※この作品はR-18です。

オリ主探訪日記   作:mimick

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転移後 ファンタジー世界
2.トラベルノート(クレマンティーヌ編)


 ☆月★日

 

 聞いてくれ、何か知らんが異世界に転移したらしい。

 

 といっても、リアルでの話ではなくゲームでの話だ。

 

 今の俺はゲームのアバターの姿だ。

 

 

 

 

 モモンガからユグドラシルの最後だから集まれないかって連絡がきたんで、ちょっと顔を出してナザリックを後にした。

 

 アインズウールゴウンの他にも、仲のいい奴らはいたし、そいつらもログインしてたみたいだから挨拶しようと思ったんだ。

 

 そしたら、いつの間にか知らない場所にいた。

 

 ナザリックがあるはずの沼地は草原に、どんよりしてた空気は晴天でカラッとしたものに変わっていた。

 

 な……何を言っているのか、わからねーと思うが、俺も何が起こったのかわからなかった……頭がどうにかなりそうだった……催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 

 

 

 とりあえず、人のいるところに行こうと思って、空から何かないか確認してみた。

 

 そしたら、遠くにでかい街が見えたんで、そこに向かうことにした。

 

 それと、街で目立たないように装備を変更しておいた。

 

 ユグドラシルではフリューテッドヘルムとアーマーをベースにした神器級の装備だったが、地味な皮鎧の装備にした。

 

 だって目立つじゃん。

 

 戦争でもないのにフルプレートの装備とかさ。

 

 武器も明らかに高級そうな奴から、見た目、オーソドックスなロングソードにした。

 

 

 

 ☆月★日

 

 無事に街の中に入ることができた。

 

 結構大きい街で、交通もしっかりしているのか、馬車がすれ違っても余裕があるくらいだ。

 

 街中は人通りも多くて、賑やかな印象が強かった。装飾品を換金してから、宿を探して泊まった。内装は可もなく不可もなくだった。

 

 

 

 ☆月★日

 

 やっぱり異世界といったら、冒険者になるのがテンプレートだと思って登録した。

 

 銅ランクからとか、先長くない? 

 

 まぁ、普通はポンポン上がるもんじゃないみたいだけど。

 

 

 

 ☆月★日

 

 昨日、一晩考えたんだが、せっかく異世界に来たんだし色々な名所を見て回りたい。

 

 景勝地や都会、遺跡、自然、色々な所が見たいと思った。

 

 だから、当面の目標としては、いろんな場所に足を運んでみるって感じにしとこうかな。

 

 

 

☆月★日 ※1

 

 冒険者ギルドの依頼の帰り、夕方くらいかな。何かスゲー痴女っぽいのに襲われた。

 

 襲われたって、性的なやつじゃないよ。

 

 でも、現実でビキニアーマー的なのって初めて見た。

 

 強さは大体30~40レベル位だった。

 

 スティレット使いらしく、猫みたいに俊敏で、しなやかな印象があった。

 

 まぁ、スピードはイマイチだったんだけど。突きを弾き返して惜しいって言ったら、何もんだテメーって言われた。

 

 何か猫みたいだなって、そのあとも少し遊んでたら、手加減間違えて昏倒させてしまった。

 

 これはマズイって思ったんだが、路地裏に女の子おいて行く訳にもいかないし、不可知化かけて宿に運んだ。

 

 暴れられても困るし、起きるまで手足縛ったまま放置しといた。

 

 しかし、スゲー格好だな。

 

 ……お仕置きだべぇ〜! 

 

 

 

 ☆月★日

 

 朝起きたら彼女はいなくなっていた。

 

 昨日ほんの少しだけ話した感じだと、悪ぶってるけど、そんなに悪いやつでもないんじゃないかなって思った。

 

 いや、悪いことはやってるんだけどね。

 

 何か自分の価値観が変わっている気がする。

 

 俺はこんなに犯罪者に寛容だったか? 

 

 

 

 ☆月★日

 

 今日はポーションを買ったり、遠出に必要な道具を買い揃えてきた。

 

 ここエ・ランテルにはポーションを作る有名な店があって、行ってきたんだが、この世界のポーションは青いらしい。

 

 正確に言えば、俺らユグドラシルのプレイヤーが知っている赤いポーションは伝説的な物で、神の血とか呼ばれてるらしい。

 

 それ大量に持ってるよ……赤いポーションを知ってるってことで、不審に思われたかもしれない。

 

 当分あそこに近づくのは止めておこう。

 

 

 

 ☆月★日

 

 遠出に必要な道具は割りとすぐに見つかった。

 

 ユグドラシル産のアイテムバックはあるので、それを誤魔化すためのバックパック、野営用の寝袋、カンテラ、食器にあとは細々とした物だ。

 

 ユグドラシル産のセーフハウスで、コテージ型のグリーンシークレットハウスを持っているが目立つことこの上ない。

 

 人がいるような場所では、なかなか使える物ではないだろう。

 

 

 

☆月★日 ※2

 

 彼女がいなくなって数日たったが、ギルドの依頼の帰りにまた襲撃された。

 

 彼女はクレマンティーヌって言うらしい。うわ、名前も知らないでいたとか……

 

 今日はこの前みたいにはいかないって言ってたが、スティレットの刺突を受け流して、反撃しておいた。

 

 君、何しにきたの? 

 

 また手加減をミスって昏倒したので、前と同じように不可知化をかけて宿に運んだ。

 

 お前、性格歪んでるなって言ったら、家族の愛が全て兄に向いていたからとか、兄と比較されてきたせいとか、幼い頃にまわされたからとか、拷問、人殺し、出るわ出るわ虐待のパレード。

 

 で、同情しかけたら嘘だってさ。

 

 おい。

 

 本当か嘘かはともかくとして、狂化とかのバッドステータスが付いてんのかと思って、精神異常とか諸々の耐性をあげるネックレスを贈っといた。

 

 俺には必要ないものだしな。

 

 

 あと、ご馳走さんでした。

 

 

 ☆月★日

 

 朝には、またいなくなっていた。

 

 顔見知り程度だけど、クレマンティーヌにしばらくエ・ランテルを出るって伝えてなかったな。

 

 まぁ、奴ならどこにでもひょっこり顔を出しそうな気がするが。

 

 今日からは近くにあるカッツェ平原の探索に向かいたいと思っている。

 

 この辺りの名所は大体見て回ったからな。

 

 カッツェ平原はここ王国、帝国、法国、竜王国との境に位置している平野だ。

 

 王国と帝国の戦争はだいたい此処の近くから始まるらしくて、負の念が溜まりやすいからか、強いアンデットが出ることで有名だ。

 

 ただし、戦争になるとモンスターは消えるらしい。そんなことあるのか? 

 

 ここに古い遺跡があるらしく、それを見物しに行こうと思う。楽しみだ。今日はカッツェ平原手前で野営する。

 

 

 

 ☆月★日

 

 カッツェ平原に突入したわけだが、ここは年中薄い霧に覆われているそうだ。

 

 強いアンデットが出るらしく、平原の外に出てこないように軍や冒険者が定期的に間引いているらしい。

 

 平原と草原の境あたりでは冒険者がちらほらいた。

 

 聞いた話だが、出るモンスターは、スケリトルドラゴン、エルダーリッチ、デスナイトらしいので戦力的には大丈夫だろう。

 

 

 

 ☆月★日

 

 昨日はカッツェ平原で野営した。

 

 霧の中で野営するのは、ちょっと不安だったんで、この世界で初めてグリーンシークレットハウスを使用した。

 

 まんまコテージといった感じで、流石に調味料の類いはなかったが、ベッドなどの寝具、シャワーがあったのはとても有り難かった。

 

 

 

 

 カッツェ平原を歩いてそれなりの時間がたった。

 

 デスナイトは出なかったが、エルダーリッチとスケリトルドラゴンが一体ずつ出てきた。戦闘は特に問題なし。

 

 遺跡らしき建物を発見した。

 

 明らかに人がいたと思われる建造物で、見た限りでは3階建て以上あるように思える。

 

 ただ、損傷が激しいので昔はもっと高い建造物だったのかもしれない。

 

 また尖塔のようなもの、掘のようなものもあったので、古代の城のような物があったのかもしれない。

 

 何か発掘できないかと辺りを魔法で探索してみたが、戦後の朽ちた剣とかしか見つからなかった。

 

 残念。

 

 どうでもいいが、ここは平原はどうしてカッツェ(katze)なんだ? 

 

 猫なんて名前をつけるなんて、どんな由来があるんだろうか。

 

 

 

 ☆月★日

 

 スケリトルドラゴンに追い回されてる冒険者がいたから助けてやったが、冒険者ではなくワーカーと言うらしい。

 

 帝国では非合法の依頼を受ける者をワーカーと呼ぶそうだ。

 

 スケリトルドラゴンを鞘のままのロングソードで粉砕したんで、畏まられた。

 

 そんなに畏れなくても……

 

 

 彼らフォーサイトのリーダーのヘッケランはヘラヘラしてるが、なかなか熱いやつだ。仲間を大切に思う奴は嫌いじゃない。

 

 ただ、調子がいい所があるようで初対面だというのに馴れ馴れしい。チームのイミーナとは恋仲らしく、彼女はハーフエルフらしい。

 

 あとは神官のロバーデイク、マジックキャスターのアルシェとバランスの良いチームだった。

 

 ちなみに当初そのアルシェが俺に怯えていたんだが……理由を聞いたら魔力量が人間を逸脱していると言う。帝国の主席宮廷魔術師よりも魔力も使える位階も高いらしい……魔力を隠す指輪はしておいた方がよさそうだ。

 

 

 

 ☆月★日

 

 カッツェ平原の探索もだいたい終えたし、一先ず、エ・ランテルに戻ろうと思う。

 

 フォーサイトとはカッツェ平原の境で別れたが、帝国にきた時は酒を奢ってくれるらしい。

 

 それは楽しみだ。

 

 今日中にエ・ランテルにつかなかったので、野営した。

 

 野盗が現れたので対処した。死を撒く剣団? とかいう傭兵たちらしい。

 

 知らんがな、めんどくせぇ。

 

 

 

 ☆月★日

 

 野盗どもをエ・ランテルの衛兵に渡し、ようやく街に入ることが出来た。

 

 今日は精神的に疲れたので、宿をとって1日ダラダラして過ごした。

 

 

 

 ☆月★日

 

 冒険者ギルドで依頼を受けようと思ったのだが、何やら騒がしい。

 

 王都からアダマンタイト級冒険者が来ているらしい。

 

 野次馬根性でちょっと覗いてみたら、綺麗な姉ちゃん3人に、ゴツいおっさん1人、へんな仮面をつけたチンチクリンが1人だった。

 

 実は色物チームなのか……? 

 

 チンチクリンがやけにキョロキョロしていた。

 

 

 

 良さげな依頼書をカウンターに持っていったら、チンチクリンに絡まれた。

 

 何者だって、お前が何者だよ。

 

 テキトーに相手してやって、しつこく食い下がってきたから撒いてやった。

 

 何だったんだ? 

 

 

 

 ☆月★日

 

 近くの村に薬を届け、帰りに薬草を採取する。

 

 探知系、鑑定系の魔法を使えば、だいたいどこに何の薬草があるかはわかる。

 

 ショボくても便利系の魔法とっといて良かったわ。

 

 

 

 ☆月★日

 

 前日に野営して、朝に街に着いた。

 

 この街にいてもやることがないんで、そろそろ別の街に行こうと思う。

 

 ふと、カッツェ平原を抜けた向こう側には竜王国っていう国があることを思い出した。

 

 行っちゃう? 

 

 行くか。

 

 また色々と準備が必要だな。

 

 

☆月★日 ※3

 

 色々遠出に必要な物資を買い集めていたら、またクレマンティーヌに襲われた。

 

 久しぶりだな、お前。

 

 何時ものごとく、猫みたいな敏捷さでスティレットを突っついてくるんだが、前と変わりなく受け流す。

 

 通用しないって、いい加減わかるだろうに。

 

 違う武器を構えた。

 

 モーニングスターか? 

 

 それお前の速度活かせなくない? 

 

 当て身を食らわせて、宿に連れ込んだ。

 

 あげたネックレスを着けてなかったんで、クレマンティーヌが起きてから、どうしたって聞いたら売ったらしい。

 

 おいおい……冗談にしてもちょっと悲しいんですが。

 

 久しぶりにキレちまったよ。

 

 あと、近い内にエ・ランテルを出るって言ったら無言のままで、ベッドで不貞腐れてた。

 

 わけわからん。

 

 

☆月★日 ※4

 

 ちょっと先を急ぐっていうんで、早くに宿を出てきた。

 

 クレマンティーヌはまだ寝てるみたいだったが、宿の人には連れが寝てるからよろしくって伝えておいたし大丈夫だろう。

 

 クレマンティーヌには特に挨拶もなしに出てきたが、キレてしまったお詫びにとっておきをプレゼントした。

 

 といっても、ユグドラシル終了間近にフリマで買った中古だけどな。

 

 高かったんだぞ! 

 

 まぁ……奴とはまた会えるだろう。

 

 今日、エ・ランテルを出発して竜王国を目指す。

 

 さらばだ、エ・ランテル! 

 

 

 

 ☆月★日

 

 たまに襲撃してくるアンデットを蹴散らしながらカッツェ平原を抜けた。

 

 内海沿いを通って、海沿いを眺めながらゆっくり移動してきた。

 

 途中、モンスターに襲撃を受けたと思われる村を発見したが、生存者はいないようだった。

 

 生き残った人は村を捨てて移動したのだろうか? 

 

 

 

 ☆月★日

 

 今日も竜王国を目指して、ゆっくり移動している。

 

 野営していると、ライオンっぽい二足歩行のモンスターが襲撃してきたので返り討ちにしてやった。

 

 片言だが言葉をしゃべっていたので、多少は知性があるのだろう。

 

 

 

 ☆月★日

 

 またしても打ち捨てられた村を発見した。

 

 畑は踏み荒らされていて、手の入れられていない畑には枯れた植物がポツポツとあるだけだった。

 

 これもモンスターによるものだろうか? 

 

 もしかして、あのライオンっぽいやつの仕業か? 

 

 人に出会わず、道を聞けないため、ちゃんと辿り着けるのか不安になった。

 

 

 

 ☆月★日

 

 運良く、近くを通った行商人の一団に道を聞くことができた。

 

 行商人たちは竜王国の所属だが、比較的安全な法国に仕入れに行っていたらしかった。

 

 警護はかなり厳重で、多くの傭兵、冒険者がついていた。

 

 冒険者に話を聞くことが出来たが、やはりライオンのモンスターを警戒しているらしい。

 

 奴らは竜王国ではビーストマンと呼ばれているそうだ。

 

 1人だと言ったら、大変だったなと同情されて、一緒に同行させてくれることになった。

 

 

 ☆月★日

 

 何度か小規模のビーストマンの襲撃にあった。

 

 他の護衛の連中の怯え度合いが大きすぎて動きが悪いので、さっさと切って捨ててやった。

 

 行商人のリーダーに高名な冒険者なのかとか問われたので、銅級だと言ったら、行商人はギルドは見る目がないと憤慨していた。

 

 それ、言い過ぎじゃない? 

 

 あと、傭兵、冒険者たちの俺への態度がおかしくなった。

 

 

 ☆月★日

 

 門は厳重に管理されており、住民の入出国も厳しい審査が必要なようだ。

 

 俺も余所者ということで怪訝な目で見られたが、行商人達が取りなしてくれた。

 

 これからギルドに向かうと言うと、推薦状を持たせてくれた。

 

 行商人と思っていた人物は竜王国でも大きな商会の人だったらしい。

 

 これを渡せば昇級できるらしく、謝辞を伝えたら、逆にこんなことしか出来ず申し訳ないと言われてしまった。

 

 何かあったら呼んでくれと伝えて、その場を後にした。

 

 今日はもう遅いから、ギルドに行くのは明日にしよう。

 

 

 

 ☆月★日

 

 ギルドで紹介状を渡したら驚かれたが、無事に昇級することができた。

 

 今日から鉄級らしい。

 

 依頼のモンスター討伐の範囲も広がるので助かった。

 

 さっそく、依頼書を確認するが、依頼が溢れているのに対して冒険者が足りていないように感じた。

 

 一先ず、同じような依頼をまとめて受理するが、本当に大丈夫なのか、達成出来ないとペナルティもあるが、と何度も確認されて困った。

 

 そんな心配しなくても大丈夫だって。

 

 

 ☆月★日

 

 いくつかの近隣の村に物資を届けつつ、道中モンスターを狩り、薬草の採取を行う。

 

 そんな日々をいくらか続けていたらあっという間に昇級して銀級、金級とランクアップしていった。

 

 昇級試験とかはいいのかと聞いたら、充分すぎる実績があるから大丈夫だと言われた。

 

 

 

 ☆月★日

 

 紹介状をくれた商人から指名依頼があるとギルドから伝えられた。

 

 丁度、ギルドに来ていたらしく、直接依頼の内容を聞いた。

 

 また法国領内の都市に仕入れに行くので、護衛について欲しいらしい。

 

 紹介状貰った借りもあるしオーケーしといた。

 

 明後日の朝に出発する計画だ。

 

 明日は準備と休養にあてよう。

 

 

 ☆月★日

 

 こっちに来てから忙しくて、ゆっくり街の中を見ることが出来ていなかったが、竜王国内はあまり活気があるようには見えない。

 

 あるにはあるんだろうが、見えない不安を隠しきれないでいる様子だ。

 

 というのも、俺はこっちに来てから知ったのだが、竜王国は近隣のビーストマンの国家による侵略に悩まされていて既に3つの都市が陥落しているらしい。

 

 ビーストマンは主に南方から攻めて来ているので、竜王国の生存圏は北に北にと追いやられている状態なんだが、最近では北の方でもよくビーストマンが目撃されている。

 

 来るときに目撃した村はその被害にあったのだろう。

 

 為政者としては、ここからどうやって巻き返して行くのか腕の見せ所ではあるんだが、正直、じり貧だろうな。

 

 噂では法国に大量の献金をすることで、特殊部隊を呼んでいるらしいんだが、それでも戦況はよろしくないのが現実のようだ。

 

 

 

 ☆月★日

 

 今朝、法国内の都市に向けて出発した。

 

 護衛の人数はやはり多い。

 

 その中でもミスリルランクの冒険者がリーダーとなっているが、申し訳ないが俺は遊撃に回らせて貰うと伝えた。

 

 指示下に入れとはいうが、俺が個人で動いた方が早い。

 

 当然向こうとしては面白くないし、拒否してきたのだが、依頼人がオーケーを出したので渋々だが了承した形だ。

 

 やはりビーストマンの活動領域が広がっているのか、何度か襲撃があった。

 

 その度に俺たち冒険者は対処しなければならないのだが、冒険者たちの反応が遅すぎる。

 

 先に偵察役を先行させるとか方法はあるんじゃないのか? 襲撃されてから対応するでは遅いんだよ。

 

 事前に芽は潰しておいた方がいいと思うのは理想を望み過ぎているのだろうか? 

 

 あまりにも拙く思えたので、俺が先行して間引いておくことを提案した。

 

 提案は通ったんだが、何人か俺についてくるらしい。

 

 大丈夫か? 

 

 

 

 ☆月★日

 

 どうやって強くなったのか、偵察についてきた連中に聞かれた。

 

 そりゃモンスターを狩って、狩って、狩りまくるしかない。

 

 技術だって、実戦で身につけるしかないだろう。

 

 当然、ある程度の訓練は必要だし、下地がなければ能力は向上しづらくはある。

 

 指導を頼まれたので、偵察中にいくらかレクチャーを行った。

 

 

 

 ☆月★日

 

 数日かけて、ようやく目的の都市に到着した。

 

 指導した奴らは大分よくなったが、身の周りをチョロチョロしてて鬱陶しい。

 

 お前ら、さっさと戻りの準備しとけよ。

 

 呑気に酒飲んでる暇はないぞ。

 

 と、随分と偉いことを言ったが俺は初めてきた街の観光に行きたいのだ、さっさと解放してくれ……

 

 

 

 ☆月★日

 

 商人たちの仕入れも順調に進み、それからまた数日かけて竜王国に戻った。

 

 幸いにもビーストマンに出くわすことはなく、商人たちの被害もゼロにおさめることができた。

 

 また頼むとは言われたが、護衛はめんどくさいな。

 

 竜王国の名所を見たら、またエ・ランテルに戻ろうか。

 

 他の冒険者たちは竜王国よりも南の都市に戻るらしい。気をつけて戻れよ。

 

 

 

 ☆月★日

 

 ギルドで、少し離れた都市にビーストマンの襲撃があったと話を聞いた。

 

 あいつらが戻った都市だ。

 

 少し様子を見に行った方がいいだろうか。

 

 

 

 ☆月★日

 

 心配して来てくれた、とか思われるのも癪なので、久しぶりに神器級の装備を身につけ、顔を隠して様子を見に行こうと思う。

 

 やはり、神器級装備はすごいな。

 

 ステータスがゴリっと上がった気がする。

 

 人に見られないように、アイテムを使って空を飛び、目的の都市近くまで移動する。

 

 その都市には、大量のビーストマンに襲撃され、今にも門が破壊されようとしていた。

 

 仕方がないので、そのまま走ってビーストマンの群れに突っ込んでやった。

 

 大量のモンスターを一度に狩るのは久しぶりで、あまりにも神器級武器の切れ味が良すぎたもんだから夢中でやってしまった。

 

 気がついたら全て切り捨てていた。

 

 俺は逃げ出した。

 

 

 

 ☆月★日

 

 やはり、一度エ・ランテルに戻ろうと思う。

 

 先日のビーストマン襲撃で戦況を引っくり返した騎士を女王が探しているらしい。

 

 面倒は御免だ、俺はエ・ランテルに戻る。

 

 

 ☆月★日

 帝国領を経由してエ・ランテルに戻る予定だったのだが……道中、休憩している時に本の少し気を抜いたら荷物をデカイカラスの魔獣に奪われるというハプニングがあった。

 

 背嚢には食料品や寝袋等だけで大したものは入っていなかったのだが……厄介なことにその中に冒険者証が入っていたのだけは困った……

 

 幸いにも魔獣討伐の依頼を受ければ、冒険者証の再発行を受けてくれるらしい。どうやら数日は帝国領の都市で冒険者として活動しなければならないみたいだ。

 

 急いでいる訳ではないとはいえ、エ・ランテルに戻るのは遅れそうだ。

 

 ……

 

 

 ☆月★日

 

 ……何とかエ・ランテルに戻ってきた。

 

 が、何やら騒がしい。人を捕まえて尋ねてみれば、どうやらエ・ランテルの墓地からアンデットが溢れて大変だったらしい。

 

 普通なら浄化してるだろうし、墓地からアンデット溢れないだろと思ったが、ズーラーノーンとかいうカルト教団が儀式を失敗させて、溢れさせたらしい。

 

 首謀者は既に死亡していて、死体安置所に送られたという。

 

 その内の1人が金髪の露出の多い女だったらしく、少し動揺した。

 

 ちょっとだけ見てこようと思う。

 

 

 

 ☆月★日

 

 夜、死体安置所に忍び込んで、目的の女を探す。

 

 やはり、不安は的中していたようで、死体となっていたのはクレマンティーヌだった。

 

 クレマンティーヌの顔は苦しみで歪み、歯はバキバキに折られていた。

 

 骨格がおかしくなっている所をみるに、背骨をやられたらしい。

 

 いったいどんな奴とやりあったら、こんな死に方するんだと思った。

 

 生き返らせた方がいいのか悩んだが、安置所で迷ってるよりいいと、眠るクレマンティーヌを宿につれてきた。

 

 ベッドのシーツが黒い血で汚れてしまったが、明日、弁償するしかないだろう……

 

 悩んで連れてきてしまったが、連れてきたからには生き返らせるしかあるまいと、とあるスキルを使い蘇生させた。

 

 取り敢えず、すまんと言っておく。肝心の本人には言ってないが……

 

 怪我までは治らないらしく、虫の息だったのを大治癒の魔法で損傷した体を修復させた。

 

 あとは目を覚ますまで待つしかないだろう。

 

 

 

☆月★日 ※5

 

 翌朝、クレマンティーヌは俺が起きて、しばらくしてから目覚めた。

 

 起きた途端、泣き出して縋り付くんだからよっぽど怖い思いをしたんだろう。

 

 よしよし、怖かったでちゅねー。

 

 とからかっても無反応。

 

 大丈夫なのか? 

 

 何をやったらあんな死に方するのか聞いても、無言のままだった。

 

 またトラウマでも出来たのかもしれない。

 

 腹が減っているだろうと料理と水をあげたら無言で食っていた。

 

 ようやく口を開いたかと思えば、アンタ、プレイヤー? だった。

 

 何で今それが出てくるのかわからないが、とりあえず、そうだと言っておいた。

 

 奴は不気味にもニヤニヤしていた。

 

 本当に何なんだ? 

 

 

 

☆月★日 ※6

 

 クレマンティーヌに宿は借りっぱなしにしておくから、好きにしてろと言ったらついて来た。

 

 まだ、ギルドに戻ってきたことを伝えていないからな。

 

 

 

 ギルドに竜王国から戻ったことを伝えた。

 

 エ・ランテルでは竜王国の情報はあまり入ってきていないらしく、話した内容で、いくつかの調書が作られた。

 

 とにかく無事に戻ってこれて、良かったと言っていた。

 

 いつの間にか金級になっていたことには驚かれたが。

 

 

 

 ギルドに入らなかったクレマンティーヌはどこかに行く用事があったらしい。

 

 ギルドの用事が終わる頃には、クレマンティーヌの用事も終えて、ギルド前で待っててくれていたみたいだ。

 

 

 

 しかし、あいつとんでもない薬を盛ってきたな……

 

 いや、可愛い一面見れたからいいけどさ……

 

 

 

 ☆月★日

 

 クレマンティーヌを殺ったのは、モモンとナーベっていう最近アダマンタイト級になったばかりの冒険者らしい。

 

 ナーベってのは知らないけど、モモンはクソ強いエルダーリッチの化け物だって言ってた。

 

 モモンって剣士って聞いてたけど、お前、マジックキャスターに接近戦で負けたの? って聞いたらキレられた。

 

 だって普通に考えたら、そうじゃん。

 

 

 

 ☆月★日

 

 昨日、少し言い争いになったが、出ていく気はないらしい。

 

 というかついてくるらしい。

 

 通り魔兼事件の主犯が仲間とか、俺までヤバくね? 

 

 ついてくる気なら殺人は禁止にしといた。

 

 破ったら、魔法使って矯正するんでヨロシク。

 

 それはともかくとして、モモンとナーベって冒険者のことは調べてみようと思う。

 

 

 

☆月★日 ※7

 

 聞いて回った話では、アダマンタイト級になったのは事件の後らしく、モモンはいつもヘルムを被っていて顔を見せないらしい。

 

 てか、フルプレート……やっぱスゲー目立つわ。

 

 もし、エルダーリッチで顔を隠してるなら筋は通るが……

 

 正直、良いか悪いかで言えばクレマンティーヌが悪いからな。

 

 人間じゃないってだけで、悪い奴と決めつけるのは間違ってる気がするんだが……

 

 

 遠目でアダマンタイト級冒険者、漆黒を見ることが出来た。

 

 モモンはともかく、ナーベは何処かで見たことあるような……? でも、黒髪だしリアルでかもしれない。

 

 目が合った気がしたんで視線をサッと外して、その場を後にした。

 

 

 

 ☆月★日

 

 昨日から、周囲に何者かの気配がする。

 

 人通りが少ないところで、センスエネミーを使ったら敵ではないらしい。

 

 どういうことだ? 

 

 未知の敵を看破するスキルを使ったら、どうやらレッサーデーモンが潜んでいるみたいだ。

 

 悪魔が敵意持ってないってどういう状況なの? 

 

 

 

 ☆月★日

 

 ギルドで、俺に漆黒が話をしたいと聞いた。

 

 正直、気が重かったが、直接話を聞いた方がいいと思いオーケーをだした。

 

 クレマンティーヌは物凄ーく嫌そうな顔をしていた。

 

 いや、こんな状況になってるのはお前のせいだからな? 

 

 

 

 ☆月★日

 

 衝撃を受けた。

 

 モモンの正体はモモンガで、ナーベの正体はナーベラルだった。

 

 一字抜いただけじゃねーか! 

 

 モモンガは喜び、ナーベラルは感動で泣き崩れていた。

 

 俺は何か凄く申し訳ない気分になった。

 

 今、ナザリックの僕達が俺を歓待する準備を急ピッチで進めているらしい。

 

 明日、ナザリックに帰る予定だ。

 

 NPC達が生きているとは……会うのが楽しみだ。

 

 

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