しかも、転生先は攻略対象ですらないモブキャラの女子生徒。
舞台は、百人ものヒロインが登場するハーレム系恋愛ゲーム『俺の学園生活はモテすぎて困る』。
主人公の蓮を中心に、数多くのヒロインたちが繰り広げる恋愛模様。 そんなゲームの世界で、僕はモブとして平穏な学園生活を送るつもりだった。
だからこそ、主人公の蓮とは極力関わらないようにしていたのに……。
「なんで僕のところに来るんだよ!?」
これは、攻略対象ではないはずの元男の女子生徒が、なぜか主人公に気に入られてしまうお話。
どうしてこうなった???
いや、ほんとに。第一弾を書き始めたときは、第四弾まで続くなんて思ってもいなかったんですよ。
いやはや、これも読んでくださった皆様のおかげです!UAにお気に入り、さらには評価までいただき、本当にありがとうございます!
第三弾もUA一万超えていて……えっ、そんなに読んでくれたの???マジで???(;゚Д゚)いやもう、ビックリ仰天ファイナルスティックボンバーですよ!!
……というわけで、感謝と勢いのままに第四弾を書くことに決めました!
ちなみに今回も、書きたいシーンが先に浮かんだはいいものの、いざ文章にしてみるとこれが難しい。
他の人のエロ小説やエロ漫画なんかも参考にしながら、ああでもない、こうでもないと試行錯誤しております。作品を読んで楽しむのと、自分で文章にするのとでは、やっぱり勝手が違いますね……。
そんなこんなで書き上げた第四弾。今回も温かい目で読んでいただけると嬉しいです!それでは、どうぞ!
パンッ♡パンッ♡と乾いた音に混じって、ぐぶっ♡ぐぽっ♡と粘つくような卑猥な音が響く。奥の大事な場所を突かれるたびに漏れる、プシャ♡プシャッ♡と水の弾ける音。でも僕は、そんな音が自分から出ていることを気にする余裕もなくて。
「あ゙ッ♡あ゙♡あ゙あ♡お…おォ——♡♡♡」
「奥突かれて下品アクメするの癖になったね……俺に抱かれてエッチになる先輩、ずっと見てたい……」
腰を掴まれたまま後ろから何度も……何度も突き上げられる。僕の身体はまともに動かすこともできなくて、枕に顔を押し付けても息を整える余裕すらない。快感に耐えようとシーツを握りしめた手も、今はただ揺れに合わせてシーツの上を滑ってるだけ。
ぐちゅっ♡ぐちゅっ♡ギュンッ♡ギュ——ッ♡
「先輩、最っ高……♡中が抜かせないよう吸い付いてくる…」
「…も、むり…っ♡ …あたま、おかしくなるっ……♡」
そう言いながらも、僕の
ヘコッ♡ヘコッ♡パチュ♡パチュッ♡パチュッ♡
「でも先輩、自分で腰動かしてチ〇ポねだってるの気づいてる?」
「ひぅっ♡う、そ…っ♡ちが、ちがう……っ♡こんな、勝手にうごいっ……あ゙っ♡あ゙ぁ♡」
「勝手に?先輩の体が勝手に俺の締めつけてるって言うの?エロすぎでしょ」
違うと言いたいのに、喉から出るのは喘ぎ声ばかり。首をぶるぶると振るのが精一杯で、そんな必死な否定さえ彼には伝わらない。だって僕の身体は降りてきた子宮をぐりゅ♡ぐりゅ♡と押し返されて。彼の言う通り、もっとなんておねだりしてるみたいに、きゅっと締めつけてるのだから。
「あ゙ぁっ♡そこ、らめ……っ♡だめなのにぃ……♡」
「また嘘ついた。先輩、自分がどんな音出してるか、分かってる?」
耳元でそう囁かれ、ぞくりと背筋が震える。低く囁かれたその声は、普段よりもずっと色っぽくて。耳に残る響きと、込み上げてくる恥ずかしさに、頭の中が真っ白になる。僕は真っ赤になった顔を隠すように、ただシーツに顔を押しつけることしかできなくて。
ぱん♡ぱんっ♡ぱんっ♡じゅぷっ♡じゅぽッ♡
ぐちゅっ♡ぐちゅっ♡プシャッ♡プシャ——ッ♡
「ねえ、聞こえてる?先輩から出てるエッチな音」
「あ゙っ♡や……っ♡き、聞くなぁ……あっ♡」
「無理だよ、こんなに可愛い声出しといて。ね、先輩のとろけたとこもっと見せて」
腰を掴む手にぐっと力が込められ、最奥をぎゅっと押し潰される。びくんっ♡と身体が跳ね、視界が白く滲んだ。何度達しても、もう出るものなんてないはずなのに、身体はまだ足りないと訴えるように痙攣していた。
「先輩、今日一日で何回イッたか覚えてる?」
「そん、なの…おぼ、えて……ない……っ♡もう、わかんない……♡」
「俺も、十回を超えたあたりで数えるのやめちゃった……先輩が俺のことでいっぱいになってくれるの、嬉しいな」
パチュンッ♡パチュンッ♡パチュンッ♡
リズムがどんどん速くなる。もう限界だって、さっきから何度も言っているのに。身体の芯が痺れて、頭の中が真っ白になっていく。彼に手を取られて……シーツを握っていた手を引き剥がされ、そのまま指を交差させるようにして、ぎゅっと握られる。
「あ゙っ♡あ゙ぁっ♡また、きちゃ……っ♡」
「俺もイキそう……また一緒にイコっか……っ」
ビクンッ♡ビクビクッ♡プシャ♡プシャ——ッ♡
ドォチュン♡ドピュ♡ドプゥッ♡ドピュ——ウ♡
全力で腰を打ち付けられて、ドピュ♡って胎内で熱いものが弾ける。彼のモノから勢いよく、精液の濁流が子宮へと……注がれる感覚に、僕の喉から情けない声が漏れた。
「あ゙……っ♡なか、あつ……♡」
「はぁ……っ、先輩……全部、出た……」
覆い被さったまま、彼の荒い息が僕の耳元にあたる。まだ繋がったままのところが、ビク♡ビクッ♡と脈打ってる。達した後の敏感な肉壁が、彼の熱を一滴残らず搾り取ろうとするみたいに収縮を繰り返して。
「……は、は……っ♡」
意識が、白く溶けていく。身体の芯からとろけていくような感覚に、指先までびくびくと痙攣してる。ぶぽっ♡と彼のモノ引き抜かれる感覚さえ遠くて。どろり♡と垂れる感触も、もう僕のものじゃないみたくて。ただ気持ちよかったという余韻だけが、身体に残ってた。
——なんで、こんなことになったんだっけ。
ぼんやりと霞む視界の向こうで、天井の照明がにじんで見える。なのに頭の奥だけが妙に冴えて、どうでもいい記憶を引っ張り出してくる。僕はふと昔のことを思い出していた。
♡ ♡ ♡
結論を言えば、僕はどうやらエロゲーの世界に転生したらしい。
『俺の学園生活はモテすぎて困る』——通称、『俺モテ』なんて略されるバカゲーだ。
よくあるギャルゲーと同じく、選択肢によって様々なヒロインの中から一人を攻略していくゲームなんだけど、さすがは数あるR18作品の中でもバカゲーと言われるだけあって、必ずハーレムエンドを迎える。
しかも、ヒロインの数はそこらへんのエロゲーじゃまずお目にかかれない100人という、頭のおかしい数字。おかげで喘ぎ声のボイスまで使い回しだし、髪色と顔をちょっと変えただけのキャラまでいる。もはやヒロインというより、量産型と呼んだほうが正しい気さえする。
ただ、クソゲーというには少し違う。爆発的な人気があったわけではないけど、エロスチルはそれぞれのシチュエーションに合わせて各キャラ一つずつあって、修羅場なんてものは存在しないし、ヒロインの好感度は勝手に上がっていくから面倒なご機嫌取りイベントを消化しなくていいし、軽い気持ちで遊べるエロゲーで、まさにエロゲーの入門って感じで遊びやすかった。それに100人もヒロインがいれば、気にいる容姿かつ好きな属性の子が一人はいるわけで、前世の僕もオカズとしてよくお世話になってた。
ここまで聞いた紳士諸君がいたなら、「エロゲーに転生できたなら、むしろ美味しいじゃん」と、僕を叩くことだろう。もちろん僕も主人公に転生していたならそう思っていただろう。けど、そんなエロゲーの世界に転生した僕は、主人公でも無ければ、モブ男子でもなくて。まさかのTSで、攻略対象のヒロインでもない……まさにただのモブ女子Aに転生した。
ピンクや黄色、緑に銀、そんなカラフルなヒロインたちの髪色に比べて、僕の髪は地味な紺色のセミロング。宝石みたいな赤や青、ヴァイオレットの瞳が並ぶ中、僕の瞳はくすんだ灰色。エロゲーにしては胸も尻も身長も平均的で、どこか影のある文学少女、といった雰囲気の目立たないモブが今の僕。
ただ、この圧倒的なモブ感を、僕は幸運だと思っている。顔の造形自体はエロゲーだけあって、前世の世界なら間違いなく可愛い部類だし、華やかな見た目をしている方が主人公に目をつけられる可能性は高い。誰が好き好んで男なんぞに掘られなきゃいけないのか。主人公に攻略なんてされたくないし、僕から好きになることもない。
幸い、エロゲーの知識はある。主人公のエロイベントに参加しなければいいし、学年も違うんだから、適当に過ごしていればモブなんか気にも留めないだろう。この進学校を卒業して、後は悠々自適なエリート人生を送るんだ。そう、完璧な計画だった……あの日、彼に目をつけられるまでは。
ゲームの舞台であり、僕が通う学校でもある『
とはいえ、長年の女子校というイメージは根強く、高等部から入学した男子は主人公ただ一人。なんも問題解決できてないじゃん、とツッコミたくなるけど、かくして主人公は女の花園に放り込まれることになった……というのが、ゲームの導入だ。
正確に言えば、中等部には男子生徒も何人か入学しているのだが、高等部に男子生徒は彼しかいない。しかも、さすがエロゲーの主人公と言うべきか、顔良し、スタイル良し、声良しの三拍子揃った完璧イケメンときている。男性に免疫のない女子たちがそんな超人を見れば、放っておくはずもない。入学初日から彼の周囲には自然と人の輪ができていた。
そして、その波は僕たち二年生や、その上の三年生にまで波及してきて。僕は同級生の美咲に半ば強引に手を引かれ、一年生の校舎へと続く渡り廊下を歩いていた。
「ねえねえ、聞いた?一年にすっごいイケメンが入学したんだって!しかも男子はその子だけなんだってよ」
美咲はそう言って、まるで自分のことのように興奮している。ピンクがかった茶髪を揺らしながら、僕の腕をぎゅっと掴んで離さない。
「……知ってる。入学式のときから話題になってたよ」
「そうそう!でね、今からその人に会いに行こうと思うんだけど、詩織も気になるよね?」
詩織——それが僕の名前だ。地味なモブ女子Aに転生した僕につけられた、お似合いのどこにでもいそうな名前。
美咲は僕と同じモブ女子Bであり、数少ない友人の一人だ。こうしてたまに昼食を一緒に食べたりする仲なんだけど、彼女はミーハーな話が大好きで、僕の「目立たず静かに生きる」という計画とは相容れないこともしばしば。
そして現在、僕はそんな美咲に半ば強引に手を引かれ、主人公のもとへと連れていかれているというわけで。
「いや、私はいいよ……人混み苦手だし」
「なに言ってんの!こんな機会めったにないんだよ?高等部のイケメンなんて、二年じゃお目にかかれないんだから!」
美咲の目はキラキラと輝いている。どうやら僕の意思なんて微塵も興味ないらしい。
前世の知識で言えば、あのイケメンはまさにエロゲーの主人公、『俺モテ』の中心人物。関わらないに越したことはないのに、美咲のこの勢いを止めるのは無理。案の定、僕の抵抗も虚しく、気づけば中庭に面した高等部の校舎の一角まで連れてこられた。
普段は生徒たちが行き交うだけの、何の変哲もない場所。でも、今日は少し離れたところからでも分かるほど、女子生徒たちが一か所に集まっている。楽しげな話し声や弾んだ笑い声が重なり、いつもよりずっと賑やかだ。その人だかりの中心に、彼はいた。
「ほら、あそこ!見て詩織!かっこよくない!?」
美咲が指差す先には、確かにゲーム画面で見た通りの完璧な容姿をした男子生徒。すらりとした長身に、整った顔立ち、艶のある黒髪が風に揺れている。周囲の女子生徒たちが彼を取り囲み、華やかな笑顔を浮かべていた。声をかけようものなら、誰もが振り向きそうな、そんな存在感があった。
(やっぱりいるよ……ゲーム通りだ……)
彼の周りには、すでに何人もの女子が集まっていた。誰かが話しかければ、彼は気さくな笑顔で応じ、別の誰かが声をかければ、そちらにも自然に顔を向ける。その振る舞いに気負った様子はなく、こうした状況には慣れているらしい。
女子たちも女子たちで、彼の一挙一動に目を輝かせている。少しでも長く話していたいのか、会話が途切れそうになるたびに誰かが新しい話題を持ち出してる。
まるで餌に群がる小魚。
中には三年生らしき先輩の姿まである。共学化したばかりの学園で、男子生徒が一人入学しただけ。それなのに、上級生までこうして集まっているのだから恐れ入る。どうやら、この人気は学年を問わないらしい。
「ねえ、詩織も何か話しかけてみなよ!せっかく来たんだし!」
「いやいや、無理無理!私みたいなのが行ったら迷惑でしょ」
「そんなことないって!ほら、行くよ!」
だから行きたくないんだってば、そう抗議する間もなく美咲に背中を押され、僕はよろめきながら一歩前に出てしまった。その瞬間、彼と目が合った……気がした。
(え、まずい。見られてる?)
心臓が嫌な音を立てる。
いや、落ち着け。たまたまだ。これだけ人が集まっているのだから、視線がぶつかることくらいある。そもそも、僕はただのモブ女子Aで、わざわざ気に留めるような存在じゃない。
そう自分に言い聞かせ、慌てて視線を逸らす。でも、ほんの一瞬だけ。周囲の女子たちに笑顔を向けていた彼の目が、確かに僕を捉えた気がした。
「……っ」
背筋にぞくりと、言葉にできない感覚が走る。僕は攻略対象じゃないのに、まるで攻略対象を見つけたときの主人公の目をしているように見えた。
「ねえ、今、目合ってなかった?」
すぐ隣から、美咲の弾んだ声が聞こえた。気づけば彼女は僕の腕を掴んだまま、興奮した様子で顔を覗き込んでいる。
「き、気のせいだよ。人違い」
「そんなわけないって!絶対見てたよ!詩織のこと、もしかして好みだったんじゃない?」
「違うってば!もう満足でしょ、帰るよ!」
好みなわけがない、誰がモブ子なんて気にするんだ。ただこれ以上、ここにいるのは危険だ。僕は美咲の手を振りほどいて、その場を足早に立ち去った。
♡ ♡ ♡
あれから一、二週間が経過した。あの件以来多少の警戒をしていたけど、主人公がモブ女子に会いに来るなんて展開はなく、あの時のことはどうやら杞憂だったらしい。まあ、そもそも学年も違うし、僕は放課後には図書委員として図書室にこもっているのだから、合わないのは当たり前と言えば当たり前だ。
聖煌学園の図書室は、めちゃくちゃ広い。地下二階から地上五階まで連なる階層構造になっていて、もはや図書室というより、ちょっとした図書館と呼んだほうが正しいくらいだ。
なんでこんなに広いのかと言えば、単純にこの学園自体がバカでかいというのもある。でも多分、僕にはもう一つ、身も蓋もない理由が思い浮かんでいた。
そう、ゲームの都合である。
なにせ『俺モテ』は、学園中の女子を攻略してハーレムを築くエロゲーだ。教室や保健室はもちろん、体育倉庫に屋上、果ては図書室まで、あらゆる場所がエッチイベントの舞台になり得る。
当然、図書室にも専用のイベントが用意されていた。100人ヒロインなんていれば、中には図書委員の子もいるわけで、静まり返った図書室で、誰かに見つからないように声を押し殺して……なんて、いかにもエロゲーらしいシチュエーションがある。
おかげで、バカ広い割には生徒の姿も少ない。特に地下二階なんて、専門的な学術書ばかりが並んでいるせいか、ほとんど誰も寄り付かない穴場になっていた。僕は図書委員という立場を存分に利用して、放課後はこの地下二階に身を潜めているというわけ。人目につかず、静かで、誰にも邪魔されない。主人公と遭遇する危険もほとんどない。まさに、目立たず平穏に過ごしたい僕にとって理想的な場所。
……まあ、主人公のエッチシーンをちょっとだけ覗いてみたい、なんて欲望がないわけでもないけど。だって、あの『俺モテ』の主人公だ。ゲームでは散々お世話になった相手だし、実物がどんなものなのか、少しくらい気になるじゃん。
とはいえ、見つかったら最後。そのままエッチイベントに巻き込まれ、最悪の場合は乱交ルートに突入する可能性だってある……うん、やっぱり絶対に関わらないでおこう。
そんな理想的な場所で、僕は今日も平穏な放課後を過ごしていた。手元にあるのは、図書委員の仕事ついでに見つけた小説。返却された本の整理も一段落したし、閉館時間まではまだ余裕がある。誰も来ない地下二階で、好きな本を読みながら時間を潰す。これ以上の贅沢なんてない……そう思っていたのに。
チン、と静まり返った空間に、場違いな電子音が響いた。どうやらエレベーターが到着したらしい。僕は本から顔を上げ、音のした方へ一瞬だけ目を向けた。
地下二階にあるのは、専門的な学術書や古い資料ばかり。調べ物でもなければ、わざわざ足を運ぶような場所じゃない。少なくとも、放課後の生徒が暇つぶしに訪れる場所ではないはずだ。先生か、資料を探しに来た生徒か、そんなところだろう。僕はそう結論づけると、再び小説に視線を落とした。
「あ、あの……っ、ごめんちょっと隠れさせて!」
声のした方へ顔を上げる。途端、手にしていた文庫本が指から滑り落ちそうになった。
そこにいたのは彼だった。ゲームの画面越しでしか見たことのない、あの完璧な容貌。艶のある黒髪が乱れ、整いすぎているせいで逆に現実味の薄い横顔に、珍しく焦りの色が浮かんでいる。制服のネクタイは緩み、息は上がっていてまるで何かから逃げてきたような、そんな様子だった。
「え、あ、ちょっと……」
「静かにして。お願い」
彼はそう言って人差し指を唇に当てると、ひらりと書架の陰に身を潜めた。その一連の動作があまりに素早くて、僕は咄嗟に何も言えなかった……というか、言えるわけがなかった。いやそもそも、コイツはなんでここにいるの?今頃特大ハーレムを築いてる頃だろうに。というかここは僕の隠れ場所なのに。
それから数十秒後。エレベーターの到着を告げる電子音が鳴り、複数の足音が地下二階に降りてきた。
「えー、どこに行っちゃったんだろう?」
「確かにこっちに来たはずなんだけど……」
「もしかして、別の階に逃げたんじゃない?」
聞こえてきたのは、何人もの女子生徒の声。聞き覚えのある声ばかりで。ピンクの髪、金の巻き毛に、銀のストレート、エトセトラetc。カラフルな頭がきょろきょろと辺りを見回している……なるほどどうやら彼は、彼女たちから逃げてきたらしい。
いや、待ってほしい。なんで逃げる必要があるんだ。あのゲームの主人公といえば、来る者拒まず、あらゆるヒロインを受け入れるハーレム野郎じゃなかったのか。
「もう、蓮くんったら。恥ずかしがり屋さんなんだから」
「ねえ、こっち……怪しくない?」
まずい……どんどん近づいてくる。こんなところで変に巻き込まれたくない。
僕は咄嗟に立ち上がり、カウンターの陰に隠れていたエロゲー主人公——デフォルトネームの四ノ宮 蓮——の袖を引っ張った。彼が驚いた顔でこちらを見る。僕は声を出さずに、指でカウンターの下を指差した。机の下なら、カウンターが邪魔になって彼女たちからは見えないはずだ。 蓮は一瞬きょとんとした後、すぐに察してくれてするりと身を屈めて机の下に潜り込んだ。
「あれ?誰かいる?」
カウンターの前から、ひょっこりと顔を覗かせたのはピンク髪のヒロインだった。僕はできるだけ平静を装い、手元の本に視線を落とす。
「あ、ごめんなさい。図書委員の者ですけど」
「そっか。ごめんね、なんか物音がしたから」
「本の整理をしていたので。何かお探しですか?」
「ううん、違うの。蓮くんっていう男の子がこっちに来なかった?一年生なんだけど」
「男の子、一年生……ああ、四ノ宮くんのことですか? それならさっき私を見て、階段からすぐ上の階に行きましたよ」
嘘である。でも、こういうのは平然と言うに限る。図書委員なんだから、利用者がどこに行ったかくらい把握していても不思議じゃない。ちなみに、四ノ宮くんなら今、僕の足元にいます……なんて、口が裂けても言えるわけがない。実際に言ったら、面倒ごとに巻き込まれるのは確実だ。
「えー、そっかぁ、上ねぇ。ありがと!」
「いえ、どういたしまして」
ピンク髪の子は仲間のところに戻ると、何やらひそひそと話し始めた。やがて全員で頷き合うと、ぞろぞろとエレベーターに乗り込んでいく。扉が閉まる音を確認して、僕はようやく息を吐いた。
「……もう行ったけど」
「はぁ……っ、助かった……」
蓮は机の下から這い出ると、乱れた前髪をさっと直し、僕に頭を下げた。その何気ない仕草が、妙に様になっている……それにしてもこいつ本当に格好いいな。僕から見ても文句なしのイケメンだ。もし僕が普通の女の子として生まれていたら……惚れていたかもしれない。
「先輩、ありがとうございました。まさか匿ってくれる人がいるとは思わなくて」
「別に匿ったわけじゃ……ただ、うるさくされると面倒だから」
僕はできるだけ素っ気なく答え、再び本に視線を落とした。
これ以上関わらない、それが鉄則で今のは不可抗力。助けたのだって、追っ手を撒くために仕方なくやっただけで、決して親切心からじゃない。だから、頼むからさっさと立ち去ってほしい。
「そういえば……先輩の名前、聞いてもいいですか?」
「え、なんで?」
「助けてもらったので、お礼がしたくて」
「いやだから助けたわけじゃ——」
「それでも、匿ってもらったのは事実ですから」
真っ直ぐな目でそう言われて、僕は少しだけ口ごもった。こういうとき、どう答えるのが正解なのか。無視するのもそれはそれで失礼だし、モブ女子Aとしては「気にしないで」とでも言って、さっさとこの場を離れるのが鉄板だ。でも、ゲームの攻略対象じゃない僕が名前を教えたところで、何かが起きるわけじゃない……ないはずなんだけど。
「ああ、名前聞くなら,自分から名乗るのが普通ですよね。っても先輩も知ってると思いますけど、一応。俺は、四ノ宮 蓮。蓮って呼んでください」
「……白河 詩織。二年」
「詩織先輩ですね、覚えました」
え、いきなり名前呼び?陽キャ、こわ……。
ふわりと笑う蓮の顔に悪意は感じられない。画面の先で何度も見た柔らかい笑み、これがエロゲー主人公の天然タラシ術か。元男の僕には全くもって効かないけど……そんな顔で笑うのはやめて欲しい。
「で、いつまでいるつもり?追っ手はもういないみたいだけど」
「あー……そう、ですね」
蓮は困ったように頬を掻き、ちらりとエレベーターの方へ視線を向けて……いや、まだ何かあるの?
そう思っていると、蓮はなぜか僕の向かいの席に腰を下ろした……え、帰らないの?というか、なんで座った?
「先輩は、ここで何をしてるんですか?」
「見ての通り、本を読んでただけ。図書委員の仕事って言っても、返された本を棚に戻したり、本の貸し出しを記録したりするくらいだからね。ここは専門書ばかりで、借りていく人なんてほとんどいないし」
「ああ、本当に図書委員だったんですね。だからさっき、あんなに自然に嘘つけたんだ」
「自然にって……人聞きの悪い。そもそも、あなたがここに来たせいで巻き込まれた被害者なんですけど」
「はい、お陰で助かったんですけど……あの、先輩」
「なに」
蓮は少し言いにくそうに視線を逸らした。それから、意を決したように僕を見つめて。
「良かったらなんですけど、ここに匿ってくれませんか?」
「は?匿うって……」
「俺、ああいうの苦手なんですよ。入学したときからずっとこんな感じで。教室にいても休み時間になると囲まれるし、放課後もどこに行っても誰かしら見つけてきて。別に嫌いなわけじゃないんですけど、たまには一人になりたくて。でも、どこに行ってもすぐ見つかるし、隠れる場所もなくて」
「だからって、なんで私のところに来るの。他にいくらでも——」
「ここ、静かだし。それに先輩って俺のこと見ても特別扱いしないじゃないですか。それが、すごく楽で」
特別扱いしない、か。確かに僕は興味があるわけでもなければ、仲良くなりたいわけでもない。むしろ、エロゲーの主人公なんて面倒ごとの塊だし、できることなら関わりたくない。まさかそれが裏目に出るなんて……どうしてよりによってここなんだ。せっかく今まで接点を持たずに過ごしてきたのに、ここに来てまさかの急接近。とはいえ、今さら断るのも気が引けるし、困っている人を追い返すほど薄情な人間にはなりたくないし。
「……別に勝手したら。というかここは図書室なんだから、生徒なら自由に出入りして良いから私に許可求める必要ないし」
「ありがとうございます!」
蓮の顔がパッと明るくなるのを見て、僕は長い溜息を吐いた。今日はどうやら、このまま居座るつもりらしい今後も何度か来ることになるだろう。
……思わぬ接点ができてしまった。
まあ、でも。あんな美少女たちに囲まれている蓮が、影の薄い僕なんかをハーレムに加えるわけもない。接点ができてしまったのは仕方ないとして、これからは時折安らぎを提供するモブAとして、なるべく彼とは関わらずにいこう。
♡ ♡ ♡
それからというもの、蓮は本当に毎日のように地下二階にやってきた。最初こそ、逃げ込む場所を貸してやった程度の意識だった。でも三日も経てば、彼はすっかりこの場所を自分の縄張りみたいに思っている節があって。図書室のカウンター横、僕の定位置の斜め前の席に当たり前みたいな顔をして座るのだ。
ある時は、参考書を片手に唸りながら課題に取り組み、またある時は、スマホを弄りながら僕にどうでもいい話を振ってくる。かと思えば、昼食を持ち込んで一緒に食べようとしたり、いつの間にか僕の読んでいる本を覗き込んできたり。そうして一週間、二週間が経ち……気づけば蓮は完全にここを根城にしていた。
「いや来すぎでしょ!!」
思わず声に出てしまった。地下二階の静寂に、僕のツッコミが虚しく響く。だってそうだろう、今日で連続来訪記録を更新中なのだ。入学式から既に三ヶ月は経過してるし、ゲームならもう既にヒロインの五、六人とは組んず解れつの関係なはずなのに。この馬鹿はヒロインそっちのけでここに居座るのだから笑えない。
「いいじゃないですか別に。俺は生徒なんだから、図書室に自由に出入りしてもいいんですよね?」
「それは、そうだけど……で、でも、せっかくの放課後をこんなとこで潰すのももったいなくない?ほ、ほら、学生なんだから部活とか、気になる子とデートとかさ」
「それ、ブーメランですよ、先輩」
「ぐぅっ……!」
ああ言えばこう言う……本当に憎たらしい奴だ。
ていうか、ブーメランって何。僕だって好きでここにこもってるわけじゃない……いや、好きでこもってるんだけど、それは図書委員としての仕事があるからと、こいつに関わらず平穏に過ごしたいからであって。決してこいつみたいに、女子から逃げ回ってるわけじゃない。
「でも君は選り取り見取りでしょ。この学園って可愛い子多いし、恋人欲しい子もいっぱいいるから、告白したらすぐ付き合えるんじゃない?」
「先輩も?」
「……は?馬鹿言わないでよ、私は違うから」
一瞬、背筋がぞくりとした。だって今の、完全に僕を指して言ってるよね?まさかとは思うけど、この流れで「先輩も?」って。エロゲー主人公め、そういうところだぞ……このままだと僕が恐れる事態になりかねない。自意識過剰かもしれないけど、釘を刺しておいて損はないだろう。
「あのね、その手の冗談を言うんだったら、周りにここにいるってバラしてあげよっか」
「それは困るなぁ。ごめんって、
こいつ、調子乗りやがって……!軽い調子で謝る蓮を見て、僕は内心で毒づいた。まったく反省していないし、というか、いつの間にこんなに馴れ馴れしくなったんだ。エロゲー主人公ならモブの相手じゃなくて、ヒロインを攻略しに行けよ!
「……それで?気になる子とかはいるんでしょ?」
「うーん、まぁ……いますよ」
「っ!?やっぱり……!」
なんだよ……ちゃっかりやる事はやってんのな。これなら、モブの僕が狙われるなんて事態を心配する必要もないだろう。それに、さっきの話も自然と流れたし、結果オーライだ。
「で、どんな子なの?何人いる?」
「何人って……先輩の中で俺どれだけクズなんですか。普通に一人ですよ一人」
「えぇ……?」
「ちょっと」
本当にコイツはあの『俺モテ』の主人公なのか?ゲームの中の主人公は初っ端からハーレムを作ろうとしていたというのに。それとも僕という女の前だから猫を被っているんだろうか。
「まあ何にせよ応援してる。恋愛相談なら聞いてあげるから」
「応援、ねぇ……」
蓮はその言葉を噛みしめるように繰り返して、それから小さく笑った。その笑みが、なんだか妙に含みのあるものに見えて。僕はといえば、本を読むふりをしながら、内心で少し後悔していた。
余計なことを言ったかもしれない。恋愛相談に乗るなんて軽々しく口にしたけれど、こいつの恋愛が上手くいけばいくほど、この地下二階から足が遠のく可能性は高い。それ自体は大歓迎、むしろぜひともそうなってほしい。
ただ、問題はそこに至るまでの過程である。もし本当に相談なんて持ちかけられたら、ヒロインとの橋渡しなんて面倒な役回りを押しつけられるかもしれない。せっかく平穏な学園生活を送っているのに、どうしてわざわざ主人公の恋愛イベントに首を突っ込まなきゃいけないんだ。僕は恋のキューピッドじゃない。ただ静かにここを卒業して楽な人生を過ごしたいだけの、しがないモブ女子なのだ……うんやっぱり、余計なことを言った。
「先輩って、そういうこと言うんだ」
「どういうこと」
「いや、なんか。もっとこう他人に興味ないのかと思ってました」
「全く、失礼だな。そりゃあ、興味あるかないかで言えばないけどね」
きっぱり言い切ると、蓮は一瞬きょとんとしたあと、くすりと笑った。
「そこは否定しないんですね」
「……嘘ついたって仕方ないでしょ。興味がないものはないんだから」
「じゃあ、せっかくだから相談に乗ってもらってもいいですか」
「え、本気?まあ、別にいいけど……」
まさか本当に相談を持ちかけられるとは思わなかった。いや、自分から言い出した手前、断るつもりはないけれど。よりにもよって、相手はあの『俺モテ』の主人公。これからどんな話を聞かされるのか、嫌な予感しかしない。
「好きな人が、全然振り向いてくれないんですよ」
「へぇ……それは珍しい。君みたいなのがそんなことになるなんて」
本気でそう思った。四ノ宮 蓮といえば、この学園の女子全員が振り向くような男だ。そんな奴が「振り向いてくれない」なんて言うなんて、よっぽど相手が鈍感かあるいは蓮のことを好ましく思っていないかのどちらかだ。
「そうですか?俺、結構普通だと思うんですけど」
「どこが?自覚ないの、それ一番厄介だよ」
どの口が言うんだって、僕は思わず呆れた目を向ける。前世、男だったから分かるが、顔がいい奴はそれだけで女子からやたらとモテる。ましてや、こいつはその辺のイケメンとは格が違う。そんなやつが普通?いっそ顔をぶん殴って普通の顔にしてやろうか……。
そんな僕の内心など知る由もなく、蓮は首をかしげて、くすくすと笑った。なんだその笑い方……イケメンは何をしても様になるから腹立つ。
「で、その人はどんな人なの?同じクラス?」
「いや、違います。学年も違うしそもそもそんなに話す機会もなくて。でも、最近会うたびにちょっとずつ話せるようになったんですよ」
「へぇ、いいじゃん。それって結構進展してるでしょ」
「そうですかね……でも、向こうは俺のことただの後輩としか思ってないみたいで」
「まあ、そういうのは時間がかかるもんだよ。焦らないことだね」
我ながら、いいことを言う。まるで恋愛の先輩みたいな口ぶりだ。実際は、前世も含めて恋愛なんてしたことがないし、知識はアニメやラノベの世界の話だけど、まあそれでもそれっぽいことは言える。
「先輩は、そういう経験あるんですか?」
「……ないよ。残念ながらね」
「え、意外。先輩、結構可愛いのに」
ぶっ、と飲みかけのお茶を吹き出しそうになった。今、この男なんて言った?可愛い?誰が?僕が?冗談じゃない。モブにそんなこと言うな……心臓に悪すぎる。
「ゴホッ!……な、なに言ってんの。からかわないでくれます?」
「からかってないですよ。本当にそう思ったから」
「はいはい、そういうのはいいから。好きな子にだけ言ってください」
僕は強引に話を打ち切って立ち上がった。本を棚に戻さなくては……そうでもしないと、この場の空気に耐えられない。蓮はそんな僕の様子を、面白そうに眺めていた。
「先輩、逃げましたね」
「逃げてない。仕事してるんです」
「はいはい」
むかつく、マジでむかつく。なんでこんなに、この男はペースを握るのが上手いのか。エロゲー主人公だからか?天然タラシだからか?どっちにしろ、隠キャの僕には天敵のような存在だ。
本を棚に戻しながら、僕は改めて考えていた。このまま蓮と関わり続けていたら、絶対にろくなことにならない。モブが主人公に目をつけられるなんて、物語の構造上ありえないことのはずなのに、なんでこうなってるんだろう。
棚の隙間からちらりと蓮を見る。彼はまだカウンターに頬杖をついて、僕の方をぼんやり眺めていた。目が合うと、にこりと笑う。その笑顔があまりにも自然で、ああこれがモテる男の笑顔か、と妙に納得する。
(このまま、何も起きなければいいけど)
そう願ったところで、何も起きないわけがないのがエロゲーの世界の恐ろしいところなのだけど。その時の僕はまだ、そのことを本当の意味では理解していなかった。
♡ ♡ ♡
蓮の好きな人がいる告白から更に一週間が経った。今日は、彼が来ない日らしい。
珍しいこともあるものだと僕は思いながら、返却された本を棚に戻す作業を淡々とこなしていた。そういえば昼休みに一度、一年生の教室の方から賑やかな声が聞こえてきた気がする。あの様子だと、今日はヒロインたちに捕まっているのだろう。ようやくエロゲー主人公らしい動きを見せ始めたのかもしれない。
うんうん、実に結構なことだ。別に、蓮が来ないからといって困ることは何もないし、むしろ、いつもならカウンターの向こうから飛んでくる話しかけに応じる必要もなく、静かな時間を過ごせるのだから大歓迎である。
僕は本棚の間を歩きながら、小さく伸びをした。
思えば、最近は少し気を張りすぎていた気がする。蓮がいつ来るか分からないせいで、つい物音に反応してしまうし、姿を見かければ見かけたで、また何かに巻き込まれるんじゃないかと身構えてしまう。
これでは、せっかくの図書委員の仕事も落ち着いてできやしない。その点、今日は最高だ。静かで、平和で、誰にも邪魔されない。
返却本の整理をひととおり終える頃には、一時間ほどが経っていた。まだ閉館時間まではだいぶ余裕があるというのに、地下二階には僕以外、誰の姿もない。
まあ、当然といえば当然だ。ここは専門書や資料が中心で、わざわざ好き好んで足を運ぶ生徒も少ない。だからこそ、僕にとっては絶好の隠れ場所だった。それなのに、最近はすっかり様子が変わってしまっていたけれど。
でも、今日は違う。僕は満足げに頷き、カウンターの椅子に腰を下ろした。久しぶりに訪れた、誰にも邪魔されない平穏な時間。せっかくなのだから、存分に満喫させてもらおう。
「……少しだけ」
カウンターに頬杖をついて、目を閉じる。ほんの十分だけ、そう思った。昨日は課題に追われて寝不足だったし、暖房の効いた静かな空間はまるで僕を眠らせるために用意されたかのようで……意識が、ゆるゆると溶けていって——。
エッチな夢を、見ていた。いわゆる淫夢というやつだ。前世の僕は性欲が強くて、何度もひとりで処理したことがあったけど、こんな夢を見たことは一度もないのに。そもそも今世では、自分で処理したことすらなかった。
夢の中の僕は、なぜか知らない部屋にいて。見覚えのない天井、嗅ぎ慣れない匂い……でも不思議と恐怖はなかった。ただ、身体の芯がじんじんと熱を持ってて、その感覚だけが妙にはっきりしてた。
(あつい……)
僕の意思とは関係なく、自分の手がいつの間にか胸元を辿っている。指先が制服の上から柔らかな膨らみをなぞり、そのままゆっくりと下へ。スカートの上から、秘部を押しつぶすようにして。
「んっ……♡」
僕の声なのに、どこか他人のものみたいに甘くて。指が布越しに秘部をなぞるように動いて、じわりと下着に染みが広がっていく。
前世では男だったはずなのに今の僕は女の子で、身体の感覚も、そこから生まれる戸惑いも……何もかもが違ってた。快感の拾い方が、男とは違う慣れない女子の快感。
恥ずかしいって、そう思うのに……意識はどこか曖昧で考えがまとまらない。ただ、身体の奥にこもった熱と、夢だとは思えないほど鮮明な感覚だけがあって。
(……夢なのに、気持ちいい……)
指が下着の中に潜り込む。ぬるりとした感触、もうこんなに濡れてる。僕の身体なのに、僕のじゃないみたいで。中指が自然と秘裂をなぞり、そのままゆっくりと中へ。
「あぁっ……♡」
快感に腰が浮く。たった一本の指なのに、肉壁がきゅん♡きゅん♡と絡みついてくる。夢の中の僕は、まるで自分で自分を慰めることに慣れているみたいに、指を出し入れし始めて。ぐちゅ♡ぐちゅ♡と粘つく音が自分の耳にも届いて、顔が熱くなる。でも止まらない、止められない。
グプッ♡クチュ♡トンッ♡トンッ♡
「はぁっ……♡いい、そこ……っ♡」
指が二本、三本と増えていく。膣壁をこすり上げるたびに、身体がびくびくと跳ねる。陰核にも親指が触れて、そのたびに甘い痺れが全身に広がっていく。もう夢なのか現実なのか、境目が分からない。ただ気持ちよくて、もっともっとと、腰が勝手に動いてしまう。
ぐぶっ♡ぐぽっ♡ビクッ♡ビクッ♡
「あっ♡ や、きちゃ……っ♡」
あ、だめ……達する。まさか夢の中でイクなんて。でも止まらない。指の動きがどんどん速くなって、腰が勝手に浮いて。
「ぁあっ……♡い、く……っ♡」
ビクッ♡ビクンッ♡ジョボッ♡シャアア♡
身体が大きく跳ねた。
「はっ♡はーっ♡」
地下二階の静寂に、自分の荒い息だけが聞こえる。
そこでやっと意識がふわっと浮上する。目の前には見慣れた天井、図書室の、照明。あ、そうだ、僕寝てたんだっけ。夢の中で僕は、達して——。
……って、え?身体の感覚がおかしい。まだ余韻が残っている。下腹部が痺れていて、下着がぐっしょりと濡れているのが分かる。夢の中の快感が、まるで現実の身体にまで残っているみたいで。
うわ、最悪……夢精、ならぬ夢オナ?っていうかまさか本当に達しちゃってた?図書室で?しかも夢の中で自分で……羞恥で顔が燃える。急いで起き上がろうとして——。
動けない、いや動けるんだけど。腰のあたりに、何か、重みが……恐る恐る視線を下ろすと。
「は?」
真横に蓮がいた……椅子を寄せて、僕の隣に座って。しかもその手が、僕のスカートの中に、パンツの中に、入っていて。
「え、ちょ、まっ……!?」
声にならない声を漏れる。蓮の手は、確かに僕のナカに沈んでて。指が、中に……しかもぬるぬると動いて。さっきまでの夢と同じように、いやもっと巧みに。膣内の弱いところを、的確に。
グプッ♡クチュ♡グチュ♡グチュ♡
「やっ……!?なに、して……っ♡」
「あ、先輩起きました?」
蓮は悪びれもなく、にこりと笑った。その顔が普段の爽やかな笑顔とは違う、妙に色っぽい表情で。
「ごめんね、先輩。でも、あまりにも無防備な顔して寝てるから、我慢できなくて」
「なっ……!?や、め……っ♡抜いて……っ♡」
「抜きませんよ。だって先輩、こんなに濡らしてるし」
ぐちゅっ♡と、指が奥をかすめる。さっき夢の中で達したばかりの敏感な肉壁が、その刺激だけでびくびくと痙攣した。
ぐちッ♡ぐちりゅ♡キュン♡キュン♡
「あぁっ♡だ、だめ……っ♡まだ、敏感で……っ♡」
「知ってる。だって俺、先輩がイクのずっと見てましたから」
「——っ!?」
見てた?イクのを?え……まさか、夢の中のあれ、全部コイツの仕業?
「ずっと、見てた……って、どういう……っ♡」
「そのままの意味ですよ。先輩が気持ちよさそうに眠ってるから、ちょっとだけって思ったんだけど……止まらなくなっちゃって」
「ちょっとだけって……っ♡」
「だって先輩のナカ、すごく熱くて。指咥え込んで離してくれないから」
蓮の声が耳元で低く響く。さっきまで夢の中にいたはずなのに、現実の彼の声は比べ物にならないくらい生々しくて。指の動きも、夢の中の拙いそれとは全然違う。まるで僕の身体のことを最初から知っているみたいに、弱いところばかりを的確に責めてくる。
「や……っ♡だめ、そこ……っ♡」
「ここ?ここがいいんだ、先輩」
「ちが……っ♡そこ、やったら♡また、く……っ♡」
「きていいよ。むしろきて。先輩がイクところ、ちゃんと見たいから」
ぐりっ♡と指の腹で奥の壁を押し上げられる。さっき夢の中で一度達したばかりなのに、身体はもう次の絶頂に向かって一直線に上り詰めていく。椅子の背に頭を預けたまま、僕はただ喘ぐことしかできない。
「んっ♡あっ♡やめ、ほんとに……っ♡」
「先輩、声抑えなくていいよ。誰も来ないから」
「そういう問題じゃ……っ♡あぁっ♡」
ビクッ♡ビクンッ♡プシュ♡プシャッ♡
身体が跳ねて視界が白く飛ぶ。二度目の絶頂は、夢の中のそれよりずっと鋭くて、長くて。指が抜かれていく感覚さえも快感に変わって、僕はしばらく椅子の上でぴくぴくと痙攣してた。
♡ ♡ ♡
しばらくしてようやく落ち着いた僕は、乱れた制服を直しながら蓮を睨みつけた。身体はまだ熱いままだし、下着のぐっしょり感も消えてくれない。最悪だ、図書室の椅子で、しかもよりによってこいつに……おまけに指で、前世が男だった僕が、こんなふうにされるなんて。
「先輩、そんな怖い顔しないでくださいよ」
「誰のせいだと思ってんの」
「俺?でも先輩が悪いんですよ」
「は?私?どこが」
「だって先輩、あんな無防備に寝てるんですから、誰だって手を出したくなるでしょ」
「なっ……!人を寝てる間にあんなことしておいて、よくそんなことが言えるね!」
「でも、先輩だって気持ちよかったですよね」
「~~っ、この……!」
図書室の静寂に、僕の低い唸り声が響く。でも、蓮はどこ吹く風で、指についた透明な雫を僕の目の前にかざしてみせた。ゆっくりと指を開くと、指先の間にとろ〜っ♡と粘つく糸が細く伸びる。あまりにも露骨で艶めかしいその仕草に、僕は思わず目を逸らした。
「ね、先輩。俺の指こんなに濡らしちゃって。これ、全部先輩のですよ」
「う、うるさい!早く忘れなさいよ、そんなの……っ」
「エロい夢でも見てたんでしょ?俺が触ったらすごく感じてたし、もっとって呟いて……ねえ、先輩って実は変態なんじゃないですか?」
「は、はあ?そ、そんなわけないから!」
僕は声を荒らげて立ち上がった。腰がまだ少し震えているけれど、そんなの気にしていられない。こんなふうに年下に言い負かされて、しかも身体は素直に反応してしまっていることが、なによりも悔しい。
「じゃあ証明してみせてくださいよ」
「証明?」
「先輩がエッチじゃないって。俺とゲームしましょうよ」
「ゲーム?」
蓮はにこりと笑って、スマホを弄り始めた。なんだか嫌な予感しかしない。
「簡単ですよ。俺が先輩に愛撫するんで、時間制限つきで30分以内に10回イったら先輩の負け。先輩がイかなかったら俺の負けってことで。そして負けた方は勝った方の言うことを一つ、なんでも聞くってのどうですか?」
「はあ!?なにそのバカなゲーム!」
「バカだけど、先輩がエッチじゃないなら余裕でしょ?10回なんて。30分しかないんだし」
「そ、それは……っ」
確かに、10回くらいなら余裕かもしれない。でも、相手はこのエロゲー主人公。さっき指だけであっさりイかされた僕が、10回も耐えられるのか……いやというかなんで受ける前提なんだ?そもそもここは図書室で、つまりは外なわけで。
「いやありえないってここ、図書室だし!第一、私まだ仕事残ってるし!」
「大丈夫ですよ、誰も来ないし。それに後で先輩の仕事、俺が手伝ってあげますから。ほら、早く決めてください。それとも逃げるんですか?」
蓮はそう言って僕の返事を待たずにカウンターの上を片付けてしまった。返却本の山を脇にどけて、そこに自分の上着を覆い被すように。
「ちょ、なに勝手に……!」
「先輩が決断するまでの準備です。ほら、どうするんですか?それともやっぱり、エッチなことには弱くて、すぐ負けちゃう変態なんですか?」
その言葉に、僕のなかの何かがカチンと鳴った。前世男だったプライドが、こんな好き勝手言われて黙っているわけにはいかない。それに、30分で10回なんて普通に考えれば無理な話だ。そんなに何度もイけるわけがない、きっと僕がどこかで折れると思っているんだろう。だったら受けて立ってやろうじゃないか、僕を舐めたこと後悔させてやる。
「……わかった。いいよ、やってやるよ。ただし、負けたら、私の言うこと絶対守ってよ」
「もちろんです。じゃあ、始めますよ」
もう後には引けない。これで勝って、二度と僕の前に現れないようにしてやる。そんな決意を胸に、僕は椅子に座り直して、蓮を睨みつけた。彼はそんな僕の視線を受け流すように笑って、スマホでタイマーをセットする。
「じゃあ、始めますね」
その声と同時に蓮が僕の背後に回った。椅子の背もたれ側から手を出して、僕を閉じ込めるようにして。え、待って後ろから?前からじゃないの?
「先輩、前からだと逃げちゃいそうだから」
「なっ……!」
耳元でそう囁かれて背筋がぞくりと震えた。さっきまでとは違う、低くて少し掠れた声。蓮の手が、僕の肩に触れてゆっくりと鎖骨の方へ、それから首筋へと滑っていく。指の腹で、皮膚の薄いところをなぞるように。
「ひっ……」
「敏感ですね、先輩。首、弱いんですか?」
「ち、違……っ」
違うと言いかけた僕の耳に、蓮の舌が入り込んできた。ぬるりと濡れた感触が耳の中を這い、ぞわぞわとした感覚が背中を走り抜ける。思わず肩が跳ね、椅子の背に頭を預けて。
「ちょっ、耳の中……はっ、やめ……っ」
「そう言いながら、声甘くなってますよ。先輩耳でイッちゃいそう?」
「イクわけないし……っ、こんなの……よっ、ゆうだ……し」
ぐちゅ♡と耳の中で舌が動く。唾液の音が直接鼓膜を震わせて、頭の中がふわふわしてくる。片方は逃げないように頭を固定されて、もう片方の手はいつの間にか胸の位置にあって、制服の上から胸を揉まれて思わず甘い声が漏れた。掌全体で包み込むように揉まれて、その圧迫感だけで胸の先が芯を持ち始めて。
「っ♡や……っ♡」
「先輩、さっきより敏感になってない?やっぱり変態さんじゃないですか」
「ち、がうし……ひゃっ♡そこ、つむな……っ♡」
「そこってどこですか?俺、馬鹿だからちゃんと言ってくれないと分からないですよ」
絶対、わかってるくせに。わざととぼけて、こっちが言い返せないのを楽しんでる。さすがエロゲー主人公、ほんと性格が悪い。
「っ誰が……言う、か……バカっ♡」
「そっか。じゃあ、先輩が素直になるまで続けますね」
蓮の指が、制服のブラウスのボタンに掛かった。上から一つ、また一つと、アンダーシャツまで捲られて。晒される肌に地下二階の冷えた空気が触れて、すぐに彼の手が覆い被さってくる。ブラジャーの上から、胸の先を指の腹で押し潰すように。
「あっ♡……んっ♡」
「先輩、ここ、もう硬くなってますよ。服の上からでも分かる」
「やめ……っ♡見る、な……っ♡」
「見ないわけないでしょ。先輩の身体、全部見たいんだから」
「んぅっ……♡」
ブラジャーまでずらされて、むき出しになった胸の先端を蓮の指がかりっと弾いた。爪の先で引っかくように、それから指の腹で転がすように。さっきまで服の上からだったのが嘘みたいに、直接の刺激は僕のプライドを削り取っていく。慣れない快感に身体は彼の思い通りになって、僕は思わず座面の縁をぎゅっと握りしめていた。
スリスリ♡コリコリ♡クニクニ♡カリカリ♡
「あっ♡だめ……っ♡直接は……っ♡」
「だめって言いながら、先っぽこんなに尖らせて。先輩の乳首、すごくいやらしい形してます」
「っ、言うな……♡」
「ほら、摘まんだらちゃんと反応する。ここ、弱いんでしょ?」
ぐりっ♡と摘ままれて、腰が浮いた。左右交互に時には両方同時に。ねじられたり引っ張られたり転がされたり、そのたびにビクビクと身体が跳ねて、口からは情けない声が漏れ続ける。
「やぁっ♡もう、イッ……っ♡」
「1回目。まだまだ余裕そうだから、もう一回乳首でイキましょうね」
「なっ♡い、ま、イッたばっかり、なのに……っ!あぁっ♡むり……イッ……っ♡」
「2回目。早いですよ先輩……まだ5分も経ってないですよ?」
その言葉が、ぼんやりとした頭の中にじわりと染み込んでくる。5分?まだ5分しか経っていないの?カウンターの端に置かれた蓮のスマホの画面には、確かに「25:13」の文字が白く浮かんでいた。30分のうち、まだ5分も消費していない……それなのにもう2回目。
(うそだ……もうずっと長いこと触られてる気がしたのに……)
達したばかりの身体は、次の刺激を待たずして過敏に反応してしまう。蓮の指が胸の先端を転がすたび、下腹部が疼いて……暖房の効いた部屋にいるはずなのに、晒された肌に当たる空気は冷たくて。
「はぁっ……♡はっ……♡」
「先輩、もう息上がってますけど、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫に……見える?」
「それぐらい軽口叩けるくらいなら、大丈夫ですね」
背後から回された蓮の腕が、僕の身体を椅子の背に押しつける。逃げ場をなくすように、しっかりと。そのまま片手は胸の先端を弄んだまま、もう片方の手がゆっくりと下へ滑っていく。スカートの上から、太ももの内側をなぞるように。
「……っ♡」
「先輩の脚、震えてますね。もしかしてもう待ちきれない?」
「そ、そんなわけ……ひゃっ♡」
否定の言葉も虚しく、蓮の指がスカートの中に潜り込む。すでに乱れていた下着は濡れきっていて、布越しに触れられただけで、じゅぶっ♡と厭らしい音を立てた。
「先輩、これじゃ下着の意味ないじゃないですか。さっきからずっとこんな状態だったんですか?」
「どの口が……っ♡触るな……♡」
「触らないとゲームにならないじゃないですか。ほら指入れますよ」
ずぶっ♡と中指が沈み込んでくる。散々イカされたおかげで、ナカはもうとろとろで蓮の指を抵抗なく咥え込んで。彼はゆっくりと指を抜き差ししながら、親指で陰核をぐりぐりと押してきて。イったばかりの敏感なところを、執拗に丁寧に。
「や、それ……っ♡一緒は……っ♡」
「一緒が気持ちいいんでしょ?先輩のナカ、すごいことになってるよ。もう3回目イけそう?」
「イッて……ない……っ♡まだ……っ♡」
「ウソ。先輩の身体、正直すぎる」
蓮の指の動きが速くなっていって、ぐちゅ♡ぐちゅ♡と粘つく水音が、地下二階の静寂に響く。誰も来ないとはいえ、図書室でこんな音を立てるなんて情けなくて……でも身体は正直で、蓮の指が奥の壁をこすり上げるたびに、腰が勝手に動いてしまう。椅子の座面に爪を立てて、なんとか声を抑えようとするけれど、漏れ出る喘ぎはもう止められない。
じゅぷッ♡ぐちゅっ♡トンッ♡トンッ♡
「あっ♡だめ……っ♡ほんとに……むり……っ♡」
「いいですよ、イッて」
「ぁあっ……♡イッ……くぅっ♡」
ビクンッ♡と身体が大きく跳ねて、目の前が白く飛んだ。椅子の上で背中を反らせて、しばらくぴくぴくと痙攣し、まだ中にある蓮の指を締め付けた。抜かれる感覚さえも快感で、思わず名残惜しいと思ってしまった自分が恥ずかしい。
「3回目。先輩、まだ7回もあるのにもうぐったりじゃないですか」
「だ、誰のせいでっ♡」
「俺のせいですけど、でも先輩がこんなに感じやすいからいけないと思うんですよね……ほら、あと何分あると思います?」
蓮がカウンター上のスマホを指して、タイマーは「22:38」を示してた。10回のうちの3回。残り7回、時間はまだ20分以上あって、それなのに僕はもう椅子の上でぐったりしていた。制服は乱れ、胸は晒されスカートの中はぐっしょりと濡れている。こんな姿、誰かに見られたら終わりだ。
「先輩、ちょっと立ってください」
「え、なんで……ち、ちょっと」
「いいから。ほら」
蓮に肩を押されて、僕は椅子から立たされる。そのままカウンターの方に手を突くように促されて、しかも腰を突き出す形。それからスカートを捲られて、下着を膝下まで下ろされて。
「先輩、脚開いて」
「え……っ、こんな格好……っ」
抗議の声も虚しく、蓮の膝が後ろから僕の脚の間に割り入ってくる。逃げようにも腰をカウンターに押しつけられていて、脚を閉じることもできないまま。彼の指がもう一度ぬかるみに沈んで、さっきまでとは違う角度で入ってくる刺激に、僕はカウンターの天板に爪を立てることしかできない。
「あ、あっ♡この体勢……っ♡やだ……っ♡」
「そう言ってすごい締め付けてきてますよ、後ろからの方が好きなんですね」
ぐちゅっ♡ぐちゅっ♡と好き勝手に掻き回されて膝が笑う。後ろから腰を掴まれて、カウンターに手をついてないと立ってられなくて。
「あっ♡だめ、また……♡イッちゃ……あぁ♡ぁあっ♡……イッ♡」
「4回目、足ピンしてたね先輩。そんなに気持ちよかった?」
耳元で楽しげに囁く蓮の声と、その余裕たっぷりな様子がムカつく。
息もたえだえに振り返ると、蓮が自分の指を舐めてて。僕の体液に濡れたそれを、まるで味わうように。その仕草があまりに色っぽくて、恥ずかしいのに目が逸らせなかった。
「先輩の味、ちょっと甘いですね」
「な、な……っ♡」
「先輩も自分で味わってくださいよ」
そう言って蓮が、僕の口元に指を差し出してきた。自分の中に入っていたものを口にするなんて信じられなくて、嫌だと首を振っているのに、顎を掴まれて無理やり口を開かれて……ぬるりとした自分の味が舌の上に広がって。
ヌチュ♡ヌチャ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡
「んぐっ♡んんっ……ん、んんんっ……♡」
「ちゃんと舐めて」
口の中で指をかき回されて、自分の匂いと味が口いっぱいに広がる。泣きたくなるくらい情けなくて、蓮は満足そうに笑った。
「いい子、じゃあ次は……」
そう言って蓮が僕の肩を掴み、カウンターの上にひっくり返した。背中が冷たい天板に当たって、見上げる形になる。蓮が僕のローファーを脱がせて、そのまま僕の両脚を掴んで、カウンターの上に乗せるようにM字に開かされる。
「むりっ♡こんな格好……っ」
「先輩の全部見えるよ。すごいね、そんなに真っ赤になってヒクヒクしてますよ」
くぱっ♡ひくっ♡ひくんっ♡とろぉ…♡
カウンターの上で脚を開かれて、蓮がいるから閉じることもできなくて。蓮の指が割れ目をなぞる、上から下へゆっくりと。それだけでナカがきゅん♡と疼いて、指をまた中に入れてくる、今度はさっきまでよりずっとゆっくりと。
くちゅ♡ぢゅっ♡ぐにっ♡ズブブッ…♡
「三本、簡単に入ってく。そんなに欲しかったんですか?」
「そ、そんなこと……な、いっ♡あぁっ♡」
言いながら、M字に開かされた脚がびくびく震える。三本の指が中でゆっくり動いて、さっき達したばかりの敏感なとこばっかり、クリにも親指が当てられて、僕の意識はあっという間に白く染まった。
「はぁっ♡あっ♡だめ……っ♡また、きちゃ……っ♡」
「早いですよ。ほら、5回目」
ビクビクッ♡と身体が痙攣する。5回目は、4回目よりも深く。脚の力は抜けて、カウンターの上で背中も反らせて、脚先もぴんと伸びて……あっけなく達した。
「先輩、まだ5回ですよ。ほら顔上げて」
「はぁっ♡はぁっ♡……もう、ほんとに……っ♡」
「あと5回で残り17分。ペース的には、先輩にまだ余裕あるじゃないですか?」
蓮の手が僕の顎を掴んで無理やり顔を上げさせる。視界の端にタイマーの表示が見えて——【17:06】。まだ半分以上も残っているのに、もう5回も……これ以上なんて、とてもじゃないけど耐えられる気がしない。
「どこが……っ♡もう身体動かない……しっ♡」
「動かなくていいですよ、今度は口でイかせてあげますから」
「ひゃっ♡なに、してん……っ♡息吹きかけるな…!」
いつのまにか蓮がカウンターの前にひざをついてて、しかもちょうど開かされた僕の脚の間に顔がきて。蓮の吐息が、晒された秘部に直接当たって、それだけでナカがきゅう♡って疼くのが分かった。カウンターの上に寝転がされたまま、僕は身じろぐことすらできない。
「先輩の匂い、すごいする。ここから」
「変なこと、言うな……っ♡」
「えぇ〜、すごくいい匂いなのに。ちょっと舐めてみますね」
「ちょっ……!?」
ぬるり、と。蓮の舌が割れ目を下から上へと一気に舐め上げた。その瞬間、背中がびくんっ♡と跳ねてカウンターの天板に後頭部がぶつかりそうになる。
「あぁっ♡した、舌……っ♡」
「うん、すごい溢れてきますよ。先輩の味やっぱり甘い」
「んぅっ♡ちが……っ♡あぁっ♡そこ、や……っ♡」
舌先が陰核のところで止まって、ちろちろと転がすように舐められる。さっき指で散々イカされたところだから、もう触れられただけで過敏に反応してしまう。足がぴんと伸びて、カウンターの上で足先が浮いた。
「はぁっ♡あっ♡だめ……っ♡舌、やだ……っ♡ そこ、弱い……っ♡」
「知ってる。先輩、ここ弄るとすぐイくもんね」
蓮が陰核を甘噛みする。かりっとした歯の感触に、僕の腰が思わず浮き上がった。逃げようとするのに、蓮の両手が僕の太ももをしっかりと掴んで離してくれない。
「やっ♡イッたばっか……っ♡むり……いくっ♡」
「6回目。でもまだいけるでしょ? ほら力抜いて7回目イこうね」
舌先が膣口に潛り込んでくる。指とは違う、もっと柔らかくて温かい感触がナカを舐め上げて、中から溢れる蜜を吸い上げて、僕はただカウンターの上で泣くことしかできなくて。
「あぁっ♡なに、これ……っ♡指と、ちが……っ♡」
「舌の方が好き?」
「ち、ちが……っ♡そういうことじゃ……っ♡あっ♡んぁっ♡い、くっ♡」
「7回目。先輩のここ、すごく美味しいよ。ほらもっと舐めてあげる」
ぐちゅ♡ぐちゅ♡と蓮の舌がナカを掻き回す。唾液と愛液が混ざった音が自分の耳にも届いて、顔が燃えるように熱い。それなのに、身体はどんどん気持ちよくなっていって、腰はもう自分のじゃないように勝手に動いて。
「先輩、自分から腰振ってるよ。気持ちいいんですよね?」
「ち、が……っ♡勝手に……っ♡あぁっ♡そこ、は……めっ♡」
「ん?先輩、この手は何ですか?もっと舐めてほしいの?」
「っ♡ちが……っ♡そうじゃ……っ♡」
耐えられなくて彼の頭を押し離そうとしたのに、気づけば逆にぐっと引き寄せる力になってて。否定したいのに蓮の舌が奥の壁を舐め上げるたびに、喉の奥で言葉が途切れて……くちゅ♡くちゅハートと粘つく水音が耳にまとわりつき、陰核に指が触れた瞬間もう何が何だか分からない。
「あっ♡きちゃ……っ♡ぁあっ♡イク……っ♡イッちゃ……っ♡ 」
「8回目。先輩、あと2回ですよ。まだ10分もあるのに、頑張らないと」
身体が大きく跳ねて、カウンターの上で背中を反らせて、僕はまた達してしまった。時間はまだ【9:56】と10分近くもあるのに、まだ身体はもう限界に近い。
蓮の指がまたしても秘部に触れる。もうぐっしょりと濡れきったそこは、彼の指を受け入れる準備ができてしまっていて。僕の意思とは関係なく、ナカがひくついて指を咥え込む。
「9回目、いきますよ。今度は指だけでさくっといかせますね」
「さくっ……て、あっ♡」
言葉の途中で蓮の指が一気に三本、奥まで入ってきた。さっきまでとは違う、容赦のない動き。遠慮も加減もなく、ただ僕をイカせるためだけに動く指。ぐちゅぐちゅと掻き回して、弱いところだけを執拗に責め立てる。
「あっ♡はげ……っ♡ そんな、急に……っ♡」
「だって先輩、もう限界でしょ?早くいかせてあげないとかわいそうだから」
「や、あっ♡だめそれ……っ♡いっきに、きた……らっ♡」
蓮の指が膣壁をこすり上げながら、親指が陰核をぐりっと押し潰す。同時に二箇所を責められて、僕の意識は一瞬で白く飛んだ。
「ぁあっ♡♡イク……っ♡イッちぁああ♡♡」
ビクビクッ♡と身体が痙攣して、9回目。あっけないほど簡単に、僕はまたイッた。指が抜かれていく感覚さえも快感で、僕はしばらく天板の上でぴくぴくと震えていた。
「9回目。先輩、あと1回だよ。でもまだ8分以上あるんだよね」
蓮の声が、遠くから聞こえるみたいだった。ぼんやりとした視界に、彼の顔が映る。さっきまでとは違う、少し意地悪な笑みを浮かべて。
「じゃあ、最後はちょっと変えて。先輩が自分からおねだりしてくれたら、イかせてあげる」
「……な、に、それ……っ」
「そのままの意味ですよ。先輩が『イかせてください』って言うまで、ずーっと焦らします。先輩がおねだりしなきゃイカせないんで、我慢すれば先輩の勝ちですよ」
指が、またしても僕の秘部に触れる。でも今度は、さっきまでとは違う。ゆっくりと、焦らすように割れ目をなぞるだけ、中には入れない。陰核の周りをくるくると回るだけで、そこには触れない。
「あっ……♡な、んで……っ♡」
「焦らしの始まりだよ。先輩、どこ触ってほしいか言ってみて?」
「……っ言わない……♡」
「そっか。じゃあ、ずっとこのまま」
指が、入口をくすぐる。入りそうで入らない、そんなもどかしさだけが募って、腰が自然と浮いてしまう。ナカがきゅんきゅんと疼いて、指を欲しがっているのが自分でも分かる。
「はぁっ……♡あっ……♡や、あ……っ♡」
「先輩、腰浮いてこすりつけてきてますけど、欲しいんでしょ?」
「ち、が……っ♡そういうんじゃ……っ♡」
言いながら、僕の腰は勝手に動いて蓮の指を追いかけている。この期に及んで、まだプライドが邪魔をする。男の僕が、男にこんなふうにされるなんて。しかも自分からおねだりしろだなんて、そんなことできるわけがない。
「先輩、我慢強いね。でも身体は正直だよ?」
蓮の指が、今度は陰核を優しく摘まむ。かりっとした刺激に、僕の意識が飛びかける。でも、それだけですぐに指が離れてしまう。もっと欲しいのに、もっと触ってほしいのに蓮は焦らすように指を動かす場所を変えていく。膣口の周りをなぞったり、太ももの内側をくすぐったり。絶対に、核心には触れてくれない。
「あぁっ……♡性、格、わる……っ♡」
「意地悪してるつもりはないんですけどね。先輩が素直になれば、すぐに気持ちよくしてあげるのに」
「や……っ♡だって……っ♡」
「だって?」
前世の記憶が、男としてのプライドが、こんなことで負けたくないと囁く。なのに、身体は僕の意思などお構いなしに、快楽を貪っている。気持ちよくなりたい、でも負けたくない。負けたくないのに、気持ちよくなりたい。もう自分でも、何がしたいのか分からなかった。
身体はもう限界でナカが切なくて、早く触ってほしいと叫んでいる。心と身体がバラバラ、ただ時間だけが過ぎていく。カウンターの上のスマホの画面が、残り時間を刻んでいてこのままいけば僕の勝ちなはずなのに、僕はなぜが焦って。
「……っ、あ……っ♡ や、もう……っ♡」
「先輩、辛そうだね。素直に言えば楽になるのに」
蓮の指が、また入口に触れる。でもいれてくれない、ただくすぐるだけ。ほんの少しだけ先っぽを入れて、またすぐ抜く。その繰り返しに僕の腰はもう自分で動いて、もっと、もっと奥までって。そんな想いが頭を埋め尽くして、前世のプライドなんてもうどこにも見当たらない。
「い、いれて……っ♡」
「入れてほしいの?」
「うん……っ♡おねが……っ♡いれて……っ♡」
「何を入れてほしいの?ちゃんと言って」
「ゆ、指……っ♡蓮の、指……っ♡奥まで……っ♡」
そこまで言ってようやく蓮の指が奥まで入ってきた。待ち望んでいた刺激に、僕は思わず声を上げる。でも蓮の指はすぐに止まってしまう。奥まで入れたまま、動かない。
「あっ……♡な、んで……っ♡動かして……っ♡」
「まだ足りないよ。先輩、忘れてない?イかせてくださいって言わないと」
「……っ♡そ、んな……ひどぃ♡」
「言えないなら、このまま抜いちゃうよ」
指が、ゆっくりと引き抜かれていく。その感覚に、僕の頭は真っ白になった。いやだ、抜かないで、もっと、もっと気持ちよくしてほしい。もうプライドなんて、どうでもいい。そんなの最初から捨てればよかったんだ。
「い、イかせて……っ♡おねがい……っ♡イかせてください……っ♡」
「いいよ。よく言えました」
蓮の指が、今度は容赦なく動き始めた。さっきまでの焦らしが嘘みたいに、激しく速く。膣壁をこすり上げ、陰核を押し潰しもう僕の身体は蓮の手のひらの上で転がされているだけだった。
「あっ♡あっ♡や、これ……っ♡すご……っ♡」
「先輩、最後だからね。いっぱい感じて」
指の動きがさらに速くなる。ぐちゅっ♡ぐちゅっ♡と粘つく音が響いて、カウンターの上で僕の身体が大きく跳ねた。もう何も考えられない。ただ気持ちよくて、早く達したい、それだけが僕の頭を支配して。
「イく……っ♡イッちゃ……っ♡あぁっ♡」
「いいよ。いって。いっぱい」
ジュポッ♡ゴリュ♡ブシャッ♡ブシャッ♡
蓮の指が、奥の壁をぐりっと押し上げた。その瞬間、僕の身体に今までにない感覚が走って。なにかが弾けるような、抑えきれないなにかが下腹部から一気に溢れ出して。
「ぁああっ♡なに、これ……っ♡とま、とまらない……っ♡」
「潮吹きするほど、気持ちよかったんですね。先輩のせいでびしょ濡れですよ……ほんと可愛い」
プシャッ♡って透明な液体が蓮の顔や制服にかかって、カウンターの上に広がっていく。僕は身体の芯から震えて、脚をぴんと伸ばしたまましばらく達し続けていた。10回目。でも、もう数える意味すらない。僕はただ、蓮の手の上で完全に堕ちてしまっていた。
「……はぁっ……♡はぁっ……♡」
潮を吹いたあとの身体はもうぐったりだった。カウンターの上に寝転がったまま、荒い息をついている。脚はまだ開かれたままで、スカートも下着も乱れたまま。そんな自分の姿が、もう恥ずかしいとも思えなかった。それくらい、僕は放心していた。
「残り【00:36】。先輩の負けですね」
「うぅ……っ♡ずるい……っ♡こんなの……勝てるわけっ♡」
「ずるくないですよ。先輩がエッチが好きな変態さんだっただけです」
蓮が顔を上げてにこりと笑う。その顔は、僕の潮でびしょびしょになっていて。なのに彼はそれを気にするどころか、嬉しそうに舐め取っていた。
「先輩の味、やっぱりすごくいい……じゃあ俺が勝ったんで、先輩には俺の言うこと聞いてもらいますからね」
「……分かってるよ、この変態っ」
「先輩、俺の彼女になってください」
「………………は?」
間抜けな声が漏れた。カウンターの上に寝転がったまま、乱れた制服も直さず。まだ絶頂の余韻でぼうっとする頭では、彼が何を言っているのか理解できなくて。
「だから、彼女になってください。俺先輩のこと好きなんで」
「……え?ちょ、ちょっと待って。どういうこと?だって、好きな人がいるって……」
「その好きな人、先輩のことですよ」
「…………え?」
頭が真っ白になった。好きな人って、僕?このエロゲー主人公がモブの僕を?ありえない、そんなのありえないはずなのに。彼の表情は冗談を言っているようには見えなくて、むしろ妙に真剣で。
「やっぱ気づいてなかったんだ。あんなに可愛いとかアピールしてたつもりなんですけどね」
確かによくよく考えてみれば、蓮が話してた好きな人の特徴は、学年が違って、最近話すようになって、相手からは後輩としか思われてないって、全部僕に合致してる。
「で、でも、僕より全然可愛い子に囲まれてて……」
「あんなの、ただのクラスメイトですよ。先輩こそ、俺のこと避けてばっかりじゃないですか。図書室に来ても、いつもそっけないし」
「それは……だって、僕なんかに構うはずないと思って……」
「だから言ってるじゃないですか。俺、最初から先輩のこと気になってたんですよ。はじめて中庭で先輩見てからずっと」
中庭で目が合った、あのときから?
蓮の言葉が、じわじわと胸に染み込んでくる。あのとき、周囲の女子たちに笑顔を向けながら、ほんの一瞬だけ僕を捉えた、あの目。まさかと思ったけど、本当にあれが僕に興味を持っていたからだなんて。
「そ、そんなの……信じられない……」
「知ってます。だから、俺が先輩のことをどれだけ好きか、もっと身体に刻み込んであげます」
蓮は笑って、制服を脱ぎ始める。現れた身体は細すぎず太すぎず無駄に鍛えられていて、ズボンを下ろして現れた、反り立つ勃起したそれを見て僕は思わず息を呑んだ。
前世から見慣れたはずの、ゲームの画面越しに見てたはずの蓮のイチモツは、太さも長さも画面以上で生々しくて、血管がびきびきと浮き上がってて、その熱気まで伝わってくるようで。
「む、むりっ!そんなの入るわけないっ……!」
「大丈夫ですよ。先輩のだって、もう準備できてますよね?先輩はエッチなんだから、すぐ気持ちよくなれますって」
蓮の指が、また僕の秘部に触れる。さっきまで散々イカされたそこは、もうぐっしょりと蜜をこぼして。指を一本入れただけで、じゅぶっ♡と厭らしい音がした。
「ほら、こんなに柔らかくなってる。先輩のナカ、もう俺の形覚えちゃった?」
「ち、違……っ♡」
「違わないでしょ。こんなちゃんと咥え込んでるのに」
ぐちゅ♡ぐちゅ♡と指で掻き回されて、僕の腰がまた浮く。もう10回もイカされたのに、身体はまだ快感を求めている。こんなの、おかしい……おかしいのに止まらない。
「先輩、挿れますね」
「ま、まって♡もう、むり……」
「ここまできて生殺しに耐えられるほど、俺はできた男じゃないんです。悪いけど挿れますよ」
先っぽが、ゆっくりと入ってくる。さっきまで指で散々弄られていたから、ナカはもうトロトロで蓮のものを咥え込む準備ができてて。指とは比べ物にならないほどの圧迫感。入り口が、じわじわと押し広げられていく。
「やだあぁ……あぁっ♡お、おっき……っ♡」
「まだ先っぽだけだよ。先輩、ちゃんと入るから」
蓮が、ゆっくりと腰を進める。ずぶずぶ、と。ナカが、彼の形を覚えていくみたいに少しずつ広がって、それを受け入れていく。苦しいはずなのに、なぜか気持ちいい。さっきまで散々イカされて、敏感になった肉壁が蓮のものを感じ取って嬉しそうにうごめく。
「はぁっ……♡ん、あ……っ♡」
「半分入った。先輩のナカ、すごいよ。あったかくてきゅうきゅう締め付けてくる。ほんと欲しがりですね」
ぐちゅっ♡ぐちゅっ♡ギュンッ♡ギュ——ッ♡
「ち、ちが……っ♡そんなこと……っ♡」
「違わないよ。ほら、もっと奥まで入れるね」
ぐっ、と蓮が腰を押し込む。一気に奥まで入ってきた感覚に、僕は思わず喉を反らせた。カウンターの天板に後頭部がついて、視界がぐらぐらする。奥の壁に、蓮の先っぽが当たっている。それだけで、またイッてしまいそうだった。
「あぁっ……♡ふか……っ♡おく、まで……っ♡」
「全部入ったよ。先輩、俺の全部入った」
蓮が、少しだけ息を吐く。彼も余裕があるわけじゃないみたいだった。額にうっすら汗をかいて、僕のナカの感触を噛みしめるように、目を閉じている。
「動くね」
蓮が、ゆっくりと腰を引く。ずるとナカから彼のものが抜けていく感覚に、僕は思わず名残惜しさを覚えた。でも、すぐにまた奥まで押し込まれて、その繰り返しに僕の身体は自然と反応してしまう。
「あっ♡あっ♡ん、ぁ……っ♡」
「先輩、声我慢しないで。もっと聞かせて」
蓮の腰の動きが少しずつ速くなる。ぐちゅ♡ぐちゅ♡と粘つく音が結合部から出る。図書室で、こんなことしてる、そんな背徳感が、余計に僕の身体を熱くさせる。
「や、ぁ……っ♡そこ、いい……っ♡」
「ここ?先輩、ここが弱いんだ」
「ちが……っ♡あぁっ♡」
蓮の先っぽがナカの弱いところをこすり上げる。さっき指で散々弄られたところだ。もう敏感になりきっていて、ちょっと触れられただけで腰が浮いてしまう。蓮はそんな僕の反応を見逃さず、そこばかりを執拗に責めてくる。
「先輩、すごい締め付けてくる。気持ちいい?」
「い、言わない……っ♡」
「言ってくれないと、動き止めちゃうよ」
「っ♡そ、そんな……っ♡」
「言う?」
ぐっ、と蓮が腰を止める。奥まで入れたまま、ぴたりと動かない。ナカが彼のものを咥え込んだまま、きゅんきゅんと疼く。動いてほしいのに、蓮は意地悪そうに笑っているだけ。
「はぁっ……♡う、動いて……っ♡」
「何て言うの?」
「っ♡……き、気持ちいい……っ♡」
「よくできました」
ぱん♡ぱんっ♡ぱんっ♡ギシッ♡ギシッ♡
蓮が、また腰を動かし始める。今度はさっきより激しく、速く。カウンターが、ぎしぎしと軋む音がする。僕の身体も、その動きに合わせて揺れて制服が乱れていく。
「あっ♡あっ♡や、これ……っ♡すご……っ♡」
「先輩、可愛い。もっと乱れて」
「む、無理……っ♡もう、なんか……っ♡」
頭がぼうっとしてくる。蓮のものが、ナカを擦るたびに思考がどんどん削られていく。気持ちいい、ということ以外何も考えられなくなる。前世が男だったとか、モブだとかそんなこと、もうどうでもよかった。
「先輩、イキそう?」
「う、うん……っ♡イッ……♡」
蓮の腰の動きが、さらに速くなる。奥の壁をとんとんと叩くように。その刺激に、僕の身体が大きく跳ねた。カウンターの上で、背中を反らせて脚をぴんと伸ばして。
「ぁあっ♡イク……っ♡イッちゃ……っ♡」
ビクンッ♡と身体が痙攣する。ナカが、蓮のものをきゅうきゅう締め付けて、そのまましばらく離さなかった。蓮も、そんな僕の反応に少しだけ息を荒げて。
ドポッ♡ゴポッ♡ギュンッ♡ギュンッ♡ギューっッ♡
「先輩、まだイッたばっかりなのにすごい締め付けてくる」
「はぁっ……♡はぁっ……♡」
「でも、まだ終わらないからね。俺が満足するまで、付き合ってもらうから」
蓮が、僕の脚を抱え直す。カウンターの上で、M字に開かされたまま。もう抵抗する気力もない僕は、ただ彼のなすがままになってて。でも、それでいいと思った、もうどうにでもなれ、って。そう思えるくらいには僕の身体も心も、蓮に染まり始めていた。
「先輩、今度は奥まで突くね」
「んっ……♡」
蓮が、ゆっくりと腰を引いて、それから一気に奥まで押し込む。さっきまでとは違う、深いところを突かれて僕は思わず声を上げた。
「あぁっ♡そこ……っ♡」
「ここがいいんだ。先輩の一番奥」
「や、ぁ……っ♡そこ、つかれると……っ♡」
トンッ♡トンッ♡ぐりゅ♡ぐりゅっ♡
「気持ちいい?」
「う、うん……っ♡きもち、いい……っ♡」
自然と、そんな言葉が出ていた。もうプライドも何もない。気持ちいいものは気持ちいいと、素直に言えてしまう。蓮はそんな僕を見て、嬉しそうに笑った。
「先輩、素直になったね。嬉しい」
「っ♡あ、ぁ……っ♡」
「もっと、素直に感じてるところ見せて」
蓮の腰の動きがさらに深くなる。奥の壁を、ぐりぐりと押し潰すように。僕の身体は、もう彼のものになっていた。彼の動きに合わせて、勝手に腰が動いてしまう。もっと、もっとと無意識にねだっている自分がいた。
ヘコッ♡ヘコッ♡パチュ♡パチュッ♡パチュッ♡
「先輩、自分から腰振ってるよ」
「ち、違……っ♡これは……っ♡」
「違わないでしょ。ほら、こんなに」
「あぁっ♡や、ぁ……っ♡イッ……♡また、イッちゃ……っ♡」
「いいよ。何回でもいって」
蓮の声が、優しくて。その優しさに僕はさらに堕ちていく。もう、彼の言うことなら何でも聞いてしまいそうだった。それくらい、僕はこの快感に蓮に、支配されていた。
「ぁあっ♡イク……っ♡イクぅ……っ♡」
ビクビクッ♡と身体が痙攣する。さっきイッたばかりなのに、また達してしまった。ナカが蓮のものを締め付けて、その感覚がまた快感を呼んでしばらく抜け出せない。
「はぁっ……♡はぁっ……♡」
「先輩、まだまだだよ。俺まだイってないから」
蓮が、少しだけ息を荒げて言う。確かに、彼のものはまだ硬いままで。ナカの中で、びくびくと脈打っているのが分かる。彼も、もう限界が近いのかもしれない。
「先輩、一緒にイこう」
「う、うん……っ♡」
「俺も、そろそろ限界。先輩のナカ気持ちよすぎて」
ぱん♡ぱんっ♡ぱんっ♡ブポッ♡グポッ♡
蓮の腰の動きがさらに速くなる。もう、加減も何もない。ただお互いを求め合うような、激しい動き。カウンターが大きく軋んで。僕の声も、もう抑えられなくて。
「あっ♡あっ♡や、これ……っ♡ダメ……っ♡」
「いいよ。いって。俺も、いくから」
「ぁあっ♡イク……っ♡イッちゃう……っ♡」
「先輩……でるッ♡」
ビクンッ♡ビクビクッ♡プシャ♡プシャ——ッ♡
ドォチュン♡ドピュ♡ドプゥッ♡ドピュ——ウ♡
蓮が、低く唸るように僕の名前を呼んで。その瞬間、ナカの奥に熱いものが注ぎ込まれた。びゅく♡びゅく♡っと、何度も。その感覚に僕もまた達して。カウンターの上で、結合部から潮を吹いて蓮の腹部を濡らした。
「あぁっ……♡♡」
「はぁっ……♡」
しばらく、二人とも動けなかった。蓮は僕のナカに繋がったまま、荒い息をついている。僕もカウンターの上で、放心したように天井を見上げていた。
「先輩」
「……なに」
「好きです」
「……知ってる」
「彼女になってくれます?」
「……っ」
「ねえ、聞いてる?」
「……いいよ」
小さな声で、そう答えた。蓮が嬉しそうに笑う。その笑顔が、さっきまでの意地悪な笑みとは違って、子供みたいで。僕はそんな彼を見て、なんだかんだでこの人に絆されたんだな、と思った。
「じゃあ、これからもよろしくね先輩」
「……ほどほどにしてよ」
「無理かも」
「バカ」
軽口を叩き合いながら僕は思っていた。まさか、こんなことになるなんて。モブの僕が、エロゲー主人公と。でも悪くないかも、なんて。そんなことを思ってしまう自分が、少しだけ恥ずかしかった。
♡ ♡ ♡
彼女になってからの話をするとまあ、ろくなことにならなかった。
あの日を境に蓮は図書室に来る頻度を増した。いや正確に言えば来る時間帯が変わった。閉館間際の他の生徒が誰もいない時間を狙って。最初は「返却本の整理を手伝います」なんて殊勝なことを言っていたけど。
実際は、僕の背後に立ってはスカートの上から腰を撫でたり、本棚の陰で耳を甘噛みしてきたり。僕が「やめて」と言えば言うほど、彼は面白がってエスカレートしていった。
図書室のカウンターの下で彼の指に嬲られたのは一度や二度じゃない。久しぶりに司書の先生が奥の事務室にいる昼休み、僕がカウンターで貸出処理をしている真横で、蓮は平然と本を読むふりをしながら、その実僕のパンツの中に手を入れていた。声を出せない僕は、ただ唇を噛み締めて耐えるしかなくて。耐えれば耐えるほど、身体は勝手に彼の指に馴染んでいった……悔しいことにね。
トイレにも連れ込まれた。地下二階の女子トイレは滅多に人が来ないから、と。個室のドアを閉めた途端彼は僕の制服を乱暴に捲り上げて、壁に押しつけて。便座に座らされて、彼のモノを咥えさせられたこともあった。最初は拒んでてもイカされたら身体が勝手に従って、何度かやるうちに口の使い方も覚えてしまって。蓮は「先輩、上手になったね」なんて笑うのだ。誰のせいだと思っているんだろう。
空き教室に体育館裏……さらには屋上。放課後の職員室前の廊下でさえ彼は僕を求めた。最初のうちは「こんなところで」と抵抗していた僕も回を重ねるごとに身体が勝手に反応するようになっていった。蓮に触れられるともうそれだけで腰が砕けそうになる。彼の指の動かし方舌の使い方腰の振り方。全部僕の身体に刻み込まれてしまった。
(開発されたなんて言葉がぴったりだ)
そう思う。前世が男だった僕の身体は、今や蓮なしではいられないくらいに変わってしまった。彼が来ない日は、なんだか落ち着かなくて無意識にカウンターの外を眺めていたりする。あんなに「来なければいい」と思っていたのに、滑稽な話だ。
それでも、昼間の学校生活では僕はあくまで普通の図書委員で。蓮も、教室では爽やかな人気者を演じている。誰も、あの地下二階で起きていることなんて知らない。知られたら終わりだと思うと、背筋が寒くなるけれど同時にあの秘密の時間だけがなんだか特別なもののようにも思えて。そう思ってしまう自分が、一番許せなかった……僕は、こんなに素直じゃなかったのにな。
「——先輩聞いてます?」
蓮の声で、ふっと意識が引き戻される。顔を上げると、彼がすぐ近くで僕を覗き込んでいた。まだ少し息が上がってる。僕も人のこと言えないけれど。
「え、なに」
「だから、まだ余裕ありそうだなって。先輩、ぼーっとしてるけどまだ身体動くでしょ」
「は? ちょっと待って、今なんて」
「もう一回戦どうですか」
蓮はそう言ってまだ半分硬さの残るモノを僕の太ももに押し当ててくる。ぬるりとした感触に、僕の身体がびくっと反応してしまった。太ももに当たったその熱が、さっきまで散々イカされたはずの下腹部をもう一度じんわりと疼かせる。嘘でしょ、まだこんなに早く……。
「んっ……ちょ、っと……♡」
「ほら、先輩のここ、もう濡れてきてるよ」
蓮の指が、晒されたままの秘部をなぞる。さっきまでの名残でぐっしょりと濡れていたそこは、彼の指先が触れただけでまた新しく蜜を溢れさせてしまって。自分でも情けないくらい、身体が素直に反応してしまう。
「ば、バカ……っ♡ まだ、休ませて……っ♡」
「休憩なんていらないでしょ? 先輩、身体はもう準備できてるんだから」
ね?と耳元で囁かれて僕は反論の言葉を探したけれど、喉の奥で甘く溶けてしまって言葉にならない。だって、彼の言う通り僕の身体はもう次の準備を始めてしまっているのだから。蓮の匂いを嗅いだだけで、ナカがきゅんきゅんと疼いて早く触ってほしいとねだっているのが自分でも分かる。もう、抵抗する気力なんて残っていなかった。
「……っ♡ も、もう……好きにして……っ♡」
やっとの思いで絞り出した声は、自分でも驚くほど甘く掠れていた。蓮がそんな僕を見て、満足そうに目を細める。
「ありがとう先輩。じゃあ遠慮なく」
蓮が笑って、もう一度キスを落としてくる。さっきまでとは違う、ゆっくりと舌を絡めるような深いキス。その間に彼の手が僕の腰を掴んで、まだ敏感なところに自分のものをあてがってくる。ああ、これからまた朝まで続くんだろうな、なんて思いながら僕は彼の背中に腕を回した。もう逃げようなんて思わない。だって、僕の身体はもう彼のものになっているのだから。
とりあえず完成しました!
今回は書きたいエッチシーンがあったので書き始めたのですが、いざ書いてみると、どうにも似たような描写が多くなってしまいました……。
いや、決して手を抜いたわけではないんです!
ただ、僕のボキャブラリーが貧弱なばかりに、表現の引き出しが足りなくてですね……(´・ω・`)
もっと色々な表現ができるようになりたいものです。まあ、書きたいシーンはしっかり書けたので、個人的には満足しています! ( ̄▽ ̄;)
そんなこんなで、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました!
よろしければ、温かい評価とコメント、お待ちしております! m(_ _)m
あと、今めちゃくちゃモチベーションが高いので、次回作について初のアンケートを設置してみました!
次の執筆の参考にしたいので、よろしければ投票していただけると嬉しいです!あくまで参考なので、気軽に投票してください! (`・ω・´)
もし次回作で見たいTS転生ものは?
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姉妹分からせ百合
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親友分からせ百合
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主従関係分からせ百合
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男友達分からせH
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分からせ百合ハーレム
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分からせ男ハーレム
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過去作の別視点、または後日談
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