほ、ぉおっ!?」
「ふゆの恥も同時にさらされちゃあね」
冬優子のバストは、もし彼の手に委ねたとしたら、片手で片乳ずつあっさりすっぽり覆われてしまう。彼のヘソまで届くほど勃起したペニスにパイズリしていると、どうしてもカリ首から先がはみ出てしまう。
「はい、これから敏感なところを集中攻撃しちゃいます」
「ぐあっ……それ、ふゆ……すごっ……」
「そのつもりですから〜」
根本から徐々にパイズリの焦点を上げる。亀頭周りだけすっぽり覆ってから、むぎゅむぎゅ、ずりゅずりゅ、自分の乳房に痛みがくるほど強くもみくちゃにする。
「はうぅっくぅっ!?」
「プロデューサーさんは人間さんですからねー、白いおしっこでふゆぴょんにマーキングなんて、しませんよねー」
「あ、あっ……は、ァ……それは、その……く、うぁああ、はぁー、はぁあ……っ」
左右から乳肉を押しつけ亀頭をみっちり包む。谷間から覗く鈴口がヒクつき、また新しい先走りがたらたらあふれる。乳肉でホールドしながらいったん止まって、ヘビのように舌先をチラつかせる。舐められるかも、という気配だけで彼には響くのか、ペニスや腹筋が動揺する。
「ふ、ふぁうっ、あ……ふ、冬優子……」
「ふゆぴょんのおっぱい、気持ちいいですかぁ♥」
プロデューサーがいつも仕事のとき先にいろいろしてくれる。Straylight全体の企画、当座の仕事の調整ももっと先の方針も、たぶん生産性ゼロのウサギイメージの調べ物まで。彼のおかげで冬優子たちはレッスンやパフォーマンスに専念できる。その役割分担でだいたいうまくやってきた。
ほんの少し、自分がリードしてもいいじゃないか、と思う。それがセックスとなると、やましい優越感も味わえてしまう。
「き、きもちいい……ウサギは関係なさそうだけど……」
「あはは、いまさらっ」
胸元で亀頭と乳首が触れ合う。乳首が固くなっているのを誇示するように強めにこすりつける。乳房から背筋を通って脳天までしびれる。むにゅむにゅ、と亀頭に波及するように乳房を自分からもむ。彼の視線もペニスも期待通りに反応する。
「冬優子ぉ……ぅうぁっあ、ぅ、ッあ!!」」
「出ちゃいそうですかぁ? ふふ、いけないニンジンさんですねぇ」
大げさに小首をかしげる。着けている赤いウサ耳カチューシャがあざとく揺れたはずだ。少しおどけて興奮を緩める。まだ射精させてやらない。もっとリードさせてほしい。まだまだイかせたくない。もっともっと味わいたい。
「……ちょ~っとだけ、手加減、してあげますっ」
責めを変化させる。乳房を両ひじで圧迫してペニスをホールドしながら、手首をひらひらさせる。予備動作で挑発したあと指先で亀頭をくりくり、ぬりゅぬりゅとくすぐる。彼が勃起ペニスを跳ねさせ、先走りをまきちらしつつも必死で声を殺している。床に突かれて彼を支えている手が握りしめられて強張っているようすも見る。さっき自分を骨抜きに仕掛けた彼の手が。
溜飲以上のものがべっとり下がってしまう。
「ふふ……がまんしちゃってますね、プロデューサーさんっ」
「は、ぁっあ……ああ……これは、体の、毒かも、な……」
この彼の痴態と、明日になれば事務所で平然と仕事をしているはずの彼と、かけ離れているはずの姿がオーバーラップしてくる。事務所の面々にいまの彼を見せつけてやりたい。叶ったらすべて終わってしまう願いがずきずき疼く。
「じゃあ、もう止めておきます? ふゆぴょん、プロデューサーさんにはいつも元気でいてほしいから……」
「そんなぁ、狂ってしまうよ」
事務所でセックスにふけっているという冗談じみた行動が本気のものなら、それを止めておこうかというまともな提案が冗談にひっくり返る。
沈黙で焦らしたあと、ずぶ濡れの亀頭と竿によだれを垂らす。それだけで彼のノド仏がごくりと動く。
「じゃあ、狂っちゃえ♥」
「それ、ぇあ、あっ、う、あっ!?」
焦らすパイズリから追いこむパイズリに切り替える。みっちりペニスを挟んだまま腕も胴体も揺らして不規則に無茶苦茶に弾力と摩擦で襲いかかる――(手コキやフェラに比べたら繊細にはできないけど……おっぱいだからできるやり方もあるっ)――よだれも汗も先走りも混ざって泡立って床まで濡らしている。自分の失禁とぴちゃぴちゃ混ざったら彼も一緒、と勝手な理屈が浮かんで消える。
「えいっ、えいっ♥」
「あ、うぁ……!」
射精らしく腰が浮くのを察する。のしかかって逃さないよう押さえつける。自分の股間まで火照ってしまってこっそり太ももをこすり合わせる。
彼が必死に耐えるのが愉快だ。あの彼の手が助けを求めるように床をのたうつ。事務所という職場で射精させられるなんて、と思う理性と本能のせめぎ合いが目でも耳でも肌でも感じられる。
その葛藤がいとおしいし、ばかばかしい――(あんな、ただふゆが休みでも顔を合わせたいってだけなの見え見えの名目で呼ばれてノコノコやってきておいてっ)――もっと、この事務所で、自分だけが知る彼を増やしたい。
「あ、ああああっ!!」
「たまらないでしょっ」
彼があえなく絶頂しそうな寸前、パイズリを急に止めてパッとペニスを解放する。完全に虚を突かれた彼の表情を見ながら、ぱっくり口を開けて亀頭を再度とらえる。
「ああ、ダメだ、冬優子、イクっ……!!」
びゅるっ、びゅるっ、と噴きだす精液を舌裏で受け止める。頬や口蓋まであふれる。ウサギのおしっこよりよっぽど生臭い彼の、本来なら次世代をつなぐための子種が、ただの排泄物に成り下がる。
「んぢゅ、く、う、ぁふ、んんくっ、こくっ」
口元をぬぐいながら、飲み下すときのノドもデコルテも見せつける。あざとすぎるかな、と迷い混じりの仕草だったが、どうやら目の前のオスの意識を釘付けできたようだ。情けなく肩で息をしながらこちらを見つめている。
「ふ、ぅ、はぁ……もう、あんたも脱ぎなさい、いまから洗っておけば乾くわ」
「……洗うって、何で」
「もみ洗いでいいでしょ、あとは夏の日差しに……何よ、この格好で干しに出るわけないでしょ」
冬優子は彼のオフィスカジュアルを脱がせて奪い取って、自分の匂いがついてしまったところだけ濡らしてもんでシミ抜きのように汚れを落としてやるつもりだった。彼を待たせるのが楽しくなって、思ったよりずぶ濡れにしてしまった。
※
「ふふふっ、事務所で裸って、やっぱりおかしいわよね~」
「ツッコミ待ちかな……また床で?」
「ケダモノはベッドもソファもきっと使わないでしょ」
冬優子が洗濯している間、裸のままの彼が床用ワイパーか何かできれいに拭いたらしき床に、また彼を寝かせる。あお向けで、さすがにくったり脱力しているペニスにそのまままたがる。
「ちょっ、冬優子っ」
「入れないわよ、まだゴムも着けてないし……でも、手コキもフェラもパイズリもさっきやったから……♥」
洗っているあいだに乾いてぺたぺたしてきた膣口を、あえて竿にぐっと押しつけこすりつける。
彼と向き合うように彼の腰を太ももでまたいで、ヒザでぐっと挟む。ヒザ頭が床に当たってこれから痛いかも、と一瞬だけ気にする。。
困惑する彼をよそに、こめかみに親指を当てて手のひらを彼に向ける。
「ふゆぴょんがぴょんぴょんして元気にしてあげるぴょんっ♥」
「お、おう……よろしく頼む」
ふだんなら恥ずかしくて要求されても絶対にやらないことをあえて自分からやる。あくまでメスウサギの体裁なら冬優子のボーダーを踏み越えられる。
彼の腰を脚で挟み直し、柔らかいペニスに自分の陰唇をそっと押し当てる。性感より羞恥で頬が熱くなる。
「ふぁ、あ、んんっ!? なに、またおっぱい……?」
「そうやって腋を開くと、けっこう印象変わるよな、おっぱいって」
「……こっちも好きでしょ、プロデューサーは」
「通じているようでうれしいな」
「ばかねぇ」
すると彼が乳房に触れてくる。手つきが素股と同じぐらいそっと控えめな加減だった。何がおかしいというわけでもないのに顔がにんまり笑ってしまう。
「……いいわ、このまま始めますっ」
ぴょん、ぴょんと声を掛けつつ腰を上下に揺らして、膣口でペニスを刺激しはじめる。初めての素股で――(まぁ、騎乗位とか、太ももコキなら、やってやったこともあるし、どうにか……出たとこ勝負っ)――想定外の刺激に見舞われる。
「きゃんっ……!? あ、ふ、ふ……ぴょん、ぴょんっ♥」
「冬優子……ぉ、おおっ……!」
刺激がまったく物足りないけど、照れくさくて物珍しくて気分が浮つく。彼も同感のようで勃起をむくむく復活させつつ、乳房をゆったりもんで応じてくれる。手のひらの真ん中で乳輪がこすれてじんわり心地良い。
「プロデューサーさんったら……ウサギさんのふゆぴょん、お気に召されたようでっ」
「あぁ……かわいい、ふゆぴょんかわいいっ!」
「うわ、あんたのセンス、ちょっと疑いたくなっちゃったわ……っきゃんんっ♥」
「ほら、かわいい」
「ひゃんっ、あ、あっ……はぁっ! も、もうっ、ふゆぴょんで遊ばないでっ♥」
パンッ、パンッ、と肉のぶつかる音が響く。騎乗位より勢いよく動いてしまえる。勃起してきた亀頭がへそにぐいぐいこすれて2人で悶絶する――(ウサギってそういえば刺激排卵だっけ……ふゆったら、何考えてっ)――上体を前に倒して彼に覆いかぶさる。
「う、ぉ、ぅう、くっ!?」
「ぁは、おちんちん熱くて硬いの、外からぐりぐりって……♥」
彼の首筋の匂いをかぎながら甘くささやく。股に加えてウエストから恥丘にかけても使ってペニスをしごいている格好になる――(こっちのがヒザは楽、だけどぴょんぴょんできないわね……)――ポルチオで感じすぎるから彼にウエストへの愛撫を禁止したことが、ずいぶん昔に思える。
「ねぇ、ねぇ……もう、できちゃいます? おちんちん、すっごいし……」
「う、ぐ――はぁぅう……! 冬優子……っ……」
「とっても気持ちよさそうな顔してる……これからしばらく、ふゆぴょんでしてあげましょうか」
「え、それは」
「ふゆぴょん、プロデューサーさんともっと仲良くしたいです……♥」
「……冬優子の中に入れたい」
「やぁだっ、ふゆぴょん、もうおしまいなんてさびしいですっ、まだぁ……んんんっ」
彼の手が乳房から離れて、腕が冬優子を押し倒してくる。かと思えば片方の腕は、すぐそばに置いてあったゴムの個包装を探している。彼がよそ見したままつかもうとして2回仕損じて、どれだけ急いているのかと笑ってしまう。
「あは、あははっ、早くしないと、ふゆぴょん逃げちゃいますよーっ」
足音を立てる前に足首を捕まえられてしまう。弾みでウサ耳カチューシャが床へ落ちて、かつんと乾いた音が響く。
「あとで、ふゆぴょんのためのウサ耳と、あとしっぽも選びに行こうな」
「……いちばん、かわいいのが、ほしいですっ♥」
「よし、これはもうおしまい」
プロデューサーが赤いウサ耳カチューシャをつまんで、手の届かないところに放る――(あれ夏葉さんが着けてたものでしょ、ひどい扱いね……ふゆのほうがひどく扱ってたわ)――遠くからかつん、かつんとまた乾いた音が聞こえた。
「ふゆぴょん、バックだよ」
「け、ケダモノって感じ、しちゃう……あっ、くる、くるくるっ♪ あぅ……はっ、お゙……っ……♥」
「ふゆぴょんの中、最高だな……入れただけで出そうになる……!」
彼が中ほどまでペニスを挿入して、数呼吸、動きを止めたままでいる。自分の膣肉がどんどんなじんで高まるのを感じる。気持ちいいだけじゃなくて恥ずかしくて苦しくて怖いぐらいなのに、性懲りもなく求めてしまう。
「はぁ、はぁ……ぁあ、ああぁ……プロデューサー、さぁん……」
わずかにペニスを手前に引かれて、奥まで戻され、往復だけでくちゅくちゅ鳴るほど愛液が分泌されてカリ首で掻き出される。四つん這いのまま冬優子の上体が勝手に揺れる。
「冬優子……あ、ふゆぴょん、脚閉じて」
「だ、だめ、それっ」
「閉じて」
バックで貫かれたまま、腕力で脚を閉じさせられる。形だけの抵抗すら放棄する。膣とペニスとの密着感がみっちり増して冬優子の脳内に火花が散る。膣肉がびくびく痙攣して止められない。
「っく……あぁあぁ……よし、いい子だ、ふゆぴょんっ」
「こ、こんな、の……んっ、んンっ……ふ、んっ……!!」
彼も増した密着感を味わうように、じっくりペニスを動かす。カリ首が壁を削り、亀頭が奥の奥へと到達する。ケダモノに生まれ変わりたくなるほどの陶酔が打ちのめしてくる。腰だけ高く掲げたまま、肩と頭がべったり床にへたりこんでしまう。だらしなく頬を床にぺったりつけるとひんやりして素朴に気持ちいい。
「ふゆぴょん、しっかりして」
「ん、ぅ、はあっ……は、あっ……んあっぁっ、あひっ! ぉっ……お゙!」
彼に両手首を捕まれ後ろに引っぱられて、むりやり上体を起こされ反らされる。より強く深くポルチオを叩かれ、どろどろとした恍惚に身も心も揺さぶられる。
「あぁ……ぅ、あぁぁ……♥」
「ふゆぴょん……冬優子」
「ぅ、ぅう、ふ……そぇ、や、ば……」
さすがに彼がちょっと心配してくれている。その実は頭からっぽの幸福感でたまらない、とバレたらどうしよう。砂粒ほどの理性さえ――(ひ、ヒかれちゃうかしら、こんどこそ……)――彼とセックスの続きばかり気にしている。
「冬優子……」
「はっ……ひ、っ……! ふ、ふふっ、ふゆぴょん、気持ち良すぎて、ちょっと、トんじゃったかも……♥ ああきゅっ!?」
「あーもうかわいすぎるんだよぉっ!」
冬優子の手首をつかんでいた彼の手が一瞬だけ離れて、彼女の二の腕、肩をつかむ。爪痕を残されながら体を起こされ、膣奥まで貫いていたペニスがぐりぐり膣壁を刺激しつつ角度を変える。まぶしすぎる快楽に全身が震える。床についたままのヒザががたがた音を立ててそのあいだにびちゃびちゃ何かが滴り落ちる。自分が、きょう事務所に向かう途中うらめしく思った夏の太陽より近くて熱くまぶしくされて、燃え尽きてしまう。
「はぅ、ほぁっ、はぁっ……ぷろでゅ……もっとぉ、もっとぉ……ねえ゙ッ!」
「やばいとか言ってたくせに……はははっ」
胸や頭に近いところで支えてもらうと、一気に安心感が戻って来る。背後の彼にすっかり寄りかかれる。羽交い締めかと思うほど強く抱きしめてくれる。もうどれだけ快楽にジタバタしても逃さないでいてくれる。きっといまイキ死んでもこの世に引き戻されて、もう一度彼にわからせてもらえる。何度でもわからせてほしい。
「ぉ、おく……あぁあぁ……くひゅ、くぅっ、う゛…んあっ、あ゛っ♥」
「中が、すごくいい……逃さないぞ……もうぴょんぴょんもできないなぁ……!」
「ひゃっふっ!? こらっ、わらわ、せ……ぅ、ッ……ほぉ……!」
「こら、逃さないって言っただろっ」
ふだんならプッと吹き出すぐらいの笑いが、そのごく僅かな引き攣りが、いま足されると飛び跳ねそうなほどの快楽につながってしまう。彼の腕の中でジタバタしてまた抱きしめ直される。しかも彼がペニスで奥をこつこつ責めながら、両手を伸ばして乳房をぎゅうっと握ってくる。
「ぎゃっ、ああ、あ……あ゛っ……お゛ぉ゛ォ……♥」
「断末魔みたいだな……」
「ぉ……や、やら゙ぁっ、ふゆぴょん、しんじゃうのやぁ……」
「……窒息はしないはず……うん、しないようにする」
いま窒息以外で死にそうなのに、そんな戯言を彼から耳元で脳内に流しこまれる。しかし声音が真剣で――(はい、はい、こういうとき、こういうこというの、こいつ……♥)――いま溺れさせられている快感もこれから溺れさせてもらえる快楽の予感も一緒くたになって冬優子をのぼせさせる。
「えへ、えへへっ……げっほ、ごほっ……ふぅぅう、ふーっ……ふ、ふゆぴょん、プロデューサーに、食べられちゃう……♥」
「おいしそうなふゆぴょん、かわいそうに、ケダモノにむしゃむしゃ食べられてしまうんだ」
「うぅうぅ、かわいそうなんです……悲しいから、ふゆぴょんの耳としっぽ買って♥」
「はぁい、もちろん」
「ふひゅ、そ、そぇ、だめ、だ、めぇ……っくイ、グイ……! あ゛あっイグ……ま、またっ、あ゛、あ゛っ♥」
ヒザ立ちで固められながらのバックは初めてだった。四つん這いのバックや寝バックよりふらふらする。立ちバックより姿勢が保ちやすい気もする。深く濃い絶頂がずぶずぶ何度も訪れて、何もかも融けてびちゃびちゃ股のあいだから漏らす。顔から涙かよだれか悲鳴としても漏らす。
「……やばいな、クセになりそう」
「ひっ、い……ふぁっ、ひ、ぁ、ぅうぅあっ……!」
彼が冬優子の胸や腰を抱きしめる腕力がさらに強まる。ぐいぐいと腰を押し出してペニスが膣奥まで蹂躙してきて、下腹部の奥がひくひく泣きじゃくりながら絶頂する。
「あ゛ぅ゛……♥ ん゛あぅ゛ぅ゛……♥」
まだ彼は容赦しないでくれる。抽送の勢いに任せて乳房を揉む手が滑って、脇腹をかすめて、戦慄する。
「お゛っ、ほぉぉおっ――ぐ、んん……お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛……♥」
「冬優子、ごめん、どうしても、そこ……あぁ、ぅう……!」
ペニスで内側から、手で外側から子宮口を責め立てられ、なすすべもなく達する。アクメの中でさらにアクメさせられる。喘ぎ声が濁るのもふゆぴょんを演じられないのも、どうしようもない。彼も燃え上がっているとは感じ取れた。これ以上を望んだら幸せで壊れてしまうと思った。
「冬優子……ごめん、もう、出る……!」
そんな調子の冬優子に深みまで押し入っている彼が、無事で済むはずもなく。
「ん、ぶ……うぅ……あぁあぁ……!」
射精を感じる。ゴムごしだろうと、ペニスや腰や腕や息遣いや、とにかくいろいろで知らせてくれて、いくらうれしい反応でもうるさいぐらいだった。
「ふ、ふ、ゅ……たべられ……ちゃった……へ、ぇへ……♥」
射精後も彼に抱きしめられたままで――(……たって、られ、なくても、いい……?)――気が抜けた拍子に意識が飛んでしまった。
※
目覚めて、まず汗を拭った。次に事務所の救急箱を開けて軟膏を拝借した。ヒジやヒザが床と擦れたり、爪や歯型で赤くなったところに塗り合うと、だいぶ減ってしまって苦笑いし合った。
冬優子は脱いでいた着衣を着直した。
「こんどはあんたがふゆにおしっこ引っかけてみなさいよ」
「……ヒくなよ」
プロデューサーが嫌がるか応じるかげんなりしながら日和った。そう冬優子には聞こえた。
「ふふふ、ヒくに決まってるでしょ、よろこんだらヘンタイよ」
「あのなぁ」
換気ついでに、生乾きのプロデューサーのスラックスを外に干した。夕焼けの色で胸が締めつけられた。夕方でもむわむわする暑気がうんざりさせて寂寥感を紛らわしてくれた。
「なぁに、ふゆにおしっこ引っかけられ……引っかけてみろって言った時点でアンタはヘンタイよ」
「それは否定できないが……」
シャツとパンツだけの彼が、窓際の冬優子に恨めしげな視線を寄越していた。
「万が一ふゆ以外に言ったら……ふふふっ」
「ふゆぴょんはセーフでいいよな?」
「……さぁねっ」
「サーキュレーター出すからそれで乾かせば」
「あはは、気づいちゃったか、はいはい」
後日、冬優子は七草はづきから言葉をかけられ――『ペットショップの人から聞いたんです、このあいだ誰もいないはずの事務所に物音がした、と……ええ、動物たちがいるのに響いて聞こえるぐらいドタドタって……』『ど、泥棒ですかっ、怖い……!』『ああ、でも泥棒とかの形跡はなくて』『……まさか幽霊?』『うふふ、夏らしい連想で……カメラとか盗聴器を仕掛けられていないか、いちおうチェックしておきましたよ~』――呼吸が止まるほど身震いさせられた。
(おしまい)