「生きることが俺には悪夢」兄は微かに笑いながら言った

いつもの真夜中の逢い引きが始まる。兄のすることに僕は逆らわない。そしてもうやめられない。あまりに愛し合ってしまったから。なにもかもが秘密に閉ざされた出口のないパンドラの箱。

自分を棄てて、空虚を苦痛で埋め合わせる兄。魂を貪られて生きたまま葬られるかのように永遠に続く罪と罰の無限のループ。虚無と狂気に生きることを兄は選ぶのだろうか。

『イナフ −失われた物語−』の記憶の扉に閉じ込められた《私》の失われた物語
*本編『イナフ −失われた物語−』 http://novel.syosetu.org/67606/