三つの国家が互いに争い続ける、魔法の存在する異世界。

その一角、過酷な環境に築かれたグラディオス魔王国で、巨大な犯罪組織「ヴァレンティア・ファミリア」を率いる男――ヴィットリオ・ヴァレンティア。

魔王国の上層部と深く癒着する彼は、国家への忠誠も大義も持たない。
ただひたすらに金と利権を愛する、生粋の商売人だった。

戦争で捕らえたエルディア王国の兵士や貴族を奴隷として売るのではなく、ヴィットリオは彼らを五体満足のまま生かし、莫大な身代金を要求する。

「殺すより、生かして返した方が儲かるだろ?」

敵も味方も、兵士も貴族も、ヴィットリオにとってはすべて金を生み出す“商品”。

三国が血を流す戦争の裏側で、欲望に忠実な魔族の男は、今日も戦争を最高の商機として金を数えていた。